(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像読取装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20240219BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240219BHJP
B65H 5/38 20060101ALI20240219BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240219BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240219BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
B65H3/06 330G
B65H5/06 D
B65H5/38
G03G15/00 107
G03G21/16 133
H04N1/00 567Q
H04N1/00 E
(21)【出願番号】P 2022113959
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2018129519の分割
【原出願日】2018-07-06
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 記和
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-229538(JP,A)
【文献】特開2002-249246(JP,A)
【文献】特開2001-341879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B65H 5/06
B65H 5/38
G03G 15/00
G03G 21/16
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガイドを有するカバーユニットと、
前記カバーユニットを開閉可能に支持するベースユニットであって、前記カバーユニットが前記ベースユニットに対して閉じられた状態で前記第1ガイドと共に搬送路を形成する第2ガイドを有するベースユニットと、
シートを給送する給送部材と、前記給送部材によって給送されたシートを前記搬送路に沿っ
て搬送する
搬送部材と、前記
搬送部材を回転可能に支持
する回転軸と、
前記回転軸に揺動可能に支持され、前記給送部材を支持するホルダと、を有し、前記
カバーユニットに対して着脱可能に支持される
給送ユニットと、
前記
カバーユニットに開閉可能に支持され、閉状態で前記搬送路に対して前記
給送ユニットの少なくとも一部を覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記
給送ユニットが前記
カバーユニットから取り外される際に、前記
給送ユニットに押圧されることで開かれる、
ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
第1ガイドを有するカバーユニットと、
前記カバーユニットを開閉可能に支持するベースユニットであって、前記カバーユニットが前記ベースユニットに対して閉じられた状態で前記第1ガイドと共に搬送路を形成する第2ガイドを有するベースユニットと、
シートを給送する給送部材と、前記給送部材によって給送されたシートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部材と、前記搬送部材を回転可能に支持する回転軸と、前記回転軸に揺動可能に支持され、前記給送部材を支持するホルダと、を有し、前記カバーユニットに対して着脱可能に支持される給送ユニットと、
前記カバーユニットに開閉可能に支持され、閉状態で前記搬送路に対して前記給送ユニットの少なくとも一部を覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記カバーユニットが前記ベースユニットに対して閉じられる際に、前記ベースユニットに当接することで前記閉状態となる、
ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
前記
カバーユニットは、被係合部を有し、
前記
給送ユニットは、
前記給送ユニットが前記
カバーユニットに装着された状態で前記被係合部に係合可能な係合部
を有し、
前記係合部は、前記被係合部に係合可能な第1位置と、前記被係合部との係合を解除可能な第2位置と、に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記給送ユニットは、前記係合部を有すると共に把持されることで前記係合部が前記第1位置から前記第2位置に弾性変形する把持部を更に備える、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記
カバーユニットに対して回動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項1
乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記
カバーユニットに回転可能に支持され、前記回転軸に対して連結及び離間可能なカップリングを備え、
