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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】印刷装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/365 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
B41J2/365
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019231974
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021098335
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】十朱 仁
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-155318(JP,A)
【文献】特開2014-010506(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221347(WO,A1)
【文献】特開平07-040573(JP,A)
【文献】特開2018-052106(JP,A)
【文献】特開平02-009649(JP,A)
【文献】特開2012-148526(JP,A)
【文献】特開2008-044300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/365
B41J 2/32
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサと、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報、及び該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサと、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報、及び該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になり、かつ印刷を再開するまでの待機時間が最短になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサと、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報、及び該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う制御部と
を備え、
前記制御部は、前記被印刷媒体に印刷を行う際の印刷開始位置から印刷終了位置までの印刷長と、前記被印刷媒体への印刷を待機させる前に印刷された印刷済み領域の印刷長と、に基づいて、印刷再開後に印刷を行う残り印刷領域の印刷長を算出し、算出した前記残り印刷領域の印刷長と前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記被印刷媒体への印刷開始時から前記被印刷媒体への印刷を待機させるまでの期間に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記印刷長に対する前記サーマルヘッドの温度上昇度を導出し、前記残り印刷領域の印刷長と、前記サーマルヘッドの温度上昇度とに基づいて、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項に記載の印刷装置において、
前記印刷情報は、印刷するラベルの枚数を示す情報を含み、
前記制御部は、少なくともラベル1枚分の印刷が終了する毎に前記温度センサで測定した前記サーマルヘッドの温度を取得し、ラベル1枚分の印刷を行ったときの前記サーマルヘッドの上昇温度を前記サーマルヘッドの温度上昇度として算出し、該サーマルヘッドの温度上昇度と待機後に印刷するラベルの枚数とに基づいて、前記再開温度を算出する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドの温度上昇度に基づいて、前記待機後に印刷するラベルのうちの少なくとも最後から2枚目のラベルの印刷が終了したときの前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値よりも低くなるように、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の印刷装置において、
前記制御部は、ラベル1枚分の印刷を行っているときに測定した前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上となった場合には、該ラベル1枚分の印刷が終了してから、前記被印刷媒体への印刷を待機させる前記制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記印刷情報と、前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる前に、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を待機させるタイミングを決定する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を停止させたときの前記サーマルヘッドの温度変化に基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまでの待機時間を特定し、特定した前記待機時間が経過するまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項1に記載の印刷装置において、
印刷情報と該印刷情報に基づいて被印刷媒体への印刷を行う場合の前記サーマルヘッドの温度上昇度との対応関係を格納した記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記被印刷媒体への印刷開始時に測定した温度と、前記対応関係に基づいて特定される前記サーマルヘッドの温度上昇度とに基づいて、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を待機させるタイミングを決定する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置が、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う
ことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置を制御するためのプログラムであって、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる処理を前記印刷装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置が、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になり、かつ印刷を再開するまでの待機時間が最短になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う
ことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置を制御するためのプログラムであって、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になり、かつ印刷を再開するまでの待機時間が最短になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる処理を前記印刷装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置が、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報、及び該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させ、
前記被印刷媒体に印刷を行う際の印刷開始位置から印刷終了位置までの印刷長と、前記被印刷媒体への印刷を待機させる前に印刷された印刷済み領域の印刷長と、に基づいて、印刷再開後に印刷を行う残り印刷領域の印刷長を算出し、算出した前記残り印刷領域の印刷長と前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記再開温度を決定する制御を行う
ことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置を制御するためのプログラムであって、
印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報、及び該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させ、
前記被印刷媒体に印刷を行う際の印刷開始位置から印刷終了位置までの印刷長と、前記被印刷媒体への印刷を待機させる前に印刷された印刷済み領域の印刷長と、に基づいて、印刷再開後に印刷を行う残り印刷領域の印刷長を算出し、算出した前記残り印刷領域の印刷長と前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記再開温度を決定する処理を前記印刷装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、印刷装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルヘッドを有する印刷装置には、印刷中にサーマルヘッドの温度が上昇することによる印刷品位の低下を抑制するために、印刷中にサーマルヘッドの温度が所定温度以上になると、該サーマルヘッドの温度が所定温度を下回るまで待機するものがある(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
この種の印刷装置は、印刷中に測定したサーマルヘッドの温度が待機するか否かの判定基準となる温度以上になると、サーマルヘッドによる被印刷媒体への印刷を停止する。そして、サーマルヘッドの温度が低下して印刷を再開するために設定された、待機するか否かの判断基準となる温度よりも数℃低い温度以下になると、印刷装置は、印刷を再開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平2-9649号公報
【文献】特開2012-148526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の印刷装置において印刷を再開する温度が特定の温度に設定されている場合、サーマルヘッドの温度が低下するまでの待機が印刷性能に影響を及ぼすことがある。例えば、待機するか否かの判定基準となる温度と、印刷再開のために設定された温度との温度差が小さい場合、印刷再開後に短時間で待機するか否かの判定基準となる所定温度を超えてしまう。このため、印刷情報に基づいて行われる一連の印刷における被印刷媒体の印刷開始位置から印刷終了位置までの長さ(印刷長)が長くなると、その一連の印刷が終了するまでに複数回の待機をすることになり、被印刷媒体への印刷品位が低下してしまうことがあった。また、待機するか否かの判定基準となる温度と、印刷再開のために設定された温度との温度差を大きくすると、印刷再開後の印刷長が短い場合に待機時間が必要以上に長くなり、印刷効率が低下してしまうことがあった。
【0006】
以上のような実情を踏まえ、本発明は、一側面では、印刷時のサーマルヘッドの温度上昇により生じる待機に起因する印刷性能の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る印刷装置は、印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサと、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う制御部とを備える印刷装置である。
【0008】
本発明の一態様に係る制御方法は、印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置の制御方法であって、前記印刷装置が、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う制御方法である。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、印刷情報に基づいて被印刷媒体への印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置を制御するためのプログラムであって、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように再開温度を決定し、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる処理を前記印刷装置に実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、印刷時のサーマルヘッドの温度上昇により生じる待機に起因する印刷性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】印刷装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2】印刷装置による被印刷媒体への印刷方法の一例を説明する概略図である。
