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特許7439719マルチチップモジュールおよび電子制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】マルチチップモジュールおよび電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20230101AFI20240220BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240220BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20240220BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240220BHJP
   H05K 1/03 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L25/00 A
H01L23/12 301Z
H05K1/03 610B
H05K1/03 610G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020168564
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060845
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】高千穂 慧
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特許第6443556(JP,B2)
【文献】国際公開第2020/183802(WO,A1)
【文献】特開2020-035940(JP,A)
【文献】特開2010-285111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/04
H01L 25/00
H01L 23/12
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板(4)と、
前記支持基板の複数の基板辺に沿って設けられた複数の端子(40)と、
前記支持基板に設けられ、前記端子と電気的に接続された複数の配線(51~54、61、62、71~73)と、
前記支持基板に実装され、一部の前記配線と電気的に接続された複数の素子側通信端子(11~13)を有し、前記素子側通信端子を介して通信信号の送受信を行う半導体素子(1)と、を備え、
前記支持基板は、前記素子側通信端子と前記配線を介して電気的に接続された前記端子を含む複数の通信端子群が一部の前記基板辺に沿って設けられており、
前記半導体素子は、前記通信端子群が沿って設けられた前記基板辺側に偏って複数の前記素子側通信端子が配置され
前記支持基板は、複数の前記通信端子群が一つの前記基板辺に沿ってのみ設けられており、
前記半導体素子は、複数の前記通信端子群が沿って設けられた前記基板辺に沿って、複数の前記素子側通信端子が配置されているマルチチップモジュール。
【請求項2】
支持基板(4)と、
前記支持基板の複数の基板辺に沿って設けられた複数の端子(40)と、
前記支持基板に設けられ、前記端子と電気的に接続された複数の配線(51~54、61、62、71~73)と、
前記支持基板に実装され、一部の前記配線と電気的に接続された複数の素子側通信端子(11~13)を有し、前記素子側通信端子を介して通信信号の送受信を行う半導体素子(1)と、を備え、
前記支持基板は、前記素子側通信端子と前記配線を介して電気的に接続された前記端子を含む複数の通信端子群が一部の前記基板辺に沿って設けられており、
前記半導体素子は、前記通信端子群が沿って設けられた前記基板辺側に偏って複数の前記素子側通信端子が配置され
前記支持基板は、複数の前記通信端子群が隣り合う二つの前記基板辺に沿って設けられており、
前記半導体素子は、複数の前記通信端子群が沿って設けられた二つの前記基板辺がなす角部側に偏って配置されているマルチチップモジュール。
【請求項3】
支持基板(4)と、
前記支持基板の複数の基板辺に沿って設けられた複数の端子(40)と、
前記支持基板に設けられ、前記端子と電気的に接続された複数の配線(51~54、61、62、71~73)と、
前記支持基板に実装され、一部の前記配線と電気的に接続された複数の素子側通信端子(11~13)を有し、前記素子側通信端子を介して通信信号の送受信を行う半導体素子(1)と、を備え、
前記支持基板は、前記素子側通信端子と前記配線を介して電気的に接続された前記端子を含む複数の通信端子群が一部の前記基板辺に沿って設けられており、
前記半導体素子は、前記通信端子群が沿って設けられた前記基板辺側に偏って複数の前記素子側通信端子が配置され