前記カバー部材は、
前記閉状態で前記搬送路に対して前記カップリングを覆う、
ことを特徴とする請求項
1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記カバー部材は、閉状態で前記搬送路の一部を構成し、シートを案内する案内面を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記
カバーユニットは、前記
給送ユニットが前記
カバーユニットに対して取り外される取り外し方向における下流側が開放されるように形成され、前記
カバーユニットに装着された前記
給送ユニット
の前記回転軸を保持可能な保持部を有
する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記ベースユニットは、前記給送部材によって給送されたシートを前記搬送部材と共に1枚ずつに分離する分離部材を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記ベース
ユニットに向けて突出する突出部を有し、
前記カバー部材は、前記
カバーユニットが前記ベース
ユニットに対して閉じられる際に、前記突出部が前記ベース
ユニットに当接することで閉状態となる、
ことを特徴とする請求項
1乃至9
のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置によって搬送されているシートの画像を読み取り可能な読取ユニットと、を備えた、
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置及びこれを備える画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ等の画像形成装置において、画像形成装置本体の上方に接続され、原稿の画像を読み取り可能な画像読取装置を備えたものが知られている。画像読取装置は、自動原稿送り装置(以下、ADFとする)によって搬送されている原稿の画像を読み取ることができる。
【0003】
従来、ADFの給紙カバーを開き、給紙カバーに設けられた搬送ローラユニットを交換可能なプリンタが提案されている(特許文献1参照)。搬送ローラユニットには、ピックアップローラと、給紙ローラと、が回転可能に支持されており、搬送ローラユニットに設けられた把持部が把持されることで、給紙カバーと搬送ローラユニットとの係合が解除される。給紙カバーと搬送ローラユニットとの係合が解除された状態で搬送ローラユニットを引き抜くことで、搬送ローラユニットを給紙カバーから取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の搬送ローラユニットは、搬送路に対してむき出しに設けられているが、搬送ローラユニットに原稿が引っかかるような部分がある場合、その部分をカバーで覆うことが考えられる。しかしながら、このようなカバーを給紙カバーに設けた場合、搬送ローラユニットの交換に当たって、まずカバーを外す必要があり、交換作業性が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、給送ユニットの交換作業性を向上可能なシート搬送装置及びこれを備えた画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート搬送装置において、第1ガイドを有するカバーユニットと、前記カバーユニットを開閉可能に支持するベースユニットであって、前記カバーユニットが前記ベースユニットに対して閉じられた状態で前記第1ガイドと共に搬送路を形成する第2ガイドを有するベースユニットと、シートを給送する給送部材と、前記給送部材によって給送されたシートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部材と、前記搬送部材を回転可能に支持する回転軸と、前記回転軸に揺動可能に支持され、前記給送部材を支持するホルダと、を有し、前記カバーユニットに対して着脱可能に支持される給送ユニットと、前記カバーユニットに開閉可能に支持され、閉状態で前記搬送路に対して前記給送ユニットの少なくとも一部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記給送ユニットが前記カバーユニットから取り外される際に、前記給送ユニットに押圧されることで開かれる、ことを特徴とする。
また、本発明は、シート搬送装置において、第1ガイドを有するカバーユニットと、前記カバーユニットを開閉可能に支持するベースユニットであって、前記カバーユニットが前記ベースユニットに対して閉じられた状態で前記第1ガイドと共に搬送路を形成する第2ガイドを有するベースユニットと、シートを給送する給送部材と、前記給送部材によって給送されたシートを前記搬送路に沿って搬送する搬送部材と、前記搬送部材を回転可能に支持する回転軸と、前記回転軸に揺動可能に支持され、前記給送部材を支持するホルダと、を有し、前記カバーユニットに対して着脱可能に支持される給送ユニットと、前記カバーユニットに開閉可能に支持され、閉状態で前記搬送路に対して前記給送ユニットの少なくとも一部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記カバーユニットが前記ベースユニットに対して閉じられる際に、前記ベースユニットに当接することで前記閉状態となる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、給送ユニットの交換作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。
