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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】乗物用ヘッドレスト
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/879 20180101AFI20240220BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20240220BHJP
   A47C 7/72 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B60N2/879
A47C7/38
A47C7/72
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020095274
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021187331
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村知 良亮
(72)【発明者】
【氏名】横井 翔太
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-255735(JP,A)
【文献】特表2017-525456(JP,A)
【文献】特開2019-108118(JP,A)
【文献】特開2010-214997(JP,A)
【文献】特開2019-167040(JP,A)
【文献】特開平06-282279(JP,A)
【文献】特開平08-328570(JP,A)
【文献】特表2005-503904(JP,A)
【文献】特開2016-221810(JP,A)
【文献】特開2008-295597(JP,A)
【文献】特開平04-308899(JP,A)
【文献】実開平02-092749(JP,U)
【文献】米国特許第05133017(US,A)
【文献】独国特許発明第10036435(DE,C1)
【文献】特開2011-078089(JP,A)
【文献】特開2013-022402(JP,A)
【文献】国際公開第2019/145283(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/076120(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - B60N 2/90
A47C 7/00 - A47C 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座者の頭部を支持するヘッドレスト本体を備える乗物用ヘッドレストであって、
前記ヘッドレスト本体の乗物側壁に近い側の側部に、乗物内で発生する騒音を検知して逆位相の相殺音を放出するアクティブノイズキャンセルシステムのマイクロフォンを有し、
前記ヘッドレスト本体が、着座者の頭部を弾性的に支持するパッドと、該パッドを覆うカバーと、を有し、
前記マイクロフォンが、集音性を高める集音孔を有するマイクケースの内部に組み付けられ、前記マイクケースが、前記パッドの内部に埋設されて前記カバーに前記集音孔を内側から向けて当接した状態に設けられ、
前記カバーが皮革製の表皮材を有し、該表皮材の前記マイクロフォンが内側に設けられる領域に通気性を高める貫通孔が形成される乗物用ヘッドレスト。
【請求項2】
請求項1に記載の乗物用ヘッドレストであって、
前記カバーが、前記表皮材と、該表皮材の裏面に積層状に設けられる面状のスラブウレタンと、該スラブウレタンの裏面に積層状に接着される非通気性の面状のカバーフィルムと、を有する3層構造とされ、
前記カバーフィルムの前記マイクロフォンが内側に設けられる領域に、前記集音孔を外側へと連通させるフィルム孔が形成され、前記マイクケースが前記カバーフィルムに内側から当接した状態に設けられる乗物用ヘッドレスト。
【請求項3】
請求項2に記載の乗物用ヘッドレストであって、
前記パッドが、前記カバーと一体に発泡成形され、
前記マイクケースが、両面テープにより前記カバーフィルムの裏面に前記フィルム孔の周囲を内側からシールした状態に仮固定され、前記カバーに前記パッドが一体に発泡成形されることで前記パッドの内部に一体に固定される乗物用ヘッドレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用ヘッドレストに関する。詳しくは、着座者の頭部を支持するヘッドレスト本体を備える乗物用ヘッドレストに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用シートのヘッドレストに設けられたマイクロフォンにより、車室内に発生する低周波の騒音(こもり音)を検知して、その音と逆位相の音をオーディオのスピーカより放出することで騒音を低減するアクティブノイズキャンセル(ANC)システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-105461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、マイクロフォンがヘッドレストの頭凭れ面部に配置されている。そのため、マイクロフォンが着座者の頭部により塞がれて効果的な騒音の低減が行えないおそれがある。そこで、本発明は、車室内に発生する騒音をマイクロフォンにより適切に検知することが可能な乗物用ヘッドレストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の乗物用ヘッドレストは次の手段をとる。
