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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240220BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240220BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240220BHJP
   B60K 35/10 20240101ALI20240220BHJP
   B60K 35/22 20240101ALI20240220BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/01 560
B60R16/02 630L
B60K35/10
B60K35/22
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020143257
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022038647
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】西澤 幸蔵
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-286986(JP,A)
【文献】特開2014-131133(JP,A)
【文献】特開2015-082300(JP,A)
【文献】特開2020-107031(JP,A)
【文献】国際公開第2018/193708(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
B60R 16/00-17/02
B60K 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を画面に表示する表示部と、
前記画面に設定された有効領域に対して行われたユーザによるタッチ操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部が前記有効領域に対して行われた前記タッチ操作を検出したことに応じて、前記有効領域に含まれる特定位置に振動を与えることが可能な振動制御部と、
前記表示部に対する前記ユーザの位置であるユーザ位置を推定するユーザ推定部と、を備え、
前記振動制御部は、前記ユーザ推定部によって推定された前記ユーザ位置に応じて前記特定位置を補正可能であり、前記特定位置を補正した場合は、当該補正後の位置である補正位置に振動を与える、
車両用表示装置。
【請求項2】
前記ユーザ推定部は、予め定められた複数の種別から前記ユーザの種別を推定可能であり、
前記振動制御部は、前記ユーザ推定部が推定した前記ユーザの種別に応じて、前記特定位置又は前記補正位置に与える振動のパターンを変更する、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記振動制御部は、前記特定位置を補正する際に、前記画面を仮想的に分割して得られる複数の制御エリア毎に前記特定位置から前記補正位置までの補正量を制御可能である、
請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記ユーザ推定部が前記ユーザ位置を推定する際に用いる情報は、前記ユーザの視線情報を含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記振動制御部は、前記特定位置を前記ユーザ位置に向かってずらした位置を前記補正位置とする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記画面における前記特定位置を含む範囲に、前記タッチ操作の対象に関連した関連画像を表示する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用表示装置として、特許文献1には、画像を表示する表示部と、表示部の手前に設けられたタッチパネルと、当該パネルを振動させる振動部とを備えるものが記載されている。
【0003】
また、パネルを振動させる技術として、特許文献2には、ユーザがタッチパネルに行ったタッチ操作に応じて当該パネルを振動させることにより、ユーザに感覚によって認識可能なフィードバック(以下、感覚フィードバックと言う。)を与えるハプティクスを応用したデバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-72930号公報
【文献】特許第6032657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の車両用表示装置の構造では表示部の手前にパネル装置があるため、表示部の所定位置を視認する際に、表示部の正面から傾倒した方向にユーザの視線があると、当該所定位置に対して視差が生じる。特に、当該装置が用いられる車両内では、ユーザの位置や種別(例えば、運転者、同乗者といった種別)によって、前記の視差が生じやすい状況にある。この種の構造にハプティクスを適用した場合、前記の視差に起因して、制御システムがタッチ操作を受け付けて振動として感覚フィードバックを与える位置と、ユーザがタッチ操作を行った位置にずれが生じ、適切に感覚フィードバックを行えない虞がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、タッチ操作に対する感覚フィードバックを適切に実行できる車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用表示装置は、