【
図3】カバーユニットを開いた状態の画像読取装置を示す側面図。
【
図7】給送ユニット及び昇降ユニットを示す斜視図。
【
図9】カム面とカムフォロワが当接した状態のカバー部材を示す
図7のP-P矢視断面図。
【
図10】平滑面とカムフォロワが当接した状態のカバー部材を示す
図7のP-P矢視断面図。
【
図11】カップリング及び保持レバーを示す斜視図。
【
図12】カップリングの周辺構成を示す
図11のK-K矢視断面図。
【
図13】上ガイド部材の軸受部及び軸挟持部を示す斜視図。
【
図14】軸受部、軸挟持部及び離間アーム保持部を示す斜視図。
【
図15】軸受部、軸挟持部及び離間アーム保持部を示す拡大斜視図。
【
図16】軸受部及び軸挟持部を示す
図15のW-W矢視断面図。
【
図17】給送ユニットがカバーユニットに装着された状態を示す斜視図。
【
図18】給送ユニットがカバーユニットから取り外される途中の姿勢を示す斜視図。
【
図19】カバーユニット及びカバー部材の開き角度を示す斜視図。
【
図20】カバー部材に設けられた突起部を示す側面図。
【
図21】突起部と下ガイド部材とが当接した状態を示す側面図。
【
図22】カバー部材及びカバーユニットの閉状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔全体構成〕
画像形成装置としてのプリンタ100は、モノクロのトナー像を形成する電子写真方式のレーザビームプリンタである。プリンタ100は、
図1に示すように、プリンタ本体100Aと、プリンタ本体100Aの上部に装着される画像読取装置101と、を備えている。プリンタ本体100Aは、積載されたシートを給送するシート給送装置120と、シート給送装置120によって給送されたシートに画像を形成する画像形成部114と、定着装置106と、排出ローラ対109と、を有している。
【0011】
プリンタ100に画像形成の指令が出力されると、プリンタ100に接続された外部のコンピュータや画像読取装置101等から入力された画像情報に基づいて、画像形成部114による画像形成プロセスが開始される。画像形成部114は、感光ドラム110と、帯電ローラ115と、不図示の現像装置と、レーザスキャナ104と、転写ローラ111と、を有している。
【0012】
レーザスキャナ104は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム110に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム110は、帯電ローラ115により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム110上に静電潜像が形成される。その後、不図示の現像装置によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム110上にモノクロのトナー像が形成される。
【0013】
上述の画像形成プロセスに並行して、シート給送装置120からシートPが給送される。シート給送装置120は、シートPを収容するカセット113と、ピックアップローラ105と、分離ローラ対116と、を有している。カセット113に収容されたシートPは、ピックアップローラ105によって給送されると共に分離ローラ対116によって1枚ずつに分離される。なお、カセット113は、不図示の中板によってシートを昇降可能に支持してもよく、分離ローラ対116は、ローラ対のいずれか一方が分離パッドによって構成されてもよい。
【0014】
分離ローラ対116によって1枚ずつに分離されたシートPは、停止状態のレジストレーションローラ対117に突き当たることで斜行が補正され、レジストレーションローラ対117は、トナー像の転写タイミングに合わせて回転しシートPを搬送する。レジストレーションローラ対117によって搬送されたシートPには、転写ローラ111に印加された静電的負荷バイアスによって、感光ドラム110上のトナー像が転写される。
【0015】
トナー像が転写されたシートPは、定着装置106によって所定の熱及び圧力が付与されて、トナーが溶融固着(定着)される。定着装置106を通過したシートPは、排出ローラ対109によって排出トレイ112に排出される。なお、シートは、カセット113からの給送のみならず、マルチトレイ108からも給送されるようになっている。マルチトレイ108は、プリンタ本体100Aに対して開閉可能に支持されており、開状態でシートを支持可能に構成されている。
【0016】
また、シートPの両面に画像が形成される場合、第1面(表面)に画像が形成されたシートPは、排出ローラ対109によってスイッチバックされ、両面搬送路107に送り込まれる。両面搬送路107に送り込まれたシートPは、再びレジストレーションローラ対117に搬送され、感光ドラム110及び転写ローラ111によって第2面(裏面)に画像が形成される。そして、シートPは、定着装置106を通過して排出ローラ対109によって排出トレイ112に排出される。
