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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】桁建造方法及び桁架設方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 21/00 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
E01D21/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023146723
(22)【出願日】2023-09-11
【審査請求日】2023-09-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506122246
【氏名又は名称】エム・エムブリッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗山 愼吾
(72)【発明者】
【氏名】上田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】立石 篤志
(72)【発明者】
【氏名】松元 丈臣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大貴
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-205130(JP,A)
【文献】特開2006-028734(JP,A)
【文献】特開平04-116099(JP,A)
【文献】特開平02-070688(JP,A)
【文献】特開平10-237819(JP,A)
【文献】特開昭59-185210(JP,A)
【文献】特開2012-237176(JP,A)
【文献】特開2009-024351(JP,A)
【文献】特開2004-293060(JP,A)
【文献】特開2021-038513(JP,A)
【文献】特開2004-278230(JP,A)
【文献】特開2016-040447(JP,A)
【文献】特開2008-115645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
桁を構成する複数の桁部分のそれぞれを別個に組み立てる組み立て工程と、
組み立てたそれぞれの前記桁部分を異なる移動多軸台車に搭載する搭載工程と、
前記桁部分を搭載した前記移動多軸台車同士を相対的に移動させて複数の前記桁部分同士を連結することで、複数の前記桁部分の連結体である前記桁を建造する連結工程と
を含み、
前記移動多軸台車は、搭載した前記桁部分を当該移動多軸台車上で前後、左右及び上下に移動可能な位置調整機構を有し、
前記連結工程では、複数の前記移動多軸台車を相対移動させて当該移動多軸台車同士の位置合わせを行った後、少なくとも一つの前記移動多軸台車の前記位置調整機構により前記桁部分を移動させて前記桁部分同士の位置調整を行う
桁建造方法。
【請求項2】
前記連結工程では、複数の前記移動多軸台車を相対的に移動させる場合、連結する一の前記桁部分を搭載した一の前記移動多軸台車を停止させ、連結する他の前記桁部分を搭載した他の前記移動多軸台車を一の前記移動多軸台車に対して移動させる
請求項1に記載の桁建造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の桁建造方法により建造した前記桁を架設位置の下方に配置する桁配置工程と、
前記架設位置の下方に配置した前記桁を前記架設位置に架設する架設工程と
を含み、
前記桁配置工程は、前記架設位置の下方で前記連結工程を行うことで前記桁を前記架設位置の下方に配置すること、又は、前記架設位置の下方とは異なる位置で前記連結工程を行った後に複数の前記移動多軸台車に搭載した状態のまま複数の前記移動多軸台車を移動させることで前記桁を前記架設位置の下方に配置することを含む
桁架設方法。
【請求項4】
前記桁を前記架設位置に引き上げるためのカウンタウエイトを移動機構に搭載した状態で配置する準備工程を更に含み、
前記架設工程では、前記カウンタウエイトの反力を利用して前記桁を前記架設位置に引き上げ、
前記桁を架設した後、前記移動機構を移動させることで前記カウンタウエイトを撤去する撤去工程を更に含む
請求項に記載の桁架設方法。
【請求項5】
前記カウンタウエイトは、前記移動機構に対して上下方向に一体に連結される
請求項に記載の桁架設方法。
【請求項6】
前記移動機構は、台車である
請求項に記載の桁架設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桁建造方法及び桁架設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
