(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】読取装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/028 20060101AFI20240220BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20240220BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20240220BHJP
【FI】
H04N1/028 Z
G02B5/00 B
G02B7/00 D
G02B7/00 F
(21)【出願番号】P 2020043480
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沢田 寛
(72)【発明者】
【氏名】前田 弘司
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-352429(JP,A)
【文献】特開2014-149536(JP,A)
【文献】特開2017-167279(JP,A)
【文献】特開2008-260262(JP,A)
【文献】特開2008-066850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01N 21/84-21/958
G02B 5/00- 5/136
G02B 7/00
G02B 7/18- 7/24
G03B 9/00- 9/07
G03B 27/50
G06T 1/00
G06T 1/60
H04N 1/00- 1/207
H04N 5/30 - 5/33
H04N 23/11
H04N 23/20 -23/30
H04N 25/00
H04N 25/20 -25/61
H04N 25/615-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受光素子を有した基板と、該受光素子が受光する光が入射する複数のレンズが形成されると共に光が通過する光学部材とが固定された筐体を準備し、
複数の孔が形成された遮光部材を該光学部材に対向させ、
該孔を通って該レンズに入射して該光学部材を通過した光の光量を該受光素子で測定しつつ該遮光部材を移動させ、
該遮光部材を該筐体又は該光学部材に固定させる読取装置の製造方法。
【請求項2】
前記遮光部材は、一方向に延びると共に前記一方向に並べられた複数の遮光部を備え、
前記遮光部に前記孔が複数形成されており、
前記遮光部に光を照射して、前記遮光部を1個ずつ前記筐体又は前記光学部材に固定させる請求項1に記載の読取装置の製造方法。
【請求項3】
前記光学部材において隣り合う前記レンズの間隔が最も狭い部分に対応する位置の前記遮光部を最初に前記筐体又は前記光学部材に固定させる請求項2に記載の読取装置の製造方法。
【請求項4】
前記遮光部に光を照射して、前記孔を通って前記光学部材を通過した光の光量を該受光素子で測定しつつ前記遮光部を移動させる際に、
前記一方向に前記遮光部を移動させ、全ての前記受光素子で測定される光量の平均値を基準値以上とする請求項2又は3に記載の読取装置の製造方法。
【請求項5】
前記受光素子で測定される光量の平均値を基準値以上とした状態で、前記一方向と交差する交差方向に前記遮光部を移動させ、前記受光素子で測定される光量の最大値と最小値との差を基準値以下とする請求項4に記載の読取装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光軸に沿って配列された第1光学部材、絞り、及び第2光学部材を含んでなる画像読取光学系ユニットであって、第1光学部材、絞り、及び第2光学部材は、光軸に直交する直線上に光学要素がアレイ状に配列されてなると共に、複数の位置決め手段を備えており、複数の位置決め手段のうち中心線に最も近いもの若しくは中心軸上のものは長手方向への変位を規制し、その他のものは長手方向への変位を許容する形状にした画像読取光学系ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
読取装置は、原稿から反射された反射光が通る複数の貫通した孔が形成された遮光部材と、複数の孔に夫々対向する複数のレンズが形成されて孔を通った光が通過する光学部材と、光学部材を通過した光を受光する受光素子を有した基板とを備えている。さらに、読取装置は、遮光部材及び光学部材が固定される筐体を備えている。
【0005】
このような構成では、光学部材が固定された筐体に対して遮光部材を位置決めする場合には、遮光部材と筐体とに夫々形成された位置決め形状を用いて筐体に対して遮光部材を位置決めしていた。しかし、このように位置決め形状を用いて筐体に対して遮光部材を位置決めすると、部品の製造ばらつき(=単品ばらつき)、及び部品の組付けばらつき等によって、筐体に固定された光学部材のレンズと遮光部材の孔との相対的な位置精度が低くなってしまう。
【0006】
本発明の課題は、光学部材が固定された筐体に対して位置決め形状を用いて遮光部材を位置決めする場合と比して、筐体に固定された光学部材のレンズと遮光部材の孔との相対的な位置精度を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る読取装置の製造方法は、複数の受光素子を有した基板と、該受光素子が受光する光が入射する複数のレンズが形成されると共に光が通過する光学部材とが固定された筐体を準備し、複数の孔が形成された遮光部材を該光学部材に対向させ、該孔を通って該レンズに入射して該光学部材を通過した光の光量を該受光素子で測定しつつ該遮光部材を移動させ、該遮光部材を該筐体又は該光学部材に固定させることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2態様に係る読取装置の製造方法は、第1態様に記載の読取装置の製造方法において、前記遮光部材は、一方向に延びると共に前記一方向に並べられた複数の遮光部を備え、前記遮光部に前記孔が複数形成されており、前記遮光部に光を照射して、前記遮光部を1個ずつ前記筐体又は前記光学部材に固定させることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3態様に係る読取装置の製造方法は、第2態様に記載の読取装置の製造方法において、前記光学部材において隣り合う前記レンズの間隔が最も狭い部分に対応する位置の前記遮光部を最初に前記筐体又は前記光学部材に固定させることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4態様に係る読取装置の製造方法は、第2又は第3態様に記載の読取装置の製造方法において、前記遮光部に光を照射して、前記孔を通って前記光学部材を通過した光の光量を該受光素子で測定しつつ前記遮光部を移動させる際に、前記一方向に前記遮光部を移動させ、全ての前記受光素子で測定される光量の平均値を基準値以上とすることを特徴とする。
【0011】
本発明の第5態様に係る読取装置の製造方法は、第4態様に記載の読取装置の製造方法において、前記受光素子で測定される光量の平均値を基準値以上とした状態で、前記一方向と交差する交差方向に前記遮光部を移動させ、前記受光素子で測定される光量の最大値と最小値との差を基準値以下とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様の読取装置の製造方法によれば、光学部材が固定された筐体に対して位置決め形状を用いて遮光部材を位置決めする場合と比して、筐体に固定された光学部材のレンズと遮光部材の孔との相対的な位置精度を高くすることができる。
【0013】
本発明の第2態様の読取装置の製造方法によれば、光学部材が固定された筐体に対して位置決め形状を用いて遮光部を位置決めする場合と比して、筐体に固定された光学部材のレンズと遮光部の孔との相対的な位置精度を高くすることができる。
