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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】車種判別装置及び車種判別方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/015 20060101AFI20240219BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/04 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023032008
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2018089966の分割
【原出願日】2018-05-08
(65)【公開番号】P2023067948
(43)【公開日】2023-05-16
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】草野 敦
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-170508(JP,A)
【文献】特開2016-162354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G07B 11/00-17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が進行する車線に沿って設けられ、前記車線の第1の地点に到達する車両を検知する第1の車両検知器と、
前記車線に沿って設けられ、前記車線の前記第1の地点より下流で発進制御機よりも上流の第2の地点に到達する車両を検知する第2の車両検知器と、
前記第2の車両検知器より前記第1の車両検知器に近い位置に設けられ、広角レンズにより前記第1及び第2の地点を含む前記車線の上流側方向及び下流側方向に所定長の範囲の静止画を撮影する撮影部と、
前記撮影部の撮影タイミングを、前記第1の車両検知器により車両検知期間中でかつ前記第2の車両検知器により車両が検知される第1のタイミング、または前記第1の車両検知器により車両検知後で前記第2の車両検知器により車両検知前に前記第1の車両検知器による車両検知が終了した第2のタイミングで、前記静止画を撮影するように制御する制御部と、
前記制御部により制御される前記第1のタイミングまたは前記第2のタイミングで前記撮影部により前記広角レンズで撮影される前記静止画から車両の車軸数及び車長を測定し、前記車軸数及び前記車長に基づき車両の車種を判別する判別部と、
を備える車種判別装置。
【請求項2】
前記所定長は、前記撮影部の設置位置を基準として、前記車線の上流側方向及び下流側方向に15m程度である、
請求項1の車種判別装置。
【請求項3】
前記広角レンズは、魚眼レンズである、
請求項1の車種判別装置。
【請求項4】
前記撮影部は、前記広角レンズにより常時動画を撮影して記録し、前記制御部が指示する前記第1のタイミングまたは前記第2のタイミングで、記録された前記動画から前記静止画を取得する撮影部である、
請求項1の車種判別装置。
【請求項5】
前記撮影部は、前記第1の車両検知器の設置位置を基準として、前記車線が延びる方向に沿って所定長の範囲内に設置される、
請求項1乃至4の何れかの車種判別装置。
【請求項6】
前記撮影部は、前記第1の車両検知器よりも上流側に設置される、
請求項5の車種判別装置。
【請求項7】
車種を判別する車種判別方法において、
車両が進行する車線に沿って設けられた第1の車両検知器が、前記車線の第1の地点に到達する車両を検知する第1の車両検知手順と、
前記車線に沿って設けられた第2の車両検知器が、前記車線の前記第1の地点より下流で発進制御機よりも上流の第2の地点に到達する車両を検知する第2の車両検知手順と、
制御部が、撮影部の撮影タイミングを、前記第1の車両検知器により車両検知期間中でかつ前記第2の車両検知器により車両が検知される第1のタイミング、または前記第1の車両検知器により車両検知後で前記第2の車両検知器により車両検知前に前記第1の車両検知器による車両検知が終了した第2のタイミングで、静止画を撮影するように制御する制御手順と、
前記第2の車両検知器より前記第1の車両検知器に近い位置に設けられた前記撮影部が、前記制御部の制御に基づく前記第1のタイミングまたは前記第2のタイミングで、広角レンズにより前記第1及び第2の地点を含む前記車線の上流側方向及び下流側方向に所定長の範囲の静止画を撮影する撮影手順と、
判別部が、前記撮影のタイミングで前記撮影部により撮影される前記静止画に含まれる車両の車種を判別する車種判別手順と、
を備える車種判別方法。
【請求項8】
前記所定長は、前記撮影部の設置位置を基準として、前記車線の上流側方向及び下流側方向に15m程度である、
請求項7の車種判別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車種判別装置及び車種判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の通行料金は、車種別に定められている。そのため、有料道路の料金所には、車種判別装置が設置され、車種判別の判定結果に応じた通行料金の徴収が行われる。現状の車種判別では、以下の(1)~(5)のように各機器により各種情報を検出して車種を判別している。(1)車両検知器により車両を検出し車両間を分離する。(2)ナンバー撮影カメラにより車両ナンバー情報を撮影する。(3)車軸検知器により車軸数を計測する。(4)車長計により車長を計測する。(5)車高計により車高を計測する。
【0003】