【0017】
[画像読取装置]
次に、画像読取装置101について詳述する。画像読取装置101は、
図2に示すように、原稿トレイ15に積載された原稿Dを給送し、原稿排出トレイ16に排出する自動原稿送り装置(以下、ADFとする)103を有している。また、画像読取装置101は、ADF103によって搬送される原稿Dを読み取る読取ユニット102を備えている。シート搬送装置としてのADF103は、原稿台ガラス4が開放可能となるように、不図示のヒンジによって読取ユニット102に対して
図2の手前/奥方向に回動可能に支持されている。なお、本実施の形態において、シートとは、画像形成部114によって画像が形成される記録材及び画像読取装置101によって画像が読み取られる原稿を含む。原稿は、白紙でも、片面又は両面に画像が形成されていてもよい。
【0018】
ADF103は、シャッタ部材17と、ローラとしてのピックアップローラ43と、フィードローラ44と、分離ローラ20と、複数の搬送ローラ対251,252,123と、を有している。また、ADF103は、プラテンガラス2に対向して配置されるプラテンローラ121と、第2読取部7と、を有している。
【0019】
読取ユニット102は、プラテンガラス2と、原稿Dを支持可能な原稿台ガラス4と、第1読取部3と、を有しており、第1読取部3は、副走査方向(矢印A方向)に移動可能に構成されている。第1読取部3及び第2読取部7は、不図示の光源、光電変換素子等を内蔵しており、光電変換素子は、CCDセンサやCMOSセンサ等を適用可能である。光源から発せられた光は、原稿Dにより反射され、原稿Dからの反射光は光電変換素子に入射される。光電変換素子は、原稿Dからの反射光を光電変換することで、原稿Dの画像を画像情報として得ることができる。
【0020】
プラテンガラス2は、光を透過するガラス等の透明部材によって形成されている。また、ADF103によって搬送される原稿を読み取る形態を流し読みといい、原稿台ガラス4に原稿を位置決めし、第1読取部3を副走査方向に移動させながら読み取る形態を固定読みという。
【0021】
固定読みの場合には、ユーザは、ADF103を開いて、原稿台ガラス4に原稿を載置する。そして、ユーザは、不図示の操作パネルを操作することで、画像読取装置101による固定読みを開始する。固定読みが開始されると、第1読取部3が副走査方向に移動しながら原稿台ガラス4上の原稿の画像を読み取る。
【0022】
流し読みの場合には、ユーザは、先端をシャッタ部材17に突き当てた状態で原稿Dを原稿トレイ15に載置し、操作パネルを操作することで、画像読取装置101による流し読みを開始する。この際、第1読取部3は、プラテンガラス2の下方の位置で停止した状態で、画像の読み取りを行う。流し読みが開始されると、シャッタ部材17が上方に退避し、原稿トレイ15に載置された原稿Dは、ピックアップローラ43によって給送され、フィードローラ44及び分離ローラ20によって1枚ずつに分離される。そして、原稿Dは、搬送ローラ対251,252,123によって搬送路としての原稿搬送路25を搬送されつつ、プラテンローラ121によってプラテンガラス2に押し付けられる。
【0023】
原稿Dは、プラテンローラ121によって案内されながら、プラテンガラス2を介して、第1読取部3によって第1面(表面)の画像が読み取られる。原稿Dの両面の画像を読み取る場合には、第1読取部3によって画像が読み取られた原稿Dは、第2読取部7によって第2面(裏面)の画像が読み取られる。なお、第2読取部7に対向して、プラテンガラス等が設けられているが、その説明は省略する。そして、原稿Dは、排出ローラ対131によって機外に排出され、原稿排出トレイ16に積載される。
【0024】
ADF103は、
図3に示すように、ベース部としてのADF本体103Aと、ADF本体103Aに対して支点59を中心に開閉可能に支持される装置本体としてのカバーユニット60と、を有している。カバーユニット60は、第1ガイド25aを有する上ガイド部材61と、上ガイド部材61に着脱可能に支持される着脱ユニットとしての給送ユニット40と、を有している。ADF本体103Aは、第1ガイド25aと共に原稿搬送路25の一部を形成する第2ガイド25bを有する下ガイド部材90を有している。カバーユニット60は、原稿搬送路25において滞留したジャムシートの処理又は給送ユニット40の交換等の際に開かれる。
【0025】
図4に示すように、給送ユニット40は、後述するように、上ガイド部材61に形成された軸受部65,77によって位置決めされると共に、カップリング66、軸挟持部64及び離間アーム保持部76によって保持される。上ガイド部材61には、カバー部材62が開閉軸62a,62bを中心に開閉可能に支持されており、カバー部材62は、給送ユニット40に駆動を伝達するカップリング66等を覆っている。言い換えれば、カバー部材62は、幅方向に延びる軸線を中心に上ガイド部材61に対して回動可能に支持されている。また、カバー部材62は、シートを案内する案内面62eを有しており、案内面62eは、第1ガイド25a及び第2ガイド25b(
図3参照)と共に原稿Dを案内する原稿搬送路25を形成している。
【0026】
[給送ユニット]
給送ユニット40は、
図5及び