画像を画面に表示する表示部と、
前記画面に設定された有効領域に対して行われたユーザによるタッチ操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部が前記有効領域に対して行われた前記タッチ操作を検出したことに応じて、前記有効領域に含まれる特定位置に振動を与えることが可能な振動制御部と、
前記表示部に対する前記ユーザの位置であるユーザ位置を推定するユーザ推定部と、を備え、
前記振動制御部は、前記ユーザ推定部によって推定された前記ユーザ位置に応じて前記特定位置を補正可能であり、前記特定位置を補正した場合は、当該補正後の位置である補正位置に振動を与える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タッチ操作に対する感覚フィードバックを適切に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用表示装置を備える車両用表示システムのブロック図。
図2】同上実施形態に係る車両用表示システムが搭載される車両の室内を示す模式図。
図3】同上実施形態に係る表示ユニットの概略断面図。
図4】同上実施形態に係る表示画像例を示す図であって、振動位置を説明するための図。
図5】同上実施形態に係るシート状態監視装置の構成を説明するための図。
図6】(a)~(c)は、同上実施形態に係るユーザ位置推定手法の一例を説明するための図。
図7】視差を説明するための模式図。
図8】同上実施形態に係る感覚フィードバック処理の一例を示すフローチャート。
図9】同上実施形態に係る振動位置補正処理の一例を示すフローチャート。
図10】(a)及び(b)は、同上実施形態の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る車両用表示装置10は、図1に示すように、車両用表示システムSの一部を構成する。車両用表示システムSは、車両1に搭載され、車両用表示装置10と、視線検出装置20と、シート状態監視装置30と、ミラー状態監視装置40と、を備える。車両用表示システムSは、各部が通信を行って車両用表示装置10に各種情報を表示する。
【0012】
車両用表示装置10は、車両1に関する情報(以下、車両情報と言う。)だけでなく、車両情報以外の情報も統合的にユーザUに表示する。また、車両用表示装置10は、ユーザUの指F(図2参照)によるタッチ操作で操作可能である。タッチ操作は、図2に示すように、車両1の運転席2に着座したドライバU1と、助手席3に着座した同乗者U2の双方によって可能となっている。この実施形態では、車両1がRHD(Right Hand Drive)であるものとする。
【0013】
車両用表示装置10は、図1に示すように、表示ユニット100と、制御装置200と、を備える。
【0014】
表示ユニット100は、例えばCID(Center Information Display)であり、図2に示すように、車両1の室内において、ドライバU1及び同乗者U2の双方に視認可能な位置に設けられている。表示ユニット10は、例えば、ダッシュボード4(インストルメントパネル)に設けられている。
【0015】
表示ユニット100は、図1及び図3に示すように、表示部110と、タッチセンサ120と、振動発生部130と、を備える。また、表示ユニット100は、図3に示すように、ケース140と、ホルダ150と、カバーガラス160と、弾性支持体170と、を備える。
【0016】
表示部110は、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode)等から構成され、制御装置200の制御の下で、前面110aに画像を表示する。表示ユニット100全体で考えると、表示部110が前面110aに表示した画像は、後述のタッチセンサ120及びカバーガラス160を透過して、表示ユニット100の画面100aに表示される。つまり、表示部110は、画面100aに画像を表示する。この実施形態では、画面100aは、後述するカバーガラス160の表面に相当する。表示部110は、例えば、正面視で矩形状をなす。
【0017】
タッチセンサ120は、例えば静電容量方式のセンサシートであり、ユーザUの指Fが画面100a(正確には、後述するカバーガラス160の表面)に接触したことを示すタッチ情報を制御装置200に供給する。タッチ情報は、画面100aにおいて指Fが接触した位置を示すタッチ位置も含む。タッチセンサ120は、透光性を有し、表示部110の手前に位置するとともに画面100aに対応する範囲に渡って設けられている。
【0018】
