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特許7439173電池セルパックにおける溶接場所検出のためのフレーム、視覚システム、及び電池上の1つ以上の溶接点を溶接する方法
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  • 特許-電池セルパックにおける溶接場所検出のためのフレーム、視覚システム、及び電池上の1つ以上の溶接点を溶接する方法 図1
  • 特許-電池セルパックにおける溶接場所検出のためのフレーム、視覚システム、及び電池上の1つ以上の溶接点を溶接する方法 図2
  • 特許-電池セルパックにおける溶接場所検出のためのフレーム、視覚システム、及び電池上の1つ以上の溶接点を溶接する方法 図3
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  • 特許-電池セルパックにおける溶接場所検出のためのフレーム、視覚システム、及び電池上の1つ以上の溶接点を溶接する方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】電池セルパックにおける溶接場所検出のためのフレーム、視覚システム、及び電池上の1つ以上の溶接点を溶接する方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/516 20210101AFI20240219BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240219BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240219BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20240219BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/503
H01M50/213
B23K26/03
B23K31/00 M
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022104088
(22)【出願日】2022-06-28
(62)【分割の表示】P 2021521810の分割
【原出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2022161037
(43)【公開日】2022-10-20
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】62/760,846
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520490406
【氏名又は名称】リヴィアン アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】ウィン,ナタニエル,シー.
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/126136(WO,A1)
【文献】特表2020-503652(JP,A)
【文献】特開2012-243514(JP,A)
【文献】特開2008-287993(JP,A)
【文献】特開2001-160383(JP,A)
【文献】特開2001-324449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/20
B23K 26/00
B23K 31/00
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームであって、
中心点を備え、
視覚システムが、前記中心点に基づき電池上の少なくとも1つの溶接点を決定し、
前記フレームが、一対の突出部をさらに含み、前記一対の突出部が、前記フレーム内で互いに隣接して配置されるそれぞれの電池に対応し、前記少なくとも1つの溶接点は、前記一対の突出部に基づいて決定されている、フレーム。
【請求項2】
請求項1に記載のフレームであって、さらに弧部を含み、前記弧部の前記中心点が前記電池の基準中心点と整列されている、フレーム。
【請求項3】
請求項1に記載のフレームであって、線を画定する突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの溶接点は、前記線に基づいて決定されている、フレーム。
【請求項4】
請求項に記載のフレームであって、前記一対の突出部のそれぞれの中心は、それぞれの電池から延在する中心線に沿って並んでいる、フレーム。
【請求項5】
請求項1に記載のフレームであって、前記電池と電極が、前記少なくとも1つの溶接点で溶接されている、フレーム。
【請求項6】
請求項1に記載のフレームであって、前記電池は円筒形電池を含む、フレーム。
【請求項7】
視覚システムであって、
処理回路を含み、前記処理回路が、
フレームの中心点に基づき電池上の少なくとも1つの溶接点を決定し、
前記少なくとも1つの溶接点に基づいて溶接制御信号を生成し、
前記少なくとも1つの溶接点で溶接装置に溶接させる
ように構成されており、
前記フレームが、一対の突出部をさらに含み、前記一対の突出部が、前記フレーム内で互いに隣接して配置されるそれぞれの電池に対応し、前記少なくとも1つの溶接点は、前記一対の突出部に基づいて決定される、視覚システム。
【請求項8】
請求項に記載の視覚システムであって、前記処理回路は、さらに、
前記フレーム内で弧部の前記中心点を決定するように構成され、前記電池の前記少なくとも1つの溶接点は、前記弧部の前記中心点に基づき決定される、視覚システム。
