(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関
(51)【国際特許分類】
H01T 13/54 20060101AFI20240220BHJP
H01T 13/46 20060101ALI20240220BHJP
F02P 13/00 20060101ALI20240220BHJP
F02B 19/12 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01T13/54
H01T13/46
F02P13/00 301J
F02B19/12 D
(21)【出願番号】P 2020129602
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】青木 文明
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 明光
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-107576(JP,A)
【文献】特開昭52-133430(JP,A)
【文献】特開2018-190615(JP,A)
【文献】特開2000-331771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 7/00 - 23/00
F02P 13/00
F02B 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、
該プラグカバー及び上記中心電極に対して電気的に絶縁された浮遊電極(7)と、
該浮遊電極を挿通させて保持しつつ上記ハウジングの先端部に配設された絶縁保持体(6)と、を有し、
上記絶縁碍子の先端側には、一部が上記プラグカバーと上記絶縁保持体とによって囲まれた副燃焼室(51)が形成され、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる複数の噴孔(52)が形成されており、
上記副燃焼室には、上記中心電極と上記浮遊電極との間に形成された第1放電ギャップ(G1)が設けられ、
上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間に形成された第2放電ギャップ(G2)が、上記絶縁保持体の外表面(611)に沿って設けられ、
プラグ軸方向(Z)の先端側から見たとき、上記第2放電ギャップは、少なくとも一つの上記噴孔とプラグ中心軸(C)とを通る直線(L0)から離れた位置に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
【請求項2】
プラグ軸方向の先端側から見たとき、上記直線(L0)と、プラグ中心軸と上記第2放電ギャップとを結ぶ線分(L1)とのなす角度(α1)は、上記直線(L0)の基準となる上記噴孔のある側において、135°以下である、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【請求項3】
上記絶縁保持体は、上記プラグカバーよりも先端側に突出しており、上記第2放電ギャップの少なくとも一部は、上記プラグカバーの先端側における上記絶縁保持体の外周面(612)に沿って形成されている、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(10)であって、
上記スパークプラグは、上記プラグカバーが上記内燃機関の主燃焼室(8)に露出する状態にて配設されており、
上記噴孔は、上記副燃焼室と上記主燃焼室とを連通させており、
少なくとも一つの上記噴孔は、上記主燃焼室に形成される気流(A)の上流側を向いており、
プラグ軸方向の先端側から見たとき、上記第2放電ギャップは、プラグ中心軸を通ると共に上記気流に沿った直線(L2)から、離れた位置に形成されている、内燃機関。
【請求項5】
プラグ軸方向の先端側から見たとき、プラグ中心軸と上記第2放電ギャップとを結ぶ線分(L1)は、上記気流の向きに対して、45°以上の角度(α2)を有する、請求項4に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、内燃機関の主燃焼室と、スパークプラグの先端に形成された副燃焼室との双方に放電ギャップを形成できるように構成されたスパークプラグが知られている。これにより、主燃焼室の混合気を直接着火させると共に、副燃焼室での着火によって燃焼した混合気を、副燃焼室と主燃焼室とを連通させる噴孔を介して主燃焼室に噴出させることにより、主燃焼室の燃焼を促進させようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグは、主燃焼室及び副燃焼室のそれぞれにおける混合気への着火性を向上させることについて、考慮されていない。つまり、主燃焼室及び副燃焼室のそれぞれの放電を引き伸ばして着火性を向上させることについては、何ら考慮されていない。それゆえ、着火性を向上させる観点から改善の余地がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、
