特許 7439709 物品移載装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-02-19

(45)【発行日】2024-02-28

(54)【発明の名称】物品移載装置

(51)【国際特許分類】

   B65G 57/03 20060101AFI20240220BHJP

   B65G 57/32 20060101ALI20240220BHJP

【ＦＩ】

B65G57/03 A

B65G57/03 Z

B65G57/32

【請求項の数】 7

(21)【出願番号】P 2020155666

(22)【出願日】2020-09-16

(65)【公開番号】P2022049448

(43)【公開日】2022-03-29

【審査請求日】2022-11-17

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】000003643

【氏名又は名称】株式会社ダイフク

(74)【代理人】

【識別番号】110001818

【氏名又は名称】弁理士法人Ｒ＆Ｃ

(72)【発明者】

【氏名】木村 和誠

(72)【発明者】

【氏名】上田 雄一

(72)【発明者】

【氏名】岩田 昌重

【審査官】大塚 多佳子

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１２－１５３３９４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特公平０１－０５０６４１（ＪＰ，Ｂ２）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６５Ｇ ５７／０３

Ｂ６５Ｇ ５７／３２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

オーダー情報に基づいて仕分けられ、１つ以上の物品からなる物品群の単位で、制御装置により駆動制御されて前記物品を搬送する物品供給装置から供給された前記物品を受け取り、前記制御装置により制御されて前記物品供給装置よりも下方に配置された容器に前記物品群ごとに前記物品を移載する物品移載装置であって、
可撓性を有するシート状部材により構成されて前記物品を受け取る受け部材と、
前記受け部材の一方側の端部である第１端部を支持する第１支持部と、
前記受け部材の他方側の端部である第２端部の側の規定領域を支持する第２支持部と、
前記受け部材の姿勢を変更する姿勢変更部と、を備え、
前記第２支持部は、水平面に沿う方向に前記第１支持部と対向して配置され、前記規定領域において前記受け部材を支持すること、前記受け部材を解放すること、及び前記受け部材を支持した状態で前記第１端部の方向へ前記受け部材を繰り出すこと、が可能であり、
前記姿勢変更部は、
前記第１支持部と前記第２支持部との間で前記受け部材が水平面に沿う第１姿勢となるように前記受け部材を保持する第１動作と、
前記第２端部の側において前記受け部材が自由状態となる第２姿勢となるように、前記第２支持部から前記受け部材を解放する第２動作と、
前記受け部材が前記第１姿勢から前記第２姿勢となるまでの間で、前記第２支持部から前記受け部材を繰り出す第３動作と、を実行可能であり、
前記制御装置により制御される前記姿勢変更部は、前記制御装置により駆動制御される前記物品供給装置から複数の前記物品が前記物品群の単位で順次供給される場合に、前記物品供給装置から供給される前記物品の総量、又は前記物品供給装置からの前記物品の供給時間に基づいて、前記第３動作により前記第１姿勢から前記受け部材の繰り出し量を前記物品が順次供給されるに従って増加させ、全ての前記物品が供給された後、前記第２動作を実行する、物品移載装置。

【請求項2】

前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から供給される前記物品の総量が多くなるに従って、前記第２動作を開始するまでの前記第３動作による前記受け部材の前記繰り出し量が多くなるように制御する、請求項１に記載の物品移載装置。

【請求項3】

前記姿勢変更部は、前記物品供給装置からの前記物品の供給時間に応じた時間、継続して前記第３動作により前記受け部材を繰り出す、請求項１に記載の物品移載装置。

【請求項4】

前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から供給される前記物品が、前記受け部材上で順次載り重なるように、前記第３動作により前記受け部材を繰り出す請求項１に記載の物品移載装置。

【請求項5】

前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から最初の前記物品が供給される前に、前記第３動作を開始する、請求項１から４の何れか一項に記載の物品移載装置。

【請求項6】

前記受け部材は、矩形状であり、前記第１端部は１つの辺であり、前記第２端部は前記第１端部の対辺である、請求項１から５の何れか一項に記載の物品移載装置。

【請求項7】

前記容器は、前記物品供給装置よりも下方に配置されたコンベヤ上に載置されて搬送される、請求項１から６の何れか一項に記載の物品移載装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、物品を供給する物品供給装置から供給された物品を受け取り、物品供給装置よりも下方に配置されたコンベヤ又はコンベヤ上に設置された容器に物品を移載する物品移載装置に関する。

【背景技術】

【0002】

特開２０１２－１５３３９４号公報には、上記のような物品移載装置が開示されている（背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。）。この物品移載装置は、下方及び少なくとも１つの側面が開口した箱形状の本体部（１９）と、本体部（１９）の底面と底面に隣接して対向する一対の側面に亘って延在する長さを有する矩形ベルト状の受け部材（２７）とを備えている。物品供給装置からは、本体部（１９）の側面の開口を介して物品（１６）が供給され、本体部（１９）の下方の開口と容器（１７）の開口とが対向する状態で、当該容器（１７）に物品（１６）が移載される。

【0003】

本体部（１９）の側面の開口部を介して物品（１６）が供給される際には、受け部材（２７）によって物品（１６）が受け止められる。この際、受け部材（２７）は、一方の側面側（第１側面側）が固定され他方の側面側（第２側面側）から一定の長さ分が繰り出されることによって、下方に撓んで物品（１６）を受け止める。この繰り出しは、本体部（１９）の下方に搬送される容器（１７）の搬送タイミングに応じて実施される。供給される複数の物品（１６）を全て受け止めると、さらに、受け部材（２７）が繰り出され、第２側面側から解放される。そして、受け部材（２７）を第１側面側に移動させると、受け部材（２７）が容器（１７）から引き抜かれ、容器（１７）に物品（１６）が収容される。物品（１６）は、受け部材（２７）によって受け止められた後に、容器（１７）の底部に接触するので、物品（１６）への衝撃を抑制して適切に物品（１６）が移載される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開２０１２－１５３３９４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上記のように、受け部材が一定の長さ分だけ繰り出されて下方に撓むと、撓みの大きさに応じた容量を超えて複数の物品が投入された場合に、物品がうまく容器の中に入らない可能性がある。つまり、容器の容量が十分であっても、複数の物品をうまく容器に収容できない可能性がある。また、物品が軽い場合には、物品の投入後、受け部材が引き抜かれる際に物品を弾き出してしまう可能性がある。