【0014】
本発明の第3態様の読取装置の製造方法によれば、複数の遮光部を、光学部材の隣り合うレンズの間隔とは無関係に筐体又は光学部材に固定させる場合と比して、筐体又は光学部材に全ての遮光部を固定できなくなることを抑制できる。
本発明の第3態様の読取装置の製造方法によれば、複数の遮光部を、光学部材の隣り合うレンズの間隔とは無関係に筐体又は光学部材に固定させる場合と比して、筐体又は光学部材に全ての遮光部を固定できなくなることを抑制できる。
【0015】
本発明の第4態様の読取装置の製造方法によれば、一方向に対して蛇行させながら遮光部を移動させて全ての受光素子で測定される光量の平均値を基準値以上とする場合と比して、全ての受光素子で測定される光量の平均値を短い時間で基準値以上とすることができる。
【0016】
本発明の第5態様の読取装置の製造方法によれば、遮光部を一方向のみに移動させる場合と比して、受光素子で測定される光量の最大値と最小値との差を基準値以下とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を備えた画像形成装置を示した構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を備えた画像読取ユニットを示した構成図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置等を示した拡大斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置等を示した斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置の摺動部材を示した断面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を備えた画像読取ユニットを示した動作図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を示した斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を示した分解斜視図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を示した断面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を示した断面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置を示した拡大断面図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられたレンズアレイを示した拡大斜視図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられたレンズアレイ、及び遮光部材を示した分解斜視図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられたレンズアレイを示した平面図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置のレンズアレイを示した拡大断面図である。
【
図16】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられたレンズアレイ、及び遮光部材を示した斜視図である。
【
図17】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられたレンズアレイ、及び遮光部材を示した平面図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられた遮光部材を示した平面図である。
【
図19】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられた遮光部材を示した拡大平面図である。
【
図20】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置の遮光部材に備えられた遮光部を示した平面図である。
【
図21】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置の遮光部材に備えられた遮光部の端部を示した斜視図である。
【
図22】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置の遮光部材に備えられた遮光部を示した斜視図である。
【
図23】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置の遮光部材に備えられた遮光部の端部を示した平面図、及び断面図である。
【
図24】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法によって製造された読取装置に備えられたレンズアレイ、及び遮光部材を示した拡大断面図である。
【
図25】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた断面図である。
【
図26】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた断面図である。
【
図27】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた断面図である。
【
図28】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた説明図である
【
図29】本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた説明図である。
【
図30】本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る読取装置の製造方法に用いる筐体を示した拡大斜視図である。
【
図31】本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る読取装置の製造方法に用いる遮光部を示した斜視図である。
【
図32】本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた説明図である。
【
図33】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法に対する変形形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた断面図である。
【
図34】本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法を説明するのに用いた説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る読取装置の製造方法、この読取装置の製造方法によって製造される読取装置、及びこの読取装置を備えた画像形成装置の一例を
図1~
図34に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0019】
(画像形成装置の構成)
本実施形態に係る画像形成装置10には、
図1に示されるように、装置上下方向(矢印H方向)の下方から上方へ向けて、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部14と、収容部14に収容されたシート部材Pを搬送する搬送部16と、収容部14から搬送部16によって搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部20と、原稿Gに形成された画像を読み取る画像読取ユニット60とが、この順で備えられている。
【0020】
〔収容部14〕
