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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】位置検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G01D5/12 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020126074
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2022023265
(43)【公開日】2022-02-08
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】若月 彩奈
(72)【発明者】
【氏名】菊井 佑樹
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-60560(JP,A)
【文献】実開平4-110940(JP,U)
【文献】特開平8-191524(JP,A)
【文献】特開平9-223876(JP,A)
【文献】特開2006-78222(JP,A)
【文献】特開2010-117207(JP,A)
【文献】特開昭62-198066(JP,A)
【文献】特開2018-4384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/38
G01P 3/00-3/80
H05K 7/00
G01L 7/00-23/32、
27/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出の対象の移動に応じて軸線を中心に回転する回転体と、
前記回転体の回転を検出する検出素子が取り付けられた回路基板と、
前記回転体及び前記回路基板を収容するケースと、
前記回路基板と電気的に接続される配線部と、を備え、
前記ケースは、前記回路基板と対向する底部と、前記底部から立って前記回路基板を囲む外周壁部と、を有し、
前記外周壁部は、間隔を空けて互いに対向する第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部及び前記第2壁部を連結する第3壁部と、を有し、
前記底部、前記第1壁部、前記第2壁部及び前記第3壁部の4箇所のうち、2以上の箇所に、前記配線部を前記回路基板から外部に引き出すことを可能とする切り欠きが設けられ、
前記2以上の箇所に設けられた前記切り欠きのうち、特定の切り欠きには前記配線部を通すグロメットが装着され、他の切り欠きには当該他の切り欠きを閉塞する蓋が装着され
前記配線部は、N(Nは4以上の整数)本のコードを有し、
前記回路基板は、前記コードが接続されるランド部であって、N角形の各頂点に相当する位置に設けられたランド部を有する、
位置検出装置。
【請求項2】
前記他の切り欠きは、前記特定の切り欠きに対応する形状の対応切り欠きを含む、
請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記切り欠きは、前記4箇所のうち、3以上の箇所に設けられ、
前記対応切り欠きは、2つ以上ある、
請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記第3壁部に前記特定の切り欠きが設けられている場合、当該特定の切り欠きに装着される前記グロメットは、前記回路基板の主面が向く方向、又は、前記第3壁部が向く方向に前記配線部を通す、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記検出素子は、複数あり、
Nは、前記検出素子の個数の倍数である、
請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記回転体は、磁石を有し、
前記検出素子は、前記回転体の回転によって変化する前記磁石による磁場に基づき、前記回転体の回転を検出する磁気検出素子である、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の位置検出装置は、位置検出の対象の移動に応じて回転する回転体と、回転体の回転を検出する検出素子が取り付けられた回路基板と、回転体及び回路基板を収容するケースと、を備える。この位置検出装置は、回路基板と電気的に接続される配線部が、ケースに形成された切り欠きから任意の一方向に引き出された構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-75413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構造では、配線部の引き出し方向を変更しようとすると、切り欠きの位置が異なるケースを別個に用意する必要が生じるため、当該引き出し方向の変更が容易でない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、配線部の引き出し方向の変更が容易である位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る位置検出装置は、
位置検出の対象の移動に応じて軸線を中心に回転する回転体と、
