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特許7439377ゲームプログラム、コンピュータ、及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、コンピュータ、及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20240220BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240220BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20240220BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20240220BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/65
A63F13/35
A63F13/216
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021188278
(22)【出願日】2021-11-19
(62)【分割の表示】P 2020036908の分割
【原出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2022010405
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-000767(JP,A)
【文献】特開2016-036598(JP,A)
【文献】特開2017-006270(JP,A)
【文献】特開2017-164218(JP,A)
【文献】AppMedia編集部,【モンスト】モンスターレンタル機能の詳細まとめ,[online],2018年10月10日,https://appmedia.jp/monst/2529658
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置と接続可能なサーバ装置により実行されるゲームプログラムであって、
前記サーバ装置を、
第1ユーザの前記ゲーム装置から受信した位置情報が、前記第1ユーザによって選択されたシナリオにおいてゲーム上で提示された目的地に対応付けられている現実世界を示す地図データ上の目的地の範囲内である場合、仮想空間内で前記ゲームのシナリオにおけるイベントを発生させ、前記イベントに前記第1ユーザを参加させるイベント発生手段と、
前記目的地の範囲内に到達して前記仮想空間内でゲームのシナリオにおけるイベントが発生することにより前記イベントに参加している他のユーザのうち、所有するゲームオブジェクトに関する前記第1ユーザに対する特定条件を満たす第2ユーザを特定し、前記第1ユーザと前記第2ユーザが前記イベントに参加していることを条件として、前記第2ユーザが所有するゲームオブジェクトを前記第1ユーザに使用させる手段と、として機能させる
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記特定条件は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザ、または、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザのそれぞれに関連付けられたプレイヤキャラクタの能力値が特定範囲内であることを含む
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
ゲーム装置と接続可能なサーバ装置により実行されるゲームプログラムであって、
前記サーバ装置を、
第1ユーザの前記ゲーム装置から受信した位置情報が現実世界を示す地図データ上の目的地の範囲内である場合、仮想空間内でゲームのイベントを発生させ、前記イベントに前記第1ユーザを参加させるイベント発生手段と、
前記イベントに参加している他のユーザのうち、所有するゲームオブジェクトに関する前記第1ユーザに対する特定条件を満たす第2ユーザを特定し、前記第1ユーザと前記第2ユーザが前記イベントに参加していることを条件として、前記第2ユーザが所有するゲームオブジェクトを前記第1ユーザに使用させる手段と、として機能させ、
前記特定条件は、前記第1ユーザが所有するゲームオブジェクトを他のユーザに使用させた回数と、前記第2ユーザが所有するゲームオブジェクトを他のユーザに使用させた回数と、が特定範囲内にあることを含む
ームプログラム。
【請求項4】
ゲーム装置と接続可能なサーバ装置により実行されるゲームプログラムであって、
前記サーバ装置を、
第1ユーザの前記ゲーム装置から受信した位置情報が現実世界を示す地図データ上の目的地の範囲内である場合、仮想空間内でゲームのイベントを発生させ、前記イベントに前記第1ユーザを参加させるイベント発生手段と、
前記イベントに参加している他のユーザのうち、所有するゲームオブジェクトに関する前記第1ユーザに対する特定条件を満たす第2ユーザを特定し、前記第1ユーザと前記第2ユーザが前記イベントに参加していることを条件として、前記第2ユーザが所有するゲームオブジェクトを前記第1ユーザに使用させる手段と、として機能させ、
前記特定条件は、前記第1ユーザの前記ゲームに対する課金量と、前記第2ユーザの前記ゲームに対する課金量と、が特定範囲内にあることを含む
ームプログラム。
【請求項5】
前記特定条件は、前記第1ユーザと前記第2ユーザが、同種または類似のカテゴリーの前記ゲームオブジェクトを所有していることを含む
請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1ユーザが、所有するゲームオブジェクトに関する前記第2ユーザに対する特定条件を満たす場合、前記第1ユーザが所有するゲームオブジェクトを前記第2ユーザに使用させる
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1ユーザが、所有するゲームオブジェクトに関する前記第2ユーザに対する特定条件を満たさない場合、前記第1ユーザが所有する前記ゲームオブジェクトを前記第2ユーザに使用させることを禁止する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第1ユーザが、所有するゲームオブジェクトに関する前記第2ユーザに対する特定条件を満たさない場合、前記第1ユーザが所有する前記ゲームオブジェクトのうち、前記第2ユーザに使用させる前記ゲームオブジェクトを制限する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える
サーバ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバ装置と、前記ゲーム装置とを含む
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を利用するゲームプログラム、コンピュータ、及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)の位置情報を利用したゲーム(以下、「位置ゲーム」という。)が開発されている。
【0003】