各種情報の検出には様々な方式のものが運用されているが、代表的なものとして次のような方式がある。車両検知器、車高計、及び車長計は、赤外光を用いた透過式センサ(車両検知器はラインセンサ)を使用し、車両を挟んだ車線両側の路側に投光/受光センサが配置される。車軸検知器は、車道に埋設される押圧センサを用いて、車両の軸(タイヤ)が踏みつける押圧を検知するものである。また、ナンバー撮像カメラは、車両全景を撮影できるよう路肩に配置される。ナンバー撮像カメラの撮影により得られた画像から画像処理により車両ナンバーが検出される。
【0004】
有料道路で広く普及しているETC(Electronic Toll Collection System)では、車両に搭載される車載無線通信装置(以下、車載器)と路側に設置される路側無線装置とが通信し、路側無線装置が車載器に記録された車種情報を受信し、受信した車種情報に対応した通行料金を徴収する運用が行われることもある。しかし、牽引装置付きの車両においては、牽引車のあり/なしで車種(通行料金)が変わる場合があり、この場合、車種判別装置により牽引車の有無を判別し、車種(通行料金)判別のうえ料金徴収が行われている。
以上のように、車種判別装置は、有料道路の料金収受に重要な装置として機能している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-170508号公報
【文献】特開平8-233525号公報
【文献】特開2003-281581号公報
【文献】特開2008-129920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車種を判別するためには、様々な車両情報を検出する必要がある。上記したように、車軸検知器は、車道に埋設される押圧センサを用いて、車両の軸(タイヤ)が踏みつける押圧を検知するものである。よって、1台の車両の全ての車軸の通過が完了しないと1台の軸数の計測を完了することが出来ない。大型車両の場合、車長は12m以上にもなるため、車両が約12m以上も進行しないと車軸計測が完了できないので、料金所の車線長さは少なくとも12m以上の長さが必要である。特に都市部の狭小な料金所では、このような条件を満たす料金所スペースの確保が難しく、車種判別装置の改良が望まれている。
【0007】
例えば、上記した条件を満たす料金所スペース(車線長さ)を確保できる道路事業者では、料金所を通過完了する前に車種(通行料金)を確定することが出来る。しかし、上記した条件を満たす料金所スペース(車線長さ)を確保できない狭小の料金所では、車両が通過する前に車軸数(車種)を確定することが出来ず、通過完了後に車軸数(車種)を確定するので、後方処理で車種(通行料金)が確定されることになる。ETCシステムのようにクレジットによる後納徴収の場合は、後方処理が可能となる。しかし、現金利用の場合は、収受員等の目視により車軸数(車種)を判別する作業が必要となり、違算やサービスタイム増大が懸念される。
【0008】
また、様々な事情により車種区分が増加することがある。例えば、複数の道路事業者のシームレス化により車種区分の統合を図る際に、車種区分の少ない道路事業者が車種区分の多い道路事業者の車種区分に合わせるケースで、車種区分の少ない道路事業者側から見て車種区分が増加する。車種区分の増加は、収受員等の目視による車種判別の負担増につながり、車種判別の負担を軽減する技術が望まれる。
【0009】
本発明の目的は、限られた料金所スペースで車種判別可能な車種判別装置及び車種判別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る車種判別装置は、第1の車両検知器、第2の車両検知器、撮影部、制御部、及び判別部を備える。前記第1の車両検知器は、車両が進行する車線に沿って設けられ、前記車線の第1の地点に到達する車両を検知する。前記第2の車両検知器は、前記車線に沿って設けられ、前記車線の前記第1の地点より下流で発進制御機よりも上流の第2の地点に到達する前記車両を検知する。前記撮影部は、前記第2の車両検知器より前記第1の車両検知器に近い位置に設けられ、広角レンズにより前記第1及び第2の地点を含む前記車線の所定範囲の動画を撮影する。前記制御部は、前記撮影部の撮影タイミングを、前記車両が前記第1の車両検知器で車両検知された時を開始とし、当該車両が前記第1の車両検知器で車両検知されなくなった時を終了とする期間に、動画を撮影するように制御する。前記判別部は、前記制御部により制御される撮影タイミングで前記撮影部により前記広角レンズで撮影される前記動画から、前記期間にわたり繰り返して車両の車軸数及び車長を測定し、測定された前記車軸数及び前記車長の結果に基づき、当該車両の車種を判別する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの車線機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの車線機器の車線への設置例を示す上面図及び側面図である。
図4】第1の実施形態に係る動画に基づく車種判定処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第1の車両検知器による車両検知のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図6】第1及び第2の車両検知器及び走行により移動する大型車の位置関係の遷移の一例を示す図である。
図7】第1及び第2の車両検知器及び走行により移動する普通車の位置関係の遷移の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る静止画に基づく車種判定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第1及び第2の車両検知器による車両検知のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの一例について説明する。
