(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】車両用収納装置
(51)【国際特許分類】
B60R 7/04 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
B60R7/04 C
(21)【出願番号】P 2023064428
(22)【出願日】2023-04-11
(62)【分割の表示】P 2021052934の分割
【原出願日】2021-03-26
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】梅田 圭佑
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-273340(JP,A)
【文献】特開2015-224487(JP,A)
【文献】特開2009-023575(JP,A)
【文献】特開2013-147223(JP,A)
【文献】特開2005-076373(JP,A)
【文献】特開2016-205623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/00 - 7/14
F16C 11/00 - 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開口し内部に収納物を収納可能な収納部と、
この収納部に支持されている軸部材と、
この軸部材にスイング可能に支持され、前記収納部の開口の少なくとも一部を開閉可能な蓋体と、を有する車両用収納装置において、
前記蓋体は、前記軸部材の軸線方向に突出していると共に前記軸部材の外周面に重なり、略C字状を呈する蓋体突出部を有し、
前記軸部材は、径外方に向かって突出する突部を有し、
前記蓋体突出部の先端は、前記収納部に対して所定の開度に達した際に、前記突部に当接可能なストッパ部とされている
、車両用収納装置。
【請求項2】
前記軸部材は、前記収納部の後面である取付面部に固定されているブラケット本体に支持され、
前記ブラケット本体の左右の端部からそれぞれ後方に延び、前記軸部材を支持している支持部を有し、
前記支持部には、それぞれ前記軸部材が貫通している支持部貫通穴が形成され、
前記軸部材は、左右の前記支持部及び前記蓋体を貫通している棒状の軸本体と、この軸本体の外周を囲っていると共にそれぞれの前記支持部貫通穴に設けられているカラーと、を有し、
前記支持部貫通穴は、略円形状に形成されている円形穴部と、この円形穴部から径外方に突出している突出穴部と、を有し、
前記カラーは、前記支持部貫通穴に差し込まれている軸部材差し込み部を有し、
前記軸部材差し込み部は、前記円形穴部に差し込まれている円形差し込み部を有し、
前記突部は、前記円形差し込み部から径外方に突出していると共に、前記突出穴部に差し込まれている
、請求項
1記載の車両用収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用収納装置の組立技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、乗用車両の運転席と助手席との間に、乗員の荷物を収納するための車両用収納装置が設けられることがある。車両用収納装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、車両用収納装置は、上面が開口しているボックス本体と、このボックス本体の後面に固定され回動軸を支持している軸支持ブラケットと、この軸支持ブラケットに可動ブラケットを介してスイング可能に支持されている開閉蓋本体と、軸支持ブラケットに設けられ可動ブラケットを介して開閉蓋本体を開方向に付勢している捩りコイルばねと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような車両用収納装置の組み立て作業は、例えば、ブラケット、軸部材、コイルばね、蓋体を、仮組して一体化し、ブラケットを収納部に取り付けることにより行う。組み立て作業を容易に行うことができれば好ましい。
【0006】
本発明は、容易に組み立てることのできる車両用収納装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、一面が開口し内部に収納物を収納可能な収納部と、
この収納部に支持されている軸部材と、
この軸部材にスイング可能に支持され、前記収納部の開口の少なくとも一部を開閉可能な蓋体と、を有する車両用収納装置において、
前記蓋体は、前記軸部材の軸線方向に突出していると共に前記軸部材の外周面に重なり、略C字状を呈する蓋体突出部を有していることを特徴とする両用収納装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、容易に組み立てることのできる車両用収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例による車両用収納装置を左斜め後方から見た状態の斜視図である。
【
図2】
図1に示された車両用収納装置を左側方から見た状態の断面図である。
【
図3】
図2に示されたブラケット本体、支持部、軸部材、蓋体、コイルばねを示す分解斜視図である。
【