前記支持基板は、複数の前記通信端子群が向かい合う二つの前記基板辺に沿って設けられており、
前記半導体素子は、二つの前記基板辺のうち、前記通信端子群が多く配置されている前記基板辺に偏って配置されているマルチチップモジュール。
【請求項4】
支持基板(4)と、
前記支持基板の複数の基板辺に沿って設けられた複数の端子(40)と、
前記支持基板に設けられ、前記端子と電気的に接続された複数の配線(51~54、61、62、71~73)と、
前記支持基板に実装され、一部の前記配線と電気的に接続された複数の素子側通信端子(11~13)を有し、前記素子側通信端子を介して通信信号の送受信を行う半導体素子(1)と、を備え、
前記支持基板は、前記素子側通信端子と前記配線を介して電気的に接続された前記端子を含む複数の通信端子群が一部の前記基板辺に沿って設けられており、
前記半導体素子は、前記通信端子群が沿って設けられた前記基板辺側に偏って複数の前記素子側通信端子が配置されて
複数の前記端子は、グランド端子を含んでおり、
前記支持基板は、前記半導体素子と前記通信端子群との間に、複数の前記配線のうち、前記通信端子群の前記端子に接続された通信配線と、前記グランド端子に接続されたグランド配線のみが配置されているマルチチップモジュール。
【請求項5】
前記半導体素子は、前記素子側通信端子としての高速通信端子に加えて、前記高速通信端子よりも低速通信に用いられる低速通信端子(15、16)とを有し、
前記支持基板は、前記通信端子群としての高速端子群に加えて、前記低速通信端子と前記配線を介して電気的に接続された前記端子を含む低速端子群(44、45)が一部の前記基板辺に沿って設けられている請求項1~4のいずれか1項に記載のマルチチップモジュール。
【請求項6】
前記支持基板は、表面(s11)に前記半導体素子が実装され、前記表面の反対面である裏面(s12)に、少なくとも複数の前記通信端子群に含まれる前記端子が設けられている請求項1~のいずれか1項に記載のマルチチップモジュール。
【請求項7】
複数の前記配線は、前記表面に設けられた表面配線(51a)と、前記裏面に設けられた裏面配線(51b)と、前記支持基板の内部に設けられた第1内部配線(51c)と第2内部配線(51d)とを含んでおり、
前記半導体素子は、前記素子側通信端子における一部が前記第1内部配線と前記裏面配線の第1経路を介して前記通信端子群の一部の前記端子に電気的に接続され、前記素子側通信端子における他の一部が前記表面配線と前記第2内部配線の第2経路を介して前記通信端子群の他の一部の前記端子に電気的に接続されており、前記通信信号を前記第1経路と前記第2経路のいずれか一方で送信するとともに、他方で受信する請求項に記載のマルチチップモジュール。
【請求項8】
複数の前記端子は、前記支持基板の複数の前記基板辺に加えて、複数の前記基板辺に囲まれた位置に設けられた内側端子群を含んでおり、
前記半導体素子は、前記内側端子群の対向領域を避けて複数の前記素子側通信端子が設けられている請求項またはに記載のマルチチップモジュール。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のマルチチップモジュール(101~105)と、前記マルチチップモジュールが実装され貫通ビアが形成された貫通基板であるメイン基板(110)と、を備える電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチチップモジュールおよび電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチチップモジュールの一例として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
マルチチップモジュールは、支持基板に半導体素子が実装されている。支持基板は、第1高速通信インターフェイス端子群と第2高速通信インターフェイス端子群が設けられている。半導体素子は、第1高速通信インターフェイス端子群と接続された第1高速通信電極群と、第2高速通信インターフェイス端子群と接続された第2高速通信電極群が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6443556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マルチチップモジュールは、第1高速通信インターフェイス端子群と第2高速通信インターフェイス端子群が対向する辺に設けられている。このため、マルチチップモジュールは、第1高速通信インターフェイス端子群と第1高速通信電極群との間の配線や第2高速通信インターフェイス端子群と第2高速通信電極群との間の配線が長くなることもありうる。この場合、マルチチップモジュールでノイズが発生しやすくなる。
【0006】
