(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 25/77 20230101AFI20240219BHJP
H04N 25/533 20230101ALI20240219BHJP
H04N 25/443 20230101ALI20240219BHJP
H04N 25/771 20230101ALI20240219BHJP
H04N 25/778 20230101ALI20240219BHJP
【FI】
H04N25/77
H04N25/533
H04N25/443
H04N25/771
H04N25/778
(21)【出願番号】P 2023099479
(22)【出願日】2023-06-16
(62)【分割の表示】P 2018156189の分割
【原出願日】2018-08-23
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】林 英俊
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 克仁
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0339327(US,A1)
【文献】特開2017-220911(JP,A)
【文献】特開2018-085709(JP,A)
【文献】特開2005-277513(JP,A)
【文献】特開2018-107792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0239154(US,A1)
【文献】特開2008-028678(JP,A)
【文献】特開2001-177775(JP,A)
【文献】特開2018-037741(JP,A)
【文献】特開2006-197192(JP,A)
【文献】国際公開第2017/104765(WO,A1)
【文献】特開2009-303088(JP,A)
【文献】特開2015-138994(JP,A)
【文献】特開2014-220644(JP,A)
【文献】特開2012-182657(JP,A)
【文献】特開昭64-019880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の行及び複数の列を形成するように配され、各々が光電変換部を有する複数の画素と、
前記複数の画素における電荷の蓄積時間を制御する制御部と
、を有し、
前記複数の画素は、それぞれが複数の画素を含む複数の画素ブロックに分けられており
、
1フレームに対応する信号として、前記複数の画素ブロックの1つの画素ブロックに対して、異なるゲイン
が与えられた複数の信号
が出力され、
前記制御部は、前記1フレームの前に前記複数の画素ブロックの各々に属する画素から取得した信号のレベルに基づいて、前記複数の画素ブロックに対して、各々の前記蓄積時間の長さを設定するように構成されており、
前記複数の画素ブロックに含まれる第1ブロックの前記1フレームにおける前記蓄積時間の長さは、前記複数の画素ブロックに含まれる第2ブロックの前記1フレームにおける前記蓄積時間の長さよりも長く、
前記第1ブロックに含まれる画素の一部から出力される信号に対し
て与え
られるゲインと、前記第1ブロックに含まれる画素のその他の一部から出力される信号に対し
て与えられるゲインとが異なっており、
前記第2ブロックに含まれる画素の一部から出力される信号に対し
て与え
られるゲインと、前記第2ブロックに含まれる画素のその他の一部から出力される信号に対し
て与え
られるゲインとが異なっている
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数の信号は、1つの前記画素の前記光電変換部に蓄積された電荷に基づく信号
に異なるゲイン
が与えられた2つの信号を含む
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の信号は、前記1つの画素ブロックに含まれる第1の画素の前記光電変換部に蓄積された電荷に基づく信号
に第1ゲイン
が与えられた信号と、前記1つの画素ブロックに含まれる第2の画素の前記光電変換部に蓄積された電荷に基づく信号
に前記第1ゲインとは異なる第2ゲイン
が与えられた信号と、を含む
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
アナログ信号である前記複数の信号に対して各々アナログデジタル(AD)変換を行うAD変換部をさらに有し、前記ゲインはAD変換における変換ゲインである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記AD変換部は、前記画素から出力される信号のレベルとランプ信号のレベルとの比較の結果に基づいて前記アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成されており、
前記AD変換部は、時間の経過に対する信号レベルの変化の割合が異なる複数のランプ信号を用いることで、前記アナログ信号に対して異なる変換ゲインのAD変換を行う
ことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記AD変換部は、異なる変換ゲインのAD変換を並列に実行する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記AD変換部は、異なる変換ゲインのAD変換を時分割で実行する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の撮像装置。
【請求項8】
前記光電変換部にて生成された電荷に基づく前記複数の信号を各々増幅する増幅部をさらに有し、前記ゲインは前記増幅部が前記複数の信号を各々増幅するゲインである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記増幅部は、同じ列に配されたゲインの異なる複数の列アンプを有し、前記画素から出力される信号を前記複数の列アンプでそれぞれ増幅して前記複数の信号として並列に出力することを特徴とする請求項
8記載の撮像装置。
【請求項10】
前記増幅部は、ゲインが可変の列アンプを有し、前記画素から出力される信号を、前記列アンプにより異なる複数のゲインで増幅し、前記複数の信号として時分割で出力する
ことを特徴とする請求項
8記載の撮像装置。
【請求項11】
前記画素は、前記増幅部として、互いに容量値の異なる複数の保持部と、前記複数の保持部の各々に対応して設けられ、対応する前記保持部の容量値と前記光電変換部から転送される電荷の量とに応じた信号を出力する複数の増幅トランジスタと、を有し、前記複数の増幅トランジスタから出力される信号を前記複数の信号として並列に出力する
ことを特徴とする請求項
8記載の撮像装置。
【請求項12】
前記画素は、前記増幅部として、互いに容量値の異なる複数の保持部と、前記複数の保持部の各々に対応して設けられ、対応する前記保持部の容量値と前記光電変換部から転送される電荷の量とに応じた信号を出力する複数の増幅トランジスタと、を有し、前記複数の増幅トランジスタから出力される信号を前記複数の信号として時分割で出力する
ことを特徴とする請求項
8記載の撮像装置。
【請求項13】
前記複数の保持部のうちの少なくとも一の前記保持部は、前記容量値が可変である
ことを特徴とする請求項
11又は12記載の撮像装置。
【請求項14】
前記画素に蓄積された電荷に基づいて前記複数の信号を出力する前記画素は、他の画素ブロックに隣接する境界部に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至
13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記画素に蓄積された電荷に基づいて前記複数の信号を出力する前記画素は、前記画素ブロックの中央部に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至
13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記複数の画素ブロックに対して、各々の中央部に位置する前記画素から前記複数の信号を選択的に出力する第1の駆動モードと、
前記複数の画素ブロックに対して、各々に含まれる総ての前記画素から前記複数の信号を出力する第2の駆動モードと、を有する
ことを特徴とする請求項1乃至
13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記増幅部は、前
記1つの画素ブロックの第1の画素に対して、異なるゲインで増幅された前記複数の信号を出力するように構成されている
ことを特徴とする請求項
8記載の撮像装置。
【請求項18】
前記制御部は、
前記複数の画素に対して行単位で制御信号を供給する垂直走査部と、
前記複数の画素に対して列単位で制御信号を供給する水平領域制御部と、
前記複数の画素ブロックの各々に対応して設けられ、前記垂直走査部から供給される前記制御信号と、前記水平領域制御部から供給される前記制御信号とに基づいて、対応する画素ブロックに配された前記画素の前記光電変換部における前記蓄積時間を制御する複数の画素ブロック内制御部と、を有する
ことを特徴とする請求項1乃至
17のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項19】
請求項1乃至
18のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像装置の前記画素から出力される信号を処理する信号処理部と
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項20】
移動体であって、
請求項1乃至
18のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像装置からの信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
を有することを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つの画面を複数の画素ブロックに分割し、画素ブロック毎に動きを検出してそれぞれ露光時間を制御するように構成した撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置では、任意の一つの画素ブロックが全体的に暗い中、輝点を持つような被写体が移動するような場合、その被写体に合わせて露光時間が短くなるように制御される。そのため、その画素ブロックの背景は露光時間が短くなった影響で更に暗くなり、黒潰れする虞があった。また、任意の一つの画素ブロックが全体的に明るい中、暗い被写体が移動する場合、その被写体に合わせて露光時間が長くなるように制御される。そのため、その画素ブロックの背景は露光時間が長くなった影響で更に明るくなり、白飛びする虞があった。したがって、特許文献1に記載の撮像装置においては、画素ブロック毎に適正に露光時間を決めたとしても、背景から被写体に渡って適正な画像を取得するのは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置及び撮像システムであって、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑制し、動体検出精度の低下を防止しうる撮像装置及び撮像システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、複数の行及び複数の列を形成するように配され、各々が光電変換部を有する複数の画素と、前記複数の画素における電荷の蓄積時間を制御する制御部と、を有し、前記複数の画素は、それぞれが複数の画素を含む複数の画素ブロックに分けられており、1フレームに対応する信号として、前記複数の画素ブロックの1つの画素ブロックに対して、異なるゲインが与えられた複数の信号が出力され、前記制御部は、前記1フレームの前に前記複数の画素ブロックの各々に属する画素から取得した信号のレベルに基づいて、前記複数の画素ブロックに対して、各々の前記蓄積時間の長さを設定するように構成されており、前記複数の画素ブロックに含まれる第1ブロックの前記1フレームにおける前記蓄積時間の長さは、前記複数の画素ブロックに含まれる第2ブロックの前記1フレームにおける前記蓄積時間の長さよりも長く、前記第1ブロックに含まれる画素の一部から出力される信号に対して与えられるゲインと、前記第1ブロックに含まれる画素のその他の一部から出力される信号に対して与えられるゲインとが異なっており、前記第2ブロックに含まれる画素の一部から出力される信号に対して与えられるゲインと、前記第2ブロックに含まれる画素のその他の一部から出力される信号に対して与えられるゲインとが異なっている撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置及び撮像システムにおいて、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑制し、動体検出精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態による撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による撮像装置における画素部の構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による撮像装置における各ブロックの配置例を示す概略図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による撮像装置における画素ブロックと垂直走査部及び水平領域制御部との間の接続例を示す回路図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による撮像装置における画素ブロック内制御部の構成例を示す回路図である。
【
図7】画素部内の各画素ブロックにおける露光時間を模式的に表した図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャート(その1)である。
【
図9】本発明の第1実施形態による撮像装置における増幅部及び列AD変換部の構成例を示す概略図である。
【
図10】本発明の第1実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャート(その2)である。
【
図11】本発明の第2実施形態による撮像装置における増幅部の構成例を示す回路図である。
【
図12】本発明の第2実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【
図13】本発明の第3実施形態による撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図14】本発明の第3実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。
【
図15】本発明の第3実施形態による撮像装置における画素ブロックと垂直走査部及び水平領域制御部との間の接続例を示す回路図である。
【
図16】本発明の第3実施形態による撮像装置における画素ブロック内制御部の構成例を示す回路図である。
【
図17】本発明の第3実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【
図18】本発明の第4実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。
【
図19】本発明の第4実施形態による撮像装置における画素ブロックと垂直走査部及び水平領域制御部との間の接続例を示す回路図である。
【
図20】本発明の第4実施形態による撮像装置における画素ブロック内制御部の構成例を示す回路図である。
【
図21】本発明の第4実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【
図22】本発明の第5実施形態による撮像装置における増幅部及び列AD変換部の構成例を示す概略図である。
【
図23】本発明の第5実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【
図24】本発明の第6実施形態による撮像装置における増幅部及び列AD変換部の構成例を示す概略図である。
【
図25】本発明の第6実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【
図26】本発明の第7実施形態による撮像装置における増幅部の構成例を示す概略図である。
【
図27】本発明の第8実施形態による撮像装置における増幅部の構成例を示す概略図である。
【
図28】本発明の第9実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図29】本発明の第9実施形態による撮像システムの駆動方法を示すフローチャートである。
【
図30】本発明の第10実施形態による撮像システム及び移動体の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による撮像装置の概略構成について、
図1乃至
図6を用いて説明する。
図1は、本実施形態による撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態による撮像装置における画素部の構成例を示すブロック図である。
図3は、本実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。
図4は、本実施形態による撮像装置におけるブロックの配置例を示す概略図である。
図5は、本実施形態による撮像装置における画素ブロックと垂直走査部及び水平領域制御部との間の接続例を示す回路図である。
図6は、本実施形態による撮像装置における画素ブロック内制御部の構成例を示す回路図である。
【0012】
本実施形態による撮像装置1000は、
図1に示すように、画素部1と、垂直走査部2と、水平領域制御部3と、タイミング生成部4と、増幅部5と、列AD変換部6と、水平走査部7と、信号出力部8と、を有する。
【0013】
画素部1は、後述するように、複数の行及び複数の列に渡って2次元状に配された複数の画素を有する。垂直走査部2は、画素部1の画素に対して行単位で駆動信号を与える動作(垂直走査)を行うための制御回路部である。水平領域制御部3は、水平方向に並んだ画素ブロックに対して列単位で有効/非有効信号を与える制御回路部である。
【0014】
増幅部5は、画素部1から出力される信号を所定のゲインで増幅する増幅回路を有する。増幅部5は、画素部1から出力される信号に対して、複数種類のゲインの中から選択される任意のゲインで増幅できるように構成されている。列AD変換部6は、後述するように、増幅部5により増幅された信号に対してAD変換処理を行うAD変換回路と、AD変換処理後のデジタル信号を一時的に保持するメモリ(ラインメモリ)と、を有する。水平走査部7は、列AD変換部6に対してアドレスを指定する制御信号を出力し、アドレス指定された列のデジタル信号を信号出力部8へと出力するための制御回路部である。信号出力部8は、列AD変換部6から出力された信号に対して所定の処理を行い、外部のプロトコルに準拠した信号として外部に出力する機能を備える。
【0015】
タイミング生成部4には、外部からの入力により撮像装置1000の基準駆動が与えられ、また、外部との通信によって撮像装置1000の各種設定が与えられる。タイミング生成部4は、外部から与えられた設定に基づき、垂直走査部2、水平領域制御部3、増幅部5、列AD変換部6及び水平走査部7に対して、動作タイミングを制御するタイミング信号を供給する。
【0016】
画素部1は、
図2に示すように、2次元状に配された複数の画素ブロック10,11,12,13…を有する。複数の画素ブロック10,11,12,13…の各々は、複数の行及び複数の列に渡って2次元状に配された複数の画素100と、画素ブロック内制御部14と、を有する。画素ブロック内制御部14は、垂直走査部2及び水平領域制御部3からの制御信号をもとに、その画素ブロック内制御部14が属する画素ブロックの画素100に対して、信号電荷の蓄積時間(露光時間)の制御や読み出しの制御を行う。すなわち、画素ブロック内制御部14は、垂直走査部2及び水平領域制御部3とともに画素部1を制御する制御部を構成する。
【0017】
画素100は、
図3に示すように、光電変換部PDと、転送トランジスタM1と、リセットトランジスタM3と、増幅トランジスタM4と、選択トランジスタM5と、を有する。
【0018】
光電変換部PDは、例えばフォトダイオードである。光電変換部PDを構成するフォトダイオードは、アノードが接地ノードに接続され、カソードが転送トランジスタM1のソースに接続されている。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM3のソース及び増幅トランジスタM4のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM3のソース及び増幅トランジスタM4のゲートの接続ノードは、いわゆるフローティングディフュージョン(FD)ノードである(図中、「FD」と表記する。)。FDノードに結合する容量成分は、光電変換部PDから転送される電荷の保持部として機能するとともに、電荷電圧変換部としても機能する。リセットトランジスタM3のドレイン及び増幅トランジスタM4のドレインは、電圧VDDを供給する電源ノードに接続されている。増幅トランジスタM4のソースは、選択トランジスタM5のドレインに接続されている。選択トランジスタM5のソースは、垂直出力線106に接続されている。垂直出力線106には、図示しない電流源が接続されている。