【0006】
すなわち、本発明の乗物用ヘッドレストは、着座者の頭部を支持するヘッドレスト本体を備える乗物用ヘッドレストであって、ヘッドレスト本体の乗物側壁に近い側の側部に、乗物内で発生する騒音を検知して逆位相の相殺音を放出するアクティブノイズキャンセルシステムのマイクロフォンを有する。
【0007】
上記構成によれば、マイクロフォンがヘッドレスト本体の乗物側壁に近い側の側部に設けられることで、乗物内で発生する騒音を着座者の耳に近い位置で検知することができる。また、マイクロフォンを着座者の頭部により塞がれにくいように設けることができ、かつ、着座者にマイクロフォンの設置による異物感を感じさせにくくすることができる。
【0008】
また、本発明の乗物用ヘッドレストは、更に次のように構成されていても良い。ヘッドレスト本体が、着座者の頭部を弾性的に支持するパッドと、パッドを覆うカバーと、を有する。マイクロフォンが、集音性を高める集音孔を有するマイクケースの内部に組み付けられ、マイクケースが、パッドの内部に埋設されてカバーに集音孔を内側から向けて当接した状態に設けられる。
【0009】
上記構成によれば、マイクロフォンを、ヘッドレスト本体の内部に、ヘッドレスト本体の見栄えとマイクロフォンの集音性とを損なわないように設けることができる。
【0010】
また、本発明の乗物用ヘッドレストは、更に次のように構成されていても良い。カバーが皮革製の表皮材を有し、表皮材のマイクロフォンが内側に設けられる領域に通気性を高める貫通孔が形成される。
【0011】
上記構成によれば、カバーが通気性の悪い皮革製の表皮材を有する構成であっても、貫通孔を通して、乗物内で発生する騒音をマイクロフォンにより適切に検知することができる。
【0012】
また、本発明の乗物用ヘッドレストは、更に次のように構成されていても良い。カバーが、表皮材と、表皮材の裏面に積層状に設けられる面状のスラブウレタンと、スラブウレタンの裏面に積層状に接着される非通気性の面状のカバーフィルムと、を有する3層構造とされる。カバーフィルムのマイクロフォンが内側に設けられる領域に、集音孔を外側へと連通させるフィルム孔が形成され、マイクケースがカバーフィルムに内側から当接した状態に設けられる。
【0013】
上記構成によれば、非通気性の面状のカバーフィルムを備えるカバーに対し、マイクロフォンを内部に備えるマイクケースを、マイクロフォンの集音性を適切に確保できるように設けることができる。
【0014】
また、本発明の乗物用ヘッドレストは、更に次のように構成されていても良い。パッドが、カバーと一体に発泡成形される。マイクケースが、両面テープによりカバーフィルムの裏面にフィルム孔の周囲を内側からシールした状態に仮固定され、カバーにパッドが一体に発泡成形されることでパッドの内部に一体に固定される。
【0015】
上記構成によれば、マイクケースを、パッドをカバーと一体に発泡成形するのに併せて、パッドの内部にマイクロフォンの集音性を損なわないように適切に埋設した状態に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る乗物用ヘッドレストの構成を表す斜視図である。
図2】乗物用ヘッドレストの分解斜視図である。
図3】乗物用ヘッドレストの側面図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
《第1の実施形態》
(乗物用ヘッドレストの概略構成について)
始めに、本発明の第1の実施形態に係るヘッドレスト(乗物用ヘッドレスト)1の構成について、図1図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係るヘッドレスト1は、自動車の左側のフロントシート(図示省略)に搭載されている。上記ヘッドレスト1は、着座者の頭部を弾性的に支持するヘッドレスト本体2と、ヘッドレスト本体2を支持するヘッドレストステー3と、を備える。
【0020】
図2に示すように、ヘッドレスト本体2は、発泡ウレタン製のパッド4と、パッド4を覆う合成皮革製のカバー5と、で構成される。上記ヘッドレスト本体2は、パッド4がカバー5と一体に発泡成形される表皮一体発泡工法により形成されている。それにより、ヘッドレスト本体2は、袋状に縫製されたカバー5の内部に、発泡成形されたパッド4が全域に亘って密着した状態に充填された構成とされる。
【0021】
