(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】サービス能力公開機能(SCEF)を介してモノのインターネット(IoT)デバイスの状態を監視する方法、システム、およびコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 4/70 20180101AFI20240219BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20240219BHJP
H04W 92/24 20090101ALI20240219BHJP
【FI】
H04W4/70
H04W88/18
H04W92/24
(21)【出願番号】P 2021543455
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2020013960
(87)【国際公開番号】W WO2020171899
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤナン,ゴクル
(72)【発明者】
【氏名】マハランク,シャシキラン・バラチャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】クリシャン,ラジブ
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; T8 reference point for Northbound APIs; (Release 16),3GPP TS 29.122 V16.0.0 (2018-12),2018年12月,第20-26頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノのインターネット(IoT)デバイスの状態を監視する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたサービス能力公開機能(SCEF)において、
複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態を監視するために、IoTアプリケーションサーバ(AS)またはサービス能力サーバ(SCS)から、サブスクリプション要求を受信するための共通インターフェイスを提供することと、
前記SCEFにおいて、
前記複数の異なる世代のネットワークのうちの第
1ネットワークのIoTデバイスの識別子のデータベースを保持することと、
前記SCEFにおいて、前記第
1ネットワークのサブスクライバデータリポジトリノードへのインターフェイスを提供することと、
前記共通インターフェイスを介して、IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするためのサブスクリプション要求を受信することと、
前記データベース内のルックアップを実行し、前記サブスクリプション要求を、前記第
1ネットワークに登録されたIoTデバイスに関連しているものとして識別することと、
前記第
1ネットワークへの前記インターフェイスを介して、前記IoTデバイスに関する状態情報を受信するために、メッセージを前記サブスクライバデータリポジトリノードに送信することとを含む、方法。
【請求項2】
前記共通インターフェイスはT8インターフェイスを備え、
前記第
1ネットワークは、2Gまたは3Gネットワークを含み、
前記T8インターフェイスは、4Gまたは5G IoTデバイスに関する状態情報のサブスクリプション要求を受信するようにさらに構成されており、
前記方法は、前記4Gまたは5G IoTデバイスに関する状態情報の受信をサブスクライブするために、
前記複数の異なる世代のネットワークのうちの第
2ネットワークへのインターフェイスを介して、メッセージを前記第
2ネットワーク内のノードに送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データベースを提供することは、モバイルサブスクライバインテグレーテッドサービスデジタルネットワーク(MSISDN)番号、または外部識別子のドメイン部分によって索引付けされたデータベースを提供することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記サブスクライバデータリポジトリノードは、ホームロケーションレジスタ(HLR)を備える、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記サブスクライバデータリポジトリノードに前記メッセージを送信することは、前記
サブスクライバデータリポジトリノードに、エニタイムインテロゲーション(ATI)要求メッセージを送信することを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記サブスクリプション要求は、1回の監視の要求であり、前記ATI要求メッセージは、1回の監視を示す情報要素を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サブスクリプション要求は、連続監視の要求であり、前記ATI要求メッセージは、連続監視を示す情報要素を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記SCEFにおいてタイマーを保持し、前記タイマーが満了するごとに、前記サブスクライバデータリポジトリノードにATI要求メッセージを定期的に送信し、前記連続監視を行うことを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記SCEFにおいて、前記IoTデバイスに関する状態情報を受信することと、前記共通インターフェイスを介して、前記SCSまたは前記ASに前記状態情報を提供することとを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記SCEFは、スタンドアロンノード、または、ダイアメータシグナリングルータ(DSR)もしくはポリシーサーバのコンポーネントを備える、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
モノのインターネット(IoT)デバイスの状態を監視するためのシステムであって、前記システムは、
サービス能力公開機能(SCEF)を備え、前記サービス能力公開機能(SCEF)は、
少なくとも1つのプロセッサと、
複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態を監視するために、IoTアプリケーションサーバ(AS)またはサービス能力サーバ(SCS)から、サブスクリプション要求を受信するための共通インターフェイスと、
前記複数の異なる世代のネットワークのうちの第
1ネットワークのIoTデバイスの識別子のデータベースと、
前記第
1ネットワークのサブスクライバデータリポジトリノードへのインターフェイスとを含み、
前記SCEFは、前記共通インターフェイスを介して、IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするためのサブスクリプション要求を受信し、前記データベース内のルックアップを実行し、前記サブスクリプション要求を前記第
1ネットワークに登録されているIoTデバイスに関連するものとして識別し、前記IoTデバイスに関する状態情報を受信するために、前記第