図1は、第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。
ETCシステムは、車両の通行を制御しつつ、通行する車両に対する通行料金を収受するシステムである。例えば、ETCシステムは、有料道路の料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより通行料金を収受する。また、ETCシステムは、通行料金収受を行うとともに、車両が通行する車線に設けたバーの開閉、及び車線の脇に設けられた路側表示器による案内表示などによって車両の通行を制御する。例えば、ETCシステムが適用される有料道路等の入口及び出口には料金所が設けられ、これら入口及び出口には1又は複数の車線が設けられる。
【0013】
図1に示すように、ETCシステムは、中央側に中央装置1を備える。また、ETCシステムは、各料金所(料金所機械室)に料金所サーバ2及び車線サーバ3を備える。さらに、ETCシステムは、料金所において車両が走行する車線毎に車線機器4を備える。中央装置1は、各料金所の料金所サーバ2に接続される。所定料金所の料金所サーバ2は、同一の所定料金所の車線サーバ3に接続され、所定料金所の車線サーバ3は、同一の所定料金所の各車線に設けられる車線機器4と接続する。
【0014】
中央装置1は、各料金所サーバ2との間で各種データを交換し、料金所サーバ2は、車線サーバ3との間で各種データを交換する。車線サーバ3は、車線機器4から送信されるセンサデータ等に基づき車線機器4を制御する。
【0015】
図2は、第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの車線機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、車線機器4は、インタフェース集約部401、第1アンテナ411、第2アンテナ412、リカバリアンテナ413、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、車両検知器S4、広角レンズ搭載カメラ(撮影部)421、画像処理装置422、路側表示器423、ブース424内のブース内表示器4241、ブース424内の現金処理端末4242、発進制御機425、及び車線監視カメラ426を備える。
【0017】
図3は、第1及び第2の実施形態に係るETCシステムの車線機器の車線への設置例を示す上面図及び側面図である。
図3に示すように、車両が走行する車線の両サイドには、車線に沿って延びるアイランド40が対向して配置されている。車両は、これら二つのアイランド40の間の車線を上流から下流に向かって走行する。また、アイランド40には、車線の上流から下流に向けて順に、広角レンズ搭載カメラ421と画像処理装置422、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、ブース424、路側表示器423、発進制御機425と発進制御バー4251、車両検知器S4、及び車線監視カメラ426が設けられる。
或いは、広角レンズ搭載カメラ421と第1の車両検知器S1の位置が逆転してもよい。つまり、車線の上流から下流に向けて順に、第1の車両検知器S1、広角レンズ搭載カメラ421と画像処理装置422、第2の車両検知器S2、ブース424、路側表示器423、発進制御機425と発進制御バー4251、車両検知器S4、及び車線監視カメラ426が設けられてもよい。
【0018】
図2及び図3を参照して、車線機器の各部について詳しく説明する。
二つのアイランド40には、上流から下流に向かって順に、一対の第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、及び車両検知器S4が設けられる。第1の車両検知器S1は、車線の第1の地点に到達する車両を検知し、第2の車両検知器S2は、第1の地点より下流の第2の地点に到達する車両を検知し、第3の車両検知器S4は、第2の地点より下流の第3の地点に到達する車両を検知する。
これら第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、及び車両検知器S4は、それぞれが、投光部と受光部を備え、投光部からの赤外光が受光部により受光されている期間において、車両検知信号OFFをインタフェース集約部401へ出力し、投光部からの赤外光が受光部により受光されていない期間(車両により赤外光が遮られる期間)においては車両検知信号ONをインタフェース集約部401へ出力する。
【0019】
インタフェース集約部401は、各部からの情報を集約して車線サーバ3へ出力する。また、インタフェース集約部401は、車線サーバ3からの情報を各部へ出力する。例えば、インタフェース集約部401は、車両検知信号ON又はOFFを車線サーバ3へ出力する。車線サーバ3は、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、及び車両検知器S4からの車両検知信号ON又はOFFに基づき、車線上の車両の位置(動向)を検出し、車線機器4の動作を制御する。後に詳しく説明するが、車線サーバ3は、広角レンズ搭載カメラ421による撮影タイミングを制御する。
【0020】
また、二つのアイランド40には、車線を跨いで、上流から下流に向かって順に三つのアンテナ設置用ゲートが設けられる。一つ目のアンテナ設置用ゲートには、第1アンテナ411が設けられる。二つ目のアンテナ設置用ゲートには、リカバリアンテナ413が設けられる。二つ目のアンテナ設置用ゲートには、第2アンテナ412が設けられる。これら第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車両の車載器と通信し、車載器から送信される各種情報を受信し、また、車載器に対して各種情報を送信する。
