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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20240220BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B65H1/04 326B
B65H11/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019227979
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021095259
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】グェン ザィン チェン
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-018918(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101345803(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/04
B65H 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント装置を内包し、前記プリント装置へ搬入されるシートの供給口が形成された本体筐体と、
前記本体筐体における前記供給口の下端部に、前記供給口を塞ぐ閉位置と前記本体筐体の外側へ張り出し前記供給口を開放する開位置との間で変位可能に基端部を連結され、前記開位置において前記シートを積載するシート載置面を有するカバー部と、
前記カバー部の前記シート載置面に第1装着状態および第2装着状態のいずれか一方で選択的に装着され、前記開位置の前記カバー部に装着された状態で前記シートを支持する補助トレイと、
前記補助トレイに対し前記補助トレイの長手方向に沿ってスライド可能に連結され、前記補助トレイから起立し、前記第2装着状態の前記補助トレイに載置される前記シートの後端に対向配置され、前記シートの移動を規制する第1エンドガイドと、を備え、
前記第1装着状態は、前記補助トレイの長手方向がシート搬入方向に直交する幅方向に沿うとともに前記カバー部の前記シート載置面に収納された状態であり、
前記第2装着状態は、前記補助トレイの長手方向が前記シート搬入方向に沿うとともに前記補助トレイの一端部が前記カバー部に設けられた装着部に連結され、前記補助トレイの他端部が前記カバー部から張り出した状態である、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1エンドガイドに対し、前記第1エンドガイドよりも前記シート搬入方向の下流側の使用位置と前記第1エンドガイドよりも前記シート搬入方向の上流側の待避位置との間で変位可能に連結され、前記使用位置において前記第2装着状態の前記補助トレイに載置される前記シートの後端に対向配置される第2エンドガイドをさらに備え、
前記第2エンドガイドは、前記第1エンドガイドにより移動が規制される第1シートよりも小さい第2シートの後端に対向することにより前記第2シートの移動を規制する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2エンドガイドは、前記第1エンドガイドまたは前記カバー部の前記装着部に着脱可能であり、
前記第2エンドガイドは、前記カバー部に装着された状態において、前記カバー部が前記閉位置へ変位したときに前記本体筐体の一部と係合することにより前記カバー部を前記閉位置に保持するカバーロック部を有する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部の装着部は、前記カバー部の自由端部の内側面における前記幅方向の中央部に凹んで形成され、
前記第2エンドガイドは、前記補助トレイが前記第1装着状態であるときに、前記装着部に装着される、請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの供給口を開閉可能でありシートトレイの一部として機能するカバー部を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置が、いわゆる手差しトレイを備える場合がある。前記手差しトレイは、リント装置を内包する本体筐体に形成されたシートの供給口を開閉可能なカバー部を備える。前記カバー部は、前記供給口を開放する状態において、シートが載置されるシートトレイの一部として機能する。
【0003】