1ネットワークへの前記インターフェイスを介して、メッセージを前記サブスクライバデータリポジトリノードに送信する、システム。
【請求項12】
前記共通インターフェイスは、T8インターフェイスを含み、
前記第
1ネットワークは、2Gまたは3Gネットワークを含み、
前記T8インターフェイスは、4Gまたは5G IoTデバイスに関する状態情報のサブスクリプション要求を受信するようにさらに構成され、
前記SCEFは、
前記複数の異なる世代のネットワークのうちの第
2ネットワークへのインターフェイスをさらに含み、前記第
2ネットワークへの前記インターフェイスを介して、前記4Gまたは5G IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするために、メッセージを前記第
2ネットワークのノードに送信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記データベースは、モバイルサブスクライバインテグレーテッドサービスデジタルネットワーク(MSISDN)番号、または外部識別子のドメイン部分によって索引付けされている、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記サブスクライバデータリポジトリノードは、ホームロケーションレジスタ(HLR)を備える、請求項11~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記サブスクライバデータリポジトリノードに送信される前記メッセージは、エニタイムインテロゲーション(ATI)要求メッセージを含む、請求項11~14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記サブスクリプション要求は、1回の監視の要求であり、前記ATI要求メッセージは、1回の監視を示す情報要素を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記サブスクリプション要求は、連続監視の要求であり、前記ATI要求メッセージは、連続監視を示す情報要素を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記SCEFは、タイマーを保持し、前記タイマーの満了ごとに、ATI要求メッセージを前記サブスクライバデータリポジトリノードに定期的に送信し、前記連続監視を行う、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記SCEFは、前記IoTデバイスに関する状態情報を受信し、前記共通インターフェイスを介して、前記SCSまたは前記ASに前記状態情報を提供する、請求項11~18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータのプロセッサによって実行されると、前記コンピュータを制御して請求項1~10のいずれかに記載の方法を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2019年2月20日に出願された米国特許出願番号16/280,672の優先権を主張するものであり、参照により、その開示内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本明細書に記載の主題は、IoTデバイスの状態を監視することに関する。より具体的には、本明細書に記載の主題は、異なる世代のネットワークのIoTデバイスを監視するための共通インターフェイスを提供することによってIoTデバイスの状態を監視することに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP: Third Generation Partnership Project)は、IoTアプリケーションサーバ(AS : Application Servers)およびサービス能力サーバ(SCS : Service Capability Servers)が4G IoTデバイスの状態を監視することを可能にする機械式通信(MTC : Machine Type Communication)監視手順を定義している。監視可能な状態の例として、位置情報、ローミングステータス、デバイス到達可能性等がある。しかしながら、現在の3GPPで定義された手順では、IoTアプリケーションサーバまたはサービス能力サーバが、2Gおよび3GネットワークのIoTデバイス、または2Gおよび3Gネットワークに接続されたIoTデバイスのデバイス状態を監視することはできない。
【0004】
この問題に対する1つの可能な解決策は、IoTアプリケーションサーバが4G IoTデバイスの状態を受信することをサブスクライブするための1つのインターフェイスを提供し、IoTアプリケーションサーバが2Gまたは3G IoTデバイスの状態を受信することをサブスクライブするための別のインターフェイスを提供することである。このような解決策は、IoTアプリケーションサーバとサービス能力サーバが、監視対象のIoTデバイスのタイプに応じて異なるインターフェイスの要件に準拠する必要があり、望ましくない。
【0005】
したがって、IoTデバイスの状態を監視するための改善された方法、システム、およびコンピュータ可読媒体が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
概要
本明細書に記載の主題は、IoTデバイスの状態を監視するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体を含む。ある方法は、少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたサービス能力公開機能(SCEF : Service Capability Exposure Function)において、複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態を監視するために、IoTアプリケーションサーバ(AS)またはサービス能力サーバ(SCS)からサブスクリプション要求を受信するための共通インターフェイスを提供することを含む。
【0007】
「複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイス」および「異なる世代のネットワークのIoTデバイス」という表現は、3GPPで定義されたネットワークの世代において、異なる世代のネットワークに接続されて動作するIoTデバイスを意味する。例えば、2Gネットワークは、ある世代のネットワークであってもよい。3Gネットワークは、別の世代の別のネットワークであってもよい。4Gネットワークは、さらに別の世代のネットワークであってもよい。5Gネットワークは、さらに別の世代のネットワークであってもよい。一般的に、SCEFが提供する共通インターフェイスは、n世代のネットワークに接続されたIoTデバイスと、m世代のネットワークに接続されたIoTデバイスのイベントサブスクリプションを監視することを可能にする。なお、nとmは整数であり、等しくない。
【0008】