該プラグカバー及び上記中心電極に対して電気的に絶縁された浮遊電極(7)と、
該浮遊電極を挿通させて保持しつつ上記ハウジングの先端部に配設された絶縁保持体(6)と、を有し、
上記絶縁碍子の先端側には、一部が上記プラグカバーと上記絶縁保持体とによって囲まれた副燃焼室(51)が形成され、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる複数の噴孔(52)が形成されており、
上記副燃焼室には、上記中心電極と上記浮遊電極との間に形成された第1放電ギャップ(G1)が設けられ、
上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間に形成された第2放電ギャップ(G2)が、上記絶縁保持体の外表面(611)に沿って設けられ、
プラグ軸方向(Z)の先端側から見たとき、上記第2放電ギャップは、少なくとも一つの上記噴孔とプラグ中心軸(C)とを通る直線(L0)から離れた位置に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
【0007】
本発明の他の態様は、上記内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(10)であって、
上記スパークプラグは、上記プラグカバーが上記内燃機関の主燃焼室(8)に露出する状態にて配設されており、
上記噴孔は、上記副燃焼室と上記主燃焼室とを連通させており、
少なくとも一つの上記噴孔は、上記主燃焼室に形成される気流(A)の上流側を向いており、
プラグ軸方向の先端側から見たとき、上記第2放電ギャップは、プラグ中心軸を通ると共に上記気流に沿った直線(L2)から、離れた位置に形成されている、内燃機関にある。
【発明の効果】
【0008】
上記内燃機関用のスパークプラグは、プラグカバーに複数の噴孔を有し、プラグ軸方向の先端側から見たとき、第2放電ギャップが、少なくとも一つの噴孔とプラグ中心軸とを通る直線から離れた位置に形成されている。それゆえ、スパークプラグは、少なくとも一つの噴孔を主燃焼室の気流の上流側に向け、さらに、第2放電ギャップが、プラグ中心軸を通ると共に主燃焼室の気流に沿った直線から離れるように、内燃機関に設置することができる。これにより、副燃焼室及び主燃焼室のそれぞれに形成された放電が気流によって伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
【0009】
上記内燃機関は、上記スパークプラグを備える。そして、少なくとも一つの噴孔は、主燃焼室の気流の上流側を向いている。また、第2放電ギャップは、プラグ中心軸を通ると共に気流に沿った直線から離れた位置に形成されている。それゆえ、副燃焼室及び主燃焼室のそれぞれに形成された放電が気流によって伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
【0010】
以上のごとく、上記態様によれば、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1における、スパークプラグの先端部の断面図であって、
図2のI-I線矢視断面相当の図。
【
図3】実施形態1における、第2放電ギャップの位置を説明するスパークプラグの平面図。
【
図4】
図2のIV-IV線矢視断面相当の図であって、縮径部の傾斜面の傾きを説明する断面図。
【
図5】実施形態1における、スパークプラグを備えた内燃機関の断面図。
【
図7】実施形態1における、第2放電ギャップの位置を説明する、内燃機関に設置されたスパークプラグの平面図。
【
図8】実験例1における、実施形態1のスパークプラグを取り付けた内燃機関のCFD解析図。
【
図9】実施形態2における、スパークプラグを先端側から見た平面図。
【
図10】実施形態3における、スパークプラグを先端側から見た平面図。
【
図11】実施形態4における、スパークプラグを先端側から見た平面図。
【
図12】実施形態5における、スパークプラグを先端側から見た平面図。
【
図13】実施形態6における、スパークプラグの先端部の断面図であって、
図14のXIII-XIII線矢視断面相当の図。
【
図15】実施形態7における、スパークプラグの先端部の断面図であって、
図16のXV-XV線矢視断面相当の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関に係る実施形態について、