前記回転体の回転を検出する検出素子が取り付けられた回路基板と、
前記回転体及び前記回路基板を収容するケースと、
前記回路基板と電気的に接続される配線部と、を備え、
前記ケースは、前記回路基板と対向する底部と、前記底部から立って前記回路基板を囲む外周壁部と、を有し、
前記外周壁部は、間隔を空けて互いに対向する第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部及び前記第2壁部を連結する第3壁部と、を有し、
前記底部、前記第1壁部、前記第2壁部及び前記第3壁部の4箇所のうち、2以上の箇所に、前記配線部を前記回路基板から外部に引き出すことを可能とする切り欠きが設けられ、
前記2以上の箇所に設けられた前記切り欠きのうち、特定の切り欠きには前記配線部を通すグロメットが装着され、他の切り欠きには当該他の切り欠きを閉塞する蓋が装着され、
前記配線部は、N(Nは4以上の整数)本のコードを有し、
前記回路基板は、前記コードが接続されるランド部であって、N角形の各頂点に相当する位置に設けられたランド部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配線部の引き出し方向の変更が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る位置検出装置の平面図。
図2】同上実施形態に係る位置検出装置の図1に示すA-A線での断面図。
図3】同上実施形態に係る回路基板及びケースの平面図。
図4】同上実施形態に係る第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子の電圧の変化特性を示すグラフの図。
図5】(a)及び(b)は、一方向から配線部を引き出した場合の同上実施形態に係る位置検出装置の斜視図。
図6】(a)及び(b)は、図5と異なる方向から配線部を引き出した場合の同上実施形態に係る位置検出装置の斜視図。
図7】(a)及び(b)は、図5及び図6と異なる方向から配線部を引き出した場合の同上実施形態に係る位置検出装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
位置検出装置100は、図1図2に示すように、レバー10と、回転体20と、磁気検出素子30と、回路基板40と、センサホルダ50と、配線部60と、ケース70と、制御部80と、を備える。位置検出装置100は、例えば、車両内において運動を行う対象(以下、検出対象と言う。)を検出する。
【0011】
また、位置検出装置100は、図1図2に示すように、ケース70に装着されるグロメットG1及び蓋C1,C2を備える。これらの構成は、図5に示すように、ケース70から配線部60が後述の方向D3に引き出されている場合に対応する。方向D3を含む各方向に配線部60が引き出される場合の構造については、後に詳述する。
【0012】
レバー10は、検出対象に接続される部材である。レバー10は、図1に示すように、軸線AXを中心とした径方向に延びる。レバー10は、図2に示すように、軸線AX上に位置する基端部がビス11によって回転体20に固定される。レバー10の図示しない先端部は、図示しない連結機構を介して、検出対象と連結される。
【0013】
回転体20は、検出対象の移動に応じてレバー10とともに軸線AXを中心に回転する。回転体20は、図2に示すように、磁石21と、主軸22と、磁石21及び主軸22を保持するホルダ23と、シールドカバー24と、を備える。
【0014】
磁石21は、ネオジム、フェライト等の公知の材料から円筒状に形成され、回転体20の回転に伴い磁気検出素子30に磁場の変化を与える。
【0015】
主軸22は、軸線AXを中心とした円柱状をなす。レバー10は、主軸22の一端部に前述のビス11によって固定される。主軸22の他端部は、ホルダ23に保持される。
【0016】
ホルダ23は、樹脂により形成され、円盤部23aと、円盤部23aと連結された円筒部23bと、を有する。ホルダ23は、円筒部23bの内周面で磁石21を保持する。円盤部23aのうち円筒部23bと反対側には、凹部23cが形成されている。この凹部23cに、前述の主軸22の他端部が嵌め込まれている。例えば、磁石21及び主軸22は、インサート成形によりホルダ23と一体で形成される。
【0017】
シールドカバー24は、磁気検出素子30を外部磁場から保護するための部材である。シールドカバー24は、非磁性材料からなり、円筒部23bの外周を覆ってホルダ23に取り付けられている。
【0018】
磁気検出素子30は、回転体20の回転に伴う磁場の変化を検出する。磁気検出素子30は、例えば、ホール素子、オペアンプ等を含むホールIC(Integrated Circuit)からなる。磁気検出素子30は、検出した磁場(磁束密度)の強さに応じた電圧信号を回路基板40へ出力する。磁石21が形成する磁場は回転体20の回転によって変化するため、この電圧信号は、回転体20の回転位置に応じた値を示す。なお、磁気検出素子30は、MR(Magneto Resistive Sensor)素子などを利用した他の公知のセンサであってもよい。
【0019】
