(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】原稿搬送装置及び原稿読取装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/02 20060101AFI20240220BHJP
B65H 1/14 20060101ALI20240220BHJP
B65H 29/52 20060101ALI20240220BHJP
B65H 29/22 20060101ALI20240220BHJP
B65H 43/00 20060101ALI20240220BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240220BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B65H31/02
B65H1/14 322A
B65H29/52
B65H29/22 Z
B65H43/00
G03G15/00 107
H04N1/00 567M
(21)【出願番号】P 2019192178
(22)【出願日】2019-10-21
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】萩原 寛史
(72)【発明者】
【氏名】田代 義昭
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】所 義多賀
(72)【発明者】
【氏名】中川 貴文
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176370(JP,A)
【文献】特開平05-338899(JP,A)
【文献】実開平01-159661(JP,U)
【文献】特開2005-008283(JP,A)
【文献】特開2006-016093(JP,A)
【文献】特開2015-139951(JP,A)
【文献】特開2019-131345(JP,A)
【文献】特開2019-210063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/22
B65H 29/52
B65H 1/14
B65H 31/02
B65H 43/00
G03G 15/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が積載される給紙トレイと、
前記給紙トレイの下方に設けられた排出トレイと、
前記給紙トレイから1枚ずつ前記原稿を繰り出す繰出ローラーと、
繰り出された前記原稿を読取位置を経由する搬送路に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送路に連なる排出路に沿って前記原稿を搬送し、前記排出路の搬送方向下流側の端部に設けられた排出口から前記排出トレイに前記原稿を排出する排出機構と、
前記排出路の搬送方向上流側の端部に搬送方向と交差する前記原稿の幅方向を軸方向とする揺動軸を備え、前記揺動軸を中心として前記排出機構を揺動させる揺動機構と、
前記給紙トレイに積載された前記原稿の上面が前記繰出ローラーに押し当てられるように前記給紙トレイを昇降させる昇降機構と、
前記給紙トレイの下面に設けられ、前記排出トレイに積載された前記原稿の上面との距離を計測する上面距離計測部と、
前記上面距離計測部によって計測された前記距離と、前記昇降機構の駆動量から求められる前記給紙トレイの高さとから、前記排出トレイに積載された前記原稿の上面の高さを算出し、算出された前記高さに応じて前記揺動機構により前記排出機構を揺動させることで
、前記排出口と前記排出トレイに積載された前記原稿の上面との落差が所定範囲内となるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記給紙トレイに前記原稿が積載されていない場合に、前記昇降機構により前記給紙トレイを昇降させることで、前記上面距離計測部によって計測される距離が所定距離以上となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記繰出ローラーにより前記原稿が繰り出されたにもかかわらず前記排出トレイに積載された前記原稿の上面の高さが上昇しない場合に、前記繰出ローラーによる前記原稿の繰り出しを停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の原稿搬送装置
。
【請求項4】
前記制御部は、前記排出トレイに積載された前記原稿の上面の高さが閾値以上である場合に、前記繰出ローラーによる前記原稿の繰り出しを停止させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の原稿搬送装置を備え、