【0006】

上記背景に鑑みて、複数の物品を適切に容器に収容することができる物品移載装置の提供が望まれる。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記に鑑みた、オーダー情報に基づいて仕分けられ、１つ以上の物品からなる物品群の単位で、制御装置により駆動制御されて前記物品を搬送する物品供給装置から供給された前記物品を受け取り、前記制御装置により制御されて前記物品供給装置よりも下方に配置された容器に前記物品群ごとに前記物品を移載する物品移載装置は、可撓性を有するシート状部材により構成されて前記物品を受け取る受け部材と、前記受け部材の一方側の端部である第１端部を支持する第１支持部と、前記受け部材の他方側の端部である第２端部の側の規定領域を支持する第２支持部と、前記受け部材の姿勢を変更する姿勢変更部と、を備え、前記第２支持部は、水平面に沿う方向に前記第１支持部と対向して配置され、前記規定領域において前記受け部材を支持すること、前記受け部材を解放すること、及び前記受け部材を支持した状態で前記第１端部の方向へ前記受け部材を繰り出すこと、が可能であり、前記姿勢変更部は、前記第１支持部と前記第２支持部との間で前記受け部材が水平面に沿う第１姿勢となるように前記受け部材を保持する第１動作と、前記第２端部の側において前記受け部材が自由状態となる第２姿勢となるように、前記第２支持部から前記受け部材を解放する第２動作と、前記受け部材が前記第１姿勢から前記第２姿勢となるまでの間で、前記第２支持部から前記受け部材を繰り出す第３動作と、を実行可能であり、前記制御装置により制御される前記姿勢変更部は、前記制御装置により駆動制御される前記物品供給装置から複数の前記物品が前記物品群の単位で順次供給される場合に、前記物品供給装置から供給される前記物品の総量、又は前記物品供給装置からの前記物品の供給時間に基づいて、前記第３動作により前記第１姿勢から前記受け部材の繰り出し量を前記物品が順次供給されるに従って増加させ、全ての前記物品が供給された後、前記第２動作を実行する。

【0008】

この構成によれば、制御装置により制御される姿勢変更部は、制御装置により駆動制御される物品供給装置から複数の物品が順次供給される場合に、物品供給装置から供給される物品の総量、又は物品供給装置からの物品の供給時間に基づいて、受け部材の繰り出し量を増加させる。従って、複数の物品が順次供給されるに従って、受け部材の撓み量が大きくなり、受け部材が受け取ることができる容量が大きくなっていく。このため、複数の物品を受け部材から溢れさせることなく、適切に容器に収容することができる。即ち、本構成によれば、複数の物品を適切に容器に収容することができる物品移載装置を提供することができる。

【0009】

物品移載装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】物品移載装置を備えた仕分けシステムの斜視図

【図2】物品移載装置を備えた仕分けシステムの平面図

【図3】複数段仕分け装置の一部を模式的に示す斜視図

【図4】仕分けシステムの側面図

【図5】物品移載装置の本体部の内部の構造を模式的に示す斜視図

【図6】物品搬送装置及物品移載装置を含む仕分けシステムの制御ブロック図

【図7】物品移載装置の状態遷移の一例を示す図

【発明を実施するための形態】

【0011】

以下、仕分けシステム（アソートシステム）に適用される形態を例として、物品移載装置の実施形態を図面に基づいて説明する。

【0012】

まず、図１～図４を参照して、仕分けシステムＰＳについて説明する。図１に示すように、仕分けシステムＰＳは、例えば通信販売を行う事業者が保有する物流設備に備えられ、保管されている複数の物品Ｇの中から必要な物品Ｇを仕分けして出庫する。仕分けシステムＰＳは、例えば、不図示の自動倉庫に保管された複数の物品Ｇから必要な物品Ｇを仕分けして出庫する。この場合、自動倉庫には、複数の物品Ｇが種別毎に容器に収容された状態で保管されている。そして、種別毎に容器に収容された複数の物品Ｇは、自動倉庫から自動で搬出され、不図示の物品ばらし部において個別の物品Ｇに分離される。その後、複数の物品Ｇのそれぞれが個別に搬送される。尚、「物品Ｇ」には、例えば、食料品や生活用品などの各種商品、又は、工場の生産ライン等において用いられる仕掛品などであり、仕分け対象となる物品Ｇには様々な物が含まれる。

【0013】

仕分けシステムＰＳは、複数段仕分け装置７と、複数段仕分け装置７から物品Ｇを受け取り、受け取った物品Ｇを当該複数段仕分け装置７から離間する方向である第１方向Ｘに沿って搬送する搬出コンベヤ８と、搬出コンベヤ８から物品Ｇを受け取って当該物品Ｇを平面視で第１方向Ｘに交差する（図示の例では直交する）第２方向Ｙに沿って搬送する物品搬送装置１００とを備えている。更に、本例の仕分けシステムＰＳは、図２に示すように、複数段仕分け装置７に物品Ｇを搬入する搬入装置６と、物品移載装置５を介して物品搬送装置１００から物品Ｇを受け取って搬出する搬出装置９とを備えている。