【0021】
入口の料金所の車線機器4においては、第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、入口情報を車載器へ送信する。車載器は、装填されたETCカードへ入口情報を記録する。また、出口の料金所の車線機器4においては、第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車載器から送信される車載器情報、ETCカード情報、及び入口情報等を受信し、インタフェース集約部401へ車載器情報、ETCカード情報、及び入口情報等を送信する。
【0022】
インタフェース集約部401は、車載器情報、ETCカード情報、及び入口情報等を車線サーバ3へ送信する。
車線サーバ3は、車載器情報、ETCカード情報、及び入口情報等を料金所サーバ2へ送信する。
料金所サーバ2は、この料金所サーバ2が設置されている出口料金所の出口情報を記憶し、さらに、区間別及び車種別の料金テーブルを記憶する。料金所サーバ2は、料金テーブルを参照し、車載器情報、ETCカード情報、入口情報、出口情報、及び車種判別により得られる車種情報に基づき通行料金を算出し、中央装置1及び車線サーバ3へ通行料金及び車種情報等を送信する。
車線サーバ3は、インタフェース集約部401へ通行料金及び車種情報等を送信する。
【0023】
インタフェース集約部401は、通行料金及び車種情報等を第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413へ送信する。第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車載器へ通行料金及び車種情報等を送信する。
車載器71は、通行料金及び車種情報等を記憶する。車種情報は、小型車、普通車、又は大型車等の車種を示す情報である。車線サーバ3は、インタフェース集約部401を介して、車両(車軸含む)の画像を受信し、これら画像から車軸数及び車長を測定し検出し、車軸数及び車長から車種を判別し、車種判別結果(車種情報)を生成する。
なお、車種判別については後に詳しく説明する。
【0024】
広角レンズ搭載カメラ421は、第1の車両検知器S1の近傍であって、第2の車両検知器S2の設置位置よりも、第1の車両検知器S1の設置位置の近くに設けられる。広角レンズ搭載カメラ421は、第1の車両検知器の設置位置を基準として、車線が延びる方向に沿って所定長(例えば2m)の範囲内に設けられる。
図3では、広角レンズ搭載カメラ421は、第1の車両検知器S1の近傍の上流側に設けられているが、車線監視カメラ426を第1の車両検知器S1の近傍の下流側に設けるようにしてもよい。
また、広角レンズ搭載カメラ421の路面からの高さは、車両からの泥はねを考慮しつつ、車軸(タイヤ)を正面に撮影できる高さ(例えば路面から30cm~100cm程度)が望ましいが、広角レンズの特性より路面からの高さは自由に設定できる。
【0025】
広角レンズ搭載カメラ421は、標準レンズより画角の広い広角レンズ(焦点距離が短いレンズ)を搭載し、車線の所定範囲を撮影する。
撮影対象となる車線の所定範囲は、第1の車両検知器S1により車両の到達が検知される第1の地点、及び第2の車両検知器S2により車両の到達が検知される第2の地点を含む。例えば、広角レンズ搭載カメラ421は、広角レンズ搭載カメラ421の設置位置を基準として、車線上流側方向及び下流側方向に15m程度(合計30m程度)の所定範囲を撮影する。広角レンズは、車線を走行する様々な車種(軽自動車、普通車、中型車、大型車、及び特大車など)の車両側面の全体が撮影できることが望ましく、設置環境によるが180°程度の範囲を撮影できるレンズ(魚眼レンズ)であることが望ましい。
また、広角レンズ搭載カメラ421は、動画を撮影するカメラであってもよいし、静止画を撮影するカメラであってもよいし、動画と静止画の両方を撮影するカメラであってもよい。
【0026】
広角レンズ搭載カメラ421が動画を撮影するカメラの場合、車線サーバ3からの第1の撮影指示(撮影開始指示)に基づき撮影を開始し、第2の撮影指示(撮影終了指示)に基づき撮影を終了し、撮影開始指示から撮影終了指示までの間の動画撮影を継続し撮影された動作を出力する。広角レンズ搭載カメラ421が静止画を撮影するカメラの場合、車線サーバ3からの撮影指示に基づき静止画を撮影し静止画を出力する。
【0027】
なお、広角レンズ搭載カメラ421により動画を撮影し、動画に基づき車種を判別する車種判別処理を第1の実施形態として説明する。また、広角レンズ搭載カメラ421により静止画を撮影し、静止画に基づき車種を判別する車種判別処理を第2の実施形態として後に詳しく説明する。
【0028】
画像処理装置422は、広角レンズ搭載カメラ421からの動画又は静止画から車両の画像(車両側面の画像)を検出し、検出された車両の画像(車軸含む)を出力する。車両の画像は、インタフェース集約部401を介して、車線サーバ3へ送信される。上記したように、車線サーバ3は、車両の画像から車軸の画像を検出し車軸数を計測し、また車両の画像から車長を計測し、車軸検出結果及び車長検出結果から車種を判別し、車種判別結果(車種情報)を生成し出力する。
【0029】
路側表示器423は、車両の運転者に対して、インタフェース集約部401から出力される通行料金及び車種情報等を表示する。
料金収受員が待機するブース424にはブース内表示器4241が設けられ、ブース内表示器4241も、インタフェース集約部401から出力される通行料金及び車種情報等を表示する。さらに、ブース424には現金処理端末4242が設けられ、料金収受員は、現金精算を希望する利用者から現金を受け取り、現金処理端末4242で精算処理を実行することができる。
