(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240220BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240220BHJP
B65H 39/11 20060101ALI20240220BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G03G21/00 386
B41J29/42 E
B65H39/11 P
B65H7/02
(21)【出願番号】P 2020042689
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】道藤 宏規
(72)【発明者】
【氏名】野村 綾菜
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-016831(JP,A)
【文献】特開平09-106122(JP,A)
【文献】特開2003-122075(JP,A)
【文献】特開2001-341935(JP,A)
【文献】特開2019-081651(JP,A)
【文献】特開2006-001085(JP,A)
【文献】特開2005-179044(JP,A)
【文献】特開2017-085527(JP,A)
【文献】特開2017-212619(JP,A)
【文献】特開2017-065070(JP,A)
【文献】米国特許第09551968(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/42
B65H 39/11
B65H 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の中心軸上において装置本体部と画像読取装置との間に配置され、記録媒体が排出される第1の排出先と、
装置の側面に配置された第2の排出先と、
前記第1の排出先を照射するための第1の発光部と、操作パネルに設けられた第3の発光部と、
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記第2の排出先に排出された記録媒体が残っている場合、
前記第1の排出先を照射するための第1の発光部を点灯
させ、前記第2の排出先に記録媒体が排出されたままの状態で予め設定された時間が経過した場合、前記第3の発光部を点灯させるよう制御する
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の排出先に設けられた第2の発光部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記第2の排出先に排出された記録媒体が残っている場合、前記第1の発光部とともに前記第2の発光部を点灯させる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の発光部と前記第2の発光部とを異なる点灯態様により点灯させる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第3の発光部を点灯させた場合、前記第1の発光部を消灯する請求項
1記載の画像形成装置。
【請求項5】
装置の中心軸上において装置本体部と画像読取装置との間に配置され、記録媒体が排出される第1の排出先と、
装置の側面に配置された第2の排出先と、
装置の前面に存在する利用者との距離を測定する測距センサと、
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記第2の排出先に排出された記録媒体が残っている場合、
前記第1の排出先を照射するための第1の発光部を点灯するよう制御
し、前記測距センサにより装置から予め設定された距離以内に利用者が存在することが検出された場合、前記第2の排出先に記録媒体が残っている場合であっても、前記第1の発光部を点灯させないように制御する、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の排紙トレイのそれぞれに、排紙された記録紙の有無を検知する検知手段を設け、検知手段が排紙トレイ上の記録紙を検知した場合、記録紙を検知した排紙トレイに対応したLEDを点灯して記録紙が排出された排紙トレイをユーザに告知するようにしたネットワークプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数の排出先のうち周囲の利用者から視認し難い位置に配置された排出先に、排出された記録媒体が残っていることを、その排出先に設けられた発光部を点灯させた場合と比較して、周囲の利用者が容易に気付くことができるようにした画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、装置の中心軸上において装置本体部と画像読取装置との間に配置され、記録媒体が排出される第1の排出先と、装置の側面に配置された第2の排出先と、
前記第1の排出先を照射するための第1の発光部と、操作パネルに設けられた第3の発光部と、