前記原稿搬送装置により搬送される前記原稿を前記読取位置において読み取ることを特徴とする原稿読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取位置に原稿を搬送する原稿搬送装置及び原稿搬送装置を備える原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、読取位置に原稿を搬送する原稿搬送装置を備えた原稿読取装置に対する高速化、大容量化の要求が高まっており、その要求に対応するために、読取速度の向上、原稿の積載量の増加、重送や紙詰まりの防止、多様な坪量やサイズへの対応など、様々な機能向上が図られている。例えば、特許文献1では、給紙トレイを昇降する昇降手段と、給紙トレイからの原稿の繰出しに応じて給紙トレイを上昇させる昇降制御手段とを備え、排紙トレイの排出口が給紙トレイの昇降に応じて同一量昇降するように構成された原稿送り装置が提案されている。具体的には、給紙トレイは、原稿が載置されていない状態で下限位置に到達したことを検出する下限センサーによる検出信号に基づき最下位位置に位置設定される一方、原稿が載置されると、そのことが給紙トレイ近傍の適所に設けられた原稿有無センサーによって検出され、この検出信号に基づいて原稿の束の上面がピックアップローラに当接するまで給紙トレイが上昇されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1で提案された原稿送り装置において少量の原稿が給紙トレイに積載された場合には、排出口から排出トレイ上面までの落差が大きくなるため、排出された原稿が排出トレイ上で散らばるおそれがある。また、排出トレイに多量の原稿が積載されたまま後続の読み取りが行われた場合、後続の原稿が、排出トレイに積載されている原稿や給紙トレイと干渉するおそれがある。また、多量の原稿の読み取りが行われた場合、読み取り終了後に下降する給紙トレイが原稿の上面に接触するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、排出トレイに積載された原稿の量にかかわらず原稿を正常に排出することのできる原稿搬送装置及び原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る原稿搬送装置は、原稿が積載される給紙トレイと、前記給紙トレイの下方に設けられた排出トレイと、前記給紙トレイから1枚ずつ前記原稿を繰り出す繰出ローラーと、繰り出された前記原稿を読取位置を経由する搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路に連なる排出路に沿って前記原稿を搬送し、前記排出路の搬送方向下流側の端部に設けられた排出口から前記排出トレイに前記原稿を排出する排出機構と、前記排出路の搬送方向上流側の端部に搬送方向と交差する前記原稿の幅方向を軸方向とする揺動軸を備え、前記揺動軸を中心として前記排出機構を揺動させる揺動機構と、前記給紙トレイに積載された前記原稿の上面が前記繰出ローラーに押し当てられるように前記給紙トレイを昇降させる昇降機構と、前記給紙トレイの下面に設けられ、前記排出トレイに積載された前記原稿の上面との距離を計測する上面距離計測部と、前記上面距離計測部によって計測された前記距離と、前記昇降機構の駆動量から求められる前記給紙トレイの高さとから、前記排出トレイに積載された前記原稿の上面の高さを算出し、算出された前記高さに応じて前記揺動機構により前記排出機構を揺動させることで。前記排出口と前記排出トレイに積載された前記原稿の上面との落差が所定範囲内となるように制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る原稿搬送装置において、前記制御部は、前記給紙トレイに前記原稿が積載されていない場合に、前記昇降機構により前記給紙トレイを昇降させることで、前記上面距離計測部によって計測される距離が所定距離以上となるように制御するように構成されてもよい。
【0008】
本発明に係る原稿搬送装置において、前記制御部は、前記繰出ローラーにより前記原稿が繰り出されたにもかかわらず前記上面高さ計測部によって計測された前記高さが上昇しない場合に、前記繰出ローラーによる前記原稿の繰り出しを停止させるように構成されてもよい。
【0009】
本発明に係る原稿搬送装置において、前記制御部は、前記上面高さ計測部によって計測された前記高さが閾値以上である場合に、前記繰出ローラーによる前記原稿の繰り出しを停止させるように構成されてもよい。
【0010】
また、本発明に係る原稿読取装置は、上記のいずれかの原稿搬送装置を備え、前記原稿搬送装置により搬送される前記原稿を前記読取位置において読み取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排出トレイに積載された原稿の量にかかわらず原稿を正常に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複合機の内部構成を模式的に示す正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の断面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る昇降機構の正面図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る昇降機構の正面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る制御部が実行する高さ制御の手順を示す流れ図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の動作を示す断面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の動作を示す断面図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の動作を示す断面図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の動作を示す断面図である。