【請求項9】
請求項に記載の視覚システムであって、前記フレームが、線を画定する突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの溶接点は、前記線に基づいて決定される、視覚システム。
【請求項10】
請求項に記載の視覚システムであって、前記一対の突出部のそれぞれの中心は、前記それぞれの電池から延在する中心線に沿って並んでいる、視覚システム。
【請求項11】
請求項1に記載のフレームを用いる方法であって、
前記電池上の前記少なくとも1つの溶接点を決定することと、
前記少なくとも1つの溶接点に基づいて溶接制御信号を生成することと、
前記溶接制御信号を溶接装置に伝達して、前記少なくとも1つの溶接点で前記溶接装置に溶接させることと、を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記電池を位置決めするように構成された、前記フレーム内の場所を示す信号を生成することをさらに含み、
前記少なくとも1つの溶接点は、前記場所を示す前記信号に基づき決定される、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記電池を位置決めするように構成された、前記フレームの突出部の場所を決定することと、
前記突出部に基づき、前記少なくとも1つの溶接点を決定することとを
をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、溶接のために電池セルを位置決めするためのシステム及び方法に関し、より
具体的には、溶接場所を決定する視覚システムのために電池セルを位置決めするためのシ
ステム及び方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年11
月13日出願の米国特許仮出願第62/760,846号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
レーザ溶接で使用される典型的な視覚システムは、溶接スポットの位置を特定するため
に可視表面上の特徴を認識する。しかしながら、これは、溶接が可視でない小さな特徴を
ターゲットにする必要がある場合、例えば、円筒形電池セル(本明細書では電池とも呼ば
れる)のリム上の平坦領域であって、当該平坦領域が溶接されることになるバスバー、フ
ォイル型素子、フレックスPCB、又は集電体によってほとんど完全に覆われている平坦
領域など、には好適ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、本開示は、電池上の少なくとも1つの溶接点を決定するため
に、視覚システムを使用して電池を位置決めするためのフレームに関する。フレームは、
視覚システムによって検出可能な少なくとも1つの視覚的基準特徴部を含む。基準特徴部
は、少なくとも1つの溶接点を決定するために、視覚システムによって使用される。
【0005】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの視覚的基準特徴部は、線を画定する一対の
突出部(スタブ(stub))を含み、少なくとも1つの溶接点は、線に基づいて決定さ
れる。いくつかの実施形態では、一対の突出部は、フレーム内で互いに隣接して配置され
たそれぞれの電池に対応する。いくつかのそのような実施形態では、突出部のそれぞれの
中心は、それぞれの電池のそれぞれの端面のそれぞれの中心から延在する中心線に沿って
並んでいる。
【0006】
いくつかの実施形態では、フレームは、電池を所定の位置に位置決めするために電池を
それぞれ係合する少なくとも1つの位置基準特徴部を含む。いくつかの実施形態では、少
なくとも1つの位置基準特徴部は、少なくとも1つの押付け(クラッシュ(crush)
)特徴部を含む。いくつかの実施形態では、フレームは、少なくとも1つの電池が位置基
準特徴部から反発する表面を含む。いくつかの実施形態では、フレームは、少なくとも射
出成形部分を含み、少なくとも1つの位置基準特徴部及び少なくとも1つの視覚的基準特
徴部は両方とも、射出成形部分のコア又は射出成形部分のキャビティのいずれかのみに位
置している。
【0007】
いくつかの実施形態では、フレームは、少なくとも射出成形部分を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電池のうちの電池及び電極は、少なくとも
1つの溶接点のうちの溶接点で一緒に溶接される。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電池は、円筒形電池を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、フレームは、少なくとも1つの電池のうちの電池を定位置に
受容及び誘導するように構成された引き込みコーン(lead-in cone)を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、視覚システムに関する。視覚システムは、視覚回
路、処理回路、及び溶接装置を含む。視覚回路は、フレーム内の少なくとも1つの基準特
徴部の場所を示すデータを含む視覚信号を生成し、このフレームは電池を位置決めするよ
うに構成されている。処理回路は、視覚回路に連結され、少なくとも1つの基準特徴部に
基づいて電池の、視覚回路に対し覆い隠された少なくとも1つの溶接点を決定するために
、視覚信号を分析するように構成されている。処理回路はまた、少なくとも1つの溶接点
