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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】医療用ポートの接続構造
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/34 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61M1/34 120
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019171554
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021045473
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼畑 広行
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-210067(JP,A)
【文献】特表2009-506872(JP,A)
【文献】特開2013-255677(JP,A)
【文献】特表2012-529965(JP,A)
【文献】国際公開第2010/143693(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1医療用ポートに設けられた第1接続部と、
液体が流通するラインの先端に設けられ前記第1接続部に接続可能なコネクタと、を備える医療用ポートの接続構造であって、
前記コネクタは、前記第1接続部に圧入により接続可能であり、かつ、ネジ込式の第2接続部を有する第2医療用ポートに接続不可能であり、
前記コネクタ及び前記第1接続部が接続された場合の前記コネクタ及び前記第1接続部の接続面には、いずれも、凹凸が形成されておらず、
前記第1接続部が設けられた前記第1医療用ポートは、排液が流通する排液ポートであり、
前記第2接続部が設けられた前記第2医療用ポートは、透析液が流通する補充液ポートであり、
前記第1接続部を覆う位置と、前記第1接続部を覆わない位置と、に移動可能な蓋部材と、
前記蓋部材が前記第1接続部を覆う位置に位置する場合に、前記第1接続部が収容される収容部の外部から前記収容部の内部に洗浄液を流通させることで、前記第1接続部を洗浄可能な洗浄構造と、を備える医療用ポートの接続構造。
【請求項2】
前記第1接続部は、前記コネクタが差し込まれた場合に前記コネクタの差込方向への移動を規制する規制部を有する請求項1に記載の医療用ポートの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ポートの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オーバーフローライン(排液ライン)が接続される排液ポート(第1医療用ポート)と、透析液の補充液用ラインが接続される補充液ポート(第2医療用ポート)と、を備える透析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような透析装置において、プライミング工程においてプライミング排液を排液ポートに流入させる場合に、作業者は、排液ポートの排液導入口(第1接続部)に、オーバーフローラインの先端を接続する。また、補充液を補充液ポートから流出させる場合に、作業者は、補充液ポートの補充液導出口(第2接続部)に、補充液導入ラインの先端を接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-217161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、オーバーフローライン及び補充液用ラインは、チューブを主体として構成され、先端にはコネクタが設けられている。オーバーフローライン及び補充液用ラインの先端に設けられるコネクタの形状が同じ形状である場合がある。このような場合、排液導入口(第1接続部)に、オーバーフローラインのコネクタを接続する必要があるにもかかわらず、作業者の誤接続により、排液導入口(第1接続部)に補充液用ラインが接続される可能性や、補充液導出口(第2接続部)にオーバーフローラインが接続される可能性があった。
そのため、誤接続を防止できる医療用ポートの接続構造が望まれる。
【0005】
本発明は、誤接続を防止できる医療用ポートの接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1医療用ポートに設けられた第1接続部と、液体が流通するラインの先端に設けられ前記第1接続部に接続可能なコネクタと、を備える医療用ポートの接続構造であって、前記コネクタは、前記第1接続部に圧入により接続可能であり、かつ、ネジ込式の第2接続部を有する第2医療用ポートに接続不可能である医療用ポートの接続構造に関する。
【0007】
また、前記第1接続部は、前記コネクタが差し込まれた場合に前記コネクタの差込方向への移動を規制する規制部を有することが好ましい。
【0008】