方法は、SCEFにおいて、第1世代ネットワークのIoTデバイスの識別子のデータベースを保持することをさらに含む。方法は、SCEFにおいて、第1世代ネットワークのサブスクライバデータリポジトリノードへのインターフェイスを提供することをさらに含む。方法は、共通インターフェイスを介して、IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするためのサブスクリプション要求を受信することをさらに含む。方法は、データベースでルックアップを実行し、サブスクリプション要求が第1世代ネットワークに登録されたIoTデバイスに関連するものであると識別することをさらに含む。方法はさらに、第1世代ネットワークへのインターフェイスを介して、IoTデバイスに関する状態情報を受信するために、メッセージをサブスクライバデータリポジトリノードに送信することを含む。
【0009】
一例では、共通インターフェイスは、T8インターフェイスを備え、第1世代ネットワークは、2Gまたは3Gネットワークを備え、T8インターフェイスは、さらに、4Gまたは5G IoTデバイスに関する状態情報のサブスクリプション要求を受信するように構成され、方法は、第2世代ネットワークへのインターフェイスを介して、4Gまたは5G IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするために、メッセージを第2世代ネットワーク内のノードに送信することをさらに含む。
【0010】
別の例では、データベースを提供することは、モバイルサブスクライバインテグレーテッドサービスデジタルネットワーク(MSISDN : Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network)番号または外部識別子のドメイン部分によって索引付けされたデータベースを提供することを含む。
【0011】
さらに別の例では、サブスクライバデータリポジトリノードは、ホームロケーションレジスタ(HLR: Home Location Register)を備える。
【0012】
さらに別の例では、サブスクライバデータリポジトリノードにメッセージを送信することは、データリポジトリノードに、エニタイムインテロゲーション(ATI : Anytime Interrogation)要求メッセージを送信することを備える。
【0013】
さらに別の例では、サブスクリプション要求は1回の監視の要求であり、ATI要求メッセージは1回の監視を示す情報要素を含む。
【0014】
さらに別の例では、サブスクリプション要求は、連続監視の要求であり、ATI要求メッセージは、連続監視を示す情報要素を含む。
【0015】
さらに別の例では、SCEFにはタイマーが保持されている。SCEFは、タイマーが満了するたびに、サブスクライバデータリポジトリノードにATI要求メッセージを定期的に送信することで、連続監視を実現する。
【0016】
さらに別の例では、SCEFは、IoTデバイスに関する状態情報を受信し、共通インターフェイスを介してその状態情報をSCSまたはASに提供する。
【0017】
さらに別の例では、SCEFは、スタンドアロンのノード、または、ダイアメータシグナリングルータ(DSR : Diameter Signaling Router)またはポリシーサーバのコンポーネントを備える。
【0018】
IoTデバイスの状態を監視するシステムは、サービス能力公開機能(SCEF)を含む。SCEFは、少なくとも1つのプロセッサを含む。SCEFは、複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態を監視するために、IoTアプリケーションサーバ(AS)またはサービス能力サーバ(SCS)からサブスクリプション要求を受信するための共通インターフェイスをさらに含む。SCEFは、第1世代のネットワークのIoTデバイスの識別子のデータベースをさらに含む。SCEFは、第1世代ネットワークのサブスクライバデータリポジトリノードへのインターフェイスをさらに含む。SCEFは、共通インターフェイスを介して、IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするためのサブスクリプション要求を受信し、データベース内のルックアップを実行し、第1世代ネットワークに登録されたIoTデバイスに関連するものとしてサブスクリプション要求を識別し、IoTデバイスに関する状態情報を受信するために、第1世代ネットワークへのインターフェイスを介して、メッセージをサブスクライバデータリポジトリノードに送信する。
【0019】
本明細書に記載の主題の別の態様によれば、コンピュータのプロセッサによって実行されたときに、ステップを実行するようにコンピュータを制御する実行可能な命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。ステップは、少なくとも1つのプロセッサを使用して実現されたサービス能力公開機能(SCEF)において、含む。ステップは、複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態を監視するために、IoTアプリケーションサーバ(AS)またはサービス能力サーバ(SCS)からサブスクリプション要求を受信するための共通インターフェイスを提供することをさらに含む。ステップは、SCEFにおいて、第1世代ネットワークのIoTデバイスの識別子のデータベースを保持することをさらに含む。ステップは、SCEFにおいて、第1世代ネットワークのサブスクライバデータリポジトリノードへのインターフェイスを提供することと、上記共通インターフェイスを介して、IoTデバイスに関する状態情報を受信することをサブスクライブするためのサブスクリプション要求を受信することとをさらに含む。ステップは、データベース内のルックアップを実行し、サブスクリプション要求が第1世代ネットワークに登録されたIoTデバイスに関連するものであることを特定することをさらに含む。ステップは、IoTデバイスに関する状態情報を受信するために、第1世代ネットワークへのインターフェイスを介してメッセージをサブスクライバデータリポジトリノードに送信することをさらに含む。
【0020】
本明細書に記載されている主題は、ハードウェアおよび/またはファームウェアと組み合わせてソフトウェアにより実現されてもよい。例えば、本明細書に記載の主題は、プロセッサによって実行されるソフトウェアにより実現されてもよい。ある実施の例において、本明細書に記載された主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されると、ステップを実行するようにコンピュータを制御するコンピュータ実行可能命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて実現されてもよい。本明細書に記載の主題を実現するのに適した例示的なコンピュータ可読媒体には、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラマブルロジックデバイス、およびアプリケーション固有の集積回路などの非一時的コンピュータ可読媒体が含まれる。さらに、本明細書に記載されている主題を実現するコンピュータ可読媒体は、単一のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム上に配置されてもよいし、複数のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム上に分散されて配置されてもよい。
【0021】
図面の簡単な説明
添付の図面を参照して本明細書に記載されている主題を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ホームサブスクライバーサーバー(HSS : Home Subscriber Server)が要求された状態情報を含む場合に、4G IoTデバイスのIoTデバイス状態を受信することをサブスクライブするためにT8インターフェイスを使用するための例示的なメッセージフローを示すメッセージフロー図である。