【
図9A】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の動作を示す断面図である。
【
図9B】本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る複合機100について説明する。複合機100は、プリンター1(画像形成装置の一例)とスキャナー8(原稿読取装置の一例)を備える。
【0014】
まず、
図1を参照して、複合機100の全体の構成について説明する。
図1は、複合機100の内部構成を模式的に示す正面図である。以下、
図1における紙面手前側を複合機100の正面側(前側)とし、左右の向きは複合機100を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
【0015】
プリンター1は、直方体状の筐体2を備え、筐体2の内部に、シートSを供給する給紙部3と、電子写真方式にてフルカラーのトナー像を形成する画像形成部4と、トナー像をシートSに定着する定着部5と、シートSが排出される排出部7と、が設けられている。筐体2の内部には、給紙部3から画像形成部4、定着部5を経て排出部7に至る搬送路6が設けられている。
【0016】
プリンター1が外部コンピューター等から画像データを受信すると、シートSが給紙部3から搬送路6に送り出され、画像形成部4によりシートSにトナー像が形成され、定着部5によりシートSにトナー像が定着され、排出部7にシートSが排出される。
【0017】
スキャナー8は、光源と反射鏡を備える第1キャリッジ81と、2つの反射鏡を備える第2キャリッジ82と、光を結像させるレンズ83と、結像した光を画像信号に変換する撮像素子84と、原稿Gが載せ置かれるコンタクトガラス85と、を備える。
【0018】
ユーザーがコンタクトガラス85上に原稿Gを置いてスキャナー8に読み取りの指示を与えると、光源から原稿Gに光が照射され、第1キャリッジ81が速度Vで右方に移動するのと連動して第2キャリッジ82が速度V/2で右方に移動する。原稿Gで反射された反射光は、第1キャリッジ81の反射鏡と第2キャリッジ82の反射鏡で反射されてレンズ83に導かれ、撮像素子84に結像されて画像信号に変換される。画像信号は、プリンター1に出力され、画像データに変換される。
【0019】
次に、
図1乃至5を参照して、原稿搬送装置9の構成について説明する。
図2は、原稿搬送装置9の斜視図である。
図3は、原稿搬送装置9の断面図である。
図4A、4Bは、昇降機構38の正面図である。
図5は、原稿搬送装置9の電気的構成を示すブロック図である。なお、
図2では、カバー部32の図示が省略されている。
【0020】
原稿搬送装置9は、原稿Gが積載される給紙トレイ44と、給紙トレイ44の下方に設けられた排出トレイ43と、給紙トレイ44から1枚ずつ原稿Gを繰り出す繰出ローラー51と、繰り出された原稿Gを読取位置を経由する搬送路61に沿って搬送する搬送機構35と、搬送路61に連なる排出路65に沿って原稿Gを搬送し、排出路65の搬送方向下流側の端部に設けられた排出口70から排出トレイ43に原稿Gを排出する排出機構36と、排出路65の搬送方向上流側の端部に搬送方向と交差する原稿Gの幅方向を軸方向とする揺動軸71を備え、揺動軸71を中心として排出機構36を揺動させる揺動機構37と、給紙トレイ44に積載された原稿Gの上面が繰出ローラー51に押し当てられるように給紙トレイ44を昇降される昇降機構38と、給紙トレイ44の下面に設けられ、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との距離を計測する上面距離計測部19と、上面距離計測部19によって計測された距離と、昇降機構38の駆動量から求められる給紙トレイ44の高さとから、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さを算出し、算出された高さに応じて揺動機構37により排出機構36を揺動させることで。排出口70と排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との落差が所定範囲内となるように制御する制御部10と、を備える。
【0021】
[本体部]
本体部31(
図2参照)は、扁平な形状に形成された底部40と、前後方向(原稿Gの搬送方向と交差する原稿Gの幅方向)に互いに対向する第1壁部41と第2壁部42とを有する。本体部31の後縁部は、スキャナー8のコンタクトガラス85(
図1参照)の後方にヒンジ結合されており、本体部31は、コンタクトガラス85上の原稿Gを押さえる押さえ板の機能を兼ね備える。第1壁部41は、底部40の前縁部の中央部から左端部にわたって設けられ、第2壁部42は、底部40の後縁部の全体に設けられている。
【0022】
[給紙トレイ、排出トレイ]
