(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】モジュール式保管システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022113931
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2021071893の分割
【原出願日】2018-05-16
【審査請求日】2022-07-29
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥルー・リンドボー
(72)【発明者】
【氏名】ポール・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジョン・イングラム-テッド
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/172793(WO,A1)
【文献】特開2009-132492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子保管構造の上で荷積み取り扱いデバイスの移動をサポートするための軌道構造であって、
前記格子構造は、軌道またはレールの格子パターンを形成するように構成された複数の軌道セクションを備え、ここで、各軌道セクションは、実質的に十字形の平面部分を備え
、
複数の軌道サポートセクションをさらに備え、ここで、前記軌道セクションは、前記軌道サポートセクションの上に据え付けられ、
各軌道セクションは、下方に伸張する、前記軌道サポートセクションに取り外し可能に取り付けるように構成された一連のリップを備える、軌道構造。
【請求項2】
前記格子パターンは、平行軌道またはレールの第1のセット、および実質的に水平な面において前記第1のセットに対して横に伸張する平行軌道またはレールの第2のセットによって規定される、請求項1に記載の軌道構造。
【請求項3】
前記軌道セクションは、互いに連結するように構成されている、請求項1または2に記載の軌道構造。
【請求項4】
前記軌道またはレールは、各軌道セクションの平面部分の上面上に規定される、請求項1または2に記載の軌道構造。
【請求項5】
前記軌道セクションは、プラスチック素材から作られる、請求項1または2に記載の軌道構造。
【請求項6】
各軌道サポートセクションは、実質的にI字形の断面ビームを備える、請求項
1または2に記載の軌道構造。
【請求項7】
前記軌道サポートセクションは、プラスチック素材から作られる、請求項
1または2に記載の軌道構造。
【請求項8】
格子保管構造であって、
保管容器のスタックを収容するために格子パターンに構成された複数のタワーと、
請求項1から
7のうちのいずれか一項に記載の前記軌道構造とを備え、前記軌道構造は、前記複数のタワーの上に据え付けられるように構成されている、格子保管構造。
【請求項9】
前記格子構造は、前記タワーを連結するように構成されている、請求項
8に記載の格子保管構造。
【請求項10】
前記軌道構造の上を横方向に移動するように構成されている少なくとも1つの荷積み取り扱いデバイスをさらに備える、請求項
8に記載の格子保管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に保管システムに関する。排他的ではないがより具体的には、本発明は、迅速かつ容易に構築および分解できるモジュール式、カスタマイズ可能、保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの商用および工業用アクティビティは、広大な数の異なる製品の保管および取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管および取り出しのための1つの既知のタイプのシステムは、列で構成されているスタックにおいて、保管容器またはコンテナを重ねて構成することを伴っている。列の間の通路に対する必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定のスペースにおいて保管できるように、保管容器またはコンテナは、荷積み取り扱いデバイスによって上からアクセスされる。
【0003】
列状態に積み重ねられたコンテナを取り扱う方法は、長年にわたり周知のものである。いくつかのこのようなシステムでは、例えば、Bertelの米国特許第2、701、065号に説明されているように、必要とされる場合に特定のコンテナへのアクセスを依然として提供しながらも、このようなコンテナを保管することに関係付けられている保管量を低減させるために、列で構成されているコンテナの自立型のスタックを備えている。所定のコンテナへのアクセスは、所定のコンテナを積み重ね、スタックから所定のコンテナを取り出するために使用できる比較的複雑な巻上げ機構を提供することによって可能となる。しかしながら、このようなシステムのコストは、多くの状況において現実的ではなく、大型輸送コンテナの保管およびハンドリング用に主として商業化されている。
【0004】