【0014】

詳細は後述するが、物品搬送装置１００は、物品移載装置５に物品Ｇを供給する物品供給装置に相当する。また、搬出装置９は、物品供給装置よりも下方に配置されたコンベヤ（出荷コンベヤ）に相当する。物品移載装置５は、搬出装置９又は搬出装置９上に設置された容器Ｂに自動的に物品Ｇを移載する自動投入器である。本実施形態では、物品移載装置５は、物品搬送装置１００に対して、物品搬送装置１００の搬送方向の下流側である第２方向第１側Ｙ１に配置されており、物品供給装置としての物品搬送装置１００から供給された物品Ｇを受け取り、搬出装置９上に設置された容器Ｂに物品Ｇを自動投入する自動投入機として構成されている。

【0015】

搬入装置６は、種別毎に容器に収容された状態で自動倉庫から搬出されると共に物品ばらし部において個別に分離された物品Ｇを、順次、複数段仕分け装置７に搬入する。図２に示す例では、搬入装置６は、コンベヤとして構成されている。

【0016】

複数段仕分け装置７は、搬入装置６から搬入された物品Ｇを仕分けるための装置である。図３に示すように、複数段仕分け装置７は、上下方向の高さが異なる複数段の間口７１を有し、物品Ｇを複数段の間口７１の何れかに仕分けして排出する。図示の例では、複数段仕分け装置７は、複数段及び複数列からなる直交格子状配列の複数の間口７１を有している。

【0017】

複数段仕分け装置７は、オーダー情報に基づいて、物品Ｇを複数の間口７１の何れかに仕分ける。本例では、複数段仕分け装置７は、オーダー情報に基づいて決定された特定の間口７１から物品Ｇを排出して搬出コンベヤ８に引き渡すことで、物品Ｇの仕分けを行う。尚、ここでのオーダー情報とは、例えば、出荷すべき物品Ｇ（単一種であっても良いし、複数種の組み合わせであっても良い。）の種別及び数量を指定したオーダー（ピッキングオーダー）を示す情報である。そして、複数段仕分け装置７は、各オーダーによって指定された１つ以上の物品Ｇを、オーダー毎に異なる間口７１に排出することで、物品Ｇの仕分けを行う。

【0018】

詳細な図示は省略するが、例えば、複数段仕分け装置７は、物品Ｇを判別するための物品判別部を備えている。複数段仕分け装置７は、物品判別部による判別結果に基づいて、物品Ｇを仕分ける。例えば、物品判別部は、物品Ｇを撮像するカメラを備えており、このカメラで取得された画像データに対する画像認識処理を行うことにより物品Ｇを判別するように構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、例えば、物品情報を記憶するＩＣタグやバーコード等（記憶部）が物品Ｇに付されていると共に、物品判別部が、当該物品情報を読み取るリーダー（読取部）を備え、このリーダーにより読み取った物品情報に基づいて物品Ｇを判別するように構成されていても良い。

【0019】

本実施形態では、図２～図４に示すように、複数段仕分け装置７は、レール７２と、当該レール７２に沿って移動する複数の搬送台車７３とを備えている。レール７２は、間口７１が設けられる複数段毎に、水平方向（第２方向Ｙ）に沿って設けられる水平部分を備えている。搬送台車７３は、レール７２の水平部分に沿って走行するように構成され、これにより、物品Ｇを第２方向Ｙに搬送する。また、レール７２は、上下方向に延在すると共に、複数段毎に配置される水平部分を接続する上下部分を備えていても良い。この場合、搬送台車７３は、レール７２の上下部分に沿って昇降するように構成され、これにより、複数段毎に配置される水平部分のそれぞれに移動可能となる。この場合には、搬送台車７３の数は、間口７１が設けられる段数に制限されない。そのため、例えば、間口７１が設けられる段数よりも少ない台数や多い台数の搬送台車７３を配置することも可能である。尚、図３に示す例では、８段の間口７１に対して８台の搬送台車７３が配置されている。

【0020】

本実施形態では、搬送台車７３のそれぞれは、物品Ｇを下方から支持すると共に当該物品Ｇを間口７１から排出する排出コンベヤ７４を備えている。排出コンベヤ７４は、搬送台車７３の走行経路から第１方向Ｘに物品Ｇを移動させる。

【0021】

搬出コンベヤ８は、複数段仕分け装置７によって仕分けられた物品Ｇを搬送するための装置である。本実施形態では、搬出コンベヤ８は、複数段の間口７１のそれぞれに対応して設けられており、複数段仕分け装置７によって間口７１から排出された物品Ｇを一時的に貯留すると共に、当該貯留した物品Ｇを第１方向Ｘに搬送するように構成されている。本実施形態では、複数の搬出コンベヤ８が、複数段のそれぞれにおいて、複数列の間口７１のそれぞれに対応するように第２方向Ｙに並んで配置されている。

【0022】

図２及び図４に示すように、搬出コンベヤ８は、オーダー毎の複数の物品Ｇの集合である物品群Ｇｇ単位で物品Ｇを搬送し、物品搬送装置１００へ排出する。１つの物品群Ｇｇを構成する物品Ｇの数は、オーダー毎に異なる。例えば、オーダーによっては、１つの物品Ｇによって１つの物品群Ｇｇが構成される場合もある。

【0023】

物品搬送装置１００は、物品Ｇを搬送するための装置である。物品供給装置としての物品搬送装置１００は、仕分けシステムＰＳにおいて、搬出コンベヤ８から排出された物品Ｇ（物品群Ｇｇ）を第２方向Ｙに搬送し、物品移載装置５を介して搬出装置９に引き渡す。

