(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】木炭着火ユニット及び木炭調理加熱装置
(51)【国際特許分類】
F24B 15/00 20060101AFI20240220BHJP
F24B 1/20 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
F24B15/00 A
F24B1/20
(21)【出願番号】P 2020128702
(22)【出願日】2020-07-02
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】517168004
【氏名又は名称】奥村 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064861
【氏名又は名称】奥村 文雄
(72)【発明者】
【氏名】奥村 文雄
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-85435(JP,A)
【文献】特開2018-185138(JP,A)
【文献】実開昭58-102907(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24B 15/00
F24B 1/20
F23B 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白炭着火の火炎燃焼部と、その下方の火起燃焼部とを有し
火起燃焼部の周面を包囲して火起燃焼部の側面からの外気の侵入を阻止する遮蔽側面を有するところの、上面を開口した四角形筒状・円筒状の箱型容器を設け、
火起燃焼部と箱型容器の底面とし間に、保温通気部を形成し
該保温通気部は、点火エリヤに位置して中心開口を形成して点火空間が存在し、
燃焼エリヤに対して、点火時には燃焼エリヤに対して遮断面を形成して、燃焼エリヤに対しての燃焼空気の供給を阻止し、燃焼エリヤの燃焼により開口するところ、遅延開口遮断層を有し、
前記保温通気部の下方に、側面の一部を外気に通じる底面空間H2を形成し、
点火時は点火空間のみに外気を供給し、
火起燃焼部の燃焼時には、燃焼エリヤの火起燃焼部の底面に対しても、保温通気部を介して、外気を供給するとともに、
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持することを特徴とする木炭着火ユニット
【請求項2】
白炭着火の火炎燃焼部と、その下方の火起燃焼部とを有し
火起燃焼部の周面を包囲して火起燃焼部の側面からの外気の侵入を阻止する遮蔽側面を有するところの、上面を開口した四角形筒状・円筒状の箱型容器を設け、
火起燃焼部と箱型容器の底面とし間に、保温通気部を形成し
該保温通気部は、点火エリヤに位置して中心開口を形成して点火空間が存在し、
燃焼エリヤに対して、点火時には燃焼エリヤに対して遮断面を形成して、燃焼エリヤに対しての燃焼空気の供給を阻止し、燃焼エリヤの燃焼により開口するところ、遅延開口遮断層を有し、前記保温通気部の下方に、側面の一部を外気に通じる底面空間H2を形成し、点火時は点火空間のみに外気を供給し、火起燃焼部の燃焼時には、燃焼エリヤの火起燃焼部の底面に対しても、保温通気部を介して、外気を供給する木炭着火ユニットと、
箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座とを設けるとともに、
箱型容器の底面を開口して、台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させて、台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間の空間を、底部空間H2とし、
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持することを特徴とする木炭調理加熱装置
【請求項3】
白炭着火の火炎燃焼部と、その下方の火起燃焼部とを有し
火起燃焼部の周面を包囲して火起燃焼部の側面からの外気の侵入を阻止する遮蔽側面を有するところの、上面を開口した四角形筒状・円筒状の箱型容器を設け、
火起燃焼部と箱型容器の底面とし間に、保温通気部を形成し
該保温通気部は、点火エリヤに位置して中心開口を形成して点火空間が存在し、
燃焼エリヤに対して、点火時には燃焼エリヤに対して遮断面を形成して、燃焼エリヤに対しての燃焼空気の供給を阻止し、燃焼エリヤの燃焼により開口するところ、遅延開口遮断層を有し、前記保温通気部の下方に、側面の一部を外気に通じる底面空間H2を形成し、点火時は点火空間のみに外気を供給し、火起燃焼部の燃焼時には、燃焼エリヤの火起燃焼部の底面に対しても、保温通気部を介して、外気を供給する木炭着火ユニットと、
箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座とを設けるとともに、
箱型容器の底面を開口して、台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させて、台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間の空間を、底部空間H2とし、
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持するともに、
水平鉄面を有する台座に加熱調理器を適用し、加熱調理器の調理面を前記水平鉄面としたことを特徴とする木炭調理加熱装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、備中炭、菊炭などの白炭を主として燃料とする木炭調理加熱装置に関するものである。
白炭等の固形燃料の着火を、卓上加熱装置の加熱面である鉄板容器を利用して行うことを特徴とする、木炭着火ユニット及び木炭調理加熱装置に関するものである。
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許公開公報 特開2018-204796号「炭、練炭、豆炭等の固形燃料を使用する火鉢型卓上調理コンロ」。
【文献】特許公開公報 特開2020-67264号「木炭等の固形燃料用の火起装置および火起兼卓上調理器」
【文献】特許公開公報 特開2000-220830号「コンロ用炭火調理器具と専用木炭の製造方法」
【発明の概要】
【0004】
本願発明者は、卓上調理具の燃料として、過去に一般的に使用されていたところの、木炭等の固形燃料の使用を促進することを目的として、特許文献1の特開2018-204796号及び特許文献2の特開2020-67264号の発明を開示している。
上記発明は、煙検出器、CO検出器、換気設備など存在する環境に限定して、家屋内での火起こしを可能とするものである。さらに、換気扇に換気環境の調理室、食堂において、IHコンロ、LPコンロ、ガスコンロなどの加熱手段を使用して、火起こし装置による白炭の着火を可能としている。
特許文献3の特開2000-220830号「コンロ用炭火調理器具と専用木炭の製造方法」の発明は、ガスコンロにより加熱される鉄板容器を利用して火起こしを行うことを開示している。
【発明か解決すべき課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2の発明においては、火起時に、点火エリヤに煙を発生させることで、室内換気を強制して換気不良の室内での使用を阻止している。
したがって、点火時に点火エリヤを貫通する煙突空間に上昇気流の発生させる必要がある。
特許文献1および特許文献2の発明においては、耐熱蓄熱包囲壁の底面に貫通孔
を形成して、煙突空間を貫通する上昇気流の発生させている。
特許文献3の鉄板容器には貫通孔が存在しない。
よって、特許文献1および特許文献2の発明と、特許文献3の発明との組合せでは、点火時にトンネル空間を貫通・上昇する気流の発生が不可能であることの問題点がある。
【0006】
よって。本願発明は、卓上加熱機器として、卓上への座台に、密封平面の水平板
面で貫通孔の存在しない鉄板容器の底面を使用し、かつ、点火エリヤへの外気の供給和を確保して、点火を円滑に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1発明は、白炭着火の火炎燃焼部と、その下方の火起燃焼部とを有し、火起燃焼部の周面を包囲して火起燃焼部の側面よりの外気の侵入を阻止する遮蔽側面を有するところの、上面を開口した四角形筒状・円筒状の箱型容器を設け、
火起燃焼部と箱型容器の底面とし間に、保温通気部を形成し、該保温通気部は、点火エリヤに位置して中心開口を形成して点火空間が存在し、燃焼エリヤに対して、点火時には燃焼エリヤに対して遮断面を形成して、燃焼エリヤに対しての燃焼空気の供給を阻止し、燃焼エリヤの燃焼により開口するところ、遅延開口遮断層を有し、
前記保温通気部の下方に、側面の一部を外気に通じる底面空間H2を形成し、
点火時は点火空間のみに外気を供給し、火起燃焼部の燃焼時には、燃焼エリヤの火起燃焼部の底面に対しても、保温通気部を介して、外気を供給するとともに、
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持することを特徴とする木炭着火ユニットを提供する。
本願第2発明は、第1発明の木炭着火ユニットと、箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座とを設け、
箱型容器の底面を開口して、台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させて、台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間の空間を、底部空間H2と