収容部14には、画像形成装置10の筐体10aから装置奥行方向の手前側に引き出し可能な収容部材26が備えられており、この収容部材26にシート部材Pが積載されている。さらに、収容部14には、収容部材26に積載された最上位のシート部材Pを、シート部材Pの搬送経路28に送り出す送出ロール30が備えられている。
【0021】
〔搬送部16〕
搬送部16には、搬送経路28に沿ってシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール32が備えられている。
【0022】
〔画像形成部20〕
画像形成部20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kが備えられている。なお、以後の説明では、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
【0023】
各色の画像形成ユニット18は、筐体10aに対して夫々着脱可能とされている。そして、各色の画像形成ユニット18には、像保持体36と、像保持体36の表面を帯電する帯電ロール38と、帯電された像保持体36に露光光を照射する露光装置42とが備えられている。さらに、各色の画像形成ユニット18には、前述した露光装置42が帯電された像保持体36を露光することで形成された静電潜像を現像して、トナー画像として可視化する現像装置40が備えられている。
【0024】
また、画像形成部20には、図中矢印A方向に周回する無端状の転写ベルト22と、各色の画像形成ユニット18によって形成されたトナー画像を転写ベルト22に転写する一次転写ロール44とが備えられている。さらに、画像形成部20には、転写ベルト22に転写されたトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール46と、トナー画像が転写されたシート部材Pを加熱・加圧してトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置50とが備えられている。二次転写ロール46は、転写装置の一例である。
【0025】
〔画像読取ユニット60〕
画像読取ユニット60は、
図2に示されるように、一枚の原稿Gの画像を読み取る際に原稿Gが載せられる第一透明板62(=プラテンガラス)と、第一透明板62の装置幅方向の一方(図中左方)に配置される第二透明板72とを備えている。そして、第一透明板62及び第二透明板72は、画像読取ユニット60の筐体60aの上部に嵌め込まれている。
【0026】
この第一透明板62及び第二透明板72の上方には、第一透明板62及び第二透明板72を開閉する開閉カバー66が配置されている。そして、開閉カバー66の内部には、複数枚の原稿Gを開閉カバー66内の搬送経路70に沿って搬送して、第二透明板72の上方の原稿読取位置Rを通過させる搬送装置64(=ADF装置)が備えられている。
【0027】
また、筐体60aの内部には、第一透明板62に載せられた原稿Gの画像と、搬送装置64によって原稿読取位置Rに搬送された原稿Gの画像とを読み取る読取装置100が備えられている。さらに、画像読取ユニット60は、読取装置100を装置幅方向に駆動する駆動装置74を備えている。なお、読取装置100については、詳細を後述する。
【0028】
駆動装置74は、
図2、
図3に示されるように、装置幅方向(=読取装置100の移動方向)に延びるシャフト76と、読取装置100の筐体114の下面に取り付けられ、シャフト76に摺動可能に支持される摺動部材78とを備えている。
【0029】
さらに、駆動装置74は、モータ80と、モータ80から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動プーリ84と、従動回転する従動プーリ86と、駆動プーリ84及び従動プーリ86に巻き掛けられている無端状の無端ベルト82とを備えている。この駆動プーリ84は、シャフト76の一端に取り付けられ、従動プーリ86は、シャフト76の他端に取り付けられている。
【0030】
摺動部材78は、
図4に示されるように、筐体114の下面において装置奥行方向の中央側の部分に取り付けられている。この摺動部材78には、
図5に示されるように、装置上下方向に延びて、無端ベルト82の一部が嵌め込まれているスリット78aと、装置幅方向から見て半円形でシャフト76と摺動する摺動面78bとが形成されている。
【0031】
また、筐体60aには、
図4に示されるように、シャフト76の両端側の部分を下方から支持する一対の支持部90が、筐体60aと一体的に形成されている。
【0032】
(画像形成装置の作用)
画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0033】
先ず、
図6に示す画像読取ユニット60が、原稿Gの画像を読み取る。具体的には、搬送装置64によって搬送される原稿Gの画像を読み取る場合は、読取装置100は、モータ80(
図4参照)の駆動力が無端ベルト82を介して伝達され、装置幅方向の端部側の搬送読取位置に移動して停止する。そして、搬送読取位置に配置された読取装置100が、搬送装置64によって搬送される原稿Gの画像を読み取る。
【0034】
これに対して、第一透明板62に載せられた原稿Gの画像を読み取る場合は、
図2に示されるように、読取開始位置(=図中実線の位置)に配置されている読取装置100は、原稿Gの画像を読み取りながら、第一透明板62に沿って読取終了位置(=図中二点鎖線の位置)へ向けて装置幅方向に移動する。これにより、読取装置100は、第一透明板62に載せられた原稿Gの画像を読み取る。
【0035】
(読取装置100の構成)
次に、読取装置100について説明する。
図7に示す読取装置100は、既知のCIS(Contact Image Sensor)方式を用いて原稿Gに形成された画像を読み取る。そして、読取装置100は、
図8に示されるように、受光基板102と、受光基板102に接続されている一対の配線ケーブル104と、配線ケーブル104に夫々接続されている剛性基板106と、剛性基板106に実装されている発光素子128とを備えている。さらに、読取装置100は、円柱状とされている一対の導光体110(=ライトガイド)と、原稿Gから反射した光(=反射光)を集光する集光部112と、筐体114とを備えている。受光基板102は、基板の一例である。
【0036】
〔筐体114〕
筐体114は、
図8に示されるように、装置奥行方向に延びる箱状とされている。そして、筐体114には、
図9に示されるように、一対の導光体110が夫々収容されている一対の導光体収容部114aと、一対の導光体収容部114aの間に、集光部112が収容されているレンズ収容部114bとが形成されている。さらに、筐体114には、剛性基板106が収容されている一対の基板収容部114cが、
図10に示されるように、装置奥行方向から導光体収容部114aを挟むように形成されている。
【0037】
-導光体収容部114a-
導光体収容部114aは、
図9、
図10に示されるように、装置幅方向に並んで一対形成さており、夫々の導光体収容部114aは、装置奥行方向に延びている。さらに、夫々の導光体収容部114aの長手方向に交差した断面は、上方が開口された半円状とされている。
【0038】
-レンズ収容部114b-
レンズ収容部114bは、
図9に示されるように、装置幅方向において、一対の導光体収容部114aの間に形成されており、装置上下方向に筐体114を貫通している。
【0039】
-基板収容部114c-
基板収容部114cは、
図10に示されるように、導光体収容部114aに対して、装置奥行方向の奥側、及び手前側に一対形成されている。具体的には、基板収容部114cは、筐体114の装置奥行方向の両端の壁部119と、導光体収容部114aとの間に形成されている。
【0040】
-その他-
筐体114の下部には、