この実施形態では、磁気検出素子30は、2つあり、一方を第1磁気検出素子31とし、他方を第2磁気検出素子32とする。第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、回路基板40に取り付けられ、円筒状の磁石21の内部に位置する。第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、それぞれ、軸線AXを中心とする径方向で磁石21と対向する。
【0020】
また、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、図1図2に示すように、軸線AXを中心とする径方向において軸線AXを挟んで互いに対向する。例えば、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、同一形状のものである。また、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、互いに軸線AXに対して線対象の位置に設けられている。つまり、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、一方を、軸線AXを中心に180°回転させた場合に、他方と重なる位置関係である。この位置関係により、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の磁石21に対する相対位置を同様に保つことができる。したがって、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32のいずれに基づいて検出対象の位置を算出した場合でも、検出精度を良好に保つことができる。
【0021】
第1磁気検出素子31と第2磁気検出素子32は、前述の通り同一形状のものであるが、各々が出力する信号の回転体20の回転位置に応じた変化特性が異なる。具体的には、第1磁気検出素子31が出力する第1信号S1と、第2磁気検出素子32が出力する第2信号S2とは、図4に示すように、各々が示す値の回転体20の回転位置に応じた変化特性が異なる。図4の縦軸は、信号が示す値(電圧)を表す。図4の横軸は、軸線AXを中心とした回転体20の基準位置からの回転角度を表す。
【0022】
回路基板40は、各種の電子回路が実装されたPCB(Printed Circuit Board)からなる。回路基板40の主面40a(回路基板40の回転体20に向く面とは反対面)には、回路基板40と第1磁気検出素子31を電気的に接続する端子T1が接続される。同様に、主面40aには、回路基板40と第2磁気検出素子32を電気的に接続する端子T2が接続される。回路基板40において主面40aの反対側にある裏面40bは、回転体20に向く。回路基板40には、軸線AX上に位置する矩形の孔である矩形孔41が形成されている。一端が主面40aに接続された端子T1は、矩形孔41を通って裏面40bの側へ至り、他端が第1磁気検出素子31に接続されている。同様に、一端が主面40aに接続された端子T2は、矩形孔41を通って裏面40bの側へ至り、他端が第2磁気検出素子32に接続されている。端子T1,T2は、主面40aに沿う部分と、当該部分から折り曲げられて軸線AXに沿って延びる部分とを有し、L字状に形成される。端子T1の主面40aに接続される部分と、端子T2の主面40aに接続される部分とは、互いに逆方向に向く。
【0023】
また、回路基板40は、配線部60が接続される接続部42を有する。接続部42は、軸線AXを中心とした径方向に矩形孔41から離れて位置する。接続部42は、詳しくは後述するが、複数のランド部L1~L6を有する。
【0024】
センサホルダ50は、磁気検出素子30(第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32)の姿勢を保つものであり、回路基板40に取り付けられている。センサホルダ50は、回路基板40の裏面40bが向く方向に突出した円筒状の部分を有し、その内部で磁気検出素子30を保持する。当該円筒状の部分は、前述したホルダ23の円筒部23bの内側に位置する。
【0025】
配線部60は、磁気検出素子30からの信号(第1信号S1、第2信号S2)を外部に伝送するための構成である。配線部60は、一端が回路基板40の接続部42と電気的に接続され、他端が制御部80と電気的に接続される。配線部60は、第1信号S1及び第2信号S2の各々を伝送する信号線を含む。1本のコードWは、銅など導電性の金属を絶縁材で被覆して構成される。配線部60は、このコードWを複数束ねることにより構成されている。
【0026】
ここで、磁気検出素子30の個数をN1(N1は2以上の整数)、1個の磁気検出素子30に必要なコードWの本数をN2(N2は2以上の整数)とすると、配線部60は、N=N1×N2の式を満たすN本のコードWを有する。以下、この実施形態では、N2は3(N2=3)であるとする。そうすると、磁気検出素子30は2個(N1=2)であるため、N=2×3=6により、配線部60は、6本のコードWを有する。この6本のコードWの接続態様については、後述する。
【0027】
ケース70は、回転体20及び回路基板40を収容する。ケース70は、図示しない部分によって、搭載対象の装置(例えば、車両内の所定装置)に取り付けられ、固定される。ケース70の詳細形状については、後述する。
【0028】