開示される一つの目的は、ノイズの発生を低減できるマルチチップモジュールおよび電子制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示されたマルチチップモジュールは、
支持基板(4)と、
支持基板の複数の基板辺に沿って設けられた複数の端子(40)と、
支持基板に設けられ、端子と電気的に接続された複数の配線(51~54、61、62、71~73)と、
支持基板に実装され、一部の配線と電気的に接続された複数の素子側通信端子(11~13)を有し、素子側通信端子を介して通信信号の送受信を行う半導体素子(1)と、を備え、
支持基板は、素子側通信端子と配線を介して電気的に接続された端子を含む複数の通信端子群が一部の基板辺に沿って設けられており、
半導体素子は、通信端子群が沿って設けられた基板辺側に偏って複数の素子側通信端子が配置され
支持基板は、複数の通信端子群が一つの基板辺に沿ってのみ設けられており、
半導体素子は、複数の通信端子群が沿って設けられた基板辺に沿って、複数の素子側通信端子が配置されている
【0008】
このため、マルチチップモジュールは、素子側通信端子と複数の通信端子群における端子とを電気的に接続している配線の長さが長くなることを抑制できる。よって、マルチチップモジュールは、ノイズの発生を低減できる。
【0009】
また、ここに開示された電子制御装置は、
上記のマルチチップモジュール(101~105)と、マルチチップモジュールが実装され貫通ビアが形成された貫通基板であるメイン基板(110)と、を備える
【0010】
このように、電子制御装置は、メイン基板として、貫通ビアが形成された貫通基板が用いられている。このため、電子制御装置は、メイン基板としてビルドアップ基板を用いるよりも、ノイズが悪化しやすい。しかしながら、マルチチップモジュールは、上記と同様、マルチチップモジュール上で発生するノイズを低減できる。よって、電子制御装置は、メイン基板にノイズが伝搬しにくい。
【0011】
この明細書において開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態におけるマルチチップモジュールの表面側の概略構成を示す平面図である。
図2】第1実施形態におけるマルチチップモジュールの裏面側の概略構成を示す平面図である。
図3】第1実施形態におけるECUの概略構成を示す平面図である。
図4】第2実施形態におけるマルチチップモジュールの表面側の概略構成を示す平面図である。
図5】第2実施形態におけるマルチチップモジュールの裏面側の概略構成を示す平面図である。
図6】第3実施形態におけるマルチチップモジュールの概略構成を示す側面図である。
図7図6のVII部分の断面図である。
図8】変形例1におけるマルチチップモジュールの概略構成を示す側面図である。
図9】変形例2におけるマルチチップモジュールの概略構成を示す側面図である。
図10】第4実施形態におけるマルチチップモジュールの表面側の概略構成を示す平面図である。
図11】第4実施形態におけるマルチチップモジュールの裏面側の概略構成を示す平面図である。
図12】第5実施形態におけるマルチチップモジュールの裏面側の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
【0014】
(第1実施形態)
図1図3を用いて、第1実施形態のECU200(Electronic Control Unit)に関して説明する。本実施形態では、本開示の電子制御装置をECU200に適用している。ECU200は、主に、メイン基板110と、マルチチップモジュール101とを備えている。以下、マルチチップモジュールをモジュールと略称で記載することもある。なお、図2では、表面s11に実装された半導体素子1を破線で示している。
【0015】
まず、図1図2を用いて、モジュール101に関して説明する。モジュール101は、半導体素子1、内部電源装置2、メモリ装置3、支持基板4を備えている。さらに、モジュール101は、複数の端子40、複数の配線51~54,61,62,71~73を備えている。
【0016】
図1図2に示すように、支持基板4は、半導体素子1、内部電源装置2、メモリ装置3などの実装部品が実装されている。支持基板4は、樹脂やセラミックスなどの絶縁基板に、導電性の部材を主成分とする配線が設けられた配線基板である。支持基板4は、複数の端子40と複数の配線51~54,61,62,71~73が設けられている。
【0017】
支持基板4は、表面s11と、表面s11の反対面である裏面s12を有している。表面s11は、半導体素子1などが実装される面である。このため、表面s11は、実装面ともいえる。裏面s12は、複数の端子40が設けられる面である。このため、裏面s12は、端子面ともいえる。
【0018】