特許文献1には、従来の位置ゲームの一例として、コンピュータのプロセッサが、ゲームにおいて使用される地図データにおいて、ユーザが特定のエリアに移動することでプレイ可能なクエストをユーザに設定するステップと、ユーザの位置情報を取得するステップと、取得されるユーザの位置情報に基づいて、クエストにおいて指定される特定のエリアにユーザが位置している場合に、ユーザにクエストのプレイを可能とさせるステップと、を実行することを含む技術が記載されている。このうち、クエストは、複数のユーザによりプレイ可能なものを含む。ユーザにクエストのプレイを可能とさせるステップは、複数のユーザそれぞれについて取得される位置情報に基づいて、クエストにおいて指定される特定のエリアに位置するユーザが協同してクエストをプレイすることを可能とさせることを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-64708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の位置ゲームでは、複数のユーザが目的地に集まっても、各自がシナリオ(クエスト)をプレイするだけだった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、上述の問題点を解消し、複数のユーザが目的地に集まった際に、ゲームの興趣性をより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームプログラムは、ゲーム装置と接続可能なサーバ装置により実行されるゲームプログラムであって、前記サーバ装置を、現実世界を示す地図データ上の目的地に到着することで、仮想空間内でゲームのイベントを発生させるイベント発生手段と、前記イベント発生手段により前記イベントが発生された際に、複数の前記ゲーム装置の現在の前記地図データ上の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づいて、前記イベントに参加している前記ゲーム装置に対応づけられたユーザを複数、検索する検索手段と、特定条件に対応して、前記検索手段により検索された前記ユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りする貸借手段として機能させるゲームプログラムであることを特徴とする。
本発明のゲームプログラムは、前記特定条件は、前記位置情報から算出された、貸し借りを行う前記ユーザ間の距離が特定範囲内であることを含む前記ゲームプログラムであることを特徴とする。
本発明のゲームプログラムは、前記特定条件は、貸し借りする前記ユーザ間の特定パラメータの値が特定範囲内にあることを含む前記ゲームプログラムであることを特徴とする。
本発明のゲームプログラムは、前記サーバ装置を、前記貸借手段により、貸し借りした前記ゲームオブジェクトを記録させる記録手段として更に機能させ、前記貸借手段は、前記記録手段により記録されたゲームオブジェクトを、借りた前記ユーザに対して、前記特定条件に対応しなくても、他の制限に基づいて使用可能とする前記ゲームプログラムであることを特徴とする。
本発明のコンピュータは、前記ゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行する制御部とを備えるコンピュータであることを特徴とする。
本発明のゲームシステムは、記憶部及び表示部を備える複数のゲーム装置と、前記ゲーム装置と接続可能なサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、前記サーバ装置は、現実世界を示す地図データ上の目的地でゲーム内のイベントを発生させるイベント発生手段と、前記イベント発生手段により前記イベントが発生された際に、前記複数のゲーム装置の現在の前記地図データ上の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づいて、前記イベントに参加しているゲーム装置に対応づけられたユーザを複数、検索する検索手段と、特定条件に対応して、前記検索手段により検索された前記ユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りする貸借手段とを備え、前記複数のゲーム装置のそれぞれは、前記位置情報を前記サーバ装置へ送信する位置送信手段と、借りた前記ゲームオブジェクトを前記イベントで使用可能とするゲーム実行手段とを備えるゲームシステムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、イベントに参加している前記ゲーム装置に対応づけられたユーザを複数、検索して、検索されたユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りすることで、複数のユーザが目的地に集まった際に、ゲームの興趣性をより向上させるゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図1に示すゲームシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図3図2に示すアカウント設定及びゲームデータの詳細を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係るゲーム進行処理のフローチャートである。
図5図4に示すゲーム進行処理の具体例を示す概念図である。
図6】本発明の他の実施の形態に係るゲーム装置の機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲームシステムXについて、図面を参照して説明する。
図1によると、本実施形態のゲームシステムXは、サーバ装置1及び複数のゲーム装置2にて構成される。
ゲームシステムXでは、例えば、スマートフォン等のゲーム装置2にインストールされるアプリケーションソフトウェア(Application Software、ネイティブ(Native)アプリ、以下、単に「アプリ」という。)を実行することで、サーバ装置1との間で通信を行い、ユーザにゲームを実行(プレイ)させる。
【0011】
本実施形態で説明されるゲームの概要について説明する。本実施形態のゲームは、位置情報を用いた位置ゲームの一種である。
このゲームにおいては、ユーザは、例えば、ゲームの「クエスト」等のシナリオ(ステージ)を受注(選択)等し、プレイヤキャラクタを操作して、ゲーム上で提示された目的地312(図3)に向かう。目的地312に到達した後、各種のゲーム内イベント(以下、単に「イベント」という。)が発生する。この各種イベントでは、プレイヤキャラクタのゲームオブジェクト(プレイヤ)と、敵キャラクタのゲームオブジェクト(以下、「モンスター」という。)とが、現実空間に対応した仮想空間上で戦闘する。または、イベントとして、謎解きをしたり、所有や装備が可能なゲームオブジェクト(以下、「アイテム」という。)を取得したり、NPC(Non-Player Character)や他のユーザと出会ったりするようなものも用意される。そして、イベントが終了すると、さらなる目的地312が提示されることもある。ユーザが最終的な目的地312に到着すると、シナリオ上で倒すことを目的としているような特別なモンスター(以下、「ボスキャラ」という。)との戦い等のイベントが発生し、これに勝利等し、条件を満たした場合に、シナリオ(ステージ)が終了となる。終了時には、映像や音声によるエンディングの演出があり、アイテムやコイン(ゲーム内通貨)等のゲームオブジェクト等を取得することができる。つまり、本実施形態のゲームは、位置情報212(図2)を利用したロールプレイングゲームやアクションゲーム等のゲームである。
【0012】
<ハードウェア構成について>
本実施形態のゲームシステムXのハードウェア構成について説明する。
ここでは、サーバ装置1のハードウェア構成、及び、このサーバ装置1とネットワーク3を介して互いに通信接続される複数のゲーム装置2のハードウェア構成について説明する。ネットワーク3は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網、インターネット等である。
【0013】
・サーバ装置1のハードウェア構成
サーバ装置1は、制御部10、記憶部11、及び接続部12を備える。
記憶部11及び接続部12は、それぞれ、専用のバス及びインターフェイス等を介して、サーバ装置1の制御部10に接続される。
【0014】
制御部10は、サーバ装置1の動作を制御する。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(MicroProcessing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサ)等を含む情報処理部であってもよい。
【0015】