例えば、前記手差しトレイは、前記カバー部と、前記カバー部から引き出し可能な延長トレイとを備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。前記延長トレイが設けられることにより、前記手差しトレイのシート搬入方向における長さが十分に確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-298625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記手差しトレイにおいて、前記延長トレイは、閉状態の前記カバー部の内側面内に収まる必要がある。そのため、閉状態の前記カバー部の高さが低い場合、即ち、開状態の前記カバー部の前記シート搬入方向の長さが短い場合、前記カバー部から引き出し可能な複数の延長部材が必要となる。
【0006】
しかしながら、前記手差しトレイが、前記カバー部から引き出し可能な前記複数の延長部材を備える場合、前記延長部どうしが重なる部分の面積を大きくして前記手差しトレイの十分な強度を確保することが難しい。さらに、前記カバー部が閉じられたときの前記手差しトレイ全体の厚みが大きくなる。
【0007】
本発明の目的は、シートの供給口を開閉可能なカバー部が短い場合でも、前記カバー部および前記カバー部に連結される部材で構成されるシートトレイの長さおよび強度を十分に確保することができる画像形成措置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、本体筐体と、カバー部と、補助トレイと、を備える。前記本体筐体は、プリント装置を内包し、前記プリント装置へ搬送されるシートの供給口が形成されている。前記カバー部は、前記本体筐体に対し、前記供給口を塞ぐ閉位置と前記本体筐体における前記供給口の下端部から前記本体筐体の外側へ張り出し前記供給口を開放する開位置との間で変位可能に連結されている。前記補助トレイは、前記カバー部の内側面に第1装着状態および第2装着状態のいずれか一方で選択的に装着され、前記開位置の前記カバー部に装着された状態で前記シートを支持する。前記第1装着状態は、前記補助トレイの長手方向が前記供給口におけるシート搬入方向に直交する幅方向に沿うとともに前記カバー部の内側面内に収まる状態である。前記第2装着状態は、前記補助トレイの長手方向の一端寄りの連結部が前記カバー部の内側面に連結され、前記開位置の前記カバー部から前記供給口に対し反対側へ張り出した状態である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シートの供給口を開閉可能なカバー部が短い場合でも、前記カバー部および前記カバー部に連結される部材で構成されるシートトレイの長さおよび強度を十分に確保することができる画像形成措置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、カバー部が閉じられた状態を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、カバー部が開かれた状態を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置における横装着状態の補助トレイを含む手差しトレイの斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置における横装着状態の補助トレイを含む手差しトレイの一部断面斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置における縦装着状態の補助トレイを含む手差しトレイの斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る画像形成装置における縦装着状態の補助トレイを含む手差しトレイの斜視図であり、手差しトレイ上にシートが載置されている状態を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る画像形成装置における主エンドガイドおよび補助エンドガイドの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置10の構成]
図1に示されるように、実施形態に係る画像形成装置10は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置または複合機などである。
【0013】
画像形成装置10は、シート9に画像を形成するプリント処理を実行するプリント装置8と、プリント装置8を内包する本体筐体1とを備える。プリント装置8は、例えば電子写真方式またはインクジェット方式などの所定の方式で前記プリント処理を実行する。
【0014】
本体筐体1は、プリント装置8へ搬入されるシート9の供給口12が形成された前面パネル11を有する。さらに、本体筐体1は、その上面に本体筐体1から排出される画像形成後のシート9が積載される排出トレイ13を有する。
【0015】
画像形成装置10は、本体筐体1の供給口12に組み込まれた手差しトレイ2をさらに備える。手差しトレイ2は、本体筐体1の供給口12を塞ぐカバー部3を備える。
【0016】
図1,2に示されるように、カバー部3は、本体筐体1に対し、供給口12を塞ぐ閉位置と供給口12を開放する開位置との間で変位可能に連結されている。カバー部3の基端部3aが本体筐体1における供給口12の下端部に連結されている(図1参照)。具体的には、カバー部3は、本体筐体1に回転可能に支持された不図示の支軸を有し、前記支軸を中心に前記閉位置と前記開位置との間で回動可能である。