表面s11と裏面s12は、互いに平行に設けられた平面である。表面s11と裏面s12は、矩形形状をなしている。よって、支持基板4は、直方体形状をなしている。また、支持基板4は、第1基板辺s1、第2基板辺s2、第3基板辺s3、第4基板辺s4の四つの辺を有している。各基板辺s1~s4は、支持基板4の側壁ともいえる。なお、支持基板4の構成は、一例に過ぎない。本開示の支持基板4は、これに限定されない。
【0019】
図2に示すように、複数の端子40は、導電性の材料を主成分として構成されている。複数の端子40は、支持基板4の裏面s12において、支持基板4の複数の基板辺s1~s4に沿って設けられている。本実施形態では、一例として、複数の端子40が基板辺s1~s4に沿って環状に設けられた例を採用している。また、本実施形態では、複数の端子40が二列に並んで配置された例を採用している。
【0020】
図1に示すように、複数の端子40は、接続先に応じて、複数の端子群41~47に区分けすることができる。つまり、各端子群41~47は、複数の端子40を含んでいる。複数の端子40は、機能ごとに複数の端子群41~47に分類されているともいえる。なお、各端子群41~47の接続関係に関しては、後ほど詳しく説明する。
【0021】
第1高速端子群41(FT1)、第2高速端子群42(FT2)、第3高速端子群43(FT3)は、半導体素子1と電気的に接続されている。高速端子群41~43は、半導体素子1の高速通信に用いられる端子群である。高速端子群41~43は、配線の一部である高速配線51~53を介して、素子側通信端子としての第1高速端子11~第3高速端子13と電気的に接続された端子40を含んでいる。高速端子群41~43は、通信端子群に相当する。
【0022】
高速端子群41~43は、支持基板4の一部の基板辺に沿って設けられている。第1高速端子群41と第2高速端子群42は、第3基板辺s3に沿って設けられている。第3高速端子群43は、第4基板辺s4に沿って設けられている。このように、第1高速端子群41~第3高速端子群43は、支持基板4における、隣り合う二つの基板辺s3,s4に沿って設けられている。また、第1高速端子群41~第3高速端子群43は、直行する二辺である第3基板辺s3と第4基板辺s4に沿って設けられているといえる。なお、高速端子群41~43は、まとめて第1端子群40aとも称することができる。
【0023】
第1低速端子群44(ST1)、第2低速端子群45(ST2)は、半導体素子1と電気的に接続されている。低速端子群44,45は、半導体素子1の低速通信に用いられる端子群である。低速端子群44,45は、配線の一部である低速配線61,62を介して、低速通信端子としての第1低速端子15、第2低速端子16と電気的に接続された端子40を含んでいる。
【0024】
第1低速端子群44は、第1基板辺s1と第4基板辺s4に沿って設けられている。第2低速端子群45は、第2基板辺s2に沿って設けられている。このように、支持基板4は、高速端子群41~43に加えて、低速端子群44,45が一部の基板辺に沿って設けられている。
【0025】
基板電源端子群46(Vin)は、内部電源装置2と電気的に接続されている。基板電源端子群46は、内部電源装置2への電力供給に用いられる端子群である。基板電源端子群46は、配線の一部である第1電源配線71を介して、入力電源端子21(Vin)と電気的に接続された端子40を含んでいる。基板電源端子群46は、第2基板辺s2に沿って設けられている。
【0026】
グランド端子群47(GND)は、マルチチップモジュール101のグランド端子としての端子40を含んでいる。グランド端子群47は、第1基板辺s1に沿って設けられている。
【0027】
複数の配線51~54,61,62,71~73は、支持基板4に設けられ、端子40と電気的に接続されている。詳述すると、複数の配線51~54,61,62,71~73は、実装部品と各端子40や実装部品間を電気的に接続している。複数の配線51~54,61,62,71~73は、支持基板4の表面s11だけでなく、支持基板4の裏面s12や内部にも設けられている。
【0028】
第1高速配線51は、一端が第1高速端子群41と電気的に接続されている。また、第1高速配線51は、他端が半導体素子1の第1高速端子11(FT1)と電気的に接続されている。
【0029】
なお、第1高速端子群41と電気的に接続されているとは、第1高速端子群41に含まれている複数の端子40と接続されていることを示す。同様に、第1高速端子11と電気的に接続されているとは、第1高速端子11に含まれている複数の端子と接続されていることを示す。これらの点は、他の端子群42~47や他の端子12~16に関しても同様である。
【0030】
第2高速配線52は、一端が第2高速端子群42と電気的に接続されている。また、第2高速配線52は、他端が半導体素子1の第2高速端子12(FT2)と電気的に接続されている。
【0031】