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記第2の排出先に排出された記録媒体が残っている場合、前記第1の排出先を照射するための第1の発光部を点灯させ、前記第2の排出先に記録媒体が排出されたままの状態で予め設定された時間が経過した場合、前記第3の発光部を点灯させるよう制御する画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第2の排出先に設けられた第2の発光部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記第2の排出先に排出された記録媒体が残っている場合、前記第1の発光部とともに前記第2の発光部を点灯させる請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記プロセッサが、前記第1の発光部と前記第2の発光部とを異なる点灯態様により点灯させる請求項2記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記プロセッサが、前記第3の発光部を点灯させた場合、前記第1の発光部を消灯する請求項1記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項5に係る本発明は、装置の中心軸上において装置本体部と画像読取装置との間に配置され、記録媒体が排出される第1の排出先と、装置の側面に配置された第2の排出先と、
装置の前面に存在する利用者との距離を測定する測距センサと、
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記第2の排出先に排出された記録媒体が残っている場合、前記第1の排出先を照射するための第1の発光部を点灯するよう制御し、前記測距センサにより装置から予め設定された距離以内に利用者が存在することが検出された場合、前記第2の排出先に記録媒体が残っている場合であっても、前記第1の発光部を点灯させないように制御する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、複数の排出先のうち周囲の利用者から視認し難い位置に配置された排出先に、排出された記録媒体が残っていることを、その排出先に設けられた発光部を点灯させた場合と比較して、周囲の利用者が容易に気付くことができるようにした画像形成装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、第2の排出先に記録媒体が排出されてから予め設定された時間以上が経過したことを、周囲のより広範囲の利用者に通知することが可能となる。
また、請求項1に係る本発明によれば、第1の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知するための第1の発光部を利用して、第2の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知することが可能となる。
また、請求項1に係る本発明によれば、装置の中心軸上に設けられた第1の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知するための第1の発光部を利用して、第2の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知することが可能となる。
さらに、請求項1に係る本発明によれば、複数の排出先のうち装置の側面に設けられていることにより周囲の利用者から視認し難い位置に配置された排出先に、排出された記録媒体が残っていることを、その排出先に設けられた発光部を点灯させた場合と比較して、周囲の利用者が容易に気付くことができるようにした画像形成装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、複数の排出先のうち周囲の利用者から視認し難い位置に配置された排出先に、排出された記録媒体が残っていることを周囲のより広範囲の利用者が気付くことができるようにした画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、記録媒体が排出された排出先を利用者に知らせることが可能となる。
【0018】
請求項4に係る本発明によれば、周囲の利用者による視認し易さを変えずに、点灯させる発光部の数を削減することが可能となる。
【0022】
請求項5に係る本発明によれば、複数の排出先のうち周囲の利用者から視認し難い位置に配置された排出先に、排出された記録媒体が残っていることを、その排出先に設けられた発光部を点灯させた場合と比較して、周囲の利用者が容易に気付くことができるようにした画像形成装置を提供することができる。
また、請求項5に係る本発明によれば、第2の排出先に排出された記録媒体が残っていることを視認することが可能な位置に利用者がいる場合には、第1の発光部を不必要に点灯することを防ぐことが可能となる。
また、請求項5に係る本発明によれば、第1の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知するための第1の発光部を利用して、第2の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知することが可能となる。