【0019】
光電変換部PDは、入射光をその光量に応じた量の電荷に変換(光電変換)するとともに、生じた電荷を蓄積する。転送トランジスタM1は、オンすることにより光電変換部PDの電荷をFDノードに転送する。FDノードは、その容量による電荷電圧変換によって、光電変換部PDから転送された電荷の量に応じた電圧となる。増幅トランジスタM4は、ドレインに電圧VDDが供給され、ソースに選択トランジスタM5を介して図示しない電流源からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM4は、FDノードの電圧に基づく信号を、選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力する。リセットトランジスタM3は、オンすることによりFDノードを電圧VDDに応じた電圧にリセットする。
【0020】
本実施形態による撮像装置1000は、例えば
図4(a)及び
図4(b)に示すように、
図1及び
図2に示す各ブロックを2つの半導体基板210,220に作り分け、これら半導体基板210,220を接合することより構成することが可能である。半導体基板210と半導体基板220とは、例えばバンプ電極や貫通電極等の導電部材を介して互いに電気的に接続されうる。
【0021】
図4(a)は、
図1及び
図2に示す各ブロックのうち、画素ブロック内制御部14のみを下側の半導体基板220に配し、その他のブロックを上側の半導体基板210に配した構成例である。画素100と画素ブロック内制御部14とを別々の半導体基板210,220に配置することで、画素ブロック内制御部14の配置に影響されることなく、複数の画素ブロックに含まれる複数の画素100を画素部1内に均等に配置することが可能である。
【0022】
図4(a)に示す構成例では、上側の半導体基板210にある垂直走査部2からの制御信号と、同じく上側の半導体基板210にある水平領域制御部3からの制御信号とが、下側の半導体基板220にある画素ブロック内制御部14へと送られる。画素ブロック内制御部14にてデコードされた制御信号は、再び上側の半導体基板210へと送られ、画素部1の画素100を駆動する。画素部1からの出力信号は、そのまま上側の半導体基板210にある増幅部5及び列AD変換部6にて処理される。その後、同じく上側の半導体基板210にある水平走査部7にてアドレス指定された列のデジタル信号が、上側の半導体基板210にある信号出力部8にて信号処理され、撮像装置1000の外部へと出力される。
【0023】
図4(b)は、
図1及び
図2に示す各ブロックのうち、画素部1の画素100のみを上側の半導体基板210に配し、画素部1の画素ブロック内制御部14及びその他のブロックを下側の半導体基板220に配した構成例である。この構成例においても、画素100と画素ブロック内制御部14とを別々の半導体基板210,220に配置している。
【0024】
図4(b)に示す構成例では、下側の半導体基板220にある垂直走査部2からの制御信号と、同じく下側の半導体基板220にある水平領域制御部3からの制御信号とが、そのまま下側の半導体基板220にある画素ブロック内制御部14へと送られる。画素ブロック内制御部14にてデコードされた制御信号は、上側の半導体基板210へと送られ、上側の半導体基板210にある画素部1の画素100を駆動する。画素部1からの出力信号は、下側の半導体基板220へと送られ、下側の半導体基板220にある増幅部5及び列AD変換部6にて処理される。その後、同じく下側の半導体基板220にある水平走査部7にてアドレス指定された列のデジタル信号が、下側の半導体基板220にある信号出力部8にて信号処理され、撮像装置1000の外部へと出力される。
【0025】
次に、画素ブロック10,11,12,13と垂直走査部2及び水平領域制御部3との間の接続例について、
図5を用いて説明する。なお、説明の簡略化のため、
図5には4つの画素ブロック10,11,12,13のみを示しているが、画素部1が有する画素ブロックの数はこれに限定されるものではない。また、
図5には画素ブロック10,11,12,13の各々が2行×2列の行列状に配された4つの画素100を有する場合を示しているが、画素ブロック10,11,12,13の各々が有する画素100の数はこれに限定されるものではない。
【0026】
垂直走査部2は、タイミング生成部4から与えられる垂直行アドレス信号(図示せず)をデコードし、制御信号ptx[n],pres[n],psel[n]を生成する。ここで、各制御信号の末尾の添え字[n]は、垂直行アドレスの値を表しており、任意の整数で構わない。
図5には、垂直行アドレス[0]~[3]に対応する制御信号として、制御信号ptx[0]~ptx[3],pres[0]~pres[3],psel[0]~psel[3]を示している。
【0027】
制御信号ptx[n],pres[n],psel[n]は、垂直行アドレス毎に配された制御線16を介して、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素100を含む画素ブロックに供給される。各々の制御線16は、第1の方向(水平方向或いは行方向)に延在して配されており、垂直行アドレスを共通にする画素ブロック内制御部14或いは画素100に共通の信号線をなしている。
【0028】
制御信号ptx[n]は、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素ブロックの画素ブロック内制御部14に与えられる。すなわち、制御信号ptx[0],ptx[1]は、垂直行アドレス[0],[1]に対応する行に配された画素ブロック10,11の画素ブロック内制御部14に与えられる。制御信号ptx[2],ptx[3]は、垂直行アドレス[2],[3]に対応する行に配された画素ブロック12,13の画素ブロック内制御部14に与えられる。
【0029】
制御信号pres[n]及び制御信号psel[n]は、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素100に与えられる。すなわち、制御信号pres[0],psel[0]は、画素ブロック10,11に属する画素100のうち、垂直行アドレス[0]に対応する行に配された画素100に与えられる。制御信号pres[1],psel[1]は、画素ブロック10,11に属する画素100のうち、垂直行アドレス[1]に対応する行に配された画素100に与えられる。制御信号pres[2],psel[2]は、画素ブロック12,13に属する画素100のうち、垂直行アドレス[2]に対応する行に配された画素100に与えられる。制御信号pres[3],psel[3]は、画素ブロック12,13に属する画素100のうち、垂直行アドレス[3]に対応する行に配された画素100に与えられる。
【0030】
水平領域制御部3は、タイミング生成部4から与えられる信号(図示せず)に基づいて、制御信号hblk_l[m],hblk_s[m]を生成する。ここで、各制御信号の末尾の添え字[m]は、水平ブロックアドレスの値を表しており、任意の整数で構わない。
図5には、水平ブロックアドレス[0]~[1]に対応する制御信号として、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0],hblk_l[1],hblk_s[1]を示している。ここで、制御信号hblk_l[m]は、長秒露光の制御時に有効になる制御信号である。また、制御信号hblk_s[m]は、短秒露光の制御時に有効になる制御信号である。
【0031】
なお、本明細書において「長秒露光」とは、画素ブロック毎に画素100の光電変換部PDの露光時間が定められる場合において、相対的に長い露光時間の間、信号電荷の蓄積を行う動作を言うものとする。また、「短秒露光」とは、画素ブロック毎に画素100の光電変換部PDの露光時間が定められる場合において、相対的に短い露光時間の間、信号電荷の蓄積を行う動作を言うものとする。本実施形態では簡略化のため露光時間が2種類である場合について説明するが、露光時間は3種類以上であってもよい。この場合、露光時間の長さの種類に応じて、水平ブロックアドレス毎の制御信号hblkの数は増加する。
【0032】
制御信号hblk_l[m],hblk_s[m]は、水平ブロックアドレス毎に配された制御線17を介して、対応する水平ブロックアドレス[m]に属する画素ブロックに供給される。各々の制御線17は、第1の方向と交差する第2の方向(垂直方向或いは列方向)に延在して配されており、水平ブロックアドレスを共通にする画素ブロックに共通の信号線をなしている。
【0033】
制御信号hblk_l[m],hblk_s[m]は、対応する水平ブロックアドレス[m]に属する画素ブロックの画素ブロック内制御部14に与えられる。すなわち、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0]は、水平ブロックアドレス[0]に属する画素ブロック10,12の画素ブロック内制御部14に与えられる。制御信号hblk_l[1],hblk_s[1]は、水平ブロックアドレス[1]に属する画素ブロック11,13の画素ブロック内制御部14に与えられる。
【0034】
画素ブロック10,11,12,13の各々の画素ブロック内制御部14は、制御信号ptx[n],hblk_l[m],hblk_s[m]に基づいて、制御信号tx[m,n]を生成する。制御信号tx[m,n]は、水平ブロックアドレス[m]及び垂直行アドレス[n]に対応する画素ブロック内の画素100に与えられる。すなわち、画素ブロック10の画素100のうち垂直行アドレス[0]に対応する行には配された画素100には、制御信号tx[0,0]が与えられる。画素ブロック10の画素100のうち垂直行アドレス[1]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[0,1]が与えられる。画素ブロック11の画素100のうち垂直行アドレス[0]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[1,0]が与えられる。画素ブロック11の画素100のうち垂直行アドレス[1]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[1,1]が与えられる。画素ブロック12の画素100のうち垂直行アドレス[2]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[0,2]が与えられる。画素ブロック12の画素100のうち垂直行アドレス[3]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[0,3]が与えられる。画素ブロック13の画素100のうち垂直行アドレス[2]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[1,2]が与えられる。画素ブロック13の画素100のうち垂直行アドレス[3]に対応する行に配された画素100には、制御信号tx[1,3]が与えられる。
【0035】
次に、画素ブロック内制御部14の構成例について、
図6を用いて説明する。画素ブロック内制御部14は、例えば
図6に示す回路により構成されうる。
【0036】
画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0],ptx[0]を入力として、制御信号tx[0,0]を出力する。制御信号tx[0,0]は、制御信号hblk_l[0]又は制御信号hblk_s[0]がハイレベルのときに制御信号ptx[0]がハイレベルになることで、ハイレベルとなる。また、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0],ptx[1]を入力として、制御信号tx[0,1]を出力する。制御信号tx[0,1]は、制御信号hblk_l[0]又は制御信号hblk_s[0]がハイレベルのときに制御信号ptx[1]がハイレベルになることで、ハイレベルとなる。
【0037】
また、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14は、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1],ptx[0]を入力として、制御信号tx[1,0]を出力する。制御信号tx[1,0]は、制御信号hblk_l[1]又は制御信号hblk_s[1]がハイレベルのときに制御信号ptx[0]がハイレベルになることで、ハイレベルとなる。また、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14は、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1],ptx[1]を入力として、制御信号tx[1,1]を出力する。制御信号tx[1,1]は、制御信号hblk_l[1]又は制御信号hblk_s[1]がハイレベルのときに制御信号ptx[1]がハイレベルになることで、ハイレベルとなる。
【0038】
画素ブロック内制御部14におけるこのような演算を実現する回路は特に限定されるものではないが、例えば
図6に示す論理回路によって構成することができる。
図6に示す論理回路は、制御信号hblk_l[m],ptx[n]の論理積をとるANDゲートと、制御信号hblk_s[m],ptx[n]の論理積をとるANDゲートと、これらの出力の論理和をとるORゲートと、を含む。ORゲートの出力が、制御信号tx[m,n]となる。
【0039】
画素ブロック内制御部14をこのように構成することで、制御信号hblk_l[m],hblk_s[m]の信号レベルに応じて、垂直走査部2から供給される制御信号ptx[n]を画素100に伝えるか否かを画素ブロック毎に制御することができる。
【0040】
このようにして、画素ブロック内制御部14により、画素100に与えられる制御信号tx[m,n]が生成される。垂直走査部2が生成する制御信号pres[n],psel[n]は、制御信号res[n],sel[n]として、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素100にそのまま与えられる。
図3に示したように、制御信号tx[m,n]は、転送トランジスタM1のゲートに与えられる。制御信号res[n]は、リセットトランジスタM3のゲートに与えられる。制御信号sel[n]は、選択トランジスタM5のゲートに与えられる。
【0041】
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、
図7乃至
図10を用いて説明する。
図7は、画素部内の各画素ブロックにおける露光時間を模式的に表した図である。
図8及び
図10は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図9は、本実施形態による撮像装置における増幅部及び列AD変換部の構成例を示す概略図である。
【0042】
ここでは、画素部1の画素ブロック毎に露光時間を制御する一例として、
図7に示すような動作を想定する。すなわち、
図7は、画素部1のうち、全体的に明るい画素ブロック10及び画素ブロック13に対しては短秒露光の制御を行い、全体的に暗い画素ブロック11及び画素ブロック12に対しては長秒露光の制御を行うことを示している。
【0043】
次に、
図7の駆動を実現するための撮像装置1000の具体的な駆動例について、
図8を用いて説明する。
図8には、これまでに説明した制御信号に加えて、撮像装置1000を駆動するための基準タイミング信号である水平同期信号HD及び垂直同期信号VDを示している。水平同期信号HDにおいて、隣接するパルスとパルスの間の期間が1HD期間である。この1HD期間において1行分の画素駆動が行われ、撮像装置の画素出力までが行われる。垂直同期信号VDにおいて、隣接するパルスとパルスの間の期間が1VD期間である。1VD期間が1フレーム分の画素出力を行う期間に相当する。
【0044】
図8には、連続する3フレーム分の動作を示している。この3フレームのうち、第1フレームが長秒露光のためのシャッタ動作を行うフレームであり、第2フレームが短秒露光のためのシャッタ動作を行うフレームであり、第3フレームが画素部1から画素信号を読み出すための読み出し動作を行うフレームである。
【0045】
まず、長秒露光のためのシャッタ動作を行うフレームである第1フレームについて説明する。第1フレームは、
図8において、概ね時刻t1から時刻t8までの期間である。
【0046】
時刻t1よりも前の期間において、制御信号pres[0],pres[1],pres[2],pres[3]はハイレベルであり、その他の制御信号はローレベルであるものとする。
【0047】
時刻t1において、外部からタイミング生成部4に供給される垂直同期信号VD及び水平同期信号HDがハイレベルとなり、第1フレームの第1HD期間が開始する。第1HD期間は、垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100を駆動する期間である。第1フレームは長秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第1HD期間では制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]が制御され、制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]はローレベルのまま保持される。
【0048】
垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、
図7に示すように、短秒露光が行われる画素ブロック10と、長秒露光が行われる画素ブロック11である。第1フレームは長秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であるため、短秒露光が行われる画素ブロック10の画素100は駆動せず、長秒露光が行われる画素ブロック11の画素100を駆動する。すなわち、時刻t1において水平同期信号HDがハイレベルになると、水平領域制御部3は、水平同期信号HDに同期して制御信号hblk_l[1]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号hblk_l[0]はローレベルのまま維持する。
【0049】
次いで、時刻t2において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[0,0]を出力する。また、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[1,0]を出力する。
【0050】
これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[0]はハイレベルであり、垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0051】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[0]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[1,0]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[1,0]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0052】
時刻t2以降、次に水平同期信号HDがハイレベルになるタイミングにおいて、第1フレームの第2HD期間が開始する。第2HD期間は、垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100を駆動する期間である。前述のように、第1フレームは長秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第2HD期間においても制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]が制御され、制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]の信号はローレベルのまま維持される。
【0053】
垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、短秒露光が行われる画素ブロック10と、長秒露光が行われる画素ブロック11である。すなわち、垂直行アドレス[0]に対応する行と垂直行アドレス[1]に対応する行とは、同じ画素ブロック10,11に属している。したがって、第2HD期間において垂直行アドレス[1]に対応する行に対して行う動作は、第1HD期間において垂直行アドレス[0]に対応する行に対して行った動作と同様である。
【0054】
具体的には、第1HD期間から引き続き、制御信号hblk_l[1]はハイレベルのまま維持され、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0],hblk_s[1]はローレベルのまま維持される。
【0055】
時刻t3において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[1]に対応する行の制御信号ptx[1]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[0,1]を出力する。また、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[1,1]を出力する。