図3】印刷装置のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図4】印刷装置で行われる処理の一例を説明するフローチャートである。
図5】一実施形態に係る、図4のフローチャートにおける印刷処理の一例を説明するフローチャートである。
図6】従来の印刷装置における印刷中のサーマルヘッドの温度変化を説明するグラフ図である。
図7】一実施形態に係る印刷装置における印刷中のサーマルヘッドの温度変化を説明するグラフ図である。
図8】一実施形態に係る印刷装置における再開温度の決定方法の例を説明するグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る印刷装置の実施形態を説明する。以下の説明では、本発明に係る印刷装置の一例として、長尺の被印刷媒体に文字や図形等を熱転写方式で印刷してラベルを作成するラベルプリンタを挙げる。また、以下の説明では、既知のラベルプリンタと同一の構成、機能、及び動作についての詳細な説明は省略する。
【0013】
図1は、印刷装置の外観の一例を示す斜視図である。
【0014】
図1に例示した印刷装置1は、キーボード3及び表示装置4を備えた装置筐体2と、該装置筐体2に対して開閉可能に取り付けられた蓋5とを含む。装置筐体2における蓋5で覆われる部分には、被印刷媒体11及びインクリボン12(図2を参照)が収容されたカートリッジを装着するカートリッジ装着部が形成されている。装置筐体2のカートリッジ装着部及びその周囲には、被印刷媒体11及びインクリボン12を搬送する搬送機構、被印刷媒体11に印刷を行う印刷機構、及び被印刷媒体11をカットするカット機構が設けられている。また、装置筐体2の内部には、搬送機構、印刷機構、及びカット機構等の動作を制御する制御回路を含むプリント回路板が設けられている。プリント回路板には、キーボード3及び表示装置4も接続されている。
【0015】
図1に例示した印刷装置1は、利用者がキーボード3を操作して入力した文字列や図形等を被印刷媒体11に印刷してラベルを作成することができる。作成したラベル(被印刷媒体11)は、装置筐体2に形成された排出口201から排出される。被印刷媒体11には、インクリボン12のインク成分を転写するテープ層と、該テープ層におけるインク成分を転写する面とは反対側の面に積層された粘着層と、該粘着層を保護する剥離紙(台紙)とを有するシールタイプの媒体であってもよいし、他の形態の媒体(例えば、紙等の単一材料の媒体、マグネットテープ等)であってもよい。
【0016】
図2は、印刷装置による被印刷媒体への印刷方法の一例を説明する概略図である。
【0017】
印刷装置1は、上記のように熱転写方式により被印刷媒体11に印刷を行うものであり、被印刷媒体11とインクリボン12とが収容されたカートリッジが装着される。この場合、図2に例示したように、被印刷媒体11及びインクリボン12は、それぞれのロールから繰り出され、被印刷媒体11における印刷面にインクリボン12が重なった状態でプラテンローラ6とサーマルヘッド7との間を通る。被印刷媒体11の印刷面はサーマルヘッド7側を向いた面であり、インクリボン12は被印刷媒体11とサーマルヘッド7との間に位置する。
【0018】
被印刷媒体11に印刷をするときには、被印刷媒体11及びインクリボン12をプラテンローラ6とサーマルヘッド7とで挟持した状態で、プラテンローラ6を正転(図2では反時計方向に回転)させながら、サーマルヘッド7からインクリボン12に熱エネルギーを印加してインクリボン12のインク成分を被印刷媒体11に転写する。印刷が行われた被印刷媒体11は装置筐体2の排出口201に向けて搬送され、インクリボン12はカートリッジ内の回収用のローラに巻き取られる。
【0019】
被印刷媒体11の搬送経路におけるサーマルヘッド7と排出口201との間には、被印刷媒体11をカットするフルカッター8及びハーフカッター9が配置されている。フルカッター8は被印刷媒体11の全体をカットするカッターであり、ハーフカッター9は被印刷媒体11の一部分のみをカットするカッターである。被印刷媒体11に印刷する際にオートカットの設定が有効になっていると、印刷終了後、被印刷媒体11における印刷されてラベルとなる領域がフルカッター8の位置よりも排出口201側になるように被印刷媒体11が搬送され、被印刷媒体11の全体がフルカッター8によりカット(フルカット)される。また、被印刷媒体11を印刷する際にハーフカットの設定が有効になっていると、例えば、被印刷媒体11における印刷されてラベルとなる領域と、該領域よりも被印刷媒体の先端側に設けられた余白領域(耳部)との境界がハーフカッター9によりハーフカットされる。
【0020】
図3は、印刷装置のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
【0021】
図3に例示した印刷装置1は、制御部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、テープ検知部25と、搬送部26と、印刷部27と、カット部28とを含む。
【0022】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、所定のプログラムを実行することにより印刷装置1で実施される様々な動作を制御する。入力部22は、例えば、図1に例示したキーボード3を含み、被印刷媒体11に印刷する文字列や図形等の入力及び選択、並びに印刷に関する設定の入力及び選択等に利用される。表示部23は、例えば、図1に例示した表示装置4を含み、入力部22を利用して入力された文字列等のレイアウトや印刷に関する設定情報等が表示される。記憶部24は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含み、制御部21としてのプロセッサが実行するプログラムや印刷に関する設定情報が格納されている。
【0023】
テープ検知部25は、被印刷媒体11及びインクリボン12の有無、被印刷媒体11の種別等を検知する。搬送部26は、被印刷媒体11及びインクリボン12を所定の搬送方向に所定の搬送速度で搬送する。搬送部26は、図2に例示したプラテンローラ6及びインクリボンを回収するローラ、並びにそれらを回転させるモータ等により構成される搬送機構を含む。印刷部27は、被印刷媒体11に対する印刷を行う。印刷部27は、サーマルヘッド7、制御部21からの制御信号に基づいてサーマルヘッド7を駆動する駆動部271、及びサーマルヘッド7の温度を測定する温度センサ272等により構成される印刷機構を含む。温度センサ272は、例えば、サーミスタを含み、サーマルヘッド7の所定位置又はサーマルヘッド7の近傍に配置される。カット部28は、被印刷媒体11をカットする。カット部28は、図2に例示したフルカッター8及びハーフカッター9等により構成されるカット機構を含む。