【0024】

図１及び図２に示すように、物品搬送装置１００は、それぞれ物品Ｇを搬送する第１コンベヤ１と第２コンベヤ２とを備えている。また、物品搬送装置１００は、第２方向Ｙにおいて第１コンベヤ１と第２コンベヤ２との間に配置された中間コンベヤ３を更に備えている。これら第１コンベヤ１、第２コンベヤ２、中間コンベヤ３は、制御装置Ｃによって駆動制御されている（図６参照）。

【0025】

本実施形態では、第１コンベヤ１は、プーリと当該プーリに巻回されたベルトとを有するベルトコンベヤにより構成され、ベルトの上面に第１搬送面Ｆ１が形成されている。ベルトは、モータなどのアクチュエータ（第１駆動部Ｍ１：図６参照）によりプーリを回転駆動することにより駆動される。第１駆動部Ｍ１は、制御装置Ｃによって制御される。

【0026】

図４に示すように、第１コンベヤ１は、第１搬送面Ｆ１に対して第１方向Ｘに隣接して配置された第１側壁部Ｓ１を備えている。第１側壁部Ｓ１は、第１搬送面Ｆ１よりも上方に突出して、第２方向Ｙに沿って配置されている。本第１側壁部Ｓ１によって、第１搬送面Ｆ１上を搬送されている物品Ｇが第１搬送面Ｆ１から第１方向Ｘの外側に脱落することを抑制することができる。換言すれば、第１側壁部Ｓ１によって、第１搬送面Ｆ１上を搬送されている物品Ｇを第２方向Ｙ（搬送方向）に適切に案内することができる。本例では、第１側壁部Ｓ１も、コンベヤとして構成されており、物品Ｇは、第１搬送面Ｆ１及び第１側壁部Ｓ１の双方によって、第２方向Ｙ（搬送方向）に沿って搬送される。

【0027】

図１等に示すように、本実施形態では、第１コンベヤ１は、第１搬送面Ｆ１を昇降させる昇降機構１１を備えている。昇降機構１１は、制御装置Ｃによって制御される（図６参照）。第１コンベヤ１が、昇降機構１１により第１搬送面Ｆ１を昇降させることで、図４に示すように、複数段に亘って設けられた搬出コンベヤ８のそれぞれに対応した高さに第１搬送面Ｆ１を配置することが可能となっており、複数段の何れの搬出コンベヤ８からも物品Ｇを受け取ることが可能となっている。本例では、図１に示すように、昇降機構１１は、第１搬送面支持部１０を昇降自在に支持するマスト１１１と、第１搬送面支持部１０を昇降駆動する昇降駆動部１１０とを備えている。

【0028】

詳細な説明は省略するが、図１及び図２に示すように、第２コンベヤ２は、第１コンベヤ１よりも搬送方向の下流側（第２方向第１側Ｙ１）に配置されている。第２コンベヤ２は、第１搬送面Ｆ１に対して異なる高さに配置されると共に物品Ｇを載置した状態で搬送する搬送面と、第１駆動部Ｍ１とは独立して搬送面を駆動する第２駆動部Ｍ２とを備えている。第１コンベヤ１と同様に、第２コンベヤ２は、プーリと当該プーリに巻回されたベルトとを有するベルトコンベヤにより構成され、ベルトの上面に搬送面が形成されている。ベルトは、モータなどのアクチュエータ（第２駆動部Ｍ２：図６参照）によりプーリを回転駆動することにより駆動される。第２駆動部Ｍ２は、制御装置Ｃによって制御される。

【0029】

また、中間コンベヤ３は、第１コンベヤ１と第２コンベヤ２との間、即ち、第１コンベヤ１よりも搬送方向の下流側（第２方向第１側Ｙ１）且つ第２コンベヤ２よりも搬送方向の上流側（第２方向第２側Ｙ２）に配置されている。中間コンベヤ３は、第１搬送面Ｆ１及び第２コンベヤ２の搬送面に対して異なる高さに配置されると共に物品Ｇを載置した状態で搬送する搬送面と、第１駆動部Ｍ１及び第２駆動部Ｍ２とは独立して当該搬送面を駆動する中間駆動部Ｍ３とを備えている。第１コンベヤ１及び第２コンベヤ２と同様に、中間コンベヤ３は、プーリと当該プーリに巻回されたベルトとを有するベルトコンベヤにより構成され、ベルトの上面に搬送面が形成されている。ベルトは、モータなどのアクチュエータ（中間駆動部Ｍ３：図６参照）によりプーリを回転駆動することにより駆動される。中間駆動部Ｍ３は、制御装置Ｃによって制御される。

【0030】

図４に示すように、第１コンベヤ１の第１搬送面Ｆ１は、水平面に対する第１方向Ｘの角度が傾斜している（例えば、１０°～２０°）。これにより、第１コンベヤ１によって搬送される物品Ｇを、第１搬送面Ｆ１上において第１側壁部Ｓ１の側に寄せた状態で搬送することができる。尚、本例では、第１搬送面Ｆ１の水平面に対する第２方向Ｙの角度は、０°に設定されている。

【0031】

また、第２コンベヤ２の搬送面は、上下方向における高さが第１搬送面Ｆ１よりも低く、水平面に対する第１方向Ｘの角度が第１搬送面Ｆ１の水平面に対する第１方向Ｘの角度よりも小さい角度（本実施形態では、０°）である。すなわち、第２コンベヤ２の搬送面は、水平面に沿って配置されている。これにより、物品Ｇを水平面に沿って搬送することができる。本実施形態では、図１及び図２に示すように、第２コンベヤ２よりも搬送方向の下流側（第２方向第１側Ｙ１）に、オーダー毎の物品群Ｇｇ単位で物品Ｇを搬出装置９に投入するための物品移載装置５（自動投入機）が設けられている。尚、本例では、第２コンベヤ２の搬送面の水平面に対する第２方向Ｙの角度は、０°に設定されている。