図5】5Aは、
図3の5A矢視図、5Bは、
図3の5B矢視図、5Cは、
図3の5C矢視図である。
【
図6】6Aは、仮固定工程について説明する図、6Bは、蓋閉じ工程について説明する図である。
【
図7】係合部の被係合部への差し込みについて説明する図である。
【
図8】8Aは、仮固定工程時におけるブラケット本体と蓋体との関係について説明する図、8Bは、8Aの8B-8B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
【0011】
<実施例>
図1を参照する。車両用収納装置10(以下、「収納装置10」と略記する。)は、例えば、車室内の運転席と助手席との間に設けられるセンターコンソールである。以下、収納装置10の一例として、センターコンソールを例に説明を行う。
【0012】
図2及び
図3を参照する。収納装置10は、上面が開口し内部に乗員の荷物等(以下、「収納物」という。)を収納可能な収納部20と、この収納部20の後の面である後面部21に固定されているブラケット本体30と、このブラケット本体30の左右の端部からそれぞれ後方に延びている支持部40、40と、これらの支持部40、40に支持されている軸部材50と、軸部材50にスイング可能に支持され収納部20の開口を開閉可能な蓋体70と、軸部材50を囲うように設けられ蓋体70を開方向に付勢しているコイルばね80と、収納部20の前上部に設けられ蓋体70を閉状態に保持可能な蓋保持部17と、を有する。
【0013】
収納部20は、樹脂によって形成され、上面のみが開口した略直方体状を呈する。後面部21は、ブラケット本体30が取り付けられる取付面部21ということもできる。適宜、後面部21を取付面部21という。
【0014】
図4を参照する。収納部20には、取付面部21から後方に突出しブラケット本体30の取り付け位置をガイドするための位置決め凸部21aが形成されている。位置決め凸部21aは、先端に向かって径が小さくなる円錐台形を呈する。また、位置決め凸部21aは、十字状のリブであっても良い。
【0015】
また、取付面部21には、ブラケット本体30の下端が差し込まれるよう後方に向かって略U字状に突出している被係合部21bが形成されている。また、取付面部21のうち、被係合部21bに対向している部位を底部21cという。
【0016】
なお、被係合部21bは、ブラケット本体30を差し込むことができればよいため、略L字状等の略U字状以外の形状であっても良い。また、ブラケット本体30を差し込むことができれば、下面は開放していても良い。被係合部21bは、少なくともブラケット本体30の差し込み口が開口している必要がある。
【0017】
さらに、底部21cは、必須の構成要件ではなく、この部位が欠肉状に形成されていても良い。ただし、被係合部21bに対向する部位は、穴ではなく底部21cによって塞がれていることが好ましい。理由は後述する。
【0018】
図3を併せて参照する。ブラケット本体30は、支持部40、40と共に一枚の金属板によって構成されている。ブラケット本体30は、取付面部21に沿って一般面を構成し、略矩形の平面状に形成されている一般面部31と、この一般面部31から取付面部21に向かって突出している突出面部32と、コイルばね80の一部が固定されているばね固定部33と、一般面部31の左右の下端から下方に延びている係合部34、34と、一般面部31の上端から後方に折り曲げられ後方に延びている後方延出部35と、一般面部31に開けられ収納部20に締結されたねじ18が貫通しているねじ貫通穴36と、一般面部31に開けられ位置決め凸部21aが貫通している位置決め穴37と、を有している。
【0019】
突出面部32は、一般面部31の下部中央に略矩形状に形成されている。突出面部32の中央には、略矩形状の当接部穴32aが開けられている。
【0020】
ばね固定部33は、上方に向かって延びる舌片状の部位であり、コイルばね80を掛けることが可能に形成されている。
【0021】
係合部34は、被係合部21bに当接可能であり一般面部31に略平行に延びている当接部34aと、一般面部31と当接部34aを繋ぎ一般面部31及び当接部34aに対して斜めに延びる接続部34bと、を有する。
【0022】
ねじ貫通穴36は、突出面部32を囲うように一般面部31のそれぞれの角に対応させて4か所に形成されている。
【0023】
位置決め穴37の内径は、位置決め凸部21aの根元部分の外径よりも僅かに大きく形成されている。位置決め穴37は、左右2か所ずつ形成されている。それぞれの位置決め穴37の下には、ねじ貫通穴36が形成されている。位置決め凸部21a、位置決め穴37の数や位置は、適宜設定することができる。ねじ18、ねじ貫通穴36についても同様である。
【0024】
支持部40、40は、後方延出部35の左右の端部からそれぞれ下方に延びている。支持部40には、それぞれ軸部材50が貫通している支持部貫通穴41が形成されている。
【0025】
図5Aを参照する。支持部貫通穴41は、略円形状に形成されている円形穴部41aと、この円形穴部41aから径外方に突出している突出穴部41bと、からなる。
【0026】
図3を参照する。軸部材50は、左右の支持部40、40、及び、蓋体70を貫通している棒状の軸本体51と、この軸本体51の外周を囲っていると共にそれぞれの支持部貫通穴41に設けられているカラー60、60と、を有する。