図1~
図7を参照して説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、
図1、
図2に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、プラグカバー5と、浮遊電極7と、絶縁保持体6と、を有する。中心電極4は、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3から先端側に突出している。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。プラグカバー5は、ハウジング2の先端部に設けられている。浮遊電極7は、プラグカバー5及び中心電極4に対して電気的に絶縁されている。絶縁保持体6は、浮遊電極7を挿通させて保持しつつハウジング2の先端部に配設されている。
【0013】
絶縁碍子3の先端側には、一部がプラグカバー5と絶縁保持体6とによって囲まれた副燃焼室51が形成されている。プラグカバー5には、副燃焼室51と外部とを連通させる複数の噴孔52が形成されている。副燃焼室51には、中心電極4と浮遊電極7との間に形成された第1放電ギャップG1が設けられている。浮遊電極7とプラグカバー5との間に形成された第2放電ギャップG2は、絶縁保持体6の外表面611に沿って設けられている。
図3に示すごとく、プラグ軸方向Zの先端側から見たとき、第2放電ギャップG2は、少なくとも一つの噴孔52とプラグ中心軸Cとを通る直線L0から離れた位置に形成されている。
【0014】
本形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車等の車両用の内燃機関における着火手段として用いることができる。なお、本明細書において、プラグ中心軸Cは、スパークプラグ1の中心軸Cを意味するものとする。また、プラグ中心軸Cに平行な方向を、適宜、プラグ軸方向、又はZ方向という。また、Z方向における点火コイル(図示略)と接続される側を基端側といい、主燃焼室8内に配される側を先端側という。
【0015】
中心電極4は、全体として略円柱状をなしている。本形態において、中心電極4の先端部は、
図1に示すごとく、先端側へ向かうに従い、縮径している。中心電極4を保持する絶縁碍子3は、略円筒形状のハウジング2によって保持されている。
【0016】
ハウジング2は、
図1、
図5に示すごとく、スパークプラグ1を内燃機関10のシリンダヘッド81に取り付けるための取付ネジ部21を有する。
図1に示すごとく、ハウジング2における取付ネジ部21の先端側には、プラグカバー5が設けられている。プラグカバー5は、全体として略円筒形状をなしている。プラグカバー5は、例えば、溶接によってハウジング2に接合することができる。また、プラグカバー5は、例えば、ハウジング2と一体に形成されているものとすることができる。
【0017】
図1、
図2に示すごとく、プラグカバー5には、複数の噴孔52が形成されている。本形態において、プラグカバー5には、
図2に示すごとく、4つの噴孔52が形成されている。複数の噴孔52は、Z方向から見たとき、プラグ周方向に等間隔に配されている。それぞれの噴孔52は、
図1に示すごとく、先端側へ向かうに従い、プラグ径方向の外側へ向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。なお、本明細書において、プラグ周方向とは、プラグ中心軸Cに直交する平面上において、プラグ中心軸Cを中心とする円周方向を意味する。また、プラグ径方向とは、プラグ中心軸Cに直交する平面上において、プラグ中心軸Cを中心とする円の半径方向を意味する。
【0018】
プラグカバー5は、絶縁保持体6を保持している。より詳細には、プラグカバー5は、
図1、
図2に示すごとく、噴孔52が形成されたカバー本体部53と、略円環状の固定部54とを有する。そして、カバー本体部53と固定部54とによって、絶縁保持体6を挟持固定している。
【0019】
図1に示すごとく、絶縁保持体6の外周には、絶縁フランジ部63が形成されている。絶縁フランジ部63は、絶縁保持体6の外周において、周方向に環状に形成されている。カバー本体部53と固定部54とは、絶縁フランジ部63をZ方向に挟持することにより、絶縁保持体6を保持している。カバー本体部53と固定部54とは、例えば、絶縁フランジ部63を挟持した状態にて、溶接にて互いに接合することにより、絶縁保持体6を保持することができる。
【0020】
カバー本体部53の先端側には、絶縁フランジ部63及び固定部54に対応した凹部が形成されている。凹部は、カバー本体部53の内側から、プラグ径方向の外側に向かって後退することにより形成されている。そして、カバー本体部53と固定部54とは、凹部の内側に絶縁フランジ部63及び固定部54を配置した状態にて、絶縁フランジ部63を挟持固定している。