【0032】

中間コンベヤ３の搬送面は、第１搬送面Ｆ１と第２コンベヤ２の搬送面との上下方向の間に配置され、水平面に対する第１方向Ｘの角度が第１搬送面Ｆ１の水平面に対する第１方向Ｘの角度と、第２コンベヤ２の搬送面の水平面に対する第１方向Ｘの角度との間の中間角度で傾斜している。このような構成により、物品Ｇが複数のコンベヤ間において搬送面から搬送面へ移動する際の上下方向の距離を短くすることができる。従って、この物品搬送装置１００によれば、水平面に対する第１方向Ｘの傾斜角度、及び上下方向における高さが互いに異なる搬送面を有する複数のコンベヤ間を物品が移動する際の衝撃を緩和することが可能となっている。尚、本例では、中間コンベヤ３の搬送面の水平面に対する第２方向Ｙの角度は、０°に設定されている。

【0033】

物品移載装置５は、物品搬送装置１００から物品Ｇが供給される投入口５６が第２方向第２側Ｙ２に形成されると共に、底部が開放された箱状の本体部５５を備えている。物品移載装置５は、物品供給装置としての物品搬送装置１００よりも下方に設置された搬出装置９の上方に本体部５５の底部が位置するように、配置されている。搬出装置９は、複数段仕分け装置７によって仕分けられた物品群Ｇｇ単位で、物品Ｇを収容する容器Ｂを搬送している。本実施形態では、物品移載装置５よりも第２方向第２側Ｙ２から空の容器Ｂが順次、第２方向第１側Ｙ１に向かって搬送され、物品移載装置５の下方にて物品Ｇが容器Ｂに収容される。そして、物品移載装置５よりも第２方向第１側Ｙ１に向かって物品群Ｇｇ単位で物品Ｇが収容された容器Ｂが搬送される。

【0034】

詳細は図５～図７を参照して後述するが、物品移載装置５は、物品供給装置としての物品搬送装置１００から物品Ｇを受け取る受け部材５０と、受け部材５０の第１端部５１を支持する第１支持部８１と、受け部材５０の第２端部５２の側の規定領域Ｒを支持する第２支持部８２と、受け部材５０の姿勢を変更する姿勢変更部４０とを備えている。

【0035】

図５は、本体部５５の内部の構造を示しており、図５に示すように、受け部材５０は、可撓性を有するシート状部材により構成されている。本実施形態では、受け部材５０は、矩形状であり、第１端部５１は１つの辺であり、第２端部５２は第１端部５１の対辺である。第１支持部８１は、シート状の受け部材５０の一方側の端部である第１端部５１を支持する。第２支持部８２は、シート状の受け部材５０の他方側の端部である第２端部５２の側の規定領域Ｒを支持する。後述するように、第２支持部８２による規定領域Ｒにおける支持位置が変わることによって、受け部材５０の姿勢が変わる。姿勢変更部４０は、第１支持部８１によって第１端部５１が支持されている状態で、第２支持部８２による支持位置を変更することによって、受け部材５０の姿勢を変更する。

【0036】

図５に示すように、物品移載装置５は、箱状の本体部５５の第１方向Ｘに沿った２つの側面部のそれぞれの内側の４つの角部の１つに配置された駆動スプロケット６４と、３つの角部のそれぞれに配置された従動スプロケット６２とを備えている。２つの側面部に備えられたそれぞれの駆動スプロケット６４同士は、対をなして互いに対向して配置されており、本実施形態では駆動シャフト６５によって連結されている。駆動スプロケット６４及び駆動シャフト６５は、例えばモータなどのアクチュエータによって構成された周回駆動部Ｍ６によって回転駆動される。また、２つの側面部に備えられたそれぞれの従動スプロケット６２同士も、対をなして互いに対抗して配置されている。本実施形態では対となる従動スプロケット６２の間に、案内シャフト６３が備えられている。案内シャフト６３は、シート状の受け部材５０の移動を案内すると共に、受け部材５０を支持する支持部（第１支持部８１及び第２支持部８２）として機能する。尚、従動スプロケット６２と案内シャフト６３とは、相対回転可能であってもよい。

【0037】

それぞれの側面部の内側に配置された１つの駆動スプロケット６４及び３つの従動スプロケット６２には、ドライブチェーン６１が張り渡されている。駆動シャフト６５及び駆動スプロケット６４が、周回駆動部Ｍ６によって回転駆動されることで、ドライブチェーン６１が、一定の経路を移動してそれぞれの側面部の面に沿って周回する。一対のドライブチェーン６１の予め規定された位置には、シート状の受け部材５０の一端が接続された連結部材５３が連結されている。本実施形態では、連結部材５３は、受け部材５０の第１端部５１を構成する辺の全域を保持する剛性を有した部材とされている。図示の例では、連結部材５３は、受け部材５０の第２方向Ｙの全域に亘って延在する棒状部材とされている。ドライブチェーン６１が周回すると、受け部材５０もドライブチェーン６１と共に周回する。周回方向に沿って連結部材５３が設けられている側の端部が受け部材５０の第１端部５１であり、周回方向に沿って第１端部５１とは反対側の端部が受け部材５０の第２端部５２である。

【0038】

受け部材５０は、周回方向の下流側である第１端部５１の側においては、連結部材５３を介してドライブチェーン６１に連結されている。受け部材５０の上流側である第２端部５２の側は、ドライブチェーン６１には連結されておらず、周回方向における一部の範囲において、送りローラ４１と押圧ローラ４２とに狭持される。送りローラ４１は、例えばモータなどのアクチュエータによって構成された繰り出し駆動部Ｍ５により回転駆動される。繰り出し駆動部Ｍ５は、制御装置Ｃによって制御される。