底部40の上面の中央よりも右側には、排出トレイ43が形成されており、排出トレイ43の上方には、給紙トレイ44が設けられている。給紙トレイ44は、左側が低くなるように傾斜した板状の部材であり、前後方向の原稿Gの端部をそろえるカーソル45を備えている。給紙トレイ44の左端部に隣接する位置に、積載された原稿Gの左方への移動を規制する給紙壁部46が設けられている。給紙壁部46の前後両端部が、第1壁部41と第2壁部42とに固定されている。排出トレイ43は、左側が低くなるように傾斜しており、排出トレイ43の左端部には、排出された原稿Gの左方への移動を規制する排出壁部47が形成されている。
【0023】
[繰出機構]
繰出機構34は、第1壁部41と第2壁部42との間の空間に設けられている(
図2、3参照)。繰出機構34は、下部が開口した箱形のホルダー53を備え、ホルダー53の内部に、繰出ローラー51と、繰出ローラー51の左方に設けられた従動ローラー55と、従動ローラー55の左方に設けられた駆動ローラー52と、駆動ローラー52と従動ローラー55とに巻き掛けられたゴム製のベルト56と、ベルト56の下側の部分の下面に押し当てられた補助ローラー57と、を備える。繰出ローラー51、従動ローラー55、駆動ローラー52及び補助ローラー57は、前後方向を軸方向として配置されている。繰出ローラー51は、芯金と、ゴム等で形成された弾性層と、を備える(図示省略)。従動ローラー55、駆動ローラー52及び補助ローラー57は、樹脂等で形成されている。駆動ローラー52の駆動軸54の前後両端部は、第1壁部41と第2壁部42に支持され、モーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。ホルダー53は、駆動軸54に支持され、駆動軸54を中心として揺動可能である。駆動軸54の駆動力は、ギア列やタイミングベルト等の伝達機構(図示省略)により繰出ローラー51に伝達される。
【0024】
[搬送機構]
搬送機構35(
図3参照)は、繰出機構34から読取位置を経由して読取位置の右上方に至るU字形に湾曲した形状に形成された搬送路61と、搬送方向に配置された複数の搬送ローラー対63と、を備える。読取位置は、ホームポジションに位置する第1キャリッジ81(
図1参照)の反射鏡に対向する位置である。読取位置には、シェーディング板49が設けられており(
図1、3参照)、シェーディング板49とコンタクトガラス85との間には、原稿Gを通過させる間隙が設けられている。スキャナー8は、読取位置を通過する原稿Gを読み取る。搬送路61は、原稿Gを通過させる間隙を設けて互いに対向する板状の搬送案内部材により形成されている。搬送ローラー対63は、駆動ローラーと従動ローラーとを備え、駆動ローラーがモーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。搬送機構35の上方には、開閉可能な板状のカバー部32が設けられている。カバー部32の左端部は、本体部31の底部40の左端部にヒンジ結合されている。
【0025】
[排出機構]
排出機構36は、搬送路61の搬送方向下流側の端部付近から排出トレイ43に至る排出路65と、排出路65の搬送方向上流側の端部に配置された搬送ローラー対67と、排出路65の搬送方向下流側の端部に配置された排出ローラー対68と、を備える。排出路65は、原稿Gを通過させる間隙を設けて互いに対向する板状の排出案内部材66により形成されている。搬送ローラー対67及び排出ローラー対68は、排出案内部材66の前後両端部に垂直に形成されたローラー支持部69に支持されている。搬送ローラー対67及び排出ローラー対68は、駆動ローラーと従動ローラーとを備え、駆動ローラーがモーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。排出ローラー対68の駆動ローラーと従動ローラーとの接触領域に、原稿Gが排出される排出口70が形成される。
【0026】
[揺動機構]
揺動機構37は、揺動軸71と、偏心カム72と、備える。揺動軸71は、排出路65の搬送方向上流側の端部に、前後方向を軸方向として設けられている。本実施形態では、搬送ローラー対67の駆動軸が揺動軸71を兼ねるが、搬送ローラー対67の従動軸が揺動軸71を兼ねてもよく、搬送ローラー対67の駆動軸や従動軸とは別の揺動軸71が排出案内部材66に設けられていてもよい。偏心カム72は、前後方向を軸方向とするカム軸を中心として揺動可能であり、モーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。偏心カム72の摺動面は、下側の排出案内部材66の下面に接触している。偏心カム72の揺動により、排出機構36が揺動軸71を中心として揺動する。
【0027】
[昇降機構]
昇降機構38(
図4A参照)は、駆動プーリー74及び従動プーリー75と、駆動プーリー74及び従動プーリー75に巻き掛けられたベルト76と、を備える。昇降機構38は、給紙トレイ44の前後に設けられており、駆動プーリー74は、給紙トレイ44よりも上方に配置され、従動プーリー75は、給紙トレイ44よりも下方に配置されている。駆動プーリー74は、モーター等の駆動源(図示省略)に接続されている。給紙トレイ44の前後の縁部には、左右方向に2つの摺動部77が形成され、第1壁部41の後面及び第2壁部42の前面には、摺動部77の上下方向の摺動を案内する摺動案内部78が形成されている。摺動部77は、例えば給紙トレイ44の前後の縁部から突出しており、摺動案内部78は、摺動部77が嵌合する溝状に形成されている。給紙トレイ44の前後における2つの摺動部77の一方(この例では、左側の摺動部77)は、ベルト76に固定されている。