図9に示されるように、受光基板102の縁部の上面と接触している段差面117が形成されている。
【0041】
〔導光体110〕
導光体110は、
図9に示されるように、筐体114の導光体収容部114aに収容されており、透明な材料(例えば、アクリル樹脂)によって、装置奥行方向に延びる円柱状に形成されている。そして、導光体110は、装置幅方向に並んで一対設けられている。
【0042】
導光体110は、装置奥行方向に伸縮可能に、その長手方向の中央部が筐体114に図示せぬ固定部によって固定されている。そして、導光体110が筐体114に固定された状態で、導光体110の端面110aと、筐体114の壁部119とは、装置奥行方向で離間しており、この離間部分が、基板収容部114cとされている(
図10参照)。
【0043】
また、導光体110には、導光体110の端面110aから入射した光を、長手方向に進行させると共に、集光部112の上方に向けて(
図9矢印B方向)に光を出射させる反射部材(図示省略)が設けられている。
【0044】
〔集光部112〕
集光部112は、
図9に示されるように、筐体114のレンズ収容部114bに収容されており、集光部112は、遮光部材150と、一対のレンズアレイ152とを備えている。なお、一対のレンズアレイ152と、遮光部材150とについては、詳細を後述する。
【0045】
〔受光基板102〕
受光基板102は、
図9に示されるように、板厚方向が装置上下方向とされ、筐体114の下端部に配置されている。そして、受光基板102の縁部の上面が筐体114の段差面117と接触した状態で、受光基板102は、図示せぬ固定手段で筐体114に固定されている。
【0046】
この受光基板102は、上方から見て、装置奥行方向に延びる矩形状とされている。また、受光基板102の上面には、複数の受光素子126が、装置奥行方向に並んで備えられている(=実装されている)。さらに、受光基板102に備えられている受光素子126は、装置上下方向で集光部112と対向している。受光素子126は、素子の一例である。
【0047】
〔配線ケーブル104〕
配線ケーブル104は、一対設けられ、
図8に示されるように、受光基板102の装置奥行方向の両端部に基端が接続されている所謂フレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable)である。一方の配線ケーブル104の基端は、受光基板102の装置奥行方向の奥側(図中左側)の端部と接続されており、他方の配線ケーブル104の基端は、受光基板102の装置奥行方向の手前側(図中右側)の端部と接続されている。
【0048】
〔剛性基板106〕
剛性基板106は、一対設けられ、
図8に示されるように、配線ケーブル104の先端と接続されており、装置奥行方向から見て装置幅方向に延びている矩形状とされている。また、夫々の剛性基板106の一方の面(=互いに対向する面)には、装置幅方向に並ぶLED(Light Emitting Diode)128(以下「発光素子128」)が、2個備えられている。
【0049】
そして、剛性基板106に備えられた発光素子128は、
図10に示されるように、導光体110の端面110aと対向した状態で、筐体114の基板収容部114cに収容されている。
【0050】
(読取装置100の作用)
次に、読取装置100の作用を説明する。
図10に示す発光素子128は、導光体110の端面110aに光を照射する。さらに、導光体110は、導光体110の端面110aから入射した光を、導光体110の長手方向に導く。そして、導光体110は、その長手方向に沿って形成された反射部材(図示省略)により、
図9に示されるように、集光部112の上方に向けて(図中矢印B方向)光を出射する。
【0051】
さらに、集光部112は、導光体110から出射して原稿Gに照射され、原稿Gから反射した光(=反射光)を受光素子126に案内する(集光する)。また、受光素子126が、原稿Gから反射した光(=反射光)を、受光して電気信号に変換する。このようにして、読取装置100は、原稿Gに形成された画像を読み取る。
【0052】
(要部構成)
次に、一対のレンズアレイ152及び遮光部材150が取り付けられている部分の筐体114の構成と、一対のレンズアレイ152と、遮光部材150とについて説明する。なお、
図9に示されるように、遮光部材150、一対のレンズアレイ152、及び受光基板102は、原稿G側から、この順番で上方側から下方側に並んでいる。なお、以後の説明では、遮光部材150側のレンズアレイ152を一方のレンズアレイ152と称し、受光基板102側のレンズアレイ152を他方のレンズアレイ152と称することがある。
【0053】
〔筐体114〕
筐体114には、
図11に示されるように、装置奥行方向に延び、かつ装置上下方向に貫通して開口する開口部130が形成されている。そして、筐体114において開口部130の上端には、装置奥行方向に延び、かつ上方を向く一対の上向き面132が形成されている。この一対の上向き面132は、装置幅方向において開口部130を間において配置されている。遮光部材150は、この一対の上向き面132に上方から載せられて、固定材166により筐体114に固定されている。
【0054】
さらに、筐体114には、装置奥行方向に延び、かつ開口部130を装置幅方向から挟む一対の側面134が形成されており、この一対の側面134には、上方を向く一対の段差面136と、装置奥行方向に延びて上方を向く一対の段差面137と、装置奥行方向に延びて上方を向く一対の段差面138とが形成されている。ここで、一対の段差面136は、一対の段差面137において装置奥行方向に間隔をあけて複数形成された一対の凹部140a(
図17参照)における一対の底面のことである。また、一対の上向き面132、一対の段差面137、一対の段差面136、及び一対の段差面138が、この順番で上方側から下方側に並んでいる。そして、一対のレンズアレイ152は、一対の段差面138に上方から載せられて、凹部140aに注入された図示せぬ固定材により筐体114に固定されている。
【0055】
また、装置上下方向において段差面138と段差面137との間の部分の側面134が、一対のレンズアレイ152を装置幅方向から挟む一対の挟み面140とされている。
【0056】
〔レンズアレイ152〕
レンズアレイ152は、透明な樹脂材料であるポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて一体的に形成されており、装置奥行方向に延びる直方体状とされている。レンズアレイ152は、光学部材の一例である。
【0057】
レンズアレイ152は、
図12、
図13に示されるように、上方を向くと共に上方から見て装置奥行方向に延びる矩形状の上面152aと、下方を向くと共に下方から見て装置奥行方向に延びる矩形状の下面152bとを有している。さらに、レンズアレイ152は、上面152aの装置幅方向の両端縁に形成され、上面152aから上方に突出すると共に装置奥行方向に延びる突起154と、下面152bの装置幅方向の両端縁に形成され、下面152bから下方に突出すると共に装置奥行方向に延びる突起156とを有している。
【0058】
また、上面152a及び下面152bには、上面152aの平面状の部分又は下面152bの平面状の部分から突出する複数の凸面158が夫々形成されている。なお、この凸面158は、球状とされ、凸面158の上面152aの平面状の部分又は下面152bの平面状の部分からの突出量は、突起154、156の上面152aの平面状の部分又は下面152bの平面状の部分からの突出量と比して小さくされている。なお、上面152aの平面状の部分から突出する複数の凸面158の突出量と、下面152bの平面状の部分から突出する複数の凸面158の突出量は、同様とされている。また、上面152aの平面状の部分から突出する突起154の突出量と、下面152bの平面状の部分から突出する突起156の突出量は、同様とされている。
【0059】