【0024】
なお、印刷装置1における制御部21や記憶部24の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよい。また、印刷装置1は、図3に示していない通信部を有し、該通信部によりパーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報端末と通信を行うことが可能であってもよい。
【0025】
次に、図4及び図5を参照しながら、本実施形態に係る印刷装置1によるラベルの作成方法を説明する。図4は、印刷装置で行われる処理の一例を説明するフローチャートである。図5は、一実施形態に係る、図4のフローチャートにおける印刷処理の一例を説明するフローチャートである。
【0026】
印刷装置1は、電源をオンにすると、所定の起動処理を行った後、ラベルを作成可能な状態になる。ラベルを作成可能な状態になった後、印刷装置1は、ラベルデザインの編集を受け付け(ステップS1)、印刷情報を作成する(ステップS2)。ステップS1では、利用者が入力部22(キーボード3)を操作して入力又は選択した文字列や図形、文字列のフォント等の情報に基づいて、制御部21が、作成するラベルのデザインを編集し、表示部23に表示させる。また、ステップS1で受け付ける情報は、例えば、作成するラベルの枚数を示す情報を含む。ステップS2では、制御部21が、編集されたラベルのデザイン、ラベルの作成に用いる被印刷媒体11の種別(例えば、テープ幅)、作成するラベルの枚数等に基づいて、サーマルヘッド7を制御するための印刷情報を作成する。例えば、制御部21は、被印刷媒体11における印刷をしてラベルとなる領域(以下「ラベル領域」という)を搬送方向に並ぶ複数のラインに分割し、各ラインに対する印刷を行う際のサーマルヘッド7における複数の発熱素子の内の加熱する発熱素子を示す情報を作成する。
【0027】
印刷情報を作成した後、印刷装置1は、作成した印刷情報に基づいて被印刷媒体11に対する印刷処理を行う(ステップS3)。ステップS3では、搬送部26により被印刷媒体11及びインクリボン12を搬送しながら、印刷部27のサーマルヘッド7によりインクリボン12のインク成分を被印刷媒体11に熱転写する。搬送部26及び印刷部27の動作は、制御部21により制御される。本実施形態の印刷装置1は、ステップS3として、例えば、図5を参照して後述する印刷処理を実行する。なお、印刷情報に基づく一連の印刷処理の途中で被印刷媒体11をフルカット又はハーフカットする処理を行う設定になっている場合には、制御部21による制御のもと、カット部28のフルカッター8によるフルカット又はハーフカッター9によるハーフカットが行われる。
【0028】
ステップS3の印刷処理が終了すると、印刷装置1は、被印刷媒体11におけるラベル領域を装置筐体2の排出口201から排出し(ステップS4)、ラベルを作成する処理を終了する。オートカットの設定が有効になっている場合には、制御部21による制御のもと、被印刷媒体11におけるフルカット位置がフルカッター8によりカット可能な位置に到達するまで搬送部26が被印刷媒体11を搬送し、カット部28がフルカッター8により被印刷媒体11の全体をカットする。また、オートカットの設定が無効になっている場合には、例えば、印刷終了後に、利用者が入力部22(キーボード3)を操作して被印刷媒体11を搬送させるための入力をすると、制御部21による制御のもと、搬送部26が被印刷媒体11を所定の距離だけ搬送して排出口201から排出させる。
【0029】
サーマルヘッド7を利用して被印刷媒体11に印刷をする本実施形態の印刷装置1は、ステップS3の印刷処理として、例えば、図5に例示したフローチャートに沿った処理を行う。なお、図5のフローチャートでは、印刷中に行われ得るハーフカット及びフルカットの処理を省略している。
【0030】
印刷処理を開始すると、印刷装置1の制御部21は、まず、ラベルの総印刷枚数Nを設定し、総印刷枚数N枚のうちの何枚目のラベルであるかを示す値nを1に設定する(ステップS301)。ラベルの総印刷枚数Nは、例えば、ステップS1で入力部22により入力又は選択される。総印刷枚数Nは、例えば、ステップS2で作成された印刷情報に含まれる。
【0031】
次に、印刷装置1は、被印刷媒体11における1枚目のラベルとなるラベル領域への印刷を開始する前のサーマルヘッド7の温度T0を測定して保持する(ステップS302)。サーマルヘッド7の温度T0は、温度センサ272により測定する。温度センサ272は、例えば、サーミスタの抵抗値を検知してサーマルヘッド7の温度T0を測定し、温度T0の情報を制御部21に通知する。制御部21は、例えば、制御部21としてのプロセッサのキャッシュ等で、通知された温度T0の情報を印刷開始時の温度の情報として保持する。
【0032】
次に、印刷装置1は、印刷情報に基づいて、被印刷媒体11におけるn枚目のラベルとなるラベル領域を印刷する(ステップS303)。ステップS303におけるラベル1枚分の印刷は、従来の印刷装置1と同じ手順で行う。以下の説明では、被印刷媒体11におけるn枚目のラベルとなる領域に対する印刷のことを、「n枚目のラベルの印刷」又は「n枚目のラベルを印刷」等という。
【0033】
ラベル1枚分の印刷が終了すると、印刷装置1の制御部21は、値nが総印刷枚数N以上であるか否かを判定する(ステップS304)。n≧Nである場合(ステップS304;YES)、制御部21は、ステップS3の印刷処理を終了する。
【0034】
n<Nである場合(ステップS304;NO)、印刷装置1は、次に、n枚目のラベルの印刷が終了した時点でのサーマルヘッド7の温度Tnを測定して保持する(ステップS305)。ステップS305の処理は、ステップS302の処理と同じでよい。
【0035】
次に、印刷装置1の制御部21は、現在行っている印刷処理において測定して保持しているサーマルヘッド7の温度T0~Tnに基づいて、サーマルヘッド7の温度上昇度ΔT(℃/枚)を算出する(ステップS306)。ステップS306において、制御部21は、印刷開始時以降に測定した温度T0~Tnについての線形回帰分析により、ラベル1枚分の印刷をしたときのサーマルヘッド7の上昇温度(℃)を示す温度上昇度ΔTを算出する。線形回帰分析は、既知の分析手法、例えば、最小二乗法を利用する分析手法により行う。すなわち、図5に例示した印刷処理では、印刷処理中のサーマルヘッド7の温度変化が印刷したラベルの枚数nに比例する一次関数で表されるものとして、温度上昇度ΔTを算出する。
【0036】
温度上昇度ΔTを算出した後、制御部21は、保持しているサーマルヘッド7の温度Tnが温度閾値TH以上であるか否かを判定する(ステップS307)。温度閾値THは、被印刷媒体11への印刷を待機するか否かの判断基準とする温度であり、例えば、サーマルヘッド7の最大定格温度(高温側の定格温度)よりも低い所定の温度に設定される。Tn<THである場合(ステップS307;NO)、制御部21は、値nをn+1に更新し(ステップS311)、待機なしでn枚目のラベルの印刷(ステップS303)を行う。
