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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】リードディフューザー容器の栓
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/00 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
B65D39/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023068814
(22)【出願日】2023-04-19
【審査請求日】2023-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508370061
【氏名又は名称】ライフオンプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117374
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真一
(72)【発明者】
【氏名】池田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】八塚 菜那
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-45246(JP,A)
【文献】国際公開第2012/029504(WO,A1)
【文献】特開2021-176537(JP,A)
【文献】特開2019-123554(JP,A)
【文献】国際公開第2021/261335(WO,A1)
【文献】特開2012-115364(JP,A)
【文献】米国特許第8844837(US,B1)
【文献】実開昭64-50836(JP,U)
【文献】特開2004-329794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00
A61L 9/12
A41G 1/00
B65D 39/00 - 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロマ溶液を入れるリードディフューザ容器の開口部を閉塞すると共に、前記容器に挿入される複数のリードの束を集束し保持する、可撓性及び弾性を備えるリードディフューザー容器の栓であって、
前記開口部を閉塞する天面と周側面とを備え
前記天面には、前記複数のリードを挿入するリード挿入孔が設けられ、
前記リード挿入孔は下方内部に向けて細長円筒形状の弾性収縮保持部を備え、
前記弾性収縮保持部は、前記複数のリードを挿入するとき径方向に弾性拡径し、挿入された前記リードの集束された外周を、前記細長円筒形状の挿入孔の長さにおいて収縮保持してなることを特徴とするリードディフューザー容器の栓。
【請求項2】
前記弾性収縮保持部の上方には、前記リードの上部を環状に拡開して配置する径大部を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓。
【請求項3】
前記リードディフューザー容器の栓は、シリコンゴムにて成形されてなり、
前記弾性収縮保持部は前記開口部を閉塞する天面と周側面よりも薄厚に成形されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のリードディフューザー容器の栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードディフューザーの容器の開口部に装着し、開口部を閉塞すると共に、リードを差し込むことのできる栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アロマ溶液を揮散する方法として、一般的にアロマ溶液を入れた容器にリードを差し込み、リードが吸い上げたアロマ溶液を、容器の上から出ているリードの部分から発散させて、香りを揮散させる方法がある。そして、ほとんどの場合、リードは複数のものが差し込まれており、蒸散されやすいように、前記リードは先端が前記容器よりもかなり上方まで延出する長さに配置され、また、容器の開口部より上のリードの部分を環状に開けるようにして差し込まれている。
【0003】
しかしながら、このような従来のリードディフューザー容器においては、容器本体より上方に比較的長く突き出たリードが手等にひっかかり、前記リードディフューザー容器の栓が転倒することがある。前述のように前記リードの上方部分を環状に開けるようにして差し込まれている場合はなおさらである。