図1図2に模式的に示す制御部80は、例えば、ケース70の外部に位置し、磁気検出素子30から出力された第1信号S1及び第2信号S2を、配線部60を介して取得する。制御部80は、取得した第1信号S1及び第2信号S2の少なくともいずれかに基づいて、検出対象の位置を算出する。例えば、制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータからなる。
【0029】
制御部80は、第1信号S1及び第2信号S2を取得すると、まず、取得した第1信号S1及び第2信号S2に基づいて第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の故障を判別する。故障の判別は、例えば、以下の手法によって行われる。
【0030】
図4に示すように、第1信号S1及び第2信号S2の変化特性は、それぞれ、一次関数で表すことができる。この実施形態では、第1信号S1の出力は、第2信号S2のγ倍(γ>1)に設定されている。これは、例えば、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32のオペアンプの増幅率の設定により実現可能である。
【0031】
ここで、第2信号S2が示す値(電圧値)をV2、回転体20の回転位置を角度θで表すと、V2=αθ+βという数式が成り立つ。一方、第1信号S1が示す値(電圧値)をV1で表すと、V1=γ(αθ+β)という数式が成り立つ。制御部80のROMには、これら数式を示すデータが予め記憶されている。なお、図4は、γ=2、β=0.5とした場合の例を示している。
【0032】
上記V1とV2の関係を考慮すると、V1/V2が概ねγである場合は、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32はともに正常であることが分かる。ここで、誤差による変動を考慮した定数δ1,δ2(δ1>0,δ2>0)を用いると、(γ-δ1)≦V1/V2≦(γ+δ2)の条件が成り立つ場合、V1/V2が概ねγであると言える。したがって、制御部80は、取得した第1信号S1が示す値V1から、取得した第2信号S2が示す値V2を除した数V1/V2が当該条件を満たす場合に、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32がともに正常であると判別する。なお、δ1=δ2であってもよいし、δ1とδ2の少なくともいずれかは0(ゼロ)であってもよい。また、V1/V2>(γ+δ2)を満たす場合は、V2が想定される値よりも低く、第2信号S2が正常に取得できていないと見做せるため、制御部80は、第2磁気検出素子32が故障していると判別する。また、V1/V2<(γ-δ1)を満たす場合は、V1が想定される値よりも低く、第1信号S1が正常に取得できていないと見做せるため、制御部80は、第1磁気検出素子31が故障していると判別する。
【0033】
制御部80は、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32がともに正常であると判別した場合、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の少なくともいずれかに基づき、回転体20の回転位置を算出する。つまり、制御部80は、前述の数式データを参照し、V1又はV2に対応するθを回転体20の回転位置として算出する。なお、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32がともに正常である場合、V1及びV2の各々に対応するθの平均値を演算し、この平均値を回転体20の回転位置としてもよい。また、制御部80は、第2磁気検出素子32が故障していると判別した場合、第1磁気検出素子31に基づき、回転体20の回転位置を算出する。つまり、制御部80は、前述の数式データを参照し、V1に対応するθを回転体20の回転位置として算出する。また、制御部80は、第1磁気検出素子31が故障していると判別した場合、第2磁気検出素子32に基づき、回転体20の回転位置を算出する。つまり、制御部80は、前述の数式データを参照し、V2に対応するθを回転体20の回転位置として算出する。
【0034】
制御部80は、以上のように回転体20の回転位置を算出すると、予めROM内に記憶された当該回転位置と検出対象の位置との関係を示すデータを参照し、算出した回転位置に対応した検出対象の位置を算出する。そして、制御部80は、図示しない表示装置に算出した検出対象の位置を表示させる。
【0035】
なお、検出対象は、移動に応じて、レバー10及び回転体20を軸線AX周りに回転させるものであれば、その種別は任意であり、直線移動するものであってもよいし、回転移動するものであってもよい。
【0036】
また、回転体20の回転位置と検出対象の位置とは対応関係にあるため、制御部80は、図4に示すグラフの横軸を検出対象の位置に変換した場合の数式データを予めROM内に用意し、制御部80は、V1,V2から直接、検出対象の位置を算出してもよい。
【0037】