図4Aに示される矢印の方向にベルト76が駆動されることで給紙トレイ44が上昇し、矢印の反対方向にベルト76が駆動されることで給紙トレイ44が下降する。
【0028】
[制御部]
制御部10(
図5参照)は、プロセッサーを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサーを用いる場合には、プロセッサーがメモリーに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサーとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。メモリーは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶媒体を含む。メモリーには、複合機100の各部の制御に用いられる制御プログラムが記憶される。
【0029】
[昇降駆動量計測部]
昇降機構38には、昇降駆動量計測部12が設けられている(
図4A参照)。昇降駆動量計測部12は、例えば、光学式のロータリーエンコーダーであり、遮光板13、フォトインタラプター14及び演算部15を備える。遮光板13は、円板の縁に放射状に延びる複数の羽根が等間隔(ただし、ホームポジションのみ広い間隔)で形成された部材であり、駆動プーリー74に設けられている。フォトインタラプター14は、第2壁部42に固定され、遮光板13の回転により交互にレベルが変化するパルス信号を出力する。演算部15は、フォトインタラプター14から出力されたパルス信号を解析して遮光板13の回転角(つまり、駆動プーリー74の回転角)を算出し、算出された回転角を示すデータを制御部10に出力する。駆動プーリー74の回転角は、昇降機構38の駆動量を示す量である。なお、遮光板13は、駆動プーリー74を駆動するモーターの出力軸や従動プーリー75に設けられていてもよい。
【0030】
[揺動駆動量計測部]
揺動機構37には、揺動駆動量計測部16が設けられている(
図3参照)。揺動駆動量計測部16は、例えば、光学式のロータリーエンコーダーであり、遮光板13、フォトインタラプター14及び演算部15を備える(昇降駆動量計測部12と同様の構成のため、図示省略)。遮光板13は、偏心カム72のカム軸に設けられている。フォトインタラプター14は、底部40に固定されている。演算部15は、フォトインタラプター14から出力されたパルス信号を解析して遮光板13の回転角(つまり、偏心カム72の回転角)を算出し、算出された回転角を示すデータを制御部10に出力する。偏心カム72の回転角は、揺動機構37の駆動量を示す量である。なお、遮光板13は、偏心カム72を駆動するモーターの出力軸に設けられていてもよい。
【0031】
[上面距離計測部]
上面距離計測部19(
図3参照)は、給紙トレイ44の下面に固定されている。上面距離計測部19は、例えば、反射型の光電センサーであり、発光部、受光部及び演算部を備える(図示省略)。発光部は、光のパルスを発生する。演算部は、発光部による発光と受光部による受光との時間差、又は、受光したパルスの強さから、上面距離計測部19と排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との距離を算出し、算出された距離を示すデータを制御部10に出力する。なお、排出トレイ43に原稿Gが積載されていない場合には、演算部は、排出トレイ43の上面との距離を示すデータを出力する。
【0032】
[揺動機構の制御]
制御部10に備えられたEEPROMには、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さと、揺動機構37の駆動量と、昇降機構38の駆動量と、を関連付けたLUT(Look-up Table)が記憶されている。
【0033】
排出口70と排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との落差(以下、排出落差という。)が大き過ぎると、排出される原稿Gが積載された原稿Gの上に散らばるおそれがある。反対に、排出落差が小さ過ぎると、排出される原稿Gと積載された原稿Gが干渉するおそれがある。換言すれば、排出落差には、排出される原稿Gが散らばらず、且つ、排出される原稿Gと積載された原稿Gが干渉しない適正な範囲(所定範囲の一例)が存在する。排出トレイ43に積載された原稿Gの量にかかわらず原稿Gが正常に排出されるためには、排出落差が適正な範囲内に維持される必要がある。
【0034】