また、前記第1接続部を覆う位置と、前記第1接続部を覆わない位置と、に移動可能な蓋部材を更に備え、前記蓋部材が前記第1接続部を覆う位置に位置する場合に、前記第1接続部を洗浄可能な洗浄構造を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誤接続を防止できる医療用ポートの接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態における血液浄化システムを示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態における血液浄化システムに配置されるコンソールを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る補充液ポートの斜視図である。
図4】本実施形態に係る補充液ポートの断面図であり、図3のA-A線断面図である。
図5】本実施形態に係る補充液ポートの開口を開放して、分岐ラインを取り付ける前の状態を示す図である。
図6】本実施形態に係る補充液ポートの開口を開放して、分岐ラインを取り付けた後の状態を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る排液ポートの斜視図である。
図8】本実施形態に係る排液ポートの断面図であり、図7のB-B線断面図である。
図9】本実施形態に係る排液ポートの開口を開放して、オーバーフローラインを取り付ける前の状態を示す図である。
図10】本実施形態に係る排液ポートの開口を開放して、オーバーフローラインを取り付けた後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の排液ポート(第1医療用ポート)及び補充液ポート2(第2医療用ポート)の接続構造は、例えば、血液透析や血漿交換、吸着療法等の治療に用いられる血液を浄化する血液浄化システムに用いられる。
図1は、本発明の一実施形態における血液浄化システム1を示す模式図である。図2は、本発明の一実施形態における血液浄化システム1に配置されるコンソール500を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、血液浄化システム1は、コンソール500を備える。図2に示すように、コンソール500のコンソール本体501の上下方向の上部に配置される上部前面板502には、医療用ポートとしての補充液ポート2が取り付けられる。また、コンソール500のコンソール本体501の上下方向の中間位置に配置される中間部前面板503には、排液ポート3が取り付けられる。
【0013】
血液浄化システム1は、図1に示すように、ダイアライザ200と、動脈側血液ラインL3と、静脈側血液ラインL4と、第1薬液ラインL61と、第2薬液ラインL62と、透析液導入ラインL71と、排液排出ラインL72と、オーバーフローラインL8と、透析液装置10と、コンソール500と、を備える。コンソール500には、図1及び図2に示すように、操作パネル510、クランプユニット520、動脈側血液ラインL3の一部、静脈側血液ラインL4の一部、第1薬液ポンプ531、第2薬液ポンプ532、接続カプラ560(動脈側カプラ561、静脈側カプラ562)、血液ポンプ540及び制御装置550が配置されている。
【0014】
動脈側血液ラインL3、静脈側血液ラインL4、第1薬液ラインL61、第2薬液ラインL62及びオーバーフローラインL8は、いずれも液体が流通可能な可撓性を有するチューブを主体として構成される。
【0015】
ダイアライザ200は、血液と透析液との間で透析を行うことで血液を浄化する。
動脈側血液ラインL3は、患者Hから採取した血液が流通する。動脈側血液ラインL3は、上流側が患者Hの動脈に接続され下流側がダイアライザ200に接続される。動脈側血液ラインL3を流通した血液は、ダイアライザ200に供給される。動脈側血液ラインL3には、動脈側エアトラップチャンバ301が配置される。
【0016】
動脈側血液ラインL3の途中には、コンソール500が配置される。コンソール500において、動脈側血液ラインL3が通る部分には、クランプユニット520及び血液ポンプ540が配置される。
【0017】
クランプユニット520は、図2に示すように、ユニット化されて構成されており、コンソール本体501の上部前面板502に取り付けられる。クランプユニット520は、図1に示すように、動脈側血液ラインL3を構成するチューブ、及び静脈側血液ラインL4を構成するチューブをクランプして保持する。
【0018】
血液ポンプ540は、図2に示すように、コンソール本体501の上部前面板502に取り付けられる。血液ポンプ540は、図1に示すように、動脈側血液ラインL3におけるクランプユニット520よりも下流側に配置される。血液ポンプ540は、動脈側血液ラインL3を構成するチューブをローラでしごくことにより、動脈側血液ラインL3の内部の血液やプライミング液等の液体を送り出す。
【0019】
第1薬液ラインL61は、血液透析中に必要な薬液を動脈側血液ラインL3に供給する。第1薬液ラインL61は、一端側(基端側)が薬液を送り出す第1薬液ポンプ531に接続され、他端側(先端側)が動脈側血液ラインL3における血液ポンプ540とダイアライザ200との間に接続される。