記憶部11は、一時的でない記録媒体であり、主記憶部及び補助記憶部を含む。主記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)として、DRAMやSRAM等を用いてもよい。補助記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を含んでいてもよい。このうち、ROMは、EEPROM、フラッシュメモリ、3D Xポイント等の各種不揮発性で書き換え可能な半導体メモリを用いてもよい。加えて、HDDの代わりに、SSD(Solid State Drive)やeMMC(embedded Multi Media Card)等の半導体メモリを用いることも可能である。
【0016】
接続部12は、サーバ装置1と各ゲーム装置2との間で、各種プロトコルによりデータを送受信するために、ネットワーク3に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続部である。
【0017】
ゲーム装置2には、操作部25、表示部26、及び音声入出力部27が備えられている。
このゲーム装置2は、ゲームプログラム210(図2)及び各種データに基づいてゲームを進行させる。
ゲーム装置2は、他のゲーム装置2及びサーバ装置1との間で、ネットワーク3又は近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)等を介して、互いにデータ通信をすることが可能である。
【0018】
ゲーム装置2は、制御部20、記憶部21、接続部22、画像処理部23、音声処理部24、操作部25、表示部26、音声入出力部27、及び位置取得部28を備える。
記憶部21、接続部22、画像処理部23、音声処理部24、操作部25、位置取得部28は、専用のバス及びインターフェイス等を介して、制御部20に接続される。
【0019】
制御部20は、ゲーム装置2の動作を制御する。制御部20は、例えば、CPU、MPU、DSP、GPU、ASIC等を含む情報処理部であってもよい。
【0020】
記憶部21は、主記憶部及び補助記憶部を含む。主記憶部は、例えば、RAMとして、DRAMやSRAM等を用いてもよい。補助記憶部は、ROM、HDD等を含んでいてもよい。このうち、ROMは、各種不揮発性で書き換え可能な半導体メモリを用いてもよい。HDDの代わりに半導体メモリを用いてもよい。
【0021】
接続部22は、ネットワーク3に接続され、サーバ装置1と各ゲーム装置2との間で、又はゲーム装置2同士で、データを各種プロトコルで送受信する。接続部22は、ネットワーク3に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続部である。さらに、接続部22として、Bluetooth(登録商標)やNFC、USB(Universal Serial Bus)、その他の無線又は有線接続を行うインターフェイス等を備えていてもよい。
【0022】
画像処理部23は、制御部20の指示に従って、仮想空間及び各オブジェクト等を含む二次元又は三次元のゲーム画像を、例えば、フレーム単位で描画(レンダリング)する。画像処理部23にて描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として、表示部26に表示される。
画像処理部23は、GPU(Graphics Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の情報処理部であってもよい。画像処理部23は、専用のメモリを備えていてもよい。
【0023】
音声処理部24は、制御部20の指示に対応して、音声データを再生及び合成し、D/A(Digital to Analog)変換してゲーム音声として出力する。ゲーム音声は、音声処理部24に接続された音声入出力部27のスピーカやイヤホン出力端子等から音声出力される。音声処理部24は、音声入出力部27のマイクロフォンから入力した音声信号をA/D(Analog to Digital)変換して、入力することも可能である。
【0024】
操作部25は、タッチパネル及び各種センサにより、操作入力に関するデータを送受信することが可能である。ユーザは、操作部25により、ゲーム装置2へ操作指示を行う。
または、操作部25は、専用又は汎用のコントローラと接続されてもよい。コントローラに設けられたスティックやボタンやタッチパッド等を操作することにより、操作部25を介して、ゲーム装置2へ操作信号が入力される。このコントローラと操作部25とは、無線又は有線で接続される。この無線又は有線の接続は、USB、Bluetooth(登録商標)等であってもよい。
【0025】
表示部26は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等の表示手段である。
本実施形態において、操作部25と表示部26とは、一体的に形成されており、表示部26でユーザがオブジェクト等をタッチした座標等を検知可能である。
【0026】
音声入出力部27は、スピーカ、イヤホン出力端子、マイクロフォン等である。
【0027】
位置取得部28は、位置情報212(図2)を取得する回路等である。この回路は、例えば、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)を含む衛星測位システムの受信機及びアンテナを含む。
【0028】
上述のサーバ装置1及びゲーム装置2の各部は、本実施形態のゲームプログラム110(図2)及びゲームプログラム210を実行するハードウェア資源となる。
【0029】
なお、ゲーム装置2において、制御部20及び画像処理部23は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10、制御部20、及び画像処理部23は、RAMやROMやフラッシュメモリ等を内蔵していてもよい。
【0030】
・ゲームシステムXの制御の流れについて
次に、図2により、ゲームシステムXを実現するサーバ装置1及びゲーム装置2における、ゲーム実行時の制御の流れについて説明する。
【0031】
まず、ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいて、ゲームアプリであるゲームプログラム210を、アプリがダウンロード可能なアプリ用サーバ(図示せず)からダウンロードする。更新(アップデート)用のゲームプログラム210が存在する場合も、このアプリ用サーバからダウンロードされ、インストールされる。
【0032】
インストール後、ゲームプログラム210が初回起動されると、ゲーム装置2とサーバ装置1とは、ネットワーク3を介して互いに通信を行う。
そして、サーバ装置1において、各ユーザ及び/又はゲーム装置2には、それぞれ異なるアカウント情報(図3)が付与される。このアカウント情報は、例えば、ID(Identification、識別符号)を含む固有の識別情報である。元々、ユーザがアカウント情報を付与されていた場合は、そのアカウント情報を設定することも可能である。この固有の識別情報は、偽造防止用に固有鍵や公開鍵等でハッシュ化されていてもよい。後述するログイン情報301のハッシュ値により、このアカウント情報の認証が可能である。
サーバ装置1は、各アカウント情報を含む、ゲームのプレイ上に必要なデータであるゲームデータ211を作成して、ゲーム装置2へ送信する。
【0033】
ゲーム装置2は、サーバ装置1から、ゲームデータ211を受信して、これを記憶部21に格納する。
その後、ゲーム装置2は、ゲームプログラム210及びゲームデータ211に基づいて、ゲーム進行を行う。
このゲーム進行において、ゲーム装置2は、操作部25によりユーザの指示を取得してゲームを実行する。この際、ゲーム装置2は、ゲーム演出として、ゲーム画像及びゲーム音声を、表示部26及び音声入出力部27等に出力する。
【0034】
ここで、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の特定タイミングでサーバ装置1にゲーム進行状況に関するデータを送信する。この特定タイミングとしては、例えば、アイテム消費、モンスターとの対戦終了、フラグの取得、シナリオ(ステージ)のクリア等のデータ更新時が挙げられる。
【0035】
サーバ装置1は、このゲーム進行状況に関するデータをゲーム装置2から受信して解析する。この解析されたデータは、記憶部11のアカウントDB112のアカウント設定300に、アカウント毎に格納される。
【0036】