例えばCimcorpのEP0767113Bに記載されるような、自立型コンテナスタックを使用して特定のコンテナを取り出し、保管するための機構を提供するコンセプトがさらに展開されてきた。‘113は、コンテナスタックの周囲において下げられ、スタックの任意のレベルにおいてコンテナを把持できるように構成された矩形チューブの形態のロボット荷積みハンドラを使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り出すための機構を開示している。このようにすることで、複数のコンテナは、スタックから一度に持ち上げられる。移動可能なチューブを使用して、1つのスタックの一番上から別のスタックの一番上まで、いくつかのスタックを移動させるか、または、スタックから外部ロケーションへ、および、逆もまた同じように、コンテナを移動させることができる。単一のスタック中のコンテナのすべてが同一の製品を含んでいる(単一の製品スタックとして知られている)場合、このようなシステムは、特に有用であることがある。
【0005】
‘113において説明されているシステムにおいて、最も高いコンテナのスタックを単一の動作で抜き取ることができるように、チューブの高さは、最大のコンテナのスタックの高さと少なくとも同じくらい高くなければならない。したがって、倉庫などの閉鎖空間内で使用される場合には、スタックの最大高さは、荷積みハンドラのチューブを収容する必要があることによって制約を受ける。
【0006】
EP1037828B1(Autostore)は、コンテナのスタックが、フレーム構造内に構成されているシステムを説明している。このタイプのシステムは、添付の図面の
図1から4において概略的に図示されている。ロボットの荷積み取り扱いデバイスは、スタックの最上面上の軌道のシステムで、スタックのあちこちを制御可能に移動することができる。
【0007】
ロボット荷積み取り扱いデバイスの他の形態が、例えばノルウェー特許第317366号においてさらに記載されている。
図3(a)
は、本発明で用いられる荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図であり、
図3(b)、(c)は
、荷積み取り扱いデバイスの
内部を示すために切断されている状態の概略的な正面斜視図である。
【0008】
荷積み取り扱いデバイスのさらなる展開が、GB2520104A1として公開されている英国特許出願番号第1314313.6号(Ocado)に説明されている。ここでは、各ロボット荷積みハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって、荷積みハンドラのより高い密度が、およびしたがって所定サイズのシステムのより高いスループットが可能となる。しかしながら、任意の適切な形態の荷積み取り扱いデバイスを使用してもよい。
【0009】
このような既知の保管システムは、非常に多くの別々のスタックを保管格子内に位置付ける。スタック内で曲がる、ねじれる、かさばる、揺れる動き、または、個々のスタックの小さな位置付け誤差は、格子、軌道または取り扱いデバイスの機能、効率性、信頼性、および寿命に有害な影響を及ぼすことがある。これらの問題は、スタックが非常に多数であるまたは高いときに、特に深刻である。
【発明の概要】
【0010】
本発明にしたがうと、保管システムが提供され、保管システムは、それぞれが1つ以上の連結手段を備える複数のベースプレートと、それぞれが1つ以上の連結手段を備える複数のスタックする容器収容ユニットと、複数の容器のスタックと、複数のレールと、少なくとも1つの荷積み取り扱いデバイスとを備える。
【0011】
第2の態様において、本発明は、複数のベースプレートを複数の容器収容ユニットに連結すること、または、複数のベースプレートを複数の容器収容ユニットから取り外すことを備える、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の保管システムを構築または分解する方法を提供する。
【0012】
本発明のさらに好ましい態様を、特許請求の範囲で詳細に説明する。
【0013】
このような方法で、本発明は、先行技術の問題を克服し、保管容器のそれぞれのスタックの位置付けおよび移動をしっかりと正確に制御する、任意の所望の形状またはサイズの保管システムを構築する迅速で、単純で、信頼性のある方法を提供する。
【0014】
添付の図を参照して、本発明をこれから説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】保管システム内に複数の容器のスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のフレーム構造の一部の概略的な平面図である。
【
図3a】
図3(a)は、
図1および
図2のフレーム構造とともに使用するためのロボットの荷積み取り扱いデバイスの1つの形態
の概略斜視図である。
【
図3b】
図3(b)は
、ロボットの荷積み取り扱いデバイスの
内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
【
図3c】
図3(c)は、
ロボットの荷積み取り扱いデバイスの内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の1つの形態にしたがう、ロボットサービスデバイスと共に、