【0039】

送りローラ４１と押圧ローラ４２とにより受け部材５０を狭持した状態で、送りローラ４１が回転駆動されることによって、ドライブチェーン６１が停止していても受け部材５０を周回方向に繰り出すことができる。送りローラ４１が停止している場合には、送りローラ４１と押圧ローラ４２との狭持によって受け部材５０の周回方向への移動を規制することができる。尚、駆動装置の図示は省略するが、押圧ローラ４２は、送りローラ４１を押圧する状態と、送りローラ４１から離間して押圧状態から解放する状態とに位置変更可能に構成されていると好適である。

【0040】

図５に示すように、受け部材５０が本体部５５の底部の開口部を塞ぐように位置している状態において、受け部材５０の第１端部５１の側を案内する案内シャフト６３及び連結部材５３は、受け部材５０の第１端部５１を支持する第１支持部８１に相当する。また、受け部材５０の第２端部５２の側を案内する案内シャフト６３、送りローラ４１、及び押圧ローラ４２は、受け部材５０を第２端部５２の側で支持する第２支持部８２に相当する。尚、上述したように、ドライブチェーン６１が停止して連結部材５３が移動しない状態においても、第２端部５２の側では受け部材５０を周回方向に繰り出すことができる。即ち、送りローラ４１及び押圧ローラ４２は、受け部材５０を周回方向に繰り出した状態で、受け部材５０の周回方向への移動を規制することができる。即ち、送りローラ４１及び押圧ローラ４２は、第２端部５２の側の規定領域Ｒを支持することができる。

【0041】

図５に示すように、第１支持部８１と第２支持部８２とは、水平面に沿う方向において互いに対向して配置されている。そして、第２支持部８２は、上述したように、規定領域Ｒにおいて受け部材５０を支持すること、及び、受け部材５０を支持した状態で第１端部５１の方向へ受け部材５０を繰り出すことが可能である。さらに、第２支持部８２は、送りローラ４１及び押圧ローラ４２よりも周回方向の下流側に受け部材５０を繰り出すことで、受け部材５０を支持せずに解放することが可能である。

【0042】

受け部材５０は、図５及び図７の第１フェーズ＃１に示すように、第１支持部８１と第２支持部８２との間で受け部材５０が水平面に沿う第１姿勢と、図７の第４フェーズ＃４、第５フェーズ＃５、第６フェーズ＃６に示すように、第２端部５２の側において受け部材５０が解放されて自由状態となる第２姿勢と、図７の第２フェーズ＃２、第３フェーズ＃３に示すように、第１支持部８１と第２支持部８２との間で受け部材５０が水平面から下方に撓んだ第３姿勢と、の３つの状態となることができる。第２支持部８２が、規定領域Ｒにおいて受け部材５０を支持することによって、受け部材５０は第１姿勢と第３姿勢となる。尚、第３姿勢は、第２支持部８２が、第１姿勢の受け部材５０を第１端部５１の方向へ繰り出すことによって実現される。また、第２支持部８２が送りローラ４１及び押圧ローラ４２よりも周回方向の下流側に受け部材５０を繰り出すことで、受け部材５０は第２姿勢となる。

【0043】

上述したように、送りローラ４１と押圧ローラ４２とにより受け部材５０を狭持した状態で、送りローラ４１が回転駆動されることによって、受け部材５０の姿勢を第１姿勢から第３姿勢に変更し、さらに第３姿勢から第２姿勢へと変更することができる。従って、送りローラ４１、押圧ローラ４２、及び繰り出し駆動部Ｍ５は、受け部材５０の姿勢を変更する姿勢変更部４０に相当する。上述したように、姿勢変更部４０は、受け部材５０が第１姿勢となるように受け部材５０を保持する第１動作と、第２端部５２の側において受け部材５０が自由状態となる第２姿勢となるように、第２支持部８２から受け部材５０を解放する第２動作と、受け部材５０が第３姿勢を形成するように、受け部材５０が第１姿勢から第２姿勢となるまでの間で、第２支持部８２から受け部材５０を繰り出す第３動作と、を実行可能である。

【0044】

上述したように、容器Ｂに収容される物品Ｇは、複数の物品Ｇによる物品群Ｇｇを構成している場合がある。姿勢変更部４０は、物品搬送装置１００から複数の物品Ｇが順次供給される場合に、複数の物品Ｇの供給に応じて、第３動作により第１姿勢から受け部材の繰り出し量を増加させ、全ての物品Ｇが供給された後、第２動作を実行する。これにより、複数の物品Ｇが順次供給されるに従って、受け部材５０の撓み量が大きくなり、受け部材５０が受け取ることができる容量が大きくなっていく。このため、複数の物品Ｇを受け部材から溢れさせることなく、適切に容器に収容することができる。

【0045】

第３動作における繰り出し量は、物品搬送装置１００から供給される一群の物品群Ｇｇを構成する物品Ｇの総量や、物品搬送装置１００から供給される一群の物品群Ｇｇを構成する物品Ｇの供給時間に応じた時間、に応じて設定することができる。

【0046】

即ち、姿勢変更部４０は、物品搬送装置１００から供給される物品Ｇの総量が多くなるに従って、第２動作を開始するまでの第３動作による受け部材５０の繰り出し量が多くなるように制御することができる。姿勢変更部４０がこのように制御すると、物品Ｇの総量が多くなるに従って、受け部材５０の撓み量が大きくなり、撓んだ部分の容量が大きくなるので、適切に複数の物品Ｇを受け取って容器Ｂに収容することができる。ここで、物品Ｇの総量を定める尺度として、例えば、物品Ｇの体積、数、重量のいずれか１つ又は複数の組み合わせを用いることができる。これらの情報は、制御装置Ｃが、上位の制御装置等から受け取る構成とすることができる。