このように、ゲームシステムXは、アプリを介して、所定のタイミングでサーバ装置1とゲーム装置2で相互に通信を行い、サーバ装置1とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
【0037】
<ゲームシステムXの機能的構成について>
次に、ゲームシステムXを実現するサーバ装置1の制御部10及びゲーム装置2の制御部20の機能的構成、及びデータの詳細構成について説明する。
【0038】
・サーバ装置1の制御部10の機能的構成
サーバ装置1の制御部10は、記憶部11に格納されたゲームプログラム110を実行することにより、イベント発生手段100、位置取得手段101、検索手段102、貸借手段103、及び記録手段104として機能する。
【0039】
イベント発生手段100は、現実世界を示す地図データ上の目的地でゲーム内のイベントを発生させる。加えて、イベント発生手段100は、位置情報212、イベントデータ320の設定、それまでのイベント進行におけるフラグの獲得状況、その他のパラメータ等により、イベントの発生やゲームの進行等を調整することも可能である。
【0040】
位置取得手段101は、イベント発生手段100によりイベントが発生された際に、複数のゲーム装置2の現在の地図データ上の位置を示す位置情報212を取得する。
【0041】
検索手段102は、位置取得手段101により取得された位置情報212に基づいて、イベントに参加しているゲーム装置2に対応づけられたユーザを複数、検索する。検索手段102は、例えば、時間をかけずに相互に会うことが可能な距離のユーザを検索することが可能である。この距離は、例えば、同じ目的地のエリア内である。
【0042】
貸借手段103は、特定条件に対応して、検索手段102により検索されたユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りする。この特定条件は、位置情報212から算出された、貸し借りを行うユーザ間の距離が特定範囲内であることを含んでもよい。または、特定条件は、貸し借りするユーザ間の特定パラメータの値が特定範囲内にある場合であってもよい。具体的には、特定パラメータの特定範囲は、貸し借りすることで、お互いにメリットがある範囲であってもよい。
さらに、貸借手段103は、記録手段104により記録されたゲームオブジェクトを、借りたユーザに対して、特定条件に対応しなくても、他の制限に基づいて使用可能とする。ここで、他の制限は、例えば、借りたゲームオブジェクトを、元々所有していたゲームオブジェクトとは異なるものとして、使用の制限をする設定である。貸借手段103は、他の制限も、オブジェクトのデータに設定する。
【0043】
記録手段104は、貸借手段103により、貸し借りしたゲームオブジェクトを、アカウント設定300の進行状況情報303の貸借データ400に記録する。記録手段104は、この借りたゲームオブジェクトを、ユーザが所有しているゲームオブジェクトとは異なるものとして、区別して記録することも可能である。
【0044】
・サーバ装置1の記憶部11に格納されたデータの説明
サーバ装置1は、記憶部11に、本発明のゲームシステムXを実現するためのゲームプログラム110、ゲームデータ111、及びアカウントDB112を格納している。
【0045】
ゲームプログラム110は、サーバ装置1を上述の機能的手段として動作させるためのプログラムである。
【0046】
ゲームデータ111は、ゲーム装置2にゲームをプレイさせるために必要なデータである。このゲームデータ111、及び下記で説明するアカウント設定300から、ゲーム装置2に格納されるゲームデータ211が作成される。
ゲームデータ111の詳細については後述する。
【0047】
アカウントDB112は、アカウント毎のアカウント設定300を格納している。アカウント設定300は、アカウント毎のアカウント情報やゲーム進行状況に関する情報を含む。
アカウント設定300の詳細についても後述する。
【0048】
この他にも、記憶部11には、ファームウェア、OS(Operating System)、各種デーモン(サービス)を含む制御プログラム、サービス用の各種データ等も含まれている。
【0049】
・ゲーム装置2の制御部20の機能的構成
ゲーム装置2の制御部20は、記憶部21に格納されたゲームプログラム210を実行することにより、位置送信手段200及びゲーム実行手段201として機能する。
【0050】
位置送信手段200は、ゲーム装置2の現実世界での現在の位置を示す位置情報212をサーバ装置1へ送信する。
加えて、位置送信手段200は、ゲームを実行する際に、ユーザのアカウント情報をサーバ装置1へ送信し、サーバ装置1との通信を維持する。この通信において、位置送信手段200は、ゲーム進行状況に関するデータを、ゲーム進行の特定タイミングでサーバ装置1に送信する。
【0051】
ゲーム実行手段201は、操作情報323(図3)及びゲームデータ211を基に、ゲームを進行させ、ゲーム進行に基づいた表示を表示部26に表示させる。そして、ゲーム実行手段201は、サーバ装置1により発生させたゲームのイベントのゲーム画像も、表示部26に表示させる。この際、ゲーム実行手段201は、他のユーザから借りたゲームオブジェクトをイベントで使用可能とする。
【0052】
・ゲーム装置2の記憶部21に格納されたデータの説明
ゲーム装置2は、記憶部21に、本発明のゲームシステムXを実現するためのゲームプログラム210、ゲームデータ211、及び位置情報212を格納する。
【0053】
ゲームプログラム210は、ゲーム装置2を上述の機能的手段として動作させるためのプログラムである。
【0054】
ゲームデータ211は、ゲーム装置2でゲームをプレイする上で必要なデータである。
このゲームデータ211は、ゲーム進行状況に関するデータ、ゲームをプレイするために必要な各種データである。ゲームデータ211は、サーバ装置1により、ゲームデータ111及びアカウント設定300の各種データが選択されて作成される。ゲームデータ211により、ユーザのアカウント情報に対応したゲームのプレイが実現可能となる。
ゲームデータ211の詳細についても後述する。
【0055】
位置情報212は、位置取得部28から取得された、ゲーム装置2の現実世界での現在の座標(位置)を示す情報である。位置情報212は、地図データ310(図3)上での座標情報として提供されてもよい。
さらに、位置情報212は、ゲームの進行に係る各種情報である付加情報を含んでいてもよい。この付加情報は、ゲームのアプリの実行や休止の状況データ、ユーザが歩行中であるか、乗り物にのって移動中であるか等のデータ等が含まれていてもよい。
【0056】
これら以外にも、記憶部21には、例えば、他のゲーム装置2に送信するアカウント情報、フレンドに関する情報、及び他のゲーム装置2から受信した他のアカウント情報等が含まれている。
【0057】
・サーバ装置1及びゲーム装置2に格納されたデータの詳細
次に、図3により、上述のアカウント設定300、ゲームデータ111、及びゲームデータ211の詳細について説明する。
【0058】
まず、図3(a)により、アカウント設定300の一例の詳細について説明する。
アカウント設定300は、ユーザのアカウント毎に、ログイン情報301、パーティ情報302、及び進行状況情報303を含んでいる。
【0059】
ログイン情報301は、ユーザのアカウント情報、アカウント情報に対応したハッシュ値や秘密鍵、電子メールアドレス等を含み、ゲーム実行時のユーザ認証に必要な情報である。これに加え、ログイン情報301は、ユーザがアプリを起動した日時及び時間を示すプレイ時間情報、パスワード等も含んでいてもよい。このパスワードは、ユーザのプロフィール等の変更に使用されるパスワード等を含んでいてもよい。
加えて、ログイン情報301は、ユーザのゲーム上の名称やニックネーム等を含む名前情報も含んでいる。
【0060】
パーティ情報302は、ユーザのプレイヤキャラクタ同士、又はNPCがゲーム進行上で共同してイベント等を実行する際のパーティ(仲間)の情報である。パーティ情報302は、例えば、各ユーザ及び/又はゲーム装置2のアカウント情報が含まれている。
【0061】