に基づいて溶接制御信号を生成するように構成されている。溶接装置は、処理回路に連結
され、処理回路は、溶接制御信号を溶接装置に伝達して少なくとも1つの溶接点で溶接を
実行させる。
【0012】
いくつかの実施形態では、処理回路は、視覚信号においてフレームの一対の突出部の場
所を判定し、一対の突出部を接続する線を付け加え、線に基づいて溶接点を決定するよう
に構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、処理回路は、線に沿って溶接点を決定するように構成されて
いる。
【0014】
いくつかの実施形態では、処理回路は、視覚信号内で、フレームの水平壁との電池の外
側表面の接触点の位置を特定し、その線に基づいて、かつ接触点からの距離に基づいて電
池の中心点を決定し、中心点に基づいて同心円の弧部を描き、溶接点を弧部に沿っている
ものとして決定するように構成されている。
弧部は、電池の寸法に基づいて所定の半径を有し、線と交差する。
【0015】
いくつかの実施形態では、距離は、電池の基準半径に基づく。
【0016】
いくつかの実施形態では、フレームは、第2の電池を位置決めするように構成されてお
り、第2の電池に溶接点が存在しない。
【0017】
本開示を、1つ以上の様々な実施形態に従って、以下の図を参照して詳細に説明する。
図面は、例示のみを目的として提供され、単に典型的又は例示的な実施形態を示す。これ
らの図面は、本明細書に開示される概念の理解を容易にするために提供され、これらの概
念の広さ、範囲、又は適用性を限定するものと見なされるべきではない。明確にするため
に、また、説明を容易にするために、これらの図面は必ずしも縮尺どおりに作製されてい
ないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、一対の円筒形電池セルにおける例示的な変形例を示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、電池セルを例えば電池パック内に位置決めする例示的なフレームを含む構成を示す。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、視覚システムが適切な溶接点の場所を直接観察又は他の方法で決定することを阻止し得る他の構成要素と共に、図2の構成の上面図を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、いくつかの電池セルが定位置に配置された、押付けリブを有する例示的なフレームの底面図を示す。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な視覚システムを示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、溶接を実行するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、押付けリブの例示的な寸法及び許容差を示す。
図8】本開示のいくつかの実施形態による、結合線の例示的な範囲及び許容差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、円筒形電池セルの覆い隠されたリム(及びその平坦な部分)の正確な配置を
可能にする、特徴セット、及びその使用方法に関する。本開示は、単一セル及び対セルリ
ム溶接アーキテクチャの両方に適用される。いくつかの実施形態では、射出成形された視
覚基準特徴部の使用は、部品、その特徴部、及び電池セルの材料条件(ASME Y14
.5 GD&T定義による、その中の最小限、最大限、及び全ての条件)にかかわらず、
対象の射出成形部品と円筒形電池セルとの間の隠れた接触の位置を特定するために使用さ
れる。
【0020】
場所が重視されるレーザ溶接では、任意の覆い隠す要素が追加される前のアセンブリの
画像を撮影し、後で使用するために分析することができる。しかしながら、溶接点を特定
する目的にかかわらず、レーザ溶接機で必要とされるカメラを使用することにより、製造
施設の必要なカメラ数、組立段階及びそのバッファの数、並びに他の工程及び構成要素を
低減することが可能である。このことは、必要な撮像及び画像処理装置の最小化により、
潜在的なコスト低減を伴うモジュール組立ラインの適応性を提供する。サイクル時間の短
縮もまた、スクラップ速度の潜在的な低減と同様に得ることができる。
【0021】
射出成形部品では、コアによって制御される領域は、コアによって制御される他の領域
に対して正確に位置決めされたままであり、距離及び特徴部サイズは、部品の全体的な縮
小と厳密に対応する。同様に、キャビティによって制御される領域は、キャビティによっ
て制御される他の領域に対して正確に位置決めされたままであり、距離及び特徴部サイズ
は、部品の全体的な縮小と厳密に対応する。
【0022】
領域間の分離が減少するにつれて、また特徴部サイズ自体が減少するにつれて、部品に
よる相対的な変動も減少する。
【0023】
機械加工、打ち抜き、延伸、鍛造、コイニング、及び他の加工を含む他のプロセスによ
って製造された部品では、単一の操作で追加される特徴部はまた、それら自体に対してし
っかりと制御されたままである。
【0024】
更に、小さい半径方向の変動の2つの弧部分が同じ点を通って接し、同じ掌性を有する
場合、所与のオフセットにおける端点間の距離は極めて小さくなる。
【0025】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、一対の円筒形電池セルにおける例示的な
変形例を示す。この例に示されるように、互いに接している直径20.9mm及び21.