【0020】
第2薬液ラインL62は、血液透析中に必要な薬液を動脈側血液ラインL3に供給する。第2薬液ラインL62は、一端側(基端側)が薬液を送り出す第2薬液ポンプ532に接続され、他端側(先端側)が動脈側血液ラインL3における第1薬液ラインL61との接続部とダイアライザ200との間に接続される。
【0021】
静脈側血液ラインL4は、上流側がダイアライザ200に接続され下流側が患者Hの静脈に接続される。ダイアライザ200から排出された血液は、患者Hに戻される。静脈側血液ラインL4には、静脈側エアトラップチャンバ401が配置される。静脈側血液ラインL4の途中には、静脈側エアトラップチャンバ401及びコンソール500が配置される。コンソール500において、静脈側血液ラインL4が通る部分には、クランプユニット520が配置される。
【0022】
オーバーフローラインL8は、一端側(基端側)が静脈側エアトラップチャンバ401に接続される。オーバーフローラインL8は、プライミング工程において静脈側血液ラインL4を流通する生理食塩液、空気等を排液として外部に排出する。オーバーフローラインL8の途中には、オーバーフローラインクランプ402が配置される。オーバーフローラインクランプ402は、オーバーフローラインL8の流路を開閉する。
オーバーフローラインL8の下流側の端部には、コンソール500に配置される排液ポート3に接続されている。排液ポート3の詳細については後述する。
【0023】
図1に示すように、透析液装置10は、透析液をダイアライザ200供給すると共に、ダイアライザ200において血液の浄化に用いられた透析液を回収して排出する。透析液装置10は、透析液容器110と、透析液供給ラインL1と、補充液ポート2(第2医療用ポート)と、排液ポート3(第1医療用ポート)と、透析液回収ラインL2と、排液ポート洗浄用ラインL91と、ポート側排液ラインL92と、透析液回収容器120と、を備える。透析液容器110、透析液供給ラインL1、補充液ポート2、排液ポート3、透析液回収ラインL2、排液ポート洗浄用ラインL91、ポート側排液ラインL92及び透析液回収容器120は、コンソール500に配置される。
【0024】
透析液容器110は、透析液を収容する。
透析液供給ラインL1は、上流側が透析液容器110に接続され、下流側がダイアライザ200に接続される。透析液供給ラインL1には、ダイアライザ200に供給される透析液が流通する。透析液供給ラインL1は、第1透析液供給ラインL11と、第2透析液供給ラインL12と、を有する。第1透析液供給ラインL11は、上流側が透析液容器110に接続され、下流側が静脈側カプラ562を介してダイアライザ200に接続される。第2透析液供給ラインL12は、上流側が透析液容器110に接続され、下流側が第1透析液供給ラインL11に合流する。
【0025】
補充液ポート2は、図1に示すように、コンソール500において、透析液供給ラインL1(第2透析液供給ラインL12)に配置される。補充液ポート2は、補充液ポート2に接続される分岐ラインL5を通じて、動脈側エアトラップチャンバ301等、又は静脈側エアトラップチャンバ401等に透析液を供給する。補充液ポート2については、後段で詳述する。本実施形態においては、分岐ラインL5は、液体が流通可能な可撓性を有するチューブを主体として構成される。
【0026】
透析液回収ラインL2は、上流側が動脈側カプラ561を介してダイアライザ200に接続され、ダイアライザ200から排出される透析液が流通する。
透析液回収容器120は、透析液回収ラインL2の下流側に接続され、透析液回収ラインL2を流通して回収された透析液を貯留する。
【0027】
排液ポート3は、図1に示すように、オーバーフローラインL8の下流側端部に接続され、オーバーフローラインL8を通じて流通された排液を、コンソール500の内部に導入する。排液ポート3については、後段で詳述する。
【0028】
ポート側排液ラインL92は、一端側が排液ポート3に接続され、他端側が排液排出ラインL72の途中に接続されている。ポート側排液ラインL92は、排液排出ラインL72を介して、排液ポート3から排出される排液を外部に排出する。
【0029】
排液ポート洗浄用ラインL91は、一端側が排液ポート3に接続され、透析液導入ラインL71の途中に接続されている。排液ポート洗浄用ラインL91の途中には、開閉弁130が配置される。開閉弁130は、排液ポート洗浄用ラインL91の流路を開閉する。開閉弁130は、排液ポート3の排液ポート導入口312(後述)を洗浄する場合には、開状態になるように制御され、排液ポート3に向けて洗浄液(透析液)を流通させる。
血液浄化システム1に含まれる各ラインには、必要に応じてポンプ、バルブ等が配置される。
【0030】
制御装置550は、情報処理装置(コンピュータ)により構成されており、制御プログラムを実行することにより、血液浄化システム1の動作を制御する。制御装置550は、以下に説明する各工程の制御プログラムを実行することにより、血液浄化システム1の動作を制御して運転する。具体的には、制御装置550は、動脈側血液ラインL3、静脈側血液ラインL4及び透析液装置10に配置された各種のポンプやクランプ等の動作を制御して、血液浄化システム1により行われる各種工程(プライミング工程、脱血工程、透析工程、補液工程、返血工程等)を実行する。