また、請求項5に係る本発明によれば、装置の中心軸上に設けられた第1の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知するための第1の発光部を利用して、第2の排出先に排出された記録媒体が残っていることを周囲の利用者に通知することが可能となる。
さらに、請求項5に係る本発明によれば、複数の排出先のうち装置の側面に設けられていることにより周囲の利用者から視認し難い位置に配置された排出先に、排出された記録媒体が残っていることを、その排出先に設けられた発光部を点灯させた場合と比較して、周囲の利用者が容易に気付くことができるようにした画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】
図1に示した画像形成装置10の各部の構成を説明するための図である。
【
図3】センタートレイ41に設けられたLED21が点灯してセンタートレイ41が照射されている様子を示す図である。
【
図4】操作パネル43の上部に設けられたLED43を示す図である。
【
図5】サイドトレイ42上に用紙が残されている場合にLED22のみを点灯させた場合の様子を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態の画像形成装置10におけるLED21~23の点灯制御を行うためのハードウェア構成を説明するための図である。
【
図7】
図6に示した装置制御部50のハードウェア構成を説明するための図である。
【
図8】
図6に示した設定情報記憶部52に記憶されている設定情報の一例を示す図である。
【
図9】
図8に示したような設定が行われている状態におけるLEDの点灯制御の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】サイドトレイ42を排出先とする印刷処理が実行される際の、印刷処理中と印刷処理後におけるLED21、22の点灯の様子を説明するための図である。
【
図11】サイドトレイ42に用紙が残っている場合に、サイドトレイ42のLED22と、センタートレイ41のLED21を点灯した様子を説明するための図である。
【
図12】
図6に示した設定情報記憶部52に記憶されている設定情報の他の例を示す図である。
【
図13】
図12に示したような設定が行われている状態におけるLEDの点灯制御の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】サイドトレイ42に用紙が残っている場合に、サイドトレイ42のLED22、センタートレイ41のLED21、操作パネル43のLED23を点灯した様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【0026】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、
図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置20により構成される。端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0027】
次に、
図1に示した画像形成装置10の各部の構成について
図2を参照して説明する。
【0028】
本実施形態の画像形成装置10は、
図2に示されるように、印刷が行われた用紙等の記録媒体を排出するための排出先として、センタートレイ41、サイドトレイ42という2つの排出先を備えている。
【0029】
ここで、センタートレイ41は、装置の中心軸上において装置本体部と画像読取装置との間に配置され、用紙等の記録媒体が排出される排出トレイであり、第1の排出先に該当する。そして、サイドトレイ42は、装置の側面に設けられた排出トレイであり、第2の排出先に該当する。通常、サイドトレイ42は画像形成装置10に装着されておらず、利用者の希望によりオプションとして追加可能となっているが、サイドトレイ42が標準で装着されている装置もある。
【0030】
ここで、FAX受信があった場合にそのままプリントして出力するような使い方をする場合、FAX受信をセンタートレイ41に排出するようにしたのでは、コピーやプリントをした利用者が間違って持ち去ってしまい受信したFAX用紙が紛失してしまうような危険がある。
【0031】
そのため、画像形成装置10にサイドトレイ42を追加することにより、センタートレイ41、サイドトレイ42という2つの排出トレイを備えるようにすれば、FAX受信に基づいて排出される用紙についてはサイドトレイ42に排出するようにし、コピー、プリントを行った際に排出される用紙についてはセンタートレイ41に排出されるようにするというように印刷ジョブの種類に応じて排出先を変えるような設定が可能となる。
【0032】
また、本実施形態の画像形成装置10には、
図2に示されるように、利用者が各種操作を行うための操作パネル43や、装置の前に利用者が存在するか否かを判定するための測距センサ44が備えられている。
