(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】竪型ローラミル
(51)【国際特許分類】
B02C 15/04 20060101AFI20240220BHJP
B02C 23/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B02C15/04
B02C23/00 D
(21)【出願番号】P 2020040686
(22)【出願日】2020-03-10
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和宏
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02868462(US,A)
【文献】特開2016-112519(JP,A)
【文献】実開平05-049044(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 15/04
B07B 7/083
B02C 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪型ハウジングと、
該竪型ハウジングの下部に設けられ被粉砕物を粉砕する粉砕部と、
該粉砕部に被粉砕物を供給する原料供給部と、
前記粉砕部で発生する粉砕物を上方に搬送する上昇流を発生させる気流発生部と、
前記粉砕部の上方に設けられ前記粉砕物を分級する分級部と、
該分級部に
取り込まれた前記粉砕物
に旋回させる力を作用させる旋回流形成部と、
前記旋回流として流入する前記粉砕物を外部に排出する複数の排出管と
を備え、
前記分級部は、水平面内で回転する回転分級機であり、外周から前記上昇流とともに前記粉砕物を内部に取り込み、
前記旋回流形成部は、前記回転分級機における
上部支持枠に固定された追加翼であり、
前記複数の排出管は、一端が前記回転分級機の上方に所定間隔で開口することを特徴とする竪型ローラミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竪型ローラミルに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、竪型ローラミルが開示されている。この竪型ローラミルは、ハウジング、粉砕部、輸送機構、分級機、排出管、第1の縮流リング及び第2の縮流リングを備えるものであり、粉砕部と分級機との間に第1の縮流リングと第2の縮流リングとで形成される縮流流路を設けることにより未粉砕物が分級機を通過して排出管から外部に排出されることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の後段設備(例えばボイラ)に竪型ローラミルから粉砕物(微粉炭あるいはバイオマス粒)を供給する場合、上記排出管は複数設けられる。すなわち、このような場合、排出管は後段設備の数に応じた個数だけ設けられる。分級機から排出された粉砕物は、各々の排出管に分配供給される。
【0005】
しかしながら、上記竪型ローラミルには、粉砕物を各々の排出管に均等分配する機能が備えられていないので、各々の後段設備に供給される粉砕物の量に偏りが生じる虞がある。例えば後段設備がバーナであった場合、上記竪型ローラミルでは各バーナに異なる量の粉砕物が燃料として供給されるので、発熱量に偏りが生じることになる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数の排出管に対して従来よりも均等に粉砕物を供給することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、竪型ローラミルに係る第1の解決手段として、竪型ハウジングと、該竪型ハウジングの下部に設けられ被粉砕物を粉砕する粉砕部と、該粉砕部に被粉砕物を供給する原料供給部と、前記粉砕部で発生する粉砕物を上方に搬送する上昇流を発生させる気流発生部と、前記粉砕部の上方に設けられ前記粉砕物を分級する分級部と、該分級部に前記粉砕物の旋回流を形成する旋回流形成部と、前記旋回流として流入する前記粉砕物を外部に排出する複数の排出管とを備える、という手段を採用する。
【0008】
