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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】粉粒体空気送出装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/46 20060101AFI20240220BHJP
   B65G 65/32 20060101ALI20240220BHJP
   F16K 31/54 20060101ALI20240220BHJP
   F16K 31/44 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B65G53/46
B65G65/32 B
F16K31/54
F16K31/44 C
F16K31/44 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020049590
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021147190
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】多田 淳
(72)【発明者】
【氏名】中野 航
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-103081(JP,A)
【文献】特開2018-127317(JP,A)
【文献】実開昭55-115501(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第00324103(GB,A)
【文献】米国特許第01369649(US,A)
【文献】中国実用新案第204999334(CN,U)
【文献】特開2009-040544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/46
B65G 65/32
F16K 31/54
F16K 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を供給して排出するタンクにおいて、前記タンクの内部から供給口を開閉する円錐台形の受入弁と、
前記タンクの外部から前記受入弁と連結する可動接続体を備え、
前記受入弁の上下移動のため前記可動接続体を動かす駆動部が、前記タンクへ向かって延伸する供給管の入口近傍から前記タンクの上部までを断面L字型に覆うハウジングと離間して、
前記タンク円筒胴体部の円筒軸に対して直交軸上または平行軸上に配されて傾転可能に設置されるとともに、
前記可動接続体は、前記受入弁と連結した弁棒と往復動自在なスライダを有するリンクであって、
前記駆動部には、前記リンクと連結したロッドを有するシリンダを備え、
前記シリンダの内部空間を前記ロッドが進退移動することで、前記スライダを有するリンクと前記弁棒を介して、前記受入弁を上下移動させ、供給口の開閉を行なうことを特徴とする粉粒体空気送出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
粉粒体空気送出装置(セラ式空気送出装置)に係り、特に高圧タンクへ粉粒体を供給する供給口の開閉を切り替えるための粉粒体空気送出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉粒体空気送出装置は、大量の粉粒体を搬送する手段として利用されている。その多くは、専用船に搭載されており、専用船を岸壁などの陸岸に接岸して船倉の粉粒体を陸上のサイロへ空気輸送している。
【0003】
専用船の船倉内の粉粒体は、船内の底部からバケットコンベヤなどによって粉粒体空気送出装置の高圧タンクの上部にある供給口まで搬送される。
高圧タンクの供給口は、シリンダによって、円錐台形状の受入弁を上下移動させて開閉しており、粉粒体の供給時には受入弁を下げて開放し粉粒体をタンク内に受け入れている。
【0004】
高圧タンク内へ設定量まで粉粒体を充填した後、シリンダによって受入弁を上げて供給口を閉じる。高圧タンク内へ粉粒体の供給後、タンク内にエアが供給されると、受入弁の周面が供給口に均等に押圧接触されて供給口が閉塞される。このとき、タンク内の内圧を0.39~0.69MPa程度に保持しながら、下部にある排出弁を開放し輸送管を介して陸上のサイロへ空気輸送し貯留する。