【0030】
発進制御機425は、インタフェース集約部401からの発進制御情報に基づき発進制御バー4251の開閉を制御する。発進制御バー4251は、閉鎖した状態において車両の通過(車線からの退出)を物理的に阻止し、開放した状態において車両の通過を許可する。
車線監視カメラ426は、車線への車両の進入時または退出時に車両を撮影する。
【0031】
(第1の実施形態:動画に基づく車種判別処理)
次に、図4図7を参照して、第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態は、広角レンズ搭載カメラ421により撮影される動画に基づき車種を判別する車種判別処理である。本実施形態では、車線サーバ3が、第1の車両検知器S1による車両検知状況に基づき広角レンズ搭載カメラ421による撮影タイミングを制御し、この撮影タイミングで取得される画像に含まれる車両の車種を判別する。
【0032】
図5は、第1の車両検知器S1による車両検知のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図5の上段に示すタイミングチャートは、第1の車両検知器S1が、第1の車両検知器S1及び第2の車両検知器S2の設置間の距離よりも十分に長い車長の大型車(第1の車種)を検知する車両検知信号ONの出力期間の一例を示す。図5の下段に示すタイミングチャートは、第1の車両検知器S1が、第1の車両検知器S1及び第2の車両検知器S2の設置間の距離よりも短い普通車(第2の車種)を検知する車両検知信号ONの出力期間の一例を示す。
図6は、第1の車両検知器S1と第2の車両検知器S2、及び走行により移動する大型車の位置関係の遷移の一例を示す図である。
図7は、第1の車両検知器S1と第2の車両検知器S2、及び走行により移動する普通車の位置関係の遷移の一例を示す図である。
【0033】
図4は、第1の実施形態に係る動画に基づく車種判別処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、車線サーバ3は、インタフェース集約部401からの車両検知信号を監視し、車両の撮影に向けて待機状態となる(ステップST101)。
【0034】
大型車又は普通車等の車両が、料金所の車線の上流から下流に向けて走行する。車両が、二つのアイランド40に対向配置された一対の第1の車両検知器S1の間の赤外線光等を遮ると、第1の車両検知器S1の車両検知信号OFFが車両検知信号ONへ切り替わる(ステップST102、YES)(図5のタイミングチャートの、タイミングt1)(大型車の例を示す図6では、ステップST6-1)(普通車の例を示す図7では、ステップST7-1)。
車線サーバ3は、第1の車両検知器S1からの車両検知信号がONになったことを検知すると撮影開始を指示する。つまり、車線サーバ3は、第1の車両検知器S1からの車両検知信号ONをトリガーとして撮影開始を指示する。
広角レンズ搭載カメラ421は、撮影開始の指示に基づき、動画の撮影を開始する(ステップST103)。
【0035】
画像処理装置422は、広角レンズ搭載カメラ421から出力される動画から車両(車軸含む)の画像を検出し、車両(車軸含む)の画像を出力する。
車線サーバ3は、検出された画像から車軸を検出し、車軸数を計測し(ステップST104)、車軸数計測結果を一次記録する(ステップST105)。
さらに、車線サーバ3は、検出された車両の画像から車長を計測し(ステップST106)、車長計測結果を一次記録する(ステップST107)。
ステップST104~ステップST107の処理は、第2の車両検知器S2からの車両検知信号ONが車両検知信号OFFへ切り替わるまで、繰り返される。
【0036】
車両が進行し、二つのアイランド40に対向配置された一対の第1の車両検知器S1の間を抜けると、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONが車両検知信号OFFへ切り替わる(ステップST108、YES)(図5のタイミングチャートの、タイミングt2又はt4)(大型車の例を示す図6では、ステップST6-3)(普通車の例を示す図7では、ステップST7-3)。
車線サーバ3は、第1の車両検知器S1からの車両検知信号がOFFになったことを検知すると、撮影終了を指示する。つまり、車線サーバ3は、第1の車両検知器S1からの車両検知信号OFFをトリガーとして撮影終了を指示する。
広角レンズ搭載カメラ421は、撮影終了の指示に基づき、動画の撮影を終了する(ステップST109)。
車線サーバ3は、車軸数計測結果を最終判定し(ステップST110)、車両計測結果を最終判定する(ステップST111)。
【0037】
例えば、車線サーバ3は、上記したように、第1の車両検知器S1からの車両検知信号ONの期間に撮影され、出力される画像から、複数回にわたり車軸数及び車長を計測し、確からしい結果を最終判定とする。
図6に示すように、大型車の例でも、ステップST6-1、ステップST6-2、ステップST6-3において車両の位置が異なるため、車両の撮影結果も異なり、車軸計測結果及び車長計測結果が異なる場合があり得る。
同様に、図7に示すように、小型車の例でも、ステップST7-1、ステップST7-2、ステップST7-3において車両の位置が異なるため、車両の撮影結果も異なり、車軸計測結果及び車長計測結果が異なる場合があり得る。
【0038】
例えば、図5に示す第1の車両検知器S1からの車両検知信号ONの期間の中間点で撮影された画像(大型車の例を示す図6のステップST6-2又は、小型車の例を示す図7のステップST7-2に対応する画像)は、車両を側面から見たとき、車長のほぼ中央の位置と、広角レンズ搭載カメラ421の位置とがほぼ一致する。このため、図5に示す第1の車両検知器S1からの車両検知信号ONの期間の中間で撮影された画像から得られる測定結果を、確からしい結果として最終判定とする。