本発明では、竪型ローラミルに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記分級部は、水平面内で回転する回転分級機であり、外周の流入部から前記上昇流とともに前記粉砕物を内部に取り込み、前記旋回流形成部は、前記回転分級機に固定された追加翼であり、前記複数の排出管は、一端が前記回転分級機の上方に所定間隔で開口する、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、竪型ローラミルに係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記追加翼は、前記流入部の外側に設けられる、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、竪型ローラミルに係る第4の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記追加翼は、前記流入部の内側に設けられる、という手段を採用する。
【0011】
本発明では、竪型ローラミルに係る第5の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記追加翼は、前記流入部を支持する支持枠に設けられる、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の排出管に対して従来よりも均等に粉砕物を供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る竪型ローラミルAの構成を示す縦断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態における回転分級機及6び追加翼7の構成を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態の変形例における追加翼7を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る竪型ローラミルAは、
図1に示すように石炭あるいはバイオマスを被粉砕物Xとするものである。すなわち、この竪型ローラミルAは、例えば火力発電所のボイラに併設される設備であり、ボイラの燃料である被粉砕物Xを所定の粒径(最適燃料粒径)まで粉砕してボイラに供給する燃料供給系を構成している。
【0015】
ここで、上記最適燃料粒径は、燃料としての性質の違いから石炭とバイオマスとで異なる。石炭の最適燃料粒径は例えば数十ミクロンメートルであり、バイオマスの最適燃料粒径は例えば数百ミクロンメートルである。この竪型ローラミルAは、ボイラに向けて排出する粉砕物Xaの粒径が最適燃料粒径となるように被粉砕物Xを破砕する。
【0016】
このような竪型ローラミルAは、
図1に示すように、竪型ハウジング1、粉砕部2、原料供給部3、気流発生部4、縮流部5、分級部6、複数の追加翼7及び排出部8を備えている。なお、これら構成要素のうち、複数の追加翼7は、本発明の旋回流形成部に相当する。
【0017】
竪型ハウジング1は、鉛直姿勢の有底円筒状部材である。この竪型ハウジング1は、ハウジング本体1a、当該ハウジング本体1aの下端に設けられた支持体1b、またハウジング本体1aの上端に設けられた蓋体1cを備える。
【0018】
上記ハウジング本体1aは、略円筒状の部材であり、支持体1bによって鉛直姿勢に支持されている。支持体1bは、ハウジング本体1aの下端を閉塞させると共に鉛直姿勢つまり中心軸線が鉛直方向となるようにハウジング本体1aを地面に対して支持する基礎構造物である。蓋体1cは、竪型ハウジング1の上端を閉塞状態とする略円板状の部材である。
【0019】
粉砕部2は、回転テーブル2a、複数の粉砕ローラ2b、回転動力源2c及び連結機2dを備え、被粉砕物Xである石炭あるいはバイオマスを粉砕して粉砕物を生成する。回転テーブル2aは、水平姿勢で回転する回転体であり、上面が円環状の破砕面2eである。この回転テーブル2aは、連結機2dを介して回転動力源2cによって回転駆動されることによって、上記破砕面2eを水平面内で回転させる。
【0020】
なお、上記破砕面2eは、鉛直方向から見た場合に所定幅を有する円環状の面である。また、破砕面2eの内側は、図示するように水平方向から見た場合に略円錐状に盛り上がる突出部2fが設けられている。この中央突出部2fは、破砕面2eと同軸状に設けられており、上方の原料供給部3から落下する被粉砕物Xを受ける受部である。