この球状の凸面158は、装置奥行方向に沿って2列の千鳥状に並んで配置されている(
図14参照)。そして、一方の列に並んでいる凸面158の個数と、他方の列に並んでいる凸面158の個数とは同様とされている。なお、「千鳥状」とは、「互い違いに」とう言う意味である。そして、上面152aから突出する凸面158と下面152bから突出する凸面158とは、上方から見て同様の位置に配置されている。換言すると、1個のレンズアレイ152(一方のレンズアレイ152又は他方のレンズアレイ152)において、上面152aから突出する凸面158と、下面152bから突出する凸面158とは、装置上下方向において対向している。また、装置奥行方向に隣り合う凸面158の間隔と、装置奥行方向に対して一方に傾斜する方向に隣り合う凸面158の間隔と、装置奥行方向に対して他方に傾斜する方向に隣り合う凸面158の間隔とは、同様とされている。
【0060】
そして、レンズアレイ152に形成された凸面158は、
図15に示されるように、遮光部材150に形成された後述する貫通孔170と装置上下方向で対向するように、レンズアレイ152が配置されている。
【0061】
さらに、凸面158の直径(
図15のd01であって上方から見た凸面158の直径)は、遮光部材150の貫通孔170の直径(
図15のd11)と比して大きくされている。そして、凸面158において、装置上下方向で貫通孔170と対向する部分が、本実施形態では、レンズ面144とされている。換言すれば、レンズアレイ152において貫通孔170を下方へ投影した部分が、レンズ面144とされている。そして、上面152aに形成されたレンズ面144と下面152bに形成されたレンズ面144とによって、
図11に示されるように、ロッドレンズアレイにおけるロッドレンズに相当する厚レンズ164が形成されている。換言すると、1個のレンズアレイ152において装置上下方向で対向する一対の凸面158により、厚レンズ164が構成されている。このため、本実施形態において、厚レンズ164の光軸方向は、装置上下方向とされている。
【0062】
つまり、遮光部材150、一方のレンズアレイ152、他方のレンズアレイ152、及び受光基板102は、原稿G側から、この順番で厚レンズ164の光軸方向に並んでいる。なお、厚レンズ164は、レンズの一例である。
【0063】
さらに、本実施形態では、他方のレンズアレイ152には、一方のレンズアレイ152の天地(上下)を反転(=180回転)させたものが用いられている。つまり、一方のレンズアレイ152と他方のレンズアレイ152とは、装置上下方向において対称とされている。
【0064】
また、
図14、
図16に示されるように、一方のレンズアレイ152の厚レンズ164と、他方のレンズアレイ152の厚レンズ164とは、上方から見て、重なるように、夫々のレンズアレイ152の突起154、156の頂部が突き合わされる。
【0065】
そして、夫々のレンズアレイ152の突起154、156の頂部が突き合された状態で、夫々のレンズアレイ152を跨ぐように固定材148(例えば、UV硬化性接着剤)が塗布され、固定材148で、夫々のレンズアレイ152が互いに固定されている。具体的には、
図16に示されるように、レンズアレイ152の側面152cにおいて、装置奥行方向に間隔を空けて複数個所に固定材148が設けられており、この固定材148は、レンズアレイ152の側面152cから、装置幅方向の両側に突出している。固定材148は、凸部の一例である。
【0066】
このため、
図11、
図17に示されるように、筐体114の挟み面140には、側面152cから突出している固定材148を逃げる(固定材148が挟み面140に接触することを回避する)ため、凹部140aが形成されている。凹部140aの挟み面140からの凹み量は、固定材148の側面152cからの突出量と比して大きくされている。また、凹部140aは、装置上下方向において、一対のレンズアレイ152を固定する固定材148が配置されている領域よりも深くまで形成されている。
【0067】
さらに、
図15に示されるように、遮光部材150側に配置された一方のレンズアレイ152の上面152aには、遮光膜146が形成されている。具体的には、遮光膜146は、上面152aにおいて平面状の部分と、レンズ面144の外周部分とに形成されている。換言すると、遮光膜146は、上面152aの平面状の部分と、上面152aにおけるレンズ面144を除く凸面158と、レンズ面144の周縁部とに形成されている。ここで、「遮光膜」とは、光透過率(JIS K 7105)が、30〔%〕以下の膜である。なお、遮光膜146の光透過率については、30〔%〕以下でよく、15〔%〕以下が好ましく、5〔%〕以下がより好ましい。このように、遮光膜は、光が透過するのを抑制する透過抑制手段として機能している。
【0068】
本実施形態では、一例として、遮光膜146は、黒色の塗装(=塗膜)であって、インクジェット工法によって、上面152aに形成される。
【0069】
なお、前述したように、装置上下方向で貫通孔170と対向する部分が、本実施形態では、厚レンズ164のレンズ面144とされている。換言すれば、厚レンズ164の直径(
図15のd02)は、貫通孔170の直径d11と同様とされている。
【0070】
そして、レンズ面144において、遮光膜146が形成されていない露出部分の直径(
図15のd03)は、レンズ面144の直径d02と比して小さくされている。換言すれば、露出部分の直径d03は、貫通孔170の直径d11と比して小さくされている。一方のレンズアレイ152の上面152aは、面の一例である。
【0071】
つまり、凸面158の直径d01と、厚レンズ164の直径d02と、厚レンズ164のレンズ面144において遮光膜146が覆われていない露出部分の直径d03とには、下記式(1)が成り立っている。
d01>d02>d03・・・・・(1)
【0072】
なお、本実施形態では、一例として、直径d01は、0.5〔mm〕とされ、レンズ面144の直径d02は、0.45〔mm〕とされ、レンズ面144の露出部分の直径d03は、0.4〔mm〕とされている。また、隣り合う厚レンズ164の間隔(ピッチ)は、0.55〔mm〕とされている。
【0073】
また、前述したように、他方のレンズアレイ152には、一方のレンズアレイ152の天地を反転(=180回転)させたものが用いられている。このため、他方のレンズアレイ152の下面152bにも、一方のレンズアレイ152の上面152aと同様に遮光膜146が形成されている。他方のレンズアレイ152の下面152bは、他方の面の一例である。そして、一対のレンズアレイ152は、固定材(例えば、UV硬化性接着剤)を用いて筐体114に固定されている。
【0074】
〔遮光部材150〕
遮光部材150は、
図18、
図19に示されるように、装置奥行方向に延びており、遮光部材150には、装置上下方向に貫通した複数の円筒状の貫通孔170が形成されている。この遮光部材150は、貫通孔170に光を通すことで、貫通孔170を通らない光(=不要光、例えば、装置上下方向に対して傾斜した方向の光)を遮光するための部材である。換言すれば、この遮光部材150は、貫通孔170に光を通すことで、画像の読み取りにおいて不要な光(=不要光、例えば、厚レンズ164の光軸方向に対して傾斜した方向の光)を遮光するための部材である。装置奥行方向は、一方向の一例である。
【0075】
そして、遮光部材150は、
図11に示されるように、筐体114に形成された開口部130と貫通孔170とが装置上下方向で対向するように配置されている。貫通孔170は、孔の一例である。
【0076】
複数の貫通孔170は、上方から見て、レンズアレイ152に形成された複数のレンズ面144(
図15参照)と重なっている。このため、貫通孔170は、
図18、
図19に示されるように、装置奥行方向に沿って2列の千鳥状に並んで配置されている。また、装置奥行方向に隣り合う貫通孔170の間隔と、装置奥行方向に対して傾斜する方向に隣り合う貫通孔170の間隔とは、隣り合う厚レンズ164の間隔と同様とされている。