1mmの2つの円について、その接点に沿って4mm突出する点間の距離は、約0.00
82mmである。集電タブが適所に見える中心線から4mmの部分において、最小セル直
径と最大セル直径との間の距離は、わずか0.01mm未満である。この位置は、+/-
0.005mm以内のリム接点(例えば、対になったセル間の中心線から+/-0.05
mm)の場所を特定することになる。リム平面120の位置は、リム平面120がリム直
径に対して相対する場所の+/-0.005mmプラス許容差帯以内に決定することがで
きる。明確にするために、リム平面120は、実質的に平面である電池セルの端面のその
部分を指し、電極などの構成要素は、その場所で電池セルに直接溶接され得る。いくつか
の実施形態では、リム平面120は、端面の半径方向外側部分上に位置し、端面の全周又
は部分的周囲のいずれかで円周方向に延在する。
【0026】
端面の直径に対するリム平面120の+/-0.1mmの位置、平面上(中心)の0.
5mm+/-0.05mmの幅、及び幅0.2mmの溶接ビード(最大、想定)を仮定す
ると、溶接ビードの位置許容差が+/-0.105mmで存在し得る。いくつかの実施形
態では、溶接ビード最大範囲幅は、0.2mm+0.105mm=0.305mmであっ
てもよい。溶接ビード中心線を中心としたリム平面120の最小範囲幅は、0.5mm~
0.05mm-0.1mm=0.35mmであってもよい。リム平面120の最小範囲幅
は、同じ中心線に関して、溶接ビードの最大範囲幅0.31mm(概数)よりも大きい。
したがって、溶接部は、その全体がリム平面120上にあるように位置し得る。
【0027】
図2は、例えば、本開示のいくつかの実施形態による、電池セル221及び222(本
明細書では電池とも呼ばれる)を電池パック内に位置決めする例示的なフレーム206を
含む構成を示す。このような電池パックは、例えば、電気自動車などの車両に使用されて
もよい。いくつかの実施形態では、フレーム206は、電池セル221及び222の上部
に、電池セル221及び222の底部に、1つ以上の電池セル(例えば、電池セル221
及び222)の周囲に、1つ以上の電池セル(例えば、電池セル221及び222)に対
する任意の他の配向、又はこれらの任意の組み合わせで配置された1つ以上の構成要素で
作製されてもよい。フレーム206は、例えば、ポリマー(例えば、プラスチック)、金
属、ゴム若しくはラテックスを含む、任意の好適な材料、任意の他の好適な材料、又はこ
れらの材料の任意の組み合わせから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、フレー
ム206は、コア及びキャビティを製造するための任意の好適な射出成形プロセスを使用
して形成されるプラスチックであるか、又はそれを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、フレーム206は、それぞれの所定の位置に1つ以上の電池
を保持する(例えば、図示のように、隣接する配置にある電池セル221及び222)。
フレーム206はまた、任意の他の好適な構成要素を任意の好適な配置で、互いに対して
、電池セル221及び222に対して、又はそれらの組み合わせで位置決めすることもで
きる。例えば、フレーム206を使用して、バスバー、フォイル型素子、フレックスPC
B、又は集電体(図2には図示せず)を位置決めしてもよい。
【0029】
突出部202及び204は、視覚システムが溶接点の位置を特定するために使用し得る
視覚的基準特徴部として、本開示に従って提供される。溶接点は、例えば、任意の好適な