図1および
図2のフレーム構造上に取り付けられた
図3(a)、
図3(b)、および
図3(c)に示すタイプの複数の荷積み取り扱いデバイスを備える既知の保管システムの概略斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の1つの形態にしたがう、容器収容ユニットの概略斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の1つの形態にしたがう、位置付けベースユニットの概略斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の1つの形態にしたがう、ベースユニットに取り付ける容器収容ユニットの内側の容器の概略斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の1つの形態にしたがう、ベースユニット上の容器収容ユニットの内側に位置付けられる容器の概略斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の1つの形態にしたがう、複数のモジュール式位置付けベースプレートを備えるベース上に位置付けられている容器収容ユニット中の容器の不完全な単一のレイヤを示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の1つの形態にしたがう、いくつかの容器と容器収容ユニットのレイヤが保管システムを構成するように互いの上に積み重ねられている、
図9と同じ容器収容ユニットの不完全な構成を示す概略斜視図である。
【
図11】
図11は、保管システムの上部の軌道サポート、軌道および荷積み取り扱いデバイスも示す、
図9および10と同じ容器収容ユニットの不完全な構成を示す概略斜視図である。
【
図12a】
図12aは、
図11の保管システムの最上レイヤ上で、荷積み取り扱いデバイスが動作可能な格子を軌道サポートと軌道が形成する状況で、本発明の1つの形態にしたがう、軌道サポートと軌道の1つの形態の概略斜視図である。
【
図12b】
図12bは、本発明の1つの形態にしたがう、
図12aの軌道のセクションの概略斜視図である。
【
図13a】
図13aは、
図11の保管システムの最上レイヤ上で、荷積み取り扱いデバイスが動作可能な格子を軌道サポートと軌道が形成する状況で、本発明の1つの形態にしたがう、軌道サポートと軌道のさらなる形態の概略斜視図である。
【
図13b】
図13bは、本発明の1つの形態にしたがう、
図13aの軌道のセクションの概略斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の形態にしたがう、容器の代替形態の概略斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の形態にしたがう、容器収容ユニットの代替形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1および
図2において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの上部に積み重ねられている。スタック12を備えるコンテナまたは容器10が形成され、スタック12が本来位置であるとき、個々のコンテナ10のそれぞれがアイテムを含むことができる構造を形成するように、コンテナまたは容器10が解放可能に連結される。スタック12は、倉庫環境または製造環境内のフレーム構造14内に構成される。
図1は、フレーム構造14の概略斜視図であり、
図2は、フレーム構造14内に構成された容器10の単一のスタック12を示す上面図である。各容器10は、典型的に、複数の製品アイテム(示されていない)を保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであってもよく、または、用途に依存する異なる製品タイプのものであってもよい。
【0017】
フレーム構造14は、水平部材18、20をサポートしている複数の直立の部材16を備えている。第1のセットの平行水平部材18が、直立部材16によりサポートされた複数の水平格子構造を形成するために、第2のセットの平行水平部材20に対して垂直に構成される。部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。フレーム構造14が容器10のスタック12の水平移動を防止し、容器10の垂直移動を誘導するように、容器10は、フレーム構造14の部材16、18、20間に積み重ねられる。
【0018】
フレーム構造14の頂部レベルは、スタック12の頂部にわたって格子パターンで構成されたレール22を含む。さらに
図3および
図4を参照すると、レール22は、複数のロボット荷積み取り扱いデバイス30をサポートする。平行なレール22の第1のセット22aが、フレーム構造14の頂部にわたって第1の方向(X)への荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導し、第1のセット22aに対して垂直に構成された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(Y)への荷積み取り扱いデバイス30の移動を誘導する。この方法において、レール22は、X-Y平面における、2次元での荷積み取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
【0019】
各荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12の上方においてフレーム構造14のレール22上でX方向およびY方向に移動するように構成された車両32を備える。車両32の前方の一対のホイール34および車両32の後方の一対のホイール34からなるホイールの第1のセット34が、レール22の第1のセット22aの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。同様に、車両32の各側面のホイール36の対からなる、ホイールの第2のセット36は、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように構成される。ホイールの各セット34、36を、上げ、下げすることができるので、ホイールの第1のセット34、または、ホイールの第2のセット36のいずれかは、任意の1回で、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合される。
【0020】
ホイール34の第1のセットがレール22aの第1のセットに係合され、ホイールの第2のセット36がレール22から完全に持ち上げられているとき、車両32中に収納されている駆動メカニズム(示されていない)を介して、荷積み取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。Y方向に荷積み取り扱いデバイス30を移動させるために、ホイール34の第1のセットは、レール22から完全に持ち上げられて、ホイール36の第2のセットは、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動メカニズムを使用してホイールの第2のセット36を駆動し、Y方向への移動を達成することができる。
【0021】
この方法で、1つ以上のロボットの荷積み取り扱いデバイス30は、中央ピッキングシステム(示されていない)の制御のもと、フレーム構造14上で、スタック12の上面を独立してあちこち移動することができる。
【0022】
図4は、上記で説明している典型的な保管システムを示しており、システムは、スタック12上でアクティブな複数の荷積み取り扱いデバイス30を有している。
【0023】
図1および
図4は、保管システム内のスタック12内のコンテナまたは容器10を示す。任意の所定の保管システム中に多数のコンテナまたは容器10が存在してもよく、多くの異なる品物がスタック中に保管され、各容器が単一のスタック12内に異なる品物を含んでいてもよいことが認識されるだろう。
【0024】
図1から4を参照して説明した保管システムは、重要な構造を備える一方で、形式上部分的モジュールは、かなりの重さおよびサイズの工学コンポーネントを備えている。このような保管システムの取り付けおよび作動は、数週間必要とするかもしれない。さらに、必要とされるロケーションにコンポーネントを輸送することは、いくらか時間がかかり、かなりのインフラストラクチャおよび複数の重量物運搬車両を必要とするかもしれない。本発明は、容易にカスタマイズし、容易に運搬および取り付けできるモジュール式保管システムを提供する。
【0025】
図5から8からわかるように、本発明の保管およびピッキングシステムは、分解した方法で容易に運搬し、
図1から4を参照して説明したシステムよりも、より効果的な方法で保管構造を形成するように取り付けることができる一連のコンポーネント部品を備えている。
【0026】
図5中に示すように、保管構造の第1のコンポーネント部品は、容器収容ユニット50を備えている。容器収容ユニット50は、4つの側面、実質的には、カラー形状の構造を備えている。
図5中に示すカラー構造は、実質的に矩形断面を形成する側面71、72を備えており、側面71、72は、補強ウエブ71a、72aをそれぞれ備えている。それぞれの4つの側面をもった容器収容ユニット50は、構造の底と上面それぞれに、1つ以上の位置付けピン54と1つ以上の開口53を有している。さらに、容器収容ユニット50は、ユニット50の側面71、72上に位置付けられている、連結開口66aと突起66bを備えている。連結開口66aおよび突起66bは、2つ以上の容器収容ユニット50を取り外し可能にともに取り付けることを可能にするようなサイズおよび形状である。
【0027】
容器収容ユニット50は、構造フレームワーク71a、72aを備える側面71、72によって形成される必要はないが、固い側面(示されていない)から形成されることができることが認識されるだろう。保管システム内で使用されるスタック12の高さに依存して、角51が十分な強度と剛性を提供して強固な直立を形成するように容器収容ユニット50を構築しなければならないことが認識されるだろう。
【0028】
容器収容ユニットの側面71と72の強度、ならびに、連結開口66aと突起66bの数、強度、ロケーション、プロフィール、素材、および、サイズは、スタック12の総数と高さに依存して、保管システム上の剛性と強度を確保するように選択されなければならない。