【0004】
そして、一方、前記リードディフューザー容器の栓のリード差し込み部は、前記リードが複数差し込まれる場合がほとんどであり、また、前記リードの上方部分を環状に開けるようにして差し込みやすいようにするため、前記リード差し込み部の開口径は比較的大きく形成されており、そのため、前記リードディフューザー容器の栓が、前述の理由等により、転倒した場合は、内部に充填されたアロマ溶液が大量にこぼれ出すという問題が生じていた。
【0005】
このような問題に対処すべく、例えば、国際公開番号WO2012/029504(特許文献1)に記載されたリードディフューザー容器が提案されている。前記リードディフューザー容器の栓は、吸上芯の挿入を可能としつつ、転倒時のこぼれを抑えるようにするために、揮散装置の容器体の口部と、口部に取り付けられたキャップとの間に閉鎖部材を配設し、連通部の一部を構成する口部の端部開口部を閉鎖部材で閉鎖する。この閉鎖部材の中央部に、吸上芯を挿通する為の挿通部を設定し、挿通部を、閉鎖部材の中心点から放射状に延出した複数のスリットで構成する。スリットは、吸上芯の挿入を許容する為に設けられており、例えば長スリットと短スリットで構成される。
【0006】
すなわち、容器体の内部と外部を連通する連通部には、当該連通部を閉鎖する閉鎖部材が設けられており、該閉鎖部材には、吸上芯の挿入を許容する為の複数のスリットが設けられている。このため、前記連通部に挿入された吸上芯は、前記スリットにより形成された開口部分を挿通した状態で前記容器体内に挿入される。このとき、前記スリットは、前記吸上芯の太さに応じた開口部を形成し、形成された開口部の外側部分が前記吸上芯の外周面に密着することとなる。このため、前記容器体に設けられた口部の開口部に吸上芯を挿入する場合と比較して、吸上芯の外周部に形成される隙間の開口面積を狭くすることができる。
【0007】
このように、複数設けられたスリットは、閉鎖部材の中心部から放射状に延出するように配置されており、このスリットにより形成される開口部に吸上芯を挿通した状態において、当該吸上芯は、前記各スリット間に形成された各小片に包囲された状態で前記中心部に位置決めされる。
【0008】
しかしながら、前記リードディフューザー容器の栓において、差し込まれる複数のリードは、予めスリットが形成された位置にしか配設されず、所望の本数のリードを差し込む際には、任意の箇所に差し込むことはできない場合が生じ、前記複数のリードの上方部分を環状に開ける所望の配置にて位置調整することが難しい場合がある。特に、外観の面白みを出すため、真っ直ぐなリードでなく、例えば柳の枝等の自然木を使用した、ある程度曲がりくねったリードを使用する場合は、予めスリットが形成された位置にしかリードが配設されない場合は所望の状態にリードを配置することができない。また、前記リードを1本ごとにスリットに差し込む作業は繁雑である。さらに、前記リードディフューザー容器の栓の構造自体も複雑なものとなっている。
【0009】
加えて、複数の予め設けられたスリットにおいて、リードを差し込まないスリットが存在する場合は、リードディフューザー容器が転倒した場合は、そのスリットが単にアロマ溶液の排出口となる場合が生じる。
【0010】
【文献】WO2012/029504 FIG1、FIG2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであり、リード挿入口から所望の本数を差し込む場合であっても、予め決められた位置でなく、所望の位置に差し込むことができるとともに、例えば柳の枝等の自然木を使用した、ある程度曲がりくねったリードを使用する場合にも、前記複数のリードの上方部分を環状に開ける所望の配置にて位置調整することができ、差し込みの自由度を高くすることができるとともに、その配置位置に差し込んだ場合で前記リードディフューザー容器が転倒したときに、アロマ溶液がすぐに溢れ出すことのない、構造の簡単なリードディフューザー容器の栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓は、アロマ溶液を入れるリードディフューザー容器の開口部に装着する栓であって、前記開口部を閉塞する弾性を有する閉塞部と、リードを挿入する筒状挿入孔を備え、前記筒状挿入孔は、前記リードを挿入するとき径方向に弾性拡径し、挿入された前記リードを集束して収縮保持する弾性を有する弾性収縮保持部を備えてなることを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓にあっては、前記リードディフューザー容器の開口部を閉塞する閉塞部によって、開口部は閉塞されると共に、前記筒状挿入孔に挿入した複数のリードは、前記リードを集束して収縮保持する弾性収縮保持部によって集束保持され、それより上方において環状に開くように配置できるので、リードの形状にこだわることなく、差し込みの自由度を高くすることができ、前記複数のリードをまとめて前記筒状挿入孔に挿入して、前記リードは前記弾性収縮保持部がリードを集束した状態で略密接に外包されているので(言い換えれば、前記リードは、略水密状態となるように、前記弾性収縮保持部内で集束保持されているので)、前記リードディフューザー容器が転倒したときであっても、アロマ溶液がすぐに溢れ出すことがない。
【0014】
請求項2に記載のリードディフューザー容器の栓は、請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓において、前記弾性収縮保持部の上方に前記リードの上部を環状に拡開して配置する径大部を備えてなることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載のリードディフューザー容器の栓にあっては、請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓に加えて、前記リードの上部が環状に拡開しやすくなる。
【0016】
請求項3に記載のリードディフューザー容器の栓は、請求項1又は2に記載のリードディフューザー容器の栓において、前記リードディフューザー容器の栓は、シリコンゴムにて成形されてなり、前記弾性収縮保持部は、前記閉塞部よりも薄厚に形成されてなることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載のリードディフューザー容器の栓にあっては、請求項1又は2に記載のリードディフューザー容器の栓に加えて、前記弾性収縮保持部が径方向に弾性拡径する場合に、拡径しやすくなると共に、拡径した状態で前記複数のリードを保持しやすくなる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓に依れば、アロマ溶液を入れるリードディフューザー容器の開口部に装着する栓であって、前記開口部を閉塞する弾性を有する閉塞部と、リードを挿入する筒状挿入孔を備え、前記筒状挿入孔は、前記リードを挿入するとき径方向に弾性拡径し、挿入された前記リードを集束して収縮保持する弾性を有する弾性収縮保持部を備えているので、前記リードディフューザー容器の開口部を閉塞する閉塞部によって、開口部は閉塞されると共に、前記筒状挿入孔に挿入した複数のリードは、前記リードを集束して収縮保持する弾性収縮保持部によって集束保持され、それより上方において環状に開くように配置できるので、差し込みの自由度を高くすることができ、前記複数のリードをまとめて前記筒状挿入孔に挿入して、前記リードは前記弾性収縮保持部がリードを集束した状態で略密接に外包されているので(言い換えれば、前記リードは、略水密状態となるように、前記弾性収縮保持部内で集束保持されているので)、、前記リードディフューザー容器が転倒したときであっても、アロマ溶液がすぐに溢れ出すことがない。
【0019】
請求項2に記載のリードディフューザー容器の栓に依れば、請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓に加えて、前記弾性収縮保持部の上方に前記リードの上部を環状に拡開して配置する径大部を備えているので、請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓に加えて、前記リードの上部が環状に拡開しやすくなる。
【0020】
請求項3に記載のリードディフューザー容器の栓に依れば、請求項1に記載のリードディフューザー容器の栓において、前記リードディフューザー容器の栓は、シリコンゴムにて成形されており、前記弾性収縮保持部は、前記閉塞部よりも薄厚に形成されているので、請求項1又は2に記載のリードディフューザー容器の栓に加えて、前記弾性収縮保持部が径方向に弾性拡径する場合に、拡径しやすくなると共に、拡径した状態で前記複数のリードを保持しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係るリードディフューザー容器の栓の斜視図であり、(a)は上方からの斜視図であり、(b)は下方からの斜視図である。