【0017】
図2に示されるように、カバー部3は、前記開位置において、本体筐体1における供給口12の下端部121から本体筐体1の外側へ張り出す。カバー部3は、本体筐体1の一部と係合することによりカバー部3を前記開位置に保持する係止部31を有する。
【0018】
カバー部3は、前記開位置において、シート9が載置されるシートトレイの一部として機能する。図6に示されるように、カバー部3の内側面は、シート9を積載するシート載置面30である。
【0019】
以下の説明において、シート9が前記開位置のカバー部3上から供給口12を通じて本体筐体1内へ搬入される方向のことをシート搬入方向D1と称する。また、シート搬入方向D1に直交する水平な方向のことを幅方向D2と称する。また、幅方向D2に直交し、前記閉位置のカバー部3が沿う方向のことを高さ方向D3と称する。
【0020】
また、手差しトレイ2とは異なる従来タイプの手差しトレイのことを参考手差しトレイと称する。例えば、前記参考手差しトレイは、カバー部3と、カバー部3から引き出し可能な1つ以上の延長トレイとを備える。
【0021】
ところで、前記参考手差しトレイにおいて、前記延長トレイは、閉状態のカバー部3の内側面内に収まる必要がある。そのため、前記閉位置のカバー部3の高さが低い場合、即ち、前記開状態のカバー部3のシート搬入方向D1の長さが短い場合、カバー部3から引き出し可能な複数の延長部材が必要となる。
【0022】
しかしながら、前記参考手差しトレイが、カバー部3から引き出し可能な前記複数の延長部材を備える場合、前記延長部どうしが重なる部分の面積を大きくして前記参考手差しトレイの十分な強度を確保することが難しい。さらに、カバー部3が閉じられたときの前記参考手差しトレイ全体の厚みが大きくなる。
【0023】
一方、画像形成装置10の手差しトレイ2は、前記参考手差しトレイとは異なる構成を備える。以下、その構成について説明する。
【0024】
[手差しトレイ2の構成]
図2,3に示されるように、手差しトレイ2は、カバー部3およびカバー部3の内側面に装着された補助トレイ4を備える。
【0025】
補助トレイ4は、一の方向において他の方向よりも長く形成されている。図2,3に示されるように、補助トレイ4は概ね矩形状である。
【0026】
補助トレイ4は、前記開位置のカバー部3に装着された状態で、供給口12を通じてプリント装置8へ搬送されるシート9を支持する(図6参照)。
【0027】
補助トレイ4は、カバー部3の内側面に横装着状態および縦装着状態のいずれか一方で選択的に装着される。前記横装着状態は第1装着状態の一例であり、前記縦装着状態は第2装着状態の一例である。
【0028】
前記横装着状態は、補助トレイ4の長手方向が幅方向D2に沿うとともにカバー部3の内側面内に収まる収納状態である。図2~4は、前記横装着状態の補助トレイ4を含む手差しトレイ2を示す。
【0029】
カバー部3は、補助トレイ4が前記横装着状態で装着される被装着部32を有する(図3,4参照)。図4に示される例では、補助トレイ4は、溝状の第1嵌合溝43を有し、カバー部3の被装着部32は、第1嵌合溝43に嵌る第1嵌合凸部321を有する。
【0030】
補助トレイ4が、カバー部3の被装着部32に幅方向D2に沿って載置された上で、幅方向D2に沿って一方の側へスライド移動されることにより、第1嵌合凸部321が第1嵌合溝43と嵌合する。これにより、補助トレイ4は、カバー部3の被装着部32に保持される。補助トレイ4が被装着部32に保持された状態が前記横装着状態である。
【0031】
一方、前記横装着状態の補助トレイ4が、幅方向D2に沿って他方の側へスライド移動されることにより、第1嵌合凸部321と第1嵌合溝43との嵌合が外れる。これにより、補助トレイ4をカバー部3の被装着部32から取り外すことができる。
【0032】
前記縦装着状態は、補助トレイ4の長手方向の一端部である第1連結部41がカバー部3の内側面の装着部3cに連結され、補助トレイ4の長手方向の他端部が前記開位置のカバー部3から供給口12に対し反対側へ張り出した状態である。図5,6は、前記縦装着状態の補助トレイ4を含む手差しトレイ2を示す。
【0033】
装着部3cは、カバー部3の自由端部3bの内側面における幅方向D2の中央部に凹んで形成されている(図2,3,5参照)。
【0034】
カバー部3は、補助トレイ4の第1連結部41が連結される第1被連結部34を有する。本実施形態において、第1連結部41は、補助トレイ4における長手方向の一端寄りの部分における両側の縁に形成されている。
【0035】
カバー部3の第1被連結部34は、第1被連結部34がシート搬入方向D1に沿って挿入される溝を形成している。第1被連結部34は、前記溝に挿入された第1被連結部34を支持する。
【0036】