【0056】
これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック11の垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[1]はハイレベルであり、垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0057】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[1]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[1,1]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[1,1]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック11の垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0058】
時刻t4において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第1フレームの第3HD期間が開始する。第3HD期間は、垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100を駆動する期間である。前述のように、第1フレームは長秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第3HD期間においても制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]が制御され、制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]の信号はローレベルのまま保持される。
【0059】
垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、
図7に示すように、長秒露光が行われる画素ブロック12と、短秒露光が行われる画素ブロック13である。第1フレームは長秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であるため、短秒露光が行われる画素ブロック13の画素100は駆動せず、長秒露光が行われる画素ブロック12の画素100を駆動する。すなわち、水平領域制御部3は、時刻t4において水平同期信号HDがハイレベルになることに同期して、制御信号hblk_l[0]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号hblk_l[1]をハイレベルからローレベルへと制御する。
【0060】
次いで、時刻t5において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[2]に対応する行の制御信号ptx[2]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック12の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[0,2]を出力する。また、画素ブロック13の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[1,2]を出力する。
【0061】
これにより、画素ブロック13の垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック12の垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[2]はハイレベルであり、垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0062】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[2]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック12の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[0,2]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[0,2]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック12の垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0063】
時刻t5以降、次に水平同期信号HDがハイレベルとなるタイミングにおいて、第1フレームの第4HD期間が開始する。第4HD期間は、垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100を駆動する期間である。前述のように、第1フレームは長秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第4HD期間においても制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]が制御され、制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]の信号はローレベルのまま維持される。
【0064】
垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、長秒露光が行われる画素ブロック12と、短秒露光が行われる画素ブロック13である。すなわち、垂直行アドレス[2]に対応する行と垂直行アドレス[3]に対応する行とは、同じ画素ブロック12,13に属している。したがって、第4HD期間において垂直行アドレス[3]に対応する行に対して行う動作は、第3HD期間において垂直行アドレス[2]に対応する行に対して行った動作と同様である。
【0065】
具体的には、第3HD期間から引き続き、制御信号hblk_l[0]はハイレベルのまま維持され、制御信号hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]はローレベルのまま維持される。
【0066】
時刻t6において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[3]に対応する行の制御信号ptx[3]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック12の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[0,3]を出力する。また、画素ブロック13の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[1,3]を出力する。
【0067】
これにより、画素ブロック13の垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック12の垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[3]はハイレベルであり、垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0068】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[3]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック12の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[0,3]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[0,3]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック12の垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0069】
時刻t7において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第1フレームの第4HD期間が終了する。水平領域制御部3は、制御信号hblk_l[0]をハイレベルからローレベルへと制御し、どの画素ブロックにも制御信号ptx[n]が入らないようにする。
【0070】
このようにして、第1フレームでは、画素ブロック11,12の画素100において信号電荷の蓄積を開始し、画素ブロック10,13の画素100に対しては何も行わない。
【0071】
次に、短秒露光のためのシャッタ動作を行うフレームである第2フレームについて説明する。第2フレームは、
図8において、概ね時刻t8から時刻t15までの期間である。第2フレームでは、画素ブロック11,12の画素100における信号電荷の蓄積動作を妨げることなく、画素ブロック10,13の画素100における信号電荷の蓄積を開始する。
【0072】
時刻t8において、垂直同期信号VD及び水平同期信号HDがハイレベルとなり、第2フレームの第1HD期間が開始する。第1HD期間は、垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100を駆動する期間である。第2フレームは短秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第1HD期間では制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]が制御され、制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]の信号はローレベルのまま維持される。
【0073】
垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、
図7に示すように、短秒露光が行われる画素ブロック10と、長秒露光が行われる画素ブロック11である。第2フレームは短秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であるため、長秒露光が行われる画素ブロック11の画素100は駆動せず、短秒露光が行われる画素ブロック10の画素100を駆動する。すなわち、時刻t8において水平同期信号HDがハイレベルになると、水平領域制御部3は、水平同期信号HDに同期して制御信号hblk_s[0]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号hblk_s[1]はローレベルのまま維持する。
【0074】
次いで、時刻t9において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[0,0]を出力する。また、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[1,0]を出力する。
【0075】
これにより、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[0]はハイレベルであり、垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0076】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[0]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[0,0]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[0,0]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0077】
時刻t9以降、次に水平同期信号HDがハイレベルとなるタイミングにおいて、第2フレームの第2HD期間が開始する。第2HD期間は、垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100を駆動する期間である。前述のように、第2フレームは短秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第2HD期間においても制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]が制御され、制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]の信号はローレベルのまま維持される。
【0078】
垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、短秒露光が行われる画素ブロック10と、長秒露光が行われる画素ブロック11である。すなわち、垂直行アドレス[0]に対応する行と垂直行アドレス[1]に対応する行とは、同じ画素ブロック10,11に属している。したがって、第2HD期間において垂直行アドレス[1]に対応する行に対して行う動作は、第1HD期間において垂直行アドレス[0]に対応する行に対して行った動作と同様である。
【0079】
具体的には、第1HD期間から引き続き、制御信号hblk_s[0]はハイレベルのまま維持され、制御信号hblk_s[1],hblk_l[0],hblk_l[1]はローレベルのまま維持される。
【0080】
時刻t10において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[1]に対応する行の制御信号ptx[1]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[0,1]を出力する。また、画素ブロック11の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[1,1]を出力する。
【0081】
これにより、画素ブロック11の垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック10の垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[1]はハイレベルであり、垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0082】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[1]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[0,1]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[0,1]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック10の垂直行アドレス[1]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0083】
時刻t11において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第2フレームの第3HD期間が開始する。第3HD期間は、垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100を駆動する期間である。前述のように、第2フレームは短秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第3HD期間においても制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]が制御され、制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]の信号はローレベルのまま維持される。
【0084】
垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、
図7に示すように、長秒露光が行われる画素ブロック12と、短秒露光が行われる画素ブロック13である。第2フレームは短秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であるため、長秒露光が行われる画素ブロック12の画素100は駆動せず、短秒露光が行われる画素ブロック13の画素100を駆動する。すなわち、水平領域制御部3は、時刻t11において水平同期信号HDがハイレベルになることに同期して、制御信号hblk_s[0]をハイレベルからローレベルへと制御し、制御信号hblk_s[1]をローレベルからハイレベルへと制御する。
【0085】
次いで、時刻t12において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[2]に対応する行の制御信号ptx[2]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック12の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[0,2]を出力する。また、画素ブロック13の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[1,2]を出力する。
【0086】
これにより、画素ブロック12の垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック13の垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[2]はハイレベルであり、垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0087】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[2]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック13の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[1,2]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[1,2]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック13の垂直行アドレス[2]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0088】
時刻t12以降、次に水平同期信号HDがハイレベルになるタイミングにおいて、第2フレームの第4HD期間が開始する。第4HD期間は、垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100を駆動する期間である。前述のように、第2フレームは短秒露光のためのシャッタ動作を行う期間であり、第4HD期間においても制御信号hblk_s[0],hblk_s[1]が制御され、制御信号hblk_l[0],hblk_l[1]の信号はローレベルのまま維持される。
【0089】
垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100が属する画素ブロックは、長秒露光が行われる画素ブロック12と、短秒露光が行われる画素ブロック13である。すなわち、垂直行アドレス[2]に対応する行と垂直行アドレス[3]に対応する行とは、同じ画素ブロック12,13に属している。したがって、第4HD期間において垂直行アドレス[3]に対応する行に対して行う動作は、第3HD期間において垂直行アドレス[2]に対応する行に対して行った動作と同様である。
【0090】
具体的には、第3HD期間から引き続き、制御信号hblk_s[1]はハイレベルのまま維持され、制御信号hblk_s[0],hblk_l[0],hblk_l[1]はローレベルのまま維持される。
【0091】
時刻t13において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[3]に対応する行の制御信号ptx[3]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック12の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ローレベルの制御信号tx[0,3]を出力する。また、画素ブロック13の画素ブロック内制御部14は、
図6の論理回路に従い、ハイレベルの制御信号tx[1,3]を出力する。
【0092】
これにより、画素ブロック12の垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100では何も動作しない一方、画素ブロック13の垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100では転送トランジスタM1がオンになる。このとき、制御信号pres[3]はハイレベルであり、垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100のリセットトランジスタM3もオンになっており、FDノードはリセット状態である。したがって、転送トランジスタM1がオンになることによって、光電変換部PDは、リセットトランジスタM3及び転送トランジスタM1を介して電圧VDDに応じた電位にリセットされる。
【0093】