或いは、多数決により、計測結果の一致する車軸数を確からしい結果として最終判定とする。最初の判定で車軸数3であったが、その後の複数回の判定で車軸数4であれば、確からしい結果としての最終判定は、車軸数4となる。
また、多数決により、計測結果の近い車長の平均値を確からしい結果として最終判定とする。
或いは、測定結果全体の偏差値に基づき、確からしい結果を求めるようにしてもよい。
【0039】
車線サーバ3は、車軸数及び車長の最終判定から、大型車又は普通車などの車種を判別し、出力する(ステップST112)。
ETCシステムが停止されるまで(ステップST113、NO)、ステップST101~ステップST112が繰り返される。
【0040】
料金所サーバ2は、区間別及び車種別の料金テーブルを参照し、入口情報、出口情報、及び車種情報(車線サーバ3による車種判別結果)に基づき通行料金を算出し、中央装置1及び車線サーバ3へ通行料金及び車種情報等を送信する。
車線サーバ3は、インタフェース集約部401へ通行料金及び車種情報等を送信する。
インタフェース集約部401は、通行料金及び車種情報等を第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413へ送信する。第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車載器へ通行料金及び車種情報等を送信する。
また、インタフェース集約部401は、通行料金及び車種情報等をブース内表示器4241へ出力する。ブース内表示器4241は、通行料金及び車種情報等を表示する。
料金収受員は、自身で車種判別を行わずに、ブース内表示器4241に表示される通行料金及び車種情報を確認することができ、現金精算を希望する利用者から現金を受け取り、現金処理端末4242で精算処理を実行することができる。
【0041】
なお、上記説明では、第1の車両検知器S1の車両検知信号OFFから車両検知信号ONへの切り替わりをトリガーとして撮影を開始し、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONから車両検知信号OFFへの切り替わりをトリガーとして撮影を停止するケースについて説明したが、第1の実施形態はこれに限定されるものではない。
常時、動画を撮影し記録(一定時間経過後の動画は上書き記録され)するようにしておき、第1の車両検知器S1の車両検知信号OFFから車両検知信号ONへの切り替わりをトリガーとして、記録された動画の取得を開始し、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONから車両検知信号OFFへの切り替わりをトリガーとして記録された動画の取得を終了し、取得された動画に基づき車軸測定及び車長測定を実行するようにしてもよい。
【0042】
(第2の実施形態:静止画に基づく車種判別処理)
次に、図6図7図8、及び図9を参照して、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、広角レンズ搭載カメラ421により撮影される静止画に基づき車種を判別する車種判別処理であり、車線サーバ3が、第1の車両検知器S1及び第2の車両検知器S2による車両検知状況に基づき広角レンズ搭載カメラ421による撮影タイミング(シャッターオンのタイミング)を制御し、この撮影タイミングで取得される画像に含まれる車両の車種を判別する。
【0043】
図9は、第1の車両検知器S1及びS2による車両検知のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図9の上段に示すタイミングチャートは、第1の車両検知器S1及び第2の車両検知器S2の設置間の距離よりも十分に長い車長の大型車(第1の車種)を、第1の車両検知器S1が検知する車両検知信号ONの出力期間と、第2の車両検知器S2が検知する車両検知信号ONの出力期間の、一例を示す。
図9の下段に示すタイミングチャートは、第1の車両検知器S1及び第2の車両検知器S2の設置間の距離よりも短い普通車(第2の車種)を、第1の車両検知器S1が検知する車両検知信号ONの出力期間と、第2の車両検知器S2が検知する車両検知信号ONの出力期間の、一例を示す。
【0044】
図8は、第2の実施形態に係る静止画に基づく車種判別処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、車線サーバ3は、インタフェース集約部401からの車両検知信号を監視し、車両の撮影に向けて待機状態となる(ステップST201)。
【0045】
大型車又は普通車等の車両が、料金所の車線の上流から下流に向けて走行してくる。そして、車両が、二つのアイランド40に対向配置された一対の第1の車両検知器S1の間の赤外線光等を遮ると、第1の車両検知器S1の車両検知信号OFFが車両検知信号ONへ切り替わる(ステップST202、YES)(図9のタイミングチャートの、タイミングt1)(大型車の例を示す図6の、ステップST6-1)(普通車の例を示す図7の、ステップST7-1)。
【0046】
以下、大型車と普通車のケースに分けて説明する。
大型車の場合には、車両が進行し、第1の車両検知器S1により車両が検知されている間(車両検知信号ONの出力期間中)に(ステップST202、YES→ステップST203、NO)、車両が第2の車両検知器S2に到達する。
そして、車両が、第2の車両検知器S2の間の赤外線光等を遮ると、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFが車両検知信号ONへ切り替わる(ステップST204、YES)(図9のタイミングチャートの、タイミングt3)(大型車の例を示す図6の、ステップST6-2)。