【0033】
ここで、測距センサ44は、近接する物体との間の距離を測定することが可能なセンサであり、装置の前面に存在する利用者との距離を測定することが可能な構成となっている。
【0034】
そして、サイドトレイ42には、側面にLED22が設けられており、サイドトレイ42に用紙が排出されている最中はこのLED22が点滅するような制御が行われて、サイドトレイ42への排出が行われていることを利用者が把握できるようになっている。このLED22は、第2の発光部に該当する。
【0035】
また、同様にして、センタートレイ41の直上にLED21が設けられており、センタートレイ41への排出中にはこのLED21が点滅するような制御が行われて、センタートレイ41への排出が行われていることを利用者が把握できるようになっている。このLED21が点灯してセンタートレイ41が照射されている様子を
図3に示す。このLED21は、第1の発光部に該当する。
【0036】
さらに、
図4に示すように、操作パネル43の上部にもLED23が設けられていて点灯/消灯を制御することができるようになっている。なお、この操作パネル43は、チルト機構を備えており、角度調整を行うことができるような構造となっている。なお、LED23を、操作パネル43の上部ではなく、操作パネル43の下部や側部または外枠部に設けるようにしても良い。このLED23は、第3の発光部に該当する。
【0037】
このようなLED21~23を制御して、例えば、センタートレイ41に排出された用紙が残っている場合には、LED21を点灯させ続け、サイドトレイ42に排出された用紙が残っている場合には、LED22を点灯させ続けるようにすることにより、利用者に用紙の取り忘れを通知することができる。
【0038】
しかし、サイドトレイ42は装置の側面に設けられているため、サイドトレイ42はセンタートレイ41よりも周囲の利用者から視認し難い位置に配置されていることになる。また、サイドトレイ42は、装置の左側面に設けられているため、装置の右側という特定の位置の利用者からは視認することができない位置に設けられていることになる。
【0039】
そのため、
図5に示すように、サイドトレイ42上に用紙が残されている場合にLED22を点灯させて利用者に用紙の取り忘れを通知したとしても、周囲の利用者、特にサイドトレイ42が設けられている側と反対側の利用者は、サイドトレイ42上の用紙やLED22の点灯を気づくことができない。
【0040】
そこで、本実施形態の画像形成装置10では、下記のような構成を採用することにより、センタートレイ41、サイドトレイ42という2つ数の排出先のうち周囲の利用者から視認し難い位置に配置されたサイドトレイ42に、排出された用紙が残っていることを周囲の利用者が気付くことができるようにしている。
【0041】
まず、本実施形態の画像形成装置10におけるLED21~23の点灯制御を行うためのハードウェア構成について
図6を参照して説明する。
【0042】
装置制御部50は、画像形成装置10の各種動作を制御している。なお、以下の説明においては装置制御部50におけるLED21~23の点灯制御に関する構成のみを説明する。
【0043】
装置制御部50は、
図6に示すように、LED21~23の点灯/消灯を制御するためのLED制御部51と、設定情報記憶部52を備えている。
【0044】
設定情報記憶部52は、LED21~23の点灯/消灯を制御する際の利用者の設定内容を設定情報として記憶する。なお、この設定情報の詳細については後述する。
【0045】
LED制御部51は、センタートレイ41に設けられた残紙センタ31と、サイドトレイ42に設けられた残紙センタ32と、測距センサ44からの検出信号と、設定情報記憶部52に記憶された設定情報に基づいて、LED21~23の点灯/消灯を制御している。
【0046】
例えば、サイドトレイ42に用紙が残っている場合にLED21、22の両方を点灯するような設定が行われている場合、LED制御部51は、サイドトレイ42に排出された用紙が残っている場合、サイドトレイ42よりも周囲から視認可能な範囲が広い位置に配置されたセンタートレイ41のLED21を点灯するよう制御する。さらに、LED制御部51は、サイドトレイ42に排出された記録媒体が残っている場合、LED21とともにLED22を点灯させる。
【0047】
ここで、LED制御部51は、LED21とLED22とを同じ点灯態様により点灯するようにしても良いし、異なる点灯態様により点灯させるようにしても良い。例えば、LED制御部51は、LED21については一定間隔で点滅させ、LED22については同じ光量で点灯させるようにしても良い。このように点灯態様を変えることにより、LEDが点滅している排出先には用紙が残っていることを意味し、LEDが点灯状態となっていることは印刷処理が完了しているのにもかかわらずいずれかの排出先に用紙が残っていることを意味することになる。
【0048】
また、サイドトレイ42に用紙が残っている場合にLED21、22、23の全てを点灯するような設定が行われている場合、LED制御部51は、サイドトレイ42に用紙が排出されたままの状態で予め設定された時間、例えば30秒間が経過した場合、操作パネル43に設けられているLED23を点灯させる。