【
図2】HSSが要求された状態情報を含んでいない場合に、4G IoTデバイスのIoTデバイス状態を受信することをサブスクライブするために交換される例示的なメッセージングを示すメッセージフロー図である。
【
図3】監視イベントのサブスクリプションが単一のイベント監視のためのものである場合に、2Gまたは3GのIoTデバイスの状態を受信することをサブスクライブするための例示的なメッセージングを示すメッセージフロー図である。
【
図4】監視イベントのサブスクリプションが連続監視のためのものである場合に、2Gまたは3GのIoTデバイスの状態を受信することをサブスクライブするための例示的なメッセージングを示すメッセージフロー図である。
【
図5】複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスに対するIoTデバイス状態を監視するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図6】複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスのIoTデバイス状態を受信することをサブスクライブするための共通インターフェイスを提供するスタンドアロンSCEFのブロック図である。
【
図7】ダイアメータシグナリングルータのコンポーネントであるSCEFのブロック図であり、SCEFは、複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態情報を受信することのサブスクリプションを可能にするための共通インターフェイスを含む。
【
図8】複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態情報の更新を受信することのサブスクリプションを可能にするための共通インターフェイスを持つSCEFを含むポリシーサーバのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
本明細書に記載の主題は、IoTアプリケーションサーバが異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態情報を受信することをサブスクライブするための共通インターフェイスを提供するSCEFを含む。一例では、共通インターフェイスは、3GPP標準文書で規定されているT8インターフェイスであってもよく、IoT ASおよびSCSは、4G IoTデバイスの状態情報の更新を受信することをサブスクライブする。しかしながら、更新を受信することをサブスクライブするために規定された手順は、現在、4G IoTデバイスに対してのみ有効である。本明細書に記載の主題は、同じインターフェイスを使用して、2Gおよび3Gネットワークに接続されたIoTデバイスを含む異なる世代のネットワークのIoTデバイスの更新を受信することをサブスクライブすることを可能にする。また、T8インターフェイスは、3GPPASおよびSCSによって、5G IoTデバイスの状態情報の更新をサブスクライブして受信するために使用されてもよい。
【0024】
ASおよびSCSが異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態情報の更新をサブスクライブして受信するための共通インターフェイスを提供することは、異なる世代のネットワークのIoTデバイスのIoT状態情報の更新を受信することをサブスクライブするための個別のインターフェイスを必要とするアプローチよりも有利である。例えば、2Gおよび3G IoTデバイスの状態情報の更新を受信することをサブスクライブするための1つのインターフェイスが提供され、4G IoTデバイスの状態情報の更新を受信することをサブスクライブするための別のインターフェイスが提供される場合、各SCSまたはASは、両方のインターフェイスを実装し、IoTデバイスが接続されているネットワークのタイプ(例えば、2G、3G、または4G)を知ることを要求される。世代の異なるネットワークのIoTデバイスの状態情報をサブスクライブおよび受信するために、SCSとASに異なるインターフェイスの実装を要求することは、SCEFデバイスの数に対応付けられるSCSおよびASデバイスの予想される数に照らし合わせると非効率的である。
【0025】
共通インターフェイスを介して、複数の世代のIoTデバイスの状態情報に対するサブスクリプション要求を受信するSCEFは、異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態情報を取得するために、全てのSCSおよびASに別々のインターフェイスを実装することを要求することよりも、技術的に改善されている。なぜなら、各SCSおよびASで別々のサブスクリプションインターフェイスを実装するのに対して、共通インターフェイスは単一の場所、すなわちSCEFにおいて実装されることのみを要求されるためである。また、SCEFは、セキュリティおよび効率性の観点から、SCSまたはASよりも、各IoTデバイスが接続されているネットワークの種類を知る上で有利な立場にある。例えば、ネットワークオペレータは、状態情報の要求が適切なネットワークに送信されることができるように、各IoTデバイスが接続されているネットワークの種類を示すデータベースをSCEFに設けることができる。また、ネットワークオペレータは、許可されたネットワークからのSCSおよびASへのアクセスを制限することにより、IoTデバイスの状態へのアクセスを制御することを望むかもしれない。IoTデバイスの状態にアクセスするためにSCEFのインターフェイスを使用することで、SCEFは、IoTデバイスの状態情報に対する受信サブスクリプション要求を許可または拒否するためのセキュリティチェックポイントとして使用されることができる。
【0026】
図1は、4Gデバイスの状態を監視するための、本明細書に記載されているSCEFによって実現することができる4Gマシンタイプ通信監視イベント構成メッセージフローを示すメッセージフロー図である。
図1に示されたメッセージフローは、連続的または1回のHSSのみの監視のためのものであり、HSSは、SCSまたはASに代り、SCEFから連絡を受けて、IoTデバイスの状態情報を提供する。
【0027】
サブスクリプションを設定し、IoTデバイスに関する状態情報を提供するためにSCEFとSCS/ASとの間で使用されるインターフェイスは、T8インターフェイスと呼ばれる。T8インターフェイスは、3GPPTS 29.122「Technical Specification Group Core Network and Terminals; T8 reference point for Northbound APIs; (Release 15) (December 2018)」で定義されており、その内容を参照することで、その開示内容全体は本明細書に組み込まれる。3GPPTS 29.122によると、T8インターフェイスまたは参照点は、SCS/ASとSCEFとの間のインターフェイスである。「SCS/AS」という用語は、SCSおよび/またはASを指すが、これは、ある場合には、ASがSCEFと直接対話し、他の場合には、ASがSCSを介してSCEFと対話するためである。
【0028】
