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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】近接センサ
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20240220BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01H36/00 B
H01H11/00 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020043413
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144880
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】中山 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 亮太
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-076598(JP,A)
【文献】国際公開第2006/046358(WO,A1)
【文献】特開2009-048902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
H01H 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界を利用して金属体の有無及び位置の少なくとも一方を検出する近接センサであって、
筒状部と、前記筒状部の一方端を塞ぐ底部と、前記筒状部に囲まれた軸方向に沿って径が同一に設定された第1中軸部と、前記第1中軸部及び前記底部に連接し、前記第1中軸部から前記底部に向かうにつれて径が増加する第2中軸部とを有するコアと、
前記筒状部の内部において前記第1中軸部及び前記第2中軸部の周囲に巻き回された、前記磁界を発生させるための検出コイルと、を備える近接センサ。
【請求項2】
前記第2中軸部の外周面は、C面又はR面を形成する、請求項1に記載の近接センサ。
【請求項3】
前記検出コイルは、前記第2中軸部の前記外周面に対向又は接触する内周面を有する、請求項2に記載の近接センサ。
【請求項4】
前記検出コイルは、前記第1中軸部の軸に対して垂直の方向について、前記第2中軸部が前記底部に接続する点に対して前記第1中軸部側の空間であって、前記第1中軸部の軸の方向について、前記第1中軸部が前記第2中軸部に接続する点に対して前記底部側の空間において、前記第2中軸部の周囲に巻き回されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の近接センサ。
【請求項5】
前記検出コイルは、絶縁被覆された導線と、前記導線同士を固着させる融着層と、を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
第1軸部と、前記第1軸部に連接し且つ前記第1軸部とは反対側に向かうにつれて径が増加する第2軸部と、を有する治具の前記第1軸部及び前記第2軸部の周囲に、コイルを巻き回すステップと、
前記治具の周囲に巻き回された前記コイルを融着させるステップと、
融着した前記コイルを前記治具から取り外すステップと、
筒状部と、前記筒状部の一方端を塞ぐ底部と、前記筒状部に囲まれた第1中軸部と、前記第1中軸部及び前記底部に連接し、前記第1中軸部から前記底部に向かうにつれて径が増加する第2中軸部とを有するコアに、前記コイルを取り付けるステップと、
を含む、組立体の製造方法。
【請求項7】
前記コイルは、絶縁被覆された導線と、前記導線の絶縁被覆の周囲に設けられた融着層と、を含む、請求項6に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接センサに関する。
【背景技術】
【0002】
検出対象物としての金属体の有無及び位置の少なくとも一方を検出するセンサの一つとして、近接センサが知られている。この近接センサは、主として各種生産設備や産業ロボット等に広く利用されている。近接センサは、筒状のケース体と、コアおよびコイルを含むコイル組立体と、コイルに電気的に接続された処理回路が設けられたプリント基板とを主として備えている。例えば、特許文献1には、コアと、コアの前面に設けられた環状凹部に収容されてコアに巻回された検出コイルとを含むコイル組立体を備える近接センサが記載されている。当該近接センサにおいては、コアのうち検出コイルが巻回される部分である中軸部は、コアの底部から略垂直に延伸している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-48902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、外部からの衝撃によりフェライトコアの中軸部にクラックが入ったり、或いは中軸部が折れてしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、コアの強度を向上させた近接センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る近接センサは、磁界を利用して金属体の有無及び位置の少なくとも一方を検出する近接センサであって、筒状部と、筒状部の一方端を塞ぐ底部と、筒状部に囲まれた第1中軸部と、第1中軸部及び底部に連接し、第1中軸部から底部に向かうにつれて径が増加する第2中軸部とを有するコアと、筒状部の内部において第1中軸部及び第2中軸部の周囲に巻き回された、磁界を発生させるための検出コイルと、を備える。