【0029】
容器収容ユニット50は、必要とされる構造的特徴を有する任意の適切な素材から形成されてもよい。例えば、ユニット50は、適切なプラスチック素材から形成されてもよい。これらは、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはポリカーボネート、またはこれらの任意の合成の組み合わせのようなものを含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0030】
さらに、容器収容ユニット50は、適切な金属または金属合金、あるいは、ガラスまたは炭素繊維強化プラスチック素材などの適切な素材の任意の組み合わせから形成される合成物のような、他の何らかの適切な構造素材から形成されてもよい。
【0031】
保管構造の第2のコンポーネント部品は、位置付けベースプレート60を備え、ベースプレート60は、容器収容ユニット50のサイズと同等の大きさである矩形断面の実質的に平面のベースを備える。
図6中に示すように、これは、プレートまたはフレーム60のそれぞれの角に位置付けられた1つ以上の開口56bを有する4つの側面をもったフレームを備えていてもよい。開口56bは、ベースプレート60の上に位置付けられている容器収容ユニット50の下側からの位置付けピン54を収容できるような方法で、サイズ指定され、フレーム中に位置付けられる。
【0032】
オプション的に、位置付けベースプレート60は、連結ピンおよび開口(示されていない)を有し、これらをともに接合し、単一の位置付けベース構造を形成してもよい。
【0033】
モジュール式保管システムの第3のコンポーネント部品は、品物を保管するのに適した容器10を備えている。このような容器10は、容器収容ユニット50に関して上記で説明したような適切なプラスチック素材から形成されてもよい。しかしながら、容器10は、その中に品物を積み重ねて保管することができる任意の適切な素材から形成されてもよい。容器収容ユニット50は、それぞれ異なる構造要件を有するコンテナまたは容器10と同じ素材から形成される必要がないことが認識されるだろう。
【0034】
図7中示すように、容器10は、容器収容ユニット50の容積内に位置付け可能なサイズである。
【0035】
モジュール式保管システムの第4および第5のコンポーネントは、一連の軌道サポートセクション25および一連の軌道セクション26を備える。
【0036】
軌道サポートセクション25は、任意の適切な構造的弾性素材から形成されてもよい。これは、上記の容器収容ユニット50に関連して説明したようなプラスチック素材が含まれてもよい。しかしながら、軌道サポートセクションは、軌道セクション26およびその動的または静的荷重をサポートすることができる任意の素材から形成されてもよいことが認識されるだろう。
【0037】
モジュール式保管システムの最終コンポーネントは、荷積み取り扱いデバイス30を備える。荷積み取り扱いデバイスは、
図1から
図4中に示した先行技術システムを参照して説明した形態をとってもよく、荷積み取り扱いデバイス30は、容器10を持ち上げ、収容し、容器収容ユニット50にわたって位置付けることができるようなサイズの設置面積を有する。しかしながら、解放可能に容器10に取り付け、容器収容ユニット50を備える保管構造から容器10を持ち上げ、容器10を必要に応じて構造に戻すことができる他の何らかの形態の荷積み取り扱いデバイスを使用してもよい。
【0038】
使用する際に、
図7を参照して説明したように、位置付けピン54と開口56を連結させることにより、単一の容器収容ユニット50が各位置付けベースプレートに接合される。
【0039】
ピン54および開口53はそれぞれ容器収容ユニット50の底および上面に示されているが、容器収容ユニット50およびベースユニット60のピンおよび開口の任意の組み合わせを使用して、容器収容ユニット50をベースプレート60に位置的に固定してもよいことが認識されるだろう。
【0040】
隣接する容器収容ユニット50は、1つ以上の連結開口66aおよび突起66bによってともに接合される。
【0041】
図9中に示すように、
図7を参照して上記で説明した方法で、容器10のレイヤが容器収容ユニット50中に位置付けられ、ベースレイヤにしっかりと位置付けられているユニット50が構築されてもよい。(
図9は、明確性の目的のために、いくつかの容器収容ユニット50が欠落しているモジュール式保管構造を示している)
【0042】
4つの側面をもった容器収容ユニット50の第2のまたは後続するレイヤは、タワーレイヤの上に位置付けられてもよく、容器収容ユニット50のレイヤを備えるタワーを形成するように、上側の容器収容ユニットの位置付けピン54は、下側の容器収容ユニットの開口53と連結する。
【0043】
この方法で、保管システムは、所望の容積または高さに達するまで、レイヤで構築されることができる。
図10は、8つの容器の高さのシステムを示しており、再度説明すると、明確性のために、いくつかの容器収容ユニット50が欠落している。
【0044】