バスバー、フォイル型素子、フレックスPCB、又は集電体を含む、任意の好適な他の構
成要素に電池を溶接することができる場所である。
【0030】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、視覚システムが適切な溶接点の場所を直
接観察又は他の方法で決定することを阻止し得る他の構成要素と共に、図2の構成の上面
図を示す。例えば、溶接点が意図される端面は、フォイル型素子310で覆い隠されてい
るため、視覚システムは、覆い隠された特徴部又は物体を識別することができない場合が
ある。例えば、図2の隠されていない例示を参照すると、場所208及び210は、バス
バー又は集電体を溶接するための所望の(すなわち、示される電池のそれぞれのリム平面
に沿った)場所であってもよい。しかしながら、図3に示される障害物のため、視覚シス
テムは位置208及び210の位置を直接特定することができなくなる。
【0031】
その代わりに、本開示の視覚システムは、溶接点として場所208及び210を識別す
るために突出部202及び204に依存してもよい。視覚システムは、突出部202及び
204に依存し、その中心は、フレーム内に配置された電池の中心と一直線に配置されて
もよい。この視覚システムは、突出部202及び204の中心を接続することによって基
準線(例えば、線220)を付け加えることができる。この線(線220)は延出し、少
なくとも特定の許容差内で、電池セル端面の中心を横切る。
【0032】
図3を参照すると、視覚システムは、適切な水平基準(例えば、壁又は線)を有する電
池セルの可視部分の交点を検出する。例えば、視覚は、交点320及び322を検出する
ことができる。次いで、視覚システムは、それらの交点から基準セル半径(例えば、図示
した電池セルでは10.5mm)離れている、線220に沿った点を決定する。図示され
るように、基準セル中心330及び332を、それぞれの交点320及び322から基準
セル半径離れている、線220に沿った点であるように決定する。
【0033】
いくつかの実施形態では、フレームの他の視覚的特徴部を本開示に従って使用して、基
準セル中心、ひいては溶接点の位置を特定することができる。例えば、いくつかの実施形
態では、図2の弧部203及び205は、突出部202及び204の代わりに使用されて
もよい。弧部203及び205の中点は、線220に沿って位置決めされるので、この基
準線を決定するために使用することができる。この例では、弧部203及び205は、あ
まりはっきりしない突出部として機能する。別の例として、弧部203及び205は、こ
れらの弧部の中心点が基準セル中心と整列するように成形されてもよい。この例では、基
準セル中心を見つけるために、交点320及び322を見つける必要はない場合がある。
その代わりに、弧部の形状が検出され、対応する中心点が決定される。いくつかの実施形
態では、突出部202及び204はフレーム206に含まれず、代わりに、対応する縁部
は、弧部203及び205と同様の弧部を含む。いくつかの実施形態では、これらの弧部
の中点は、線220に沿って位置決めされ、これらの弧部の中心点は、基準セル中心と位
置合わせされる。いくつかの実施形態では、4つの弧部のうちの2つ、3つ、又は全てを
使用して、基準セル中心を決定する。
【0034】
新たに決定された基準セル中心を使用して、次いで、視覚システムは、電池セルのリム
平面セクションの基準中間部の曲線(例えば、図示した電池セルでは9mm)を描く。描
くことは、軌跡の場所を決定することを含むことが理解されるであろう。許容差帯(例え
ば、約0.5mm)が、リム平面位置誤差(上記のようなセルサイズに基づいて、約0.
