(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240219BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240219BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240219BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240219BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 336
G06F3/12 353
G06F3/12 331
G06F3/12 303
G06F3/12 385
G06F3/12 386
B41J29/38
H04N1/00 127B
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2022061231
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2018001457の分割
【原出願日】2018-01-09
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】岡澤 隆志
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-115926(JP,A)
【文献】特開2013-205982(JP,A)
【文献】特開2009-230666(JP,A)
【文献】特開2009-110261(JP,A)
【文献】特開2008-146410(JP,A)
【文献】特開2015-198434(JP,A)
【文献】特開2011-013964(JP,A)
【文献】特開2008-252197(JP,A)
【文献】特開2018-037930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
H04L67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ネットワークインタフェースと第二ネットワークインタフェースを有する情報処理装置であり、印刷装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに制御方法を実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
前記第一ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のsimple network management protocol(SNMP)エンジンIDを含む第一装置情報を取得する第一の取得工程と、
前記第二ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のSNMPエンジンIDを含む第二装置情報を取得する第二の取得工程と、
前記第一
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDと前記第二
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDとが同一である場合は、同一のSNMPエンジンIDを有する印刷装置の装置情報を1つの装置の探索結果として探索画面に表示する表示制御工程と、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第一の取得工程と前記第二の取得工程では、SNMP通信を行うことにより装置情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記印刷装置は有線ネットワークインタフェースを介してネットワークに接続され、かつアクセポイントモードとして動作する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御工程では前記探索画面から選択された装置のネットワーク設定を行うための設定画面をさらに表示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第一の取得工程と前記第二の取得工程ではそれぞれ、複数の印刷装置から情報を取得可能であり、前記表示制御工程では、前記第一の取得工程と前記第二の取得工程で前記複数の印刷装置から情報を取得した後に、前記探索画面に取得した情報に基づいて複数の印刷装置をリスト表示する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
印刷装置を探索するためのアプリケーションが前記情報処理装置上で実行されたことに基づいて前記第一の取得工程と前記第二の取得工程では前記
印刷装置から情報を取得する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御方法は、ネットワークインタフェースを切り替える切り替え工程を更に有する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記探索画面から装置が選択されると前記切り替え工程では、当該選択された装置に対応するネットワークインタフェースに切り替える
ことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記探索画面には、装置名、MACアドレス、装置の状態を示す情報、IPアドレス、ネットワークインタフェースの情報の少なくともいずれかが表示されている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示制御工程では、前記第一
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDと前記第二
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDとが同一でない場合は、異なる装置の探索結果として探索画面に表示する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示制御工程では、前記第一
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDと前記第二の取得工程で取得したSNMPエンジンIDとが同一である場合は、同一のSNMPエンジンIDを有する印刷装置の装置情報を1つの選択肢として探索画面に表示する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第一ネットワークインタフェースは無線LAN(Local Area Network)ネットワークインタフェースであり、前記第二ネットワークインタフェースは有線LANネットワークインタフェースである
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
第一ネットワークインタフェースと第二ネットワークインタフェースを有する情報処理装置であり、印刷装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記第一ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のsimple network management protocol(SNMP)エンジンIDを含む第一装置情報を取得する第一の取得手段と、
前記第二ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のSNMPエンジンIDを含む第二装置情報を取得する第二の取得手段と、
前記第一
の取得
手段で取得したSNMPエンジンIDと前記第二
の取得
手段で取得したSNMPエンジンIDとが同一である場合は、同一のSNMPエンジンIDを有する印刷装置の装置情報を1つの装置の探索結果として探索画面に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
第一ネットワークインタフェースと第二ネットワークインタフェースを有する情報処理装置であり、印刷装置と通信可能な情報処理装置が実行する制御方法であって、
前記制御方法は、
前記第一ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のsimple network management protocol(SNMP)エンジンIDを含む第一装置情報を取得する第一の取得工程と、
前記
第二ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のSNMPエンジンIDを含む第二装置情報を取得する第二の取得工程と、
前記第一
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDと前記第二
の取得工程で取得したSNMPエンジンIDとが同一である場合は、同一のSNMPエンジンIDを有する印刷装置の装置情報を1つの装置の探索結果として探索画面に表示する表示制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続可能なネットワークインタフェースを有し、PCなどの情報処理装置にそのネットワークを介して接続されている外部装置は、接続されている外部装置を把握するために情報処理装置に探索される場合がある。その探索を行う際に、一台の外部装置に対して複数のプロトコルを用いて探索を行うと、複数の外部装置を探索結果に表示してしまう。そのために画像形成装置のMACアドレスを用いることで、同様の探索結果を1つだけ表示する情報処理装置もある(特許文献1参照)。
【0003】
また、近年外部装置が複数のネットワークインタフェースを搭載することも一般的になってきている。そのような外部装置に対して情報処理装置が探索を行う場合、外部装置は情報処理装置に接続されている全てのネットワークインタフェースを介して探索され、応答する。例えば外部装置が複数のネットワークインタフェースを搭載している場合、情報処理装置はそれぞれのインタフェースに対し外部装置の探索を行う探索用通信パケットを送信する。それに対し外部装置は、それぞれのインタフェースから探索応答用通信パケットを返信する。情報処理装置はその探索用通信パケットの応答を受けて、探索結果である外部装置の情報を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、外部装置が複数のネットワークインタフェースを持ち、その複数のネットワークインタフェースを介して外部装置に接続されている情報処理装置がある場合には以下の課題が生じる。ネットワークインタフェースごとに固有のMACアドレスが割り当てられるため、情報処理装置は特許文献1のように同じ外部装置から複数の応答を受けた時に、MACアドレスを用いてその応答が同じ外部装置からの応答であると判別することができない。