箱型容器の底面を開口して、台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させて、台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間の空間を、底部空間H2とし、
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持することを特徴とする木炭調理加熱装置を提供する。
本願第3発明は、第2発明の木炭着火ユニットと箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座とを設けるとともに、
箱型容器の底面を開口して、台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させて、台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間の空間を、底部空間H2とし、
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持するとともに、
前記箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座について、加熱調理器を適用して、加熱調理器の調理面を前記水平鉄面としたことを特徴とする木炭調理加熱装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
点火時に点火エリヤより上昇する白煙を発生させることにより、換気不良の密室状態の室内での使用を阻止することで、換気扇による換気環境の調理室、食堂においのみ、火起こし装置の着火作業及び炭火焼調理を可能とする効果を有する。
さらに、換気扇による換気環境の調理室、食堂において、IHコンロ、LPコンロ、ガスコンロなどの加熱手段を使用して、火起こし装置による白炭の着火を容易とする効果を有する。
上記の先願発明の効果に加えて、点火時に、点火エリヤへの外気の供給を確実にするとともに、燃焼エリヤの燃焼時に、燃焼エリヤへの外気の供給を確実にして、燃焼不良を防止することで、一酸化炭素・COの発生を阻止することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】木炭着火ユニットの実施例を示し、a図は斜視図、b図は平面図、c図は正面図、d図は横断面図、e図は縦断面図。
【
図2】木炭着火ユニットの第2実施例を示し、箱型容器の遮蔽側面を、金属製、陶器製として耐熱蓄熱壁とする。a図は斜視図、b図は平面図、c図は正面図、d図は縦断面図。
【
図3】保温通気部の実施例を示し、a図は斜視図、b図は平面図、c図は正面図、d図はb図のS1-S1切断線による縦断面図、e図はb図のS2-S2切断線による縦断面図。
【
図4】保温通気部の、遅延開口遮断層5の第2実施例を示し、a図は遅延開口遮断層について、遮断面を形成した状態で示す平面図、b図は同じく縦断面図、c図は遅延開口遮断層について、開口を形成した状態で示す平面図、d図は同じく縦断面図。
【
図5】木炭着火ユニットの第3実施例を示し、箱型容器の天面の開口に天面カバーを装備する。a図は斜視図、b図は正面図。
【
図6】木炭調理加熱装置の第1実施例を示し、
図1の木炭着火ユニットと平面板状の鉄板容器とを使用し、a図は斜視図、b図は正面図。
【
図7】木炭調理加熱装置の第2実施例を示めす正面図。
図2の木炭着火ユニットと平面板状の鉄板容器とを使用する。
【
図8】木炭調理加熱装置の第3実施例を示めす部分縦断面の正面図。
図7の木炭調理加熱装置において、前記箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座について、加熱調理器を適用して、前記水平鉄面を加熱調理器の調理面とする。
【
図9】木炭調理加熱装置の第4実施例を示めす正面図。
図5の木炭着火ユニットを使用して、箱型容器の天面の開口に天面カバーを装備する。
【
図10】本願発明の使用状態を示し、「点火エリヤPの点火---白煙Fの発生」を説明する。
【
図11】同じく、「燃焼エリヤQの火起燃焼部Q2への燃焼空気の供給の着火」を説明する。
【
図12】同じく、「 火炎燃焼部Q1の白炭へ着火---白炭の燃焼開始」を説明する。
【本発明を実施するための形態】
【0010】
本願第1発明の木炭着火ユニットは、
白炭着火の火炎燃焼部と、その下方の火起燃焼部とを有し、火起燃焼部の周面を包囲して火起燃焼部の側面よりの外気の侵入を阻止する遮蔽側面を有するところの、上面を開口した四角形筒状・円筒状の箱型容器を設ける。
火起燃焼部と箱型容器の底面とし間に、保温通気部を形成する。