架設位置に架設する桁を、当該架設位置付近の組み立てヤード内で組み立て、組み立てた桁を移動多軸台車で架設位置の下方に移動させて架設する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-278230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の工法は、例えば組み立てヤードが狭い等、桁全体を建造するための作業スペースを十分に確保できない場合には適用することが困難となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、作業スペースに応じて適切に桁を建造することが可能な桁建造方法及び桁架設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る桁建造方法は、桁を構成する複数の桁部分のそれぞれを別個に組み立てる組み立て工程と、組み立てたそれぞれの前記桁部分を異なる移動多軸台車に搭載する搭載工程と、前記桁部分を搭載した前記移動多軸台車同士を相対的に移動させて複数の前記桁部分同士を連結することで、複数の前記桁部分の連結体である前記桁を建造する連結工程とを含む。
【0007】
本発明に係る桁架設方法は、上記の桁建造方法により建造した前記桁を架設位置の下方に配置する桁配置工程と、前記架設位置の下方に配置した前記桁を前記架設位置に架設する架設工程とを含み、前記桁配置工程は、前記架設位置の下方で前記連結工程を行うことで前記桁を前記架設位置の下方に配置すること、又は、前記架設位置の下方とは異なる位置で前記連結工程を行った後に複数の前記移動多軸台車に搭載した状態のまま複数の前記移動多軸台車を移動させることで前記桁を前記架設位置の下方に配置することを含む。
【0008】
本発明に係る桁架設方法は、架設位置に架設する桁を当該架設位置の下方に配置する桁配置工程と、前記桁を前記架設位置に引き上げるためのカウンタウエイトを移動機構に搭載した状態で配置する準備工程と、前記カウンタウエイトの反力を利用して前記桁を引き上げることで、前記桁を前記架設位置に引き上げて架設する架設工程と、前記桁を架設した後、前記移動機構を移動させることで前記カウンタウエイトを撤去する撤去工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業スペースに応じて適切に桁を建造することが可能な桁建造方法及び桁架設方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る桁建造方法の一例を示すフローチャートである。
図2図2は、本実施形態に係る桁建造方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る桁建造方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る桁建造方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る桁建造方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る桁建造方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る桁架設方法の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図11図11は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図12図12は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
図13図13は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る桁建造方法及び桁架設方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
[桁建造方法]
図1は、本実施形態に係る桁建造方法の一例を示すフローチャートである。図2から図6は、本実施形態に係る桁建造方法の各工程の一例を模式的に示す図である。図2から図6において、上段が側面視における図、下段が平面視における図である。本実施形態に係る桁建造方法は、図1に示すように、組み立て工程S10と、搭載工程S20と、連結工程S30とを含む。
【0013】
組み立て工程S10は、図2に示すように、桁100を構成する複数の桁部分10のそれぞれを異なる場所(例えば、異なる組み立てヤード等)で別個に組み立てる。以下、桁100を構成する桁部分10の数が2つである場合を例に挙げて説明する。なお、桁部分の数は、3つ以上であってもよい。2つの桁部分10を区別する場合、第1桁部分11及び第2桁部分12と表記する。それぞれの桁部分10は、互いに異なる場所で組み立てることができる。組み立て工程S10において、桁部分10は、例えば後述する移動多軸台車20が入り込める高さを確保できる架台15上で組み立てることができる。