これにより、ユーザに複数台の外部装置に接続しているという誤解を与える可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、情報処理装置が情報処理装置の複数のネットワークインタフェースを介して画像形成装置の複数のネットワークインタフェースに接続し、画像形成装置の探索を行い、その探索結果からユーザが誤解することを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、第一ネットワークインタフェースと第二ネットワークインタフェースを有する情報処理装置であり、印刷装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに制御方法を実行させるためのプログラムであって、前記制御方法は、前記第一ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のsimple network management protocol(SNMP)エンジンIDを含む第一装置情報を取得する第一の取得工程と、
前記第二ネットワークインタフェースを介して印刷装置から当該印刷装置のSNMPエンジンIDを含む第二装置情報を取得する第二の取得工程と、前記第一の取得工程で取得したSNMPエンジンIDと前記第二の取得工程で取得したSNMPエンジンIDとが同一である場合は、同一のSNMPエンジンIDを有する印刷装置の装置情報を1つの装置の探索結果として探索画面に表示する表示制御工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、情報処理装置が情報処理装置の複数のネットワークインタフェースを介して画像形成装置の複数のネットワークインタフェースに接続し、画像形成装置の探索を行い、その探索結果からユーザが誤解することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図
【
図3】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図
【
図4】ネットワーク接続設定時のCPU101のフローの一例を示すフローチャート
【
図6】ネットワーク接続設定を行うためのアプリケーションのメイン画面の一例を示す図
【
図7】ネットワーク接続設定を行うためのアプリケーションの設定画面の一例を示す図
【
図8】デバイスリスト表示時のCPUのフローの一例を示す図
【
図10】デバイスリスト表示時のCPUのフローの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面及び表を用いて説明する。以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【実施例1】
【0011】
まず
図1を用いて、本発明における通信システムの一例を説明する。
図1は、本発明における通信システムの一例を示す図である。
【0012】
本発明に係る通信システムは、PC等の情報処理装置100、10、20、ルーター30、複合機等の外部装置200で構成される。
【0013】
PC等の情報処理装置100はネットワークIF(InterFace)110を搭載している。また、情報処理装置100はこのネットワークIF110からブロードキャスト通信やマルチキャスト通信を用いて情報を送信することができる。なお情報処理装置は複数のネットワークIFを搭載し、複数のネットワークIFからブロードキャスト通信やマルチキャスト通信を用いて情報を送信してもよい。
【0014】
また情報処理装置10、20も複数のネットワークIFを搭載していてもよい。
【0015】
外部装置である複合機等の画像形成装置200は複数のネットワークIF210、220を搭載している。情報処理装置100と画像形成装置200に搭載されるネットワークIF110、210、220は、例えばEthernet(登録商標)のような有線LAN(Local Area Network)通信を行うためのネットワークIFである。なお、そのネットワークIFはUSB-LANアダプタなどで接続されていてもよい。また、無線LAN通信を行うためのIFであってもよいし、これらのネットワークIFを組み合わせて搭載してもよい。
【0016】
またネットワークIFは無線LAN通信を行うために、Wi-Fi(登録商標)やWi-Fi Direct(登録商標)等の規格に準拠した通信を行うことができるIFであってもよい。
【0017】
本実施例では、画像形成装置200は2つのネットワークIFを搭載しているが、これに限らず3つ以上のネットワークIFを搭載していてもよい。
【0018】
また本実施例では、画像形成装置200のネットワークIF210、220は有線LAN_IFである場合を説明する。
【0019】
LAN1には情報処理装置100、10、画像形成装置200、LAN2には情報処理装置20、画像形成装置200が直接接続されている。また、すべての装置はルーター30を介すことでLAN1、2の両方のLANにおいて通信可能である。
【0020】
情報処理装置100のネットワークIF_AはLAN1、LAN2を介して画像形成装置200のネットワークIF_B、ネットワークIF_Cと接続されている。また情報処理装置100はLAN1、2を介して、画像形成装置200に印刷ジョブなどのデータを送信したり、画像形成装置の設定を行ったりすることができる。