車線サーバ3は、第1の車両検知器S1の車両検知信号ON(ステップST202、YES→ステップST203、NO)の期間において、第2の車両検知器S2の車両検知信号ONを検知するタイミングで(ステップST204、YES)、撮影(シャッターオン)を指示する。
つまり、車線サーバ3は、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONの期間において第2の車両検知器S2の車両検知信号ONをトリガーとして撮影を指示し、広角レンズ搭載カメラ421は、撮影の指示に基づき静止画を撮影する(ステップST205)。
さらに、車両が進行し、第1の車両検知器S1の間を抜けると、第1の車両検知器S1の車両検知信号OFFが車両検知信号ONへ切り替わる(図9のタイミングチャートの、タイミングt4)。
さらに、車両が進行し、第2の車両検知器S2の間を抜けると、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFが車両検知信号ONへ切り替わる。
【0047】
一方、普通車の場合には、車両が進行すると、まず、第1の車両検知器S1により車両が検知される(第1の車両検知器S1の車両検知信号ONになる)。そこから更に車両が進行すると、第2の車両検知器S2に到達する前に、車両は第1の車両検知器S1の間を抜け、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONが車両検知信号OFFへ切り替わる(ステップST203、YES)(図9のタイミングチャートのタイミングt2)(普通車の例を示す図7の、ステップST7-3)。
車線サーバ3は、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFの期間中に、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONから車両検知信号OFFへの切り替わりを検知すると(ステップST202、YES→ステップST203、YES)、撮影(シャッターオン)を指示する。
つまり、車線サーバ3は、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFの期間中に第1の車両検知器S1の車両検知信号ONから車両検知信号OFFへの切り替わりをトリガーとして撮影を指示する。広角レンズ搭載カメラ421は、撮影の指示に基づき静止画を撮影する(ステップST205)。
さらに、車両が進行し、第2の車両検知器S2に到達すると、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFが車両検知信号ONに切り替わる(図9のタイミングチャートの、タイミングt3)。
そして、第2の車両検知器S2の間を抜けると、第2の車両検知器S2の車両検知信号ONが車両検知信号OFFへ切り替わる(図9のタイミングチャートの、タイミングt5)。
【0048】
画像処理装置422は、広角レンズ搭載カメラ421から出力される静止画から車両の画像(車軸含む)を検出し、車両の画像を出力する。
車線サーバ3は、検出された画像から車軸を検出し、車軸数を計測し(ステップST206)、車軸数計測結果を記録する(ステップST207)。
さらに、車線サーバ3は、検出された車両の画像から車長を計測し(ステップST208)、車長計測結果を記録する(ステップST209)。
【0049】
車線サーバ3は、車軸数及び車長の測定結果から、大型車又は普通車などの車種を判別し出力する(ステップST210)。
ETCシステムが停止されるまで(ステップST2113、NO)、ステップST201~ステップST210が繰り返される。
【0050】
料金所サーバ2は、区間別及び車種別の料金テーブルを参照し、入口情報、出口情報、及び車種情報(車線サーバ3による車種判別結果)に基づき通行料金を算出し、中央装置1及び車線サーバ3へ通行料金及び車種情報等を送信する。
車線サーバ3は、インタフェース集約部401へ通行料金及び車種情報等を送信する。
以後の処理は、第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0051】
なお、上記説明では、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONが検出されている期間において、第2の車両検知器S2の車両検知信号ONが検出されたことをトリガーとしてシャッターオンの制御信号を出力し、静止画を撮影するケースについて説明した。また、上記説明では、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFが検出されている期間において、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONから車両検知信号OFFへの切り替わりが検出されたことをトリガーとしてシャッターオンの制御信号を出力し、静止画を撮影するケースについて説明した。しかしながら、第2の実施形態はこれに限定されるものではない。
常時、動画を撮影し記録し(一定時間経過後の動画は上書き記録され)、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONが検出されている期間において、第2の車両検知器S2の車両検知信号ONが検出されたことをトリガーとして、記録された動画から静止画を取得し、また、第2の車両検知器S2の車両検知信号OFFが検出されている期間において、第1の車両検知器S1の車両検知信号ONから車両検知信号OFFへの切り替わりが検出されたことをトリガーとして、記録された動画から静止画を取得するようにして、取得された静止画に基づき車軸測定及び車長測定を実行するようにしてもよい。