【0021】
図1、
図2に示すごとく、絶縁保持体6は、絶縁フランジ部63の先端側に、略円柱状の円柱部61を有する。円柱部61は、副燃焼室51の外部に面する外表面611を有する。つまり、スパークプラグ1を内燃機関10に設置した際、円柱部61に、絶縁保持体6の外表面611が形成されている。絶縁保持体6の外表面611は、主燃焼室8に面する。
【0022】
円柱部61は、先端側を向く先端面613と、外周面612とを有する。本形態において、先端面613は、プラグ中心軸Cに直交する平坦面状に形成されている。
【0023】
外周面612は、固定部54とプラグ径方向に当接している。また、先端面613は、後述する浮遊電極7の第2電極部72における基端側の面と当接している。本形態においては、外周面612におけるプラグカバー5よりも先端側の部分と、先端面613とが、外表面611となっている。
【0024】
また、絶縁保持体6は、絶縁フランジ部63の基端側に、縮径部62を有する。縮径部62は、基端側へ向かうに従い、縮径するように形成されている。縮径部62は、Z方向に対して傾斜した傾斜面621を有する。傾斜面621は、
図4に示すごとく、プラグ中心軸Cを含む断面において、傾斜面621の延長線L3が、第1放電ギャップG1を通過するように形成されている。また、それぞれの噴孔52は、噴孔52の開口方向の延長線が、傾斜面621を通過するように開口している。
【0025】
また、
図1に示すごとく、絶縁保持体6には、挿通孔64が形成されている。挿通孔64は、中心軸Cに沿って形成されている。挿通孔64には、浮遊電極7が挿通配置されている。
【0026】
浮遊電極7は、第1電極部71と第2電極部72とを備えている。第1電極部71は、絶縁保持体6に挿通されると共に保持されている。つまり、第1電極部71は、挿通孔64に挿通されている。
【0027】
また、絶縁碍子3の先端側には、第1電極部71と、プラグカバー5と、絶縁保持体6と、ハウジング2と、中心電極4とによって囲われた副燃焼室51が形成されている。副燃焼室51と、副燃焼室51の基端側に形成された、絶縁碍子3及びハウジング2によって囲われた環状の空間(図示略)とは、互いにつながっている。
【0028】
第1電極部71の基端部は、絶縁保持体6の基端部から基端側に突出している。本形態において、第1電極部71の基端部は、副燃焼室51に面している。第1電極部71の基端部と、中心電極4の先端部との間に、第1放電ギャップG1が形成されている。
【0029】
第1電極部71は、
図1に示すごとく、その一部が拡径した電極フランジ部711を有する。電極フランジ部711は、第1電極部71の外周において環状に形成されている。絶縁保持体6の挿通孔64の基端側は、電極フランジ部711に対応するように拡径している。そして、挿通孔64の拡径した基端側に電極フランジ部711が配置されている。電極フランジ部711の先端側の面と、絶縁保持体6とは、Z方向に当接している。
【0030】
第1電極部71の先端部は、絶縁保持体6の先端面613から先端側に突出している。第2電極部72は、
図1、
図2に示すごとく、第1電極部71の先端部に接合されている。前述したように、第2電極部72は、
図1に示すごとく、第2電極部72の基端側の面が、絶縁保持体6の先端面613と当接するように配置されている。
【0031】
第2電極部72は、
図1、
図2に示すごとく、環状の電極接続部723と、電極突出部722とを有する。電極接続部723には、Z方向に貫通した挿通孔724が形成されている。そして、挿通孔724に、第1電極部71の先端部が挿通固定されている。第1電極部71の先端部と、第2電極部72の電極接続部723とは、例えば、溶接によって接合することができる。また、電極接続部723のプラグ径方向の幅は、例えば、円柱部61のプラグ径方向の幅の1/2以下とすることができる。
【0032】
電極突出部722は、
図2に示すごとく、電極接続部723の外周の一部から、プラグ径方向に突出している。Z方向から見たとき、電極突出部722の幅は、例えば、電極接続部723のプラグ径方向の幅の1/3以下とすることができる。
【0033】
電極突出部722は、
図1、
図2に示すごとく、プラグ径方向の外側に先端部721を有する。先端部721におけるプラグ径方向の外側を向く先端面725は、絶縁保持体6の外周面612に沿って配置されている。つまり、先端面725は、外周面612と略面一となっている。
【0034】
電極突出部722の先端部721と、プラグカバー5の固定部54との間に、第2放電ギャップG2が形成されている。
【0035】