振動発生部130は、制御装置200の制御の下で、画面100aにおける任意の位置に振動を与える。振動発生部130は、図3に示すように、後述のホルダ150の外底面に設置された複数の振動子131から構成される。振動子131は、例えば、リニア共振アクチュエータ方式、偏心回転質量方式、ピエゾアクチュエータ方式等の公知の振動アクチュエータから構成される。各振動子131は、制御装置200の制御によって選択的に駆動され、図4に示すように、画面100aに設定された複数の振動可能位置Pのうち任意の位置に振動を付与可能に配列されている。この実施形態では、振動可能位置Pはマトリクス状に設定されている。なお、振動子131の個数及び設置箇所は、所望の振動可能位置Pに振動を付与することができる限りにおいては任意であり、公知の技術を適宜採用することができる。例えば、振動子131は、カバーガラス160の端部に設置されていてもよい。また、表示部110が表示する画像の視認性を妨げない限りにおいては、カバーガラス160における表示部110と重なる位置に振動子131を設置してもよい。
【0019】
ケース140は、樹脂により形成され、開口する箱状をなす。ケース140は、ダッシュボード4に固定される。
【0020】
ホルダ150は、表示部110を保持するものであり、金属又は樹脂により形成され、ケース140と同一方向に向かって開口する箱状をなす。ホルダ150は、ケース140内に収容される。
【0021】
カバーガラス160は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などの透光性を有する樹脂から形成された板状の部材である。カバーガラス160は、ホルダ150に、ホルダ150の開口部を塞ぐ態様で設置される。カバーガラス160の背面には、タッチセンサ120が積層されている。つまり、タッチセンサ120は、カバーガラス160と表示部110の間に位置する。例えば、タッチセンサ120は、表示部110と若干の間隔を空けて対向する。
【0022】
弾性支持体170は、ケース140に対してホルダ150を支持するものであり、例えば、ホルダ150の外周側面とケース140の内周側面の間に位置する。これにより、ホルダ150は、ケース140内で浮いた状態で支持される。弾性支持体170は、ゴム、エラストマー、バネ等の弾性材からなる。振動発生部130が振動すると、ホルダ150、表示部110、タッチセンサ120及びカバーガラス160が一体物として振動する。つまり、振動発生部130の振動により、画面100aを構成するカバーガラス160が振動する。弾性支持体170は、この一体物の振動を許容するとともに、ケース140に振動が伝達することを抑制する。
【0023】
図1に戻って、制御装置200は、車両用表示装置10の全体動作を制御するマイクロコンピュータからなり、CPU(Central Processing Unit)等から構成される制御部210と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成される記憶部220と、を備える。記憶部220のROMには、後述する感覚フィードバック処理を実行するためのプログラムPG、補正量算出データD1、振動パターンデータD2等の各種データが記憶されている。また、記憶部220のROMには、表示部110の表示画像を生成するための画像パーツデータが記憶されている。また、制御装置200は、図示しない構成として、表示部110、タッチセンサ120及び振動発生部130の各々を駆動するための駆動回路、車両用表示装置10の外部と通信を行うための入出力回路等を備える。なお、制御装置200は、後述の機能を充足する限りにおいては、その構成や配置は任意である。例えば、制御装置200は、互いに通信する複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0024】
視線検出装置20は、ユーザUの視線方向を検出する公知の構成であり、赤外線カメラ、ステレオカメラ、TOF(Time of Flight)カメラ等からなる撮像部と、撮像部で撮像した画像のデータ(撮像データ)を解析する視線解析部と、を有する。撮像部の撮像範囲は、ドライバU1と同乗者U2の双方を撮像可能な範囲に設定されている。視線解析部は、撮像データをパターンマッチング法などの公知の手法により画像解析することで、ユーザUの視線方向及びユーザUの視点位置を特定し、これらを示す視線情報を制御装置200に送信する。なお、視点位置は、ユーザUの両眼の代表位置(例えば、両眼の重心)であってもよいし、左右それぞれの眼の位置であってもよい。
【0025】
シート状態監視装置30は、図5に示すように、シート5の状態を監視する装置であり、第1感圧センサ31と、第2感圧センサ32と、座席位置センサ33と、を有する。第1感圧センサ31は、シート5の背もたれに加わる圧力(以下、シートバック圧力と言う。)を検出する。第2感圧センサ32は、シート5のクッション部(ユーザUの臀部が乗る位置)に加わる圧力(以下、クッション圧力と言う。)を検出する。座席位置センサ33は、シート5の前後方向における位置(以下、座席位置と言う。)を検出する。シート状態監視装置30は、シートバック圧力、クッション圧力及び座席位置を示すシート情報を制御装置200に送信する。なお、シート状態監視装置30は、運転席2及び助手席3のそれぞれのシート情報を制御装置200に送信可能である。