【0037】
Tn≧THである場合(ステップS307;YES)、印刷装置1は、印刷を休止して待機し(ステップS308)、温度上昇度ΔTと残り印刷枚数N-nとに基づいて再開温度TRを算出する(ステップS309)。ステップS308では、制御部21は、搬送部26による被印刷媒体11及びインクリボン12の搬送を停止させ、印刷部27のサーマルヘッド7によるインクリボン12への熱エネルギーの印加を休止させる。ステップS309では、制御部21は、例えば、待機の回数が最小となり、かつ最後から2枚目(すなわちN-1枚目)のラベルの印刷が終了したときに測定したサーマルヘッド7の温度Tn(n=N-1)がTn<THとなるような再開温度TRを算出する。
【0038】
次に、制御部21は、サーマルヘッド7の温度が再開温度TR以下になったか否かを判定する(ステップS310)。サーマルヘッド7の温度が再開温度TRよりも高い場合(ステップS310;NO)、印刷装置1の制御部21は、ステップS310の判定を定期的に繰り返す。そして、サーマルヘッド7の温度が再開温度TR以下になった場合(ステップS310;NO)、印刷装置1の制御部21は、値nをn+1に更新し(ステップS311)、n枚目のラベルの印刷(ステップS303)を行う。
【0039】
このように、本実施形態の印刷装置1では、印刷中にサーマルヘッド7の温度が温度閾値TH以上になり待機するときに、温度上昇度ΔTと残り印刷枚数N-nとに基づいて、印刷を再開するサーマルヘッド7の温度(再開温度)RTを算出して決定する。このため、本実施形態の印刷装置1では、サーマルヘッド7の温度が温度閾値TH以上になり待機する回数を、再開温度TRが特定の値に固定されている場合と比べて少なくすることができる。
【0040】
図6は、従来の印刷装置における印刷中のサーマルヘッドの温度変化の例を説明するグラフ図である。図7は、一実施形態に係る印刷装置における印刷中のサーマルヘッドの温度変化の例を説明するグラフ図である。図6及び図7のグラフ図は、それぞれ、横軸が被印刷媒体11における印刷開始位置からの距離をラベルの枚数nに換算した値であり、縦軸がサーマルヘッド7の温度T(℃)である。また、図7のグラフ図における黒色の丸印は、n枚目のラベルの印刷が終了したときに測定したサーマルヘッド7の温度Tnを示す。
【0041】
従来の印刷装置で10枚の同一デザインのラベルを連続印刷により作成する場合、図6に例示したグラフ図における太い点線の直線L1や太い実線の直線L2のように、1枚目のラベルの印刷を開始した後、例えば、印刷したラベルの枚数に比例してサーマルヘッド7の温度Tが上昇する。このとき、サーマルヘッド7の温度上昇度ΔT(すなわち温度変化を示す直線の傾き)は、例えば、1枚のラベルにおける黒字率に応じて異なり、黒字率が高い場合の温度上昇度は黒字率が低い場合の温度上昇度に比べて大きくなる。黒字率は、被印刷媒体11における印刷を行う矩形領域全体の面積に対する、熱転写によりインク成分が転写される領域の面積の割合である。
【0042】
黒字率が低い場合には、ラベル1枚分の印刷をするときのサーマルヘッド7の加熱する発熱素子の延べ数が、黒字率が高い場合と比べて少ないので、10枚連続して印刷した場合のサーマルヘッド7の温度変化は、例えば、図6のグラフ図に太い点線で示した直線L1のように、印刷開始時から印刷終了時までサーマルヘッド7の温度Tが温度閾値TH以上になることはない。
【0043】
これに対し、黒字率が高い場合には、例えば、図6のグラフ図に太い実線で示した直線L2のように、7枚目のラベルを印刷している途中でサーマルヘッド7の温度Tが温度閾値THを超えてしまうことがある。このような場合、従来の印刷装置では、例えば、7枚目のラベルの印刷が終了した後、サーマルヘッド7の温度Tが再開温度TH2以下になるまで印刷を待機する。従来の印刷装置における再開温度TH2は、温度閾値THよりも数℃程度低い特定の温度に設定されることが多い。
【0044】
しかしながら、温度閾値THと再開温度TH2との温度差が小さい場合、印刷再開後にサーマルヘッド7の温度Tが再度上昇することにより、短時間でサーマルヘッド7の温度Tが再度温度閾値TH以上になってしまうことがある。このため、従来の印刷装置1では、一連の印刷処理における被印刷媒体11の印刷開始位置から印刷終了位置までの印刷長が長くなると、サーマルヘッド7の温度Tが温度閾値TH以上になり待機する回数が増加してしまうことがある。例えば、図6に例示したグラフ図における太い実線の直線L2のように、7枚目のラベルの印刷が終了したときのサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超えて待機した場合、残りの8枚目以降のラベルを印刷するときに、ラベル1枚分の印刷を終了する毎に、サーマルヘッド7の温度が温度閾値TRを超えて待機することがある。
【0045】
また、黒字率が低い場合であっても、ラベルの総印刷枚数Nが多い場合やラベル1枚分のラベル領域の搬送方向の長さ(ラベル長)が長い場合には、印刷中にサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超えて待機することがある。例えば、サーマルヘッド7の温度が図6のグラフ図における太い点線の直線L1で表されるような変化をするような印刷処理を行う場合、例えば、ラベルの総印刷枚数Nが10枚ではなく15枚や20枚等であると、印刷中にサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超える。
【0046】
このように、従来の印刷装置では、再開温度TH2が特定の温度に設定されているため、印刷情報に基づいて行われる一連の印刷処理における被印刷媒体11の印刷開始位置から印刷終了位置までの長さ(印刷長)が長くなると、その一連の印刷処理で待機を複数回行うことになる。待機を複数回行うことは、例えば、印刷が完了するのを待っている利用者に不快な思いをさせる恐れがある。また、待機を複数回行うことは、被印刷媒体11及びインクリボン12の搬送の停止と再開とを繰り返すことになるため、例えば、被印刷媒体11の搬送量にずれが生じて印刷がずれる等の印刷品位の低下を招く恐れがある。更に、待機を複数回行うと、サーマルヘッド7やその周囲の温度が再開温度TH2よりも高い状態である期間が長くなるので、サーマルヘッド7や周辺の回路、インクリボン12等が高温の影響を受け、印刷品位の低下を招く恐れがある。
【0047】