垂直走査部2は、光電変換部PDのリセットが完了した後の所定のタイミングで、制御信号ptx[3]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、画素ブロック13の画素ブロック内制御部14から出力される制御信号tx[1,3]も、ローレベルに戻る。制御信号tx[1,3]がローレベルに遷移するタイミングが、画素ブロック13の垂直行アドレス[3]に対応する行の画素100の光電変換部PDにおいて露光期間が開始するタイミングとなる。
【0094】
時刻t14において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第2フレームの第4HD期間が終了する。水平領域制御部3は、制御信号hblk_s[1]をハイレベルからローレベルへと制御し、どの画素ブロックにも制御信号ptx[n]が入らないようにする。
【0095】
このようにして、第2フレームでは、画素ブロック10,13の画素100において信号電荷の蓄積を開始し、画素ブロック11,12の画素100に対しては何も行わない。
【0096】
次に、画素部1から画素信号を読み出すための読み出し動作のフレームである第3フレームについて説明する。第3フレームは、
図8において、概ね時刻t15から開始する。ここでは、第3フレームにおいて行う動作として、画素100の光電変換部PDに蓄積された信号電荷の量に基づく信号Voutを垂直出力線106に出力するまでの動作を説明する。
【0097】
時刻t15において、垂直同期信号VD及び水平同期信号HDがハイレベルとなり、第3フレームの第1HD期間が開始する。
【0098】
第3フレームでは、総ての画素ブロックに属する画素100からの信号の読み出しを行う。そこで水平領域制御部3は、第3フレームの全期間に渡って、制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]をハイレベルのまま維持する。これにより、制御信号ptx[n]は、垂直行アドレス[n]に対応する行に位置する総ての画素ブロックの画素ブロック内制御部14に入力されることになる。
【0099】
第1HD期間では、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100からの信号の読み出しを行う。時刻t15において水平同期信号HDがハイレベルになると、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[0]をハイレベルからローレベルへと制御し、制御信号psel[0]をローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオフになり、FDノードのリセット状態が解除される。また、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオンになり、画素100の信号を垂直出力線106に出力できる状態にする。
【0100】
時刻t16において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。前述のように、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0]はハイレベルのため、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[0,0]が入力される。また、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1]はハイレベルのため、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[1,0]が入力される。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。
【0101】
この後、垂直走査部2により垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]がローレベルに制御され、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオフになる。これにより、FDノードの電位が確定し、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。転送トランジスタM1がオフに制御されるタイミング、すなわち制御信号ptx[0]がハイレベルからローレベルへと遷移するタイミングが、垂直行アドレス[0]に対応する行における長秒露光及び短秒露光の露光期間が終了するタイミングである。
【0102】
時刻t17において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第3フレームの第1HD期間が終了するとともに、第3フレームの第2HD期間が開始する。
【0103】
時刻t17において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[0]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号psel[0]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオンになり、FDノードが再びリセット状態となる。また、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオフになり、画素100が垂直出力線106から切り離される。これにより、第1HD期間の一連の処理が終了する。
【0104】
同じく時刻t17において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[1]をハイレベルからローレベルへと制御し、制御信号psel[1]をローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオフになり、FDノードのリセット状態が解除される。また、垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオンになり、画素100の信号を垂直出力線106に出力できる状態にする。
【0105】
時刻t18において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[1]に対応する行の制御信号ptx[1]をハイレベルに制御する。前述のように、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1]はハイレベルのため、画素ブロック10の垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[0,1]が入力される。また、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1]はハイレベルのため、画素ブロック11の垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[1,1]が入力される。これにより、垂直行アドレス[1]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。
【0106】
この後、垂直走査部2により垂直行アドレス[1]に対応する行の制御信号ptx[1]がローレベルに制御され、垂直行アドレス[1]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオフになる。これにより、FDノードの電位が確定し、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。転送トランジスタM1がオフに制御されるタイミング、すなわち制御信号ptx[1]がハイレベルからローレベルへと遷移するタイミングが、垂直行アドレス[1]に対応する行における長秒露光及び短秒露光の露光期間が終了するタイミングである。
【0107】
時刻t19において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第3フレームの第2HD期間が終了するとともに、第3フレームの第3HD期間が開始する。
【0108】
時刻t19において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[1]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号psel[1]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオンになり、FDノードが再びリセット状態となる。また、垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオフになり、画素100が垂直出力線106から切り離される。これにより、第2HD期間の一連の処理が終了する。
【0109】
同じく時刻t19において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[2]をハイレベルからローレベルへと制御し、制御信号psel[2]をローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[2]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオフになり、FDノードのリセット状態が解除される。また、垂直行アドレス[2]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオンになり、画素100の信号を垂直出力線106に出力できる状態にする。
【0110】
時刻t20において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[2]に対応する行の制御信号ptx[2]をハイレベルに制御する。前述のように、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0]はハイレベルのため、画素ブロック12の垂直行アドレス[2]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[0,2]が入力される。また、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1]はハイレベルのため、画素ブロック13の垂直行アドレス[2]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[1,2]が入力される。これにより、垂直行アドレス[2]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。
【0111】
この後、垂直走査部2により垂直行アドレス[2]に対応する行の制御信号ptx[2]がローレベルに制御され、垂直行アドレス[2]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオフになる。これにより、FDノードの電位が確定し、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。転送トランジスタM1がオフに制御されるタイミング、すなわち制御信号ptx[2]がハイレベルからローレベルへと遷移するタイミングが、垂直行アドレス[2]に対応する行における長秒露光及び短秒露光の露光期間が終了するタイミングである。
【0112】
時刻t21において、水平同期信号HDがハイレベルとなり、第3フレームの第3HD期間が終了するとともに、第3フレームの第4HD期間が開始する。
【0113】
時刻t21において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[2]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号psel[2]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[2]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオンになり、FDノードが再びリセット状態となる。また、垂直行アドレス[2]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオフになり、画素100が垂直出力線106から切り離される。これにより、第3HD期間の一連の処理が終了する。
【0114】
同じく時刻t21において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[3]をハイレベルからローレベルへと制御し、制御信号psel[3]をローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[3]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオフになり、FDノードのリセット状態が解除される。また、垂直行アドレス[3]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオンになり、画素100の信号を垂直出力線106に出力できる状態にする。
【0115】
時刻t22において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[3]に対応する行の制御信号ptx[3]をハイレベルに制御する。前述のように、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0]はハイレベルのため、画素ブロック12の垂直行アドレス[3]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[0,3]が入力される。また、制御信号hblk_l[1],hblk_s[1]はハイレベルのため、画素ブロック13の垂直行アドレス[3]に対応する行に属する画素100には、ハイレベルの制御信号tx[1,3]が入力される。これにより、垂直行アドレス[3]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。
【0116】
この後、垂直走査部2により垂直行アドレス[3]に対応する行の制御信号ptx[3]がローレベルに制御され、垂直行アドレス[3]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオフになる。これにより、FDノードの電位が確定し、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。転送トランジスタM1がオフに制御されるタイミング、すなわち制御信号ptx[3]がハイレベルからローレベルへと遷移するタイミングが、垂直行アドレス[3]に対応する行における長秒露光及び短秒露光の露光期間が終了するタイミングである。
【0117】
時刻t23において、垂直走査部2は、水平同期信号HDに同期して、制御信号pres[3]をローレベルからハイレベルへと制御し、制御信号psel[3]をハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、垂直行アドレス[3]に対応する行に属する画素100のリセットトランジスタM3がオンになり、FDノードが再びリセット状態となる。また、垂直行アドレス[3]に対応する行に属する画素100の選択トランジスタM5がオフになり、画素100が垂直出力線106から切り離される。これにより、第4HD期間の一連の処理が終了する。
【0118】
撮像装置1000をこのように駆動することにより、画素ブロック毎のシャッタ動作の制御が可能となる。
【0119】
次に、画素部1から読み出された信号Voutに対して行う処理について、増幅部5及び列AD変換部6のより具体的な構成を示しつつ、
図9及び
図10を用いて説明する。
【0120】
増幅部5は、
図9に示すように、画素部1を構成する画素100の各列に対応する複数の列増幅部50を有する。列増幅部50の各々は、列アンプ500と、列アンプ501と、を有する。列アンプ500,501の入力端子は、対応する列の垂直出力線106に並列に接続されている。列アンプ500と列アンプ501とには、互いに異なるゲインを設定することができる。列アンプ500,501のゲイン設定値は、タイミング生成部4に予め設定されており、タイミング生成部4から出力される設定値r_gain1,r_gain2によって列アンプ500,501に与えられる。列アンプ500は、所定のゲイン(設定値r_gain1)で増幅した信号を信号amp1として出力端子から出力する。列アンプ501は、所定のゲイン(設定値r_gain2)で増幅した信号を信号amp2として出力端子から出力する。
【0121】
列AD変換部6は、
図9に示すように、各列の列増幅部50の列アンプ500及び列アンプ501の各々に対応して、サンプルホールド回路60と、AD変換回路61と、メモリ62と、を有する。サンプルホールド回路60は、列増幅部50の列アンプ500から出力された信号amp1(又は列アンプ501から出力された信号amp2)を一時的に保持する。AD変換回路61は、サンプルホールド回路60に保持された信号amp1(又は列アンプ501から出力された信号amp2)をアナログ信号からデジタル信号に変換する。例えば、AD変換回路61は、サンプルホールド回路60に保持された信号と別ブロックから与えられるランプ信号とを不図示のコンパレータによって比較し、これら信号の大小関係が変化するまでの時間に相当するカウント値をデジタル値として設定する。メモリ62は、AD変換回路61において変換された信号のデジタル値をビット毎に保持する。
【0122】
図10は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの第1HD期間(時刻t15から時刻t17)の動作をより詳細に示すタイミングチャートである。
図10における時刻t24,t25,t27は、
図8における時刻t15,t16,t17に相当する。
【0123】
前述のように、第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1],psel[0]はハイレベルであり、制御信号pres[0]はローレベルである。
【0124】
時刻t25から時刻t26の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[1,0]がハイレベルとなる。
【0125】
これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。そして、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。
【0126】
図10には、画素ブロック10の画素100から出力される信号をVout[0,0]、画素ブロック11の画素100から出力される信号をVout[1,0]で表している。なお、
図10では、時刻t25よりも前における信号Voutがレベルの低い状態であり、時刻t25以降における信号Voutがレベルの高い状態であるように記載している。画素ブロック10は、
図7に示すように全体的に明るいため、信号Vout[0,0]は相対的に高いレベルとなる。一方、画素ブロック11は、
図7に示すように全体的に暗いため、信号Vout[1,0]は相対的に低いレベルとなる。
【0127】
垂直出力線106から信号Voutが出力されているとき、タイミング生成部4は、列アンプ500に対して設定値r_gain1を出力し、列アンプ501に対して設定値r_gain2を出力する。ここでは一例として、設定値r_gain1は信号Voutを0.5倍するような設定であり、設定値r_gain2は信号Voutを2倍にするような設定であるものとする。
【0128】
これにより、画素ブロック10に対応する列の列アンプ500,501からは、もともと高いレベルである信号Vout[0,0]が0.5倍され、低いレベルとなった信号amp1[0,0],amp2[0,0]が出力される。一方、画素ブロック11に対応する列の列アンプ500,501からは、もともと低いレベルである信号Vout[1,0]が2倍され、高いレベルとなった信号amp1[1,0],amp2[1,0]が出力される。
【0129】
時刻t26において制御信号ptx[0]がハイレベルからローレベルに遷移した後も、制御信号pselはそのままハイレベルのため、信号Voutはそのまま保持される。同様に、信号amp1としては0.5倍の出力が保持され、信号amp2としては2倍の出力が保持される。
【0130】
このように、本実施形態では、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、出力信号を複数種類のゲインで増幅することを可能にしている。したがって、例えば、暗い(レベルの低い)信号については高いゲインで増幅し、明るい(レベルの高い)信号については低ゲインで増幅するように構成することで、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。
【0131】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図11及び
図12を用いて説明する。第1実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0132】
第1実施形態による撮像装置では、列増幅部50に2つの列アンプ500,501を設け、これら2つの列アンプ500,501から信号amp1,amp2を同時に得た。本実施形態では、列増幅部50が有する1つの列アンプのゲインを切り替え、信号amp1と信号amp2とを時分割で出力するように構成した撮像装置を説明する。
【0133】