【0005】
粉粒体空気送出装置の輸送原理は、タンク内の高圧空気と粉粒体の混合体をタンク内圧よりも低い供給先へ、圧力差を利用して搬送している。一般的には、図1に示すように、高圧タンクを2槽に並べて1組の双胴型としたタイプのものが多く適用されており、交互に受け入れて搬送を繰り返して、ほぼ連続的に搬送を行なっている。
【0006】
従来の粉粒体空気送出装置の高圧タンク内側の受入弁が当たる部分には、タンク側に設けた弁座の周面が押圧接触するゴム製のリング状のバルブシートパッキンと金属製のバルブシート押さえが取り付けられているが、上下の開閉動作によって摺動摩耗や経年劣化が生じるとバルブシート押さえの金属が接触しても、ゴムの弾性によるシール効果が得られなくなり、シール不足から高圧タンクの内圧が上昇しなくなる。すると、粉粒体を送出できなくなるため受入弁の点検が重要となっている。
しかしながら、受入弁は高圧タンク内部から押し当てられて取り付けてあるため、外部から目視での点検作業は困難で、受入弁の点検は高圧タンクを開放して減圧した後、タンク内に作業者が入って行なっている。
受入弁は高圧タンク内の最上部に位置するため、狭いタンク内部に足場と照明を設置しなければならず、閉所かつ高所作業で粉塵雰囲気下にあるため、作業環境は悪く、危険である。
【0007】
特許文献1に開示の粉粒体空気送出装置は、初期異常を高圧タンク外部から容易に検知できる弁構造を提供している。これにより、タンク外部から受入弁の点検が可能になるため、突発的な作業停止のリスクを防げる。
また、異常時には高圧タンク外部からの初期診断をすることによって、タンク内へ入ってから予想外のトラブルに見舞われて点検期間の延長や費用が嵩んでしまうことを防ぎ、タンク内での危険な作業時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-127317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1において高圧タンク外部から異常を検知した場合は、タンク内にて作業を行なわなければならず、タンク内で作業を行なう手間がかかる作業を排除しきれない。
【0010】
また、従来、粉粒体空気送出装置の高圧タンクの上方向かつ同軸上に受入弁と駆動部であるシリンダが配置している。この構造において、シリンダのロッドを上下移動(進退移動)し、受入弁を上下移動させて供給口の開閉を行なっている。
シリンダと高圧タンク頂部の供給口との間にはハウジングが設けられており、シリンダのロッドと受入弁を接続する弁棒を囲っている。この弁棒を囲っているハウジングの中途部分から斜め上方へ供給管が分岐しており、タンクへ向かって供給管が延伸している。シリンダによって受入弁を移動させて供給口を開けたところに、この供給管を介して粉粒体が高圧タンク内へ供給される。
供給時には、供給される粉粒体や高圧タンク内の粉粒体が巻き上げられて、ハウジング内において粉塵が発生する。
【0011】
シリンダのロッドが上下移動(進退移動)によってハウジングの内面に当接する部分はOリングでシールされている。しかし、受入弁の開閉を何度も繰り返すと、摩耗や経年劣化が生じる。さらに、ロッドに付着したハウジング内の粉塵がOリングに噛み込まれると、Oリングの摩耗や劣化が進行する。これらの原因によって、隙間が生じるとシール性が低下してしまう。
このように、シール性が低下すると、搬送運転に支障を来すだけでなく、高圧タンクからの粉粒体が粉塵となってシリンダ内へ入り込むこと等によって、シリンダが故障して受入弁の作動不良が生じる。
【0012】
本発明は、以上、説明した問題点に鑑みてなされたものであり、シリンダ内に粉粒体が入り込まないような弁構造と、受入弁の点検・メンテナンス作業をタンクの外部にて効率的かつ安全に行えるようになる弁構造を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための第1の手段として、
粉粒体を供給して排出するタンクにおいて、前記タンクの内部から供給口を開閉する円錐台形の受入弁と、
前記タンクの外部から前記受入弁と連結する可動接続体を備え、
前記受入弁の上下移動のため前記可動接続体を動かす駆動部が、前記タンクへ向かって延伸する供給管の入口近傍から前記タンクの上部までを断面L字型に覆うハウジングと離間して、