また、絶縁保持体6は、プラグカバー5よりも先端側に突出している。第2放電ギャップG2の少なくとも一部は、プラグカバー5の先端側における絶縁保持体6の外周面612に沿って形成されている。
【0036】
本形態においては、絶縁保持体6の円柱部61の一部が、プラグカバー5よりも先端側に突出している。本形態においては、第2放電ギャップG2の全体が、外周面612に沿って形成されている。
【0037】
図3に示すごとく、プラグ軸方向Zの先端側から見たとき、直線L0と、プラグ中心軸Cと第2放電ギャップG2とを結ぶ線分L1とのなす角度α1は、直線L0の基準となる噴孔52のある側において、135°以下である。
なお、直線L0の基準となる噴孔52を、以下、基準噴孔521ともいう。
【0038】
本形態において、角度α1は、略90°である。つまり、Z方向から見ると、第2放電ギャップG2は、直線L0から、最も離れた位置に形成されている。
【0039】
次に、本形態における内燃機関10について説明する。
本形態の内燃機関10は、
図5~
図7に示すごとく、内燃機関用のスパークプラグ1を備える。スパークプラグ1は、プラグカバー5が内燃機関10の主燃焼室8に露出する状態にて配設されている。噴孔52は、副燃焼室51と主燃焼室8とを連通させている。少なくとも一つの噴孔52は、主燃焼室8に形成される気流Aの上流側を向いている。
図7に示すごとく、プラグ軸方向Zの先端側から見たとき、第2放電ギャップG2は、プラグ中心軸Cを通ると共に気流Aに沿った直線L2から、離れた位置に形成されている。
【0040】
また、プラグ軸方向Zの先端側から見たとき、プラグ中心軸Cと第2放電ギャップG2とを結ぶ線分L1は、気流Aの向きに対して、45°以上の角度α2を有する。
【0041】
内燃機関10は、
図5に示すごとく、シリンダヘッド81と、シリンダブロック85と、シリンダ80内を往復運動するピストン84とを備える。ピストン84は、シリンダ80内に、摺動可能に配置されている。そして、シリンダヘッド81、シリンダブロック85、及びピストン84に囲まれて、主燃焼室8が形成される。シリンダヘッド81には、吸気ポート821及び排気ポート831が形成されており、それぞれ吸気バルブ82及び排気バルブ83が備えられている。そして、シリンダヘッド81における吸気ポート821と排気ポート831との間には、スパークプラグ1が配されている。
【0042】
スパークプラグ1は、
図5に示すごとく、ハウジング2の取付ネジ部21を、シリンダヘッド81に設けられた雌ネジ穴811に螺合することにより、内燃機関10に取り付けられる。例えば、取付ネジ部21のネジの切り出し方と雌ネジ穴811の切り出し方などを調整することにより、内燃機関10におけるスパークプラグ1の取付姿勢を調整することができる。
【0043】
また、本形態における内燃機関10において、吸気ポート821及び排気ポート831は、それぞれ2箇所ずつ形成されている。これに伴い、主燃焼室8には、
図6に示すごとく、吸気バルブ82及び排気バルブ83が、それぞれ2箇所ずつ備えられている。
【0044】
2つの吸気バルブ82と2つの排気バルブ83とは、スパークプラグ1の周りにおいて、周状に配列されている。スパークプラグ1の周りにおいて、2つの吸気バルブ82同士が互いに隣り合い、2つの排気バルブ83同士が互いに隣り合っている。
図5に示すごとく、吸気ポート821及び排気ポート831は、その開口方向が主燃焼室8の中心軸側に向かうように、ピストン84の進退方向に対して傾斜している。また、主燃焼室8の基端面は、スパークプラグ1から遠ざかるにつれて先端側へ向かうように傾斜している。
【0045】
内燃機関10は、ピストン84の往復運動に伴って、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程が順次繰り返される。吸気行程において、2つの吸気ポート821からガスが主燃焼室8内に導入され、排気行程において、2つの排気ポート831から主燃焼室8内のガスが排出される。
【0046】
そして、主燃焼室8においては、主として、
図5の矢印Aに示すごとく、ピストン84の摺動方向に直交する方向の軸周りの気流Aである、タンブル流が形成される。そして、この気流Aは、主燃焼室8内のスパークプラグ1の先端部付近においては、吸気バルブ82側から排気バルブ83へ向かう向きとなる。より具体的には、
図6に示すごとく、Z方向から見たとき、2つの吸気バルブ82の中間位置から、2つの排気バルブ83の中間位置へ向かう気流Aが、スパークプラグ1の先端部付近の主な気流Aとなる。
【0047】