【0007】
この態様によれば、外力の影響を受けやすいコアの中軸部の根元付近において、第1中軸部から底部に向かうにつれて径が増加する第2中軸部が設けられる。これにより、コアの強度が向上する。
【0008】
上記態様において、第2中軸部の外周面は、C面又はR面を形成してもよい。
【0009】
この態様によれば、追加部材なく強度を高めたコアの製造が容易になる。
【0010】
上記態様において、検出コイルは、第2中軸部の外周面に対向又は接触する内周面を有してもよい。
【0011】
この態様によれば、検出コイルの巻数を増加させてインダクタンスを向上させやすくなるため、十分な磁界を発生させることが可能となる。
【0012】
上記態様において、検出コイルは、第1中軸部の軸に対して垂直の方向について、第2中軸部が底部に接続する点に対して第1中軸部側の空間であって、第1中軸部の軸の方向について、第1中軸部が第2中軸部に接続する点に対して底部側の空間において、第2中軸部の周囲に巻き回されていてもよい。
【0013】
この態様によれば、検出コイルの巻数を増加させてインダクタンスを向上させやすくなるため、十分な磁界を発生させることが可能となる。
【0014】
上記態様において、検出コイルは、絶縁被覆された導線と、導線同士を固着させる融着層と、を含んでもよい。
【0015】
この態様によれば、熱融着層を固化させることにより検出コイルの形状を変化させないようにすることが可能となるため、コア及び検出コイルの組立体の製造が容易になる。
【0016】
本発明の一態様に係る製造方法は、第1軸部と、第1軸部に連接し且つ第1軸部とは反対側に向かうにつれて径が増加する第2軸部と、を有する治具の第1軸部及び第2軸部の周囲に、コイルを巻き回すステップと、治具の周囲に巻き回されたコイルを熱融着させるステップと、熱融着したコイルを治具から取り外すステップと、筒状部と、筒状部の一方端を塞ぐ底部と、筒状部に囲まれた第1中軸部と、第1中軸部及び底部に連接し、第1中軸部から底部に向かうにつれて径が増加する第2中軸部とを有するコアに、コイルを取り付けるステップと、を含む。
【0017】
この態様によれば、熱融着層を固化させることにより検出コイルの形状を変化させないようにすることが可能となるため、コア及び検出コイルの組立体の製造が容易になる。
【0018】
上記態様において、コイルは、絶縁被覆された導線と、導線の絶縁被覆の周囲に設けられた熱融着層と、を含んでもよい。
【0019】
この態様によれば、コア及び検出コイルの組立体の製造が容易になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コアの強度を向上させた近接センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るセンサ1の分解斜視図である。
図2図1に示すセンサ1を組み立てた状態におけるII-II線の断面図である。
図3図1に示すセンサ1に含まれるフェライトコア41および検出コイル42の組立体の構造を説明するための断面模式図である。
図4図4は、図1に示すフェライトコア41の外観図である。
図5】フェライトコア41及び検出コイル42の組立体の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0023】
図1及び図2を参照して、センサ1の内部構造について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るセンサ1の分解斜視図である。図2は、図1に示すセンサ1を組み立てた状態におけるII-II線の断面図である。図1の矢印で示すように、センサ1の軸方向に沿って、クランプ20から筐体10に向かう方向を前方とし、筐体10からクランプ20に向かう方向を後方とする。
【0024】
本実施形態に係るセンサ1は、非接触で検出対象が近づいたことを検出可能な近接センサであり、筐体10、クランプ20、コネクタ23、Oリング24、ハード基板30、検出部40、フレキシブル基板50、及び補強板60等を備える。筐体10は、筒形状に形成されており、内部にハード基板30及び検出部40等の電子部品が収容される。筐体10は、後方側に開口部を有しており、当該開口部からハード基板30及び検出部40等の電子部品が挿入される。筐体10は、金属や樹脂等で形成されてもよい。センサ1は、その外形が円柱形状となっているが、筐体10やクランプ20の外周が多角形である角柱形状であってもよい。
【0025】