図6に示すように、回転軸としてのフィードローラ軸46と、フィードローラ軸46に回転可能に支持されるフィードローラ44と、ホルダ部材45と、揺動アーム41と、を有している。フィードローラ44は、ワンウェイクラッチ48を介してフィードローラ軸46に取り付けられており、フィードローラ軸46の駆動によって、ワンウェイクラッチ48を介してシート搬送方向、すなわち
図6の矢印E方向に回転可能となっている。一方で、フィードローラ軸46が停止している際には、搬送ローラ対251(
図2参照)によって搬送されている原稿Dに連れ回って
図6の矢印E方向に回転可能であると共に、矢印F方向には回転しないようになっている。
【0027】
ホルダ部材45は、フィードローラ軸46の一端をカバー部45aによって覆うと共にフィードローラ軸46に揺動可能に支持されている。揺動アーム41は、フィードローラ軸46に揺動可能に支持されると共にホルダ部材45に固定されている。ホルダ部材45には、後述する離間アーム55が取り付けられており、ホルダ部材45、揺動アーム41及び離間アーム55は、ホルダとしてのホルダユニット91を構成している。
【0028】
揺動アーム41は、フィードローラ軸46と平行に延びるピックアップ軸52を回転可能に支持しており、ピックアップ軸52には、ピックアップローラ43が回転可能に支持されている。ピックアップローラ43は、2つのローラ43a,43bから構成されており、ピックアップ軸52のローラ43b側の端部には、従動プーリ50が不図示のワンウェイクラッチを介して設けられている。従動プーリ50と、フィードローラ軸46に設けられた駆動プーリ49と、には伝達ベルト51が巻き掛けられており、フィードローラ軸46が回転することで伝達ベルト51も回転する。
【0029】
ピックアップローラ43は、シートに当接した状態で伝達ベルト51が回転することによって、シートを搬送する。一方で、フィードローラ軸46及び伝達ベルト51が停止している際には、搬送ローラ対251(
図2参照)によって搬送されている原稿Dに連れ回って
図6の矢印E方向に回転可能となっている。
【0030】
また、揺動アーム41は、フィードローラ軸46に遊嵌された不図示の巻きバネに連結されており、この巻きバネは、バネクラッチの役割を担っている。すなわち、フィードローラ軸46が正転方向(シート搬送方向)に回転している際には、巻きバネが締まることで、フィードローラ軸46と共に揺動アーム41も下方に回転する。読取ジョブが終了してフィードローラ軸46への駆動が停止されると、揺動アーム41が下方に回転する力を失い、不図示の戻しバネによって、揺動アーム41は待機位置に向けて上昇する。
【0031】
揺動アーム41は、ピックアップローラ43のシート搬送方向と直交する幅方向に延出し、先端にカムフォロワ41bが形成されるアーム部41aと、揺動アーム41の待機位置を検知するためのフラグ部41cと、を有している。カムフォロワ41bは、後述する昇降カム85に当接し、ホルダユニット91は、昇降カム85のカム面に沿って昇降する。また、揺動アーム41は、離間アーム55の把持部としての押圧部55bと共にユーザによって把持される摘まみリブ41dを有している。離間アーム55には、押圧部55bの他に、突起部55aが形成されている。
【0032】
[昇降ユニット]
次に、揺動アーム41を昇降(揺動)させる昇降ユニット95について説明する。昇降ユニット95は、ADF本体103A(
図3参照)に設けられており、カバーユニット60を閉じた際には、カップリング66に駆動を入力する従動ギヤ69(
図4参照)に隣接して配置される。
【0033】
昇降ユニット95は、
図7及び
図8に示すように、昇降モータ80と、モータプーリ81と、従動プーリ82と、伝達ベルト83と、カム軸84と、昇降カム85と、カム位置検知フラグ86と、カム位置検知センサ87と、を有している。制御部96には、カム位置検知センサ87及び昇降モータ80が接続されており、制御部96は、カム位置検知センサ87の検知結果に基づいて昇降モータ80を制御する。なお、制御部96は、プリンタ本体100A及び画像読取装置101のいずれに設けられていてもよい。昇降モータ80のモータ軸には、モータプーリ81が取り付けられており、モータプーリ81及び従動プーリ82には、伝達ベルト83が巻き掛けられている。
【0034】
従動プーリ82は、カム軸84に固定されており、カム軸84の一端には、カム位置検知フラグ86が取り付けられており、カム軸84の他端には、昇降カム85が固定されている。昇降カム85は、カム軸84が回転することで、矢印M方向に回転する。カム位置検知フラグ86は、一部が欠けた円盤状に形成されており、カム位置検知センサ87の発光部と受光部との間の光路を遮蔽及び開放することが可能である。このような構成のカム位置検知センサ87及びカム位置検知フラグ86によって、昇降カム85の位相を検知することができる。
【0035】
カムとしての昇降カム85は、略半月状に形成されており、円弧状の面から形成されるカム面85aと、平滑面85bと、を有している。昇降カム85は、揺動アーム41のカムフォロワ41bに常に当接しており、昇降カム85の回転位相に応じて揺動アーム41が揺動する。すなわち、原稿トレイ15に載置された原稿Dの読取ジョブが入力されると、フィードローラ軸46が回転し、揺動アーム41が揺動することでピックアップローラ43は原稿Dの上面に当接する。この状態で、ピックアップローラ43が回転することで原稿Dは給送される。