なお、主燃焼室8の気流Aは、常に一定となっているわけではなく、サイクル間、或いは1サイクル中の異なるタイミングの間において、変動し得る。ただし、主な気流Aの向き、特に、点火タイミングにおける気流Aの向きは、概略定まっており、上述した気流Aは、点火タイミングにおける主な気流Aを意味する。そして、「主燃焼室8の気流A」というときは、特に断らない限り、上述の、点火タイミングにおける、スパークプラグ1の先端部付近の気流を意味する。また、単に「上流側」、「下流側」というときは、特に断らない限り、上記「主燃焼室8の気流A」における、上流側、下流側を意味する。
【0048】
スパークプラグ1は、
図5、
図6に示すごとく、主燃焼室8において、基準噴孔521が、プラグ中心軸Cよりも吸気バルブ82に近い側となるように配されている。また、基準噴孔521は、吸気バルブ82側を向いている。つまり、基準噴孔521は、気流Aの上流側を向いている。
【0049】
また、基準噴孔521以外の噴孔52のうち、少なくとも一つは、プラグ中心軸Cよりも排気バルブ83に近い側に配置されている。また、基準噴孔521以外の噴孔52のうち、少なくとも一つは、排気バルブ83側を向いている。つまり、基準噴孔521以外の噴孔52のうち、少なくとも一つは、気流Aの下流側を向いている。
【0050】
図6に示すごとく、Z方向から見たとき、スパークプラグ1は、基準噴孔521とプラグ中心軸Cとを通る直線L0が気流Aに沿うように配置されている。
【0051】
次に、本形態の作用効果につき説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、プラグカバー5に複数の噴孔52を有する。スパークプラグ1は、プラグ軸方向Zの先端側から見たとき、第2放電ギャップG2が、直線L0から離れた位置に形成されている。それゆえ、スパークプラグ1は、少なくとも一つの噴孔52を主燃焼室8の気流Aの上流側に向け、さらに、第2放電ギャップG2が、直線L2から離れるように、内燃機関10に設置することができる。これにより、副燃焼室51及び主燃焼室8のそれぞれに形成された放電が気流Aによって伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
【0052】
本形態の内燃機関10において、少なくとも一つの噴孔52は、主燃焼室8の気流Aの上流側を向いている。また、第2放電ギャップG2は、直線L2から離れた位置に形成されている。それゆえ、副燃焼室51及び主燃焼室8のそれぞれに形成された放電が気流Aによって伸長しやすい。
【0053】
つまり、基準噴孔521が主燃焼室8の気流Aの上流側を向いていることにより、気流Aが基準噴孔521を通って副燃焼室51に流入しやすい。それゆえ、副燃焼室51に流入した気流Aによって、第1放電ギャップG1に形成された放電が伸長しやすい。その結果、副燃焼室51内の着火性を向上させることができる。
【0054】
また、仮に、Z方向から見たとき、第2放電ギャップが直線L2上にある場合を想定する。第2放電ギャップが、直線L2上であって、かつ、気流の上流側に形成されている場合、放電は、気流によって絶縁保持体に対して押さえつけられやすい。それゆえ、放電は伸長しにくい。また、第2放電ギャップが、直線L2上であって、かつ、気流の下流側に形成されている場合、気流は、絶縁保持体及び第2電極部によって遮られ、第2放電ギャップ近傍にまでまわり込みにくい。それゆえ、第2放電ギャップに形成される放電は伸長しにくい。
【0055】
一方、本形態において、第2放電ギャップG2は、直線L2から離れた位置に形成されている。それゆえ、放電は、気流Aによって絶縁保持体6に対して押さえつけられにくいと共に、気流Aに当たりやすい。それゆえ、主燃焼室8の気流Aによって、第2放電ギャップG2に形成された放電が伸長しやすい。その結果、主燃焼室8の着火性を向上させることができる。
【0056】
また、第2放電ギャップG2は、絶縁保持体6の外表面611に沿って形成されている。それゆえ、第2放電ギャップG2にて形成される放電は、外表面611に沿った沿面放電になりやすい。それゆえ、第2放電ギャップG2に形成される放電の要求電圧を低くすることができる。その結果、放電を確実に発生させることができる。
【0057】
プラグ軸方向の先端側から見たとき、直線L0と、線分L1とのなす角度α1は、基準噴孔521のある側において、135°以下である。それゆえ、基準噴孔521が気流Aの上流側を向くようにスパークプラグ1を内燃機関10に設置した際、放電は、気流Aに一層当たりやすい。その結果、第2放電ギャップG2に形成された放電を確実に伸長させることができる。
【0058】
プラグ軸方向Zの先端側から見たとき、線分L1は、気流Aの向きに対して、45°以上の角度α2を有する。それゆえ、放電は、気流Aに一層当たりやすい。
【0059】