【0047】

また、姿勢変更部４０は、物品搬送装置１００からの物品Ｇの供給時間に応じた時間、継続して第３動作により受け部材５０を繰り出すことができる。姿勢変更部４０がこのように制御すると、供給時間に応じた時間の経過に従って受け部材５０の撓み量が次第に大きくなり、撓んだ部分の容量も次第に大きくなる。従って、複数の物品Ｇが供給される場合に、複数の物品Ｇを受け止めることができる撓みを適切に形成し、複数の物品Ｇを適切に容器Ｂに収容することができる。

【0048】

また、姿勢変更部４０は、物品搬送装置１００から供給される物品Ｇが、受け部材５０上で順次載り重なるように、第３動作により受け部材５０を繰り出してもよい。姿勢変更部４０がこのように制御すると、供給される物品Ｇが増えるに従って受け部材５０の撓み量が大きくなり、複数の物品Ｇが載り重なった状態で適切に容器Ｂに収容することができる。

【0049】

また、姿勢変更部４０は、物品搬送装置１００から一群の物品群Ｇｇを構成する物品Ｇの内の最初の物品Ｇが供給される前に、第３動作を開始するとよい。図５や図７の第１フェーズ＃１に示すように、物品搬送装置１００から物品Ｇが供給される前には、受け部材５０は水平面に沿った第１姿勢であり、張力が掛かった状態である。このため、物品搬送装置１００から供給された物品Ｇが、受け部材５０によって跳ねるおそれがある。しかし、最初の物品Ｇが供給される前に、第３動作が開始されて受け部材５０が撓んでいると、張力が低下するため、物品Ｇが跳ねにくく、適切に受け部材５０によって受け止められる。当然ながら、第１姿勢であっても、受け部材５０が撓まない程度に張力を低下させておけば、最初の物品Ｇが供給されると同時、或いは、最初の物品Ｇが供給され始めた後に、第３動作が開始されてもよい。

【0050】

以下、図７を参照して、物品移載装置５による複数の物品Ｇ（物品群Ｇｇ）の移載手順について説明する。物品搬送装置１００から物品Ｇが供給される前には、受け部材５０は、第１支持部８１及び第２支持部８２によって支持された第１姿勢である（第１フェーズ＃１）。続いて、姿勢変更部４０は、物品Ｇの供給に応じて、第３動作により第１姿勢から受け部材５０の繰り出し量を増加させる（第２フェーズ＃２、第３フェーズ＃３）。第３フェーズ＃３は、第２フェーズ＃２よりも物品搬送装置１００からの物品Ｇの供給時間が経過したフェーズ、或いは、図７に示すように、第２フェーズ＃２よりも多くの物品Ｇが供給されたフェーズである。このため、第２フェーズ＃２に比べて、第３フェーズ＃３の方が、受け部材＃３がより多く繰り出され、受け部材５０の下方への撓みが大きくなっている。

【0051】

一群の物品群Ｇｇを構成する物品Ｇが全て供給されると、姿勢変更部４０は、第２動作を実行し、第２支持部８２から受け部材５０を解放する（第４フェーズ＃４）。これにより、受け部材５０の張力が失われ、物品Ｇは、受け部材５０と共に、容器Ｂの底部に降下する（第５フェーズ＃５）。この時、下方に撓んだ受け部材５０によって物品Ｇは十分に容器Ｂの底部に近い位置まで降下しているため、容器Ｂと物品Ｇとの衝撃が緩和される。続いて、周回駆動部Ｍ６によってドライブチェーン６１が駆動され、ドライブチェーン６１に第１端部５１が固定された受け部材５０が、容器Ｂから引き抜かれる（第６フェーズ＃６）。

【0052】

このように、受け部材５０の撓み量を次第に大きくすると、容器Ｂに対して安定して物品Ｇを移載することができる。このため、容器Ｂに移載される物品Ｇの総量が多い場合でも、適切に物品Ｇを移載することができる。

【0053】

〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。

【0054】

（１）上記においては、受け部材５０の全体が矩形状で、第１端部５１が１つの辺であり、第２端部５２が第１端部５１の対辺である形態を例示して説明した。しかし、受け部材５０は全体が矩形状でなくてもよい。例えば、第１姿勢から第３姿勢を経て第２姿勢に至るまでに、第１支持部８１と第２支持部８２との間に位置する範囲が少なくとも矩形状であればよい。例えば、第１端部５１の側は、端部に向かうに従って幅が狭くなる三角形状であってもよい。上記においては、図５に例示したように、連結部材５３が受け部材５０の第１端部５１を構成する辺の全域を保持する形態を例示したが、この場合には、連結部材５３は第１端部５１の側の三角形状の頂点を保持する構成とされると好適である。

【0055】

（２）上記においては、第３動作における繰り出し量が、物品搬送装置１００から供給される一群の物品群Ｇｇを構成する物品Ｇの総量や、物品搬送装置１００から供給される一群の物品群Ｇｇを構成する物品Ｇの供給時間に応じた時間、に応じて設定される形態を例示して説明した。しかし、繰り出し量は、物品搬送装置１００から供給される物品Ｇの量や、供給時間とは関係なく、毎回一定の割合で一定時間増加するように制御されてもよい。