はじめに、本実施形態による撮像装置について、
図11を用いて説明する。
図11は、本実施形態による撮像装置における増幅部の列増幅部の構成例を示す回路図である。
【0134】
本実施形態による撮像装置は、列増幅部50の構成が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置と同様である。すなわち、本実施形態による撮像装置の列増幅部50は、
図11に示すように、列アンプ500と、容量503,506,510,511と、スイッチ502,504,505,507,508,509と、を有している。
【0135】
垂直出力線106には、スイッチ502の一方の端子及びスイッチ505の一方の端子が接続されている。スイッチ502の他方の端子には、容量503の一方の端子及びスイッチ504の一方の端子が接続されている。容量503の他方の端子は、接地ノードに接続されている。スイッチ505の他方の端子及びスイッチ504の他方の端子には、容量506の一方の端子が接続されている。容量506の他方の端子には、スイッチ507の一方の端子、スイッチ508の一方の端子、スイッチ509の一方の端子及び列アンプ500の一方の入力端子が接続されている。列アンプ500の他方の入力端子には、電圧vc0rが供給される。スイッチ507の他方の端子には、容量511の一方の端子が接続されている。スイッチ508の他方の端子には、容量510の一方の端子が接続されている。列増幅部50の出力端子でもある列アンプ500の出力端子には、スイッチ509の他方の端子、容量510の他方の端子及び容量511の他方の端子が接続されている。列アンプ500は、例えば差動増幅器であり、上記一方の端子は例えば反転入力端子であり、上記他方の入力端子は例えば非反転入力端子である。
【0136】
スイッチ502は、制御信号pshnによりその接続状態(導通・非導通)が制御される。スイッチ504は、制御信号pswによりその接続状態が制御される。スイッチ505は、制御信号pshsによりその接続状態が制御される。スイッチ507は、制御信号p_gain1によりその接続状態が制御される。スイッチ508は、制御信号p_gain2によりその接続状態が制御される。スイッチ509は、制御信号pc0rによりその接続状態が制御される。ここでは、スイッチ502,504,505,507,508,509は、対応する制御信号がハイレベルのときにオン(導通状態)になり、対応する制御信号がローレベルのときにオフ(非導通状態)になるものとする。
【0137】
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、
図12を用いて説明する。
図12は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0138】
本実施形態による撮像装置の駆動方法は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの動作が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置の駆動方法と基本的には同じである。本実施形態において初出の制御信号pc0r,pshs,pshn,psw,p_gain1,p_gain2は、第1フレーム及び第2フレームの期間の間はローレベルで維持される。
【0139】
図12は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの第1HD期間に対応している。
図12における時刻t28,t32が、
図8における時刻t15,t16に相当する。
【0140】
前述のように、第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、図示しない制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]はハイレベルである。また、制御信号pres[0]はローレベルであり、制御信号psel[0]はハイレベルである。
【0141】
まず、制御信号ptx[0]をハイレベルにする時刻t32よりも前の時刻t29において、タイミング生成部4は、制御信号pc0r,pshs,pshn,pswをローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ509,505,502,504がオンになる。
【0142】
スイッチ509は、列アンプ500のリセットスイッチである。スイッチ509がオンになることにより、列アンプ500は一方の入力端子と出力端子とが接続されてボルテージフォロワを構成し、列アンプ500の出力電圧が電圧vc0rにリセットされる。この際、スイッチ509とスイッチ505,502,504とを同時にオンにすることで、容量503,506も同じく電圧vc0rにリセットされる。
【0143】
次いで、時刻t30において、タイミング生成部4は、制御信号pc0rをハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、スイッチ509がオフとなり、列アンプ500のリセット状態が解除される。この際、タイミング生成部4は、制御信号pshs,pshn,pswはハイレベルのまま維持する。これにより、垂直出力線106に出力された信号Vout(N信号)が、容量503,506に保持される。
【0144】
次いで、時刻t31において、タイミング生成部4は、制御信号pshs,pshn,pswをハイレベルからローレベルへと制御する。これにより、容量503,506へのN信号の保持が完了する。
【0145】
次いで、時刻t32から時刻33の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[1,0]がハイレベルとなる。
【0146】
これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。そして、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号Vout[0,0]が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して対応する列の垂直出力線106に出力される。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。そして、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号Vout[1,0]が、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して対応する列の垂直出力線106に出力される。
【0147】
また、同じく時刻t32から時刻t33の期間において、タイミング生成部4は、制御信号pshsをローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ505がオンになり、垂直出力線106と容量506の一方の端子とが接続される。これにより、画素ブロック10の画素100に接続された列増幅部50においては、画素100からの信号Vout[0,0]が変化成分として、N信号が保持された容量506を介して列アンプ500に入力される。また、画素ブロック11の画素100に接続された列増幅部50においては、画素100からの信号Vout[1,0]が変化成分として、N信号が保持された容量506を介して列アンプ500に入力される。
【0148】
また、時刻t32から時刻t34の期間において、タイミング生成部4は、制御信号p_gain1をローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ507がオンになり、列アンプ500の一方の入力端子と出力端子とを容量511を介して接続する第1の帰還路が形成される。これにより、画素ブロック10の画素100に接続された列増幅部50の列アンプ500は、画素100からの信号Vout[0,0]をC0/C1倍のゲインで増幅した信号amp[0,0]を出力する。また、画素ブロック11の画素100に接続された列増幅部50の列アンプ500は、画素100からの信号Vout[1,0]をC0/C1倍のゲインで増幅した信号amp[1,0]を出力する。
【0149】
ここで、C0は容量506の容量値であり、C1は容量511の容量値である。容量比C0/C1倍が0.5の場合、列アンプ500から出力される信号amp[0,0]が
図10のamp1[0,0]に対応し、列アンプ500から出力される信号amp[1,0]が
図10のamp1[1,0]に対応する。
【0150】
次いで、時刻t34から時刻t35の期間において、タイミング生成部4は、制御信号pc0rをローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ509がオンになり、列アンプ500の出力電圧(信号amp[0,0],amp[1,0])が電圧vc0rにリセットされるとともに、容量506も同じく電圧vc0rにリセットされる。
【0151】
次いで、時刻t35から時刻t36の期間において、タイミング生成部4は、制御信号pswをローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ504がオンになり、容量503に保持されていたN信号が、容量506に転送される。
【0152】
次いで、時刻t37において、タイミング生成部4は、制御信号pshsをローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ505がオンになり、垂直出力線106と容量506の一方の端子とが接続される。これにより、画素ブロック10の画素100に接続された列増幅部50においては、画素100からの信号Vout[0,0]が変化成分として、N信号が保持された容量506を介して列アンプ500に入力される。また、画素ブロック11の画素100に接続された列増幅部50においては、画素100からの信号Vout[1,0]が変化成分として、N信号が保持された容量506を介して列アンプ500に入力される。
【0153】
また、同じく時刻t37において、タイミング生成部4は、制御信号p_gain2をローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、スイッチ508がオンになり、列アンプ500の一方の入力端子と出力端子とを容量510を介して接続する第2の帰還路が形成される。これにより、画素ブロック10の画素100に接続された列増幅部50の列アンプ500は、画素100からの信号Vout[0,0]をC0/C2倍のゲインで増幅した信号amp[0,0]を出力する。また、画素ブロック11の画素100に接続された列増幅部50の列アンプ500は、画素100からの信号Vout[1,0]をC0/C2倍のゲインで増幅した信号amp[1,0]を出力する。
【0154】
ここで、C0は容量506の容量値であり、C2は容量510の容量値である。容量比C0/C2倍が2の場合、列アンプ500から出力される信号amp[0,0]が
図10のamp2[0,0]に対応し、列アンプ500から出力される信号amp[1,0]が
図10のamp2[1,0]に対応する。
【0155】
このように、本実施形態によれば、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、列アンプ500のゲインを時分割で切り替える場合においても、出力信号を複数種類のゲインで増幅することが可能である。したがって、例えば、暗い(レベルの低い)信号については高いゲインで増幅し、明るい(レベルの高い)信号については低ゲインで増幅するように構成することで、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。また、本実施形態の構成によれば、列増幅部50が同じアンプ回路を複数備える必要がないため、増幅部5の回路面積が増大するのを防ぐこともできる。
【0156】
なお、第1実施形態では、信号amp1と信号amp2とを同時に出力しているため、列AD変換部6はサンプルホールド回路60、AD変換回路61及びメモリ62を各列に2組備えている必要がある。これに対し、本実施形態では、信号amp1と信号amp2とを時分割で出力するため、サンプルホールド回路60及びAD変換回路61は、各列に少なくとも1つ備えていればよい。各列のメモリ62は、信号amp1のデジタル値を保持するメモリと、信号amp2のデジタル値を保持するメモリと、により構成することができる。
【0157】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図13乃至
図17を用いて説明する。第1及び第2実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0158】
はじめに、本実施形態による撮像装置の構造について、
図13乃至
図16を用いて説明する。
図13は、本実施形態による撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図14は、本実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。
図15は、本実施形態による撮像装置における画素ブロックと垂直走査部及び水平領域制御部との間の接続例を示す回路図である。
図16は、本実施形態による撮像装置における画素ブロック内制御部の構成例を示す回路図である。
【0159】
本実施形態による撮像装置1000は、
図13に示すように、画素部1と、垂直走査部2と、水平領域制御部3と、タイミング生成部4と、列AD変換部6と、水平走査部7と、信号出力部8と、を有する。画素部1は、2次元状に配された複数の画素ブロック10,…を有する。複数の画素ブロック10,…の各々は、複数の行及び複数の列に渡って2次元状に配された複数の画素100と、画素ブロック内制御部14と、増幅部15と、を有する。すなわち、本実施形態による撮像装置1000は、第1実施形態による撮像装置1000における増幅部5の機能の少なくとも一部を画素100の増幅部15が備えている点で、第1実施形態による撮像装置1000とは異なっている。
【0160】
すなわち、本実施形態による撮像装置1000の画素100は、
図14に示すように、光電変換部PDと、転送トランジスタM11,M12,M21,M22と、リセットトランジスタM31,M32と、増幅トランジスタM41,M42と、を含む。また、本実施形態による撮像装置1000の画素100は、選択トランジスタM51,M52と、容量107,109,111,113と、を更に含む。増幅トランジスタM41,M42及び容量109,113が、画素100の増幅部15を構成している。
【0161】
光電変換部PDは、例えばフォトダイオードである。光電変換部PDを構成するフォトダイオードは、アノードが接地ノードに接続され、カソードが転送トランジスタM11,M12のソースに接続されている。
【0162】
転送トランジスタM11のドレインは、転送トランジスタM21のソースに接続されている。転送トランジスタM11のドレインと転送トランジスタM21のソースとの間の接続ノードは、電荷の保持部として機能する容量成分を含む。この容量成分を、
図14には容量107で表している。転送トランジスタM21のドレインは、リセットトランジスタM31のソース及び増幅トランジスタM41のゲートに接続されている。転送トランジスタM21のドレイン、リセットトランジスタM31のソース及び増幅トランジスタM41のゲートの接続ノードは、FDノードFD1である。FDノードFD1に結合する容量成分は、容量107から転送される電荷の保持部として機能するとともに、電荷電圧変換部としても機能する。この容量成分を、
図14には容量109で表している。リセットトランジスタM31のドレイン及び増幅トランジスタM41のドレインは、電圧VDDを供給する電源ノードに接続されている。増幅トランジスタM41のソースは、選択トランジスタM51のドレインに接続されている。選択トランジスタM51のソースは、垂直出力線106に接続されている。垂直出力線106には、図示しない電流源が接続されている。
【0163】
転送トランジスタM12のドレインは、転送トランジスタM22のソースに接続されている。転送トランジスタM12のドレインと転送トランジスタM22のソースとの間の接続ノードは、電荷の保持部として機能する容量成分を含む。この容量成分を、
図14には容量111で表している。一例では、容量111の容量値は、容量107の容量値と同じである。転送トランジスタM22のドレインは、リセットトランジスタM32のソース及び増幅トランジスタM42のゲートに接続されている。転送トランジスタM22のドレイン、リセットトランジスタM32のソース及び増幅トランジスタM42のゲートの接続ノードは、FDノードFD2である。FDノードFD2に結合する容量成分は、容量111から転送される電荷の保持部として機能するとともに、電荷電圧変換部としても機能する。この容量成分を、
図14には容量113で表している。なお、容量113の容量値は、容量109の容量値よりも大きい。リセットトランジスタM32のドレイン及び増幅トランジスタM42のドレインは、電圧VDDを供給する電源ノードに接続されている。増幅トランジスタM42のソースは、選択トランジスタM52のドレインに接続されている。選択トランジスタM52のソースは、垂直出力線117に接続されている。垂直出力線117には、図示しない電流源が接続されている。
【0164】
光電変換部PDは、入射光をその光量に応じた量の電荷に変換(光電変換)するとともに、生じた電荷を蓄積する。転送トランジスタM11は、オンすることにより光電変換部PDの電荷を容量107に転送する。転送トランジスタM21は、オンすることにより容量107の電荷をFDノードFD1の容量109に転送する。FDノードFD1は、容量109による電荷電圧変換によって、容量107から転送された電荷の量に応じた電圧となる。増幅トランジスタM41は、ドレインに電圧VDDが供給され、ソースに選択トランジスタM51を介して図示しない電流源からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM41は、FDノードFD1の電圧に基づく信号を、選択トランジスタM51を介して垂直出力線106に出力する。リセットトランジスタM31は、オンすることによりFDノードFD1の容量109を電圧VDDに応じた電圧にリセットする。
【0165】
転送トランジスタM12は、オンすることにより光電変換部PDの電荷を容量111に転送する。転送トランジスタM22は、オンすることにより容量111の電荷をFDノードFD2の容量113に転送する。FDノードFD2は、容量113による電荷電圧変換によって、容量111から転送された電荷の量に応じた電圧となる。増幅トランジスタM42は、ドレインに電圧VDDが供給され、ソースに選択トランジスタM52を介して図示しない電流源からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM42は、FDノードFD2の電圧に基づく信号を、選択トランジスタM52を介して垂直出力線117に出力する。リセットトランジスタM32は、オンすることによりFDノードFD2の容量113を電圧VDDに応じた電圧にリセットする。
【0166】
前述のように、FDノードFD1に結合される容量109の容量値と、FDノードFD2に結合される容量113の容量値とは、互いに異なっている。つまり、増幅トランジスタM41を含んで構成される増幅部のゲインと、増幅トランジスタM42を含んで構成される増幅部のゲインとは、互いに異なっている。
【0167】
転送トランジスタM11,M12は、ゲートに供給される共通の制御信号m_tx[m,n]によって制御される。転送トランジスタM21,M22は、ゲートに供給される共通の制御信号tx[m,n]によって制御される。リセットトランジスタM31,M32は、ゲートに供給される共通の制御信号res[n]によって制御される。選択トランジスタM51,M52は、ゲートに供給される共通の制御信号sel[n]によって制御される。
【0168】
図15は、画素部1の画素ブロック10,11と垂直走査部2及び水平領域制御部3との間の接続を示している。
図5に示す第1実施形態の場合と異なるのは、垂直走査部2が、制御信号pm_tx[n]を更に供給するように構成されている点である。制御信号pm_tx[n]は、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素ブロックの画素ブロック内制御部14に供給され、画素100に供給される制御信号m_tx[n]の生成に利用される。
【0169】
各画素ブロックの画素ブロック内制御部14は、例えば
図16に示す回路により構成されうる。
図16には一例として、画素ブロック10に設けられた画素ブロック内制御部14の構成例を示している。
【0170】
画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、垂直行アドレス[0]に対応する行に配された画素100に対して、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0],ptx[0]を入力として、制御信号tx[0,0]を出力する。制御信号tx[0,0]は、制御信号hblk_l[0]又は制御信号hblk_s[0]がハイレベルのときに制御信号ptx[0]がハイレベルになることで、ハイレベルとなる。また、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、垂直行アドレス[0]に対応する行に配された画素100に対して、制御信号hblk_l[0],hblk_s[0],pm_tx[0]を入力として、制御信号m_tx[0,0]を出力する。制御信号m_tx[0,0]は、制御信号hblk_l[0]又は制御信号hblk_s[0]がハイレベルのときに制御信号pm_tx[0]がハイレベルになることで、ハイレベルとなる。垂直行アドレス[1]に対応する行に配された画素100に対しても同様である。