【0036】
この際、昇降モータ80は、カム位置検知センサ87の検知結果に基づいて昇降カム85の位相を制御し、ピックアップローラ43によって原稿Dを給送する間、昇降カム85の平滑面85bはカムフォロワ41bに当接している。一方で、ピックアップローラ43によって原稿Dを給送しない間は、昇降カム85のカム面85aがカムフォロワ41bに当接している。これにより、揺動アーム41が僅かに上昇し、ピックアップローラ43を原稿Dから離間させることができる。
【0037】
近年では、シート搬送速度を高速化したり、先行シートと後続シートの間隔である紙間を狭くしたりすることで、生産性の向上が図られている。また、薄紙や厚紙等の多様なシートに対応する要請がある。このように生産性を向上し、多様なシートの搬送に対応したプリンタの場合、原稿の搬送不良を起こさないためには、ピックアップローラ43と原稿Dとを精度良く当接又は離間する必要がある。本実施の形態では、昇降カム85によって揺動アーム41を昇降させることで、精度良くピックアップローラ43を原稿Dに対して当接又は離間させている。
【0038】
図9は、カム面85aがカムフォロワ41bに当接した状態、すなわち原稿Dとピックアップローラ43とが離間した状態のカバー部材62を示す
図7のP-P矢視断面図である。この時、カバー部材62とアーム部41aとは、隙間Qだけ空いて離間している。
図10は、平滑面85bがカムフォロワ41bに当接した状態、すなわち原稿Dとピックアップローラ43とが当接した状態のカバー部材62を示す
図7のP-P矢視断面図である。この時、カバー部材62とアーム部41aとは、隙間Q’(0<Q’<Q)だけ空いて離間している。このように、昇降カム85の位相に拘わらず、揺動アーム41のアーム部41aとカバー部材62とは接触しない位置関係となっている。
【0039】
[給送ユニットの支持構成]
次に、給送ユニット40の支持構成について説明する。
図11に示すように、給送ユニット40のフィードローラ軸46は、一端側が上ガイド部材61の軸受部77に位置決めされると共に、カップリング66に連結される。カップリング66は、フィードローラ軸46に対して連結及び離間可能に設けられている。
図5に示すように、フィードローラ軸46の一端には、スプリングピン47が設けられており、スプリングピン47とカップリング66とが係合することによって、カップリング66の回転がフィードローラ軸46に伝達される。
【0040】
ここで、カップリング66のシート搬送方向における上流には、保持レバー67が配置されており、保持レバー67は、上ガイド部材61に回動可能に支持されている。保持レバー67には、レバー爪67a,67bが設けられており、これらレバー爪67a,67bは、カバー部材62(
図4参照)に形成された係合孔部62c,62dに係合することで、カバー部材62を閉状態で保持する。保持レバー67は、レバー爪67a,67bが係合孔部62c,62dに係合するように、不図示のバネによって付勢されている。上ガイド部材61には、保持レバー67の近傍に凹部67cが形成されており、ユーザは、凹部67cに入れた指によって、閉状態のカバー部材62を開けることができる。
【0041】
カップリング66は、
図11に示すように、駆動軸68に設けられており、駆動軸68のカップリング66とは反対の端部には、不図示の駆動ギヤから回転が伝達される従動ギヤ69が固定されている。
図12は、
図11のK-K矢視断面図である。駆動軸68は、
図12に示すように、軸受70,71によって上ガイド部材61に回転可能に支持されており、かつEリング72,73によって軸方向への移動を規制されている。
【0042】
カップリング66は、駆動軸68の端部に設けられた平行ピン74を収納する第1円筒部66aと、第1円筒部66aよりも半径が小さく、駆動軸68に摺動可能な第2円筒部66bと、を有している。第2円筒部66bとEリング72との間には、圧縮バネ75が配置されており、圧縮バネ75の付勢力により、自然状態で第1円筒部66aと第2円筒部66bとの間の段部に平行ピン74が押し当てられている。カップリング66は、圧縮バネ75の付勢力に抗して、軸方向に沿って従動ギヤ69側にスライド可能であり、給送ユニット40が着脱される際には、カップリング66はユーザによってスライド移動される。
【0043】
図13及び
図14に示すように、給送ユニット40のフィードローラ軸46の他端側は、上ガイド部材61に設けられた円弧状の軸受部65によって位置決めされる。更に、上ガイド部材61には、軸受部65に隣接して軸挟持部64が設けられており、軸挟持部64は、1対の軸挟持片64a,64bを有している。各軸挟持片64a,64bには、フィードローラ軸46の一端を覆うホルダ部材45のカバー部45aを挟持可能な挟持面64cが形成されている。挟持面64c及び軸受部65は、
図16に示すように、カバー部45aの外周に沿って円弧状に形成されている。このように、保持部としての軸挟持部64は、給送ユニット40がカバーユニット60に対して取り外される取り外し方向における下流側が開放されるように形成されている。
【0044】
軸挟持片64a,64bは、カバー部45aが押し込まれることで、互いに離れる方向に弾性変形可能であり、各軸挟持片64a,64bの挟持面64cによってカバー部45aを挟持する。すなわち、給送ユニット40は、フィードローラ軸46及びホルダ部材45のカバー部45aを介して、軸受部65によって位置決めされると共に、軸挟持部64によって保持可能である。