クランプ20は、略円筒形状を呈した外側部材21と、略円筒形状を呈した内側部材22とを有する。外側部材21の内部には、前方側から内側部材22が嵌め込まれた上で、内側部材22の端部が筐体10の開口部に接続される。また、外側部材21の内部には、後方側から、Oリング24を介してコネクタ23が嵌め込まれる。コネクタ23の前方側の端部には、フレキシブル基板50の一端に設けられた端子が接続される。
【0026】
コネクタ23は、外部電源からの電力をハード基板30及びフレキシブル基板50に搭載された回路へ供給してもよい。また、コネクタ23は、ハード基板30及びフレキシブル基板50に搭載された制御回路からの出力信号をアンプ等の外部機器へ伝達してもよい。
【0027】
フレキシブル基板50は、断面図視において略S字上に湾曲している。フレキシブル基板50の端部は、一方の面をハード基板30の一方の面に接触(直接接触する場合の他、配線層等を介して接触する場合や、一部に空隙を含む場合等を含む)させるようにして、ハード基板30に載置される。フレキシブル基板50の他端は、コネクタ23に電気的に接続される。フレキシブル基板50としては、たとえば基材に耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂系の材料が利用された配線基板が利用される。センサ1におけるフレキシブル基板50が設けられた空間は、所定の樹脂により封止されてもよい。フレキシブル基板50の第4面52の上には、補強板60が載置される。
【0028】
ハード基板30は、検出部40を制御する制御回路(不図示)及び検出部40に電流を供給する電流供給回路(不図示)を搭載する基板であり、筐体10に一部が収容される。ハード基板30の前方側の端部には、図2に示すように検出部40が取り付けられている。ハード基板30は、たとえば基材にガラス-エポキシ樹脂系の材料が利用されたリジッド配線基板が利用される。検出部40は、検出対象の有無を非接触で検出する。検出部40は、コイル42が収容されるコア41と、環状に巻かれたコイル42とを備える。一方、後述するように、ハード基板30の後方側の端部には端子が設けられており、当該端子がフレキシブル基板50の一端に設けられた端子と電気的に接続される。
【0029】
センサ1による検出対象の検出方法を説明する。まず、ハード基板30に搭載された電流供給回路からコイル42に励磁電流が供給される。コイル42は、供給された励磁電流に基づいて磁場を発生させる。この状態でコイル42に金属等の検出対象が接近すると、電磁誘導の法則により検出対象内部に渦電流が発生する。この渦電流は磁場を発生させるため、コイル42を貫く磁束、ひいてはコイル42のインピーダンスが変化する。検出部40に接続された制御回路は、コイル42のインピーダンスの変化を測定し、検出対象の有無を検出する。
【0030】
図3及び図4を参照して、フェライトコア41及び検出コイル42の構造についてより詳細に説明する。図3は、図1に示すセンサ1に含まれるフェライトコア41および検出コイル42の組立体の構造を説明するための断面模式図である。図4は、図1に示すフェライトコア41の外観図である。
【0031】
フェライトコア41は、コアの一例であって、例えば、略円筒形状を呈した筒状部411と、筒状部411の後方側の一方端を塞ぐ略円盤状を呈した底部412と、筒状部の外表面に設けられる略円筒形状を呈した鍔部413と、筒状部411に囲まれた略円柱形状を呈した第1中軸部414と、底部412および第1中軸部414に連接する第2中軸部415と、を含む。なお、筒状部411、底部412、鍔部413、第1中軸部414、および第2中軸部415は、一体的に形成されてよい。
【0032】
第1中軸部414の径D1は、センサ1の軸方向に沿って略同一に設定される。径D1は、特に限定されないが、例えば約3mmに設計されてよい。また、第2中軸部415の径D2は、第1中軸部414の径D1よりも大きい。また、第2中軸部415の径D2は、第1中軸部414から底部412に向かうにつれて増加する。すなわち、第2中軸部415の外周面415Eは、例えば、C面やR面等を形成する。これにより、フェライトコア41の強度、特に第1中軸部414及び第2中軸部415の強度が向上し、第1中軸部414に外力が加わった場合に第2中軸部415に生じる応力に対する強度が向上する。また、筒状部411の内周面の径D3は、特に限定されないが、例えば約6mmに設定されてもよい。また、筒状部411の内周面と第1中軸部414の外周面との間の距離は、約1.5mm((径D3-径D1)/2)に設定されてもよい。そして、第2中軸部415の外周面415Eにおける第1中軸部414から底部104までの長さは、約0.2~0.5mmに設定されてもよい。これは、すなわち、筒状部411の内周面と第1中軸部414の外周面415Eとの距離の約13~33%である。フェライトコア41の強度等の観点から、当該範囲が好ましいといえる。
【0033】