【0031】
補充液ポート2について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る補充液ポート2の斜視図である。図4は、本実施形態に係る補充液ポート2の断面図であり、図3のA-A線断面図である。図5は、本実施形態に係る補充液ポート2の開口223aを開放して、分岐ラインL5を取り付ける前の状態を示す図である。図6は、本実施形態に係る補充液ポート2の開口223aを開放して、分岐ラインL5を取り付けた後の状態を示す図である。
【0032】
図3及び図4に示すように、補充液ポート2は、水平方向に対して角度α傾いた状態で、コンソール500のコンソール本体501の上部前面板502(図2参照)に取り付けられる。補充液ポート2は、内筒部21と、本体部22と、導出路としての傾斜筒部23と、蓋部材24と、軸部材としてのシャフト25と、付勢部材としてのバネ26と、センサ27と、を備える。
【0033】
本体部22は、厚みを有して形成される。本体部22は、コンソール500のコンソール本体501の上部前面板502の裏面側に配置され、本体部22の上面22aは、コンソール本体501の上部前面板502に沿って配置される。本体部22には、図4に示すように、内筒部21が配置される内筒収容部221、傾斜筒部23が収容される傾斜筒収容部222、及び外周壁部223が形成される。内筒収容部221は、コンソール本体501の上部前面板502と直交する方向に延びる貫通穴として形成される。傾斜筒収容部222は、一端側が内筒収容部221に連通し、コンソール本体501の上部前面板502と直交する方向に対して傾斜した方向に延びる穴として形成される。
【0034】
内筒部21は、円筒状に形成される。内筒部21は、図4に示すように、内筒収容部221に収容される。内筒部21は、コンソール500のコンソール本体501の上部前面板502の裏面側において、コンソール500のコンソール本体501の上部前面板502と直交する方向に延びる。内筒部21は、垂直方向に対して角度α傾いて配置される。
【0035】
内筒部21の外周と内筒収容部221の内壁との間には、内筒部21の傾斜方向の一端側(図4に示す上端側)から中央部に亘って、透析液が流通可能な空間が形成される。つまり、内筒収容部221は、傾斜方向の一端側から中央部に亘って、その内径が内筒部21の外径よりも大きく形成される。内筒部21の傾斜方向の中央部から他端側の部分においては、内筒部21の外径と内筒収容部221の内径は略同一に形成される。これにより、傾斜方向の中央部から他端側の部分においては、内筒収容部221は密閉されている。
【0036】
図4に示すように、内筒部21は、補充液ポート導入口211と、補充液ポート導出口212(第2接続部)と、補充液ポート導入口211と補充液ポート導出口212との間に形成される導入路213と、を有する。内筒部21は、板状の押さえ部材214を介して、締結部材(図示せず)によって本体部22に固定される。
補充液ポート導入口211は、内筒部21の蓋部材24と反対側に配置され、上記の透析液供給ラインL1(第2透析液供給ラインL12)を流通する透析液が導入される。
補充液ポート導出口212は、内筒部21の蓋部材24側に配置され、透析液が導出される。
【0037】
補充液ポート導出口212には、蓋部材24が開状態(図5参照)にある場合に、分岐ラインL5の一端部が接続される。補充液ポート導出口212側の外周面には、ネジ山212aが設けられる。分岐ラインL5は、先端に配置される分岐ラインコネクタ205(第2コネクタ)と、分岐ラインコネクタ205の後部に接続される分岐ラインチューブ204と、を有する。
【0038】
本実施形態においては、分岐ラインチューブ204は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコン(Si)等の可撓性のチューブで形成される。分岐ラインチューブ204としては、例えば、外径が5.5mm、内径が3.3mmのものなどが用いられる。分岐ラインチューブ204の硬度は、例えば、50~85程度(JIS K7215)のものなどが用いられる。
【0039】
補充液ポート導出口212には、その外面に、分岐ラインコネクタ205がネジ込により接続される。分岐ラインコネクタ205の内面には、補充液ポート導出口212のネジ山212aに螺合されるネジ山205aが形成される。分岐ラインコネクタ205と補充液ポート導出口212とはネジ込式の接続構造により接続される。
【0040】
本実施形態においては、誤接続を防止するため、分岐ラインコネクタ205は、補充液ポート導出口212にネジ込みにより接続可能であるが、排液ポート3(第1医療用ポート)に設けられる圧入式の排液ポート導入口312(第1接続部)に接続不可能な構造である。
【0041】