第2放電ギャップG2の少なくとも一部は、絶縁保持体6の外周面612に沿って形成されている。それゆえ、形成された放電の両起点間の部位は、気流Aによって外周面612から引き離されて伸長しやすい。それゆえ、放電と混合気との接触領域が増えやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
【0060】
電極突出部722の先端面725は、絶縁保持体6の外周面612に沿うように配置されている。また、プラグカバー5の固定部54は、外周面612と当接している。それゆえ、第2放電ギャップG2において、外周面612に沿った沿面放電を発生させやすい。
【0061】
絶縁保持体6の傾斜面621は、プラグ中心軸Cを含む断面において、延長線L3が、第1放電ギャップG1を通過するように形成されている。それゆえ、噴孔52を通って副燃焼室51に流入した気流Aは、傾斜面621に沿って、第1放電ギャップG1に向かいやすい。その結果、第1放電ギャップG1に生じた放電が一層伸長しやすい。
【0062】
プラグカバー5には、複数の噴孔52が形成されている。また、基準噴孔521以外の噴孔52のうち、少なくとも一つは、気流Aの下流側を向いている。それゆえ、基準噴孔521を通って副燃焼室51に流入した気流Aは、基準噴孔521以外の気流Aの下流側を向いた噴孔52を通って主燃焼室8へと流出しやすい。その結果、副燃焼室51の掃気性を向上させることができる。
【0063】
第2電極部72は、電極突出部722を有する。それゆえ、第2放電ギャップG2を、所望の位置に形成しやすい。
【0064】
以上のごとく、本実施形態によれば、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ1及びこれを備えた内燃機関10を提供することができる。
【0065】
(実験例1)
本例では、
図8に示すように、主燃焼室8において一定方向の気流Aが流れる内燃機関10に、実施形態1のスパークプラグ1を設置し、スパークプラグ1の周囲を流れる気流Aを解析した。本例においては、スパークプラグ1を、直線L0が気流Aに沿うように内燃機関10に設置すると共に、基準噴孔521が気流Aの上流側を向くように設置した。また、一定方向に流れる気流Aの速度は、5m/sとした。この気流の解析は、計算流動力学(以下において、CFDという。)を用いて、算出した。すなわち、実施形態1のスパークプラグ1を取り付けた内燃機関10において、実際の自動車用エンジンとして用いる際に生じる気流を想定して、CFDによって一般的なシミュレーション解析を行った。
図8において、多数の矢印のそれぞれが、各箇所における気流Aの向きを示す。
【0066】
図8に示すごとく、Z方向から見たとき、直線L2上にあると共にスパークプラグ1の外周とプラグ中心軸Cとを結ぶ線分のうち、気流Aの上流側にある線分を、線分L4とする。線分L4を基準として、プラグ周方向にそれぞれ中心角α3が135°以下となる範囲では、直線L2から離れた位置において、気流Aがスパークプラグ1の外周に沿って流れることを確認した。そのため、プラグ中心軸Cよりも気流Aの下流側であっても、中心角α3がこの範囲内であれば、第2放電ギャップG2に発生した放電は、気流Aによって伸長しやすいと考えられる。言い換えると、線分L1が、気流Aの向きに対して45°以上の角度を有する場合に、第2放電ギャップG2に発生した放電は、直線L2から離れた位置において、気流Aによって伸長しやすいと考えられる。
【0067】
(実施形態2)
本形態は、
図9に示すごとく、実施形態1に対し、電極突出部722の幅を大きくした形態である。
【0068】
本形態において、電極突出部722の幅は、
図9に示すごとく、電極接続部723のプラグ径方向の最大幅と、略同じ大きさとなっている。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0069】
本形態において、電極突出部722の幅は、電極接続部723のプラグ径方向の最大幅と、略同じ大きさとなっている。それゆえ、電極突出部722の摩耗により、第2放電ギャップG2が拡大することを抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0070】
(実施形態3)
本形態は、
図10に示すごとく、2つの電極突出部722を有する形態である。
【0071】
第2電極部72は、
図10に示すごとく、2つの電極突出部722を有する。そして、各電極突出部722は、プラグカバー5との間に、それぞれ第2放電ギャップG2又は第3放電ギャップG3を形成している。Z方向から見たとき、各電極突出部722は、電極接続部723を挟んで、それぞれ他方の電極突出部722とは反対側に形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。
【0072】