そこで、制御部10は、上面距離計測部19によって計測された距離と、昇降機構38の駆動量から求められる給紙トレイ44の高さとから、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さを算出し、算出された高さに応じて揺動機構37により排出機構36を揺動させることで、排出口70と排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との落差が所定範囲内となるように制御する。具体的には、偏心カム72の回転角(揺動機構37の駆動量)と排出口70の高さとは単調増加の関係にあるから、偏心カム72の回転角によって排出口70の高さが一意的に決定される。LUTには、排出落差が適正な範囲内となるように予め計算された偏心カム72の回転角が、原稿Gの上面の高さと関連付けて書き込まれている。また、駆動プーリー74の回転角(昇降機構38の駆動量)と給紙トレイ44の高さとは単調増加の関係にあるから、駆動プーリー74の回転角から給紙トレイ44の高さが求められる。制御部10は、上面距離計測部19によって計測された距離と、駆動プーリー74の回転角から求められる給紙トレイ44の高さとから、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さを算出し、算出された上面の高さに対応する偏心カム72の回転角をLUTから読み出し、揺動駆動量計測部16によって計測された回転角がLUTから読み出された回転角に等しくなるように、揺動機構37をフィードバック制御する。
【0035】
[昇降機構の制御]
給紙トレイ44に積載された原稿Gの読み取りが完了した場合には、給紙トレイ44を下降させることで給紙トレイ44と繰出ローラー51との間に原稿Gが積載可能な空間が形成されるが、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面と給紙トレイ44との距離(以下、給紙トレイ距離という。)が小さくなり過ぎると、排出される原稿Gと給紙トレイ44が干渉するおそれがある。また、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面に給紙トレイ44が接触すると、原稿Gを排出する空間がなくなってしまう。換言すれば、給紙トレイ距離には、排出される原稿Gに給紙トレイ44が干渉しない最小値(所定距離の一例)が存在する。排出トレイ43に積載された原稿Gの量にかかわらず原稿Gが正常に排出されるためには、給紙トレイ距離が最小値以上に維持される必要がある。
【0036】
そこで、制御部10は、給紙トレイ44に原稿Gが積載されていない場合に、昇降機構38により給紙トレイ44を昇降させることで、上面距離計測部19によって計測される距離が所定距離以上となるように制御する。具体的には、制御部10は、上面距離計測部19によって計測された距離が所定距離となるように、昇降機構38をフィードバック制御する。ただし、排出機構36が上限位置に位置する場合に同様の制御を行うと、給紙トレイ44が排出機構36に干渉する場合が考えられる。そのため、給紙トレイ44の高さについては、排出機構36に給紙トレイ44が干渉しない下限値が設定されている。制御部10は、駆動プーリー74の回転角から求められる給紙トレイ44の高さが下限値に到達した場合には、上面距離計測部19によって計測される距離が所定距離より大きくても、駆動プーリー74の駆動を停止させる。
【0037】
[給紙トレイ原稿検知部]
給紙トレイ44の上面には、給紙トレイ原稿検知部17が設けられている(
図2、3参照)。給紙トレイ原稿検知部17は、例えば、反射型の光電センサーであり、発光部と、受光部と、を備える(図示省略)。給紙トレイ上に原稿Gが積載されている場合には、発光部が発光した光が原稿Gによって反射されるため、受光部が反射光を受光する。給紙トレイ上に原稿Gが積載されていない場合には、発光部が発光した光が反射されないため、受光部は反射光を受光しない。給紙トレイ原稿検知部17は、受光部が反射光を受光した場合と受光しなかった場合とでレベルの異なる信号を制御部10に出力する。制御部10は、信号のレベルによって、給紙トレイ44上の原稿Gの有無を判定する。
【0038】
[繰出ローラー押圧検知部]
繰出ローラー押圧検知部21は、ホルダー53の上部に設けられた遮光板22と、カバー部32の内面に設けられたフォトインタラプター23と、を含む。フォトインタラプター23は、遮光板22によって遮光された場合と遮光されない場合とでレベルの異なる信号を制御部10に出力する。前述のとおり、ホルダー53は、駆動軸54に支持され、駆動軸54を中心として揺動可能である。制御部10は、昇降機構38により、原稿Gが積載された給紙トレイ44を上昇させ、原稿Gの上面が繰出ローラー51に押し当てられることでホルダー53が上方に揺動する。ホルダー53が所定量だけ上方に揺動した場合に、遮光板22がフォトインタラプター23の光を遮光する。このとき、原稿Gの上面と繰出ローラー51との間に適正な荷重が作用し、繰出ローラー51による原稿Gの繰り出しが可能となる。このときのホルダー53の位置を、押圧位置という。
【0039】
[原稿搬送装置の動作]
次に、
図6を参照して、原稿搬送装置9の高さ制御について説明する。
図6は、制御部10が実行する高さ制御の手順を示す流れ図である。プリンター1に電源が投入されると、制御部10は、
図6に示される高さ制御を反復して実行する。
【0040】