【0171】
画素ブロック内制御部14におけるこのような演算を実現する回路は特に限定されるものではないが、例えば
図16に示す論理回路によって構成することができる。
図16に示す論理回路は、制御信号hblk_l[0],ptx[0]の論理積をとるANDゲートと、制御信号hblk_s[0],ptx[0]の論理積をとるANDゲートと、これらの出力の論理和をとるORゲートと、を含む。ORゲートの出力が、制御信号tx[0,0]となる。また、
図16に示す論理回路は、制御信号hblk_l[0],pm_tx[0]の論理積をとるANDゲートと、制御信号hblk_s[0],pm_tx[0]の論理積をとるANDゲートと、これらの出力の論理和をとるORゲートと、を含む。ORゲートの出力が、制御信号m_tx[0,0]となる。
【0172】
このようにして、画素ブロック内制御部14により、画素100に与えられる制御信号tx[m,n],m_tx[m,n]が生成される。垂直走査部2が生成する制御信号pres[n],psel[n]は、制御信号res[n],sel[n]として、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素100にそのまま与えられる。
図14に示したように、制御信号m_tx[m,n]は、転送トランジスタM11,M12のゲートに与えられる。制御信号tx[m,n]は、転送トランジスタM21,M22のゲートに与えられる。制御信号res[n]は、リセットトランジスタM31,M32のゲートに与えられる。制御信号sel[n]は、選択トランジスタM51,M52のゲートに与えられる。
【0173】
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、
図17を用いて説明する。
図17は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0174】
本実施形態による撮像装置の駆動方法は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの動作が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置の駆動方法と基本的には同じである。第1フレーム及び第2フレームにおいて、制御信号pm_tx[n]は、制御信号ptx[n]と同時に駆動すればよい。制御信号ptx[n],pm_tx[n]がハイレベルのときに制御信号pres[n]をハイレベルに制御することで、FDノードFD1,FD2のリセットと同時に光電変換部PDまでリセットすることが可能である。
【0175】
図17は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの第1HD期間に対応している。前述のように、第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、図示しない制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]はハイレベルである。また、制御信号pres[0]はローレベルであり、制御信号psel[0]はハイレベルである。
【0176】
時刻t38から時刻t39の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号pm_tx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号m_tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号m_tx[1,0]がハイレベルとなる。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、転送トランジスタM11,M12がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷が容量107,111へとそれぞれ転送される。
【0177】
次いで、時刻t40から時刻t41の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[1,0]がハイレベルとなる。
【0178】
これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM21がオンになり、容量107に蓄積されていた信号電荷がFDノードFD1へと転送される。そして、FDノードFD1は、容量109の容量値と転送された信号電荷の量とに応じた電圧となる。これにより、FDノードFD1に転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM41及び選択トランジスタM51を介して垂直出力線106に出力される。
【0179】
また、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM22がオンになり、容量111に蓄積されていた信号電荷がFDノードFD2へと転送される。そして、FDノードFD2は、容量113の容量値と転送された信号電荷の量とに応じた電圧となる。これにより、FDノードFD2に転送された信号電荷の量に応じた信号が、増幅トランジスタM42及び選択トランジスタM52を介して垂直出力線117に出力される。
【0180】
このとき、FDノードFD2に結合された容量113の容量値はFDノードFD1に結合された容量109の容量値よりも大きいため、信号電荷の転送後におけるFDノードFD2の電圧は信号電荷の転送後におけるFDノードFD1の電圧よりも小さくなる。すなわち、増幅トランジスタM41を含む増幅部のゲインは、増幅トランジスタM42を含む増幅部のゲインよりも大きくなる。
【0181】
これにより、画素ブロック10の画素100に接続された垂直出力線106から出力される信号Vout1[0,0]のレベルは、垂直出力線117から出力される信号Vout2[0,0]のレベルよりも大きくなる。同様に、画素ブロック11の画素100に接続された垂直出力線106から出力される信号Vout1[1,0]のレベルは、垂直出力線117から出力される信号Vout2[1,0]のレベルよりも大きくなる。
【0182】
このように、本実施形態によれば、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、画素100内の増幅部のゲインを時分割で切り替える場合においても、出力信号を複数種類のゲインで増幅することが可能である。したがって、例えば、暗い(レベルの低い)信号については高いゲインで増幅し、明るい(レベルの高い)信号については低ゲインで増幅するように構成することで、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。また、本実施形態においては、単純なゲインアップというだけではなく、FD容量が小さい方からの出力に対してはランダムノイズの低減効果を期待することができ、FD容量が大きい方からの出力に対しては飽和電子数の拡大効果を期待することができる。
【0183】
なお、本実施形態では画素部1と列AD変換部6との間に増幅部5を設けていないが、増幅部5を更に設けてもよい。この場合の増幅部5は、第1実施形態で示したようなゲインの切り替えが可能な増幅部であってもよいし、ゲインが一定の増幅部であってもよい。
【0184】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図18乃至
図21を用いて説明する。第1乃至第3実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0185】
はじめに、本実施形態による撮像装置の構造について、
図18乃至
図20を用いて説明する。
図18は、本実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。
図19は、本実施形態による撮像装置における画素ブロックと垂直走査部及び水平領域制御部との間の接続例を示す回路図である。
図20は、本実施形態による撮像装置における画素ブロック内制御部の構成例を示す回路図である。
【0186】
本実施形態による撮像装置の全体構成は、
図13に示す第3実施形態による撮像装置の全体構成と同様である。本実施形態による撮像装置は、画素100の構成が、第3実施形態による撮像装置とは異なっている。すなわち、本実施形態による撮像装置の画素100は、
図18に示すように、FDノードFD1とリセットトランジスタM31のソースとの間に、MOSトランジスタM61,M62を更に有している。
【0187】
MOSトランジスタM61のソースは、FDノードFD1に接続されている。MOSトランジスタM61のドレインは、MOSトランジスタM62のソースに接続されている。MOSトランジスタM62のドレインは、リセットトランジスタM31のソースに接続されている。MOSトランジスタM61のゲートには、垂直走査部2から制御信号fdinc1[n]が与えられる。MOSトランジスタM61は、制御信号fdinc1[n]がハイレベルのときにオンになり、制御信号fdinc1[n]がローレベルのときにオフになる。MOSトランジスタM62のゲートには、画素ブロック内制御部14から制御信号fdinc2[m,n]が与えられる。MOSトランジスタM62は、制御信号fdinc2[m,n]がハイレベルのときにオンになり、制御信号fdinc2[m,n]がローレベルのときにオフになる。
【0188】
画素100をこのように構成することにより、FDノードFD1のFD容量を可変にすることができる。すなわち、制御信号fdinc1[n]がハイレベルで制御信号fdinc2[m,n],res[n]がローレベルのときには、MOSトランジスタM61がオンすることによる容量をFDノードFD1のFD容量に加算することができる。また、制御信号fdinc1[n],制御信号fdinc2[m,n]がハイレベルで制御信号res[n]がローレベルのときには、MOSトランジスタM61,M62の両方がオンすることによる容量をFDノードFD1のFD容量に加算することができる。つまり、制御信号fdinc1[n],fdinc2[m,n]により、FDノードFD1のFD容量の大小を制御することができる。
【0189】
また、本実施形態においては、選択トランジスタM51,M52が、個別の制御信号sel1[n],sel2[n]により制御されるように構成されている。選択トランジスタM51,M52を介して出力される信号は、いずれも垂直出力線106に出力される。すなわち、本実施形態では、選択トランジスタM51を介して出力される信号Voutと、選択トランジスタM52を介して出力される信号Voutとを、時分割で出力する。
【0190】
図19は、画素部1の画素ブロック10,11と垂直走査部2及び水平領域制御部3との間の接続を示している。ここでは、第3実施形態との相違点を中心に、本実施形態による撮像装置における垂直走査部2及び水平領域制御部3を説明する。
【0191】
本実施形態による撮像装置においては、垂直走査部2が、制御信号pfdinc1[n]を更に供給するように構成されている。また、垂直走査部2は、選択トランジスタM51,M52に共通の制御信号psel[n]ではなく、選択トランジスタM51には制御信号psel1[n]を供給し、選択トランジスタM52には制御信号psel2[n]を供給するように構成されている。また、本実施形態による撮像装置においては、水平領域制御部3が、制御信号hfdinc2[m]を更に供給するように構成されている。
【0192】
画素ブロック内制御部14は、制御信号ptx[n],pm_tx[n],pfdinc1[n],hblk_l[m],hblk_s[m],hfdinc2[m]に基づき、制御信号tx[m,n],m_tx[m,n],fdinc2[m,n]を生成する。制御信号pres[n],psel1[n],psel2[n]は、制御信号res[n],sel1[n],sel2[n]として画素100にそのまま供給される。制御信号pfdinc1[n]は、画素ブロック内制御部14に供給されるほか、制御信号fdinc1[n]として画素100にそのまま供給される。
【0193】
各画素ブロックの画素ブロック内制御部14は、例えば
図20に示す回路により構成されうる。
図20には一例として、画素ブロック10に設けられた画素ブロック内制御部14の構成例を示している。
【0194】
画素ブロック内制御部14は、制御信号hfdinc2[m],pfdinc1[n]を入力として、制御信号fdinc2[m,n]を更に出力するように構成されているほかは、
図16に示す第3実施形態による撮像装置と同様である。例えば、画素ブロック10の画素ブロック内制御部14は、垂直行アドレス[0]に対応する行に配された画素100に対して、制御信号hfdinc2[0],pfdinc1[0]を入力として、制御信号fdinc2[0,0]を出力する。制御信号fdinc2[0,0]は、制御信号hfdinc2[0]及び制御信号pfdinc1[0]の双方がハイレベルのとき、ハイレベルとなる。すなわち、制御信号pfdinc1[0]をもとに、制御信号hfdinc2[0]を画素100に出力するかどうかを制御する。垂直行アドレス[1]に対応する行に配された画素100に対しても同様である。
【0195】
画素ブロック内制御部14におけるこのような演算を実現する回路は特に限定されるものではないが、例えば
図20に示す論理回路によって構成することができる。
図20に示す論理回路は、
図16に示す論理回路に加え、制御信号hfdinc2[0],pfdinc1[0]の論理積をとるANDゲートを含む。ANDゲートの出力が、制御信号fdinc2[0,0]となる。
【0196】
このようにして、画素ブロック内制御部14により、画素100に与えられる制御信号tx[m,n],m_tx[m,n],fdinc2[m,n]が生成される。垂直走査部2が生成する制御信号psel1[n],psel2[n],pfdinc1[n]は、制御信号sel1[n],sel2[n],fdinc1[n]として、垂直行アドレス[n]に対応する行に配された画素100にそのまま与えられる。
図18に示したように、制御信号m_tx[m,n]は、転送トランジスタM11,M12のゲートに与えられる。制御信号tx[m,n]は、転送トランジスタM21,M22のゲートに与えられる。制御信号res[n]は、リセットトランジスタM31,M32のゲートに与えられる。制御信号sel1[n]は、選択トランジスタM51のゲートに与えられる。制御信号sel2[n]は、選択トランジスタM52のゲートに与えられる。制御信号fdinc1[n]は、MOSトランジスタM61のゲートに与えられる。制御信号fdinc2[m,n]は、MOSトランジスタM62のゲートに与えられる。
【0197】
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、
図21を用いて説明する。
図21は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0198】
本実施形態による撮像装置の駆動方法は、第3実施形態と同様、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの動作が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置の駆動方法と基本的には同じである。すなわち、第1フレーム及び第2フレームにおいて、制御信号pm_tx[n]は、制御信号ptx[n]と同時に駆動すればよい。制御信号ptx[n],pm_tx[n]がハイレベルのときに制御信号pres[n]をハイレベルに制御することで、FDノードFD1,FD2のリセットと同時に光電変換部PDまでリセットすることが可能である。
【0199】
図21は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの第1HD期間に対応している。前述のように、第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、図示しない制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]はハイレベルである。また、制御信号pres[0]はローレベルであり、制御信号psel[0]はハイレベルである。第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、制御信号hfdinc2[0]はローレベルに設定し、制御信号hfdinc2[1]はハイレベルに設定する。
【0200】
時刻t42から時刻t43の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号pm_tx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号m_tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号m_tx[1,0]がハイレベルとなる。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM11,M12がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷が容量107,111へとそれぞれ転送される。
【0201】
次いで、時刻t44から時刻t45の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[1,0]がハイレベルとなる。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM21,M22がオンになり、容量107,111に蓄積されていた信号電荷がFDノードFD1,FD2へとそれぞれ転送される。
【0202】
また、時刻t44から時刻t46の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号pfdinc1[0],psel1[0]をハイレベルに制御する。これにより、制御信号fdinc1[0],sel1[0]がハイレベルとなり、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、MOSトランジスタM61及び選択トランジスタM51がオンになる。
【0203】
この際、制御信号hfdinc2[0]はローレベルのため、制御信号fdinc2[0,0]はローレベルとなり、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、MOSトランジスタM62はオフになる。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、FDノードFD1の容量値は、容量107の容量値に対して、オン状態におけるMOSトランジスタM61の容量の分、増加する。こうして、増加したFDノードFD1の容量値と転送された信号電荷の量とに応じた信号Vout[0,0]が、増幅トランジスタM41及び選択トランジスタM51を介して垂直出力線106に出力される。このときの信号Vout[0,0]のレベルは、FDノードFD1に結合される容量が容量107のみの場合よりも低下する。
【0204】
また、制御信号hfdinc2[1]はハイレベルのため、制御信号fdinc2[1,0]はハイレベルとなり、画素ブロック11の垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100において、MOSトランジスタM62はオンになる。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[1]に対応する行に属する画素100において、FDノードFD1の容量値は、容量107の容量値に対して、オン状態におけるMOSトランジスタM61,M62の容量の分、増加する。こうして、増加したFDノードFD1の容量値と転送された信号電荷の量とに応じた信号が、増幅トランジスタM41及び選択トランジスタM51を介して垂直出力線106に出力される。このときの信号Vout[1,0]のレベルは、FDノードFD1に結合される容量が容量107及びMOSトランジスタM61がオンのときの容量の場合よりも低下する。
【0205】
このように、本実施形態においては、制御信号hfdinc2[m]のレベルにより、FDノードFD1の容量値の増減を画素ブロック単位で制御することができる。
【0206】
次いで、時刻t47において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号psel2[0]をハイレベルに制御する。これにより、制御信号sel2[0]がハイレベルとなり、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100において、選択トランジスタM52がオンになる。
【0207】
このとき、FDノードFD2には、時刻t44から時刻t45の期間において、容量111に蓄積されていた信号電荷が転送されている。したがって、画素ブロック10の画素100からは、FDノードFD2に転送された信号電荷の量に応じた信号Vout[0,0]が、増幅トランジスタM42及び選択トランジスタM52を介して垂直出力線106に出力される。このときの信号Vout[0,0]のレベルは、FDノードFD2の容量値が小さいことにより、時刻t44から時刻t46の期間における信号Vout[0,0]のレベルよりも増加する。
【0208】