傾斜筒部23は、円筒状に形成される。傾斜筒部23は、図4に示すように、一端側が傾斜筒収容部222に収容される。傾斜筒部23は、コンソール本体501の上部前面板502の裏面側において、内筒部21が延びる方向に対して傾斜して延びて配置される。傾斜筒部23は、一端側が内筒収容部221における内筒部21の外周と内筒収容部221の内壁との間に空間が形成される部分に連通し、他端側が透析液供給ラインに連結される導出路231を形成する。傾斜筒部23は、内筒収容部221を流通する透析液を透析液供給ラインL1に導出する。傾斜筒部23は、板状の押さえ部材232を介して、締結部材233によって本体部22に固定される。
【0042】
外周壁部223は、本体部22における補充液ポート導出口212が位置する側に配置される。外周壁部223は、内筒収容部221の周囲から内筒部21の延びる方向に内筒部21の補充液ポート導出口212よりも突出し、コンソール本体501の上部前面板502に形成された孔502aを貫通する。外周壁部223の先端側には、開口223aが形成される。開口223aの内部側には、内筒部21の補充液ポート導出口212が配置される。補充液ポート導出口212は、蓋部材24の開状態において、液体を外部へ導出するための分岐ラインL5(導出部材)が接続される接続口である(図5及び図6参照)。補充液ポート導出口212の上端部は、開口223aの上端部から開口223aの内部側に入った位置において、分岐ラインL5に接続可能に配置される。外周壁部223の内周面は、開口223a側に向かって開口223aの径が大きくなるように傾斜したテーパ面223bを含む。
【0043】
蓋部材24は、図3に示すように、平面視において所定方向に延びて形成される。蓋部材24は、図4に示すように、開口223aに着脱可能に、内筒部21の補充液ポート導出口212の上端部から離間して取り付けられる。蓋部材24は、外周壁部223の開口223aを開閉可能に構成される。血液浄化システム1は、蓋部材24の閉状態において、透析液を内筒部21から傾斜筒部23に流通させることで透析動作を実行し、又は、洗浄液を内筒部21から傾斜筒部23に流通させることで洗浄動作を実行する。
【0044】
蓋部材24は、コンソール本体501の上部前面板502の表面側に配置される。蓋部材24は、外周壁部223に着脱可能に取り付けられる。蓋部材24は、基端側が上下方向に延びるシャフト25(図3参照)の上端に取り付けられ、先端側がコンソール本体501の上部前面板502の表面側に突出して形成される。
【0045】
蓋部材24は、図3に示すように、開口223aよりも大径の蓋本体241と、蓋本体241に着脱可能に取り付けられるスライド部材242と、を備える。
【0046】
蓋本体241は、長手方向に延びて形成される。蓋本体241は、蓋部材24が操作される際に、使用者により把持される。蓋本体241は、シャフト25(図6参照)を引き上げた状態でコンソール本体501の上部前面板502の表面方向に沿って回動可能に構成される。
【0047】
スライド部材242は、図4及び図5に示すように、蓋本体241に取り付けられ、保持部分243と、保持部分243に着脱可能に保持される密閉用部分244と、を有する。
【0048】
保持部分243は、スライド筐体243aと、連結部材243cと、を有する。スライド筐体243aは、蓋本体241の長手方向の先端側においてスライド移動により着脱可能に取り付けられる。スライド筐体243aは、下方に突出する円筒状の筒状内壁部243bを有する。筒状内壁部243bは、開口223aが閉鎖されている状態において、密閉用部分244及び外周壁部223の外周を囲うように配置される。
【0049】
密閉用部分244は、樹脂又はゴムからなる弾性部材によって構成され、突出方向側の周縁がテーパ面223bに当接して開口223aを密閉する。つまり、密閉用部分244は、その外径が、外周壁部223の内径よりも大きく、かつ、外周壁部223の外径よりも小さくなるように構成される。密閉用部分244は、保持部分243に保持されて支持される。密閉用部分244がテーパ面223bに当接した状態において、密閉用部分244と内筒部21の補充液ポート導入口211の上端部との間には、透析液又は洗浄液が通過するための隙間が形成される。
【0050】
シャフト25は、図3に示すように、コンソール本体501の上部前面板502の表面側において蓋本体241の基端側に接続される。シャフト25は、本体部22に対して軸方向に摺動可能である。シャフト25は、蓋部材24と本体部22との間の距離を変更可能、かつ、蓋部材24を本体部22に対して回転可能に蓋本体241と本体部22とを連結する。
【0051】
バネ26は、図4に示すように、本体部22とシャフト25のバネ受け251との間に巻回される。バネ26は、圧縮された状態で、本体部22とバネ受け251との間に配置され、蓋部材24を本体部22側に付勢する。
【0052】
内筒部21の補充液ポート導出口212に分岐ラインL5を接続する場合には、図4に示す状態から、蓋本体241を、外周壁部223と筒状内壁部243bとがシャフト25の軸方向において重複しない位置まで引いた状態で、図5に示すように、蓋部材24が開口223aを覆わない位置までシャフト25を中心に本体部22に対して回転させる。これにより、開口223aの内部側に配置された内筒部21の補充液ポート導出口212に分岐ラインL5を接続できる。