【0077】
本実施形態では、一例として、遮光部材150の装置奥行方向の長さ(
図18のL1)は、336〔mm〕とされ、貫通孔170の直径(
図19のd11)は、前述したように、0.45〔mm〕とされている。また、貫通孔170の間隔(ピッチ)は、0.55〔mm〕とされている。
【0078】
そして、遮光部材150は、装置奥行方向に延びている12個の遮光部160を、装置奥行方向に並べた状態で固定材166(例えば、UV硬化性接着剤)を用いて筐体114に対して固定することで形成されている。具体的には、固定材166は、
図11に示されるように、筐体114の上向き面132と遮光部材150とを跨ぎ、装置奥行方向に間隔を空けて複数箇所に設けられている。
【0079】
-遮光部160-
遮光部160は、黒色の樹脂材料(例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂))によって、一体的に成形されている。本実施形態では、一例として、
図20(A)に示す遮光部160の装置奥行方向の長さ(
図20(A)のL2)は、28〔mm〕とされており、装置上下方向の厚さ(
図20(B)のT01)は、5〔mm〕とされている。
【0080】
また、遮光部160は、
図20(A)(B)に示されるように、装置奥行方向に延びている基本部162aと、装置奥行方向において基本部162aの両側に夫々配置され、基本部162aに対して装置幅方向の両側に張り出した張出部162bとを有している。装置幅方向は、交差方向の一例である。
【0081】
本実施形態では、一例として、張出部162bは、基本部162aに対して装置幅方向の両側に夫々、0.3〔mm〕張り出しており、張出部162bの幅(
図20(A)のW2)は、2.6〔mm〕とされている。また、上方から見て、遮光部160の外形は、遮光部160の重心(
図20(A)で示すG1)に対して点対称とされている。
【0082】
そして、
図17に示されるように、上方から見て、隣り合う遮光部160の張出部162bが、筐体114の挟み面140に形成された凹部140aを全て覆っている。これにより、張出部162bは、原稿Gから反射した光が凹部140aを通ってレンズアレイ152に入射するのを抑制している。つまり、張出部162bは、光が凹部140aを通るのを抑制する抑制手段として機能している。
【0083】
また、
図20(A)に示されるように、遮光部160には、貫通孔170が形成されており、装置奥行方向における遮光部160の両端部には、装置上下方向に延びているU字状の溝172が夫々2個形成されている。
【0084】
さらに、遮光部160の装置奥行方向の一端において装置上下方向の上側の部分には、
図21に示されるように、装置奥行方向に突出する第一突起174が形成されている。さらに、遮光部160の装置奥行方向の他端において装置上下方向の下側の部分には、装置奥行方向に突出する第二突起176が形成されている。なお、第一突起174、及び第二突起176は、溝172によって、3個に分割されている。
【0085】
また、
図22、
図23に示されるように、複数の遮光部160を装置奥行方向に並べて固定した状態で、隣り合う一方の遮光部160と他方の遮光部160の溝172が対向することで、1個の貫通孔170が形成されるようになっている。ここで、一方の遮光部は、具体的には、
図21~
図23における紙面左側に図示された遮光部160のことである。また、他方の遮光部は、具体的には、
図21~
図23における紙面右側に図示された遮光部160のことである。
【0086】
そして、第一突起174と第二突起176とは、装置奥行方向で隣り合う溝172が対向することで形成される2個の貫通孔170の部分を除いて装置幅方向の全域において、装置上下方向で重なっている。換言すれば、第一突起174と第二突起176とは、隣り合う遮光部160が装置上下方向で近接かつ対向する部分全域で、装置上下方向で重なっている。さらに、
図21に示されるように、第二突起176の第一突起174側には、上方を向いた上向き面176aが形成されている。さらに、第一突起174の第二突起176側には、下方を向いた下向き面174aが形成されている。また、第一突起174の第二突起176側には、下方を向いた下向き面が形成されている。このため、隣り合う遮光部160が装置上下方向で近接かつ対向する部分全域とは、上向き面176aと下向き面が近接かつ対向している部分のことである。なお、近接とは、例えば100μ以内の間隔が形成されていることであり、間隔が0(=接触)も含む概念である。また、上向き面176aは、交差面の一例である。
【0087】
また、装置奥行方向で隣り合う遮光部160の間には、遮光部160の単品ばらつき等を吸収するために隙間が形成されている。換言すると、遮光部160は、当該隙間が形成されるように、第一突起174及び第二突起176の装置奥行方向の長さ(突出量)が設定されている。ここで、「単品ばらつき」とは、部品の製造ばらつきのことであり、個々の遮光部160が有する加工寸法のばらつきのことである。遮光部160は、装置奥行方向に長く、樹脂材料によって一体的に成形されている。このため、遮光部160の装置奥行方向の長さは、成形収縮の影響を受け易く、ばらつきが生じ易い。
【0088】
さらに、
図24に示されるように、遮光部160の貫通孔170の直径をd11とし、貫通孔170の間隔(ピッチ)をPとし、遮光部160の厚さをT01とし、装置上下方向(=光軸方向)におけるレンズアレイ152の上面152aの平面部分と遮光部160との距離をL11とすると、下記式(2)が成り立っている。換言すれば、装置上下方向におけるレンズアレイ152と遮光部材150との距離をL11とすると、下記式(2)が成り立っている。
0<L11≦T01(P/d11-1)・・・・・(2)
【0089】
なお、L11は、Lの一例であって、T01は、Tの一例であって、d11はDの一例である。
【0090】
これにより、貫通孔170を通る光の中で、最も装置上下方向に対して傾斜した光B01が、貫通孔170に対向する厚レンズ164の隣の厚レンズ164に入射するのを抑制するようになっている。
【0091】
(読取装置の製造方法)
次に、本実施形態の読取装置の製造方法について、比較形態に係る読取装置の製造方法と比較しつつ説明する。先ず、比較形態に係る読取装置の製造方法に用いられる遮光部材350及び筐体414と、比較形態に係る読取装置の製造方法とについて説明する。なお、遮光部材350については、遮光部材150と異なる部分を主に説明し、筐体414ついては、筐体114と異なる部分を主に説明する。
【0092】
〔比較形態に係る読取装置の製造方法に用いられる遮光部材350〕
比較形態に係る読取装置の製造方法に用いられる遮光部材350は、装置奥行方向に延びている12個の遮光部360を、固定材166を用いて筐体414に対して固定することで形成されている。
【0093】
遮光部360は、
図31に示されるように、基本部162aと、装置奥行方向において基本部162aの両側に夫々配置され、基本部162aに対して装置幅方向の両側に張り出した張出部162bとを有している。さらに、遮光部360において下方を向いた下面364には、下方に突出する円錘状の凸部362a、362bが形成されている。
【0094】
凸部362aは、下面364において装置幅方向の一方側の部分で、かつ、装置奥行方向の手前側の部分に形成されており、凸部362bは、下面364において装置幅方向の一方側の部分で、かつ、装置奥行方向の奥側の部分に形成されている。さらに、凸部362a、362bは、下面364において筐体414の上向き面132(
図32参照)と接触する部分に配置されている。
【0095】
〔比較形態に係る読取装置の製造方法に用いられる筐体414〕
比較形態に係る読取装置の製造方法に用いられる筐体414の上向き面132には、