最初に、制御部10は、上面距離計測部19により、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との距離を計測させ、計測された距離と、駆動プーリー74の回転角から求められる給紙トレイ44の高さとから、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さを算出し、算出された上面の高さに対応する偏心カム72の回転角をLUTから読み出す(ステップS01)。
【0041】
次に、制御部10は、給紙トレイ原稿検知部17の出力信号から、給紙トレイ44上に原稿Gが有るか否かを判定する(ステップS03)。
【0042】
給紙トレイ44上に原稿Gが有ると判定した場合には(ステップS03:YES)、制御部10は、ステップS05の処理に移行し、繰出ローラー押圧検知部21の出力信号から、繰出機構34のホルダー53が押圧位置に位置するか否かを判定する。ホルダー53が押圧位置に位置すると判定した場合には(ステップS05:YES)、制御部10は、ステップS11の処理に移行する。一方、ホルダー53が押圧位置に位置しないと判定した場合には(ステップS05:NO)、制御部10は、ステップS07の処理に移行し、ホルダー53が押圧位置に到達するように、昇降機構38により給紙トレイ44を上昇させる。
【0043】
一方、給紙トレイ44上に原稿Gが無いと判定した場合には(ステップS03:NO)、制御部10は、ステップS09の処理に移行し、上面距離計測部19によって計測された距離と所定距離との差を求め、求められた差で表される昇降量に対応する回転角だけ昇降機構38を駆動する。この動作により、給紙トレイ距離が、排出される原稿Gや排出機構36に給紙トレイ44が干渉しない最小値に調整される。また、給紙トレイ44と繰出ローラー51との間に原稿Gの積載が可能な空間が形成される。
【0044】
ステップS07又はステップS09に続いて、制御部10は、揺動駆動量計測部16により偏心カム72の回転角を計測させ、計測された回転角がLUTから読み出された値に等しくなるように、揺動機構37により排出機構36を揺動させる(ステップS11)。この動作により、排出落差が、排出される原稿Gが散らばらず、且つ、排出される原稿Gと積載された原稿Gが干渉しない適正な範囲に調整される。なお、ステップS11は、ステップS01とステップS03の間に実行されてもよい。
【0045】
次に、
図6乃至9Bを参照して、給紙トレイ44に原稿Gが積載された場合の原稿搬送装置9の動作を説明する。
図7A乃至9Bは、原稿搬送装置9の動作を示す断面図である。
【0046】
図7Aは、給紙トレイ44及び排出トレイ43に原稿Gが積載される前の状態を示している。この場合、制御部10は、ステップS01において、上面距離計測部19により排出トレイ43の上面との距離を計測させ、計測された距離と給紙トレイ44の高さとから排出トレイ43の上面の高さを算出し、排出トレイ上面の高さに対応する偏心カム72と駆動プーリー74の回転角をLUTから読み出し、ステップS03において、給紙トレイ44に原稿Gが無いと判定し(ステップS03:NO)、ステップS09において、昇降機構38により給紙トレイ44を昇降可能範囲の下限位置に位置させ、ステップS11において、揺動機構37により排出機構36を揺動可能範囲の下限位置に位置させる。
【0047】
図7Bは、給紙トレイ44に原稿Gが積載された状態を示している。この場合、制御部10は,ステップS01において、上面距離計測部19により排出トレイ43の上面との距離を計測させ、排出トレイ上面の高さに対応する偏心カム72と駆動プーリー74の回転角をLUTから読み出し、ステップS03において、給紙トレイ44に原稿Gが有ると判定し(ステップS03:YES)、ステップS05において、ホルダー53が押圧位置に位置しないと判定し(ステップS05:NO)、ステップS07において、昇降機構38によりホルダー53が押圧位置に到達するように給紙トレイ44を上昇させる。ステップS11においては、排出機構36の位置は、揺動可能範囲の下限位置で変化しない(
図8A参照)。
【0048】
ホルダー53が押圧位置に位置した状態で読み取り開始の指示が入力されると、制御部10は、読み取りジョブを開始し、繰出機構34により原稿Gを1枚ずつ搬送路61に繰り出させてスキャナー8に原稿Gを読み取らせる。制御部10は、読み取りジョブと並行して、高さ制御を反復して実行する。この場合、制御部10は、ステップS01において、上面距離計測部19により排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との距離を計測させ、原稿上面の高さに対応する偏心カム72と駆動プーリー74の回転角をLUTから読み出し、ステップS03において、給紙トレイ44に原稿Gが有ると判定する(ステップS03:YES)。
【0049】
原稿Gが繰り出されるにつれて、給紙トレイ44に積載された原稿Gの上面の高さが低くなるため、ホルダー53が下方に揺動する。ホルダー53が押圧位置よりも下方に揺動して、繰出ローラー押圧検知部21から出力される信号のレベルが切り替わった場合、制御部10は、ホルダー53が押圧位置に位置しないと判定し(ステップS05:NO)、ステップS07において、昇降機構38によりホルダー53が押圧位置に到達するように給紙トレイ44を上昇させ、給紙トレイ44に積載された原稿Gの上面が繰出ローラー51に押し当てられる状態を回復させる。そして、制御部10は、ステップS11において、揺動機構37により排出機構36を上方に揺動させる。この動作により、排出落差が適正な範囲に調整される。一例として、