【0045】
また、
図14及び
図15に示すように、上ガイド部材61には、軸挟持部64の近傍に被係合部としての離間アーム保持部76が形成されている。離間アーム保持部76は、給送ユニット40に設けられた離間アーム55の係合部としての突起部55aに係合可能である。より詳しくは、離間アーム保持部76は、
図14に示すように、傾斜面76aと、係合面76bと、を有している。また、突起部55aは、
図5に示すように、傾斜面55cと、係合面55dと、を有している。
【0046】
給送ユニット40がカバーユニット60に装着される際には、離間アーム保持部76の傾斜面76aと突起部55aの傾斜面55cとが摺動しながら、離間アーム保持部76が弾性変形する。そして、突起部55aの傾斜面55cが離間アーム保持部76の傾斜面76aを超えると、離間アーム保持部76の変形が戻り、突起部55aの係合面55dと離間アーム保持部76の係合面76bとが係合する。離間アーム55の突起部55aは、
図15に示すように、ユーザが摘まみリブ41dと押圧部55bとを把持することで矢印L方向に弾性変形し、離間アーム保持部76との係合を解除することができる。なお、給送ユニット40を装着する際においても、摘まみリブ41dと押圧部55bとを把持することで突起部55aを弾性変形させてもよい。
【0047】
[給送ユニットの着脱動作]
次に、給送ユニット40の着脱動作について説明する。まず、給送ユニット40の取り外し動作から説明する。ユーザは、給送ユニット40の着脱にあたって、
図3に示すように、カバーユニット60をADF本体103Aに対して開く。この時、
図17に示すように、給送ユニット40がカバーユニット60に装着された状態では、離間アーム55が離間アーム保持部76に係合している。また、カバー部材62は、上ガイド部材61に対して閉じた状態である。
【0048】
ユーザ(サービスマンを含む)は、次に、摘まみリブ41d及び押圧部55bを把持することで、離間アーム55を矢印L方向に変形させる。これにより、
図18に示すように、離間アーム55の突起部55aと離間アーム保持部76(
図14参照)との係合は解除され、給送ユニット40を取り外せるようになる。なお、ユーザは、例えば右手の人差し指を摘まみリブ41dに掛けた状態で、右手の親指によって押圧部55bを把持することで、給送ユニット40を容易に持つことができる。
【0049】
ユーザは、突起部55aと離間アーム保持部76との係合を解除した状態で、給送ユニット40を矢印R方向に引っ張ることで、カバー部45aを軸挟持部64(
図14参照)から取り外すことができる。この時、軸挟持部64の一対の軸挟持片64a,64bは、カバー部45aに押圧されて互いに離れる方向に変形し、カバー部45aが軸挟持片64a,64bから取り外されると復元する。
【0050】
ユーザは、このまま給送ユニット40の離間アーム55側を持ち上げると、揺動アーム41のアーム部41aが接触部分Sにおいて閉状態のカバー部材62に接触する。カバー部材62は、給送ユニット40の取り外し方向において、給送ユニット40のアーム部41aに接触するように配置されている。なお、給送ユニット40の取り外し方向は、軸受部65,77及び軸挟持部64の形状等で規定されており、本実施の形態では、これら軸受部65,77及び軸挟持部64が円弧状(U字状)の溝を有しているため、溝の開放方向が取り外し方向である。
【0051】
ところで、昇降カム85は、原稿搬送路25に干渉しないように、幅方向において原稿搬送路25(
図3参照)の外側に設けられている。このため、昇降カム85に当接可能なカムフォロワ41bも幅方向において原稿搬送路25の外側に設けられる必要があるが、揺動アーム41が揺動可能に支持するピックアップローラ43は、幅方向において原稿搬送路25の内側に設けられる必要がある。そこで、揺動アーム41のアーム部41aは、カムフォロワ41bを原稿搬送路25の外側に設けるために幅方向に延びている。
【0052】
本実施の形態において、カバー部材62は、原稿搬送路25に対してカップリング66やアーム部41aの少なくとも一部を覆っており、かつ下面に原稿Dを案内する案内面62eが形成されている。このため、昇降カム85が回転することで揺動するアーム部41aやカップリング66に原稿Dが引っかかってジャムを起こすことを低減できる。
【0053】
カバー部材62は、給送ユニット40がカバーユニット60から取り外されることで、揺動アーム41のアーム部41aによって矢印V方向に押圧される。これにより、カバー部材62は、保持レバー67(
図11参照)との係合が解除され、
図19に示すように、自重によって矢印G方向に開く。なお、給送ユニット40のフィードローラ軸46とカップリング66との連結の取り外しは、カバー部材62が開かれる前でも後でもよい。このように、給送ユニット40を取り外す際に、アーム部41aによってカバー部材62が押されてカバー部材62が開くので、容易に給送ユニット40を取り外すことができる。
【0054】
カバーユニット60の開状態において、カバーユニット60のADF本体103A(
図3参照)に対する開き角度Tは、約80度に設定されている。また、カバー部材62の開状態において、カバー部材62のカバーユニット60に対する開き角度Uは、約60度に設定されている。