【0056】

（３）上記においては、投入口５６に供給される物品Ｇが、第１コンベヤ１、第２コンベヤ２、及び中間コンベヤ３により搬送されてくる形態を例示して説明した。しかし、このような形態に限定されることなく、投入口５６への物品Ｇの供給方法としては、公知の各種方法を用いることができる。例えば、コンベヤではなくスライダを用いて投入口５６に物品Ｇを供給する構成としても良い。また、コンベヤを用いて投入口５６に物品Ｇを供給する場合において、当該コンベヤが、ベルトコンベヤ以外のコンベヤ、例えば、ローラコンベヤやチェーンコンベヤにより構成されていても良い。

【0057】

（４）上記においては、物品移載装置５がコンベヤを備えて構成されている搬出装置９又は搬出装置９上に設置された容器Ｂに自動的に物品Ｇを投入する形態を例示して説明した。しかし、容器Ｂは、コンベヤ等によって自動的に搬送される形態に限らず、作業者などによって設置されてもよい。即ち、物品移載装置５は、物品供給装置から供給された物品Ｇを受け取り、物品供給装置よりも下方に配置された容器Ｂに物品Ｇを移載すればよく、容器Ｂは物品移載装置５に対してどのように設置されてもよい。

【0058】

〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品移載装置の概要について簡単に説明する。

【0059】

１つの態様として、物品を供給する物品供給装置から供給された前記物品を受け取り、前記物品供給装置よりも下方に配置された容器に前記物品を移載する物品移載装置は、可撓性を有するシート状部材により構成されて前記物品を受け取る受け部材と、前記受け部材の一方側の端部である第１端部を支持する第１支持部と、前記受け部材の他方側の端部である第２端部の側の規定領域を支持する第２支持部と、前記受け部材の姿勢を変更する姿勢変更部と、を備え、前記第２支持部は、水平面に沿う方向に前記第１支持部と対向して配置され、前記規定領域において前記受け部材を支持すること、前記受け部材を解放すること、及び前記受け部材を支持した状態で前記第１端部の方向へ前記受け部材を繰り出すこと、が可能であり、前記姿勢変更部は、前記第１支持部と前記第２支持部との間で前記受け部材が水平面に沿う第１姿勢となるように前記受け部材を保持する第１動作と、前記第２端部の側において前記受け部材が自由状態となる第２姿勢となるように、前記第２支持部から前記受け部材を解放する第２動作と、前記受け部材が前記第１姿勢から前記第２姿勢となるまでの間で、前記第２支持部から前記受け部材を繰り出す第３動作と、を実行可能であり、前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から複数の前記物品が順次供給される場合に、複数の前記物品の供給に応じて、前記第３動作により前記第１姿勢から前記受け部材の繰り出し量を増加させ、全ての前記物品が供給された後、前記第２動作を実行する。

【0060】

この構成によれば、姿勢変更部は、物品供給装置から複数の物品が順次供給される場合に、複数の物品の供給に応じて、受け部材の繰り出し量を増加させる。従って、複数の物品が順次供給されるに従って、受け部材の撓み量が大きくなり、受け部材が受け取ることができる容量が大きくなっていく。このため、複数の物品を受け部材から溢れさせることなく、適切に容器に収容することができる。即ち、本構成によれば、複数の物品を適切に容器に収容することができる物品移載装置を提供することができる。

【0061】

ここで、前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から供給される前記物品の総量が多くなるに従って、前記第２動作を開始するまでの前記第３動作による前記受け部材の前記繰り出し量が多くなるように制御すると好適である。

【0062】

この構成によれば、物品供給装置から供給される物品の総量が多くなるに従って、受け部材の撓み量が大きくなり、撓んだ部分の容量が大きくなる。従って、適切に複数の物品を受け取って容器に収容することができる。

【0063】

また、前記姿勢変更部は、前記物品供給装置からの前記物品の供給時間に応じた時間、継続して前記第３動作により前記受け部材を繰り出すと好適である。

【0064】

この構成によれば、供給時間に応じた時間の経過に従って受け部材の撓み量が次第に大きくなり、撓んだ部分の容量も次第に大きくなる。従って、複数の物品が供給される場合に、複数の物品を受け止めることができる撓みを適切に形成し、複数の物品を適切に容器に収容することができる。

【0065】

また、前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から供給される前記物品が、前記受け部材上で順次載り重なるように、前記第３動作により前記受け部材を繰り出すと好適である。

【0066】

この構成によれば、供給される物品が増えるに従って受け部材の撓み量が大きくなり、複数の物品が載り重なった状態で適切に容器に収容することができる。

【0067】

また、前記姿勢変更部は、前記物品供給装置から最初の前記物品が供給される前に、前記第３動作を開始すると好適である。

【0068】

この構成によれば、最初に供給される物品から適切に受け部材によって受け止めることができる。

【0069】

また、前記受け部材は、矩形状であり、前記第１端部は１つの辺であり、前記第２端部は前記第１端部の対辺であると好適である。

【0070】

受け部材が矩形状であり、第１端部及び第２端部が対辺同士であることによって、適切に第１姿勢及び第３姿勢を形成すると共に、第２姿勢において迅速に受け部材を第２支持部から解放させることができる。

【0071】

また、前記容器は、前記物品供給装置よりも下方に配置されたコンベヤ上に載置されて搬送されると好適である。

【0072】

容器がコンベヤに載置され、搬送されるので、物品移載装置から容器への物品の投入、及び物品が投入された後の容器の搬送を自動化することが容易となる。

【符号の説明】

【0073】

５ ：物品移載装置
９ ：搬出装置（物品供給装置よりも下方に設置されたコンベヤ）
４０ ：姿勢変更部
５０ ：受け部材
５１ ：第１端部
５２ ：第２端部
８１ ：第１支持部
８２ ：第２支持部
１００ ：物品搬送装置（物品供給装置）
Ｂ ：容器
Ｇ ：物品
Ｒ ：規定領域

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】