図11を参照すると、保管システムが所望のサイズおよび高さに達したとき、軌道サポートセクション25は、各軌道サポートセクション25の1つ以上の連結位置付けピン54を一番上の容器収容ユニット50の開口53と係合させることにより、容器収容ユニット50の最上レイヤに取り外し可能に取り付けられる。次に、軌道セクション26が軌道サポートセクション25に取り外し可能に取り付けられる。このような方法で、荷積み取り扱いデバイス30が移動できるレールが生成され、レールは容器収容ユニット50の最上レイヤにわたって格子パターンで構成される。
【0045】
次に、少なくとも1つの適切な荷積み取り扱いデバイス30をレール上に配置し、適切なワイヤレス通信システムの制御下で動作させて、必要に応じて構造から容器10を取り出して交換することができる。
【0046】
容器10は、容器10のスタック12を形成するように容器収容ユニット50のタワーに挿入される。前記または各荷積み取り扱いデバイスは、容器10を容器収容ユニット50中に位置付け、配置するために使用されてもよい。容器は、品物を含んでいてもよく、または、空で、保管される品物を待ってもよい。
【0047】
保管システム上に予想される静的および動的負荷に依存して、サポートセクションとともに、または、サポートセクションなしで、他の形態の軌道またはレールを使用できることが認識されるだろう。
【0048】
代替的に、技術的によく知られているように、従来のレールを保管システムの上部に適用してもよい。
【0049】
図12aおよび12bは、適切な軌道サポートセクション25および軌道セクション26の1つの形態を示す。
【0050】
軌道サポートセクション25は、長手方向に伸張する、実質的にI字形の断面ビームのセクションを備える。サポートセクション25のビームの長さは、容器収容ユニット50の最上レイヤに取り付けられるときに、サポート構造の層状形態が達成されるように選択される。すなわち、サポートセクション25間のジョイントは、任意の隣接するタワー中の容器収容ユニット50を参照して同じポイントに位置付けられない。このようにして、軌道サポートの構造的完全性が維持される。
【0051】
図12b中に示すように、軌道セクション26の1つの形態は、実質的に十字形の平面部分を備える。平面部分の上面は、荷積み取り扱いデバイス30が進むことができるレールとして機能するモールディングを備える。軌道セクション26をサポートセクション25上に位置付けるために、軌道セクション26は、下方に伸張する一連のリップ60を備える。リップ60は、軌道セクション26をサポートセクション25上に構造的に位置付けるように、軌道セクション26をサポートセクション25に取り外し可能に取り付ける。
【0052】
図12aに示すように、十字形の軌道セクション26は、軌道の格子パターンを形成して、荷積み取り扱いデバイス30が動作できるレールとして機能するように、容器収容ユニット50の最上レイヤ上に位置付けられるサポートセクション25上に取り付けられる。
【0053】
このようにして、組み立てられたときに十字形の軌道セクションである、サポートセクション25の層状構造と平面の組み合わせは、荷積み取り扱いデバイスが作動できる、容易に取り付け可能なレールの平らなセットを提供する。
【0054】
図13aおよび13bは、軌道セクション260の代替形態を示す。
図13b中に示す軌道セクションは、長手方向に伸張するモールディング62を備える。軌道セクション260は、基礎となるサポートセクション25と連携する一連の下方に伸張するリップ60をさらに備える。
【0055】
使用する際、
図13bの軌道セクション260は、
図13a中に示したように、サポートセクション25上に位置付けられ、配置される。容器収容ユニット50の最上レイヤ上のサポートセクション25によって形成される格子構造の交差ポイントで互いに隣接するように、2つの軌道セクション260が位置付けられる。任意の2つ軌道セクション260が隣接するジョイントが、サポートセクションの2つのセクションが隣接するポジションの上に決して位置付けられないように軌道セクション260は構成される。
【0056】
容器収容ユニット50および容器10の異なる形態が使用されてもよいことが認識されるだろう。
【0057】
図14は、本発明の別の形態にしたがう、容器10の代替形態を示している。代替容器10は、折り畳み式容器10の形態をとる。
図14中に示す実施形態では、側面72は内側に折り畳まれ、側面71は、前に折り畳まれた側面72の上に内側に折り畳まれる。このような折り畳み式容器は、IFCO(登録商標)コンテナおよびトレイのように多くの形態で利用可能である。このような折り畳み式容器10は、上記で説明したような必要とされる構造的特性を有する任意の素材から形成されてもよいが、プラスチック素材、金属合金、および他の軽量素材を含んでいてもよい。
【0058】
図15は、本発明の別の形態にしたがう、容器収容ユニット50の代替形態を示している。代替容器収容ユニット50は、
図5から11を参照して上記で説明したような側面71、72を備えるが、代替容器収容手段50の角はヒンジ手段80を備える。ヒンジ手段80の存在は、実質的に平らになるように容器収容手段50’を折り畳むことを可能にする。このような代替容器収容手段50’は、上記で説明したような必要とされる構造的特性を有する任意の素材から形成されてもよいが、プラスチック素材、金属合金、および他の軽量素材を含んでいてよい。ヒンジ手段80は、蝶番、凹型ヒンジ、t字型ヒンジ、ストラップヒンジのようなヒンジの任意の形態、あるいは、代替容器収容ユニット50折り畳み可能または折り畳み式にすることを可能にするのに適したヒンジまたは機構の何らかの形態を備えていてもよい。