【0026】
ミラー状態監視装置40は、車両1に設けられた後写鏡の状態を監視する装置である。例えば、ミラー状態監視装置40は、図2に示す、ルームミラー6(室内後写鏡)及びドアミラー7(室外後写鏡)の各々の姿勢を示すミラー状態情報を制御装置200に送信する。前記姿勢は、例えば、ユーザUが調整可能な各ミラーの傾きである。例えば、ミラー状態監視装置40は、各ミラーに設けられたジャイロセンサを含んで構成される。なお、後写鏡が、図示しないカメラによる車両1の後方映像を表示するデジタルミラーである場合、ミラー状態情報は当該カメラのアングルを示すものであってもよい。
【0027】
視線検出装置20、シート状態監視装置30及びミラー状態監視装置40は、前記の各種情報(以下、監視情報とも言う。)を直接、又は、車両1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)を介して、制御装置200に送信する。
【0028】
制御部210は、図1に示すように、主な機能として、表示制御部211と、操作検出部212と、振動制御部213と、ユーザ推定部214と、を備える。
【0029】
表示制御部211は、表示部110の動作を制御し、画面100aに画像を表示させる。図4に示す画像Gは、画面100aに表示される画像の一例を示す。画像Gは、ユーザUがタッチ操作により操作可能な対象を示す操作用アイコン画像G1,G2を含む。なお、表示制御部211は、操作検出部212の指示に応じて、画像Gの表示内容を切り替えることが可能である。
【0030】
操作検出部212は、タッチセンサ120からのタッチ情報に基づきタッチ操作を検出する。なお、タッチ操作とは、画面100aにユーザUの指Fが接触又は近接することでなされる所定機器(表示部110を含む。)に対する操作を言う。操作検出部212は、検出したタッチ操作が画面100aに設定された有効領域に対して行われたか否かを判別する。以下では、説明の理解を容易にするため、タッチセンサ120が検出可能なタッチ位置が、図4に示す振動可能位置Pと対応するものと仮定する。実際には、タッチセンサ120の分解能と振動可能位置Pとの各設定は任意であり、タッチセンサ120に設定されたタッチ位置を示す座標が、図4に示す各振動可能位置Pよりも細かくてもよいことは勿論である。
図4に示す例では、操作用アイコン画像G1に対するユーザUによるタッチ操作の有効領域A1は、2行2列目の位置(2,2)、2行3列目の位置(2,3)、2行4列目の位置(2,4)の3マスからなる領域に設定されている。操作検出部212は、有効領域A1に対してタッチ操作が行われたと判別した場合は、操作用アイコン画像G1に対する操作が行われたとして、表示制御部211に対する表示内容の切り替え指示を行ったり、当該操作対象に対して操作内容を示す信号を出力したりする。操作用アイコン画像G1は、図示しないミュージックプレイヤーに対する操作が可能であることを示す画像である。したがって、操作用アイコン画像G1に対する操作が行われた場合、操作検出部212は、表示制御部211にミュージックプレイヤーに関する詳細表示を表す画面に切り替える指示を行ったり、ミュージックプレイヤーに音楽再生指示を示す信号を出力したりする。
また、操作用アイコン画像G2に対するユーザUによるタッチ操作の有効領域A2は、4行2列目の位置(4,2)、4行3列目の位置(4,3)、4行4列目の位置(4,4)の3マスからなる領域に設定されている。操作検出部212は、有効領域A2に対してタッチ操作が行われたと判別した場合は、操作用アイコン画像G2に対する操作が行われたとして、表示制御部211に対する表示内容の切り替え指示を行ったり、当該操作対象に対して操作内容を示す信号を出力したりする。操作用アイコン画像G2は、図示しないカーナビゲーション装置に対する操作が可能であることを示す画像である。したがって、操作用アイコン画像G2に対する操作が行われた場合、操作検出部212は、表示制御部211にカーナビゲーション装置に関する詳細表示を表す画面に切り替える指示を行ったり、カーナビゲーション装置に関する各種設定操作を示す信号を出力したりする。
【0031】
振動制御部213は、操作検出部212が有効領域に対して行われたタッチ操作を検出したことに応じて、振動発生部130を構成する振動子131を選択的に駆動し、当該有効領域に含まれる特定位置に振動を与える。これにより、タッチ操作を行ったユーザUは、自身が行ったタッチ操作が受け付けられたことを、画面100aの特定位置で発生して指Fに伝わる振動で感覚的に把握することができる。例えば、図4に示す有効領域A1に対してタッチ操作が行われると、振動制御部213は、有効領域A1に含まれる特定位置Pv1に振動を与える。特定位置Pv1は、2行3列目の位置(2,3)に設定されている。また、図4に示す有効領域A2に対してタッチ操作が行われると、振動制御部213は、有効領域A2に含まれる特定位置Pv2に振動を与える。特定位置Pv2は、4行3列目の位置(4,3)に設定されている。
【0032】