また、制御部80は、第1磁気検出素子31からの信号が取得できなかった場合や、第1磁気検出素子31から取得した信号が示す値が異常値を示す場合に、第1磁気検出素子31が故障していると判別してもよい。第2磁気検出素子32の故障についても、同様に判別してもよい。そして、制御部80は、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の双方が故障していると判別した場合、図示しない表示装置に、故障している旨を報知する警告情報を表示させてもよい。
【0038】
(ケース70の詳細形状について)
ケース70は、図2に示すように、回転体20を収容する回転体収容部71と、回路基板40を収容する基板収容部72と、を備える。
【0039】
回転体収容部71は、回転体20を取り囲む形状をなす。回転体収容部71において、軸線AXを中心とする径方向で主軸22と対向する対向部は、円筒形状をなす。当該対向部の内周には、主軸22を受ける軸受71aが設けられている。軸受71aは、回転体20の主軸22を軸線AX周りに回転可能に支持する。例えば、軸受71aは、インサート成形によりケース70と一体で形成される。回転体収容部71の前記対向部の外周には、コイルばね71bが設けられている。コイルばね71bは、軸線AXに沿う方向に復元力を有し、レバー10及びケース70を互いに離れる方向に付勢する。これにより、レバー10を、ケース70に対して安定して回転させることができる。
【0040】
基板収容部72は、回路基板40の裏面40bと対向する底部9と、底部9から主面40aが向く方向に立つとともに、回路基板40を囲む外周壁部90と、を備える。なお、外周壁部90に囲まれた、回路基板40を収容する空間は、図示しない充填部材によって満たされる。この充填部材は、水、埃等から回路基板40を保護するためのものであり、公知のUV硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などから構成される。
【0041】
外周壁部90は、図3に示すように、間隔を空けて互いに対向する第1壁部91及び第2壁部92と、第1壁部91及び第2壁部92を連結する第3壁部93と、円弧壁部94と、を有する。外周壁部90は、回路基板40の主面40aが向く方向に開口している。以下では、外周壁部90の開口端部のうち、第1壁部91、第2壁部92及び第3壁部93に囲まれた部分を、外周壁部90の開口部Hとする。
【0042】
第1~第3壁部91~93は、図3に示すように、主面40aの法線方向から見て、矩形の3辺に相当する位置にそれぞれ設けられる。具体的に、第1壁部91は、接続部42に対して図3での左方に位置する。第2壁部92は、接続部42に対して図3での右方に位置する。第3壁部93は、第1壁部91及び第2壁部92の各々の図3での下端部を連結する。円弧壁部94は、軸線AXを中心とする円弧に沿っており、一端が第1壁部91と連結され、他端が第2壁部92と連結されている。
【0043】
主に図3に示すように、底部9、第1壁部91、第2壁部92及び第3壁部93のそれぞれには、一端が回路基板40に接続される配線部60をケース70の外部に引き出すことを可能とする切り欠き9a,91a,92a,93aが形成されている。なお、後述するように、配線部60は、開口部Hからも引き出し可能である。
【0044】
切り欠き9aは、底部9に設けられ、接続部42の裏側に位置する。切り欠き9aの軸線AXから遠い端は、第3壁部93に至っている。
【0045】
切り欠き91aは、第1壁部91における接続部42に向く部分に設けられている。切り欠き92aは、第2壁部92における接続部42に向く部分に設けられている。切り欠き93aは、第3壁部93における接続部42に向く部分に設けられている。切り欠き91a~93aの上端(主面40aから遠い方の端)は、開口部Hと連通している。切り欠き91a、切り欠き92a、切り欠き93aは、外周壁部90における形成箇所が各々異なるものの、同一形状で形成されている。
【0046】
この実施形態におけるケース70は、一端が接続部42に接続される配線部60が、図2図3等に示す5つの方向D1~D5から引き出し可能に構成されている。図3において、方向D1は左方であり、方向D2は右方であり、方向D3は下方である。図2において、方向D3は下方であり、方向D4は右方であり、方向D5は左方である。具体的に、方向D1は、切り欠き91aから配線部60が引き出される方向である。方向D2は、切り欠き92aから配線部60が引き出される方向である。方向D3は、切り欠き93aから配線部60が引き出される方向である。方向D4は、主面40aが向く方向であって、開口部Hから配線部60が引き出される方向である。方向D5は、裏面40bが向く方向であって、切り欠き9aから配線部60が引き出される方向である。
【0047】
以下では、5つの方向D1~D5の各方向から配線部60が引き出される場合の構成について順に説明する。
【0048】
(方向D3)
図5(a)、(b)に示すように、配線部60がケース70から方向D3へ引き出される場合、切り欠き93aにグロメットG1が装着される。グロメットG1は、ゴム等の弾性部材からなり、切り欠き93aに嵌め込まれる。グロメットG1には、配線部60が有する6本のコードWの各々を通す孔であって、方向D3に向く挿通孔が形成されている。グロメットG1に設けられ、6本のコードWに対応する6つの挿通孔は、例えば、2行3列の態様で配置されている。