【0049】
このような制御を行う際に、LED制御部51は、LED23を点灯させた場合、LED21を消灯するようにしても良い。これは、操作パネル43に設けられたLED23の方が、センタートレイ41のLED21よりも高い位置に配置されており、より遠くの利用者により視認可能であるため、LED23を点灯したのであればLED21を消灯したとしても利用者による視認され易さはあまり変化しないと考えられるからである。
【0050】
また、上記のように用紙がサイドトレイ42に排出されてからの時間によりLEDの点灯態様を変化させる場合、LEDの点灯色を変化させることができるような構造であれば、用紙が排出された直後はLEDを黄色に点灯させ、予め設定された時間が経過した場合には赤色に切り替える等のように、用紙が排出されてからの時間に応じて点灯色を変化させるようにしても良い。
【0051】
さらに、LED制御部51は、測距センサ44により装置から予め設定された距離以内に利用者が存在することが検出された場合、サイドトレイ42に用紙が残っている場合であっても、センタートレイ41のLED21を点灯させないように制御するようにしても良い。
【0052】
このように制御する理由としては、測距センサ44が装置の近傍の利用者を検出したということは、その利用者はサイドトレイ42を視認可能な位置にいるものと考えられるため、サイドトレイ42上に用紙が残っていればそのことに気が付くものと考えられるからである。
【0053】
次に、
図6に示した装置制御部50のハードウェア構成について
図7を参照して説明する。装置制御部50は、
図7に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0054】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0055】
装置制御部50は、このような構成となっていることにより、
図6に示したような機能構成を実現している。
【0056】
次に、
図6に示した設定情報記憶部52に記憶されている設定情報の一例を
図8に示す。
図8では、取り忘れ防止LED点灯制御の設定内容を示す設定情報の一例が示されている。
【0057】
ここで、
図8では、センタートレイ41のLED21については、センタートレイ41ではなくサイドトレイ42に用紙が残っている場合に点灯するような設定が行われている。また、サイドトレイ42のLED22については、サイドトレイ42に用紙が残っている場合に点灯するような設定が行われている。そして、操作パネル43のLED23については「無効」に設定されていることにより、センタートレイ41やサイドトレイ42に用紙が残っていたとしても点灯しないように設定されている。
【0058】
この
図8に示したような設定が行われている状態におけるLEDの点灯制御の動作について
図9のフローチャートを参照して説明する。なお、
図9のフローチャートは、サイドトレイ42を排出先とする印刷処理が行われる際の動作を示したものである。
【0059】
LED制御部51は、ステップS101において、サイドトレイ42を排出先とする印刷処理が開始された場合、ステップS102において、サイドトレイ42のLED22を点滅させる。ここで、LED制御部51は、LED22の点灯/消灯を単純に繰り返すような点滅方法ではなく、点灯/消灯の切り替えをグラデーションの様に徐々に切り替えるようなブリージングと呼ばれる点滅方法によりLED22を点滅させる。
【0060】
なお、このようなサイドトレイ42への用紙が排出されている最中には、センタートレイ41のLED21は点滅または点灯のいずれも行われない。
【0061】
そして、ステップS103において印刷処理が完了すると、LED制御部51は、ステップS104において、サイドトレイ42のLED22と、センタートレイ41のLED21の両方を点灯させる。
【0062】
そして、LED制御部51は、ステップS105の処理により、このようなLED21、22の点灯をサイドトレイ42に用紙が残っている間は継続する。
【0063】
そして、サイドトレイ42から用紙が持ち去られた場合、LED制御部51は、ステップS106において、サイドトレイ42のLED22と、センタートレイ41のLED21の両方を消灯させる。
【0064】
次に、このような制御が行われることにより、サイドトレイ42を排出先とする印刷処理が実行される際に、印刷処理中と印刷処理後におけるLED21、22の点灯の様子がどのように変化するかについて
図10を参照して説明する。
【0065】
図10を参照すると、印刷処理が実行中の場合には、サイドトレイ42のLED22が点滅し、センタートレイ41のLED21は消灯したままとなっているのが分かる。そして、印刷処理が完了すると、サイドトレイ42のLED22と、センタートレイ41のLED21がともに点灯状態となっているのが分かる。
【0066】
このように
図8に示したような設定が行われている場合、サイドトレイ42に用紙が残っている場合には、
図11に示すように、サイドトレイ42のLED22だけでなく、センタートレイ41のLED21も点灯し続けることになる。