【0021】
ここで、印刷ジョブとは、画像形成装置に印刷処理を実行させるための命令や画像データ、印刷設定情報などを含むデータである。また、画像形成装置の設定とは、情報処理装置と画像形成装置がネットワークIFを介して通信できるようにするための、画像形成装置のIPアドレスやネットワークのフレームタイプなどの設定である。
【0022】
図2は情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0023】
情報処理装置100は、ROM102、RAM103、HDD104、操作部105、表示部106、ネットワークIF_A110、ネットワークIF_B120、並びにこれらを制御するCPU101を備える。
【0024】
CPU101は、情報処理装置100を構成する各種ハードウェア102~106、110、120の制御を動的に行うことで、情報処理装置100が備える各機能を実現することが可能となる。なおCPU101はバスラインにより各種ハードウェアに信号を送り、他のハードウェアと相互にデータ通信を行うことが可能となる。
【0025】
RAM102は、CPU101が演算に用いるデータを一時的に格納するためのワークメモリである。ROM103は、CPU101が使用するプログラムや各種データを格納する。HDD104は、各種データや各種プログラム等を記憶する。
【0026】
操作部105は、情報処理装置100を操作するためのキーボードやマウス等である。なお、操作部105は情報処理装置100に搭載されていてもよいし、USB(Universal Serial Bus)ケーブルで情報処理装置100と接続されていてもよい。
【0027】
表示部106は、情報を表示するディスプレイ等である。なお、表示部106は情報処理装置に搭載されていても良いし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル等で接続されていてもよい。
【0028】
図3は画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0029】
画像形成装置200は、ROM202、RAM203、HDD204、操作部205、プリンタ206、スキャナ207、ネットワークIF_C210、ネットワークIF_D220、並びにこれらを制御するCPU201を備える。
【0030】
CPU201は、画像形成装置200を構成する各種ハードウェア202~207、210、220の制御を動的に行うことで、画像形成装置200が備える各機能を実現することが可能となる。なおCPU201はバスラインにより各種ハードウェアに信号を送り、他のハードウェアと相互にデータ通信を行うことが可能となる。
【0031】
ROM202、RAM203、HDD204においては、情報処理装置100のROM102、RAM103、HDD104と同様である。
【0032】
操作部205は、画像形成装置200を利用するユーザがプリンタ206、スキャナ207などを利用するためのユーザインタフェースであり、例えばタッチパネルとして操作・入力が可能である。また、操作部205は画像形成装置200の情報を表示する表示部としても使用することができる。
【0033】
プリンタ206は、印刷機能を実現するユニットであって、例えば同一ネットワークに接続された情報処理装置により受信した印刷ジョブに含まれた画像データを用紙に出力する処理を行う。
【0034】
スキャナ207はスキャン機能を実現するユニットであって、スキャナ部にセットされた原稿を光学的に読み取り画像データに変換する処理を行う。
【0035】
情報処理装置100におけるCPU101は、情報処理装置内の制御プログラムに従って情報処理装置の動作を制御する。より詳細には、情報処理装置100の制御を行うオペレーティングシステム(OS)と、インタフェースハードウェアを制御するためのドライバプログラムが動作する。そしてOS上に配置されたアプリケーションプログラムらが相互に動作することにより、ユーザの所望する機能の動作、制御が行われる。これらのOSや各種プログラムはHDD104に記憶され、RAM103において読み出されることで実行される。
【0036】
本実施例において後述する画像形成装置200のネットワーク接続設定は、情報処理装置100上で設定や表示制御を行うアプリケーションプログラムが動作し、画像形成装置200と通信を行うことによって行われる。アプリケーションの実行時のユーザの入力や情報の表示は、操作部105、表示部106を用いて行う。ユーザの入力では、例えばネットワーク接続用のIPアドレスやサブネットマスク等のパラメーターの入力が行われる。
【0037】
以下の動作は情報処理装置100の設定がアプリケーションによりネットワーク設定モードとして切り替えられた時と画像形成装置200がユーザによりネットワーク設定モードに切り替えられた時に実現可能である。また切り替えられた設定はネットワーク接続設定時という一時的かつ専用の設定である。
【0038】
画像形成装置200のネットワーク接続設定は、画像形成装置200が情報処理装置100とネットワークIFを用いてネットワーク接続し、そのネットワークを介して行われる。有線LAN通信を介してネットワーク接続設定を行う場合には、まず情報処理装置に接続されている画像形成装置を探索する必要がある。
【0039】