また、切り欠き91aには、切り欠き91aを閉塞する蓋C1が装着される。蓋C1は、グロメットG1と同じ材料により形成されている。蓋C1の切り欠き91aに嵌め込まれる部分は、グロメットG1の切り欠き93aに嵌め込まれる部分と同様の形状で形成されている。
また、切り欠き92aには、切り欠き92aを閉塞する蓋C1が装着される。前述の通り、切り欠き92aは、切り欠き91aと同一形状であるため、切り欠き91aと同様に蓋C1を用いることができる。
また、切り欠き9aには、切り欠き9aを閉塞する蓋C2が装着される。蓋C2は、蓋C1と同じ材料により形成されているが、蓋C2とは形状が異なる。蓋C2は、切り欠き9aを閉塞する第1部分と、第3壁部93の外面に回り込む第2部分とを有する。第3壁部93には、蓋C2の第2部分が嵌め込まれる溝93bが形成されている。
【0049】
(方向D1、方向D2)
図示しないが、配線部60をケース70から方向D1へ引き出す場合は、グロメットG1を切り欠き91aに装着し、蓋C1を切り欠き93aに装着すればよい。切り欠き91aと切り欠き93aは同一形状であるため、グロメットG1と蓋C1を入れ替えることができる。その他、切り欠き92aに蓋C1に装着し、切り欠き9aに蓋C2を装着する点は、方向D3の場合と同様である。
また、図示しないが、配線部60をケース70から方向D2へ引き出す場合は、グロメットG1を切り欠き92aに装着し、蓋C1を切り欠き93aに装着すればよい。切り欠き92aと切り欠き93aは同一形状であるため、グロメットG1と蓋C1を入れ替えることができる。その他、切り欠き91aに蓋C1に装着し、切り欠き9aに蓋C2を装着する点は、方向D3の場合と同様である。
【0050】
(方向D4)
図6(a)、(b)に示すように、配線部60がケース70から方向D4へ引き出される場合、切り欠き93aにグロメットG2が装着される。グロメットG2は、グロメットG1と同じ材料からなり、切り欠き93aに嵌め込まれる。グロメットG2は、切り欠き93aに取り付けられて切り欠き93aを閉塞する第1部分と、配線部60が有する6本のコードWの各々を通す挿入孔が形成された第2部分とを有する。第2部分には、方向D4に向く挿通孔が形成されている。グロメットG2の第2部分に設けられ、6本のコードWに対応する6つの挿通孔は、例えば、2行3列の態様で配置されている。なお、グロメットG2の切り欠き93aに嵌め込まれる部分は、前述のグロメットG1の切り欠き93aに嵌め込まれる部分と同様の形状で形成されている。
その他、切り欠き91a及び切り欠き92aの各々に蓋C1が装着され、切り欠き9aに蓋C2が装着される点については、方向D3の説明で述べた構成と同様である。
【0051】
(方向D5)
図7(a)、(b)に示すように、配線部60がケース70から方向D5へ引き出される場合、切り欠き9aにグロメットG3が装着される。グロメットG3は、グロメットG1,G2と同じ材料からなり、切り欠き9aに嵌め込まれる。グロメットG3には、配線部60が有する6本のコードWの各々を通す孔であって、方向D5に向く挿通孔が形成されている。グロメットG3に設けられ、6本のコードWに対応する6つの挿通孔は、例えば、2行3列の態様で配置されている。グロメットG3は、切り欠き9aに取り付けられて配線部60が有する6本のコードWの各々を通す挿入孔が形成された第1部分と、第3壁部93の外面に回り込む第2部分とを有する。グロメットG3の第1部分には、方向D5に向く挿通孔が形成されている。グロメットG3の第1部分に設けられ、6本のコードWに対応する6つの挿通孔は、例えば、2行3列の態様で配置されている。グロメットG3の第2部分は、前述の蓋C2の第2部分と同様に、第3壁部93に形成された溝93bに嵌め込まれる。グロメットG3において、切り欠き9a及び溝93bの各々に嵌め込まれる部分は、前述の蓋C2と同様の形状で形成されている。
また、切り欠き93aには、前述の蓋C1が装着される。切り欠き93aと、切り欠き91a,92aは同一形状であるため、共用の蓋C1を装着することができる。その他、切り欠き91a及び切り欠き92aの各々に蓋C1が装着される点については、方向D3、方向D4の説明で述べた構成と同様である。
【0052】
(接続部42へのコードWの接続態様について)
図3に示すように、回路基板40の接続部42は、6本のコードWに対応して六角形の各頂点に相当する位置に設けられたランド部L1~L6を有する。当該六角形は、例えば正六角形である。例えば、ランド部L1~L6は、それぞれ、コードWの先端の導線部分が挿入されるとともに、接続されるランド穴からなる。6つのランド部L1~L6のうち、任意の3つは回路基板40に形成された配線及び端子T1を介して第1磁気検出素子31と導通し、残りの3つは回路基板40に形成された配線及び端子T2を介して第2磁気検出素子32と導通する。
【0053】
ここで、特に、方向D1~D3のように、回路基板40の側面方向(主面40a又は裏面40bと平行な方向)から配線部60を引き出す場合、方向D1~D3のうち、任意の方向に配線部60を引き出す場合と、他の方向に配線部60を引き出す場合とで、配線部60の回路基板40への接続端の向きが異なる。このため、例えば、任意の方向に配線部60を引き出す場合に適した接続部42(つまり、ランド部L1~L6の配列)を有する回路基板40を用意した場合には、その回路基板40を、他の方向に配線部60を引き出す場合にも用いることが困難である。