ここで、ユーザUの位置によっては前述の課題で述べた視差が生じる。例えば、図7に示す表示部110の表示位置Pdに、タッチ操作の対象に関連した関連画像(前述の操作用アイコン画像G1等)が表示されていた場合、ユーザUの位置であるユーザ位置Puが画面100aの正面からずれた方向にあると、視差によって、ユーザUは、表示位置Pdから当該方向にずれた位置に当該関連画像を視認することになる。そうすると、振動制御部213が特定位置Pv(前述の特定位置Pv1等)に振動を与えた場合に、画面100aにおける特定位置Pvからずれた位置にユーザUの指Fが触れている虞があり、適切に感覚フィードバックとしての振動をユーザFに伝えることができない可能性がある。なお、図7に示す法線Nは、画面100aの法線を示す。
より具体的に説明すると、例えば、ユーザUがドライバU1である場合、感覚フィードバックとして、振動制御部213が図4に示す特定位置Pv1(2,3)に振動を与えたにもかかわらず、ドライバU1の指F1(図2参照)が図4に示す位置(2,4)に触れている虞がある。また、ユーザUが同乗者U2である場合、感覚フィードバックとして、振動制御部213が図4に示す特定位置Pv1(2,3)に振動を与えたにもかかわらず、同乗者U2の指F2(図2参照)が図4に示す位置(2,2)に触れている虞がある。つまり、視差による感覚フィードバックの位置ずれ現象は、ユーザ位置Puに応じて発生する。なお、ユーザ位置Puは、後述のユーザ推定部214によって推定可能である。
【0033】
振動制御部213は、上記現象を踏まえ、ユーザ位置Puに応じて振動を与える特定位置Pvを補正可能であり、特定位置Pvを補正した場合は、図7に示すように、補正後の位置である補正位置Paに振動を与える。一例として、振動制御部213は、次に述べる手法で補正位置Paを求める。
【0034】
まず、振動制御部213は、予め車両1の室内に設定された三次元座標系における、ユーザ推定部214が推定したユーザ位置Puの座標と、関連画像(前述の操作用アイコン画像G1等)の表示位置Pdの座標とを結ぶ直線Lを求める。直線Lは、ユーザUの視線に相当する。そして、振動制御部213は、画面100aと直線Lの交点を算出し、算出した交点に相当する位置を補正位置Paとする。具体的には、振動制御部213は、図4に示す複数の振動可能位置Pのうち、算出した交点を含むものを補正位置Paとする。つまり、特定位置Pvから補正位置Paまでの補正量ΔPの分だけ特定位置Pvを補正する。補正量ΔPは、画面100aの面内方向におけるベクトル量である。
図4に示す例で説明すれば、特定位置Pv1(2,3)の補正後の補正位置Paが(2,4)であった場合、補正量ΔPは、位置(2,3)から位置(2,4)までずらした量である。特定位置Pv1(2,3)の補正後の補正位置Paが(1,4)であった場合、補正量ΔPは、位置(2,3)から位置(1,4)までずらした量である。つまり、振動制御部213は、画面100aの面内方向において、特定位置Pvをユーザ位置Puに向かってずらした位置を補正位置Paとする。
上記のように、補正位置Pa及び補正量ΔPを算出するための数式データは、補正量算出データD1として記憶部220のROMに予め記憶されている。なお、補正量算出データD1は、ユーザ位置Pu及び表示位置Pdの各座標の組み合わせと、補正位置Paとが関連付けられて構成されたテーブルデータであってもよい。
【0035】
また、振動制御部213は、次に述べるユーザ推定部214が推定したユーザUの種別に応じて特定位置Pv又は補正位置Paに与える振動のパターンを変更する。例えば、車両1の運転席2の前方に、エンジン又はモータからなる車両1の原動機が位置する場合、振動の種類によっては原動機の振動と干渉して、感覚フィードバックとしての振動がユーザUに伝わりづらくなる虞がある。したがって、推定されたユーザUの種別がドライバU1である場合には、同乗者U2である場合と異なるパターンの振動を特定位置Pv又は補正位置Paに与える。ドライバU1である場合に与える振動のパターンを第1パターン、同乗者U2である場合に与える振動のパターンを第2パターンとすれば、第1パターンの振動は、第2パターンの振動と振幅と周波数の少なくともいずれかが異なる。例えば、第1パターンの振動は、第2パターンの振動よりも振幅が大きく、且つ、原動機による振動と干渉しない周波数の振動として予め設定されていればよい。第1パターン及び第2パターンの振動条件を示すデータと、当該振動条件を実現すべく振動発生部130を制御するためのデータは、振動パターンデータD2として記憶部220のROMに予め記憶される。
【0036】
ユーザ推定部214は、視線検出装置20、シート状態監視装置30及びミラー状態監視装置40の少なくともいずれかからの情報に基づき、表示部110に対するユーザUの位置であるユーザ位置Puを推定する。この推定には種々の手法が適用可能であるため、以下、場合分けをして説明する。
【0037】
(視線検出装置20からの情報に基づく場合)
ユーザ推定部214は、視線検出装置20から取得した視線情報が含むユーザUの視点位置を、ユーザ位置Puとして推定する。
【0038】
(シート状態監視装置30からの情報に基づく場合)
ユーザ推定部214は、シート状態監視装置30からのシート情報に基づき、図6(a)~(c)に示すユーザUの着座姿勢を特定し、特定した着座姿勢に応じてユーザ位置Puを推定する。