前記タンク円筒胴体部の円筒軸に対して直交軸上または平行軸上に配されて傾転可能に設置されるとともに、
前記可動接続体は、前記受入弁と連結した弁棒と往復動自在なスライダを有するリンクであって、
前記駆動部には、前記リンクと連結したロッドを有するシリンダを備え、
前記シリンダの内部空間を前記ロッドが進退移動することで、前記スライダを有するリンクと前記弁棒を介して、前記受入弁を上下移動させ、供給口の開閉を行なうことを特徴とする粉粒体空気送出装置を提供することにある。
上記第1の手段によれば、シリンダ内に粉粒体が入り込まないようになり、さらに点検口を設けられるスペースを確保できるため受入弁の点検・メンテナンス作業をタンクの外部にて効率的かつ安全に行なうことができる。
【0014】
また、上記第の手段によれば、シリンダ内に粉粒体が入り込まないようになり、さらに点検口を設けられるスペースを確保できるため受入弁などの点検・メンテナンス作業をタンクの外部にて効率的かつ安全に行なうことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タンクの同軸上に駆動部となるシリンダを設けないため、粉粒体侵入によるシリンダ故障を防ぐことができる。
また、タンクの外部の点検口から常に動作状況や劣化を確認することができるため、突発的なトラブルに対しても迅速かつ効率的に対応を行なえる。
さらに、この点検口から作業者が交換作業などを容易に行なえるため、危険作業の回避や作業効率の向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来の粉粒体空気送出装置の構成概略図である。
図2】本発明のシリンダとリンクを用いた粉粒体空気送出装置の弁構造の説明図であり、(a)は180度リンクを用いた実施形態を、(b)は90度リンクを用いた実施形態を示している。
図3】本発明のシリンダと滑車を用いた粉粒体空気送出装置の弁構造の説明図であり、(a)は滑車1つを用いた実施形態を、(b)は滑車2つを用いた実施形態を示している。
図4】本発明のモータとピニオンを用いた粉粒体空気送出装置の弁構造の説明図である。
図5】従来の粉粒体空気送出装置の弁構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0021】
[従来の粉粒体空気送出装置の構成]
図1は、従来の粉粒体空気送出装置1の構成概略図である。図示のように、粉粒体空気送出装置1には2槽の高圧タンク12a、12bが設けられており、供給管15を介して開放した供給口14から左右の高圧タンク12a、12bへ交互に粉粒体を受け入れている。
つまり、高圧タンク12bの供給口14を開放して粉粒体を受け入れている時、高圧タンク12aの供給口14は閉塞されている。
さらに、高圧タンク12a、12bに受け入れた粉粒体は、排出弁を開放して、コンプレッサ3による圧縮空気によって地上サイロ2まで搬送後、貯留される。このようにして、左右のタンクで交互に粉粒体の受け入れと圧送を繰り返し、ほぼ連続的に搬送を行なっている。
【0022】
[従来の粉粒体空気送出装置の弁構造]
図5に示す従来の粉粒体空気送出装置の弁構造10において、高圧タンク12の上方に設けられたシリンダ11のロッド18が上方向へ移動(前進移動)することで、受入弁16の上部に設けられた弁棒17を介して、タンク内に配した受入弁16が上方向へ移動(前進移動)して供給口14を閉塞する。また、シリンダ11のロッド18が下方向へ移動(後退移動)することで、破線で示すようにタンク内に配した受入弁16が下方向へ移動して供給口14を開放する。
以下、シリンダ11の円筒容器からロッド18が出る方向を前進移動、円筒容器内へロッド18が入る方向を後退移動とする。
【0023】
[本発明の粉粒体空気送出装置の弁構造]
本発明の粉体空気送出装置においても、従来の粉粒体空気送出装置1と同様に受入弁16の上部に設けられた弁棒17を介して、タンク内に配した受入弁16がシリンダ11のロッド18が進退移動させることで、受入弁16を上下移動し、粉粒体が供給される供給口14を開閉する。
また、受入弁16の上部に設けられた弁棒17は、ハウジング13の上部を貫通して突出した部分が可動接続体を介して、該ハウジング13外からシリンダ11のロッド18を進退移動させる駆動部を、ハウジング13の上部(弁棒の貫通部)と離間させて設けている。
【0024】