【0053】
センサ27は、図4に示すように、バネ受け251の下方に配置される。センサ27は、シャフト25が軸方向に摺動した場合に、バネ受け251により押圧された否かにより、蓋部材24の開閉状態を検知する。
【0054】
排液ポート3について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る排液ポート3の斜視図である。図8は、本実施形態に係る排液ポート3の断面図であり、図7のB-B線断面図である。図9は、本実施形態に係る排液ポート3の開口323aを開放して、オーバーフローラインL8を取り付ける前の状態を示す図である。図10は、本実施形態に係る排液ポート3の開口323aを開放して、オーバーフローラインL8を取り付けた後の状態を示す図である。
【0055】
排液ポート3は、上記の補充液ポート2と比べて、主に、配置される向き、接続されるライン及び内筒部31の構成などが異なる。排液ポート3について、これ以外の構成は、補充液ポート2の構成と同様である。そのため、排液ポート3の説明においては、補充液ポート2と異なる構成について説明する。特に説明しない部分については補充液ポート2の説明が適用又は援用される。排液ポート3の構成と同じ構成の部分の説明においては、補充液ポート2の説明において付した符号番号に対応する符号番号(補充液ポート2の構成に付した符号番号の最上位の桁の数字を「2」から「3」に代えた符号番号)を付して、説明を簡略化又は省略する。
【0056】
図7及び図8に示すように、排液ポート3は、水平方向に配置された状態で、コンソール500のコンソール本体501の中間部前面板503(図2参照)に取り付けられる。排液ポート3は、内筒部31と、本体部32と、導出路としての傾斜筒部33と、蓋部材34と、軸部材としてのシャフト35と、付勢部材としてのバネ36と、センサ37と、を備える。
【0057】
本体部32は、厚みを有して形成される。本体部32は、コンソール500のコンソール本体501の中間部前面板503の裏面側に配置され、本体部32の上面32aは、コンソール本体501の中間部前面板503に沿って配置される。
【0058】
内筒部31は、図8に示すように、水平方向に延びる円筒状に形成される。内筒部31は、排液ポート導入口312(第1接続部)と、排液ポート導出口311と、排液ポート導入口312と排液ポート導出口311との間に形成される導入路313と、を有する。
なお、排液ポート3においては、内筒部31においての液体の流通方向が、補充液ポート2の内筒部21と異なる。具体的には、排液ポート3においては、内筒部31における「排液ポート導入口312」及び「排液ポート導出口311」の位置は、上記補充液ポート2の内筒部21における「補充液ポート導入口211」及び「補充液ポート導出口212」の位置とは逆の端部の位置に配置されている。
【0059】
排液ポート導入口312は、内筒部31の蓋部材34側に配置され、蓋部材34の閉状態において排液ポート導入口312を洗浄する場合には、排液ポート洗浄用ラインL91を流通する洗浄液が導入され、蓋部材34の開状態においてオーバーフローラインL8が接続される場合には、オーバーフローラインL8を流通する排液が導入される。
【0060】
排液ポート導入口312には、蓋部材34が開状態(図9参照)にある場合に、オーバーフローラインL8の一端部が接続される。排液ポート導入口312の外周面は、凹凸が形成されていない円筒状に形成される。排液ポート導入口312のオーバーフローラインL8の差込方向の奥側の端部には、根本規制部312a(規制部)が形成される。根本規制部312aは、オーバーフローラインL8のオーバーフローラインコネクタ305が差し込まれた場合に、オーバーフローラインコネクタ305の先端側端面305bが根本規制部312aに当接して、オーバーフローラインL8の差込方向への移動を規制することで、オーバーフローラインL8の挿入過多を防止する。
【0061】
オーバーフローラインL8は、図9に示すように、先端に配置されるオーバーフローラインコネクタ305(コネクタ)と、オーバーフローラインコネクタ305の後部に接続されるオーバーフローラインチューブ304と、を有する。
【0062】
本実施形態においては、オーバーフローラインチューブ304は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコン(Si)等の可撓性のチューブで形成される。オーバーフローラインチューブ304としては、例えば、外径が5.5mm、内径が3.3mmのものなどが用いられる。オーバーフローラインチューブ304の硬度は、例えば、50~85程度(JIS K7215)のものなどが用いられる。
【0063】
オーバーフローラインコネクタ305は、排液ポート導入口312に接続可能である。オーバーフローラインコネクタ305は、外周面及び内周面の両方に凹凸が形成されていない筒状接続部305aと、筒状接続部305aが延びる方向の途中に形成され径方向に突出するフランジ部305cと、を有する。筒状接続部305aの先端側の端部には、先端側端面305bが形成される。