また、第1被連結部34は、前記溝内に形成された凹状の係止凹部341を有し、補助トレイ4の第1連結部41は、係止凹部341に嵌る係止爪部411を有する(図4,5参照)。係止爪部411は、第1連結部41の撓みによって僅かに変位可能である。
【0037】
係止爪部411が係止凹部341に嵌ることにより、係止凹部341が補助トレイ4をシート搬入方向D1における予め定められた位置に保持する。但し、所定の係止力を超える力が補助トレイ4に対してシート搬入方向D1またはその反対方向へ加わると、係止爪部411が変位し、係止爪部411および係止凹部341の嵌合が外れる。
【0038】
図5に示される例では、2つの係止凹部341がシート搬入方向D1における異なる位置に設けられている。これにより、第1被連結部34は、補助トレイ4をシート搬入方向D1における異なる2つの位置に保持することが可能である。
【0039】
シート搬入方向D1における補助トレイ4の保持位置は、シート9のサイズに応じて選択される。
【0040】
補助トレイ4は、シート搬入方向D1の長さが短いシート9が利用される場合に前記横装着状態でカバー部3に装着され、シート搬入方向D1の長さが長いシート9が利用される場合に前記縦装着状態でカバー部3に装着される。
【0041】
手差しトレイ2において、1つの補助トレイ4が2つの装着状態のうちの一方で選択的にカバー部3に装着される。この場合、カバー部3と2つ以上の延長部材とが2箇所以上の連結部で連結される場合に比べ強度の高い手差しトレイ2を構成することができる。その結果、手差しトレイ2は、シート搬入方向D1の長さが長いシート9および短いシート9を安定的に支持することができる。
【0042】
また、カバー部3に装着される補助トレイ4が1つであるため、手差しトレイ2の厚みが特段に大きくなることもない。
【0043】
また、カバー部3が閉じられる場合、補助トレイ4が前記横装着状態でカバー部3に装着される。これにより、カバー部3の幅方向D2のサイズに対応する長い補助トレイ4を、カバー部3の内側面内に収容することができる。
【0044】
従って、前記閉位置のカバー部3の高さ方向D3の長さが短い場合、即ち、前記開位置のカバー部3のシート搬入方向D1の長さが短い場合でも、カバー部3および補助トレイ4で構成されるシートトレイの長さおよび強度を十分に確保することができる。
【0045】
手差しトレイ2は、補助トレイ4に連結された主エンドガイド5をさらに備える。主エンドガイド5は、補助トレイ4に対し、補助トレイ4の長手方向に沿ってスライド可能に連結され、補助トレイ4から起立している。主エンドガイド5は第1エンドガイドの一例である。
【0046】
主エンドガイド5は、補助トレイ4に対してスライド可能に連結されたスライド連結部51と、スライド連結部51から起立して形成された起立部52とを有する。
【0047】
図6に示されるように、主エンドガイド5の起立部52は、前記縦装着状態の補助トレイ4に載置されるシート9の後端9aに対向配置される。
【0048】
主エンドガイド5は、補助トレイ4上のシート9の後端9aに起立部52が当接する状態でシート9のサイズに応じた位置までシート搬入方向D1へ押し込まれる。これにより、主エンドガイド5は、補助トレイ4上のシート9をシート搬入方向D1における正しい位置へ案内する。さらに、主エンドガイド5は、シート9のシート搬入方向D1の反対方向への移動を規制する。
【0049】
また、図5,7に示されるように、補助トレイ4は、補助トレイ4の長手方向に沿って形成されたラックギヤ42を有する。さらに、主エンドガイド5は、レバー53および歯合爪54を備える。
【0050】
レバー53は、ユーザーによる操作に従って揺動する部材である。歯合爪54は、レバー53の揺動に連動して上下に変位する。レバー53は、不図示のバネによって歯合爪54が下方へ変位する方向へ付勢されている。
【0051】
歯合爪54は、レバー53の揺動に連動して、ラックギヤ42と噛み合う下方の位置と、ラックギヤ42から離れる上方の位置との間で変位する。
【0052】
ユーザーは、レバー53を操作しつつ主エンドガイド5をシート搬入方向D1に沿って目的の位置まで移動させた後に、レバー53の操作を止める。これにより、主エンドガイド5が、歯合爪54とラックギヤ42との歯合によって目的の位置に保持される。
【0053】
手差しトレイ2は、主エンドガイド5およびカバー部3の一方に対して選択的に連結される補助エンドガイド6をさらに備える。即ち、補助エンドガイド6は、主エンドガイド5に対し取り外し可能に装着可能であり、さらに、カバー部3の内側面に対しても取り外し可能に装着可能である。即ち、補助エンドガイド6は、主エンドガイド5またはカバー部3の装着部3cに着脱可能である。なお、補助エンドガイド6は第2エンドガイドの一例である。
【0054】
補助エンドガイド6は、カバー部3が閉じられる場合、または、補助トレイ4が前記横装着状態でカバー部3に装着される場合に、カバー部3の装着部3cに装着される(図2,3参照)。補助エンドガイド6は、カバー部3の装着部3cに装着されることにより、カバー部3に固定される。
【0055】