しかしながら、この実施形態に係る、前述のように六角形状に配列されたランド部L1~L6によれば、方向D1~D3のみならず、方向D4、D5から配線部60を引き出した場合であっても、共通の回路基板40を用いることができる。これは、六角形状に配列されたランド部L1~L6は、特に配線部60の回路基板40への接続が困難となる方向D1、方向D2、方向D3のいずれの方向に対しても、同様の配列態様となるためである。
【0054】
以下、接続部42へのコードWの接続態様の一例について説明する。
なお、ランド部L1~L6は、軸線AXに最も近いランド部L1から、図3での時計回りに、L2、L3、L4、L5、L6の順で配列されているものとする。また、2行3列の態様でグロメットG1,G2,G3に保持される6本のコードWのうち、同方向に並ぶ3本のコードWの集合を「第1コード群」、他の3本のコードWを「第2コード群」と呼ぶ。第1コード群及び第2コード群の一方は第1磁気検出素子31に対応し、他方は第2磁気検出素子32に対応する。
【0055】
(方向D3)
配線部60が方向D3へ引き出される場合、6本のコードWのうち、第1コード群を構成する3本はランド部L6、L1、L2に接続され、第2コード群を構成する3本はランド部L3、L4、L5に接続される。この場合、第1コード群及び第2コード群の接続端は、回路基板40の主面40aの側からランド部L1~L6に挿入される。
【0056】
(方向D4、D5)
配線部60が方向D4又は方向D5へ引き出される場合、方向D3と同様に、6本のコードWのうち、第1コード群を構成する3本はランド部L6、L1、L2に接続され、第2コード群を構成する3本はランド部L3、L4、L5に接続される。配線部60が方向D4へ引き出される場合、第1コード群及び第2コード群の接続端は、回路基板40の主面40aの側からランド部L1~L6に挿入される。一方で、配線部60が方向D5へ引き出される場合、第1コード群及び第2コード群の接続端は、回路基板40の裏面40bの側からランド部L1~L6に挿入される。
【0057】
(方向D1)
配線部60が方向D1へ引き出される場合、6本のコードWのうち、第1コード群を構成する3本はランド部L5、L6、L1に接続され、第2コード群を構成する3本はランド部L2、L3、L4に接続される。この場合、第1コード群及び第2コード群の接続端は、回路基板40の主面40aの側からランド部L1~L6に挿入される。
【0058】
(方向D2)
配線部60が方向D2へ引き出される場合、6本のコードWのうち、第1コード群を構成する3本はランド部L1、L2、L3に接続され、第2コード群を構成する3本はランド部L4、L5、L6に接続される。この場合、第1コード群及び第2コード群の接続端は、回路基板40の主面40aの側からランド部L1~L6に挿入される。
【0059】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0060】
位置検出装置100は、磁気型に限られず、光学型、静電容量型、接点型等の公知の方式で回転体20の回転を検出するものであってもよい。
【0061】
以上では、磁石21が軸線AXを中心として円筒状に形成される例を示したが、形状は限定されず任意である。磁石21は、軸線AXを中心とした円周方向に沿う形状であればよく、円環状、軸線AXに沿う方向から見て円弧状又は扇状、円周方向に間欠した形状などであってもよい。
【0062】
以上では、底部9、第1壁部91、第2壁部92及び第3壁部93の4箇所の全てに切り欠きを設けた例を説明したが、当該4箇所のうち2以上の箇所に切り欠きが設けられていればよい。
【0063】
また、配線部60がN(Nは4以上の整数)本のコードWを有する場合、回路基板40は、N角形の各頂点に相当する位置に設けられたランド部を有していればよい。また、Nは、磁気検出素子30の個数の倍数であってもよい。
【0064】
以上に説明した位置検出装置100は、以下の特徴を有する。
【0065】
(1-1)位置検出装置100は、位置検出の対象の移動に応じて軸線AXを中心に回転する回転体20と、回転体20の回転を検出する検出素子(例えば、磁気検出素子30)が取り付けられた回路基板40と、回転体20及び回路基板40を収容するケース70と、回路基板40と電気的に接続される配線部60と、を備える。
ケース70は、回路基板40と対向する底部9と、底部9から立って回路基板40を囲む外周壁部90と、を有する。外周壁部90は、間隔を空けて互いに対向する第1壁部91及び第2壁部92と、第1壁部91及び第2壁部92を連結する第3壁部93と、を有する。
底部9、第1壁部91、第2壁部92及び第3壁部93の4箇所のうち、2以上の箇所に、配線部60を回路基板40から外部に引き出すことを可能とする切り欠き(例えば、切り欠き9a,91a~93aのうち2以上の箇所)が設けられている。2以上の箇所に設けられた切り欠きのうち、特定の切り欠きには配線部60を通すグロメット(例えば、グロメットG1~G3)が装着され、他の切り欠きには当該他の切り欠きを閉塞する蓋(例えば、蓋C1,C2)が装着されている。例えば、特定の切り欠きは、配線部60の引き出し方向が方向D1の場合は切り欠き91aであり、方向D2の場合は切り欠き92aであり、方向D3,D4の場合は切り欠き93aであり、方向D5の場合は切り欠き9aである。