また、画素ブロック11の画素100からは、FDノードFD2に転送された信号電荷の量に応じた信号Vout[1,0]が、増幅トランジスタM42及び選択トランジスタM52を介して垂直出力線106に出力される。このときの信号Vout[0,0]のレベルは、FDノードFD2の容量値が小さいことにより、時刻t44から時刻t46の期間における信号Vout[1,0]のレベルよりも増加する。
【0209】
このように、本実施形態によれば、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、画素内の増幅部のゲインを時分割で切り替える場合においても、出力信号を複数種類のゲインで増幅することが可能である。したがって、例えば、暗い(レベルの低い)信号については高いゲインで増幅し、明るい(レベルの高い)信号については低ゲインで増幅するように構成することで、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。また、本実施形態の構成によれば、列回路を列毎に複数備える必要がないため、回路面積が増大するのを防ぐこともできる。
【0210】
本実施形態の変形例では、
図18の転送トランジスタM12、容量111、転送トランジスタM22、リセットトランジスタM32、増幅トランジスタM42、選択トランジスタM52及びFDノードFD2は削除される。これに伴って、これらの素子に接続された配線、ならびに、これらの素子へ制御信号を供給するための回路は削除される。また、容量107、転送トランジスタM21は削除される。そのため、転送トランジスタM11が、光電変換部PDとFDノードFD1とを接続する。
【0211】
さらに、1つの画素ブロック10に含まれる複数の画素100において、MOSトランジスタM61が互いに独立に制御される。また、1つの画素ブロック10に含まれる複数の画素100において、MOSトランジスタM62が互いに独立に制御される。
【0212】
このような構成によれば、1つのフレームにおいて、1つの画素ブロック10が互いに異なるゲインで読み出された複数の信号を出力することができる。なお、この変形例においては、1つのフレームにおいて、1つの画素100の信号が複数のゲインで増幅される必要はない。
【0213】
変形例においても、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、適切なゲインで信号を増幅することが可能である。
【0214】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図22及び
図23を用いて説明する。第1乃至第4実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0215】
はじめに、本実施形態による撮像装置の構造について、
図22を用いて説明する。
図22は、本実施形態による撮像装置における増幅部及び列AD変換部の構成例を示す概略図である。
【0216】
本実施形態による撮像装置は、増幅部5及び列AD変換部6の構成が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置と基本的には同様である。すなわち、本実施形態による撮像装置は、
図22に示すように、時間の経過に対する信号レベルの変化の割合が異なる複数のランプ信号を供給するランプ信号生成部25を更に備えている。ランプ信号生成部25は、ランプ信号発生器51とランプ信号発生器52とを有する。列AD変換部6は、画素部1を構成する画素100の各列に対応して、AD変換回路61と、2つのメモリ62と、を有する。AD変換回路61は、比較器600,603と、ラッチ回路601,604と、保持部602,605と、を有する。
【0217】
各列の垂直出力線106は、比較器600の一方の入力端子と、比較器603の一方の入力端子とに接続されている。比較器600の出力端子は、ラッチ回路601の入力端子に接続されている。ラッチ回路601の出力端子は、保持部602の入力端子に接続されている。比較器603の出力端子は、ラッチ回路604の入力端子に接続されている。ラッチ回路604の出力端子は、保持部605の入力端子に接続されている。保持部602,605の出力端子は、メモリ62にそれぞれ接続されている。ランプ信号発生器51は、各列のAD変換回路61の比較器600の他方の入力端子に接続されている。ランプ信号発生器52は、各列のAD変換回路61の比較器603の他方の入力端子に接続されている。
【0218】
画素部1から各列の垂直出力線106を介して出力される信号Voutは、各列のAD変換回路61の比較器600の一方の入力端子と、各列のAD変換回路61の比較器603の一方の入力端子とに入力される。
【0219】
ランプ信号発生器51はランプ信号ramp_sig1を出力し、ランプ信号発生器52はランプ信号ramp_sig2を出力する。ランプ信号ramp_sig1,ramp_sig2は、時間の経過とともに信号のレベルが変化する信号である。ここでは一例として、ランプ信号ramp_sig1よりもランプ信号ramp_sig2の方が時間の経過に対する信号レベルの変化の割合(傾き)が大きいものとする。ランプ信号発生器51から出力されたランプ信号ramp_sig1は、各列のAD変換回路61の比較器600の他方の入力端子に供給される。ランプ信号発生器52から出力されたランプ信号ramp_sig2は、各列のAD変換回路61の比較器603の他方の入力端子に供給される。
【0220】
比較器600は、信号Voutのレベルとランプ信号ramp_sig1のレベルとを比較し、これら信号のレベルの大小関係が変化したときに、比較器600の出力である信号comp1の信号レベルを反転する。ここでは一例として、比較器600は、信号Voutのレベルがランプ信号ramp_sig1のレベルよりも高いときにハイレベルの信号comp1を出力するものとする。また、比較器600は、信号Voutのレベルがランプ信号ramp_sig1のレベルよりも低いときにローレベルの信号comp1を出力するものとする。ラッチ回路601は、比較器600からの信号comp1が反転したことを受けて、保持部602にパルス信号(ラッチ信号ltch1)を出力する。保持部602は、ランプ信号ramp_sig1のランプ開始と同期してカウントが開始されるカウント値countを受信するように構成されており、ラッチ回路601からラッチ信号ltch1を受信したときのカウント値を保持するように構成されている。メモリ62は、保持部602が保持するカウント値を、信号Voutのデジタル値mem1として、ビット毎に保持する。
【0221】
同様に、比較器603は、信号Voutのレベルとランプ信号ramp_sig2のレベルとを比較し、これら信号のレベルの大小関係が変化したときに、比較器603の出力である信号comp2の信号レベルを反転する。ここでは一例として、比較器603は、信号Voutのレベルがランプ信号ramp_sig2のレベルよりも高いときにハイレベルの信号comp2を出力するものとする。また、比較器603は、信号Voutのレベルがランプ信号ramp_sig2のレベルよりも低いときにローレベルの信号comp2を出力するものとする。ラッチ回路604は、比較器603からの信号comp2が反転したことを受けて、保持部605にパルス信号(ラッチ信号ltch2)を出力する。保持部605は、ランプ信号ramp_sig2のランプ開始と同期してカウントが開始されるカウント値countを受信するように構成されており、ラッチ回路604からラッチ信号ltch2を受信したときのカウント値を保持するように構成されている。メモリ62は、保持部605が保持するカウント値を、信号Voutのデジタル値mem2として、ビット毎に保持する。
【0222】
前述のように、ランプ信号発生器51,52は、傾きが互いに異なるように制御されたランプ信号を出力する。したがって、画素部1から出力される同じ信号Voutであっても、列AD変換部6によるAD変換によって得られるデジタル値mem1とデジタル値mem2とは異なる値となる。すなわち、本実施形態では、増幅部5を用いて複数のゲインで画素信号を増幅する代わりに、ランプ信号生成部25から供給されるランプ信号を用いて複数の変換ゲインで画素信号をAD変換する。
【0223】
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、
図23を用いて説明する。
図23は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0224】
本実施形態による撮像装置の駆動方法は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの動作が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置の駆動方法と基本的には同じである。
図23は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの第1HD期間に対応している。前述のように、第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、図示しない制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]はハイレベルである。また、制御信号pres[0]はローレベルであり、制御信号psel[0]はハイレベルである。
【0225】
時刻t48から時刻t49の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[1,0]がハイレベルとなる。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。そして、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号Voutが、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。
【0226】
こうして、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100からは、信号Vout[0,0]が出力される。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100からは、信号Vout[1,0]が出力される。以後の説明では、これら信号Vout[0,0]及び信号Vout[1,0]のうち、信号Vout[0,0]に着目して説明する。
【0227】
同じく時刻t48において、ランプ信号発生器51は、ランプ信号ramp_sig1の出力を開始する。また、ランプ信号発生器52は、ランプ信号ramp_sig2の出力を開始する。また、タイミング生成部4は、AD変換回路61に出力するカウント値countのカウントアップを開始する。ランプ信号ramp_sig1,ramp_sig2の出力開始の直後、信号Vout[0,0]のレベルはランプ信号ramp_sig1,ramp_sig2のレベルよりも大きい。したがって、比較器600,603は、ハイレベルの信号comp1,comp2を出力している。
【0228】
続く時刻t50において、信号Vout[0,0]のレベルとランプ信号ramp_sig2のレベルとが一致したものとする。これにより比較器603が出力する信号comp2は、ハイレベルからローレベルへと遷移する。ラッチ回路604は、信号comp2の変化を受けてラッチ信号ltch2を出力する。ラッチ信号ltch2は、信号comp2の立ち下がりを検出してパルス化したものである。このパルスを例えばD-フリップフロップのクロック入力とし、同じくD-フリップフロップのD入力にカウント値countを入力することで、保持部605はラッチ信号ltch2の入力時のカウント値countを保持することができる。
図23には、保持部605にカウント値countとして500が保持された場合を例示している。この値がデジタル値mem2に相当する。
【0229】
続く時刻t51において、信号Vout[0,0]のレベルとランプ信号ramp_sig1のレベルとが一致したものとする。これにより比較器600が出力する信号comp1は、ハイレベルからローレベルへと遷移する。ラッチ回路601は、信号comp1の変化を受けてラッチ信号ltch1を出力する。ラッチ信号ltch1は、信号comp1の立ち下がりを検出してパルス化したものである。このパルスを例えばD-フリップフロップのクロック入力とし、同じくD-フリップフロップのD入力にカウント値countを入力することで、保持部602はラッチ信号ltch1の入力時のカウント値countを保持することができる。
図23には、保持部602にカウント値countとして2000が保持された場合を例示している。この値がデジタル値mem1に相当する。
【0230】
ランプ信号生成部25及び列AD変換部6をこのように構成することで、一つの信号Voutに対して、複数の異なる値の信号を出力できるようになる。これにより、例えば暗い信号のときは、信号の傾きが緩やかなランプ信号ramp_sig1を用いることで階調を確保することができる。一方、明るい信号のときは、1HD期間が足りなく、ランプ信号ramp_sig1からの出力が得られなかったとしても、信号の傾きの急峻なランプ信号ramp_sig2を用いることで確実に出力を得られるようになる。
【0231】
このように、本実施形態によれば、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、AD変換部におけるAD変換ゲインを切り替えることにより、出力信号を複数種類のゲインで増幅することが可能である。したがって、例えば、暗い(レベルの低い)信号については高ゲインでAD変換し、明るい(レベルの高い)信号については低ゲインでAD変換するように構成することで、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。
【0232】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図24及び
図25を用いて説明する。第1乃至第5実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0233】
はじめに、本実施形態による撮像装置の構造について、
図24を用いて説明する。
図24は、本実施形態による撮像装置における増幅部及び列AD変換部の構成例を示す概略図である。
【0234】
本実施形態による撮像装置は、ランプ信号生成部25及び列AD変換部6の構成が異なるほかは、第5実施形態による撮像装置と基本的には同様である。すなわち、本実施形態による撮像装置は、
図24に示すように、ランプ信号生成部25が、ランプ信号発生器51,52に加え、ランプ信号発生器53を更に有している。列AD変換部6は、画素部1を構成する画素100の各列に対応して、AD変換回路61と、メモリ62とを有する。AD変換回路61は、比較器600と、ラッチ回路601と、保持部602と、選択器606,607と、インバータ608と有する。
【0235】
各列の垂直出力線106は、比較器600の一方の入力端子に接続されている。比較器600の出力端子は、ラッチ回路601の入力端子及びインバータ608の入力端子に接続されている。ラッチ回路601の出力端子は、保持部602の入力端子に接続されている。インバータ608の出力端子は、選択器606の制御端子に接続されている。保持部602の出力端子は、メモリ62に接続されている。
【0236】
ランプ信号発生器51は、各列のAD変換回路61の選択器606の一方の入力端子に接続されている。ランプ信号発生器52は、各列のAD変換回路61の選択器606の他方の入力端子に接続されている。ランプ信号発生器53は、各列のAD変換回路61の選択器607の一方の入力端子に接続されている。選択器606の出力端子は、選択器607の他方の入力端子に接続されている。選択器607の出力端子は、比較器600の他方の入力端子に接続されている。
【0237】
画素部1から各列の垂直出力線106を介して出力される信号Voutは、各列のAD変換回路61の比較器600の一方の入力端子に入力される。
【0238】
ランプ信号発生器51はランプ信号ramp_sig1を出力し、ランプ信号発生器52はランプ信号ramp_sig2を出力し、ランプ信号発生器53はランプ信号ramp_sig3を出力する。ランプ信号ramp_sig1,ramp_sig2,ramp_sig3は、時間の経過とともに信号のレベルが変化する信号である。ランプ信号発生器51から出力されたランプ信号ramp_sig1は、各列のAD変換回路61の選択器606の一方の入力端子に供給される。ランプ信号発生器52から出力されたランプ信号ramp_sig2は、各列のAD変換回路61の選択器606の他方の入力端子に供給される。ランプ信号発生器53から出力されたランプ信号ramp_sig3は、選択器607の一方の入力端子に供給される。
【0239】
選択器606は、インバータ608から出力される信号を選択信号j_sigとして、ランプ信号ramp_sig1及びランプ信号ramp_sig2のうちの一方を選択し、選択器607の他方の入力端子に供給する。例えば、選択器606は、選択信号j_sigがハイレベルのときにランプ信号ramp_sig1を選択し、選択信号j_sigがローレベルのときにランプ信号ramp_sig2を選択する。
【0240】
選択器607は、タイミング生成部4から供給される選択信号jdat_enに応じて、ランプ信号ramp_sig3及び選択器606からの出力信号(ランプ信号ramp_sig1又はランプ信号ramp_sig2)のうちの一方を選択する。選択器607により選択されたランプ信号ramp_sigは、比較器600の他方の入力端子に入力される。
【0241】
比較器600は、信号Voutのレベルとランプ信号ramp_sigのレベルとを比較し、これら信号のレベルの大小関係が変化したときに、比較器600の出力である信号comp_sigの信号レベルを反転する。ここでは一例として、比較器600は、信号Voutのレベルがランプ信号ramp_sigのレベルよりも高いときにハイレベルの信号comp_sigを出力するものとする。また、比較器600は、信号Voutのレベルがランプ信号ramp_sigのレベルよりも低いときにローレベルの信号comp_sigを出力するものとする。
【0242】
ラッチ回路601は、比較器600からの信号comp_sigが反転したことを受けて、保持部602にパルス信号(ラッチ信号ltch)を出力する。保持部602は、ランプ信号ramp_sig1,ramp_sig2のランプ開始と同期してカウントが開始されるカウント値countを受信するように構成されている。そして、保持部602は、ラッチ回路601からラッチ信号ltchを受信したときに受信しているカウント値を保持するように構成されている。メモリ62は、保持部602が保持するカウント値を、信号Voutのデジタル値memとして、ビット毎に保持する。
【0243】
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、
図25を用いて説明する。
図25は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0244】
本実施形態による撮像装置の駆動方法は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの動作が異なるほかは、第1実施形態による撮像装置の駆動方法と基本的には同じである。
図25は、
図8のタイミングチャートにおける第3フレームの第1HD期間に対応している。前述のように、第3フレームの第1HD期間の全期間に渡って、図示しない制御信号hblk_l[0],hblk_l[1],hblk_s[0],hblk_s[1]はハイレベルである。また、制御信号pres[0]はローレベルであり、制御信号psel[0]はハイレベルである。
【0245】
時刻t52から時刻t53の期間において、垂直走査部2は、垂直行アドレス[0]に対応する行の制御信号ptx[0]をハイレベルに制御する。これにより、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[0,0]がハイレベルとなる。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100に入力される制御信号tx[1,0]がハイレベルとなる。これにより、垂直行アドレス[0]に対応する行に属する総ての画素100において、転送トランジスタM1がオンになり、光電変換部PDに蓄積されていた信号電荷がFDノードへと転送される。そして、FDノードに転送された信号電荷の量に応じた信号Voutが、増幅トランジスタM4及び選択トランジスタM5を介して垂直出力線106に出力される。
【0246】
こうして、画素ブロック10の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100からは、信号Vout[0,0]が出力される。また、画素ブロック11の垂直行アドレス[0]に対応する行に属する画素100からは、信号Vout[1,0]が出力される。ここで、
図7の場合のように画素ブロック10の領域が明るく画素ブロック11の領域が暗い場合を想定すると、
図25に示すように、信号Vout[0,0]のレベルは大きく、信号Vout[1,0]の信号レベルは小さくなる。
【0247】
次いで、時刻t53から時刻t55の期間において、タイミング生成部4は、選択信号jdat_enをローレベルからハイレベルへと制御する。これにより、選択器607は、ランプ信号ramp_sig3及び選択器606の出力のうちランプ信号ramp_sig3を選択し、ランプ信号ramp_sigとして出力する状態となる。