そこで情報処理装置100はネットワークIF110を介してSNMPv3を用いてマルチキャスト通信で探索要求を送信する。そのマルチキャスト通信による探索要求を画像形成装置200が受信できようにするために、ユーザは画像形成装置200のIPアドレスをAutoIPで取得するように設定する。また情報処理装置100は、AutoIPにより設定されるIPアドレスのサブネットマスクにおいてマルチキャスト通信を行う。
【0040】
さらに、情報処理装置100からネットワーク接続設定時の入力に対して画像形成装置200のネットワーク接続設定にその入力を反映させるためにも、ネットワーク設定モードに切り替える必要がある。
【0041】
図4はネットワーク接続設定時のCPU101のフローの一例を示すフローチャートである。CPU101がHDD104に記憶されたプログラムをRAM103に読み出し、実行することで
図4のフローチャートは実現される。また、
図4のフローチャートはユーザにより情報処理装置100内のアプリケーションを実行することにより開始される。
【0042】
S401において、CPU101は情報処理装置100上のネットワークIFの搭載状況、設定状況を確認する。具体的には、CPU101は情報処理装置100に搭載されているネットワークIFの種別情報を取得し、アプリケーションにおいて利用可能なネットワークIFかどうかを判断する。利用可能なネットワークIFである場合には、CPU101は現在のパラメーターをRAM103に格納する。
【0043】
次にS402において、CPU101は情報処理装置100が画像形成装置200と接続を行うために、IPアドレスをAutoIPで取得できるように設定を変更する。
【0044】
S403において、CPU101は設定を切り替えたネットワークIF接続されているネットワークを介して画像形成装置を探索し、応答があった画像形成装置の装置情報を取得しRAM103に格納する。また、ここではCPU101は応答があった画像形成装置を識別するための識別情報として、装置ごとにユニークな値であるSNMPエンジンIDも取得し、RAM103に格納する。具体的には、情報処理装置100は接続されているネットワークに対しSNMPv3を使用してマルチキャストで探索要求を送信する。探索要求を受信した画像形成装置200はSNMPv3の仕様に則り、まず探索要求送信元に対してSNMPエンジンIDを送信する。そのSNMPエンジンIDにより認証が行われ、認証が完了すると探索要求時に指定された装置に関する情報である装置情報も送信する。ここで言う装置情報とは、例えば画像形成装置の製品名、MACアドレス、接続状態、IPアドレスのことであるが、この限りではない。
【0045】
また、探索した画像形成装置の装置情報を重複なく表示するために、
図5のように情報処理装置100が受信した装置情報を、その装置情報を受信する前に受信したSNMPエンジンIDと対応づけた装置情報リスト500をRAM103に格納する。
【0046】
画像形成装置の探索が終了すると、S404において、CPU101はS402で切り替えたネットワークIFの設定をS401で格納した設定値を参照して元に戻す。
【0047】
S405において、CPU101はS403で格納された装置情報リスト500の装置情報に対応づけられたSNMPエンジンIDを比較し、同一の画像形成装置を複数表示しないデバイスリストを作成し、表示部106に表示する。またS405の処理の詳細については後述する。
【0048】
図6はネットワーク接続設定を行うためのアプリケーションのメイン画面の一例を示す図である。
【0049】
メイン画面700内のデバイスリスト710では探索された画像形成装置の装置情報である製品名やシリアル番号、装置状態、IPアドレスを表示し、ネットワーク上で画像形成装置を判別するための情報表示を行う。
【0050】
ネットワーク情報720には、ユーザが操作部105を介してデバイスリスト710のデバイスを選択した場合に、画像形成装置200の有線LAN通信の接続状態721やプロトコルの設定情報722、723、724等のネットワーク設定情報が表示される。
【0051】
S406において、CPU101はデバイスリスト710の中からデバイス(画像形成装置)の選択を受け付け、ユーザにより操作部105を介して選択されたかどうか判定する。
【0052】
選択されたと判定した場合はS407において、CPU101はS406で選択された画像形成装置のネットワーク接続設定の入力のために、その画像形成装置に接続されている情報処理装置のネットワークIFの設定をネットワーク設定モードに切り替える。
【0053】
S408において、CPU101はS406で選択された画像形成装置に画像形成装置のネットワーク設定情報を要求する。
【0054】
S409において、CPU101はネットワーク設定情報を受信したかどうか判定する。
【0055】
受信したと判定した場合は、S410においてS409で受信したネットワーク設定情報を
図6のネットワーク設定情報のように表示部106に表示する。
【0056】
S411において、CPU101は詳細設定ボタン726を押下されることにより、
図7のネットワーク設定入力画面1100を表示する。そのネットワーク設定画面1100において、ネットワーク設定のパラメーターの入力を受け付け、ユーザにより操作部105を介して入力されたかどうかを判定する。
【0057】
入力されたと判定した場合は、S412においてCPU101はユーザに設定反映ボタン751を押下されることにより、画像形成装置に入力されたネットワーク設定を反映させる。