図30に示されるように、
図31に示す遮光部360の凸部362aが嵌る凹部432aと、
図31に示す遮光部360の凸部362bが嵌る凹部432bとが形成されている。凹部432aは、上方から見て円状で、凸部362aが凹部432aに嵌った状態で、凸部362aの装置幅方向及び装置奥行方向の位置が決められるようになっている。また、凹部432bは、上方から見て装置奥行方向に延びる長円状で、凸部362bが凹部432bに嵌った状態で、凸部362bの装置幅方向の位置が決められるようになっている。
【0096】
〔比較形態に係る読取装置の製造方法〕
比較形態に係る読取装置の製造方法では、先ず、
図32に示されるように、複数の受光素子126を備えた受光基板102、及び受光素子126に入射する光が通過する複数の厚レンズ164(
図11参照)を有する一対のレンズアレイ152が固定された筐体414を準備する。
【0097】
次に、
図29に示されるように、装置奥行方向の奥側から手前側に向かって遮光部360を、1個ずつ筐体414に固定させる。以下の説明では、装置奥行方向の奥側から手前側に向かって遮光部360a、遮光部360b、遮光部360c・・・と称する。
【0098】
先ず、最も装置奥行方向の奥側の遮光部360aを筐体414に固定させる。具体的には、遮光部360aの凸部362a(
図31参照)を筐体414の上向き面132における最も装置奥行方向の凹部432aに嵌め、遮光部360aの凸部362b(
図31参照)を筐体414の上向き面132における最も装置奥行方向の凹部432bに嵌める。こうして、遮光部360aを筐体414に位置決めした状態で、遮光部360を固定材166(例えば、UV硬化性接着剤。
図11参照)を用いて筐体414に固定させる。
【0099】
この要領で、遮光部360b、遮光部360c、・・・・を順番に筐体414に固定させる。さらに、一対の導光体110等の残りの部材を筐体414に取り付けて比較形態に係る読取装置が製造される。
【0100】
このように、比較形態に係る読取装置の製造方法では、遮光部360の凸部362a、362bを筐体414の上向き面132の凹部432a、432bに嵌めることで、遮光部360が筐体414に位置決めされる。このため、遮光部360の単品の精度ばらつき、及び筐体414の単品の精度ばらつき、及び組付けばらつき等により、筐体414に固定されたレンズアレイ152の厚レンズ164と遮光部360の貫通孔170との相対的な位置精度が低くなっている。これにより、例えば、受光素子126が受光する光量がばらついてしまう。
【0101】
〔本実施形態に係る読取装置の製造方法〕
本実施形態に係る読取装置の製造方法では、先ず、
図25に示されるように、複数の受光素子126を備えた受光基板102、及び受光素子126に入射する光が通過する複数の厚レンズ164(
図11参照)を有する一対のレンズアレイ152が固定された筐体114を準備する。
【0102】
次に、
図28に示されるように、装置奥行方向の奥側から手前側に向かって遮光部160が、1個ずつ筐体114に固定される。以下の説明では、装置奥行方向の奥側から手前側に向かって遮光部160a、遮光部160b、遮光部160c・・・・と称する。
【0103】
先ず、
図28に示す遮光部160aを、
図26に示されるように、装置上下方向においてレンズアレイ152に対向させる。具体的には、遮光部160aは、図示せぬロボットハンドで把持して上向き面132に載せ、レンズアレイ152に対向させる。なお、この状態では、遮光部160aの下面と一方の上向き面132とが接触している装置幅方向にける長さと、遮光部160aの下面と他方の上向き面132とが接触している装置幅方向にける長さとが同様となっている。また、この状態では、ロボットハンドによる遮光部160aの把持を維持(=継続)している。
【0104】
次に、
図27に示されるように、遮光部160aに上方から光B02を照射し、貫通孔170を通り、一対のレンズアレイ152を通過した光の光量を受光素子126で測定しつつ遮光部160を装置奥行方向の一方又は他方へ移動させる。
【0105】
具体的には、光照射装置500から光B02を出射させる。この光B02は、貫通孔170を通り、一対のレンズアレイ152の厚レンズ164(
図11参照)を通過して受光素子126に到達する。受光素子126は、受光素子126に到達した光B02を光電変換する。受光素子126により光電変換された電気信号は、受光素子126に電気的に接続された光量測定装置(図示省略)に送られ、当該光量測定装置により光量を測定する。なお、この光量測定装置では、遮光部160の貫通孔170を通って一対のレンズアレイ152を通過した光の光量が測定されるように、固定される遮光部160aの位置によって、どの受光素子126から電気信号を受け取るかが入力されている。換言すると、光量測定装置は、受光素子126毎に、受光素子126が受光した光の光量の電気信号を記憶する。具体的には、600dpiの画質の場合、光量測定装置は、600個の受光素子126全てから入力した600個(600画素分)の電気信号をA/D変換してデジタルデータとして記憶する。そして、光量測定装置は、
図34に示すように、600個のデジタルデータを、横軸を画素(受光素子126)、縦軸を光の光量としたグラフにプロットする(
図34のJ)。
【0106】
そして、光量を受光素子126で測定しつつ遮光部160を装置奥行方向の一方又は他方へ移動させて、全ての受光素子126で測定される光量の平均値を予め決められた基準値以上とする。換言すると、受光素子126を用いて光量測定装置で測定される光量(
図34のK)の平均値(
図34のL)が予め定められた基準値(
図34のI)以上になるように、遮光部160aを把持したロボットハンドは、装置幅方向の位置を維持した状態で(=装置幅方向に移動させないで)、装置奥行方向の一方又は他方へ遮光部160aを移動させる。そして、光量の平均値が基準値以上となった状態(=時点、
図34のL)で、ロボットハンドは、遮光部160の装置奥行方向の移動を停止させる。
【0107】
次に、遮光部160aに光B02を照射させて、貫通孔170を通り、一対のレンズアレイ152を通過した光の光量を受光素子126で測定しつつ遮光部160を装置幅方向の一方又は他方へ移動させる。
【0108】
具体的には、光照射装置500からの光B02の出射は停止されることなく継続させる。この光B02は、貫通孔170を通り、一対のレンズアレイ152の厚レンズ164(
図11参照)を通過して受光素子126に到達する。受光素子126は、受光素子126に到達した光B02を光電変換する。受光素子126により光電変換された電気信号は、受光素子126に電気的に接続された前記した光量測定装置に送られ、当該光量測定装置により光量を測定する(
図34のK)。そして、光量を受光素子126で測定しつつ遮光部160aを装置幅方向の一方又は他方へ移動させて、受光素子126で測定された光量の最大値と最小値との差を予め決められた基準値以下とする。換言すると、光量測定装置で測定される光量の最大値と最小値(との差が予め定められた基準値以下になるように、遮光部160aを把持したロボットハンドは、装置奥行方向の位置を維持した状態で(=装置奥行方向に移動させないで)、遮光部160aを装置幅方向の一方又は他方へ移動させる。そして、光量の最大値(
図34のMAX)と最小値(
図34のMIN)との差が基準値以下となった状態(=時点、
図34のM)で、ロボットハンドは、遮光部160の装置幅方向の移動を停止させる。
【0109】
なお、光の光量の平均値を基準値以上にした後、装置奥行方向の位置を維持した状態で、遮光部160を装置幅方向の一方又は他方へ移動させても、受光素子126で測定される光量の平均値が基準値以上となっている状態は維持される。光量の平均値は遮光部160の装置奥行方向の位置に大きく依存するからである。
【0110】
次に、遮光部160aを固定材166(例えば、UV硬化性接着剤。