01mm)、及びリム平面位置誤差(別途セルサイズに基づいて、約0.1mm)よりも
大きいので、電池セルの正確な中心は必須ではないことも理解されるであろう。したがっ
て、視覚システムは、例えば、リム平面曲線が突出部202及び204を接続する線と交
差する場所を決定することによって、2つの図示された電池セルの溶接点をそれぞれのリ
ム平面に沿って決定してもよい。
【0035】
突出部は、図2及び図3に示されるように特定のジオメトリ及び形状で示されているが
、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の他の好適なジオメトリ及び形状を使用する
ことができることが理解されるであろう。
【0036】
電池セルの中心が上述の溶接基準面と確実に一直線になるように支援するために、フレ
ームは、電池セルがそのカップに繰り返し可能な様式で入るように配置されてもよい。例
えば、フレームの各電池セルカップは、部分的に引き込みコーンの形状を成し、その交点
は、自然に引き込み機構を形成する。(例えば、直径公称21mmの)電池セルは、適切
に正しい場所に収まるために、直径約24mmの円内に配置される必要があり得る。いく
つかの実施形態では、フレーム内に電池セルを位置決めするのを助けるために、位置基準
特徴部がフレーム内に含まれてもよい。例えば、2つのバランスのとれたセンタリング機
構が使用されてもよい。これらは、例えば、固定用接着剤が硬化される前に電池セルが拘
束されることを確実にするばね又は押付けリブであってもよい。
【0037】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、電池セル421~429が定位置に配置
された、押付けリブ402及び404を有する例示的なフレーム400の底面図を示す。
いくつかの実施形態では、フレームは、各電池セルがセンタリング機構から反発するそれ
ぞれの表面を含み、センタリング機構はそれ自体が電池セルを基準線から離れて偏向させ
ない。例えば、この表面は、フレーム内の平坦な壁であってもよい。いくつかの実施形態
では、フレームが射出成形される(又は少なくとも部分的に射出成形される)とき、位置
基準特徴部(押付けリブ402及び404)及び視覚基準特徴部は、全てがコア内にある
か、又は全てがキャビティ内にあるかのいずれかである。図示されるように、それらは全
てコア内にある。
【0038】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な視覚システム500を示す。視
覚回路502は、視覚信号508を生成するための任意の好適なソフトウェア、ハードウ
ェア、又は両方を含む。視覚信号508は、例えば、上記のもののような任意の好適な構
成要素の場所を示す情報を含む。例えば、視覚信号508は、任意の好適な基準位置特徴
部の場所、電池セルとフレームとの交点、幾何学的特徴、可視的特徴若しくはパターン、
任意の他の好適な視覚的若しくは他の光学的特徴、又はこれらの任意の組み合わせを示す
情報を含む。
【0039】
視覚回路502は、1つ以上のセンサ、画像センサ(例えば、可視光又は任意の他の好
適なフォトニック信号を検出するための光検出器又はカメラ)などの撮像装置、ライダー
装置、近接センサ、ドップラーベースの装置、任意の他の好適なセンサ若しくは撮像装置
、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0040】
処理回路504は、溶接制御信号510を生成するために、視覚信号508を処理する
ための任意の好適なソフトウェア、ハードウェア、又は両方を含む。溶接制御信号510
は、任意の好適なハードウェア及び通信プロトコル(例えば、有線、無線、又は光通信)
を使用して溶接装置506に伝達される。処理回路504は、例えば、入力に基づいて命
令を実行することができる1つ以上のプロセッサを有する1つ以上のコンピューティング
デバイスを含む。例えば、処理回路504は、コンピュータ、モバイル/タブレットコン
ピュータデバイス、組み込みシステム、任意の他の好適なコンピューティングデバイス、
又は、電池セル上のどこに溶接点が配置されるべきかを判定するために、視覚信号508
を処理するためのプログラムされた命令を有する、それらの任意の組み合わせを含んでも
よい。このような処理は、例えば、任意の好適なコンピュータビジョン技術を含み得る。
【0041】
溶接装置506は、溶接制御信号510に応答して、かつ従って溶接動作を実施するた
めの任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、又は両方を含む。例えば、溶接装置50
6は、金属溶接装置、接着剤を塗布及び硬化するための装置、レーザ溶接装置、任意の他
の好適な溶接装置、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。視覚回路502は、
溶接装置506に情報を直接提供して、溶接装置506が、例えば溶接の配置の場所を精
密化できるようにすることができる。溶接装置506は、所望の溶接を行うために適切な
デバイスを移動させるための任意の好適な自動移動/ロボット装置を含んでもよい。
【0042】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、溶接を実行するための例示的なプロセス