また、このように記録済みの動画から静止画を取得する場合、上記したトリガーの前後の複数枚の静止画を取得し、複数枚の静止画から車種を判別するようにしてもよい。
この場合、多数決により、計測結果の一致する車軸数を確からしい結果として最終判定とし、計測結果の車長の平均値を確からしい結果として最終判定としてもよい。
【0052】
上記説明したように、第1及び第2の実施形態によれば、広角レンズ搭載カメラ421等により、車軸数及び車長を検出するので、道路へ埋め込む押圧センサ等の車軸検知器が不要となり、大掛かりな工事費を削減できる。
また、押圧センサ等による車軸検知器上を全ての車軸が通過するまで車軸数等を検知することができなかったが(車種を判別することができなかったが)、この点も改善される。
また、ブース内の収受員が、車種に応じた料金を徴収する場合、車両の運転席がブースに到達するまでに、車種を判別する必要がある。つまり、車両の運転席がブースに到達するまでに、車両の全ての車軸が押圧センサ等による車軸検知器上を通過する必要がある。このため、押圧センサ等による車軸検知器の設置場所からブースまで、相当の距離スペースが必要であった。
しかしながら、このような相当の距離スペースが不要となり、限られた狭小の料金所スペースでの車種判別が可能となる。
【0053】
また、第1の車両検知器S1による車両検知状況に応じて、広角レンズ搭載カメラ421による動画撮影のタイミングを適切に制御することにより、高精度な車軸及び車長検知が可能となる。
また、第1の車両検知器S1及びS2による車両検知状況に応じて、広角レンズ搭載カメラ421による静止画撮影のタイミングを適切に制御することにより、高精度な車軸及び車長検知が可能となる。
その結果、正確な車両判別が可能となる。動画又は静止画の撮影のタイミングが適切に制御されないと、他の車線の車両が撮影画像に写り込んでしまうおそれがある。このような場合、本来の車線を走行する車両の車種ではなく、他の車線を走行する車両の車種が判別されてしまい、結果的に、誤った車種判別になってしまうおそれがある。
第1及び第2の実施形態によれば、このような他の車線の車両の誤撮影による誤判別を防止できる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
車両が進行する車線に沿って設けられ、前記車線の第1の地点に到達する車両を検知する第1の車両検知器と、
前記車線に沿って設けられ、前記車線の前記第1の地点より下流の第2の地点に到達する車両を検知する第2の車両検知器と、
前記第2の車両検知器より前記第1の車両検知器に近い位置に設けられ、広角レンズにより前記第1及び第2の地点を含む前記車線の所定範囲を撮影する撮影部と、
前記第1及び第2の車両検知器の少なくとも一方による車両検知状況に基づき前記撮影部による撮影のタイミングを制御する制御部と、
前記制御部により制御されるタイミングで前記撮影部により撮影される画像に含まれる車両の車種を判別する判別部と、
車種判別結果を出力する出力部と、
を備える車種判別装置。
[C2]
前記判別部は、前記画像に含まれる車両の車軸数及び車長を測定し、前記車軸数及び前記車長に基づき車両の車種を判別する[C1]の車種判別装置。
[C3]
前記制御部は、前記第1の車両検知器による車両検知期間に対応して撮影を指示し、 前記撮影部は、前記制御部からの撮影の指示に基づき前記車両検知期間に対応して動画を撮影する[C1]又は[C2]の車種判別装置。
[C4]
前記制御部は、前記第1の車両検知器による車両検知期間において前記第2の車両検知器により車両が検知される第1のタイミングに基づき撮影を指示し、
前記撮影部は、前記制御部からの撮影の指示に基づき前記第1のタイミングで静止画を撮影する[C1]又は[C2]の車種判別装置。
[C5]
前記制御部は、前記第2の車両検知器による車両未検知期間において前記第1の車両検知器による車両の検知終了の第2のタイミングに基づき撮影を指示し、
前記撮影部は、前記制御部からの撮影の指示に基づき前記第2のタイミングで静止画を撮影する[C4]の車種判別装置。
[C6]
前記撮影部は、前記第1の車両検知器の設置位置を基準として、前記車線が延びる方向に沿って所定長の範囲内に設置される[C1]乃至[C5]の何れかの車種判別装置。[C7]
前記撮影部は、前記第1の車両検知器よりも上流側に設置される[C6]の車種判別装置。
[C8]
前記判別部は、前記第1の地点から前記第2の地点までの所定長以上の第1の車種、及び前記所定長未満の第2の車種を判別する[C1]乃至[C7]の何れか1つの車種判別装置。
[C9]
車両が進行する車線に沿って設けられ、前記車線の第1の地点に到達する車両を検知する第1の車両検知器と、前記車線に沿って設けられ、前記車線の前記第1の地点より下流の第2の地点に到達する車両を検知する第2の車両検知器と、前記第2の車両検知器より前記第1の車両検知器に近い位置に設けられ、広角レンズにより前記第1及び第2の地点を含む前記車線の所定範囲を撮影する撮影部とにより車種を判別する車種判別方法であって、
前記第1及び第2の車両検知器の少なくとも一方による車両検知状況に基づき前記撮影部による撮影のタイミングを制御し、
前記撮影のタイミングで前記撮影部により撮影される画像に含まれる車両の車種を判別し、
車種判別結果を出力する車種判別方法。
【符号の説明】
【0055】
1…中央装置
2…料金所サーバ
3…車線サーバ
4…車線機器
40…アイランド
71…車載器
401…インタフェース集約部
411…第1アンテナ
412…第2アンテナ
413…リカバリアンテナ
421…広角レンズ搭載カメラ
422…画像処理装置
423…路側表示器
424…ブース
425…発進制御機
426…車線監視カメラ
4241…ブース内表示器
4242…現金処理端末
4251…発進制御バー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9