【0058】
S413において、CPU101はS404と同様にS402で切り替えたネットワークIFの設定をS401で格納した設定値を参照して元に戻し、フローを終了する。
【0059】
図7はネットワーク設定用の入力画面の一例を示す図である。
【0060】
図7(a)のネットワーク設定(有線)1100に有線LAN通信のIPv4設定入力画面1101が表示されている。
【0061】
図7(b)のネットワーク設定(有線)1100にIPv6の設定入力画面1102が表示されている。
【0062】
次に
図8において、
図4のS405の詳細な処理について説明する。
【0063】
図8は本実施例におけるデバイスリストの表示方法の一例を示すフローチャートである。CPU101がHDD104に記憶されたプログラムをRAM103に読み出し、実行することで
図8のフローチャートは実現される。
【0064】
本実施例の画像形成装置が複数のネットワークインタフェースを持ち、その複数のネットワークインタフェースを介して画像形成装置に接続されている情報処理装置がある場合には以下の課題が生じる。ネットワークインタフェースごとに固有のMACアドレスが割り当てられるため、同じ外部装置から複数の応答を受けた時に、MACアドレスを用いてその応答が同じ外部装置からの応答であると判別することができない。これにより、ユーザに複数台の外部装置に接続しているという誤解を与える可能性がある。
【0065】
例えば、
図1のような接続形態の場合、情報処理装置100は画像形成装置200のネットワークIF_B、ネットワークIF_Cの両方からの応答を受信し、1つの画像形成装置の装置情報を2つ表示してしまう。
【0066】
この課題に対して、以下の処理を行うことでユーザに複数台の画像形成装置に接続しているという誤解を与えることを防ぐ。
【0067】
まずS3201において、CPU101はS404で格納された装置情報とそれに対応付けられたSNMPエンジンIDを含む装置情報リスト500を取得する。
【0068】
S3202において、CPU101は装置情報リスト500の先頭にある装置情報を参照し、これを装置情報Aとする。そして装置情報Aに対応づけられているSNMPエンジンIDを取得する。
【0069】
次にS3203において、CPU101はこの装置情報Aが装置情報リスト500の終端かどうかを判断する。
【0070】
S3203で終端である場合にはS3210において、CPU101は装置情報リスト500の装置情報をデバイスリスト710として表示し、本フローチャートを終了する。
【0071】
終端でない場合には、S3204において、装置情報リスト500上の次の装置情報Bを参照し、同様に装置情報Bに対応づけられたSNMPエンジンIDを取得する。
【0072】
S3205において、CPU101は装置情報AとBのSNMPエンジンIDを比較し、同じ画像形成装置の装置情報であるかどうかを判定する。
【0073】
同一であると判定された場合には、S3206においてCPU101は装置情報Bを装置情報リスト500から削除する。
【0074】
同一でないと判断された場合には、S3207へ進む。
【0075】
S3207において、CPU101は装置情報リスト500上で装置情報Bが終端であるかどうかを判断する。
【0076】
終端でない場合にはS3208において、CPU101は次の装置情報を装置情報Bとし、S3204へ戻る。
【0077】
S3207で装置情報Bが装置情報リスト500の終端であった場合には、S3209において、CPU101は装置情報Aの次に位置する装置情報を新しい装置情報Aへ変更し、S3202へ戻る。
【0078】
以上のように、本実施例の情報処理装置はSNMP通信で得たSNMPエンジンIDを装置情報に紐づけて格納し、そのSNMPエンジンIDを比較し、同一のSNMPエンジンIDに紐づく複数の装置情報が1つになるように削除する。それにより、デバイスリスト710上で同一の画像形成装置の装置情報が重複して表示されることはなくなる。
【0079】
本実施例により、情報処理装置が情報処理装置の複数のネットワークインタフェースを介して画像形成装置の複数のネットワークインタフェースに接続し、画像形成装置の探索を行い、その探索結果からユーザが誤解することを防ぐことができる。
【実施例2】
【0080】
実施例1では、画像形成装置200のネットワークIFが有線LAN_IFである例を説明した。本実施例では、画像形成装置200のネットワークIFの少なくとも1つが無線LAN_IFであり、情報処理装置100も少なくとも無線LAN_IFを有する例を実施例1との差分を用いて説明する。
【0081】
実施例1では、画像形成装置の探索においてS403の説明で記載したように、情報処理装置100のどのネットワークIFからでも、SNMP通信で探索パケットを送信し、SNMPエンジンIDや装置情報を取得する。しかし本実施例では、S403の探索の代わりに以下のような探索を行う。
【0082】
情報処理装置100と画像形成装置200が無線LAN通信で探索を行う場合には、まず情報処理装置100は無線LAN_IFで周辺のアクセスポイントを探索する。探索した結果としてアクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)を取得する。
【0083】