【0064】
排液ポート導入口312には、その外面に、オーバーフローラインコネクタ305の筒状接続部305aが圧入により接続される。排液ポート導入口312の外周面及び筒状接続部305aの内周面の両方に凹凸が形成されておらず、オーバーフローラインコネクタ305と排液ポート導入口312とは圧入式の接続構造により接続される。
【0065】
排液ポート導入口312からオーバーフローラインコネクタ305を引き抜く場合の引抜力は、オーバーフローラインコネクタ305からオーバーフローラインチューブ304を引き抜く場合の引抜力よりも小さくなるように設定される。例えば、根本規制部312a(規制部)の位置を調整することで、オーバーフローラインコネクタ305の挿入量を設定できるため、排液ポート導入口312からオーバーフローラインコネクタ305を引き抜く場合の引抜力が過度に大きくならないように設定できる。
【0066】
また、本実施形態においては、誤接続を防止するため、オーバーフローラインコネクタ305は、排液ポート導入口312に圧入により接続可能であるが、補充液ポート2(第2医療用ポート)に設けられるネジ込式の補充液ポート導出口212(第2接続部)に接続不可能な構造である。
【0067】
ここで、仮に、オーバーフローラインコネクタ305と排液ポート導入口312との接続構造に、ネジ込式の接続構造を採用した場合に、取り付け取り外しの作業に多くの作業時間を要するため、作業者の負担となる。これに対して、本実施形態においては、オーバーフローラインL8には、プライミング工程時などに排液が流通するのみであり、上流側にはオーバーフローラインクランプ402も配置されており高い圧力が掛かることもない。そのため、本実施形態においては、オーバーフローラインコネクタ305と排液ポート導入口312との接続構造をネジ込式とする必要はなく、圧入式の接続構造を採用している。これにより、取り付け取り外しの作業を、ネジ込式の場合よりも軽減することができる。
【0068】
傾斜筒部33は、円筒状に形成される。傾斜筒部33は、内筒収容部321を流通する透析液をポート側排液ラインL92に導出する。
【0069】
外周壁部323は、本体部32における排液ポート導入口312が位置する側に配置される。外周壁部323は、内筒収容部321の周囲から内筒部31の延びる方向に内筒部31の排液ポート導入口312よりも突出し、コンソール本体501の中間部前面板503に形成された孔503aを貫通する。外周壁部323の先端側には、開口323aが形成される。開口323aの内部側には、内筒部31の排液ポート導入口312が配置される。排液ポート導入口312は、蓋部材34の開状態において、排液を排出させるためのオーバーフローラインL8のオーバーフローラインコネクタ305が接続される接続口である(図10参照)。
【0070】
蓋部材34は、図1及び図8に示すように、コンソール本体501の中間部前面板503の表面側に配置される。蓋部材34は、外周壁部323の開口323aを開閉可能に構成される。蓋部材34の閉状態においては、蓋部材34は、排液ポート導入口312を覆わない位置に位置する。蓋部材34の開状態においては、蓋部材34は、排液ポート導入口312を覆う位置に位置する。蓋部材34が排液ポート導入口312を覆う位置に位置する場合に、排液ポート導入口312の周囲に空間が形成されており、排液ポート導入口312の周囲の空間に洗浄液を流通させることが可能な洗浄構造を備える。これにより、排液ポート導入口312を洗浄可能である。血液浄化システム1は、蓋部材34の閉状態において、洗浄液(透析液)を傾斜筒部33から内筒部31に流通させることで洗浄動作を実行する。
【0071】
内筒部31の排液ポート導入口312にオーバーフローラインL8を接続する場合には、図8に示すように、蓋本体341を、外周壁部323と筒状内壁部343bとがシャフト35の軸方向において重複しない位置まで引いた状態で、図9に示すように、蓋部材34が開口323aを覆わない位置までシャフト35を中心に本体部32に対して回転させる。これにより、開口323aの内部側に配置された内筒部31の排液ポート導入口312にオーバーフローラインL8を接続できる。
【0072】
次に、排液ポート3の使用方法について説明する。
まず、蓋部材34を回転させることで開口323aを開放して、排液ポート導入口312にオーバーフローラインL8を接続する場合について説明する。
開口323aを開放する際には、図9に示すように、バネ36による付勢力に抗して蓋本体341をシャフト35の軸方向に移動させることで、蓋本体341と本体部32との間の距離を広げる。続いて、蓋本体341を、外周壁部323と筒状内壁部343bとがシャフト35の軸方向において重複しない位置まで引いた状態で、図10に示すように、蓋部材34が開口323aを覆わない位置までシャフト35を中心に本体部32に対して回転させる。これにより、開口323aが開放され、開口323aの内部側に配置される排液ポート導入口312は、オーバーフローラインL8に接続可能に、外部に露出される。
【0073】