ヘッドレストステー3は、中空丸棒部材が側面視略逆L字状に折り曲げられた左右一対のフレーム材から成る。上記ヘッドレストステー3は、その左右一対のフレーム材の前上側の端部間に、樹脂製平板状の支承部6が架け渡し状に結合された構成とされる。上記支承部6は、ヘッドレスト本体2の内部で前側に面を向け、ヘッドレスト本体2の前面部に掛けられる着座者の頭部の荷重を後側から面状に支持する構成とされる。
【0022】
図1及び図3に示すように、ヘッドレスト本体2の車両側壁に近い左側の側部には、マイクロフォン7が内蔵されている。このマイクロフォン7は、車内で発生する低周波の騒音(こもり音)を検知して逆位相の相殺音を放出するアクティブノイズキャンセル(ANC)システムの騒音検知部とされる。上記アクティブノイズキャンセルシステムは、マイクロフォン7によって検知した車内の騒音と逆位相の相殺音を車内のオーディオのスピーカより放出することで、車内にこもる騒音を低減する公知の制御システムである。
【0023】
上記マイクロフォン7は、図2及び図4に示すように、略矩形状のマイクケース8の内部に組み付けられて、ヘッドレスト本体2の内部に埋め込まれている。上記マイクロフォン7に接続される配線7Aは、ヘッドレスト本体2の内部からヘッドレストステー3の内部に通されている。そして、上記配線7Aは、その端部に接続された不図示のコネクタが、ヘッドレストステー3の下端部に下方に露出した状態に固定され、車体側から配策される不図示の配線のコネクタと接続される。
【0024】
上記マイクロフォン7を収めたマイクケース8は、パッド4をカバー5と一体に発泡成形する際に、両面テープ9によりカバー5の裏面に仮固定され、カバー5内にパッド4が発泡成形されることでパッド4の内部に一体に固定された状態とされる。詳しくは、上記マイクケース8は、図4に示すように、そのカバー5の裏面に当てられる外側面部の中心部に、マイクロフォン7への集音性を高める丸孔状に貫通した集音孔8Aが形成されている。
【0025】
以下、上記ヘッドレスト1の各部の具体的な構成について詳しく説明する。先ず、カバー5の構成について説明する。図4に示すように、カバー5は、合成皮革製の表皮材5Aと、表皮材5Aの裏面に積層状に設けられる面状のスラブウレタン5Bと、スラブウレタン5Bの裏面に積層状に接着される非通気性の面状のカバーフィルム5Cと、を有する3層構造の構成とされる。
【0026】
上記スラブウレタン5Bは、カバーフィルム5Cにラミネート加工されて一体化されている。そして、スラブウレタン5Bは、表皮材5Aの裏面に積層状に重ねられて、表皮材5Aと互いの周縁部が縫合されて結合されている。
【0027】
図3図4に示すように、上記表皮材5Aのマイクロフォン7が内側(裏側)に設けられる領域には、通気性を高める無数の貫通孔5A1(パーフォレーション)が形成されている。それにより、通気性の低い合成皮革製の表皮材5Aの内側にマイクロフォン7が設けられる構成であっても、貫通孔5A1を通して、車内で発生する騒音をマイクロフォン7により適切に検知することができるようになっている。
【0028】
また、図4に示すように、カバーフィルム5Cのマイクロフォン7が内側に設けられる領域には、マイクケース8の集音孔8Aを外側へと連通させる丸孔状に貫通したフィルム孔5C1が形成されている。上記フィルム孔5C1は、カバーフィルム5Cとラミネート加工されたスラブウレタン5Bと共に厚さ方向に丸孔状に刳り貫かれて形成されている。それにより、スラブウレタン5Bには、上記フィルム孔5C1と連通する丸孔状の刳貫き部5B1が形成されている。
【0029】
しかし、上記刳貫き部5B1には、スラブウレタン5Bと略同一の厚みを備えた別のスラブウレタン5Dが嵌め込まれている。上記別のスラブウレタン5Dの嵌め込みにより、外部から刳貫き部5B1内に水が浸入することが防止される。また、表皮材5Aの刳貫き部5B1に臨む部分が、別のスラブウレタン5Dによって裏側から支持され、適切に張られた状態に保持されるようになっている。
【0030】
次に、マイクロフォン7を収めたマイクケース8をヘッドレスト本体2内に一体的に設ける手順について説明する。先ず、カバー5を、パッド4の発泡成形型(図示省略)内にセットする。次に、マイクケース8を、両面テープ9を用いて、カバーフィルム5Cの裏面にフィルム孔5C1の周囲を内側からシールした状態に仮固定する。
【0031】
具体的には、両面テープ9をマイクケース8の集音孔8Aの周囲の外側面上に貼着して、マイクケース8を集音孔8Aとフィルム孔5C1とが合致するようにカバーフィルム5Cの裏面に押し付ける。それにより、マイクケース8が、カバーフィルム5Cの裏面にフィルム孔5C1の周囲を裏側からシールした状態に仮固定される。
【0032】
次に、カバー5がセットされたパッド4の発泡成形型(図示省略)内に発泡樹脂原料を注入し、型締めして発泡樹脂原料を加熱発泡させる。それにより、加熱発泡された樹脂原料が、カバー5内に発泡圧を掛けた状態に充填され、カバー5をキャビティの形状に沿って内側から張らせた形となって形成される。
【0033】