図6(a)に示す通常の着座姿勢は、第1感圧センサ31からのシートバック圧力があり、且つ、第2感圧センサ32からのクッション圧力の分布に基づいてシート5のクッション部の後方に荷重が集中している場合に特定される。図6(a)に示す姿勢では、座席位置センサ33が示す座席位置の上方にユーザUの頭部があると想定される。このため、ユーザ推定部214は、座席位置センサ33から取得した座席位置をユーザ位置Puの前後方向における位置とするとともに、予め設定した頭部の高さ情報(例えば標準体型のユーザUの頭の高さ)を考慮し、推定されるユーザ位置Puを算出する。前述のように、ユーザ位置Puは、予め車両1の室内に設定された三次元座標系における座標を示す。
図6(b)に示す背もたれを使わずに着座した姿勢は、第1感圧センサ31からのシートバック圧力が無く、且つ、第2感圧センサ32からのクッション圧力の分布に基づいてシート5のクッション部の後方に荷重が集中している場合に特定される。図6(b)に示す姿勢では、座席位置センサ33が示す座席位置よりも前方にユーザUの頭部があると想定される。このため、ユーザ推定部214は、座席位置センサ33から取得した座席位置を、前方に第1の量だけ移動した位置をユーザ位置Puの前後方向における位置とするとともに、予め設定した頭部の高さ情報を考慮し、推定されるユーザ位置Puを算出する。
図6(c)に示す身を乗り出して着座した姿勢は、第1感圧センサ31からのシートバック圧力が無く、且つ、第2感圧センサ32からのクッション圧力の分布に基づいてシート5のクッション部の前方に荷重が集中している場合に特定される。図6(c)に示す姿勢では、座席位置センサ33が示す座席位置よりも前であって、図6(b)の姿勢よりもさらに前方にユーザUの頭部があると想定される。このため、ユーザ推定部214は、座席位置センサ33から取得した座席位置を、前方に第2の量(前記の第1の量よりも大きい量)だけ移動した位置をユーザ位置Puの前後方向における位置とするとともに、予め設定した頭部の高さ情報を考慮し、推定されるユーザ位置Puを算出する。
【0039】
(ミラー状態監視装置40からの情報に基づく場合)
ユーザ推定部214は、ミラー状態監視装置40からの後写鏡(ルームミラー6、ドアミラー7)の姿勢を示すミラー状態情報に基づき、ユーザUの頭部又は視点位置を演算する。後写鏡を調整するユーザUは通常ドライバU1であるため、ミラー状態情報に基づいて推定可能なユーザ位置Puは、ドライバU1の位置だけである。したがって、ミラー状態情報に基づくユーザ位置Puの推定手法は、前述の他の推定手法と組み合わせて用いられることが好ましい。
【0040】
ユーザ推定部214は、以上に述べた複数の手法のうち少なくともいずれかの手法を用いてユーザ位置Puを推定する。なお、複数の手法を組み合わせて用いる場合は、例えば、ユーザ位置Puの推定精度の高い手法による演算結果が支配的になるように、各手法で算出されたユーザ位置Puに対して重み付け演算を行うことができる。
【0041】
また、ユーザ推定部214は、視線検出装置20から取得した視線情報に基づき、予め定められた複数の種別(ドライバU1、同乗者U2)からユーザUの種別を推定する。ユーザ推定部214は、視線情報が示すユーザUの視線方向及び視点位置に基づき、表示部110(表示ユニット100)を視認しているユーザUがドライバU1であるか同乗者U2であるかを特定する。なお、ドライバU1と同乗者U2が同時に表示部110を視認している場合には、例えば、ユーザ推定部214は、より長く表示部110を注視している方をユーザUと特定してもよいし、ドライバU1と同乗者U2の一方のみが特定されるまでユーザUの種別を推定する処理を待機してもよい。
【0042】
(感覚フィードバック処理)
続いて、制御部210がプログラムPGに従って実行する感覚フィードバック処理について、図8及び図9を参照して説明する。感覚フィードバック処理は、例えば、車両用表示システムSを構成する各部の動作中において継続して実行される。
【0043】
図8に示す感覚フィードバック処理を開始すると、制御部210は、タッチ操作を検出したか否かを判別する(ステップS101)。タッチ操作を検出していない場合は待機する(ステップS101;No)一方、制御部210は、タッチ操作を検出すると(ステップS101;Yes)、そのタッチ操作が有効であるか(つまり、有効領域に対して行われたものであるか)否かを判別する(ステップS102)。タッチ操作が有効でない場合(ステップS102;No)、制御部210は、処理をステップS101に戻す。
【0044】
タッチ操作が有効である場合(ステップS102;Yes)、制御部210は、振動を付与すべき特定位置Pvを決定する(ステップS103)。図4を参照して具体例を説明すると、有効と判別したタッチ操作が有効領域A1で実行された場合、制御部210は、位置(2,3)を特定位置Pv1に決定する。
【0045】
続いて、制御部210は、振動位置補正処理(ステップS200)を図9に示すフローに従って実行し、まず、視線検出装置20から視線情報を取得する(ステップS201)。続いて、制御部210は、取得した視線情報に基づき、ユーザUの種別(ドライバU1か同乗者U2か)を推定する(ステップS202)。
【0046】