【0021】
粉砕ローラ2bは、周面が上記破砕面2eに対峙する円形ローラであり、竪型ハウジング1に対して回転自在に支持されている。この粉砕ローラ2bは、破砕面2eとの間に被粉砕物Xを挟んだ状態で従動回転する。上述した被粉砕物Xは、回転テーブル2aの破砕面2e(上面)と粉砕ローラ2bの周面との間に噛み込まれることによって破砕され、粉砕物Xaとなる。
【0022】
このような粉砕ローラ2bは、鉛直方向から見た場合に、回転テーブル2a(破砕面2e)の回転中心周りに所定の角度割で複数設けられている。例えば、この粉砕ローラ2bは、回転中心周りに120°の角度割で3つ設けられている。すなわち、被粉砕物Xは、回転テーブル2a(破砕面2e)上の離散する複数個所、例えば3か所で破砕されて粉砕物Xaとなる。
【0023】
回転動力源2cは、出力軸が水平姿勢となるように設けられた原動機であり、連結機2dを介して回転テーブル2aに接続されている。連結機2dは、回転動力源2cと回転テーブル2aとの間に設けられており、回転動力源2cの回転を減速させて回転テーブル2aに伝達する減速機である。すなわち、この連結機2dは、回転動力源2cの回転を減速させると共に回転軸を水平方向から鉛直方向に変換する変換器としても機能する。
【0024】
原料供給部3は、上記蓋体1cによって回転自在に支持された管状体であり、粉砕部2の直上に鉛直姿勢で延在する。この原料供給部3は、中心軸線(鉛直軸)が回転テーブル2a(破砕面2e)の回転中心と同軸であり、内部を被粉砕物Xが流通する。すなわち、原料供給部3は、上記中央突出部2fの中心に向けて被粉砕物Xを直上から供給する。
【0025】
気流発生部4は、空気導入部4a及び複数の案内口4bを備え、外部から供給される圧縮空気Fを受け付けて竪型ハウジング1に上昇流を形成する。空気導入部4aは、圧縮空気Fの受入口であり、図示するように竪型ハウジング1の下部に設けられている。複数の案内口4bは、回転テーブル2aの外周側に所定間隔を空けて設けられており、矢印で示すように空気導入部4aから流入する圧縮空気Fを上方に向けて放出する。
【0026】
ここで、回転テーブル2a上で生成される粉砕物Xaは、上記気流発生部4が発生させる上昇流に乗って回転テーブル2aの上方に搬送される。また、この粉砕物Xaは、縮流部5を通過することによって分級部6に至る。
【0027】
縮流部5は、粉砕部2の上方かつ分級部6の下方に設けられており、第1縮流リング5aと第2縮流リング5bとを備える。第1縮流リング5aは、ハウジング本体1aの内壁に設けられた環状体であり、当該内壁から所定寸法だけ内側(ハウジング本体1aの中心側)に突出している。この第1縮流リング5aは、気流発生部4が発生させた上昇流に乗って上方に吹き上げられる粉砕物Xaの流路を狭く絞る。
【0028】
第2縮流リング5bは、原料供給部3の外周壁に設けられた環状体であり、当該外周壁から所定寸法だけ外側(ハウジング本体1aの外周側)に突出している。すなわち、この第2縮流リング5bは、第1縮流リング5aと同様に粉砕物Xaの流路を狭く絞る。このような第2縮流リング5b及び上述した上記第1縮流リング5aは、粉砕物Xaが通過する所定幅の縮流通路を形成している。
【0029】
分級部6は、ハウジング本体1a内において縮流部5の上方に設けられ、鉛直方向に延在する原料供給部3(管状体)周りに回転する円筒状の回転体である。すなわち、この分級部6は、回転分級機である。このような分級部6は、る流入部6a及び支持枠6bを備えている。
【0030】
流入部6aは、分級部6において略円筒状の外周部に形成された複数のスリットによって構成されている。これらスリットは、互いに隣接すると共に鉛直方向に延在する開口である。このような流入部6aは、
図2にも示すように支持枠6bによって原料供給部3に支持されている。支持枠6bは、原料供給部3周りに所定の角度間隔で設けられており、上記流入部6aを支持すると共に粉砕物Xaの流通が自在である。
【0031】