これに対し、本実施形態の印刷装置1では、上述のように、サーマルヘッド7の温度上昇度ΔTと残り印刷枚数N-nとに基づいて、印刷を再開する温度(再開温度)TRを算出して決定する。例えば、本実施形態の印刷装置1では、図7に例示したグラフ図のように7枚目のラベルの印刷が終了したときにサーマルヘッド7の温度T7を測定し、印刷開始時以降に測定した温度T0~T7の8個の温度についての線形回帰分析により、サーマルヘッド7の温度変化を表す一次関数T=ΔT・n+T0、すなわち温度上昇度ΔTを算出する(ステップS306)。このとき、図7に例示したように、サーマルヘッド7の温度T7が温度閾値TH以上であると、本実施形態の印刷装置1は、印刷を休止して待機する(ステップS308)。待機する場合、印刷装置1は、残りの8枚目から10枚目までのラベルを印刷する際にも温度上昇度ΔTに従ってサーマルヘッド7の温度が上昇すると仮定し、8枚目のラベルの印刷を開始するときと10枚目のラベルの印刷を終了したときとのサーマルヘッド7の温度差を算出する。そして、算出した温度差と温度閾値THとに基づいて、8枚目のラベルの印刷を開始する温度(再開温度)TRを算出する。すなわち、本実施形態の印刷装置1では、被印刷媒体11における印刷開始位置から印刷終了位置までの印刷長と、サーマルヘッド7の温度上昇度ΔTとに基づいて、再開温度TRを決定する。このような再開温度TRの決定方法を適用した場合、印刷再開後にサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超えて待機する回数を少なくすることができる。
【0048】
本実施形態の印刷装置1では、図7に例示したグラフ図のように、8枚目から10枚目までのラベルの印刷を途中で待機することなく行った場合の印刷開始時の温度と印刷終了時の温度との温度差を予測することができる。このため、この予測した温度差を用いて、少なくとも最後から2枚目(9枚目)のラベルの印刷が終了したときのサーマルヘッド7の温度T9が温度閾値TH以下となるように、再開温度TRを算出することができる。この場合、8枚目及び9枚目のラベルの印刷が終了したときのそれぞれで温度センサ272により測定されるサーマルヘッド7の温度T8及びT9は、温度閾値THよりも低くなる可能性が非常に高い。このため、印刷を再開した後の8枚目から10枚目までのラベルを印刷するときに、印刷中に測定したサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超えて再び待機することを防げ、一連の印刷処理における待機の回数を1回にすることができる。したがって、本実施形態の印刷装置1では、待機することによる不快感を利用者が抱きにくくなる。また、待機の繰り返しに起因する被印刷媒体11の搬送と停止との繰り返しや、サーマルヘッド7及びその周辺の温度が高い状態の継続を抑制することができるため、印刷品位の低下等の印刷性能の低下を抑制することができる。
【0049】
なお、印刷を再開する温度(再開温度)TRの決定方法は、適宜変更可能である。
【0050】
図8は、一実施形態に係る印刷装置における再開温度の決定方法の例を説明するグラフ図である。図8のグラフ図において、横軸は被印刷媒体11における印刷開始位置からの距離をラベルの枚数nに換算した値であり、縦軸はサーマルヘッド7の温度T(℃)である。
【0051】
図8のグラフ図では、7枚目のラベルの印刷を終了したときのサーマルヘッド7の温度T7が温度閾値THよりも高い。このため、印刷装置1は、7枚目のラベルの印刷を終了した後、サーマルヘッド7の温度が再開温度に低下するまで待機する。
【0052】
このとき、再開温度は、例えば、図8のグラフ図における太い実線の直線L3のように、最後(10枚目)のラベルの印刷を終了したときのサーマルヘッド7の温度Tが温度閾値TRとなるような再開温度TR1としてもよい。このような再開温度TR1にした場合、8枚目及び9枚目のラベルの印刷が終了したときに測定されるサーマルヘッド7の温度T8及びT9は、それぞれ、温度閾値THよりも低い可能性が非常に高い。また、図5のフローチャートに沿った処理では、10枚目のラベルの印刷が終了したときにはサーマルヘッド7の温度を測定しない。このため、8枚目のラベルの印刷を開始してから10枚目のラベルの印刷を終了するまで待機することはない。よって、再開後のサーマルヘッド7及びその周囲の温度が高温になることによる印刷品位の低下をより一層抑制することができる。また、再開温度は、例えば、図8のグラフ図における太い点線の直線L4のように、最後から2枚目(9枚目)のラベルの印刷を終了したときのサーマルヘッド7の温度Tが温度閾値TRよりも温度差MTだけ低い温度となるような再開温度TR2としてもよい。温度差MTは、例えば、1℃程度の温度差とする。このような再開温度TR2にした場合も、8枚目のラベルの印刷を開始してから10枚目のラベルの印刷を終了するまで待機することはない。しかも、再開温度TR2の場合には、再開温度TR1にした場合と比べて待機時間を短くすることができるため、待機時間が長くなることによる印刷効率の低下等の印刷性能の低下を抑制することができる。また、待機時間を短くすることで、待機による不快感を利用者が抱きにくくすることができる。
【0053】
なお、図8のグラフ図における直線L3及びL4は、再開温度の決定方法の例示に過ぎず、その他の観点で決定してもよい。また、温度上昇度ΔTは、図6図8のグラフ図に例示したような線形回帰分析により算出した値に限らず、その他の任意の回帰分析により算出した値(例えば、サーマルヘッド7の温度変化を二次関数として算出した値)であってもよい。
【0054】
ところで、再開温度を特定の温度に設定(固定)している従来の印刷装置では、温度閾値TRと再開温度との温度差を大きくすることで、印刷再開後の待機の回数を少なくすることができる。しかしながら、このような従来の印刷装置では、印刷再開後に印刷をするラベルの枚数が少なく(例えば、1枚)、温度閾値THよりもわずかに低い温度になった時点で印刷を再開しても再開後に待機することがない場合にも、予め設定された特定の温度以下になるまで待機することになるため、待機時間が必要以上に長くなることがある。これに対し、図を参照した説明は省略するが、例えば、ラベルの総印刷枚数が8枚であり、7枚目のラベルの印刷を終了したときに待機をする場合、本実施形態の印刷装置1では、再開温度TRを温度閾値THよりもわずかに低い(例えば、1℃だけ低い)温度に決定することができる。このため、印刷再開後に印刷をするラベルの枚数が少ない場合には、再開温度TRを高くして待機時間を短くすることができる。すなわち、本実施形態の印刷装置1によれば、印刷再開後に印刷をするラベルの枚数(印刷長)に応じて、待機する回数が最少となり、かつ待機時間が最短になるような適切な再開温度を設定することもできる。したがって、本実施形態の印刷装置1は、印刷時のサーマルヘッド7の温度上昇により生じる待機に起因する、印刷品位の低下や印刷効率の低下等の印刷性能の低下を抑制することができる。
【0055】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。印刷装置、制御方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0056】