【0014】
搭載工程S20は、図3に示すように、組み立てたそれぞれの桁部分10を異なる移動多軸台車20に搭載する。搭載工程S20では、例えば移動多軸台車20を桁部分10の下方に移動させ、架台15から桁部分10を受けるように搭載することができる。以下、移動多軸台車20を区別する場合、第1桁部分11を搭載する移動多軸台車20を第1移動多軸台車21と表記し、第2桁部分12を搭載する移動多軸台車20を第2移動多軸台車22と表記する。
【0015】
移動多軸台車20は、それぞれ位置調整機構30を有する。位置調整機構30は、それぞれ桁部分10が搭載される。位置調整機構30は、搭載した桁部分10を移動多軸台車20上で前後、左右及び上下に移動可能である。つまり、位置調整機構30は、搭載した桁部分10の位置を移動多軸台車20に対して相対的に調整することが可能である。
【0016】
なお、本実施形態においては、水平面に対して垂直な方向を上下方向とし、移動多軸台車20の進行方向を前後方向とし、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向とする。移動多軸台車20には、桁部分10の長手方向が前後方向に沿うように桁部分10が搭載される。位置調整機構30は、前後方向の傾き、左右方向の傾き及び上下方向の傾きをそれぞれ調整可能であってもよい。
【0017】
連結工程S30は、桁部分10を搭載した移動多軸台車20同士を相対的に移動させて複数の桁部分10同士を連結することで、複数の桁部分10の連結体である桁100を建造する。
【0018】
連結工程S30では、図4に示すように、まず、複数の移動多軸台車20を相対移動させて当該移動多軸台車20同士の位置合わせを行う。この場合、連結する一の桁部分10を搭載した一の移動多軸台車20を停止させ、連結する他の桁部分10を搭載した他の移動多軸台車20を一の移動多軸台車20に対して移動させる。図4に示す例では、第1桁部分11を搭載した第1移動多軸台車21を停止させ、第2桁部分12を搭載した第2移動多軸台車22を第1移動多軸台車21に対して移動させる。これにより、移動多軸台車20同士の左右方向の位置合わせを行う。
【0019】
移動多軸台車20同士の左右方向の位置合わせを行った後、図5に示すように、少なくとも一つの移動多軸台車20の位置調整機構30により桁部分10を移動させて桁部分10同士の位置調整を行う。この場合、例えば位置調整機構30により桁部分10を前後、左右、上下の少なくとも一方向に移動させることで、桁部分10の継手10a同士が対向するように一の調整を行う。
【0020】
桁部分10同士の位置調整を行った後、移動多軸台車20同士を相対的に近づけることで、桁部分10の継手10a同士が連結される。これにより、桁部分10同士が連結されて、連結体である桁100が建造される。本実施形態では、図6に示すように、第1移動多軸台車21に対して第2移動多軸台車22を近接させることで、第1桁部分11の継手10aと第2桁部分12の継手10aとが連結される。
【0021】
[桁架設方法]
図7は、本実施形態に係る桁架設方法の一例を示すフローチャートである。図8から図13は、本実施形態に係る桁架設方法の各工程の一例を模式的に示す図である。以下、上記した桁建造方法により建造された桁100を架設位置P1架設する場合を例に挙げて説明する。
【0022】
本実施形態において、架設位置P1は、脚部40と脚部50との間の位置である。脚部40、50は、例えば橋脚である。なお、架設する桁は、上記した桁建造方法により建造された桁100に限定されない。図7に示すように、準備工程S40と、桁配置工程S50と、架設工程S60と、撤去工程S70とを含む。
【0023】
準備工程S40は、桁100を引き上げるためのカウンタウエイト60を配置する工程を含む。準備工程S40では、脚部40側及び脚部50側の両側にそれぞれカウンタウエイト60を配置する。以下、カウンタウエイト60を区別する場合、脚部40側のカウンタウエイト60をカウンタウエイト61と表記し、脚部50側のカウンタウエイト60をカウンタウエイト62と表記する。
【0024】
図8に示すように、脚部40側において、脚部40上に吊り下げ梁41を設置し、吊り下げ梁41上にジャッキ42、43を設置する。また、吊索44を用いてジャッキ42とカウンタウエイト61とを連結する。また、脚部50側においても同様に、脚部50上に吊り下げ梁51を設置し、吊り下げ梁51上にジャッキ52、53を設置する。また、吊索54を用いてジャッキ52とカウンタウエイト62とを連結する。
【0025】