検出コイル42は、第1中軸部414および第2中軸部415の周囲に巻き回され、筒状部411、第1中軸部414、及び第2中軸部415によって囲まれる空間Gの内部に収容される。検出コイル42のうち、センサ1の軸方向においてフェライトコア41の第1中軸部414と同位置に配置される部分を第1検出コイル部421とし、センサ1の軸方向においてフェライトコア41の第2中軸部415と同位置に配置される部分を第2検出コイル部422とする。第2検出コイル部422の内周面422Eは、フェライトコア41の第2中軸部415の外周面415Eに対向又は接触する。すなわち、検出コイル42は、第1中軸部414の軸に対して垂直となる方向において、第2中軸部415が底部412に接続する点より内側(第1中軸部414の側)の空間まで巻き回される。また同様に検出コイル42は、第1中軸部414の軸の方向において、第1中軸部414と第2中軸部415が接続する点より後方(底部412の側)の空間まで巻き回される。これらの構成により検出コイル42の外形を大きくすることなく十分な磁界を発生することができる。これにより、検出コイル42の巻数を増加させてインダクタンスを向上させやすくなるため、十分な磁界を発生させることが可能となる。また、強度とインダクタンスの向上(磁界の向上)を両立することが可能となる。
【0034】
なお、本実施形態に係る他の例においては、検出コイル42は、上述した空間Gのうち、第1中軸部414の軸に対して垂直となる方向において第2中軸部415が底部412に接続する点より内側(第1中軸部414の側)の空間の少なくとも一部に配置されなくてもよい。また、本実施形態に係る更に他の例では、検出コイル42は、上述した空間Gのうち、第1中軸部414と第2中軸部415が接続する点より後方(底部412の側)の空間に配置されなくてもよい(換言すれば、第2検出コイル部422を有しなくてもよい)。
【0035】
図5は、フェライトコア41及び検出コイル42の組立体の製造方法を説明するための図である。上述したとおり、本実施形態に係るフェライトコア41が備える第2中軸部415は、径D2が第1中軸部414から底部412に向かうにつれて増加する。そのため、検出コイル42を第2中軸部415の周囲に巻き回す工程は比較的難度が高いといえる。そこで、以下に説明する製造方法により、第2中軸部415を備えるフェライトコア41の寸法に合った検出コイル42を容易に製造することが可能となる。
【0036】
まず、本実施形態におけるフェライトコア41及び検出コイル42の組立体の製造においては、治具100を使用する。治具100は、端部101と、端部101に接続される第1軸部102と、第1軸部102に接続される第2軸部103と、第2軸部103に接続される底部104とを有する。端部101は、第1軸部102に取り外し可能に接続される。第1軸部102及び第2軸部103の寸法は、上述したセンサ1のフェライトコア41の第1中軸部414及び第2中軸部415と略同一に設定される。具体的には、第1軸部102の径d1は、上述したセンサ1のフェライトコア41の第1中軸部414の径D1と略同一である。すなわち、第1軸部102の径d1は、治具100の軸方向に沿って略同一に設定される。また、第2軸部103の径d2は、上述したセンサ1のフェライトコア41の第2中軸部415の径と略同一である。すなわち、第2軸部103の径d2は、第1軸部102の径d1よりも大きく、また、第1軸部102から底部104に向かうにつれて増加する。
【0037】
図5を参照して、フェライトコア41及び検出コイル42の組立体の製造方法を説明する。まず、図5(a)に示すとおり、治具100の第1軸部102及び第2軸部103の周りに、コイル42Bを巻回す。ここで、当該コイルを構成する導線は絶縁層により被覆され、更に当該絶縁被覆された導線の周囲に融着層が設けられている。次に、図5(b)に示すとおり、治具100の第1軸部102及び第2軸部103の周りに巻回した導線の周囲に設けられた融着層を溶融させた後、固化させる。これにより、絶縁被覆された導線の空隙に固化した熱融着層が形成され、絶縁被覆された導線同士の位置が固定され、検出コイル42が形成される。なお、上述した融着層は、例えば、巻線行程中に熱風をジェット噴射する熱風融着による融着層、巻線中に変性アルコールなどの最適な溶剤を塗布する溶剤融着による融着層、巻線後コイルをオーブンで加熱処理して行う融着層、電流を流して抵抗発熱させる通電融着による融着層等であってよい。
【0038】
次に、図5(c)に示すとおり、治具100の端部101を第1軸部102から取り外した上で、検出コイル42を治具100から取り外す。このとき、図5(c)に示すとおり、検出コイル42は自己の形状を保っている。次に、図5(d)に示すとおり、検出コイル42を、フェライトコア41の空間Gに挿入する。これにより、フェライトコア41及び検出コイル42の組立体が得られる。
【0039】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…センサ、10…筐体、20…クランプ、21…外側部材、22…内側部材、23…コネクタ、24…リング、30…ハード基板、40…検出部、41…コア、411…筒状部、412…底部、413…鍔部、414…第1中軸部、415…第2中軸部、42…コイル、421…第1検出コイル部、422…第2検出コイル部、50…フレキシブル基板、60…補強板、
図1
図2
図3
図4
図5