またハウジング13は供給管の入口近傍から高圧タンクの上部までをL字型に覆っており、L字型とはハウジングの断面形状を示す。本発明においては、L字型に類似する断面形状を持つハウジング構造に変更可能である。
【0025】
本発明の実施形態は、図1に示す従来の粉粒体空気送出装置1と同じ構成であって、粉粒体空気送出装置の弁構造は図2、3、4に示す通りである。
図2、3には駆動部にシリンダ11を、図4には駆動部にモータ41を用いた粉粒体空気送出装置の弁構造をそれぞれ示す。
【0026】
図2、3に示した粉粒体空気送出装置の弁構造20a、20b、30a、30bは、受入弁16に弁棒17が連結しており、弁棒17とシリンダ11の間を、スライダ21を有するリンク24a、24b又は滑車33、34を跨ぐ索条体32が架け渡されている。
[本発明のシリンダとリンクを用いた粉粒体空気送出装置の弁構造]
【0027】
図2に示す本発明の粉粒体空気送出装置の弁構造20a、20bにおいて、シリンダ11のロッド18とリンク24a、24bが接続しており、リンク24a、24bのスライダ21を介して弁棒17と連結した受入弁16は、シリンダ11のロッド18が進退移動をすることで、上下移動をする。
粉粒体の供給において、以下に示す作動を繰り返しており、ロッド進退移動に伴って、シリンダ11は第2ピン23を中心に、シリンダ11の固定面から傾転可能となっている。
【0028】
図2(a)において、粉粒体の供給時、破線で示すように、シリンダ11のロッド18を前進移動させると、180度の直線リンク24aが第1ピン22を中心に傾転するため、リンク24aが有するスライダ21のスライダリンク機構によって、弁棒17と連結した受入弁16が下方向へ移動して供給口14を開放する。粉粒体の充填が完了したら、シリンダ11のロッド18を後退移動させ、リンク24aが弁棒17と垂直に交わった状態にすることで、弁棒17と連結した受入弁16が上方向へ移動して供給口14を閉塞する。
【0029】
図2(b)において、粉粒体の供給時、破線で示すように、シリンダ11のロッド18を後退移動させると、90度のリンク24bが第1ピン22を中心に傾転するため、リンク24bが有するスライダ21のスライダリンク機構によって、弁棒17と連結した受入弁16が下方向へ移動して供給口14を開放する。粉粒体の充填が完了したら、シリンダ11のロッド18を前進移動させ、リンク24bが弁棒17と垂直に交わった状態にすることで、弁棒17と連結した受入弁16が上方向へ移動して供給口14を閉塞する。
【0030】
図2(a)に示す180度の直線リンク24aを使用する場合は、シリンダ11は縦にした状態でハウジング13の側面にタンクの平行軸上に設けられ、図2(b)に示す90度リンク24bを使用する場合は、シリンダ11は横にした状態で船倉内にタンクの交軸上に設けられる。このように、船倉の高さや形状に応じて、使用するリンクを選択することができる。
また使用するリンクの角度は、実施形態で示した90度や180度に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において変更可能である。
[本発明のシリンダと滑車を用いた粉粒体空気送出装置の弁構造]
【0031】
図3に示す本発明の粉粒体空気送出装置の弁構造30a、30bにおいて、索条体32が滑車33に掛けられており、索条体32と連結した受入弁16は、シリンダ11のロッド18が進退移動をすることで、上下移動をする。
【0032】
図3(a)において、粉粒体の供給時、破線で示すように、シリンダ11のロッド18を前進移動させると、ロッド18と接続した索条体32が滑車33を跨ぎ、弁棒17を介して連結した受入弁16が下方向へ移動して供給口14を開放する。粉粒体の充填が完了したら、シリンダ11のロッド18を後退移動させ、ロッド18に接続した索条体32が滑車33を跨いで連結した受入弁16を上方向へ移動させることで供給口14を閉塞する。
【0033】
図3(b)において、シリンダ11のロッド18と接続した索条体32は2つの滑車33と34を跨いでおり、粉粒体の供給時、破線で示すように、シリンダ11のロッド18を前進移動させると、ロッド18に接続した索条体32が滑車33と34をそれぞれ跨いだ状態で撓むため、自重によって弁棒17を介して受入弁16と連結した滑車34が下方向へ移動して供給口14を開放する。粉粒体の充填が完了したら、シリンダ11のロッド18を後退移動させ、ロッド18に接続した索条体32が滑車33と34をそれぞれ跨いだ状態で、滑車34が持ち上がり上方向へ移動することで供給口14を閉塞する。