本形態において、第2電極部72は、2つの電極突出部722を有している。それゆえ、電極突出部722の摩耗により、放電ギャップが拡大することを抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0073】
なお、本形態においては、電極突出部722を2つ有する例を示した。ただし、電極突出部722を3つ以上有する構成を採用することもできる。この場合にも、同様の作用効果が得られる。
【0074】
(実施形態4)
本形態は、
図11に示すごとく、実施形態3に対し、電極突出部722の幅を大きくした形態である。
【0075】
本形態において、第2電極部72は、
図11に示すごとく、2つの電極突出部722を有する。また、それぞれの電極突出部722の幅は、電極接続部723のプラグ径方向の最大幅と、略同じ大きさとなっている。
その他は、実施形態3と同様である。
【0076】
本形態において、第2電極部72は、2つの電極突出部722を有している。また、それぞれの電極突出部722の幅は、電極接続部723のプラグ径方向の最大幅と、略同じ大きさとなっている。それゆえ、電極突出部722の摩耗により、放電ギャップが拡大することを一層抑えることができる。
その他、実施形態3と同様の作用効果を有する。
【0077】
(実施形態5)
本形態は、
図12に示すごとく、電極突出部722の幅が、プラグ径方向の外側へ向かうに従って、小さくなる形態である。言い換えると、電極突出部722の幅は、プラグ中心軸Cに近づくに従って、大きくなっている。
その他は、実施形態1と同様である。
【0078】
本形態において、電極突出部722の幅は、プラグ径方向の外側へ向かうに従って小さくなっている。それゆえ、第2放電ギャップG2を、所望の位置に形成しやすい。
【0079】
また、電極突出部722の幅は、プラグ中心軸Cに近づくに従って、大きくなっている。それゆえ、電極突出部722の摩耗により、第2放電ギャップG2が拡大することを抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0080】
(実施形態6)
本形態は、
図13、
図14に示すごとく、第2放電ギャップG2が、絶縁保持体6の外周面612と先端面613とにわたって形成されている形態である。
【0081】
本形態において、電極突出部722は、先端部721の先端面725が、
図13、
図14に示すごとく、絶縁保持体6の外周面612よりも、プラグ径方向の内側に位置している。電極突出部722の先端部721は、
図14に示すごとく、Z方向から見ると、先端面613と重なっている。また、絶縁保持体6は、
図13に示すごとく、外周面612と先端面613とをつなぐ部分が、曲面となっている。
その他は、実施形態1と同様である。
【0082】
本形態においては、第2放電ギャップG2が、外周面612と先端面613とにわたって形成されている。それゆえ、第2放電ギャップG2に形成される放電の長さを長くすることができる。それゆえ、第2放電ギャップG2に形成された放電は、気流Aによって引き伸ばされやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
【0083】
絶縁保持体6は、外周面612と先端面613とをつなぐ部分が、曲面となっている。それゆえ、第2放電ギャップG2において、外周面612と先端面613とにわたって放電を形成しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0084】
(実施形態7)
本形態は、
図15、
図16に示すごとく、第2放電ギャップG2が、先端面613に沿って設けられた形態である。
【0085】
本形態において、電極突出部722は、
図15、
図16に示すごとく、先端部721の先端面725が、絶縁保持体6の外周面612よりも、プラグ径方向の内側に位置している。電極突出部722の先端部721は、
図16に示すごとく、Z方向から見ると、先端面613と重なっている。
【0086】
また、プラグカバー5の固定部54は、
図15に示すごとく、先端側の面が、絶縁保持体6の先端面613と略面一となっている。つまり、電極突出部722と固定部54との間に形成された第2放電ギャップG2は、先端面613に沿って設けられている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
【0087】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…スパークプラグ、2…ハウジング、3…絶縁碍子、4…中心電極、5…プラグカバー、51…副燃焼室、52…噴孔、6…絶縁保持体、611…外表面、7…浮遊電極、G1…第1放電ギャップ、G2…第2放電ギャップ、C…プラグ中心軸、L0…噴孔とプラグ中心軸とを通る直線、Z…プラグ軸方向