続いて、図10に示すように、オーバーフローラインL8を、内筒部31の排液ポート導入口312に接続する。排液ポート導入口312は、蓋部材34の開状態において、外周壁部323の開口323aの内部側に配置され、液体を外部へ導出するためのオーバーフローラインL8が接続される接続口である。オーバーフローラインL8の端部には、オーバーフローラインコネクタ305が配置され、オーバーフローラインコネクタ305は、内周面に凹凸が形成されていない筒状接続部305aを有する。オーバーフローラインコネクタ305の筒状接続部305aの内部に、外周面に凹凸が形成されていない排液ポート導入口312に圧入されることで、排液ポート導入口312には、オーバーフローラインコネクタ305が圧入により接続される。
【0074】
ここで、仮に、オーバーフローラインコネクタ305を、補充液ポート2(第2医療用ポート)に設けられるネジ込式の補充液ポート導出口212(第2接続部)に接続しようとしても、圧入式の接続構造とネジ込式の接続構造との違いにより、オーバーフローラインコネクタ305を補充液ポート導出口212に接続できない。これにより、オーバーフローラインL8の誤接続を防止できる。
【0075】
オーバーフローラインL8が内筒部31に接続された状態においては、図10に示すように、オーバーフローラインL8から導入路313に導入された透析液は、排液ポート導出口311からポート側排液ラインL92に導出される。
【0076】
また、排液ポート導入口312への透析液の固着及びカビ等の発生を防ぐ必要がある。そのため、本実施形態においては、排液ポート導入口312への透析液の固着及びカビ等の発生を防ぐために、開口323aが閉鎖されている状態で、排液ポート導入口312を洗浄できるように構成されている。
【0077】
排液ポート導入口312を洗浄する場合には、図8に示すように、蓋部材34を閉状態にした状態で、洗浄液(透析液)を。排液ポート洗浄用ラインL91を介して、傾斜筒部33から導入する。これにより、洗浄液は、傾斜筒部33から流入した後、傾斜筒部33から流入した洗浄液は、内筒部31の外周と内筒収容部321の内壁との間の空間、及び、密閉用部分344と内筒部31の排液ポート導入口312の端部との間の隙間、を流通し、排液ポート導入口312から、導入路313に導入される。よって、洗浄液を傾斜筒部33から排液ポート導入口312に導入させることで、排液ポート導入口312を洗浄液で洗浄できる。これにより、蓋部材34の閉状態において、オーバーフローラインL8が接続される接続口である排液ポート導入口312を十分かつ容易に洗浄することができる。従って、排液ポート導入口312への透析液の固着及びカビ等の発生を防ぐことができる。
【0078】
上記実施形態に係る排液ポート3の接続構造によれば、以下の効果が奏される。
上記実施形態では、排液ポート3の接続構造を、排液ポート3に設けられた排液ポート導入口312と、排液が流通するオーバーフローラインL8の先端に設けられ排液ポート導入口312に接続可能なオーバーフローラインコネクタ305と、を備えて構成し、オーバーフローラインコネクタ305は、排液ポート導入口312に圧入により接続可能であり、かつ、ネジ込式の補充液ポート導出口212を有する第2医療用ポート2に接続不可能である。これにより、オーバーフローラインL8の誤接続を防止できる。
【0079】
また、上記実施形態では、排液ポート導入口312は、オーバーフローラインコネクタ305が差し込まれた場合にオーバーフローラインコネクタ305の差込方向への移動を規制する根本規制部312aを有する。そのため、根本規制部312aは、オーバーフローラインL8のオーバーフローラインコネクタ305が差し込まれた場合に、オーバーフローラインコネクタ305の先端側端面305bが根本規制部312aに当接して、オーバーフローラインL8の差込方向への移動を規制する。これにより、オーバーフローラインL8の挿入過多を防止できる。
【0080】
また、上記実施形態では、排液ポート導入口312を覆う位置と、排液ポート導入口312を覆わない位置と、に移動可能な蓋部材34を更に備え、蓋部材34が排液ポート導入口312を覆う位置に位置する場合に、排液ポート導入口312を洗浄可能な洗浄構造を備える。そのため、排液ポート導入口312を覆う位置に蓋部材34を移動させることで、排液ポート導入口312を洗浄することができる。これにより、蓋部材34の閉状態において、洗浄水の流路が確保されて、オーバーフローラインL8が接続される排液ポート導入口312を十分かつ容易に洗浄することができる。よって、排液ポート導入口312への透析液の固着及びカビ等の発生を防ぐことができる。
【0081】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
2 補充液ポート(第2医療用ポート)
3 排液ポート(第1医療用ポート)
34 蓋部材
212 補充液ポート導出口(第2接続部)
305 オーバーフローラインコネクタ(コネクタ)
312 排液ポート導入口(第1接続部)
312a 根本規制部(規制部)
L8 オーバーフローライン(ライン)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10