【0059】
図14中に示す折り畳み式容器10’および
図15中に示す折り畳み式容器収容ユニット50’の使用は、これらのコンポーネントが折りたたまれた形態で運搬されることから、保管システムのコンポーネントを運搬するのに必要とされる容積を減少させることが認識されるだろう。
【0060】
折り畳み式コンテナの多くの形態があり、
図14中に示した形態は1つの好ましい形態にすぎない。しかしながら、折り畳み式コンテナまたは容器10の任意の適切な形態が使用されてもよいことが認識されるだろう。
【0061】
このようにして、カスタマイズされたあらゆるサイズおよび形状の保管システムを、迅速で効率的に構築および分解できる。
【0062】
保管構造構築へのこのモジュール式アプローチは、永続的なインフラストラクチャに対する必要性を克服する。さらに、保管システムのコンポーネントおよび保管システム構造は、ほとんどのケースでは、このような構造を形成するのに十分な強度および堅牢性を有する工学ポリマーから構築されることができる一方で、輸送および構築目的の重量を減らす。
【0063】
好ましくは、本発明にしたがう保管システムのすべてのコンポーネントは、単なる例として、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはポリカーボネート、またはこれらの任意の組み合わせのような、高い強度の型成形可能な素材から構築され、これらは、正確に、容易に、迅速に、そして安価に製造できる。
【0064】
軽量金属合金、あるいは、適切な構造特性を有するガラスまたは炭素繊維強化プラスチック素材などの適切な素材の任意の組み合わせから形成される合成物のような、他の構造素材を使用できることが認識されるだろう。
【0065】
本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲において規定したような、上記で明示的に説明していない多くのバリエーションおよび修正も可能である。
ここに、出願当初の特許請求の範囲の記載事項を付記する。
[1] 保管システムであって、
それぞれが1つ以上の連結手段を備える複数のベースプレートと、
それぞれが1つ以上の連結手段を備える複数のスタックする容器収容ユニットと、
複数の容器のスタックと、
複数のレールと、
少なくとも1つの荷積み取り扱いデバイスとを備える、保管システム。
[2] 前記連結手段は、雄または雌部品を備える、[1]に記載の保管システム。 [3] 前記複数のベースプレートは、容器収容ユニットを収容するための格子を形成するように互いに隣接して構成されている[1]または[2]に記載の保管システム。 [4] 前記複数のベースプレートは、互いに連結する、[1]~[3]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[5] 前記容器収容ユニットは、前記ベースプレートに連結して、容器のスタックを収容するためのタワーを形成する、[1]~[4]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[6] 前記容器収容ユニットは、互いに連結する、[1]~[5]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[7] 前記レールは、複数の連結する軌道セクションを備える、[1]~[6]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[8] 前記軌道セクションは、前記容器収容ユニットを連結し、平行レールまたは軌道の第1のセットおよび実質的に水平な面において前記第1のセットに対して横に伸張する平行レールまたは軌道の第2のセットを形成し、複数の格子空間を備える格子パターンを形成する、[7]に記載の保管システム。
[9] 前記軌道セクションは、互いに連結する、[7]または[8]に記載の保管システム。
[10] スタックに構成されている複数の容器は、前記容器収容ユニット内に位置付けられる、[1]~[9]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[11] 少なくとも1つの荷積み取り扱いデバイスは、前記レール上に配置され、前記レール上で前記スタックの上を横方向に移動するように構成されている、[1]~[10]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[12] 複数のベースプレートを複数の容器収容ユニットに連結すること、または、前記複数のベースプレートを前記複数の容器収容ユニットから取り外すことを備える、[1]~[11]のうちのいずれか1項に記載の保管システムを構築または分解する方法。 [13] 複数の軌道セクションを複数の容器収容ユニットに連結すること、または、前記複数の軌道クションを前記複数の容器収容ユニットから取り外すことをさらに備える、[12]に記載の方法。