例えば、サーマルヘッド7の温度の測定は、上述したラベル1枚分の印刷が終了したときに限らず、所定の単位印刷長(例えば、所定のライン数分)の印刷が終了する毎に行ってもよい。この場合、例えば、n枚目のラベルの印刷をしている途中でサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超えたときに待機し、再開温度TRを決定してもよい。このような再開温度TRの決定方法は、例えば、ラベル1枚分のラベル長(ラベル領域の長さ)が長い場合に、ラベル1枚分の印刷が終了したときに温度を測定する場合と比べて、サーマルヘッド7の温度が温度閾値THよりも高い温度で印刷が行われる期間を短くすることができる。なお、n枚目のラベルを印刷している途中でサーマルヘッド7の温度が温度閾値THを超えた場合であっても、温度閾値THがサーマルヘッド7の定格温度よりも十分に低い(例えば、10℃~20℃低い)場合には、n枚目のラベルの印刷が終了してから待機をしてもよい。このようにすることで、印刷中に停止することによる印刷のずれ等を防ぎ、印刷品位の低下を防ぐことができる。また、ラベル1枚分のラベル長が1cm未満等の非常に短い場合には、例えば、ラベル2枚分の印刷が終了する毎にサーマルヘッド7の温度を測定してもよい。
【0057】
また、上述した印刷装置1では、例えば、回帰分析により算出した温度上昇度ΔTと、一連の印刷処理における被印刷媒体11の印刷長のうちの残りの印刷長に基づいて、サーマルヘッド7の温度が温度閾値TH以上になる前に、待機をするタイミングと、再開温度TRとを設定してもよい。
【0058】
更に、上述した印刷装置1では、例えば、印刷処理中に測定したサーマルヘッド7の温度に基づいて温度上昇度ΔTを算出する代わりに、経験的に得られた、印刷情報とサーマルヘッド7の温度上昇度との対応関係に基づいて温度上昇度ΔTを導出してもよい。例えば、被印刷媒体11の幅(搬送方向と直交する方向の寸法)、1枚分のラベル領域の搬送方向の長さ(ラベル長)、及び該ラベル領域におけるインクリボン12のインク成分が転写される領域の割合の組み合わせと、サーマルヘッド7の温度上昇度ΔTとの対応関係が定量的又は定性的に得られた場合、その対応関係を記憶部24に格納しておく。この場合、印刷装置1は、作成した印刷情報における被印刷媒体11の幅、ラベル長、及び該ラベル領域におけるインクリボン12のインク成分が転写される領域の割合の組み合わせに応じたサーマルヘッド7の温度上昇度ΔTを記憶部24の対応関係の中から選択(特定)する。そして、選択した温度上昇度ΔTと、印刷開始時以降に測定したサーマルヘッド7の温度(例えば、印刷開始時に測定した温度T0)と、総印刷枚数N等の印刷長とに基づいて、サーマルヘッド7の温度が温度閾値TH以上になるタイミングを予測する。これにより、サーマルヘッド7の温度が温度閾値TH以上になるタイミングでの残りの印刷長を予測することができ、予測した残り印刷長と選択した温度上昇度ΔTとに基づいて再開温度TRを決定することができる。
【0059】
また、上述した印刷装置1では、例えば、経験的に得られた待機中のサーマルヘッド7の温度の時間変化に基づいて、サーマルヘッド7の温度が再開温度TR以下になるまでの待機時間を特定し、該待機時間が経過するまでサーマルヘッド7による被印刷媒体11への印刷を待機してもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、インクリボン12のインク成分を被印刷媒体11に熱転写する印刷装置1を例示したが、印刷装置1は、例えば、サーマルヘッド7の発熱素子から印加される熱エネルギーにより発色又は変色する感熱層を含む被印刷媒体11に印刷を行うものであってもよい。また、印刷装置1は、サーマルヘッド7の発熱素子を加熱することにより被印刷媒体11に対して印刷を行うその他の種類の印刷装置であってもよい。
【0061】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサと、
印刷情報、及び該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
[付記2]
付記1に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記印刷情報と、前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記3]
付記2に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記印刷情報に基づいて前記被印刷媒体に印刷を行う際の印刷開始位置から印刷終了位置までの印刷長を取得し、取得した前記印刷長と、前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記4]
付記3に記載の印刷装置において、
前記制御部は、取得した前記印刷長と前記被印刷媒体への印刷を待機させる前に印刷された印刷済み領域の印刷長に基づいて、印刷再開後に印刷を行う残り印刷領域の印刷長を算出し、算出した前記残り印刷領域の印刷長と前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記5]
付記4に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記被印刷媒体への印刷開始時から前記被印刷媒体への印刷を待機させるまでの期間に測定した前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記印刷長に対する前記サーマルヘッドの温度上昇度を導出し、前記残り印刷領域の印刷長と、前記サーマルヘッドの温度上昇度とに基づいて、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記6]
付記5に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記被印刷媒体への印刷開始時から前記被印刷媒体への印刷を待機させるまでの期間に複数回測定して取得した前記サーマルヘッドの温度変化についての回帰分析により、前記サーマルヘッドの温度上昇度を算出する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記7]
付記6に記載の印刷装置において、
前記印刷情報は、印刷するラベルの枚数を示す情報を含み、
前記制御部は、少なくともラベル1枚分の印刷が終了する毎に前記温度センサで測定した前記サーマルヘッドの温度を取得し、ラベル1枚分の印刷を行ったときの前記サーマルヘッドの上昇温度を前記サーマルヘッドの温度上昇度として算出し、該サーマルヘッドの温度上昇度と待機後に印刷するラベルの枚数とに基づいて、前記再開温度を算出する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記8]