【0248】
時刻t53において選択信号jdat_enがハイレベルとなった後、ランプ信号発生器53は、ランプ信号ramp_sig3の出力を開始する。選択器607は、ランプ信号発生器53から供給されるランプ信号ramp_sig3を、比較器600の他方の端子に供給するランプ信号ramp_sigとして出力する。なお、ランプ信号発生器53は、
図25に示すように、ある一定のレベルを超えると一定値となるように、ランプ信号ramp_sig3のレベルを制御する。
【0249】
続く時刻t54において、画素ブロック11の画素100から出力される信号Vout[1,0]のレベルとランプ信号ramp_sigのレベルとが一致したものとする。これにより比較器600が出力する信号comp_sigは、ハイレベルからローレベルへと遷移する。これにより、インバータ608から出力される選択信号j_sigは、ローレベルからハイレベルへと遷移する。これにより、画素ブロック11に対応するAD変換回路61において、選択器606は、ランプ信号ramp_sig1及びランプ信号ramp_sig2のうちランプ信号ramp_sig1を選択して出力する状態となる。
【0250】
一方、画素ブロック10の画素100から出力される信号Vout[0,0]は、ランプ信号ramp_sig3の飽和レベルを超えるレベルの信号であり、ランプ信号ramp_sig3のレベルが信号Vout[0,0]のレベルを超えることはない。そのため、比較器600が出力する信号comp_sigはハイレベルのままであり、インバータ608から出力される選択信号j_sigはローレベルのままである。これにより、画素ブロック10に対応するAD変換回路61において、選択器606は、ランプ信号ramp_sig1及びランプ信号ramp_sig2のうちランプ信号ramp_sig2を選択して出力する状態となる。
【0251】
時刻t55において選択信号jdat_enがローレベルへと遷移すると、選択器607は、ランプ信号ramp_sig3及び選択器606の出力のうち選択器606の出力を選択し、ランプ信号ramp_sigとして出力する状態となる。これにより、画素ブロック10に対応するAD変換回路61の比較器600の他方の入力端子には、ランプ信号ramp_sigとしてランプ信号発生器52からのランプ信号ramp_sig2が供給される。また、画素ブロック11に対応するAD変換回路61の比較器600の他方の入力端子には、ランプ信号ramp_sigとしてランプ信号発生器51からのランプ信号ramp_sig1が供給される。
【0252】
これにより、信号Vout[0,0],Vout[1,0]の各々のレベルに応じた適切な傾きのランプ信号を用いて、信号Vout[0,0],Vout[1,0]をAD変換することが可能となる。その結果、1つの画素ブロック10から、互いに異なる変換ゲインでAD変換された複数の信号が出力されることになる。ここで、ランプ信号ramp_sig3は、ランプ信号ramp_sig1及びランプ信号ramp_sig2のいずれを用いるかを判定する閾値を提供するものである。
【0253】
時刻t56において、ランプ信号発生器51はランプ信号ramp_sig1の出力を開始し、ランプ信号発生器52はランプ信号ramp_sig2の出力を開始する。また、タイミング生成部4は、AD変換回路61に出力するカウント値countのカウントアップを開始する。
【0254】
続く時刻t57において、信号Vout[0,0]のレベルとランプ信号ramp_sigのレベルとが一致したものとする。これにより比較器600が出力する信号comp_sigは、ハイレベルからローレベルへと遷移する。ラッチ回路601は、ハイレベルの信号comp_sigを受けて、ラッチ信号ltchを保持部602へと出力する。保持部602は、ラッチ信号ltchの入力時のカウント値countを保持する。
図25には、保持部602にカウント値countとして500が保持された場合を例示している。この値が、例えば
図24のデジタル値mem[0]に相当する。
【0255】
続く時刻t58において、信号Vout[1,0]のレベルとランプ信号ramp_sigのレベルとが一致したものとする。これにより比較器600が出力する信号comp_sigは、ハイレベルからローレベルへと遷移する。ラッチ回路601は、ハイレベルの信号comp_sigを受けて、ラッチ信号ltchを保持部602へと出力する。保持部602は、ラッチ信号ltchの入力時のカウント値countを保持する。
図25には、保持部602にカウント値countとして1000が保持された場合を例示している。この値が、例えば
図24のデジタル値mem[2]に相当する。
【0256】
このように、本実施形態によれば、画素ブロック毎に露光時間を制御可能な撮像装置において、AD変換部におけるAD変換ゲインを切り替えることにより、出力信号を複数種類のゲインで増幅することが可能である。したがって、例えば、暗い(レベルの低い)信号については高ゲインでAD変換し、明るい(レベルの高い)信号については低ゲインでAD変換するように構成することで、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。また、本実施形態では、AD変換する前に信号レベルを判定し、AD変換に適切なランプ信号を選択するため、第5実施形態のように並列化された2つのAD変換回路を各列に備える必要はなく、回路面積を削減することが可能となる。
【0257】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図26を用いて説明する。第1乃至第6実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
図26は、本実施形態による撮像装置における増幅部の構成例を示す概略図である。
【0258】
本実施形態による撮像装置は、第1実施形態による撮像装置における増幅部5の列増幅部50の構成を、画素ブロックの境界にある画素100からの出力に対してのみ適用したものである。例えば
図26に示すように、画素ブロック10の第3列と画素ブロック11の第1列とが隣接する場合、増幅部5は、これらの列に対応する垂直出力線106に接続された列増幅部50を備える。これらの列に対しては、第1実施形態で説明したように、画素100から出力される信号Voutに対して2種類のゲイン設定が可能である。また、増幅部5は、他の列の垂直出力線106に接続され、タイミング生成部4から出力される設定値r_gain3によってゲインが設定される列アンプ512を備える。列アンプ512は、所定のゲイン(設定値r_gain3)で増幅した信号を信号amp3として出力端子から出力する。
【0259】
第1実施形態による撮像装置では、総ての列に2つの列アンプ500,501を設けているため増幅部5の回路面積が大きくなる。これに対し、本実施形態による撮像装置では、画素ブロックの境界にある列に対してのみ2つの列アンプ500,501を設けるため、増幅部5の回路面積の増大を抑制することができる。
【0260】
また、画素ブロック10,11において露光時間が大きく異なる場合において、これら画素ブロック10,11間を越えて被写体が移動したとしても、境界部では、暗い信号に対しては高ゲインで増幅し、明るい信号に対しては低ゲインで増幅することができる。これにより、境界付近において、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。
【0261】
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による撮像装置及びその駆動方法について、
図27を用いて説明する。第1乃至第7実施形態による撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
図27は、本実施形態による撮像装置における増幅部の構成例を示す概略図である。
【0262】
本実施形態による撮像装置は、第1実施形態による撮像装置における増幅部5の列増幅部50の構成を、画素ブロックの中央部分にある画素100からの出力に対してのみ適用したものである。例えば
図27に示すように、画素ブロック10,11が各々3列に配された画素100を備える場合、増幅部5は、画素ブロック10,11の第2列に対応する垂直出力線106に接続された列増幅部50を備える。これらの列に対しては、第1実施形態で説明したように、画素100から出力される信号Voutに対して2種類のゲイン設定が可能である。また、増幅部5は、他の列の垂直出力線106に接続され、タイミング生成部4から出力される設定値r_gain3によってゲインが設定される列アンプ512を備える。列アンプ512は、所定のゲイン(設定値r_gain3)で増幅した信号を信号amp3として出力端子から出力する。
【0263】
第1実施形態による撮像装置では、総ての列に2つの列アンプ500,501を設けているため増幅部5の回路面積が大きくなる。これに対し、本実施形態による撮像装置では、画素ブロックの中央部分にある列に対してのみ2つの列アンプ500,501を設けるため、増幅部5の回路面積の増大を抑制することができる。
【0264】
また、本実施形態による撮像装置では、画素ブロックの代表的な中央部分の信号に対して異なる2種類ゲインで増幅することが可能である。したがって、画素ブロック毎の露光時間を決定する際に前もって露光量を判別するためのAE制御(自動露出制御)においても、暗い信号に対しては高ゲインで増幅し、明るい信号に対しては低ゲインで増幅することができる。これにより、被写体から背景に渡って黒潰れや白飛びを抑えた画像を取得することが可能となる。
【0265】
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による撮像システムについて、
図28及び
図29を用いて説明する。
図28は、本実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
図29は、本実施形態による撮像システムの駆動方法を示すフローチャートである。
【0266】
上記第1乃至第8実施形態で述べた撮像装置1000は、種々の撮像システムに適用可能である。適用可能な撮像システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などが挙げられる。また、レンズなどの光学系と撮像装置とを備えるカメラモジュールも、撮像システムに含まれる。
図28には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。
【0267】
図28に例示した撮像システム2000は、撮像装置1000と、信号処理部1100と、CPU1200と、外部入力部1300と、光学系1400と、映像表示部1500と、記録部1600と、駆動系1700と、を備えている。
【0268】
撮像装置1000は、第1乃至第8実施形態のいずれかで説明した撮像装置1000である。ここでは、撮像装置1000は、総ての列の出力に対して複数ゲインで増幅が可能な構成を有する場合(第1実施形態)を想定して説明を行う。光学系1400は、被写体の光学像を撮像装置1000に結像する。駆動系1700は、光学系1400を構成するレンズや絞り(いずれも図示せず)を駆動する。撮像装置1000は、光学系1400により結像された光学像を光電変換してアナログの画像信号を生成し、この画像信号をAD変換して出力する。
【0269】
信号処理部1100は、撮像装置1000の画素100から出力された画像信号に対して所定の信号処理を行う。例えば、信号処理部1100は、画像信号に対して各種の補正処理や圧縮処理を行い、処理後の画像信号を出力する。信号処理部1100で処理された画像信号は、映像表示部1500に表示し、或いは、記録部1600に記録することができる。記録部1600は、撮像システム2000に内蔵されていてもよく、また、記録媒体のように撮像システム2000に対して着脱可能であってもよい。
【0270】
CPU1200は、各種演算やデジタルスチルカメラの全体の制御を司る。外部入力部1300は、ユーザが撮像システム2000に対して行った操作に関する情報など、外部から入力された情報を受け付ける。ユーザの操作としては、例えば、シャッタボタンの押下などが挙げられる。撮像システム2000は、さらに、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部、等を含んでもよい。
【0271】
次に、本実施形態による撮像システム2000の動作の一例について、
図29を用いて説明する。
【0272】
ユーザの操作により、外部入力部1300であるシャッタボタンが半押し状態になったものとする。この情報は、CPU1200からの通信により、撮像装置1000へと伝えられる。CPU1200から情報を受信した撮像装置1000は、
図29のフローチャートに従って動作する。
【0273】
本実施形態では、予備露光を行い各画素ブロックの露光時間を決定する第1の駆動モードと、第1の駆動モードで決定した露光時間に基づいて本露光を行う第2の駆動モードとを実行する。第1の駆動モードでは、複数の画素ブロックの各々に対して、各々の中央部に位置する画素100から異なるゲインで増幅した複数の信号を選択的に出力する。第2のモードでは、複数の画素ブロックの各々に対して、各々に含まれる総ての画素100から複数の信号を出力する。
【0274】
まず、CPU1200による制御のもと、撮像装置1000の水平走査部7は、各々の画素ブロックの中央部に位置する画素100の信号を読み出すように制御される。水平走査部7による読み出し制御は、画素ブロックの中央部に対応するアドレスの画素100の信号のみを読み出すように構成することができる。或いは、水平走査部7がシフトレジスタにより構成されている場合にあっては、画素ブロックの中央の画素100のみをスキャンするように構成することもできる。このようにして出力された画素100からの信号の各々は、増幅部5により複数のゲイン(ここでは、高ゲイン及び低ゲインの2種類とする)で増幅される(ステップS100)。
【0275】
次いで、CPU1200は、撮像装置1000の各々の画素ブロックから高ゲインで読み出された信号及び低ゲインで読み出された信号のうち、高ゲインで読み出された信号の値がある任意のα値以上であるか否かを判定する(ステップS101)。
【0276】
ステップS101における判定の結果、高ゲインで読み出された信号の値がα値以上の場合(
図29中、「YES」)には、ステップS102へと移行する。ステップS102へと移行する条件は、高ゲインで読み出された信号の値がα値以上であり、被写体が非常に明るい状態である場合である。そこで、CPU1200は、高ゲインで読み出された信号の値がα値以上であった画素ブロックに対して、露光時間が短くなるようにタイミング生成部4を制御することを決定する(ステップS102)。
【0277】
ステップS101における判定の結果、高ゲインで読み出された信号の値がα値未満の場合(
図29中「NO」)には、ステップS103へと移行する。ステップS103において、CPU1200は、撮像装置1000の各々の画素ブロックから高ゲインで読み出された信号及び低ゲインで読み出された信号のうち、低ゲインで読み出された信号の値がある任意のβ値以下であるか否かを判定する。
【0278】
ステップS103における判定の結果、低ゲインで読み出された信号の値がβ値以下の場合(
図29中、「YES」)には、ステップS104へと移行する。ステップS104へと移行する条件は、低ゲインで読み出された信号の値がβ値以下であり、被写体が非常に暗い状態である場合である。そこで、CPU1200は、低ゲインで読み出された信号の値がβ値以下であった画素ブロックに対して、露光時間が長くなるようにタイミング生成部4を制御することを決定する(ステップS104)。
【0279】
ステップS103における判定の結果、低ゲインで読み出された信号の値がβ値よりも大きい場合(
図29中、「NO」)には、ステップS105へと移行する。ステップS105へと移行する条件は、低ゲインで読み出された信号の値がβ値よりも大きく、且つ、高ゲインで読み出された信号の値がα値未満であり、被写体が暗すぎず且つ明るすぎない状態である場合である。そこで、CPU1200は、低ゲインで読み出された信号の値がβ値よりも大きく高ゲインで読み出された信号の値がα値未満であった画素ブロックに対して、露光時間が中程度になるようにタイミング生成部4を制御することを決定する(ステップS105)。
【0280】
このようにして総ての画素ブロックの露光時間が決定されたことを示す情報は、映像表示部1500に表示される。CPU1200は、決定された各画素ブロックの露光時間に基づいて絞りの値を決定し、駆動系1700を介して光学系1400の絞りを調整する。
【0281】
総ての画素ブロックの露光時間が決定されたことを示す情報を受け取ったユーザが外部入力部1300であるシャッタボタンを全押しすることにより、ステップS106へと移行する。ステップS106では、ステップS102,S104,S105において決定された各画素ブロックの露光時間を用いて、被写体の撮影を行う。その際、ステップS100では画素ブロックの中央部の画素100のみを読み出すように制御された水平走査部7の動作を、画素ブロックの総ての画素100から読み出すように変更する。
【0282】
このようにして得られた画像データは、映像表示部1500に映し出され、また、記録部1600に記録される。
【0283】
このように、本実施形態によれば、第1乃至第8実施形態による撮像装置1000を適用した撮像システムを実現することができる。
【0284】
[第10実施形態]
本発明の第10実施形態による撮像システム及び移動体について、
図30を用いて説明する。
図30は、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
【0285】
図30(a)は、車載カメラに関する撮像システムの一例を示したものである。撮像システム300は、撮像装置310を有する。撮像装置310は、上記第1乃至第8実施形態のいずれかに記載の撮像装置1000である。撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部312と、撮像システム300により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差取得部314を有する。また、撮像システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離取得部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部318と、を有する。ここで、視差取得部314や距離取得部316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
【0286】
撮像システム300は車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
【0287】
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム300で撮像する。
図30(b)に、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の撮像システムを示した。車両情報取得装置320が、撮像システム300ないしは撮像装置310に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
【0288】
上記では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。さらに、撮像システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
【0289】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0290】
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
【0291】
また、第1及び第2実施形態では列アンプのゲインを利用して、第3及び第4実施形態ではFDノードの容量を利用して、第5及び第6実施形態ではAD変換ゲインを利用して、複数のゲインで増幅した信号を生成したが、これらを任意に組み合わせてもよい。
【0292】
また、第3実施形態では、複数のゲインで増幅した信号を画素100から並列に出力するように構成しているが、複数のゲインで増幅した信号を時分割で出力するようにしてもよい。この場合、第4実施形態の場合のように、選択トランジスタM51,M52を別々の制御信号で制御すればよい。
【0293】
同様に、第4実施形態では複数のゲインで増幅した信号を時分割で出力するように構成しているが、複数のゲインで増幅した信号を画素100から並列に出力するようにしてもよい。この場合、第3実施形態の場合のように、選択トランジスタM51,M52の各々に対応して垂直出力線106,117を設け、選択トランジスタM51,M52を共通の制御信号で制御すればよい。
【0294】
また、上記第9及び第10実施形態に示した撮像システムは、本発明の撮像装置を適用しうる撮像システム例を示したものであり、本発明の撮像装置を適用可能な撮像システムは
図28及び
図30に示した構成に限定されるものではない。
【0295】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0296】
1…画素部
2…垂直走査部
3…水平領域制御部
4…タイミング生成部
5,15…増幅部
6…列AD変換部
7…水平走査部
8…信号出力部
10…画素ブロック
14…画素ブロック内制御部
25…ランプ信号生成部
100…画素
1000…撮像装置
2000…撮像システム