3GPPTS 29.122で規定されているT8インターフェイスの目的の1つは、「監視手順」である。SCS/ASを介して4G IoTデバイスに関する情報の受信をサブスクライブすることができる監視手順は、監視イベント設定手順と呼ばれる。SCS/AS側に新しいインターフェイスと新しい手順を実装するのではなく、2Gおよび3G IoTデバイスの状態を監視および報告するためのSCEFとダウンストリーム要素を構成するために、SCSとASが同じインターフェイスと同じ手順を使用することができる。最初に4Gメッセージフローを説明し、続いて2G/3Gコールフローを説明する。
【0029】
図1に示された4Gメッセージフローを参照すると、メッセージフローは、設定またはサブスクリプションフェーズと、報告フェーズとに分けられる。設定フェーズのライン1において、SCS/AS100は、SCEF102に、監視イベントサブスクリプションメッセージを送信する。監視イベントサブスクリプションメッセージは、T8インターフェイスまたはSCEF102の参照点を介して、SCEF102に送信されてもよい。監視イベントサブスクリプション要求は、要求されたイベントのタイプと、UEの識別子とを含む。要求される可能性のあるイベントの例には、位置情報の要求、UEの到達可能性、または国際移動局識別番号(IMSI : International Mobile Station Identity)から、国際移動体装置識別番号(IMEI : International Mobile Equipment Identity)へのマッピングの変更が含まれる。また、監視イベントサブスクリプション要求は、SCS/AS識別子および監視イベントタイプを含んでもよい。監視イベントタイプの例には、1回の報告および指定された期間の連続監視が含まれる。監視イベントサブスクリプション要求メッセージは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP : Hypertext Transfer Protocol)ポストメッセージでSCEF102に送信されてもよい。
【0030】
設定フェーズのライン2において、SCEF102が監視イベントサブスクリプション要求を検証し、S6tインターフェイスを介して、ホームサブスクライバサーバ(HSS)104にダイアメータ接続情報要求(CIR : Connection Information Request)メッセージを送信する。CIRメッセージは、ユーザのために生成された一意のSCEF参照識別子を含む。監視イベントサブスクリプション要求を検証することは、送信元のSCS/ASが、特定のIoTデバイスの状態情報を監視することを許可されているか否かを判断することを含んでもよい。SCS/ASがIoTデバイスの状態情報を監視することを許可されていない場合、SCEF102は、監視イベントサブスクリプション要求を拒否してもよい。
図1に示された例では、監視イベント要求は、監視イベント要求メッセージで識別されたIoTデバイスの状態情報を監視することを許可されたSCS/ASからのものであると想定される。
【0031】
設定フェーズのライン3において、HSS104がリクエストを検証し、IoTデバイスの状態情報が利用可能な場合はそれを含むレスポンスを送信する。この応答は、ダイアメータ接続情報回答(CIA : Connection Information Answer)メッセージであり、S6tインターフェイスを介してSCEF102に送信される。メッセージフロー図のライン4において、SCEF102は、HTTP応答201をSCS/AS100に送信する。この応答は、状態情報を受信するためのサブスクリプションが受け入れられたことを示す。一旦、状態情報を受信するためのサブスクリプションが受け入れられると、監視イベント手順のサブスクリプションまたは設定フェーズは終了する。
【0032】
HSS104は、サブスクリプション情報を含むCIRを受信した後、UEについて監視データが利用可能になるまで待機する。一旦、監視データが利用可能になると、HSS104は、要求された情報をSCEF102に送信する。メッセージフロー図の報告フェーズのライン1において、HSS104は、要求された状態情報とSCEF参照識別子とを含むダイアメータルーティング情報要求(RIR : Routing Information Request)メッセージをSCEF102に送信する。SCEF102が、1回の報告の生成(1回の報告の場合)、または報告期間の満了または指定された数の報告の受信(連続報告の場合)のいずれかにより、監視要求が失効したと判断した場合、SCEF102はUEの監視設定を削除する。
【0033】
メッセージフロー図の報告フェーズのライン2において、SCEF102は、IoTデバイスの状態をSCS/AS100に伝達する。デバイスの状態情報は、T8インターフェイスまたは参照点を介してSCS/AS100に伝達される。
【0034】
メッセージフロー図の報告フェーズのライン3において、SCS/AS100は、T8インターフェイスを介して、成功を示す原因コードと共に応答をSCEF102に送信する。メッセージフロー図の報告フェーズのライン4で、SCEF102はダイアメータルーティング情報回答(RIA : Routing Information Answer)メッセージをHSSに送信して、成功を示す。
【0035】
図1において、HSSは、要求されたIoTデバイスの状態情報を保持していることが想定される。別の例では、HSSは、要求されたIoTデバイス状態情報を持っていない場合があり、要求されたIoTデバイス状態情報を取得するために、モビリティマネージメントエンティティ(MME : Mobility Management Entity)またはサービングジェネラルパケットラジオサービスサポートノード(SGSN : Serving General packet radio service Support Node)に連絡する場合がある。
図2は、MMEまたはSGSNから4G IoTデバイス状態情報を取得するための監視イベント設定手順および報告手順を示すメッセージフロー図である。
【0036】
図2を参照すると、
図1と同様に、メッセージフローは、設定フェーズと、サブスクリプションまたは報告フェーズとに分けられる。設定フェーズのライン1において、SCS/AS100は、SCEF102に監視イベントサブスクリプションメッセージを送信する。監視イベントサブスクリプションメッセージは、T8インターフェイスまたはSCEF102の参照点を介して、SCEF102に送信されてもよい。監視イベントサブスクリプション要求は、要求されたイベントのタイプと、UEの識別子とを含む。要求される可能性のあるイベントの例には、位置情報の要求、UEの到達可能性、またはIMSIからIMEIへのマッピングの変更が含まれる。また、監視イベントサブスクリプション要求は、SCS/AS識別子および監視イベントタイプを含んでもよい。監視イベントタイプの例には、1回の報告および指定された期間の連続監視が含まれる。監視イベント要求メッセージは、HTTPポストメッセージでSCEF102に送信されてもよい。
【0037】
設定フェーズのライン2において、SCEF102は、監視イベント要求を検証し、S6tインタフェースを介してHSS104にダイアメータCIRメッセージを送信する。CIRメッセージは、ユーザのために生成された一意のSCEF参照識別子を含む。監視イベント要求を検証することは、送信元のSCS/ASが特定のIoTデバイスの状態情報を監視することを許可されているか否かを判定することを含んでもよい。SCS/ASがIoTデバイスの状態情報を監視することを許可されていない場合、SCEF102は、監視イベント要求を拒否してもよい。