このような分級部6は、回転によって発生する風圧と粉砕物Xaの粒径(重量)とに基づいて、上昇流とともに流入部6a(外周部)から内部に進入した粉砕物Xaを分級する。すなわち、この分級部6は、流入部6a(外周部)から内部に進入した粉砕物Xaのうち、粒径が最適燃料粒径以下のもの(つまり比較的小径の粉砕物Xa)を上部(上部流出部)から上方つまり排出部8に排出し、粒径が最適燃料粒径を超えるもの(つまり比較的大径の粉砕物Xa)を下部(下部流出部)から下方つまり縮流部5に排出する。
【0032】
また、このような分級部6は、図示しない駆動部によって回転駆動される。すなわち、竪型ハウジング1の上部には、分級部6の駆動部が設けられており、鉛直姿勢の原料供給部3(管状体)を介して分級部6を鉛直軸(回転軸)周りに回転させる。
【0033】
追加翼7は、
図2にも示すように分級部6(回転分級機)に固定された翼であり、複数設けられている。なお、
図2は、分級部6及び追加翼7を上方つまり排出部8側から見た模式図であり、追加翼7の分級部6に対する取付位置を示している。
【0034】
この
図2にも示すように、複数の追加翼7は、流入部5aの外側かつ周方向に所定間隔を空けて設けられており、所定サイズの平板である。このような複数の追加翼7は、原料供給部3周りに分級部6(回転分級機)と共に回転することにより、上昇流とともに分級部6の内部に取り込まれる粉砕物Xaに対して原料供給部3周りに旋回させる力を作用させる。
【0035】
例えば、本実施形態における追加翼7は、
図2に示すように原料供給部3周りに45度の角度間隔で8つ設けられている。各追加翼7の翼面の延在方向は、
図2に示すように分級部6(回転分級機)の半径方向と同一である。このような複数の追加翼7は、矢印で示すように原料供給部3周りに所定速度で回転することによって、分級部6の内部に粉砕物Xaの旋回流を発生させる。
【0036】
排出部8は、分級部6の上方に設けられており、排出室8a及び複数の排出管8bを備えている。排出室8aは、原料供給部3周りに設けられた略円環状の空間であり、上記複数の追加翼7の作用によって分級部6の内部に形成された粉砕物Xaの旋回流が下方(つまり分級部6の上部)から進入する。
【0037】
複数の排出管8bは、排出室8aの上部平面(水平面)に均等間隔で設けられている。例えば排出管8bの個数が4の場合、4つの排出管8bは、一端が原料供給部3周りに90°の角度間隔で開口する。また、排出管8bの個数が3の場合には、3つの排出管8bは、一端が原料供給部3周りに120°の角度間隔で開口する。このような複数の排出管8bは、一端に旋回流として流入する粉砕物Xaを他端から外部(後段設備)に向けて排出する。
【0038】
次に、本実施形態に係る竪型ローラミルAの動作について詳しく説明する。
この竪型ローラミルAでは、被粉砕物Xが外部から原料供給部3の上端に順次連続的に供給される。そして、この被粉砕物Xは、原料供給部3を経由して回転テーブル2aの中央突出部2fに順次供給され、中央突出部2fの形状効果に基づいて破砕面2eに順次供給される。
【0039】
すなわち、被粉砕物Xは、上方から中央突出部2fに供給されるが、中央突出部2fが中央が上側に盛り上がった山形に形状設定されているので、中央突出部2fの傾斜面に沿って流動して内側から破砕面2eに流れ込む。このような被粉砕物Xの動きは破砕面2eの内側の各所において発生するので、破砕面2eには内側の各所に被粉砕物Xが順次供給される。
【0040】
一方、外部から原料供給部3への被粉砕物Xの供給に並行して、回転テーブル2aが回転動力源2cによって回転駆動される。この結果、破砕面2eに供給された被粉砕物Xは、破砕面2eと粉砕ローラ2bとの間に噛み込まれて破砕される。
【0041】
すなわち、粉砕ローラ2bの回転に伴って粉砕ローラ2bが従動回転すると共に粉砕ローラ2bの周面には破砕面2eに対する押圧力が作用するので、被粉砕物Xは、破砕面2eと粉砕ローラ2bの周面との間で押し潰され、かつせん断力が作用することによって破砕される。このような被粉砕物Xに対する破砕作用によって破砕面2e上には粉砕物Xaが徐々に生成される。
【0042】
そして、破砕面2e上で生成された粉砕物Xaは、気流発生部4によって回転テーブル2aの外周に発生している上昇流によって上方に吹き上げられる。すなわち、破砕面2e上の粉砕物Xaは、上昇流の圧力が作用することによって上方に吹き上げられる。そして、この粉砕物Xaは、上昇流とともに縮流部5の縮流通路を通過して分級部6に至る。
【0043】