画像形成装置200の無線LAN_IFのSSIDには、例えば画像形成装置200の製品名、MACアドレスなどを示す文字列が設定されている。例えば、製品名がLBP-A、MACアドレスが00005E1000000000の画像形成装置の無線LAN_IFのSSIDには「LBP-A_00005E1000000000」などという文字列が設定されている。
【0084】
また、SSIDに示されるMACアドレスは無線LAN_IFのMACアドレスではなく有線LAN_IFのMACアドレスである。なお、画像形成装置200が2つの無線LAN_IFを有する場合は、それらのSSIDにはどちらか一方のMACアドレスを示すようにしてもよい。
【0085】
情報処理装置100は取得したSSIDの文字列の中に画像形成装置の製品名があるかどうかを判定することで、そのSSIDが画像形成装置200のものであると判断することができる。
【0086】
画像形成装置200がこのような特殊なSSIDを送信するためには、一時的にネットワーク設定モードに変更する必要がある。また、ネットワーク設定モードに変更されることにより、画像形成装置200の無線LAN_IFはアクセスポイント(AP)モードになる必要もある。
【0087】
なおネットワーク設定モードに変更された画像形成装置200の有線LAN_IFにおいては、実施例1と同様にAutoIPでIPアドレスを取得し、情報処理装置100と通信しMACアドレスや製品名などを取得する。
【0088】
実施例1では、情報処理装置100は受信した装置情報を、その装置情報を受信する前に受信したSNMPエンジンIDと対応づけた装置情報リスト500作成し、RAM103に格納する。本実施例の情報処理装置100は以下方法で装置情報リストを作成し、RAM103に格納する。
【0089】
【0090】
探索したSSIDにAPモードで動作する画像形成装置200のSSIDがある場合、情報処理装置100は以下の処理を行う。情報処理装置100は取得した画像形成装置のSSIDに含まれている製品名やMACアドレスなどを情報ごとに切り分け、装置情報リスト600のようにMACアドレスと装置情報を対応させた装置情報リストを作成しRAM103に格納する。
【0091】
また、情報処理装置100と画像形成装置200が無線LAN通信を介して、ネットワーク設定を行う場合は、情報処理装置100はDHCPクライアントとなり、DHCPサーバとなった画像形成装置200からIPアドレスを取得し通信を行う。
【0092】
図10は、本実施例におけるデバイスリストの表示方法の一例を示すフローチャートである。
【0093】
S3301において、CPU101は探索した画像形成装置の装置情報を重複なく表示するために、SSIDに示される製品名やMACアドレスなどの装置情報を取得しデバイスごとに装置情報リスト600を作成し、RAM103に格納する。
【0094】
S3302において、CPU101は装置情報リスト600の先頭にある装置情報を参照し、これを装置情報Aとする。そして装置情報Aに含まれるMACアドレスを取得する。
【0095】
次にS3303において、CPU101はこの装置情報Aが装置情報リスト600の終端かどうかを判断する。
【0096】
終端でない場合には、S3304において、装置情報リスト600上の次の装置情報Bを参照し、同様に装置情報Bに含まれるMACアドレスを取得する。
【0097】
S3303で終端である場合にはS3310において、CPU101は装置情報リスト600の装置情報をデバイスリスト710として表示し、本フローチャートを終了する。
【0098】
S3305において、CPU101は装置情報AとBのMACアドレスを比較し、同じ画像形成装置の装置情報であるかどうかを判定する。
【0099】
同一であると判定された場合には、S3306においてCPU101は装置情報Bを装置情報リスト600から削除する。
【0100】
同一でないと判断された場合には、S3207へ進む。
【0101】
S3307において、CPU101は装置情報リスト600上で装置情報Bが終端であるかどうかを判断する。
【0102】
終端でない場合にはS3308において、CPU101は次の装置情報を装置情報Bとし、S3304へ戻る。
【0103】
S3307で装置情報Bが装置情報リスト600の終端であった場合には、S3309において、CPU101は装置情報Aの次に位置する装置情報を新しい装置情報Aへ変更し、S3302へ戻る。
【0104】
上記のようにSSIDに示されたMACアドレスの比較を行い、削除を行うループ処理を行うと、デバイスリスト710上で同一の画像形成装置の装置情報が重複して表示されることはなくなる。
【0105】
本実施例により、情報処理装置が画像形成装置の少なくとも無線LAN_IFを含む複数のネットワークインタフェースに接続し、画像形成装置の探索を行った時に、その探索結果からユーザが誤解することを防ぐことができる。
【0106】
<その他の実施形態>
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施の形態の機能を実現するプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードは本発明を構成することになる。
【0107】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【符号の説明】
【0108】
100 情報処理装置
200 画像形成装置
110 ネットワークIF_A
210 ネットワークIF_B
220 ネットワークIF_C