そして、それにより、マイクケース8が、加熱発泡された樹脂原料の内部に一体的に埋設される。詳しくは、マイクケース8は、その表面の凹凸に発泡樹脂原料が入り込んで硬化するアンカ効果により、パッド4に対して位置ずれしにくいように適切に固定された状態に埋設される。
【0034】
(まとめ)
以上をまとめると、本実施形態に係るヘッドレスト1は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0035】
すなわち、乗物用ヘッドレスト(1)は、着座者の頭部を支持するヘッドレスト本体(2)を備える乗物用ヘッドレスト(1)であって、ヘッドレスト本体(2)の乗物側壁に近い側の側部に、乗物内で発生する騒音を検知して逆位相の相殺音を放出するアクティブノイズキャンセルシステムのマイクロフォン(7)を有する。
【0036】
上記構成によれば、マイクロフォン(7)がヘッドレスト本体(2)の乗物側壁に近い側の側部に設けられることで、乗物内で発生する騒音を着座者の耳に近い位置で検知することができる。また、マイクロフォン(7)を着座者の頭部により塞がれにくいように設けることができ、かつ、着座者にマイクロフォン(7)の設置による異物感を感じさせにくくすることができる。
【0037】
また、ヘッドレスト本体(2)が、着座者の頭部を弾性的に支持するパッド(4)と、パッド(4)を覆うカバー(5)と、を有する。マイクロフォン(7)が、集音性を高める集音孔(8A)を有するマイクケース(8)の内部に組み付けられ、マイクケース(8)が、パッド(4)の内部に埋設されてカバー(5)に集音孔(8A)を内側から向けて当接した状態に設けられる。
【0038】
上記構成によれば、マイクロフォン(7)を、ヘッドレスト本体(2)の内部に、ヘッドレスト本体(2)の見栄えとマイクロフォン(7)の集音性とを損なわないように設けることができる。
【0039】
また、カバー(5)が皮革製の表皮材(5A)を有し、表皮材(5A)のマイクロフォン(7)が内側に設けられる領域に通気性を高める貫通孔(5A1)が形成される。
【0040】
上記構成によれば、カバー(5)が通気性の悪い皮革製の表皮材(5A)を有する構成であっても、貫通孔(5A1)を通して、乗物内で発生する騒音をマイクロフォン(7)により適切に検知することができる。
【0041】
また、カバー(5)が、表皮材(5A)と、表皮材(5A)の裏面に積層状に設けられる面状のスラブウレタン(5B)と、スラブウレタン(5B)の裏面に積層状に接着される非通気性の面状のカバーフィルム(5C)と、を有する3層構造とされる。カバーフィルム(5C)のマイクロフォン(7)が内側に設けられる領域に、集音孔(8A)を外側へと連通させるフィルム孔(5C1)が形成され、マイクケース(8)がカバーフィルム(5C)に内側から当接した状態に設けられる。
【0042】
上記構成によれば、非通気性の面状のカバーフィルム(5C)を備えるカバー(5)に対し、マイクロフォン(7)を内部に備えるマイクケース(8)を、マイクロフォン(7)の集音性を適切に確保できるように設けることができる。
【0043】
また、パッド(4)が、カバー(5)と一体に発泡成形される。マイクケース(8)が、両面テープ(9)によりカバーフィルム(5C)の裏面にフィルム孔(5C1)の周囲を内側からシールした状態に仮固定され、カバー(5)にパッド(4)が一体に発泡成形されることでパッド(4)の内部に一体に固定される。
【0044】
上記構成によれば、マイクケース(8)を、パッド(4)をカバー(5)と一体に発泡成形するのに併せて、パッド(4)の内部にマイクロフォン(7)の集音性を損なわないように適切に埋設した状態に組み付けることができる。
【0045】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
【0046】
1.本発明の乗物用ヘッドレストは、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも適用することができるものである。
【0047】
2.マイクロフォンは、ヘッドレスト本体に内蔵されるものの他、ヘッドレスト本体の側部に外付けされるものであっても良い。
【0048】
3.ヘッドレスト本体のカバーを構成する表皮材は、合成皮革の他、本革から成るものであっても良い。また、表皮材は、ファブリックから成るものであっても良い。また、ヘッドレスト本体は、パッドがカバーと一体発泡されるものの他、パッドにカバーが後から被せられる構成であっても良い。その場合、カバーは、パッドとの接触面に設けられる裏面材が、織物から成るものであっても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 ヘッドレスト(乗物用ヘッドレスト)
2 ヘッドレスト本体
3 ヘッドレストステー
4 パッド
5 カバー
5A 表皮材
5A1 貫通孔
5B スラブウレタン
5B1 刳貫き部
5C カバーフィルム
5C1 フィルム孔
5D 別のスラブウレタン
6 支承部
7 マイクロフォン
7A 配線
8 マイクケース
8A 集音孔
9 両面テープ
図1
図2
図3
図4