また、補助エンドガイド6は、補助トレイ4が前記縦装着状態でカバー部3に装着される場合に、主エンドガイド5に装着される(図5,6参照)。
【0056】
図3に示されるように、補助エンドガイド6は、カバー部3に装着される第2連結部61を有し、カバー部3は、補助エンドガイド6の第2連結部61が装着される第2被連結部33を有する。
【0057】
図3に示される例では、第2連結部61は溝を形成しており、第2被連結部33は第2連結部61が形成する溝に嵌る凸状である。
【0058】
補助エンドガイド6が、カバー部3に対する所定の位置でシート搬入方向D1へスライド移動されることにより、凸状の第2被連結部33が溝状の第2連結部61と嵌合する。これにより、補助エンドガイド6は、カバー部3の第2被連結部33に固定される。
【0059】
補助エンドガイド6は、カバー部3に連結された状態において、カバー部3が前記閉位置へ変位したときに本体筐体1の一部と係合することによりカバー部3を前記閉位置に保持するカバーロック部64を有する。
【0060】
即ち、補助エンドガイド6は、カバー部3を前記閉位置に保持するためのロック部材を兼ねる。なお、前記閉位置のカバー部3が所定の力で前記開位置側へ引かれることにより、補助エンドガイド6が撓むことによってカバーロック部64によるロックが解除される。
【0061】
一方、カバー部3に装着された補助エンドガイド6が、シート搬入方向D1の反対方向へスライド移動されることにより、第2被連結部33と第2連結部61との嵌合が外れる。これにより、補助エンドガイド6をカバー部3の第2被連結部33から取り外すことができる。
【0062】
また、補助エンドガイド6は、主エンドガイド5に対し、使用位置と待避位置との間で変位可能に連結される。図5は、前記使用位置に位置する補助エンドガイド6を示し、図6は、前記退避位置に位置する補助エンドガイド6を示す。
【0063】
前記使用位置は、主エンドガイド5よりもシート搬入方向D1の下流側の位置である。補助エンドガイド6は、前記使用位置において、主エンドガイド5から補助トレイ4の第1連結部41側へ張り出す。前記待避位置は、主エンドガイド5よりもシート搬入方向D1の上流側の位置である。
【0064】
補助エンドガイド6は、前記使用位置において、前記縦装着状態の補助トレイ4に載置されるシート9の後端9aに対向配置される。このとき、補助エンドガイド6のガイド面63がシート9の後端9aに対向する。
【0065】
補助エンドガイド6が前記使用位置に位置し、補助エンドガイド6のガイド面63が補助トレイ4上のシート9の後端9aに当接する状態で、主エンドガイド5がシート9のサイズに応じた位置までシート搬入方向D1へ押し込まれる。これにより、補助エンドガイド6は、補助トレイ4上のシート9をシート搬入方向D1における正しい位置へ案内する。さらに、補助エンドガイド6は、主エンドガイド5により移動が規制されるシート9である第1シートよりも小さい第2シートのシート搬入方向D1の反対方向への移動を規制する。
【0066】
なお、主エンドガイド5は、補助エンドガイド6が前記待避位置に存在するときに、前記縦装着状態の補助トレイ4に載置されるシート9の後端9aに対向配置される(図6参照)。
【0067】
図7に示されるように、補助エンドガイド6は、それぞれ突出した軸状の2つの第3連結部62を有し、主エンドガイド5は、それぞれ第3連結部62が嵌め入れられる孔を形成する2つの第3被連結部55を有する。2つの第3連結部62は、同軸上に設けられている。
【0068】
凸状の2つの第3連結部62が2つの第3被連結部55に嵌め入れられることにより、補助エンドガイド6は、主エンドガイド5によって2つの第3連結部62を中心に回動可能に支持される。
【0069】
補助エンドガイド6は、主エンドガイド5に対して回動されることにより、前記使用位置および前記待避位置の一方から他方へ変位する。
【0070】
図7に示される例では、2つの第3連結部62は直径が異なる円柱状に形成されており、これに対応して2つの第3被連結部55も内径が異なる孔を形成している。これにより、補助エンドガイド6が主エンドガイド5に対して誤った向きで連結されることが防止される。
【符号の説明】
【0071】
1 :本体筐体
2 :手差しトレイ
3 :カバー部
4 :補助トレイ
5 :主エンドガイド
6 :補助エンドガイド
8 :プリント装置
9 :シート
9a :シートの後端
10 :画像形成装置
11 :前面パネル
12 :供給口
13 :排出トレイ
31 :係止部
32 :被装着部
33 :第2被連結部
34 :第1被連結部
41 :第1連結部
42 :ラックギヤ
43 :第1嵌合溝
53 :レバー
54 :歯合爪
55 :第3被連結部
61 :第2連結部
62 :第3連結部
64 :カバーロック部
121 :下端部
321 :第1嵌合凸部
341 :係止凹部
411 :係止爪部
D1 :シート搬入方向
D2 :幅方向
D3 :高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7