進行状況情報303は、アカウント情報毎のゲーム進行状況に関する情報である。この進行状況情報303は、当該アカウント情報に対応づけられたゲームの進行状況のデータ、及びオブジェクトのデータ等を含んでいる。このうち、ゲームの進行状況のデータは、ゲームのシナリオにおけるイベントやステージの進行、フラグの回収状況等を示すデータ等を含み、イベントデータ320の作成時に参照される。オブジェクトのデータは、アカウント毎に所有するオブジェクトの種類、所持数、装備状況等のデータを含む。このオブジェクトは、プレイヤキャラクタ及びアイテム等を含む。加えて、各オブジェクトは、名称、能力値、属性、ランク、特殊攻撃等のパラメータが設定されている。能力値は、体力、攻撃力、防御力、スキルレベル、職業(ジョブ)、キャラクタのランク等も含む。さらに、アイテムの場合、武器、防具等の装備品、回復用アイテム、合体や合成用アイテム、その他の特殊なアイテムが、IDやフラグ等によりオブジェクトの種類として設定される。このうち、特殊なアイテムは、レアなアイテム(レアアイテム)を含む。
【0062】
これに加え、本実施形態の進行状況情報303のオブジェクトのデータは、借りたゲームオブジェクトのデータを含ませることが可能である。この借りたゲームオブジェクトのデータは、上述の他の制限のデータも含む。
【0063】
本実施形態においては、進行状況情報303は、貸借データ400を含んでいる。
貸借データ400は、他のユーザから借りたゲームオブジェクトの記録のデータである。具体的には、貸借データ400は、例えば、進行状況情報303のオブジェクトのデータに設定された、他のユーザから借りたゲームオブジェクトについてのデータを含む。より具体的には、貸借データ400は、借りたゲームオブジェクトの種類と各パラメータ等、進行状況情報303のオブジェクトのデータの各アイテムと同様のデータを含む。これに加え、他の制限のデータ、借りたユーザのアカウント情報、借りたイベントのID、時刻、エリアのID等のデータも含む。
【0064】
次に、図3(b)により、ゲームデータ111の詳細について説明する。
ゲームデータ111は、地図データ310、エリア設定311、目的地312、及びイベント設定313を含んでいる。
【0065】
地図データ310は、位置情報212に対応した地図のデータである。地図データ310は、現実世界の地図のデータから、ゲーム内の仮想空間のマップ(地図)に対応して加工されたデータ等を用いることが可能である。すなわち、地図データ310では、地図のデータに含まれる現実空間の座標(位置)の情報が、ゲーム内の仮想空間での座標(位置)に対応づけられている。ここで、現実世界の地図のデータは、クラウド上の地図サービスのサーバ(図示せず)からダウンロードしたり、管理者により用意されたりした電子地図のデータ等を用いて作成することが可能である。
【0066】
エリア設定311は、位置情報212に対応する地図データ310上の複数の領域(以下、「エリア」という。)の設定データである。このエリアは、例えば、地図上の県、市町村、区、旧藩や国名等の地理単位、地図の番地や建物や土地の単位、道路や河川等で区分された単位等、現実空間の位置の情報に基づいた座標(位置)データの単位で設定される。具体的には、エリア設定311は、各エリアを、例えば地図データ310上の多角形(ポリゴン)の座標(位置)データとして設定可能である。すなわち、各エリアの形状は、ポリゴンの位置データであってもよい。加えて、エリア設定311は、各エリアについて算出された面積、そのエリアの種類や建物があるか、入ることができるか、道に接続されているか、道の交通量は多いか少ないか等の情報についても設定されていてもよい。
【0067】
目的地312は、イベントが発生するエリアの範囲の情報、及び、名称や区分等のエリアを識別するための識別情報等を含む。この範囲の情報は、位置情報212に対応した、地図データ310上の現実空間の位置の情報を含む。具体的には、これらの位置の情報は、地図等のデータから抽出された、例えばポリゴンの位置データ、エリア設定311に設定されたエリアのID等として設定することが可能である。
【0068】
イベント設定313は、ゲーム進行上のイベントに関連する各種データである。イベント設定313は、例えば、イベントの種類や発生頻度(エンカウント率)、イベント終了条件、出現するモンスター等の種類や出現頻度(確率)、当該イベントで取得可能なアイテムの種類及び出現頻度、ゲーム進行のシナリオのデータ、プレイヤキャラクタやモンスターのシナリオ実行時の各種データ、その他のゲーム上のイベントに必要なデータを含む。
【0069】
ここで、本実施形態のゲーム進行上のイベントは、特定のタイミング及び出現頻度で発生するもの、及び、目的地312等の設定位置に到達した場合に実行されるもの、及び常時実行されるものを含む。さらに、イベントの種類は、ボスキャラとの戦いやエンディングのような特別なものも含む。イベント終了条件としては、例えば、特定時間の経過、発生させたモンスターの全滅又はユーザの逃亡、モンスターのヒットポイントがゼロになった等の条件を設定可能である。このうち、ユーザの逃亡は、ユーザが目的地312から離れたり、イベントにおいて「逃亡」を選択したりすることを含む。出現するモンスターとしては、シナリオ上で設定された通常のモンスター、及びボスキャラ等に関するデータも含む。ゲーム進行のシナリオのデータは、地図データ310上の位置に対応した、各イベントの種類のテーブル、シナリオの文章(テキスト)、プレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタ(NPC)のオブジェクトの台詞、動作、表情の変化等のデータを含む。
【0070】
加えて、本実施形態のイベント設定313は、イベントのアニメーション動画、静止画、背景画像等のデータを含んでいてもよい。これらは、イベントの種類に応じて、設定可能である。
【0071】
この他にも、ゲームデータ111は、各オブジェクトの画像データ、モデリングデータ、メニューやホーム画面のデータ、文字データ、音声データ等、ゲームデータ211の基となるデータについても含む。
【0072】
次に、図3(c)により、ゲームデータ211の詳細について説明する。
ゲームデータ211は、イベントデータ320、オブジェクトデータ321、進行状況データ322、及び操作情報323を含んでいる。
【0073】
イベントデータ320は、ゲーム進行上のイベントのデータである。イベントデータ320は、サーバ装置1にてイベントの発生時に、イベント設定313から作成される。
【0074】
オブジェクトデータ321は、アカウント情報毎のプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、NPC、アイテム等の各種オブジェクトに関するデータである。これらのオブジェクトには、ゲーム上の各種属性が設定され、イベントと対応づけられることもある。オブジェクトデータ321は、オブジェクトの種類と所持数等のデータも含んでいる。
【0075】
さらに、オブジェクトデータ321は、各種のパラメータが設定されている。このパラメータは、例えば、オブジェクト毎に、キャラクタの名称、能力値、属性、ランク、特殊攻撃等のパラメータが設定されていてもよい。この能力値は、耐久値(ヒットポイント)、攻撃力、防御力、スキルレベル、及びランク等を含む。アイテムの場合、武器、防具等の装備品、回復用アイテム、合成用アイテム、その他の特殊なアイテムが、種類としてIDにより設定される。装備品については、武器としては、例えば、銃や弓や爆弾等の投射系の武器、剣や斧やバールといった打撃系の武器等のカテゴリー上のIDも設定される。防具としては、例えば、全身鎧、ハーフプレート、兜、手袋、脚鎧等のカテゴリー上のIDも設定される。特殊なアイテムは、レアなアイテム(レアアイテム)、イベントにおけるフラグを取得できるアイテムのIDも設定されてもよい。
これに加え、オブジェクトデータ321は、スコア、獲得ポイント、ゲーム内通貨、又は特別なアイテム等(以下、これらを単に「ゲーム媒体」という。)のデータ等も含んでいる。
さらに、オブジェクトデータ321はゲームプログラム210やゲームデータ211の更新に伴い、拡張され得る。
【0076】
進行状況データ322は、サーバ装置1により、アカウント設定300及びゲームデータ111を基に作成された、アカウント情報毎のゲーム進行状況に関するデータである。