図2】(a)は同リードディフューザー容器の栓の正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は同平面図であり、(d)は同底面図であり、(e)は同中央縦断面図である。
図3】(a)は同リードディフューザー容器と栓の分解側面図であり、(b)はリードの側面図である。
図4】栓を装着しリードを挿入し環状に拡開した状態のリードディフューザー容器の部分拡大縦断面図である。
図5】同リードディフューザー容器、栓及び化粧蓋の分解側面図であり、(b)はリードの側面図である。
図6】栓と化粧蓋を装着したリードディフューザー容器にリードを挿入し環状に拡開した状態の部分拡大縦断面図である。
図7】栓と化粧蓋を装着したリードディフューザー容器にリードを挿入し環状に拡開した状態の側面図である。
図8】(a)は本発明の第2実施形態に係るリードディフューザー容器の栓の斜視図であり、(b)は同側面図であり、(c)は同中央縦断面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るリードディフューザー容器の栓を容器に取り付けた状態の部分拡大断面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るリードディフューザー容器の栓を容器に取り付けた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るリードディフューザー容器の栓を実施するための実施形態について、図面にしたがって説明する。
【0023】
図1及び図2は、本発明の第1の実施例に係るリードディフューザー容器の栓を示し、図1は、本発明の第1実施形態に係るリードディフューザー容器の栓の斜視図であり、(a)は上方からの斜視図であり、(b)は下方からの斜視図である。図2(a)は、同リードディフューザー容器の栓の左側面図であり、図2(b)は、同右側面図であり、図2(c)は同平面図であり、図2(d)は同底面図であり、図2(e)は同中央縦断面図である。
【0024】
図1及び図2において、10は、本発明に係る第1の実施例に係るリードディフューザー容器の栓(以下「栓」という。)を示す。前記栓10は、全体をシリコンゴムにて成形されており可撓性及び弾性を備えるよう成形されている。そして、前記シリコンゴムは、後述するように、リードディフューザ容器(以下、「容器」という。)20の開口部22を閉塞すると共に、前記容器20に挿入される複数のリード50、50・・の束を集束し保持しつつ、一定の開度を維持することができる程度の可撓性及び弾性を備える硬度が必要であり、好適には硬度20度前後、例えば、硬度15度乃至硬度25度程度が望ましい。
【0025】
前記栓10の全体形状は、下面を開放した略円筒形からなり、円形状の天面11と周側面12とで、図3に示す前記容器20の開口部22を閉塞している。そして、前記天面11には、前記リード50を前記容器20に差し込むためのリード挿入孔13が下方内部に向けて形成されている。
【0026】
前記リード挿入孔13は、その上方に径方向に幅の広い円形の拡径部14と前記拡径部14から下方に向けて径を窄めつつ形成した略円筒形状の細長い弾性収縮保持部15を備えている。前記弾性収縮保持部15は、複数の前記リード50、50・・を挿入した場合に拡径しながら複数の前記リード50、50・・の束を挿入することができ、前記リード50、50・・の束を集束した状態で収縮し保持し、集束部分を略水密とした状態で保持することができる。
【0027】
そして、前記拡径部14は複数の前記リード50、50・・の束を挿入した場合に、前記弾性収縮保持部15で集束した状態で収縮し保持した前記リード50、50・・の束を上方に向けて環状に拡開して配置できるように、径方向に幅広に形成されている。
【0028】
図3(a)は、同リードディフューザー容器と栓の分解側面図であり、(b)は栓を装着しリードを挿入した状態のリードディフューザー容器の側面図である。図4は栓を装着しリードを挿入し環状に拡開した状態のリードディフューザー容器の部分拡大縦断面図である。
【0029】
図3及び図4に示すように、前記容器20の本体21の上部には前記開口部22を設けた、本体より小径の口部23が突出形成されており、前記口部23の外周面にはネジ山が形成されている。
【0030】