該保温通気部は、点火エリヤに位置して中心開口を形成して点火空間が存在し、燃焼エリヤに対して、点火時には燃焼エリヤに対して遮断面を形成して、燃焼エリヤに対しての燃焼空気の供給を阻止し、燃焼エリヤの燃焼により開口するところ、遅延開口遮断層を有する。
前記保温通気部の下方に、側面の一部を外気に通じる底面空間H2を形成する。
点火時は点火空間のみに外気を供給し、火起燃焼部の燃焼時には、燃焼エリヤの火起燃焼部の底面に対しても、保温通気部を介して、外気を供給する
ことを特徴とする。
【0011】
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁として、火起燃焼部をより高温に維持する。
【0012】
燃焼エリヤの上面をおおい、点火エリヤの上方のみを開口し、箱型容器に着脱自在とするし、天面カバーを設ける。
点火時に天面カバーを装備することで、点火エリヤの上方のみを開口する。
【0013】
本願第2発明は、本願第1発明の木炭着火ユニットを装備するとともに、箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座を設ける。
第1発明の木炭着火ユニットの箱型容器の底面を開口して、底面開口を形成する。台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させる。
台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間に、外気に通じる底部空間H2を形成する。
【0014】
箱型容器の遮蔽側面2を、金属製、陶器製として耐熱蓄熱壁2Aとすることで、火起燃焼部をより高温に維持する。
【0015】
本願第3発明は、第2発明の木炭調理加熱装置において、
前記箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座について、加熱調理器を適用して、加熱調理器の調理面を前記水平鉄面としたことを特徴とする。
【0016】
第3発明の木炭調理加熱装置に加えて、
燃焼エリヤの上面をおおい、点火エリヤの上方のみを開口し、箱型容器に着脱自在とする天面カバーと、天面カバーの開口を遮断するための遮断具とを設け、
点火時に天面カバーを装備することで、点火エリヤの上方のみを開口するとともに、調理終了に際して、天面カバーを装備してもよいものである。
【実施例】
【0017】
図1は木炭着火ユニットAを示し、
上面を開口した四角形筒状・円筒状の箱型容器1で燃焼エリヤQを包囲する。
燃焼エリヤQは、白炭着火の火炎燃焼部Q1と、その下方の火起燃焼部Q2とを有し、箱型容器1の側面の一部は、陶器製、金属製、金属箔などの不燃性で密封性の材料構造として、遮蔽側面2を構成する。
【0018】
遮蔽側面2は、火起燃焼部Q2の周面を包囲して、箱型容器1の側面「火起燃焼部の側面」よりの外気の侵入を阻止する。
火起燃焼部Q2の底面と箱型容器1の底面3との間に、保温通気部Q3を形成する。
【0019】
図2は、第2実施例の木炭着火ユニットAを示し、
箱型容器1を、箱型容器1aで、火炎燃焼部Q1と、その下方の火起燃焼部Q2とを包囲し、保温通気部Q3の側面を包囲する容器1bを追加する構成とする。
箱型容器1aと容器1bとを、紙・薄板、布、金属ネットなどの外装材1cで包み込むことで、火炎燃焼部Q1と、火起燃焼部Q2と、保温通気部Q3とを、一体化している。外装材1cは、使用時に除去する。
【0020】
図3を参照して、保温通気部Q3を説明する。
箱型容器1の最下部に位置して、箱型容器1内に装備されている。
平板形状で中心部に中心開口4を形成している。
中心開口4は、点火空間H1を形成し、点火エリヤを構成する。
保温通気部Q3には、遅延開口遮断層5を形成するる。
遅延開口遮断層5は、点火時には燃焼エリヤの上下方向に遮断面を形成して、燃焼エリヤに対しての燃焼空気の供給を阻止するとともに、
燃焼エリヤの燃焼により開口するところ、遅延開口を形成する。
【0021】
図4に示す遅延開口遮断層5は、紙、薄板などの可燃材料51と、セラミック粒子・貫通孔の存在する陶器製品など耐熱材52との混合とし、可燃材料の燃焼により開口を形成する遮断構造とした。
【0022】
図5に示す遅延開口遮断層5は、段ボール紙、薄板などの可燃材料で遮断層5aと、常時開口が存在する開口混合層(「例えば火格子」5bとの二層構造で構成した。
【0023】
図5を参照して、遅延開口遮断層5は、紙、薄板などの可燃材料51と、セラミック粒子・貫通孔の存在する陶器製品など耐熱材52との混合とし、可燃材料の燃焼により開口を形成する遮断構造とした。
【0024】
次に木炭調理加熱装置Bを、説明する。
図6に示す実施例の木炭調理加熱装置B1参照して、
図1の木炭着火ユニットAと、箱型容器1の下方に設けた、水平鉄面を有する台座8とで構成する。
【0025】
図7に示す実施例の木炭調理加熱装置B2においては、