進行状況データ322は、アカウント情報、アカウント情報毎のパーティのデータ、シナリオ(ステージ)のデータ等を含んでいる。このアカウント情報は、上述したように、ID(識別符号)を含む固有の識別情報等である。アカウント情報は、ユーザ毎に設定されても、ゲーム装置2毎に設定されてもよい。
加えて、進行状況データ322は、ゲームのシナリオにおけるイベントやステージの進行、フラグの回収状況等を示すデータを含んでいる。さらに、進行状況データ322は、位置情報212に対応した地図データ310の一部を、ゲームマップデータとして含んでいる。
【0077】
操作情報323は、操作部25から取得されるユーザの指示の情報である。操作情報323は、ボタンの押下、この押下の強さやタイミング、タッチパッドやタッチパネルのタッチ位置、カメラやレーダーや超音波センサ等により取得したジェスチャー等から算出される。操作情報323は、例えば、モンスターを攻撃する際のタイミングの指示、GUI(Graphical User Interface)でのメニューやボタンでの指示等の情報も含む。
【0078】
これらに加えて、ゲームデータ211は、各オブジェクトの画像データ、モデリングデータ、メニューやホーム画面のデータ、文字データ、音声データ等、ゲームをプレイするために必要な各種データを含んでいる。
【0079】
<ゲーム進行処理について>
次に、図4図5を用いて、本実施形態のゲームシステムXにより実行されるゲーム進行処理について説明する。
【0080】
まず、本実施形態のゲーム進行処理においては、まず、ゲーム装置2にて、現在の位置を示す位置情報212をサーバ装置1へ送信して、ログインさせる。サーバ装置1では、位置情報212を受信し、各ゲーム装置2について、ゲームのイベントの目的地312の範囲内であるか否かを判定する。範囲内であると判定された場合、イベントを発生させる。この上で、イベントに参加しているゲーム装置2に対応づけられたユーザを複数、検索する。そして、特定条件に対応して、検索手段102により検索されたユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りする。この上で、ゲーム装置2では、貸し借りしたオブジェクトを使用してゲームのイベントを表示させ、ゲームを進行させる。
【0081】
以下で、図4のフローチャートを参照して、サーバ装置1及びゲーム装置2によるゲーム進行処理の各処理のフローの詳細をステップ毎に説明する。
【0082】
(ステップS200)
まず、ゲーム装置2のゲーム実行手段201及び位置送信手段200は、ゲーム開始処理を行う。
ゲーム実行手段201は、ユーザによってゲームを開始する操作が行われたことを検知する。この操作は、例えば、操作部25のタッチパネルにより、アプリをアプリ一覧やショートカット等から起動するタッチ、スワイプ等により行われる。
すると、位置送信手段200が、ネットワーク3を介してサーバ装置1と通信を開始する。位置送信手段200は、アカウント情報をサーバ装置1へ送信する。
【0083】
(ステップS100)
ここで、サーバ装置1の位置取得手段101及びイベント発生手段100が、接続処理を行う。
位置取得手段101は、送信されたアカウント情報に基づいて、アカウント設定300のログイン情報301を参照してユーザの認証を行う。この認証は、アカウント情報と、ハッシュ値や秘密鍵とにより行われてもよい。
認証が成功した場合、イベント発生手段100は、アカウント情報に対応付けられたアカウント設定300及びゲームデータ111に基づいて、ゲームデータ211を作成する。
そして、位置取得手段101は、ゲームデータ211を、ゲーム装置2に送信する。この際に、位置取得手段101は、例えば、ゲームデータ211全てではなく、ゲーム装置2で格納していない差分データを送信してもよい。この差分データには、上述のゲームマップデータも含まれる。
【0084】
(ステップS101)
ユーザがイベントの目的地312に到着した場合、イベント発生手段100が、イベント発生処理を行う。
イベント発生手段100は、ゲームのイベントを発生させる。この際、イベント発生手段100は、ゲームデータ111のイベント設定313を参照して、シナリオにおける各種イベントを選択して、ゲームデータ211に反映させる。イベント発生手段100は、例えば、イベント設定313に設定された種類のイベントを設定する。具体的には、例えば、上述したように、設定された確率でモンスターを出現させてプレイヤキャラクタとの戦闘を行わせたり、謎解きをさせたり、アイテムを取得させたり、NPCや他のユーザと出会わせたりといったことが可能である。
【0085】
(ステップS201)
イベント発生時にも、ゲーム装置2の位置送信手段200が、位置送信処理を行う。
位置送信手段200は、位置取得部28により取得されたGNSSのデータから、現実世界での現在の位置を示す位置情報212を算出し、サーバ装置1へ送信する。
【0086】
(ステップS102)
ここで、サーバ装置1の位置取得手段101が、位置取得処理を行う。
位置取得手段101は、ゲーム装置2から送信された位置情報212を受信し、アカウント情報と対応づけて記憶部11のアカウント設定300に格納する。
その後、サーバ装置1は、受信された位置情報212を基に、ゲームを進行させる。
【0087】
(ステップS103)
次に、検索手段102は、取得された位置情報212に基づいて、イベントに参加しているゲーム装置2に対応づけられたユーザを複数、検索する。
本実施形態においては、同じ目的地のエリア内にいるゲーム装置2の位置情報212により、ユーザを検索する。なお、本実施形態においては、これらのユーザ同士は、同じシナリオ(ステージ)を実行していても、いなくてもよい。
図5(a)によれば、ユーザU1とユーザU2とが、同じ目的地のエリアR内におり、検索された例について示している。
【0088】
(ステップS104)
ここで、貸借手段103が、特定条件か否かを判断する。
貸借手段103は、検索手段102により検索されたユーザが、特定条件に対応しているか判断する。具体的には、貸借手段103は、貸し借りを行うユーザ間の距離を位置情報212から算出する。そして、貸借手段103は、特定条件として、位置情報212から算出された、貸し借りを行うユーザ間の距離が特定範囲内であることを判断してもよい。この距離の特定範囲は、例えば、同じエリアでもすぐ近く、「3m以内」等、声をかけやすい距離であってもよい。
さらに、貸借手段103は、貸し借りするユーザ間の特定パラメータを参照して、これが特定範囲内にあるか判断してもよい。すなわち、貸借手段103は、特定条件として、貸し借りするユーザ間の特定パラメータの値が特定範囲内にあるか否かを判断してもよい。この特定のパラメータは、例えば、ユーザやプレイヤキャラクタの能力値又は能力値の差、所有アイテムの種類や数、他のユーザとの間で貸し借りした回数、課金量等であってもよい。具体的には、特定パラメータの特定範囲は、貸し借りすることでお互いにメリットがある範囲として、例えば、あまりプレイヤキャラクタのレベル、レア度、ジョブの種類等が、所定程度以上、異なっていないこと等であってもよい。さらに、特定範囲は、貸し借りを行うユーザが、同じか似た種類やカテゴリーの装備可能なアイテムを持っていることであってもよい。
【0089】
本実施形態においては、例えば、貸借手段103は、検索された各ユーザに所属するゲーム装置2の位置情報212を基に、ユーザ間の距離を算出する。そして、貸借手段103は、これらのユーザ間の距離が特定範囲内である場合、Yesと判定する。
または、貸借手段103は、アカウント設定300を参照し、それぞれのユーザの進行状況情報303等の特定パラメータを参照する。そして、貸借手段103は、この特定パラメータの差分を算出したり、オブジェクトの種類について判断したりする。この上で、貸借手段103は、この差分や種類等が特定範囲内にある場合に、Yesと判定する。
図5(a)では、ユーザU1とユーザU2とが、この条件を満たしている例を示す。
【0090】
貸借手段103は、それ以外の場合には、特定条件を満たさないとして、Noと判定する。
【0091】
Yesの場合、貸借手段103は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、貸借手段103は、処理をステップS106に進める。