【0027】
カラー60は、支持部貫通穴41に差し込まれている軸部材差し込み部61と、軸部材差し込み部61に隣接して形成され支持部貫通穴41の内径よりも外径が大きく形成されている軸部材鍔部62と、この軸部材鍔部62から軸線に沿って延び外周面にコイルばね80が当接可能な軸受部63と、を有している。
【0028】
軸部材差し込み部61の軸線方向の長さは、支持部40の板厚よりも長い。このため、軸部材差し込み部61の先端は、支持部40から突出している。
【0029】
図5A、
図5Bを参照する。軸部材差し込み部61の外周面は、支持部貫通穴41の内周面に沿った形状とされている。軸部材差し込み部61は、円形穴部41aに差し込まれている円形差し込み部61aと、円形差し込み部61aから径外方に突出し突出穴部41bに差し込まれている突部61bと、からなる。突部61bが突出穴部41bに差し込まれていることにより、カラー60は、回転することを防止されている。
【0030】
図3を参照する。蓋体70は、支持部40の左右にそれぞれ配置され軸本体51が貫通している蓋体アーム部71、71と、これらの蓋体アーム部71、71の前部に設けられ収納部20(
図2参照)の上方を開閉可能な蓋本体72と、を有する。
【0031】
蓋体アーム部71には、コイルばね80の付勢力を受けているばね受け部71aが形成されている。ばね受け部71aは、コイルばね80の付勢方向に沿って略U字の凹状に形成されている。
【0032】
図5Cを併せて参照する。蓋体アーム部71の支持部40、40に対向する面には、軸部材差し込み部61の円形差し込み部61aを囲うように、支持部40に向かって突出している蓋体突出部71bが形成されている。蓋体突出部71bの先端は、蓋体70がスイングした際に、突部61bに当接する。突部61bに当接することにより、蓋体70のスイングを規制することができる。蓋体突出部71bの先端は、突部61bに当接可能なストッパ部71cということができる。
【0033】
また、蓋体アーム部71の蓋体突出部71bに囲われた部位には、軸本体51が貫通している蓋体貫通穴71dが開けられている。蓋体貫通穴71dは、丸穴である。
【0034】
図2及び
図3を参照する。蓋本体72の先端には、蓋保持部17に掛けられるフック部(
図6A、符号73参照)を形成することができる。
【0035】
図3を参照する。コイルばね80は、軸線に沿って巻かれ捩り方向への付勢力を付与している左右の巻部81、81と、これらの巻部81、81の一端同士を接続していると共にばね固定部33に固定されている一端固定部82と、巻部81、81の他端から略L字状に延び蓋体アーム部71、71を付勢している他端部83、83と、を有する。
【0036】
図2を参照する。蓋保持部17は、周知の構成を採用することができる。例えば、蓋保持部17は、乗員が操作可能な操作ハンドルと、この操作ハンドルを操作することにより変位するラッチと、を有する。乗員が操作ハンドルを操作し、ラッチを変位させることにより、蓋体70のフック部と蓋保持部17のラッチとの係止状態が解除される。係止状態が解除されると、コイルばね80の付勢力によって蓋体70は、先端が上方に向かってスイングする。これにより、収納部20の上方は、開放される。即ち、収納装置10は、開状態となる。蓋体70を閉じる際には、乗員は、コイルばね80の付勢力に抗して蓋体70の先端を収納部20に向かってスイングさせる。蓋体70の先端を押し込むことにより、蓋体70は、ラッチに係止される。収納部20の開口は、蓋体70によって閉じられる。即ち、収納装置10は、閉状態となる。
【0037】
次に、収納装置10の組立方法について説明する。
【0038】
図2及び
図3を参照する。まず、収納部20と、ブラケット本体30と、軸部材50と、蓋体70と、コイルばね80と、を準備する(準備工程)。
【0039】
次に、ブラケット本体30、軸部材50、蓋体70、コイルばね80、を仮組みする(仮組工程)。より具体的には、軸受部63、63を巻部81、81に差し込んだ状態で、軸部材差し込み部61、61を支持部貫通穴41、41に差し込む。そして、支持部貫通穴41、41を蓋体貫通穴71d、71dに合わせた状態で、軸本体51を貫通させる。
【0040】
図6A、
図7を参照する。次に、ブラケット本体30の係合部34を、被係合部21bに差し込み、ブラケット本体30を収納部20に仮固定する(仮固定工程)。仮固定時には、係合部34を被係合部21bに差し込んだ後に、位置決め穴37を位置決め凸部21aに通すことが好ましい。
【0041】
図8A、
図8Bを参照する。仮固定を行う際に、蓋体70のストッパ部71cは、カラー60に形成された突部61bに当接している。これにより、ブラケット本体30と蓋体70とを略直線状に保つことができる。ブラケット本体30と蓋体70とのなす角は、仮固定する際の作業を行いやすい角度に設定することが望ましく、ストッパ部71cの形成される位置によって設定することができる。
【0042】
図6Bを参照する。次に、収納部20の開口を蓋体70によって閉じ、収納部20に設けられている蓋保持部17(
図2参照)で蓋体70を保持する(蓋閉じ工程)ことが好ましい。
【0043】