【0034】
滑車を1つ用いた場合よりも滑車を2つ用いた場合の方が、受入弁16を上方向へ移動させる力が2倍大きくかかるため、供給口14を閉塞する力も大きくなる。つまり、滑車の数を増やす分だけ受入弁16による供給口14の閉塞力が大きくなるといった効果が期待できる。
【0035】
図3の実施形態において、少なくとも1つの滑車が設置され、その滑車にはスプロケットホイールやプーリーが用いられるのが好ましい。また、滑車に掛けられる索条体としてはチェンやワイヤ、ベルト、ロープなどが好ましい。
[シリンダを用いた粉粒体空気送出装置の弁構造の発明の効果]
【0036】
上記のように本発明において、従来の粉粒体空気送出装置の弁構造10と同様に駆動部にシリンダを用いた図2図3に示した形態を実施すると、高圧タンク12の上方にシリンダ11が同軸上に設置されていないため、シリンダ11内への粉粒体の侵入を防止できる構造となり、シリンダ11の故障を防ぐことができる。
また、図5で示した従来の粉粒体空気送出装置の弁構造10と異なり、シリンダ11のロッド18がハウジング13の内面と当接しない構造であり、ハウジング13の内面と弁棒17の当接部分においてOリングからグランドパッキン26に置き換えることが可能になる。そのため、Oリングの摩耗や劣化により隙間が生じシール性が低下する問題も防ぐことができる。
【0037】
そして、本発明の粉粒体空気送出装置において、シリンダ11の取り外しは容易な構造であるため、従来の構造と比べて、シリンダ11自体のメンテナンス性が向上する。
さらに、高圧タンク12の上方に点検口25を設けられるスペースを確保できるため、点検口25を利用して、受入弁16やグランドパッキン26の点検・メンテナンス作業を高圧タンク12の外部にて効率的かつ安全に行なうことができる。
[本発明のモータを用いた粉粒体空気送出装置の弁構造]
【0038】
図4に示す本発明の粉粒体空気送出装置の弁構造40において、ラック42と弁棒17を介して連結した受入弁16は、モータ41によってピニオン43に回転を加えると、ラック42に設けられた歯の末端付近に設置された上限・下限を検知する検知器まで水平に移動をする直動機構を利用して、上下移動をする。
【0039】
図4において、粉粒体の供給時、モータ41によって回転がピニオン43に加えられると、破線で示すように、ラック42に設けられた歯の上端までピニオン43と噛み合ってラック42が動くことで、受入弁16は下方向へ移動して供給口14を開放する。粉粒体の充填が完了したら、モータ41によって供給時とは逆方向の回転がピニオン43に加えられ、ラック42に設けられた歯の下端までピニオン43と噛み合ってラック42が動くことで、受入弁16は上方向へ移動して供給口14は閉塞する。
【0040】
上記のラック・アンド・ピニオン機構以外にも、直動機構であればボール・ナット機構であっても良い。
[モータを用いた粉粒体空気送出装置の弁構造の発明の効果]
【0041】
図4に示した形態を実施すると、駆動部にシリンダやOリングを用いる必要がないため、シリンダの故障やOリングの摩耗などによる作動不良を回避することができる。
また、高圧タンク12の上方に点検口25を設けられるスペースを確保できるため、点検口25を利用して、受入弁16やグランドパッキン26の点検・メンテナンス作業を高圧タンク12の外部にて効率的かつ安全に行なうことができる。
【0042】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、粉粒体を圧縮空気によって搬送を行なう食品加工業、医薬品製造、建設資材の製造などの各種工業分野において、有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 従来の粉粒体空気送出装置
2 地上サイロ
3 コンプレッサ
10 従来の粉粒体空気送出装置の弁構造
11 シリンダ
12、12a、12b 高圧タンク
13 ハウジング
14 供給口
15 供給管
16 受入弁
17 弁棒
18 ロッド
20a、20b、30a、30b、40 本発明の粉粒体空気送出装置の弁構造
21 スライダ
22 第1ピン
23 第2ピン
24a、24b リンク
25 点検口
26 グランドパッキン
32 索条体
33、34 滑車
41 モータ
42 ラック
43 ピニオン
図1
図2
図3
図4
図5