箱型容器の底面を開口して、台座の水平鉄面を保温通気部の底面と対面させて、台座の水平鉄面と保温通気部の底面との間に空間を存在させて、底部空間H2を形成する。
箱型容器の遮蔽側面を耐熱蓄熱壁2として、火起燃焼部をより高温に維持する。
【0026】
図8に示す実施例の木炭調理加熱装置B3においては、
前記箱型容器の下方に水平鉄面を有する台座について、加熱調理器8aを適用して、加熱調理器の調理面を前記水平鉄面7とする。
加熱調理器の運転による調理面すなわち水平鉄面の加熱により、底部空間H2
の温度上昇--着火剤に点火、燃焼エリヤの燃焼となる。
【0027】
図9に示す実施例の木炭調理加熱装置B4においては、燃焼エリヤの上面をおおい、点火エリヤの上方のみを開口し、箱型容器に着脱自在とするし、天面カバーと、天面カバーの開口を遮断するための遮断具9とを設け、
点火時に天面カバーを装備することで、点火エリヤの上方のみを開口するとともに、調理終了に際して、天面カバーを装備するとともに、開口6aに、遮断具9を押込むことで、燃焼エリヤQよりの燃焼空気の流出を阻止して、消火する。
【0028】
本発明の木炭調理加熱装置の使用にあたり、火炎燃焼部Q1には、菊炭、クヌギ炭などの白炭M3を収容する。
火起燃焼部Q2には、竹材・ヒノキ材の削片・切断片などの着火材料M2を挿入する。
保温通気部Q3には、遅延開口遮断層20か存在するが、該遅延開口遮断層20は、点火エリヤに位置して、中心開口を形成し、煙突空間と常時連通する。燃焼エリヤに位置して、遮断面を形成する。
遅延開口遮断層20の構成例として、可燃部「切断紙・木材切粉」Mと不燃部「セラミック粒子」Sとの混合により構成し、燃焼前には全面遮断面で、可燃部燃部の燃焼により可燃部が開口することにより、遅延開口面を構成する。
セラミック材Sにより制作した格子状製品の開口個所に可燃部「切断紙・木材切粉」Mを詰めるとでも構成できる。
遅延開口遮断層20は、点火時には遮断層の形成で火起燃焼部Q2に対しての燃焼空気の供給を阻止する。
点火ののち、火起燃焼部Q2の燃焼開始によりし、遮断面の部分燃焼により開口する。
なお、遅延開口遮断層20を、常時、上下に貫通する開口を有する火格子と、遮断面を形成する平板形状の板紙とで構成した場合には、点火時には、板紙が遮断層を形成し火起燃焼部Q2への外気の供給を阻止する。そののち板紙の燃焼・消失により、火格子の開口は有効となる。火起燃焼部Q2へ外気を供給する。
【0029】
次に本発明の作用を説明する。
1.
図10を参照して、
点火エリヤPの点火---白煙Fの発生
a.
着火剤M0に点火
b.
筒状体の内部の着火体M1に着火、
c.
点火エリヤPより上昇する白煙Fの発生
2.
図11を参照して、
火起燃焼部Q2への燃焼空気の供給---火起燃焼部Q2の着火
a.
遅延開口部22の着火材料Mの燃焼による遅延開口の発生により、K2の供給
b.
火起燃焼部Q2への燃焼空気の供給により火起燃焼部Q2の着火材M2の燃焼
c.
火起燃焼部Q2の全面より赤災の発生
3.
図12参照して
火炎燃焼部Q1の白炭M3へ着火---白炭の燃焼開始
a.
燃焼エリヤQの火炎燃焼部Q1の燃焼
b.
火炎燃焼部Q1の白炭へ着火-白炭の燃焼開始
燃焼エリヤQの全面より赤災の発生
白炭の火起こしを完了する
【0030】
以下に、本発明の効果を列挙する。
炭火焼調理の他、高温度加熱を最適とする各種の料理に適用できる。また、燻製装置などとしても利用できる。
ガス・電気の契約容量を低減できる---店舗の設備費を低減でき。
野外調理に限定して、焼芋製造機としても利用できる。
セラミック火格子は、木炭の灰を落下させる効果がある。不完全燃焼を防止する。
【0031】
LPガスボンベを熱源とする卓上コンロに代替することで、LPガスボンベの保管、使用時のガス漏れ事故・火災の危険を無くするとともに、震災時用の調理具として最適の調理具を提供する効果を有する。
IH電気ヒータ、電気鍋、肉焼電気プレート等の電気加熱機器を、旅館、料理店で使用するには、同時運転を予定する定格電力の増加により契約容量の増加を必要とし、飲食店等の営業コスト増加となるが、本発明のコンロ本体は、複数個を順次加熱して、底面加熱手段としての電気加熱機器を使用した場合においても、時差利用により設備としての契約容量を低減できる効果があり、飲食店の営業コストを低減できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、火鉢型卓上調理コンロの利用促進、および炭、練炭、豆炭等の固形燃料の使用促進により産業の発展に寄与するものである。
【符号の説明】
【0033】
A 木炭着火ユニット
B 木炭調理加熱装置
P 点火エリヤ
Q 燃焼エリヤ
Q1 火炎燃焼部
Q2 火起燃焼部、
Q3 保温通気部
1 箱型容器
2 遮蔽側面
5 遅延開口遮断層
5a 遮断層
5b 開口混合層(「例えば火格子」5b
51 可燃材料
52 耐熱材
6 天面カバー
7 水平鉄面
8 台座