図8Bは、給紙トレイ44に積載された原稿Gのおよそ3分の2が読み取られた状態を示している。
【0050】
図9Aは、全ての原稿Gの読み取りが完了した状態を示している。この場合、制御部10は、ステップS01において、上面距離計測部19により排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との距離を計測させ、原稿上面の高さに対応する偏心カム72と駆動プーリー74の回転角をLUTから読み出し、ステップS03において、給紙トレイ44に原稿Gが無いと判定し(ステップS03:NO)、ステップS09において、昇降機構38により給紙トレイ44を下降させる。この場合、排出トレイ43には原稿Gが積載されているため、給紙トレイ距離が最小値に調整される。また、給紙トレイ44と繰出ローラー51との間に原稿Gの積載が可能な空間が形成される。そして、制御部10は、ステップS11において、揺動機構37により排出機構36を上方に揺動させる。この動作により、排出落差が適正な範囲に調整される(
図9B参照)。
【0051】
排出トレイ43に積載された原稿Gが取り去られた場合、制御部10は、ステップS01において、上面距離計測部19により排出トレイ43の上面との距離を計測させ、排出トレイ上面の高さに対応する偏心カム72と駆動プーリー74の回転角をLUTから読み出し、ステップS03において、給紙トレイ44に原稿Gが無いと判定し(ステップS03:NO)、ステップS09において、昇降機構38により給紙トレイ44を昇降可能範囲の下限位置に位置させ、ステップS11において、揺動機構37により排出機構36を揺動可能範囲の下限位置に位置させる(
図7A参照)。
【0052】
以上説明した本実施形態に係る原稿搬送装置9によれば、制御部10が、上面距離計測部19によって計測された距離と、昇降機構38の駆動量から求められる給紙トレイ44の高さとから、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さを算出し、算出された高さに応じて揺動機構37により排出機構36を揺動させることで、排出口70と排出トレイ43に積載された原稿Gの上面との落差が所定範囲内となるように制御する。よって、本実施形態に係る原稿搬送装置9によれば、排出トレイ43に積載された原稿Gの量にかかわらず原稿Gを正常に排出することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る原稿搬送装置9によれば、制御部10が、給紙トレイ44に原稿Gが積載されていない場合に、昇降機構38により給紙トレイ44を昇降させることで、上面距離計測部19によって計測される距離が所定距離以上となるように制御する。よって、本実施形態に係る原稿搬送装置9によれば、排出される原稿Gや排出機構36に給紙トレイ44が干渉することを防ぐことができる。
【0054】
上記実施形態が以下のように変形されてもよい。
【0055】
上記実施形態の構成に加えて、制御部10が、繰出ローラー51により原稿Gが繰り出されたにもかかわらず排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さが上昇しない場合に、繰出ローラー51による原稿Gの繰り出しを停止させるように構成されてもよい。この構成によれば、搬送路61や排出路65に原稿Gが詰まった場合に、原稿Gの除去を迅速に行うことができる。
【0056】
上記実施形態の構成に加えて、制御部10が、排出トレイ43に積載された原稿Gの上面の高さが閾値以上である場合に、繰出ローラー51による原稿Gの繰り出しを停止させるように構成されてもよい。この構成によれば、排出トレイ43に積載された原稿Gと排出される原稿Gが干渉することを防ぐことができる。
【0057】
上記実施形態では、カム機構による揺動機構37の例が示されたが、これに代えて、ソレノイドアクチュエーター、ラックアンドピニオン、ボールねじ、リニアモーター、ベルト駆動等が用いられてもよい。
【0058】
上記実施形態では、ベルト駆動による昇降機構38の例が示されたが、これに代えて、ソレノイドアクチュエーター、ラックアンドピニオン、ボールねじ、リニアモーター、カム機構等が用いられてもよい。
【0059】
揺動機構37の偏心カム72を駆動するモーターは、ステッピングモーターでもよい。この場合、揺動機構37の駆動量としてステッピングモーターの駆動パルス数を用いることで、揺動駆動量計測部16が省略されてもよい。
【0060】
昇降機構38の駆動プーリー74を駆動するモーターは、ステッピングモーターでもよい。この場合、昇降機構38の駆動量としてステッピングモーターの駆動パルス数を用いることで、昇降駆動量計測部12が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
8 スキャナー(原稿読取装置)
9 原稿搬送装置
10 制御部
19 上面距離計測部
35 搬送機構
36 排出機構
37 揺動機構
38 昇降機構
43 排出トレイ
44 給紙トレイ
51 繰出ローラー
61 搬送路
65 排出路
70 排出口
71 揺動軸