付記7に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドの温度上昇度に基づいて、前記待機後に印刷するラベルのうちの少なくとも最後から2枚目のラベルの印刷が終了したときの前記サーマルヘッドの温度が所定の温度よりも低くなるように、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記9]
付記6に記載の印刷装置において、
前記制御部は、予め設定された単位印刷長分の印刷が終了する毎に前記温度センサで測定した前記サーマルヘッドの温度を取得し、前記単位印刷長分の印刷を行ったときの前記サーマルヘッドの上昇温度を前記サーマルヘッドの温度上昇度として算出し、該サーマルヘッドの温度上昇度と待機後に印刷する前記単位印刷長分の領域の数とに基づいて、前記再開温度を算出する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記10]
付記9に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドの温度上昇度に基づいて、前記待機後に印刷する前記単位印刷長分の領域のうちの少なくとも最後から2番目の領域の印刷が終了したときの前記サーマルヘッドの温度が所定の温度よりも低くなるように、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記11]
付記1~10のいずれか1つに記載の印刷装置において、
前記制御部は、印刷中に測定した前記サーマルヘッドの温度が温度閾値以上になった場合に、前記被印刷媒体への印刷を待機させる前記制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
[付記12]
付記11に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になるように、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記13]
付記11に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる回数が最少になり、かつ印刷を再開するまでの待機時間が最短になるように、前記再開温度を決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記14]
付記11に記載の印刷装置において、
前記制御部は、ラベル1枚分の印刷を行っているときに測定した前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上となった場合には、該ラベル1枚分の印刷が終了してから、前記被印刷媒体への印刷を待機させる前記制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
[付記15]
付記11に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記印刷情報と、前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記温度閾値以上になる前に、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を待機させるタイミングを決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記16]
付記1に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を停止させたときの前記サーマルヘッドの温度変化に基づいて、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまでの待機時間を特定し、特定した前記待機時間が経過するまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる
ことを特徴とする印刷装置。
[付記17]
付記1に記載の印刷装置において、
印刷情報と該印刷情報に基づいて被印刷媒体への印刷を行う場合の前記サーマルヘッドの温度上昇度との対応関係を格納した記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記被印刷媒体への印刷開始時に測定した温度と、前記対応関係に基づいて特定される前記サーマルヘッドの温度上昇度とに基づいて、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を待機させるタイミングを決定する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記18]
付記1~17のいずれか1つに記載の印刷装置において、
被印刷媒体を搬送する搬送部を更に備え、
前記制御部は、前記印刷情報と、該印刷情報に基づく前記被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記搬送部及び前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が前記再開温度以下になるまで前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
[付記19]
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置が、
印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる制御を行う
ことを特徴とする制御方法。
[付記20]
印刷情報に基づいて被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの温度を測定する温度センサとを備えた印刷装置を制御するためのプログラムであって、
印刷情報と、該印刷情報に基づく被印刷媒体への印刷開始時以降に測定した前記サーマルヘッドの温度とに基づいて、前記サーマルヘッドに対し、前記サーマルヘッドの温度が再開温度以下になるまで前記被印刷媒体への印刷を待機させる
処理を前記印刷装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0062】
1 印刷装置
2 装置筐体
201 排出口
3 キーボード
4 表示装置
5 蓋
6 プラテンローラ
7 サーマルヘッド
8 フルカッター
9 ハーフカッター
11 被印刷媒体
12 インクリボン
21 制御部
22 入力部
23 表示部
24 記憶部
25 テープ検知部
26 搬送部
27 印刷部
271 駆動部
272 温度センサ
28 カット部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8