この構成によれば、ケース70が複数の引き出し方向へ配線部60を引き出すことが可能に形成されているため、配線部60の引き出し方向の変更が容易である。
【0066】
(1-2)位置検出装置100において、前記他の切り欠きは、前記特定の切り欠きに対応する形状の対応切り欠きを含む。前述のように切り欠き91a~93aの各々は同一形状であるため、例えば、切り欠き91a~93aのうち任意の1つが特定の切り欠きである場合は、他の2つは対応切り欠きである。なお、特定の切り欠きと対応切り欠きが対応するとは、両者が同一の形状に限られず、両者におけるグロメットG1又は蓋C1が取り付けられる部分の形状が同一であればよい。
この構成によれば、配線部60を方向D1~D3へ引き出す場合のグロメットG1及び蓋C1を共用することができるため、製造の効率化を図ることができる。
【0067】
(1-3)前記切り欠きは、4箇所のうち、3以上の箇所に設けられ、前記対応切り欠きは、2つ以上あってもよい。
【0068】
(1-4)第3壁部93に特定の切り欠き(切り欠き93a)が設けられている場合、当該特定の切り欠きに装着されるグロメットG1,G2は、回路基板40の主面40aが向く方向(方向D4)、又は、第3壁部93が向く方向(方向D3)に配線部60を通す。
この構成によれば、配線部60の引き出し方向を方向D3及び方向D4の一方から他方へ変更する場合、グロメットG1,G2を変更するだけでよいため、配線部60の引き出し方向の変更が容易である。
【0069】
(1-5)配線部60は、N(Nは4以上の整数)本のコードWを有し、回路基板40は、コードWが接続されるランド部(例えば、ランド部L1~L6)であって、N角形の各頂点に相当する位置に設けられたランド部を有する。
この構成によれば、前述のように、種々の方向から配線部60を引き出した場合であっても、共通の回路基板40を用いることができる。
【0070】
(1-6)検出素子は、複数あり、Nは、検出素子の個数の倍数であってもよい。
【0071】
(1-7)検出素子は、回転体20の回転によって変化する磁石21による磁場に基づき、回転体20の回転を検出する磁気検出素子30であってもよい。
【0072】
(2-1)また、位置検出装置100において、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、軸線AXを中心とする径方向において軸線AXを挟んで互いに対向する。
この構成によれば、前述のように、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の磁石21に対する相対位置を同様に保つことができる。したがって、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32のいずれに基づいて検出対象の位置を算出した場合でも、検出精度を良好に保つことができる。結果として、信頼性が良好な位置検出装置100を提供することができる。
【0073】
(2-2)磁石21は、軸線AXを中心とした円周方向に沿う形状をなし、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32は、磁石21よりも軸線AXの近くに位置する。
この構成により、第1磁気検出素子31と磁石21の相対位置と、第2磁気検出素子32と磁石21の相対位置とを同様に保ち、磁気回路を共通化することができる。
【0074】
(2-3)第1磁気検出素子31が出力する第1信号S1と第2磁気検出素子32が出力する第2信号S2は、各々が示す値の回転体20の回転位置に応じた変化特性が異なる。
この構成により、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32のいずれが故障しているかを判別可能である。
【0075】
(2-4)位置検出装置100は、第1信号S1及び第2信号S2を取得し、取得した第1信号S1及び第2信号S2に基づいて第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の故障を判別する判別部(例えば、制御部80)をさらに備える。判別部は、第1磁気検出素子31及び第2磁気検出素子32の一方が故障していると判別した場合、他方に基づいて検出対象の位置を検出する。
この構成により、より信頼性が良好な位置検出装置100を提供することができる。
【0076】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0077】
100…位置検出装置
10…レバー
20…回転体、21…磁石
30…磁気検出素子
31…第1磁気検出素子、S1…第1信号、T1…端子
32…第2磁気検出素子、S2…第2信号、T2…端子
40…回路基板、40a…主面、40b…裏面
42…接続部、L1~L6…ランド部
50…センサホルダ
60…配線部、W…コード
70…ケース、71…回転体収容部、72…基板収容部
80…制御部
9…底部、90…外周壁部
91…第1壁部、92…第2壁部、93…第3壁部、H…開口部
9a,91a,92a,93a…切り欠き
G1~G3…グロメット
C1,C2…蓋
AX…軸線
D1~D5…方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7