ここで、粉砕物Xaは縮流通路を通過する際に流体力学におけるベルヌーイ効果つまり流速の上昇効果(増速効果)を受けて分級部6の外周に設けられた流入部6aから内部に進入する。そして、粉砕物Xaにおいて粒径が比較的大きい粒子は比較的重いので、落下して縮流部5に戻される。一方、粒径が比較的小さい粒子は、分級部6の上部から排出部8に供給される。
【0044】
また、粉砕物Xaは、追加翼7が発生させる風圧によって旋回流となって流入部6aから内部に進入する。すなわち、粉砕物Xaは、分級部6の内部において原料供給部3周りに旋回するが、粒径が比較的大きい粒子は自重に基づいて下方に落下して縮流部5に戻され、粒径が比較的小さい粒子は上昇流に従って上昇して排出部8に至る。
【0045】
排出部8において旋回流として下方から進入した粉砕物Xaは、略円環状の排出室8a内で旋回を維持しつつ、上方に均等配置された複数の排出管8bの一端に下方から流れ込む。この際、水平面内に均等間隔で開口する複数の排出管8bには、粉砕物Xaが原料供給部3周りに旋回するが故に、粉砕物Xaが略均等に流れ込む。
【0046】
このように竪型ローラミルAによれば、粉砕物Xaが旋回流として排出部8に流れ込むので、複数の排出管8bに対して従来よりも均等に粉砕物Xaを供給することが可能である。したがって、本実施形態によれば、後段設備に対してより均等に粉砕物Xaを供給することが可能である。
【0047】
ここで、分級部6の流入部6aは、鉛直方向に延在する複数のスリットによって構成されているので、分級部6の回転に伴って粉砕物Xaに対して旋回力を作用させ得る。しかしながら、分級部6の流入部6aは、粉砕物Xaを旋回させることを目的としたものではなく、粉砕物Xaを衝突することにより比較的大径の粗粉と比較的小径の微粉を分級するものである。したがって、この流入部6aは、粉砕物Xaに対して旋回力を作用させることができない。
【0048】
このような流入部6aに対して、複数の追加翼7は、粉砕物Xaに対して十分な旋回力を作用させることが可能である。例えば、複数の追加翼7は、流入部6aよりも十分に大きな表面積を備えており、粉砕物Xaを旋回流とするために必要な十分な旋回力を粉砕物Xaに与えることが可能である。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、分級部6内に粉砕物Xaの旋回流を形成する旋回流形成部として複数の追加翼7を採用したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の旋回流形成部は、複数の追加翼7に限定されない。例えば、分級部6内に圧縮ガス(圧縮空気)を噴射することによって粉砕物Xaを旋回流としてもよい。
【0050】
(2)上記実施形態では、流入部5aの外側に複数の追加翼7を設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば
図3(a)に示すように、流入部5aの内側に複数の追加翼7を設けてもよい。このような複数の追加翼7は、上記実施形態の追加翼7と同様に粉砕物Xaを原料供給部3周りの旋回流とすることができる。
【0051】
(3)また、複数の追加翼7のと取付位置としては、
図3(b)に示すように支持枠6bとすることが考えられる。
図3(b)では、分級部6における上部側の支持枠6bに複数の追加翼7を設けた場合を示しているが、必要に応じて分級部6における下部側の支持枠6bに複数の追加翼7を設けてもよい。
【0052】
(4)上記実施形態では、被粉砕物Xとして石炭及びバイオマスを例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、石炭及びバイオマス以外の被粉砕物Xについても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
A、B 竪型ローラミル
X 被粉砕物
Xa 粉砕物
1 竪型ハウジング
1a ハウジング本体
1b 支持体
1c 蓋体
2 粉砕部
2a 回転テーブル
2b 粉砕ローラ
2c 回転動力源
2d 連結機
2e 破砕面
2f 中央突出部
3 原料供給部
4 気流発生部
4a 空気導入部
4b 案内口
5 縮流部
5a 第1縮流リング
5b 第2縮流リング
6 分級部
6a 流入部
6b 支持枠
7 追加翼(旋回流形成部)
8 排出部
8a 排出室
8b 排出管