図2に示される例において、監視イベント要求は、監視イベント要求メッセージで識別されたIoTデバイスの状態情報を監視することが許可されているSCS/ASからのものであると想定される。
【0038】
設定フェーズのライン3において、HSS104は要求を検証し、MME/SGSN106等のIoTデバイスサービスノードに要求を転送し、SCEF102に利用可能なあらゆるIoTデバイス状態情報を報告する。HSS104からMME/SGSN106への要求は、ダイアメータ挿入サブスクライバデータ要求(IDR : Insert subscriber Data Request)メッセージにより運ばれる。MME/SGSN106は、監視サブスクリプションの要求が受け入れられたことを示すダイアメータ挿入サブスクライバデータ回答(IDA : Insert subscriber Data Answer)メッセージで応答し、IDAメッセージには、利用可能な任意のIoTデバイス状態情報が含まれる。設定フェーズのライン5において、HSS104はIDAメッセージを受信し、IoTデバイスの監視の設定が成功したことを示すCIAメッセージをSCEF102に送信する。設定フェーズのライン6において、SCEF102は、SCS/AS100にHTTP応答201を送信する。この応答は、状態情報を受信するためのサブスクリプションが受け入れられたことを示す。一旦、状態情報を受信するために要求されたサブスクリプションが受け入れられると、監視イベント手順のサブスクリプションまたは設定フェーズは終了する。
【0039】
報告フェーズにおいて、MME/SGSN106がIoTデバイスについて報告すべき状態情報を有する場合、MME/SGSN106はSCEF102に通知する。
図2において、通知は、報告フェーズのライン1で、MME/SGSN106からSCEF102に、ダイアメータRIRメッセージで送信される。ダイアメータRIRメッセージは、要求された状態情報とSCEF参照識別子を含む。SCEFが、1回の報告の受信(1回の報告の場合)、サブスクリプション期間の満了、または指定された数の報告の受信(連続報告の場合)のいずれかにより、監視要求が失効したと判定した場合、SCEF102はIoTデバイスの監視設定を削除する。
【0040】
メッセージフロー図の報告フェーズのライン2において、SCEF102は、IoTデバイスの状態をSCS/AS100に伝達する。デバイスの状態情報は、T8インターフェイスまたは参照点を介してSCS/AS100に伝達される。
【0041】
メッセージフロー図の報告フェーズのライン3において、SCS/AS100は、T8インターフェイスを介して、成功を示す原因コードと共に応答をSCEF102に送信する。メッセージフロー図の報告フェーズのライン4において、SCEF102は、ダイアメータRIAメッセージをHSSに送信して、成功を示す。
【0042】
図1および
図2に示される例では、T8インターフェイスおよび監視イベント設定手順は、4G IoTデバイスのIoTデバイス状態を監視するための下流デバイス(すなわち、SCEF、HSS、およびMME/SGSN)を設定するために使用される。上述のように、T8インターフェイスおよび監視イベント設定手順は、2Gおよび3G IoTデバイスを含む非4G IoTデバイスのデバイス状態情報を監視および報告するために、下流デバイスを設定するためにも使用され得る。
図3は、2Gおよび3G IoTデバイスの状態を監視および報告するために、下流のデバイスを設定するための、T8インターフェイスおよび監視イベント設定手順の使用を示すメッセージフロー図である。
図3のメッセージフローは、1回の監視のためのものである。
図3を参照すると、メッセージフロー図のライン1において、SCS/AS100は、T8インターフェイスを介して、SCEF102に監視サブスクリプション要求を送信する。この例では、要求は、1回の監視のためのものである。したがって、監視サブスクリプション要求における監視期間パラメータは0に設定されてもよく、または、報告数パラメータは1に設定されてもよい。
【0043】
メッセージフロー図のライン2において、SCEF100は、監視サブスクリプション要求を検証し、監視サブスクリプション要求メッセージに含まれるデバイス識別子に基づいて、デバイスが2G/3G IoTデバイスであることを判定し、ホームロケーションレジスタ(HLR)300に、モバイルアプリケーションパート(MAP : Mobile Application Part)エニタイムインテロゲーション(ATI)要求メッセージを送信する。以下により詳細に説明するように、SCEF102は、2G/3G IoTデバイスのデバイス識別子のデータベースを保持してもよい。デバイス識別子は、MSISDNの範囲であってもよいし、2Gおよび3G IoTデバイスの状態情報を保持するHLRまたはHLR/HSSにマッピングされた外部識別子のドメイン識別子であってもよい。SCEF102は、MAP ATI要求メッセージに、メッセージをIoTデバイス状態情報サブスクリプション要求として識別し、要求されたサブスクリプションのタイプを識別する1つまたは複数の情報要素(IEs : Information Elements)を挿入してもよい。SCEF102は、監視サブスクリプション要求で受信した監視イベントタイプに基づいて、監視イベントタイプを判定してもよい。以下の表は、監視イベントサブスクリプションタイプと、MAP ATI要求メッセージに含まれる可能性のある情報要素との間のマッピングを含む。
【0044】
【0045】
表1から、監視イベントタイプが位置報告である場合、SCEF102は、1回の報告のためにATI要求メッセージに位置情報要素を含め、連続報告のために現在位置情報要素を含めてもよい。SCS/ASがUE到達性に関する通知を要求する場合、SCEF102は、MAP ATI要求メッセージにサブスクライバ状態IEを含めてもよい。SCS/ASが、IMSI-IMEI関連の変更の通知を要求する場合、SCEF102は、ATI要求メッセージにIMEI情報要素を含めてもよい。SCS/ASから2G/3Gデバイスのために来る他の監視タイプは、適切なエラー原因により、SCEF102によって拒否されてもよい。
【0046】
メッセージフロー図のライン3において、HLR300は、2Gまたは3G IoTデバイス状態情報のサブスクリプションが成功したことを示すMAP ATI確認(Ack)メッセージをSCEF102に送信することにより、ATI要求に応答する。ライン4において、SCEF102は、作成されたhttp cause 201と共に、監視イベントサブスクリプション応答をSCS/AS100に送信する。ライン4の後、2Gまたは3G IoTデバイス状態を受信するための設定またはサブスクリプションフェーズが完了する。
【0047】
報告フェーズの間、メッセージフロー図のライン5において、SCEF102は、T8インターフェイスを介して、要求された監視情報と共に、監視イベントステータス通知をSCS/AS100に送信する。メッセージフロー図のライン6において、SCS/AS100は、SCEF102に監視イベント状態通知応答を送信する。
【0048】
図3の例では、監視サブスクリプション要求は、1回の監視のためのものである。SCEF102は、2Gおよび3GのIoTデバイスに関する状態情報の連続監視を提供してもよい。