【0092】
(ステップS105)
特定条件を満たす場合、貸借手段103が、貸借処理を行う。
貸借手段103は、検索され特定条件を満たしたユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りさせる。貸借手段103は、例えば、それぞれのユーザ間で貸し借りされるとイベントを有利に進められるゲームオブジェクトを一つ算出し、それぞれのユーザのアカウント情報に対応するアカウント設定300の進行状況情報303のオブジェクトのデータに設定する。この際、貸借手段103は、それぞれのゲームオブジェクトの能力値等についても反映された状態で貸借可能である。
【0093】
図5(b)の例により説明すると、進行状況情報303-1は、ユーザU1の所有するアイテムの種類「剣」の一部を示している。一方、この例の進行状況情報303-2は、ユーザU2の「剣」の一部を示している。ここで、貸借手段103は、ユーザU1の「烈火の剣+10」と、ユーザU2の「村正ブレード」とが、それぞれ貸し借りされると、イベントを有利に進められると判断し、それぞれ貸し借りさせる。
図5(c)の例では、貸借手段103は、ユーザU1の進行状況情報303-1のオブジェクトのデータに、ユーザU2から借りた「村正ブレード」のアイテムを設定する。さらに、貸借手段103は、ユーザU2の進行状況情報303-2のオブジェクトのデータに、ユーザU1から借りた「烈火の剣+10」のアイテムを設定する。
【0094】
(ステップS106)
次に、サーバ装置1のイベント発生手段100がゲーム情報処理を行う。
イベント発生手段100は、ゲームデータ211の進行状況データ322について、ゲーム装置2で格納していない差分データを作成する。この際、イベント発生手段100は、上述のイベントが発生されている場合には、このイベントが適用された差分データを作成する。そして、イベント発生手段100は、作成された差分データをゲーム装置2に送信する。
この差分データには、他のユーザから借りたゲームオブジェクトについて設定された進行状況情報303が適用されている。
【0095】
(ステップS202)
ここで、ゲーム装置2の位置取得手段101及びゲーム実行手段201が、描画処理を行う。
位置取得手段101は、ゲーム装置2からゲーム進行状況データ322の差分データを取得して、記憶部21の進行状況データ322に設定する。
ゲーム実行手段201は、この進行状況データ322に基づいて、ゲーム進行を行う。そして、ゲーム実行手段201は、制御されたゲーム進行に基づいた表示を表示部26に表示させる。イベントが発生している場合、ゲーム実行手段201は、ゲームのイベントの画面を、表示部26に表示させることも可能である。
これらに付随して、ゲーム実行手段201は、音声処理部24からゲーム音声を出力させることも可能である。
この上で、ゲーム実行手段201は、操作部25からユーザの指示を操作情報323として取得し、これを基に、ゲームを進行させることも可能である。これにより、イベントでは、モンスターとの戦い等が行われる。
【0096】
具体的に、本実施形態では、ゲーム実行手段201は、他のユーザから借りたゲームオブジェクトを使用して、モンスターとの戦い等を行うことが可能である。この際、ポップアップ等を表示して、そのユーザからゲームオブジェクトを借りたことをユーザに通知し、使用させてもよい。さらに、この使用としては、プレイヤキャラクタへの装備や、アイテムとしての消費等も含んでいてもよい。
図5(c)の例では、ユーザU1、U2は、それぞれの「剣」のアイテムをイベント中に使用可能となる。
なお、他のユーザに貸したゲームオブジェクトについては、グレーアウト等で表示し、このイベントの間は使用できないようにしてもよい。
【0097】
ここで、上述したようなゲームの設定やプレイ時の特定タイミングで、ゲーム実行手段201は、サーバ装置1に、ゲームデータ211のゲーム進行状況データ322のうち、変化があった差分データを送信することも可能である。本実施形態においては、ゲーム実行手段201は、各ユーザが貸し借りしたゲームオブジェクトの使用の状況が反映されたゲーム進行状況データ322の差分データを送信する。
サーバ装置1では、この差分データをアカウント設定300に、アカウント情報に対応付けて格納する。
【0098】
(ステップS107)
ここで、記録手段104及び貸借手段103が、貸借記録処理を行う。
記録手段104は、イベントで貸し借りしたゲームオブジェクトを、アカウント設定300に記録する。
本実施形態においては、記録手段104は、アカウント設定300の進行状況情報303のオブジェクトのデータに設定された、他のユーザから借りたゲームオブジェクトのデータを、貸借データ400に移動して記録する。記録手段104は、この際、他の制限のデータも含めて記録可能である。
その後、貸借手段103は、記録手段104により記録されたゲームオブジェクトを、特定条件に対応しなくても、他の制限に基づいて使用可能にする。この他の制限は、例えば、使用回数、使用期間、プレイヤキャラクタの能力値、ユーザの所有アイテムの制限、借りたユーザのゲーム装置2までの距離等に基づいた各種の制限事項であってもよい。このうち、プレイヤキャラクタのレベルの能力値の制限事項は、例えば、プレイヤキャラクタがレベルやジョブが、所定以上に変化するまで等の制限である。
図5(c)の例では、ユーザU1は、「村正ブレード」を合計10回、使用可能となる。さらに、ユーザU2は、「烈火の剣+10」を合計10回、使用可能となる。
以上により、本発明の実施の形態に係るゲーム進行処理を終了する。
【0099】
[発明の効果]
発生手段100によりイベントが発生された際に、
複数のゲーム装置2の現在の地図データ上の位置を示す位置情報212を取得する位置取得手段101と、位置取得手段101により取得された位置情報212に基づいて、イベントに参加しているゲーム装置2に対応づけられたユーザを複数、検索する検索手段102と、特定条件に対応して、検索手段102により検索されたユーザ間で、ゲームオブジェクトを貸し借りする貸借手段103として機能させることを特徴とする。
【0100】
このように構成することで、イベントにて、ユーザ同士で、ゲームオブジェクトの貸し借りをすることができる。すなわち、目的地の近隣にいるユーザからゲームオブジェクトを貸し借りして、モンスターとの戦闘等のイベントを有利に進行させることができる。
これにより、せっかくイベントの目的地に来たのにモンスターを倒せない等の困難な状況を克服したり、協力すれば倒しやすくなったりする等、ユーザ同士で助け合うことができる。さらに、ユーザが所有していない強い武器等のオブジェクトをイベント内で使用することもでき、モンスターとの戦闘等を、通常よりも有利に進めることができる。結果として、ゲームに対するユーザのプレイ意欲を高めることができる。
【0101】
本実施形態のゲームプログラムは、特定条件は、位置情報212から算出された、貸し借りを行うユーザ間の距離が特定範囲内であることを含むことを特徴とする。
このように構成することで、ユーザが接近して交流しやすくなる。たとえば、同じエリアのユーザ同士が、ごく近くに集まることで、ユーザの交流を助けることができる。
【0102】
本実施形態のゲームプログラムは、特定条件は、貸し借りするユーザ間の特定パラメータの値が特定範囲内にあることを含むことを特徴とする。
このように構成することで、ゲームオブジェクトの貸し借りをすることのメリットを高めることができる。加えて、ユーザは、借りたゲームオブジェクトについての知識を得ることができる。さらに、同様のユーザ同士で交流を促すことも可能となる。
【0103】
本実施形態のゲームプログラムは、サーバ装置1を、貸借手段103により、貸し借りしたゲームオブジェクトを記録させる記録手段104として更に機能させ、貸借手段103は、記録手段104により記録されたゲームオブジェクトを、借りたユーザに対して、特定条件に対応しなくても、他の制限に基づいて使用可能とすることを特徴とする。
このように構成することで、一旦、借りたゲームオブジェクトを、別のイベント等でも使用可能とすることができ、ゲームオブジェクトを貸し借りしようとするユーザの意欲を高めることができる。さらに、他の制限を加えることで、元々、所有していないアイテムを無制限に使用することで、ユーザの所有意欲を減退させるのを防ぐことができる。