準備工程S40では、カウンタウエイト60をそれぞれ移動機構70に搭載した状態で配置する。移動機構70としては、例えば台車等が挙げられる。カウンタウエイト60は、連結機構75により移動機構70との間で上下方向に一体に連結された構成としてもよい。この場合、カウンタウエイト60による重力と移動機構70による重力との合力を反力として用いることができる。以下、移動機構70を区別する場合、カウンタウエイト61を搭載する移動機構70を移動機構71と表記し、カウンタウエイト62を搭載する移動機構70を移動機構72と表記する。
【0026】
桁配置工程S50は、図9に示すように、架設位置P1に架設する桁100を当該架設位置P1の下方の下方位置P2に配置する。なお、桁配置工程S50は、上記した連結工程S30と同じ場所で行ってもよい。この場合、連結工程S30において、下方位置P2で桁部材10同士を連結するようにしてもよい。これにより、連結工程S30を完了することで、下方位置P2に桁100が配置されるため、桁配置工程S50が同時に完了することになる。
【0027】
桁配置工程S50では、図9に示すように、連結工程S30で連結された状態の桁100を複数の移動多軸台車20に搭載した状態のまま、当該複数の移動多軸台車20を移動させることで、桁100を下方位置P2に配置する。なお、上記した桁建造方法とは異なる方法で建造された桁を搬送する場合には、移動多軸台車20と同様の構成の移動多軸台車を用いて当該桁を下方位置P2に配置してもよいし、移動多軸台車とは異なる移動手段により当該桁を下方位置P2に配置してもよい。
【0028】
架設工程S60は、桁100を引き上げて架設位置P1に架設する。架設工程S60では、図10に示すように、脚部40側のジャッキ43と桁100の一端側とを吊索46により連結し、脚部50側のジャッキ53と桁100の他端側とを吊索56により連結する。ジャッキ43、53と桁100とを連結した後、ジャッキ42、43、52、53により吊索44、46、54、56の張力を調整し、吊り下げ梁41、51の水平度を調整する。
【0029】
次に、図11に示すように、ジャッキ43、53により桁100を下方位置P2から架設位置P1まで引き上げる。桁100を引き上げた後、桁100の両端をそれぞれ脚部40、50に連結する。
【0030】
撤去工程S70は、桁100を架設位置P1に架設した後、カウンタウエイト60を撤去する。撤去工程S70では、図12に示すように、吊索46、56を桁100から取り外す。なお、このとき、吊索44、54をカウンタウエイト61、62から取り外してもよい。
【0031】
次に、図13に示すように、移動機構71、72を移動させることにより、カウンタウエイト61、62をそれぞれ撤去する。このように、移動機構71、72を移動させることでカウンタウエイト61、62を容易に撤去することができる。また、撤去工程S70では、準備工程S40で配置した吊り下げ梁41、51、ジャッキ42、43、52、53、吊索44、54と、桁配置工程S50で配置した移動多軸台車20とを併せて撤去する。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る桁建造方法は、桁100を構成する複数の桁部分10のそれぞれを別個に組み立てる組み立て工程S10と、組み立てたそれぞれの桁部分10を異なる移動多軸台車20に搭載する搭載工程S20と、桁部分10を搭載した移動多軸台車20同士を相対的に移動させて複数の桁部分10同士を連結することで、複数の桁部分10の連結体である桁100を建造する連結工程S30とを含む。
【0033】
この構成によれば、別個に組み立てた桁部分10を搭載した移動多軸台車20同士を相対的に移動させて複数の桁部分10同士を連結することで、複数の桁部分10の連結体である桁100を建造することができる。このため、桁100の全体を建造するための作業スペースが確保できない場合でも、1つの桁部分10を建造するための作業場所が確保できれば、桁100を建造することができる。これにより、作業スペースに応じて適切に桁100を建造することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る桁建造方法において、連結工程S30では、複数の移動多軸台車20を相対的に移動させる場合、連結する一の桁部分10を搭載した一の移動多軸台車20を停止させ、連結する他の桁部分10を搭載した他の移動多軸台車20を一の移動多軸台車20に対して移動させる。
【0035】
この構成によれば、桁部分10同士を連結する場合に、移動多軸台車20同士の位置合わせを確実に行うことができる。
【0036】
また、本実施形態に係る桁建造方法において、移動多軸台車20は、搭載した桁部分10を当該移動多軸台車20上で前後、左右及び上下に移動可能な位置調整機構30を有し、連結工程S30では、複数の移動多軸台車20を相対移動させて当該移動多軸台車20同士の位置合わせを行った後、少なくとも一つの移動多軸台車20の位置調整機構30により桁部分10を移動させて桁部分10同士の位置調整を行う。