続いて、制御部210は、推定したユーザUの種別がドライバU1であるか否かを判別する(ステップS203)。ユーザUがドライバU1である場合(ステップS203;Yes)、制御部210は、付与する振動を第1パターンに決定する(ステップS204)。ユーザUがドライバU1でない、つまり同乗者U2である場合(ステップS203;No)、制御部210は、付与する振動を第2パターンに決定する(ステップS205)。
【0047】
ステップS204又はS205の処理に続いて、制御部210は、視線検出装置20、シート状態監視装置30及びミラー状態監視装置40から、必要な監視情報を取得し(ステップS206)、前述の手法でユーザ位置Puを推定する(ステップS207)。そして、制御部210は、前述のように推定したユーザ位置Puに応じて補正量ΔPを算出し(ステップS208)、振動位置補正処理を終了する。
【0048】
図8に戻って、振動位置補正処理(ステップS200)に続いて、制御部210は、振動位置の補正があったか否かを判別する(ステップS104)。具体的には、ステップS208で算出した補正量ΔPが0(ゼロ)であった場合、制御部210は、補正がなかったと判別し(ステップS104;No)、振動発生部130を制御してステップS103で決定した特定位置Pvに振動を一定期間(例えば数秒)だけ発生させる(ステップS105)。一方、ステップS208で算出した補正量ΔPが0(ゼロ)でなかった場合、制御部210は、補正ありと判別し(ステップS104;Yes)、振動発生部130を制御してステップS103で決定した特定位置Pvに補正量ΔPを加味した補正位置Paに振動を一定期間(例えば数秒)だけ発生させる(ステップS106)。具体的に、補正位置Paは、ベクトル量である補正量ΔPが示す大きさ及び方向に、特定位置Pvをずらした位置である。
【0049】
ステップS105又はS106の実行後、制御部210は、ステップS101に戻って処理を実行する。以上が感覚フィードバック処理である。
【0050】
(変形例)
以上の実施形態では、図3に示すように表示部110と平板状のカバーガラス160の間隔が一定である例を示した。しかしながら、図10(a)に模式的に示すように、表示ユニット100には、湾曲したカバーガラス160(例えば、自由曲面形状を有するカバーガラス160)も適用可能である。このように湾曲したカバーガラス160の場合、表示部110との間隔が画面100a内の領域によって異なってくるため、図7を参照して説明した視差の生じ方が画面100a内の領域毎に異なるという現象が生じる。この現象は、図10(a)を参照して概念的に説明すれば、領域B1の方が領域B2よりも大きな視差が生じてしまうといった現象である。この現象を考慮して感覚フィードバック処理を実行すべく、制御部210の振動制御部213は、特定位置Pvを補正する際に、図10(b)に示すように、画面100aを仮想的に分割して得られる複数の制御エリアC1~Cn毎に特定位置Pvから補正位置Paまでの補正量ΔPを制御可能であってもよい。このように制御エリアC1~Cnを設定した場合、例えば、制御部210(振動制御部213)は、図8に示すステップS103で決定した特定位置Pvが制御エリアC1~Cnのいずれに属するかを特定すればよい。そして、制御部210は、図9に示すステップ208で、制御エリアC1~Cnのうち、特定された制御エリアに適した演算を実行し、補正量ΔPを算出すればよい。なお、制御エリアに適した演算とは、当該エリアにおける表示部110とカバーガラス160の間隔、カバーガラス160の厚み及び曲率を考慮した演算であり、考え方は図7を参照して説明した補正量ΔPの算出手法と同様である。
このように制御エリアC1~Cnを設定することにより、エリアに応じた補正量ΔPを算出することができるため、様々な形状の車両用表示装置10においても、発生する視差を考慮した感覚フィードバックの位置補正を適切に実行できる。なお、このように制御エリアC1~Cnを設定すれば、カバーガラス160が凸面を有していても、凹面を有していても適切に感覚フィードバック処理を実行することができる。また、図10(b)では、画面100aを左右方向に分割することで得られる制御エリアの例を示したが、制御エリアは、画面100aにおいてマトリックス状に配列されていてもよいし、上下方向に配列されていてもよい。また、画面100aにおける制御エリアの数も任意である。
【0051】
なお、本発明は以上の実施形態、変形例、及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0052】
以上では、画面100aに、タッチ操作の対象(操作対象)に関連した関連画像として、操作対象を示す操作用アイコン画像G1,G2が表示される例を示したが、この例に限られない。関連画像は、操作対象そのものを示す画像でなくてもよく、少なくとも操作対象に関連した画像であればよい。
【0053】
以上では、ユーザ位置Puを三次元座標として算出する例を示したが、ユーザ位置Puは二次元座標であってもよい。例えば、ユーザ位置Puが車両1の高さ方向を除いた二次元座標であっても、制御部210は、左右方向の視差を考慮して感覚フィードバック処理を実行することができる。
【0054】