600のフローチャートを示す。プロセス600は、モバイルコンピューティングデバイ
ス、埋め込みシステム、任意の他の好適なコンピューティングデバイス、又はこれらの任
意の組み合わせに含まれ得る任意の好適な制御回路によって実施されてもよい。例えば、
制御回路は、プロセス600の一部又は全てを実施することができる、図5の処理回路5
04を含み得る。
【0043】
ステップ602において、制御回路は、フレーム内の少なくとも1つの基準特徴部の場
所を示す視覚信号を生成する。いくつかの実施形態では、視覚信号は、増幅、フィルタリ
ング、アイソレーション、サンプリング及びデジタル化、任意の他の好適な信号処理、又
はこれらの任意の組み合わせを受け得る1つ以上の視覚センサ(例えば、カメラ、又は光
検出器)に基づく。例示的な例では、撮像システムを使用して、フレーム及び電池セルの
視覚データを収集することができ、視覚信号は視力データに基づいている。
【0044】
ステップ604において、制御回路は、視覚信号を解析して、少なくとも1つの基準特
徴部に基づいて、電池上の少なくとも1つの覆い隠された溶接点を決定する。撮像システ
ムは、エッジ検出、パターン認識、又は視覚信号を分析するための任意の他の好適な分析
技術を使用してもよい。制御回路は、1つ以上の特徴部を識別し、好適な基準に対する1
つ以上の特徴部の位置、向き、又はその両方を判定することができる。いくつかの実施形
態では、例えば、制御回路は、1つ以上の特徴部を識別するために、視覚信号(例えば、
画像を示す)を1つ以上のテンプレート又は基準と比較してもよい。
【0045】
ステップ606において、制御回路は、少なくとも1つの溶接点に基づいて溶接制御信
号を生成する。いくつかの実施形態では、溶接制御信号は、アナログ信号を含む。例えば
、溶接制御信号の電圧、電流、周波数、又は他の好適な特性は、1つ以上の溶接パラメー
タ(例えば、電流の流れ、持続時間、又は他の好適なパラメータ)を示してもよい。いく
つかの実施形態では、溶接制御信号は、デジタル信号を含む。例えば、溶接制御信号は、
メッセージ、値、値のセット、又は1つ以上の溶接パラメータ(例えば、電流の流れ、持
続時間、又は他の好適なパラメータ)を示す他の好適な情報を含んでもよい。
【0046】
ステップ608において、制御回路は溶接制御信号を溶接装置に伝達して、溶接装置に
、少なくとも1つの溶接点で溶接を実行させる。制御回路は、任意の好適な通信ネットワ
ーク(例えば、有線、無線、又は光)及びプロトコルを使用して溶接制御信号を生成及び
送信することができる。
【0047】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、押付けリブ(複数可)702の例示的な
寸法及び許容差を示す。図7に示される例は、1.1mmの基準壁厚を含み、電池セルの
両側に1.0~1.2mmの可能性が高い範囲を有する。したがって、溶接のためのアウ
トカットアウト(out cutout)を有する押付けリブ702と、連続的な押付けリブ702
との間で最大約0.1mm交換することができる。押付けリブ702が偏向するためのよ
り多くの余裕は、より低い挿入力を可能にし、電池セルのセンタリングを維持するのを助
ける。押付け量の例示的な範囲は、0mm(接触(titangency))~0.287mmであ
ってもよい。
【0048】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による結合線の例示的な範囲及び許容差を示す。
電池セルが底壁に接している状態で、0.05mm~0.25mmの結合線を維持するこ
とができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本開示のフレームは、複数の電池を位置決めすることができ
、そのうちの少なくとも1つは、本開示に従って溶接され、そのうちの他の少なくとも1
つは、溶接される必要が全くないか、又は任意の他の好適な手法に従ってって溶接される
必要はない(例えば、特定の電池がいかなる障害物によっても影響を受けないため)。
【0050】
本明細書に含まれる位置の説明は、ある程度の変動性及び許容を受けることが理解され
るであろう。例えば、電池セル端面の中心への言及は、必ずしも正確な中心点への説明を
限定するものではない。このような説明は、実際の中心点のいくつかの許容範囲内にある
点に適用可能である。同様に、線に沿った溶接点の考察は、溶接点がそのような線の任意
の好適な許容範囲内であり得ることを理解してなされる。
【0051】
上記は、本開示の原理の単なる例示に過ぎず、本開示の範囲から逸脱することなく、当
業者によって様々な修正を行うことができる。上述の実施形態は、例示の目的で提示され
、限定するものではない。本開示はまた、本明細書に明示的に記載されているもの以外の
多くの形態をとることもできる。したがって、本開示は、明示的に開示されている方法、
システム、及び装置に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲内である、その変
形及び修正を含むことが意図されることが強調される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8