図11参照)を用いて筐体114に固定する。遮光部160aが固定材166を用いて筐体114に固定されると、ロボットハンドは、遮光部160aに対する把持を解除し、次に筐体114に固定する遮光部160bを把持する。
【0111】
この要領で、
図28に示す遮光部160b、遮光部160c、・・・・を順番に1個ずつ筐体114に固定させることで、複数の遮光部160から構成される遮光部材150が、形成される。
【0112】
さらに、一対の導光体110等の残りの部材を筐体114に取り付けて本実施形態に係る読取装置が製造される。
【0113】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態に係る読取装置の製造方法では、遮光部160に光を照射させて、貫通孔170を通り、レンズアレイ152を通過した光の光量を受光素子126で(=受光素子126を用いて)測定しつつ遮光部160を移動させ、遮光部160を筐体114に固定させる。このため、比較形態に係る読取装置の製造方法のように、レンズアレイ152が固定された筐体414に対して位置決め形状を用いて遮光部360を位置決めする場合と比して、筐体114に固定されたレンズアレイ152の厚レンズ164と遮光部160の貫通孔170との相対的な位置精度が高くなる。
【0114】
また、上記実施形態では、装置奥行方向のみに遮光部160を移動させ、全ての受光素子126で(=全ての受光素子126を用いて)測定される光量の平均値を基準値以上とする。ここで、遮光部160を通る光量の絶対値は、遮光部160の装置奥行方向の位置に大きく依存する。このため、装置奥行方向に対して蛇行させながら遮光部160を移動させて(=遮光部160を装置幅方向に往復移動させながら、装置奥行方向に移動させて)全ての受光素子で測定される光量の平均値を基準値以上とする場合と比して、全ての受光素子で測定される光量の平均値が短い時間で基準値以上となる。
【0115】
また、上記実施形態では、受光素子126で測定される光量の平均値を基準値以上とした状態で(=受光素子126を装置奥行方向に移動させないで)、装置幅方向のみに遮光部160を移動させ、受光素子126で測定された光量の最大値と最小値との差を基準値以下とする。ここで、遮光部160を通る光量のばらつきは、遮光部160の装置幅方向の位置に大きく依存する。このため、遮光部を装置奥行方向だけに移動させる場合と比して、受光素子で測定される光量の最大値と最小値との差が基準値以下となる。
【0116】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る読取装置の製造方法について説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態に対して異なる部分を主に説明する。
第1実施形態に係る読取装置の製造方法では、
図28に示されるように、装置奥行方向の奥側から手前側に向かって遮光部160が1個ずつ筐体114に固定される。つまり、最初に筐体114に固定される遮光部160の位置は、筐体160における装置奥行方向の最も奥側である。
【0117】
これに対し、第2実施形態に係る読取装置の製造方法では、原稿G側に配置されるレンズアレイ152に形成された厚レンズ164において、予め測定された隣り合う厚レンズ164の間隔(=中心間距離)に基づいて、遮光部160を筐体114に固定させる。
【0118】
そして、遮光部160を筐体114に固定する場合に、隣り合う厚レンズ164の間隔が最も狭い部分に対応する位置の遮光部160を最初に筐体114に固定させる。そして、最初に固定された遮光部160の装置奥行方向の奥側に隣接する位置から順番に、最初に固定された遮光部160から離れる向きに一個ずつ遮光部160を筐体114に固定させる。次に、最初に固定された遮光部160の装置奥行方向の手前側に隣接する位置から順番に、最初に固定された遮光部160から離れる向きに一個ずつ遮光部160を筐体114に固定させる。
つまり、第2実施形態は、第1実施形態に対して、最初に筐体114に固定する遮光部160の位置と、最初に筐体114に固定した遮光部160に対してその後の遮光部160を固定する順番が異なるのみであり、その他は同じである。
【0119】
ここで、隣り合う厚レンズ164の間隔が狭い部分(以下、「狭部分」と称する場合がある。)に対応する位置の遮光部160については、間隔が狭部分よりも広い(=間隔が隣り合う貫通孔170の間隔と同様の)部分(以下、「広部分」と称する場合がある。)に対応する位置の遮光部160と比して、遮光部160を移動させて全ての受光素子126で測定される光量が基準値を満足するのに時間を要する。具体的には、狭部分に対応する位置の遮光部160を筐体114に固定するときは、広部分に対応する位置の遮光部160を筐体114に固定するときよりも大きく(=長い距離)遮光部160を装置奥行方向に移動させなければならない場合が生じ易い。このため、隣り合う厚レンズ164の間隔とは無関係に遮光部160を筐体114に固定させる場合は、狭部分に対応する位置の遮光部160を筐体114に固定するときに、受光素子126で測定される光量が基準値を満足するように当該遮光部160を装置奥行方向に大きく移動させると、既に固定材116を用いて筐体114に固定された他の遮光部160に衝突してしまう場合がある。そうすると、固定材116を用いて筐体114に固定された他の遮光部160は、筐体114から固定材116と共に取り外して、遮光部160の筐体114への取り付けを最初から行う必要が生じる。
【0120】
これにより、隣り合う厚レンズ164の間隔が最も狭い部分に対応する位置の遮光部160を最初に筐体114に固定させることで、隣り合う厚レンズ164の間隔とは無関係に(例えば、隣り合う厚レンズ164の間隔とは無関係に、装置奥行方向の端部から順番に遮光部を筐体114に固定させる場合と比して、遮光部160を移動させて全ての受光素子126で測定される光量が基準値を満足するのに要する時間が短くなる。換言すれば、隣り合う厚レンズ164の間隔が最も狭い部分に対応する位置の遮光部160を最初に筐体114に固定させることで、装置奥行方向の端部から順番に遮光部を筐体114に固定させる場合と比して、筐体114に全ての遮光部160を固定させる総時間が短くなる。
【0121】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。上記実施形態では、遮光部材150は、複数の遮光部160から形成されたが、例えば、遮光部材が、樹脂材料で一体的に形成されてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、遮光部160を筐体114に固定させたが、
図33に示されるように、遮光部160をレンズアレイ152に載せ、固定材566を用いて遮光部160をレンズアレイ152に固定させてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、全ての受光素子126で測定される光量の平均値を基準値以上としたが、例えば、全ての受光素子126で測定される光量を他の基準値以上としてもよい。しかし、この場合には、全ての受光素子126で測定される光量の平均値を基準値以上とすることで奏する作用は奏しない。
【0124】
また、上記実施形態では、受光素子126で測定された光量の最大値と最小値との差を基準値以下としたが、例えば、装置奥行方向で隣り合う受光素子で測定された光量の差を基準値以下としてもよい。しかし、この場合には、受光素子126で測定された光量の最大値と最小値との差を基準値以下とすることで奏する作用は奏しない。
【符号の説明】
【0125】
100 読取装置
102 受光基板(基板の一例)
126 受光素子
150 遮光部材
152 レンズアレイ(光学部材の一例)
160 遮光部
164 厚レンズ(レンズの一例)
170 貫通孔(孔の一例)