【0037】
この構成によれば、桁部分10同士を連結する場合に、桁部分10同士の位置合わせを確実に行うことができる。
【0038】
本実施形態に係る桁架設方法は、上記した桁建造方法により建造した桁100を架設位置P1の下方に配置する桁配置工程S50と、架設位置P1の下方に配置した桁100を架設位置P1に架設する架設工程S60とを含み、桁配置工程S50は、架設位置P1の下方の下方位置P2で連結工程S30を行うことで桁100を下方位置P2に配置すること、又は、下方位置P2とは異なる位置で連結工程S30を行った後に複数の移動多軸台車20に搭載した状態のまま複数の移動多軸台車20を移動させることで桁100を下方位置P2に配置することを含む。
【0039】
この構成によれば、移動多軸台車20に搭載した桁部分10同士を連結した状態の桁100を効率的に下方位置P2に移動することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る桁架設方法において、桁100を架設位置P1に引き上げるためのカウンタウエイト60を移動機構70に搭載した状態で配置する準備工程S40を更に含み、架設工程S60では、カウンタウエイト60の反力を利用して桁100を架設位置P1に引き上げ、桁100を架設した後、移動機構70を移動させることでカウンタウエイト60を撤去する撤去工程S70を更に含む。
【0041】
この構成によれば、移動機構70を移動させることでカウンタウエイト60の配置及び撤去を行うことができるため、桁100を架設位置P1に引き上げる作業を行う作業場所の周囲に反力となる構造物等を確保できない場合であっても、桁100の引き上げ作業を行うことができる。したがって、桁部分10同士を連結して桁100を建造する作業及び当該桁100を架設する作業の一連の作業において、周囲の環境に応じて適切に作業を行うことができる。また、桁100の架設が完了した後、迅速にカウンタウエイト60を撤去することができる。
【0042】
本実施形態に係る桁架設方法は、架設位置P1に架設する桁100を当該架設位置P1の下方に配置する桁配置工程S50と、桁100を架設位置P1に引き上げるためのカウンタウエイト60を移動機構70に搭載した状態で配置する準備工程S40と、カウンタウエイト60の反力を利用して桁100を引き上げることで、桁100を架設位置P1に引き上げて架設する架設工程S60と、桁100を架設した後、移動機構70を移動させることでカウンタウエイト60を撤去する撤去工程S70とを含む。
【0043】
この構成によれば、移動機構70を移動させることでカウンタウエイト60の配置及び撤去を行うことができるため、桁100を架設位置P1に引き上げる作業を行う作業場所の周囲に反力となる構造物等を確保できない場合であっても、桁100の引き上げ作業を行うことができる。また、桁100の架設が完了した後、迅速にカウンタウエイト60を撤去することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る桁架設方法において、カウンタウエイト60は、移動機構70に対して上下方向に一体に連結される。
【0045】
この構成によれば、桁100を引き上げる際の反力として、カウンタウエイト60及び移動機構70を合せた重力を用いることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る桁架設方法において、移動機構70は、台車である。
【0047】
この構成によれば、カウンタウエイト60を搭載した状態で容易に移動させることができる。
【0048】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0049】
10 桁部分
10a 継手
11 第1桁部分
12 第2桁部分
15 架台
20 移動多軸台車
21 第1移動多軸台車
22 第2移動多軸台車
30 位置調整機構
40,50 脚部
41,51 吊り下げ梁
42,43,52,53 ジャッキ
44,46,54,56 吊索
60,61,62 カウンタウエイト
70,71,72 移動機構
100 桁
P1 架設位置
P2 下方位置
S10 組み立て工程
S20 搭載工程
S30 連結工程
S40 準備工程
S50 桁配置工程
S60 架設工程
S70 撤去工程
【要約】
【課題】作業スペースに応じて適切に桁を建造する。
【解決手段】桁建造方法は、桁を構成する複数の桁部分のそれぞれを別個に組み立てる組み立て工程と、組み立てたそれぞれの桁部分を異なる移動多軸台車に搭載する搭載工程と、桁部分を搭載した移動多軸台車同士を相対的に移動させて複数の桁部分同士を連結することで、複数の桁部分の連結体である桁を建造する連結工程とを含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13