【0055】
次に、給送ユニット40の装着動作について説明する。ユーザは、カバー部材62が開かれた状態で、給送ユニット40の摘まみリブ41d及び押圧部55bを把持しつつ、給送ユニット40をカバーユニット60に装着する。この際、カップリング66を圧縮バネ75(
図12参照)の付勢力に抗して軸方向にスライドさせることで、容易に給送ユニット40のフィードローラ軸46とカップリング66とを連結させることができる。
【0056】
そして、ユーザは、給送ユニット40のカバー部45aを軸挟持部64に押し込むと共に、離間アーム55と離間アーム保持部76とを係合させる。これにより、給送ユニット40がカバーユニット60に保持される。最後に、ユーザは、カバー部材62を閉じ方向(
図19の矢印H方向)に押して、カバー部材62を上ガイド部材61に対して閉じる。
【0057】
ここで、ユーザの手で押してカバー部材62を閉める場合、カバー部材62を閉めるのを忘れてしまう場合がある。また、カバー部材62を閉める動作は、省いた方が簡単である。このため、本実施の形態では、
図20に示すように、カバー部材62に、ADF本体103Aに向けて突出する突出部62fが形成されている。突出部62fは、幅方向において原稿搬送路25(
図3参照)の外側に配置されており、原稿Dの搬送を阻害することはない。
【0058】
図21に示すように、カバー部材62が開いた状態でカバーユニット60を矢印C方向に閉めると、カバー部材62の突出部62fが下ガイド部材90に当接する。この状態で更にカバーユニット60を矢印C方向に閉めると、カバー部材62が下ガイド部材90に当接した状態のまま、カバーユニット60のみが下ガイド部材90に近づく。そして、
図22に示すように、カバーユニット60が閉状態となる際に、カバー部材62がカバーユニット60の保持レバー67(
図11参照)によって保持され、カバー部材62の閉じ動作が完了する。このように、ユーザがカバー部材62を手で閉めなくても、カバーユニット60の閉じ動作に連動してカバー部材62も閉状態となるため、カバー部材62の閉め動作を省くと共に、カバー部材62の閉め忘れを防止することができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態では、給送ユニット40の取り外し動作の際に、揺動アーム41のアーム部41aによってカバー部材62が押され、カバー部材62が自動的に開く構成となっている。このため、給送ユニット40の取り外しに当たってカバー部材62を手で押して開く必要が無く、容易に給送ユニット40を取り外すことができる。
【0060】
また、カバー部材62に突出部62fを設けたので、給送ユニット40をカバーユニット60に装着した後に、カバー部材62を閉めずにカバーユニット60を閉じたとしても、カバー部材62が自動的に閉状態となる。このように、簡便に給送ユニット40の着脱動作を行うことができるので、給送ユニット40の交換作業性を向上することができる。
【0061】
更に、カバー部材62は、カップリング66やアーム部41aの一部を覆っており、かつ下面に原稿Dを案内する案内面62eが形成されている。このため、昇降カム85が回転することで揺動するアーム部41aやカップリング66に原稿Dが引っかかってジャムを起こすことを低減できる。
【0062】
なお、本実施の形態では、給送ユニット40がフィードローラ44を有していたが、フィードローラ44を省いてもよい。また、給送ユニット40は、ピックアップローラ43を昇降可能に支持するのではなく、単に搬送ローラ対の一方のローラを他方に対して接離させる構成であってもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、カバー部材62は、幅方向に延びる軸線を中心に上ガイド部材61に対して回動可能に支持されているが、これに限定されない。例えば、幅方向と直交する方向に延びる軸線を中心に上ガイド部材61に対して回動可能に支持されてもよく、また上ガイド部材61に対して着脱可能に支持されていてもよい。いずれにせよ、カバー部材62は、給送ユニット40がカバーユニット60から取り外される際に、カバー部材62がカバーユニット60に対して開かれればよい。なお、カバー部材62がカバーユニット60に対して開くことに、カバー部材62が取り外されることも含まれる。
【0064】
また、既述のいずれの形態においても、電子写真方式のプリンタ100を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0065】
25:搬送路(原稿搬送路)/25a:第1ガイド/25b:第2ガイド/40:着脱ユニット(給送ユニット)/41a:アーム部/41b:カムフォロワ/43:ローラ、ピックアップローラ/44:フィードローラ/46:回転軸(フィードローラ軸)/55a:係合部(突起部)/55b:把持部(押圧部)/60:装置本体(カバーユニット)/62:カバー部材/62e:案内面/62f:突出部/64:保持部(軸挟持部)/66:カップリング/76:被係合部(離間アーム保持部)/85:カム(昇降カム)/91:ホルダ(ホルダユニット)/101:画像読取装置/102:読取ユニット/103:シート搬送装置(ADF)/103A:ベース部(ADF本体)