上記のように成形される前記栓10は、直径は、例えば、前記容器20の開口部22と符号させた寸法に成形すればよく、例えば、直径で20mm、高さ18mm程度の外寸に成形されており、前記栓10の内径D(図2(e))は、前記容器20の開口部22の直径と同寸か僅かに小さい径にて形成される。そして、前記栓10を前記容器20の口23に強制外嵌させて、前記周側面12と前記天面11とで前記口23を閉塞させているのである。
【0031】
そして、前記容器20の口23の閉塞部を形成する前記周側面12と前記天面11は、本実施例では厚さ2mm程度に形成され、前記天面11に設けられたリード挿入孔13
から下方内部に向けて形成される前記弾性収縮保持部15は、その直径D2は5mm程度、長さH2は12mm程度の細長形状に形成されると共に、その厚さは、0、5mm程度に形成されている。
【0032】
すなわち、前記閉塞部(前記周側面12と前記天面11)を比較的肉厚に形成する一方、前記弾性収縮保持部15はそれより薄厚として形成しているので、前記閉塞部(前記周側面12と前記天面11)で前記口23の開口部22を弾性変形しながらしっかり閉塞できるとともに、略円筒状に形成された前記弾性収縮保持部15は、その厚みを薄厚に形成しているため、径方向に伸びやすく、複数の前記リード50,50・・を挿入した場合は、径方向に伸びて、複数の前記リード50,50・・を集束保持できるとともに、収縮して、前記集束部分を略水密状に保持することができつつ、リードを上部で開いた状態の一定の開度を維持することができるのである。さらに、前記弾性収縮保持部15に上方には、弾性収縮保持部15の径よりも幅広に形成された拡径部14が設けられているため、前記リード挿入孔13に挿入され、前記弾性収縮保持部15で集束保持された複数の前記リード50,50・・を前記拡径部14の周壁に沿って所望の状態で環状に広げて配置することができるので、前記リード50,50・・の差し込みの自由度を高くすることができ、曲がりくねったリードを差し込む場合も、所望の配置に差し込むことができ、前記リードは前記弾性収縮保持部15がリードを集束した状態で略密接に外包されているので(言い換えれば、前記リードは、略水密状態となるように、前記弾性収縮保持部15内で集束保持されているので)、前記容器20が転倒したときであっても、容器内部のアロマ溶液がすぐに溢れ出すことがなく、短時間であれば、ほとんど漏れ出すことはないので、その間に前記容器20を立て直すことが可能となる。なお、前記弾性収縮保持部15は可撓性も有しているので、前記複数のリード50,50・・を集束保持する際には、前記複数のリード50,50・・の集束状態に合わせて左右方向等において自在に位置を保持することができる。
【0033】
図5は、同リードディフューザー容器、栓及び化粧蓋の分解側面図であり、(b)はリードの側面図である。図6は栓と化粧蓋を装着したリードディフューザー容器にリードを挿入し環状に拡開した状態の部分拡大縦断面図であり、図7は、栓と化粧蓋を装着したリードディフューザー容器にリードを挿入し環状に拡開した状態の側面図である。
【0034】
図5乃至図7に示すように、前記栓10を装着した前記容器20は、そのまま使用してもよいが、前記栓10に、さらに化粧蓋30を被せてもよい。前記化粧蓋30は、全体を円筒形状とし、天面31の中央には下方に向けて前記栓10が挿入できる程度の大きさの円筒形の孔(図示せず。)を設けると共に、周側面32の高さは前記栓10の高さより高く形成し、前記栓10に被せた場合に、前記栓10の全体が隠れる程度の大きさに形成される。また、形状は円筒形状に限らず、任意の形状とすることができ、外観の美観を向上させることができる。
【0035】
図8(a)は、本発明の第2実施形態に係るリードディフューザー容器の栓の斜視図であり、(b)は同側面図であり、図9は、本発明の第2実施形態に係るリードディフューザー容器の栓を容器に取り付けた状態の部分側面図であり、図10は、本発明の第2実施形態に係るリードディフューザー容器の栓を容器に取り付けた状態の部分側面図である。
【0036】
図8乃至図10において、10Aは、本発明に係る第2の実施例に係るリードディフューザー容器の栓(以下「栓」という。)を示す。第2の実施例の栓10Aにおいて、第1の実施例の前記栓10と同一構成部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図8乃至図10に示すように、前記栓10Aは、リードディフューザー容器の口部が外方に突出せずに、単に開口部22が設けられているタイプの容器20A(図9及び図10)に適合できるように形成されている。
【0038】