図4は、2Gおよび3GのIoTデバイスに関する状態情報の連続監視のために、SCEF102によって実行される例示的なステップを示すメッセージフロー図である。
図4を参照すると、ライン1において、SCS/AS100は、T8インターフェイスを介して、SCEF102に監視サブスクリプション要求を送信する。監視サブスクリプション要求は、0ではない監視継続時間パラメータ、または、1より大きい報告数パラメータを含むことができ、これらのいずれかは、IoTデバイスの連続監視を示す。
【0049】
メッセージフロー図のライン2において、SCEF102は、監視サブスクリプション要求メッセージを検証し、T8メッセージに含まれるターゲットIoTデバイス識別子に基づいて、デバイスが2Gまたは3G IoTデバイスであると判定し、MAP ATI要求をHLR300に送信する。上述のように、SCEF102は、2G/3G IoTデバイスのデバイス識別子および対応するHLRアドレスのデータベースを含んでいてもよい。以下に示される表2は、SCEF102に存在する可能性のあるIoTデバイス識別子データベースの一例である。
【0050】
【0051】
表2は、IoTデバイス識別子および対応する2G/3G HLRアドレスのリストを含む。図示された例において、IoTデバイスは、MSISDN番号の範囲と、IoTデバイス監視イベントサブスクリプション要求メッセージの外部識別子のドメイン部分とによって識別される。SCEF102が監視イベントサブスクリプション要求メッセージを受信すると、SCEF102は、メッセージからIoTデバイス識別子を抽出し、IoTデバイス識別子データベースでルックアップを実行する。IoTデバイス識別子データベースがそのIoTデバイス識別子を含んでいる場合、そのIoTデバイスは2Gまたは3GのIoTデバイスであると判定され、SCEF102は、データベースルックアップで特定されたIoTデバイスに対応するHLRに、サブスクリプション要求メッセージを送信する。IoTデバイス識別子がIoTデバイス識別子データベース内に存在しない場合、IoTデバイスは4Gまたは5GのIoTデバイスであると判定され、クエリは対応する4Gまたは5Gネットワークに送信される。SCEF102は、4Gおよび5GのIoTデバイス識別子と、4Gまたは5GネットワークのHSS、MME、またはSGSNノードに対応するアドレスとの間のマッピングを保持してもよいことが理解される。
【0052】
また、表2のIoTデバイスの識別子は、2Gまたは3Gネットワークに接続されている4Gまたは5GのIoTデバイスを含み得ることも留意すべきである。IoTデバイスの状態情報更新をサブスクライブして受信するための
図3および4に例示された手順は、ATIメッセージに応答する、HLRに情報が格納されている任意のIoTデバイスに使用されることができる。また、
図3と
図4に例示されたATI手順は、ATIメッセージに応答するHSSまたはHLR/HSSの組み合わせから、IoTデバイスの状態情報をサブスクライブして取得するために使用され得ることに留意すべきである。
【0053】
図4に戻ると、監視サブスクリプション要求で受信された監視イベントタイプに基づいて、SCEF102は、表1に示されたマッピングに従い、要求された情報IEをMAP ATI要求に挿入する。例えば、連続位置監視の場合、MAP ATI IEは現在の位置情報IEを含むことができる。SCEF102が、SCS/AS100から受信した監視イベントタイプを認識しない場合、SCEF102は、エラー原因を示すエラーメッセージと共に、監視イベントサブスクリプションを拒否してもよい。
【0054】
メッセージフロー図のライン3において、HLR300は、(現在利用可能な場合)要求されたIoTデバイス状態情報と共に、MAP ATI AckをSCEF102に送信する。メッセージフロー図のライン4において、SCEF102は、応答コード201と共に、監視イベントサブスクリプション応答をSCS/AS100に送信する。
【0055】
メッセージフロー図のライン5において、SCEF102は、T8インターフェイスを介して、監視サブスクリプションが成功したことを示す監視イベントステータス通知をSCS/AS100に送信する。メッセージフロー図のライン6において、SCS/AS100は、SCEF102に監視イベントステータス通知応答を送信する。
【0056】
この例では、連続監視を行う必要がある間隔を示すために、SCEF102に静的なタイマーが設定される。タイマーの満了ごとに、SCEF102はHLR300にMAP ATI要求を送信し、そのうちの1つはメッセージフロー図のライン7に示される。SCEF102は、要求されたサブスクリプション期間または報告数に達するまで、タイマーの静的に構成された値に基づいて、定期的な間隔でHLR300にATI要求メッセージを送信してもよい。一旦、要求されたサブスクリプション期間または報告数に達すると、SCEF102は、IoTデバイスに関するATI要求メッセージの送信を停止してもよい。
【0057】
メッセージフロー図のライン8において、HLR300は、要求された監視情報と共に、MAP ATI AckをSCEF102に送信する。メッセージフロー図のライン9において、SCEF102は、T8インターフェイスを介して、要求された監視情報と共に、監視イベント状態通知をSCS/AS100に送信する。ライン10において、SCS/AS100は、監視イベント状態通知応答をSCEF102に送信する。
【0058】
図5は、複数の異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態情報を監視するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図5を参照すると、ステップ500において、異なる世代のネットワークのIoTデバイスの状態を監視するために、IoTアプリケーションサーバからサブスクリプション要求を受信するための共通インターフェイスがSCEFに提供される。例えば、
図6を参照すると、SCEF102は、スタンドアロンのコンピューティングプラットフォームとして実現されてもよい。SCEF102は、IoT SCSおよびASからサブスクリプション要求を受信するための、図示される例ではT8インターフェイスである第1のインターフェイス600を含む。サブスクリプション要求は、異なる世代のネットワークのIoTデバイスのIoTデバイス状態情報を要求してもよい。例えば、サブスクリプション要求は、
図1および
図2に図示された監視イベント手順を使用して、4Gまたは5GのIoTデバイス状態情報を要求してもよい。他のサブスクリプション要求は、
図3および4に図示された手順を使用して、2Gまたは3G IoTデバイスに関するIoTデバイス状態情報を要求してもよい。IoTアプリケーションサーバおよびサービス能力サーバが、異なる世代のネットワークのIoTデバイスのIoTデバイス状態情報をサブスクライブおよび受信するための単一の共通インターフェイスを提供することで、アプリケーションサーバおよびサービス能力サーバは、IoTデバイス状態情報を要求するための複数の異なるインターフェイスタイプに準拠する必要がなくなる。
【0059】
ステップ502において、プロセスは、SCEFにおいて、第1世代ネットワークのIoTデバイスのIoTデバイス識別子のデータベースを保持することを含む。一例では、第1世代ネットワークは、IoTデバイスの状態情報を含む2Gまたは3Gネットワークであってもよい。上記の表2は、保持され得るIoTデバイス識別子データベースの例を示す。
【0060】