感覚フィードバック処理を構成する各処理の順序や変更は目的に応じて任意である。例えば、振動制御部213が補正位置Paを求める際に算出する直線Lの傾きが、視線検出装置20からの視線情報が示す視線方向の傾きと予め定めた所定量だけずれている状態が継続している場合には、ユーザUが表示部110を視認していないと見做せるため、制御部210は、ステップS208の処理をスキップしてもよい。また、タッチ操作が画面100aに同時に複数の指Fが触れるマルチタッチの場合であっても、各指Fに対する補正量ΔPを求めて、前述と同様の手法で感覚フィードバック処理を実行することができる。
【0055】
タッチ操作の際に画面100aに触れるユーザUの部位は、指F以外の掌の任意の箇所や、手の甲などであってもよいし、ユーザUがグローブを装着している場合における所定部位であってもよい。
【0056】
以上に説明した感覚フィードバック処理を実行するプログラムPGは、記憶部220に予め記憶されているものとしたが、着脱自在の記録媒体により配布・提供されてもよい。また、プログラムPGは、車両用表示装置10と接続された他の機器からダウンロードされるものであってもよい。また、車両用表示装置10は、他の機器と電気通信ネットワークなどを介して各種データの交換を行うことによりプログラムPGに従う各処理を実行してもよい。
【0057】
(1)以上に説明した車両用表示装置10は、画像を画面100aに表示する表示部110と、画面100aに設定された有効領域(例えば、有効領域A1,A2)に対して行われたユーザUによるタッチ操作を検出する操作検出部212と、操作検出部212が有効領域に対して行われたタッチ操作を検出したことに応じて、有効領域に含まれる特定位置Pvに振動を与えることが可能な振動制御部213と、表示部110に対するユーザUの位置であるユーザ位置Puを推定するユーザ推定部214と、を備える。振動制御部213は、ユーザ推定部214によって推定されたユーザ位置Puに応じて特定位置Pvを補正可能であり、特定位置Pvを補正した場合は、当該補正後の位置である補正位置Paに振動を与える。
この構成によれば、タッチ操作に対する感覚フィードバックを適切に実行できる。また、タッチ操作が行われた位置に対して単純に感覚フィードバックとしての振動を返す制御では、タッチ操作が受け付けられていないにも関わらず当該振動を返してしまう事態が想定されるが、上記構成によれば、このような事態を回避することができる。
【0058】
(2)また、ユーザ推定部214は、予め定められた複数の種別からユーザUの種別を推定可能であり、振動制御部213は、ユーザ推定部214が推定したユーザUの種別に応じて、特定位置Pv又は補正位置Paに与える振動のパターンを変更する。
この構成によれば、感覚フィードバックとしての振動がユーザUに伝わりづらくなることを回避できる。
【0059】
(3)また、変形例で述べたように、振動制御部213は、特定位置Pvを補正する際に、画面100aを仮想的に分割して得られる複数の制御エリアC1~Cn毎に特定位置Pvから補正位置Paまでの補正量ΔPを制御可能であってもよい。
この構成によれば、制御エリアC1~Cnに応じた補正量ΔPを算出することができるため、様々な形状の車両用表示装置10においても、発生する視差を考慮した感覚フィードバックの位置補正を適切に実行できる。
【0060】
(4)また、ユーザ推定部214がユーザ位置Puを推定する際に用いる情報は、ユーザUの視線情報を含んでいてもよい。
この構成によれば、ユーザ位置Puの推定精度が良好である。
【0061】
(5)具体的に、振動制御部213は、特定位置Pvをユーザ位置Puに向かってずらした位置(詳しくは、画面100aの面内方向においてずらした位置)を補正位置Paとする。
【0062】
(6)具体的に、表示部110は、画面100aにおける特定位置Pvを含む範囲に、タッチ操作の対象に関連した関連画像(例えば、操作用アイコン画像G1,G2)を表示する。
【0063】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0064】
S…車両用表示システム
10…車両用表示装置
100…表示ユニット、100a…画面
110…表示部、110a…前面
120…タッチセンサ、130…振動発生部、131…振動子
140…ケース、150…ホルダ、160…カバーガラス、170…弾性支持体
200…制御装置
210…制御部
211…表示制御部、212…操作検出部、213…振動制御部、214…ユーザ推定部
220…記憶部、PG…プログラム、D1…補正量算出データ、D2…振動パターンデータ
20…視線検出装置
30…シート状態監視装置
31…第1感圧センサ、32…第2感圧センサ、33…座席位置センサ
40…ミラー状態監視装置
1…車両、2…運転席、3…助手席、4…ダッシュボード、5…シート
6…ルームミラー、7…ドアミラー
A1,A2…有効領域
C1~Cn…制御エリア
F,F1,F2…指
G…画像、G1,G2…操作用アイコン画像(関連画像の一例)、L…直線
P…振動可能位置
Pv,Pv1,Pv2…特定位置
Pa…補正位置、ΔP…補正量
Pd…表示位置、Pu…ユーザ位置
U…ユーザ、U1…ドライバ、U2…同乗者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10