すなわち、前記栓10Aの前記天面11は前記周側面12よりも径大になるようにリブ11Aを設けて形成され、前記周側面12の外径は前記開口部22よりも同寸か僅かに径大に形成され、前記周側面12を、前記容器20Aの開口部22に嵌入して前記開口部22を閉塞するように形成されており、前記周側面12の外面と前記天面11のリブ11Aとで、閉塞部を形成しており、また、前記弾性収縮保持部15は、前記周面12の内面から径内方に向けて細長円筒状となるように下方に垂下するように形成されている。
【0039】
前記のような構成からなる前記栓10Aを使用する場合は、前記容器20Aの開口部22に、前記栓10Aを、前記リブ11Aが前記容器20Aの上面に密着するまで強制嵌入すると、前記容器20Aの開口部22は、前記周側面12の外面と前記天面1及び前記リブ11Aとにより閉塞される。
【0040】
そして、前記弾性収縮保持部15は前記周面12の内面から径内方に向けて細長円筒状となるように下方に垂下され、前記周側面12の内面上部が拡径部14として形成されているので、前記栓10Aの前記リード挿入孔13から、前記複数のリード50、50・・を束ねて挿入すると、前記弾性収縮保持部15は拡径しながら前記複数のリード50、50・・を受け入れ、前記複数のリード50、50・・を所望の深さまで挿入して、前記複数のリード50、50・・の上部を環状に拡開することができる。一方、前記弾性収縮保持部15は前記複数のリード50,50・・を集束保持できるとともに、収縮して、前記集束部分を略水密状に保持することができるのである。
【0041】
以上のように、本発明に係る第1及び第2実施例の前記栓10,10Aは、構造が簡単で、かつシリコンゴムにて成形されているので、容易に大量に製造することができ、また製造単価も低く抑えることができる。
【0042】
なお、第2の実施例に係る前記栓10Aは上記の構成からなるが、これに限らず、第1の実施例の前記栓10と同様の構成のものに、前記天面11の外縁に前記リブ11Aを設けるものであってよい。
【0043】
また、第1の実施例の前記栓10においては、前記周側面12の内径を前記リードディフューザー容器20の開口部22の直径と同寸か、もしくは僅かに径小に形成して、前記栓10を前記リードディフューザー容器20の開口部22に強制外嵌して前記開口部22を閉塞するようにしたが、これに限らず、前記周側面12の直径を前記リードディフューザー容器20の開口部22の直径と同寸か、もしくは僅かに径大に形成して、前記栓10を前記リードディフューザー容器20の開口部22に強制内嵌して前記開口部22を閉塞するようにしてもよい。
【0044】
さらに、本実施例においては、前記栓10、10Aは硬度20前後のシリコンゴムにより、成型したが、硬度はこれに限定されることはなく、本発明の意図する効果を備えるものであればよい。加えて、本発明にかかる前記栓10、10Aは、シリコンゴムにより成形したが、例えば天然ゴムで成形するものでもよく、また、これらに限定されるものではなく、本発明の意図する弾性を備えるものであればよい。
【符号の説明】
【0045】
10 リードディフューザー容器の栓(第1実施例)
11 天面
12 周側面
13 リード挿入孔
14 拡径部
15 弾性収縮保持部
16 リード挿入部
17 容器の口保持部

20 リードディフューザー容器
21 リードディフューザー容器本体
22 リードディフューザー容器の(外方に突出する)口部
23 リードディフューザー容器の開口部

D 栓の内径
D1 拡径部の径
D2 弾性収縮保持部内径

H 栓の高さ
H1 拡径部の高さ
H2 弾性収縮保持部の高さ

10A リードディフューザー容器の栓(第2実施例)
11A リブ(天面の径方向外方に向けた)



【要約】
【課題】複数のリードを挿入する場合に、簡単にリードを挿入することができると共に、差し込みの自由度を高くすることができ、リードディフューザー容器が転倒したときに、アロマ溶液がすぐに溢れ出すことのない、かつ、簡易な構成で安価に製造することができるリードディフューザー容器の栓を提供することにある。
【解決手段】アロマ溶液を入れるリードディフューザー容器の開口部に装着する栓であって、前記開口部を閉塞する弾性を有する閉塞部と、リードを挿入する筒状挿入孔を備え、
前記筒状挿入孔は、前記リードを挿入するとき径方向に弾性拡径し、挿入された前記リードを集束して収縮保持する弾性を有する弾性収縮保持部を備えるよう構成した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10