ステップ504において、プロセスは、共通インターフェイスを介して受信したサブスクリプション要求に応じて、第1世代および第2世代のネットワークからIoTデバイス状態情報をそれぞれ収集するために、SCEFにおいて、第1および第2のIoTデバイス状態情報収集インターフェイスを提供することを含む。
図6を参照すると、SCEF102は、HLRから2G/3G IoTデバイスのIoTデバイス状態情報を収集するための2G/3G IoTデバイス状態情報収集インターフェイス604と、4Gおよび5G IoTデバイスに関する状態情報を収集するための4G/5G IoTデバイス状態情報収集インターフェイス606とを含む。2G/3G IoTデバイス状態情報収集インターフェイス604は、IoTデバイス状態を受信することをサブスクライブするためのATIメッセージを送信するための上述の手順を実現し得る。ATIメッセージは、SS7ネットワーク上で送信されるMAPメッセージである。したがって、2G/3G IoTデバイス状態情報収集インターフェイス604は、MAP層、トランザクション性能アプリケーション部(TCAP : Transaction Capabilities Application Part)層、シグナリング接続制御部(SCCP : Signaling Connection Control part)層、メッセージ転送部レベル3(MTP3 : Message Transfer Part Level 3)層、およびIPまたはSS7トランスポート層(Sigtran over IPまたはSS7層1、2のいずれか)を実現するSS7インターフェイスであってもよい。4G/5G IoTデバイス状態情報収集インターフェイス606は、HSS、SGSN、またはMME等のダイアメータノードから、IoTデバイス状態情報をサブスクライブおよび受信するための1つ以上のダイアメータ層を実現してもよい。SCEF102はまた、少なくとも1つのプロセッサ607およびメモリ608を含む。
【0061】
図6に示す例において、SCEF102は、スタンドアロンコンポーネントである。スタンドアロンSCEFは、MTCデバイスのインターワーキング機能だけでなく、SCSおよびASの機能に加えて、SCEFの機能を含んでもよい。別の実施において、SCEF102は、ダイアメータシグナリングルータ(DSR:Diameter Signaling Router)のコンポーネントとして実現されてもよい。
図7は、そのような実施例を示している。
図7において、DSR700は、複数のメッセージプロセッサ702、704、706および708を含む。各メッセージプロセッサ702、704、706および708は、プリント回路基板と、プリント回路基板に搭載された少なくとも1つのプロセッサ710およびメモリ712とを含む。メッセージプロセッサ702、704、706および708は、イーサネットバックプレーン等の通信媒体714を介して、メッセージを交換してもよい。
【0062】
図示の例において、メッセージプロセッサ702は、ダイアメータ接続層716と、ダイアメータルーティング層718とを実現している。ダイアメータ接続層716は、ピアのダイアメータノードと、ダイアメータ接続を確立して維持する。ダイアメータルーティング層718は、メッセージに含まれる宛先ホストおよび宛先レルムパラメータ等のダイアメータ層の情報に基づいて、ダイアメータメッセージをルーティングする。
【0063】
メッセージプロセッサ704は、SS7通信を実現する。このように、メッセージプロセッサ704は、シグトラン(Sigtran)層720とSS7層722とを含む。シグトラン層720は、IPネットワーク上でSS7メッセージを運ぶためのシグトランプロトコルを実現する。SS7層722は、SS7のポイントコードに基づいてSS7シグナリングメッセージをルーティングするためのSS7 MTPレベル3を実現する。
【0064】
メッセージプロセッサ706は、SCEF102を実現し、
図6に示されるコンポーネントを含んでいる。このように、2Gまたは3GネットワークからIoTデバイス状態情報を取得するために、SCEF102は、SS7メッセージプロセッサ704を介して、アウトバウンドサブスクリプション要求を送信し、SS7メッセージプロセッサ704からサブスクリプション情報を受信してもよい。4Gおよび5GのIoTデバイス状態情報については、SCEF102は、SCEF102への直接的なAPIベースのインターフェイス等、非ダイアメータインターフェイスを介して、サブスクリプション要求を送信してもよい。
【0065】
メッセージプロセッサ708は、ダイアメータアプリケーション724を実現する。ダイアメータアプリケーション724は、ダイアメータファイアウォールアプリケーション、パフォーマンス監視アプリケーション、またはその他の適切なダイアメータアプリケーション等、任意の適切なダイアメータアプリケーションであってよい。
【0066】
図7に示される例において、SCEF102はDSR700のコンポーネントである。さらに別の代替の実現例において、SCEF102は、ポリシーマネージャのコンポーネントであってもよい。
図8は、そのような実現例を示している。
図8において、ポリシーマネージャ800は、
図7に図示されているように、メッセージプロセッサ702、704、706および708を含む。各メッセージプロセッサ702、704、706および708は、プロセッサ710およびメモリ712を含む。メッセージプロセッサ702、704、706および708は、通信媒体714を介して通信することができる。しかしながら、ダイアメータルーティングまたはダイアメータルーティングのみを実現するのではなく、
図8に例示されたメッセージプロセッサ702は、PCRF機能を実現するポリシーおよび課金ルール機能(PCRF : Policy and Charging Rules Function)802を含む。PCRF機能は、ダイアメータノードからのポリシーおよび課金要求への応答を含む。また、メッセージプロセッサ702は、外部のダイアメータノードとの接続を確立および維持するためのダイアメータ接続層716を実現している。
【0067】
メッセージプロセッサ704は、
図6に図示されるSCEF機能を実現する。簡単に説明すると、そのような機能は、T8インターフェイス等の共通インターフェイスを介して、IoTデバイスの状態情報のサブスクリプション要求を受信することと、対応するサブスクリプション要求をHLRおよびHSSに送信することとを含む。メッセージプロセッサ706および708は、ポリシー関連のアプリケーションや非ポリシー関連のダイアメータアプリケーション等、他のダイアメータアプリケーションを実現してもよい。
【0068】
このように、複数の世代のIoTデバイスの状態を監視するための共通インターフェイスを提供するSCEFは、スタンドアロンのノードとしても、DSRやPCRF等の別のノードのコンポーネントとしても実現され得る。このようなSCEFは、異なる世代のネットワークのIoTデバイスのIoTデバイス状態情報を監視するための専用のインターフェイスを提供することを必要としない。このような装置は、SCSやASのベンダーが、異なる世代のネットワークのIoTデバイスを監視するための異なるインターフェイスの要件に準拠することを要求されないため、IoTデバイスの状態監視の技術分野を向上させる。
【0069】
本開示の主題の範囲から逸脱することなく、本開示の主題の様々な詳細を変更することができることろう。さらに、上記の説明は例示のみを目的としたものであり、限定を目的としたものではない。