図4を参照する。次に、収納部20に仮固定されたブラケット本体30を、取付面部21に固定する(本固定工程)。より具体的には、ねじ18を用いてブラケット本体30を取付面部21に固定する。これにより収納装置10の組み立てが完了する。なお、本固定は、ねじ止め以外の手段を採用することも可能である。
【0044】
以上に説明した収納装置10について、以下に纏める。
【0045】
図2及び
図4を参照する。収納装置10は、一面が開口し内部に収納物を収納可能な収納部20と、この収納部20の一面である取付面部21に固定されているブラケット本体30と、このブラケット本体30に支持されている軸部材50と、この軸部材50にスイング可能に支持され、収納部20の開口の少なくとも一部を開閉可能な蓋体70と、この蓋体70を開方向に付勢しているコイルばね80と、を有する。ブラケット本体30は、取付面部21に沿って延びている係合部34を含む。取付面部21には、係合部34を差し込み可能に開口している被係合部21bを有している。
【0046】
また、収納装置10の組み立ては、一面が開口し取付面部21に被係合部21bが形成されている収納部20と、係合部34を有するブラケット本体30と、軸部材50と、蓋体70と、コイルばね80と、を準備する準備工程と、ブラケット本体30、軸部材50、蓋体70、コイルばね80を仮組みする仮組工程と、蓋体70及びコイルばね80が仮組みされたブラケット本体30の係合部34を、被係合部21bに差し込み、ブラケット本体30を収納部20に仮固定する仮固定工程と、収納部20に仮固定されたブラケット本体30を、取付面部21に固定する本固定工程と、を経て行われる。
【0047】
ブラケット本体30の取付面部21への取り付けは、係合部34を被係合部21bに差し込んだ状態で行われる。これにより、取付作業を行う際に蓋体70の重量を支えながら行う必要がなくなる。また、ブラケット本体30を支持する必要もなくなる。これにより、収納装置10を容易に組み立てることができる。
【0048】
特に、仮固定工程と本固定工程との間に、収納部20の開口の少なくとも一部を蓋体70によって閉じ、収納部20に設けられている蓋保持部17で蓋体70を保持する蓋閉じ工程をさらに有することが好ましい。
【0049】
蓋体70を閉じ状態に保つことにより、蓋体70のぐらつき等を抑制できる。また、コイルばね80の付勢力でブラケット本体30がスイングすることもなく、取付面部21に向かって押さえつける力が不要となる。これにより、ブラケット本体30の取付面部21への取り付けがさらに容易になる。これにより、収納装置10の組み立てがより容易になる。
【0050】
図7を参照する。また、収納部20には、被係合部21bに対向し、係合部34の差し込み時に係合部34の先端が当接可能な底部21cが形成されている。底部21cがガイドの役割を果たし、ブラケット本体30の被係合部21bへの差し込みをより容易に行うことができる。これにより、収納装置10の組み立てがより容易になる。
【0051】
さらに、被係合部21bの下部は、下面部21dによって塞がれている。これによりブラケット本体30をより適切な位置に容易に仮組することが可能となる。なお、下面部21dは、被係合部21bの開口に対向した位置を塞いでいる開口対向部21dということもできる。
【0052】
また、係合部34は、被係合部21bに当接可能でありブラケット本体30の一般面を構成する一般面部31に略平行に延びている当接部34aと、一般面部31と当接部34aを繋ぎ一般面部31及び当接部34aに対して斜めに延びる接続部34bと、を有する。これにより、当接部34aを一般面部31よりも取付面部21に近い部位に形成することができる。一般面部31と当接部34aとが同一面上に位置する場合に比べて、係合部34の被係合部21bへの差し込みが容易になる。これにより、収納装置10の組み立てがより容易になる。
【0053】
図6A、
図7Bを参照する。また、軸部材50は、径外方に向かって突出する突部61bを有している。加えて、蓋体70は、ブラケット本体30に対して所定の開度に達した際に、突部61bに当接可能なストッパ部71cが設けられている。これにより、組み立て作業時にブラケット本体30と蓋体70とを所定の開度に保つことができる。これらを所定の開度に保つことにより、取付作業時におけるブラケット本体30のぐらつき等を抑制することができる。これにより、収納装置10の組み立てがより容易になる。
【0054】
尚、本発明による収納装置は、センターコンソールを例に説明したが、グローブボックス等であっても適用可能である。また、本発明は、被係合部の上方から係合部を差し込むものに限られるものではなく、水平方向に差し込むものや鉛直方向に対して斜めに差し込むものも含まれる。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の収納装置は、乗用車両のセンターコンソールに好適である。
【符号の説明】
【0056】
10…車両用収納装置
20…収納部
21…後面部(取付面部)
30…ブラケット本体
40…支持部
41…支持部貫通穴、41a…円形穴部、41b…突出穴部
50…軸部材
51…軸本体
60…カラー
61…軸部材差し込み部、61a…円形差し込み部、61b…突部
70…蓋体
80…コイルばね