【0104】
[他の実施形態]
図2図5において説明した制御手段及び処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0105】
上述の実施形態では、ゲームオブジェクトを一つ貸し借りする例について記載した。
しかしながら、複数のオブジェクトを一度に貸借可能に設定してもよい。
このように構成することで、複数のオブジェクトについても貸し借りでき、ユーザのゲームをプレイしたいという意欲を更に高めることができる。
【0106】
上述の実施形態では、ゲームオブジェクトとして、アイテムを貸し借りする例について記載した。
しかしながら、ゲームオブジェクトとして、プレイヤキャラクタやゲーム媒体を貸し借りするように構成してもよい。
このように構成することで、所有していないプレイヤキャラクタを使用したり、足りなくなったゲーム媒体を借りて装備用のアイテムを取得したりすることができ、柔軟なゲーム構成に対応できる。なお、借りたゲーム媒体は、貸したユーザに返還したり、「借金の取り立て」をしたりすることが可能であってもよい。
【0107】
上述の実施形態では、特定条件として、両方のユーザの間で、特定パラメータの値が特定範囲内である場合に、お互いに貸し借りする例について説明した。
しかしながら、一方のユーザだけについて、特定条件を満たすと判断して、貸し借り可能にするように設定してもよい。具体的には、特定範囲として、レベルやレア度等に、所定程度以上の差があった場合、一方のユーザから一方のユーザにのみ貸し借りするように設定されてもよい。さらに、特定範囲として、借りるユーザは、貸すユーザの下位互換、例えば、種類やカテゴリーが同種でランクが異なるオブジェクトを所有しているような設定でもよい。具体的には、例えば、種類が「剣」なら、「ブロード・ソード」のような大剣を借りる為には、少なくとも「ナイフ」を所有している必要があるといった設定であってもよい。さらに、ジョブについて、同じではなく異なっていることが特定条件であってもよい。
このように構成することで、ゲームの性質や構成等に合わせて、柔軟にゲームオブジェクトの貸し借りを行うことが可能となる。
【0108】
さらに、上述の実施形態では、ゲームオブジェクトを貸したユーザについてのメリットについては記載していなかったものの、これを設定してもよい。
すなわち、ゲームオブジェクトを貸したユーザについて、何かの表示をしたり、ゲーム媒体を与えたり、称号等を与えたりといったインセンティブを与えてもよい。このインセンティブは、レア度の高いゲームオブジェクトを貸した場合、そうでない場合よりも大きくてもよい。
これにより、他のユーザと貸し借りしたいという意欲を惹起することができる。
【0109】
上述の実施形態では、借りたゲームオブジェクトについて、他の制限に基づいて使用可能とする例について記載した。
しかしながら、このような制限をしなくてもよい。この場合、例えば、ゲームオブジェクトを貸し借りした際に、貸したユーザは使用できなくし、また借りたユーザに会ったら、返還されるようにしてもよい。
このように構成することで、ゲームオブジェクトを現実的に貸し借りするのと同様に構成でき、ユーザ同士でグループ作って貴重なアイテムをシェアするように促すことができる。
【0110】
上述の実施形態には、スマートフォン用のロールプレイングゲーム及びアクションゲームのようなアプリを例にして記載されているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、アクションゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、及びパズルゲーム等、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0111】
・システム構成のバリエーション
サーバ装置1及びゲーム装置2の各制御部の動作は、上述の実施形態に記載された例に限られない。
図6によると、本実施形態のゲームシステムXは、サーバ装置1とゲーム装置2とを備えるように記載したものの、ゲーム装置2(コンピュータ)のみで実行することも可能である。この図において、上述の各図と同じ符号は同種の構成であることを示している。
この例では、ゲーム装置2の制御部20が、ゲームプログラム210bを実行することで、イベント発生手段100、位置取得手段101、検索手段102、貸借手段103、記録手段104、ゲーム実行手段201、及び位置送受信手段202として機能する。この場合、位置送受信手段202は、図3の位置送信手段200及び位置取得手段101の両方の機能を備える手段である。
また、記憶部21には、位置情報212、ゲームプログラム210b、及びゲームデータ211bが格納されている。ゲームプログラム210bは、ゲームプログラム110及びゲームプログラム210の機能を備えて、ピア・トゥー・ピアで接続可能にする機能を備えていてもよい。さらに、ゲームデータ211bは、アカウント設定300、ゲームデータ111及びゲームデータ211に対応するデータを含んでいてもよい。
このように構成することで、ゲーム装置2同士で、ゲームオブジェクトを貸し借りする等が実現可能となる。
【0112】
さらに、上述の各手段は、サーバ装置1及びゲーム装置2のいずれかで任意に実行しても、それぞれの機能を分担して一部又は任意の組み合わせで実行してもよい。
【0113】
上述の実施形態では、本実施形態のゲームプログラム210がネイティブアプリケーションである例について記載されたものの、ウェブアプリとして構成されていてもよい。すなわち、ゲームプログラム210は、ウェブブラウザー等で実行可能なアプリであってもよい。この場合は、記憶部21に格納されるゲームプログラム210及びゲームデータ211は、毎回、RAM等に一時的に格納されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、ゲーム装置2において、ゲームプログラム210自体はアプリ用サーバからダウンロードするように記載した。しかしながら、ゲームプログラム210をサーバ装置1からダウンロードするようにしてもよい。また、ゲームプログラム210は、ゲーム装置2において、光学記録媒体やその他の記録媒体から読み込まれ、記憶部21にインストールされてもよい。
【0114】
上述の実施形態には、ゲーム装置2としてスマートフォンやゲーム専用機等の携帯端末装置を用いた例が記載されているが、本発明の実施形態はこれには限られない。たとえば、ゲームセンター等に提供されるアーケードゲーム筐体に接続される位置端末、VR(Virtual Reality)ゴーグル等を用いて本発明を実現することもできる。
【0115】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、及び他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0116】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0117】
1 サーバ装置
2、2b ゲーム装置
3 ネットワーク
10、20 制御部
11、21 記憶部
12、22 接続部
23 画像処理部
24 音声処理部
25 操作部
26 表示部
27 音声入出力部
28 位置取得部
100 イベント発生手段
101 位置取得手段
102 検索手段
103 貸借手段
104 記録手段
110、210、210b ゲームプログラム
111、211、211b ゲームデータ
112 アカウントDB
200 位置送信手段
201 ゲーム実行手段
202 位置送受信手段
212 位置情報
300 アカウント設定
301 ログイン情報
302 パーティ情報
303 進行状況情報
310 地図データ
311 エリア設定
312 目的地
313 イベント設定
320 イベントデータ
321 オブジェクトデータ
322 進行状況データ
323 操作情報
400 貸借データ
U1、U2 ユーザ
R エリア
X ゲームシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6