【0067】
そのため、サイドトレイ42を視認することができない位置、例えば画像形成装置10の右側にいる利用者も、サイドトレイ42に取り忘れた用紙が存在することを把握することが可能となる。例えば、サイドトレイ42をFAX受信の排出先に設定しているような場合には、FAX受信により出力された用紙がサイドトレイ42に存在することを、サイドトレイ42のLED22を視認することができないような位置にいる利用者も把握することが可能となる。
【0068】
次に、
図12に示したような設定が行われている状態におけるLEDの点灯制御の動作について
図13のフローチャートを参照して説明する。なお、
図13のフローチャートは、
図9のフローチャートに対してステップS201、S201の処理が追加され、ステップS106がステップS106aに置き換わっただけであるため、主として異なる処理のみについて説明する。
【0069】
なお、
図12では、センタートレイ41のLED21、サイドトレイ42のLED22に加えて、操作パネル43のLED23についても、サイドトレイ42に用紙が残っている場合に点灯するような設定が行われている。
【0070】
図13のフローチャートにおいて、サイドトレイ42を排出先とする印刷処理が開始されるとLED22が点滅し、印刷処理が完了すると、LED21、LED22が点灯するまでのステップS101~S104の処理は、
図9のフローチャートと同様である。
【0071】
その後、サイドトレイ42上に用紙が残っている状態が、例えば30秒間継続した場合、LED制御部51は、ステップS201、S202の処理により、操作パネル43のLED23を点灯させるような制御を行う。
【0072】
なお、ここでは操作パネル43のLED23を、サイドトレイ42上に用紙が残っている状態が30秒間継続した場合に点灯するものとして説明するが、センタートレイ41のLED21と同じタイミングで点灯させるように制御するようにすることも可能である。
【0073】
そして、サイドトレイ42から用紙が持ち去られた場合、LED制御部51は、ステップS106aにおいて、サイドトレイ42のLED22、センタートレイ41のLED21、操作パネル43のLED23の全てを消灯させる。
【0074】
このように
図12に示したような設定が行われている場合、サイドトレイ42に用紙が残っている場合には、
図11に示すように、サイドトレイ42のLED22だけでなく、センタートレイ41のLED21も点灯し続け、さらにサイドトレイ42に用紙が排出された状態で予め設定された時間が経過した場合、
図14に示すように、操作パネル43のLED23も点灯することになる。
【0075】
そして、操作パネル43がチルト機構により起こされた状態の場合、操作パネル43のLED23を点灯させることにより、センタートレイ41のLED21を点灯させた場合よりもより遠くの利用者にサイドトレイ42上に用紙が残されていることを通知することが可能となる。
【0076】
なお、上記のように操作パネル43のLED23を点灯させた場合には、センタートレイ41のLED21は消灯するようにしても良い。
【0077】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0078】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0079】
[変形例]
上記実施形態では、発光部の一例としてLEDを使用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、点灯や点滅により利用者に通知を行うことが可能な発光機能を有する発光部であれば同様に本発明を適用することができるものである。
【0080】
また、上記実施形態では、サイドトレイ42に用紙が残っている場合に、センタートレイ41のLED21を点灯するような構成を用いて説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、装置の下部、つまり利用者の足元の周囲にLEDが装着されていて、サイドトレイ42に用紙が残っている場合に、この装置の下部に装着されたLEDを点灯するような構成を用いた場合でも本発明を同様に適用することができるものである。
【0081】
また、上記実施形態では、サイドトレイ42は、装置の左側面に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、サイドトレイ42が装置の右側面に設けられているような構成においても本発明は同様に適用可能である。この場合には、サイドトレイ42は、装置の左側という特定の位置の利用者からは視認することができない位置に設けられていることになる。
【符号の説明】
【0082】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
20 端末装置
21~23 LED
30 ネットワーク
31 残紙センサ(センタートレイ)
32 残紙センサ(サイドトレイ)
41 センタートレイ
42 サイドトレイ
43 操作パネル
44 測距センサ
50 装置制御部
51 LED制御部
52 設定情報記憶部