第3高速配線53は、一端が第3高速端子群43と電気的に接続されている。また、第3高速配線53は、他端が半導体素子1の第3高速端子13(FT3)と電気的に接続されている。高速配線51~53は、通信配線に相当する。
【0032】
第4高速配線54は、一端が半導体素子1の第4高速端子14(FT4)と電気的にされている。また、第4高速配線54は、他端がメモリ装置3のメモリ通信端子32(FT4)と電気的に接続されている。
【0033】
第1低速配線61は、一端が第1低速端子群44と電気的に接続されている。また、第1低速配線61は、半導体素子1の第1低速端子15(ST1)と電気的に接続されている。
【0034】
第2低速配線62は、一端が第2低速端子群45と電気的に接続されている。また、第2低速配線62は、半導体素子1の第2低速端子16(ST2)と電気的に接続されている。
【0035】
第1電源配線71は、一端が基板電源端子群46と電気的に接続されている。また、第1電源配線71は、他端が内部電源装置2の入力電源端子21と電気的に接続されている。
【0036】
第2電源配線72は、一端が内部電源装置2の出力電源端子22(Vout)と電気的に接続されている。また、第2電源配線72は、他端がメモリ装置3のメモリ電源端子31(Vin)と電気的に接続されている。
【0037】
第3電源配線73は、一端が出力電源端子22と電気的に接続されている。また、第3電源配線73は、他端が半導体素子1の素子電源端子17(Vin)と電気的に接続されている。
【0038】
半導体素子1は、複数の機能を有したSoC(System on Chip)である。つまり、半導体素子1は、一つのチップ上に複数の機能が設けられ、統合されたシステムが組み込まれている。また、半導体素子1は、複数の機能として、複数の高速通信機能と、高速通信機能よりも低速な複数の低速通信機能とを備えている。高速通信機能は、高速通信モジュールともいえる。同様に、低速通信機能は、低速通信モジュールともいえる。
【0039】
半導体素子1は、高速通信機能を実行することで、後ほど説明する高速端子11~13を介して高速通信信号の送受信を行う。また、半導体素子1は、画像インターフェイス機能を備えていてもよい。この場合、半導体素子1は、高速端子11~13の少なくとも一つを介して、高速通信信号としての画像信号の送受信を行う。高速通信信号は、通信信号に相当する。高速端子11~13は、素子側通信端子および高速通信端子に相当する。
【0040】
高速通信信号は、例えば、100MHz以上の信号である。また、高速通信信号は、例えば、Ethernet(xGMIIなど)、PCIe、eMMC、UFSなどで送受信される信号である。なお、xGMIIは、Gigabit Media Independent Interfaceの略称である。PCIeは、Peripheral Component Interconnect-Expressの略称である。eMMCは、Embedded Multi Media Cardの略称である。UFSは、Universal Flash Storageの略称である。
【0041】
また、半導体素子1は、低速通信機能を実行することで、後ほど説明する低速端子15,16を介して低速通信信号の送受信を行う。低速端子15,16は、低速通信端子に相当する。半導体素子1が低速通信機能を実行することで行う通信は、低速通信に相当する。
【0042】
低速通信信号は、例えば、100MHzに達しない信号である。また、低速通信信号は、SPI、PWM、GPIOなどで送受信される信号である。なお、SPIは、Serial Peripheral Interfaceの略称である。PWMは、Pulse Width Modulationの略称である。GPIOは、General Purpose Input/Outputの略称である。
【0043】
半導体素子1は、複数の端子11~17を備えている。複数の端子11~17は、上記のように電気的に接続されている。なお、各端子11~17は、一つの端子で構成されているわけではない。各端子11~17は、各端子群41~47のように、複数の端子を含んでいる。よって、各端子11~17は、素子側端子群11~17ともいえる。この点は、後ほど説明する内部電源装置2の端子21,22、メモリ装置3の端子31,32も同様である。
【0044】
本実施形態では、一例として、高速端子11~13に加えて、低速端子15,16を備えた半導体素子1を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、低速端子15,16を備えていない半導体素子1であっても採用できる。
【0045】
内部電源装置2は、半導体素子1とメモリ装置3に電力を供給する装置である。内部電源装置2は、入力電源端子21、出力電源端子22を備えている。内部電源装置2は、モジュール101の外部に設けられた電源装置160から電力が供給される。つまり、内部電源装置2は、基板電源端子群46、第1電源配線71、および入力電源端子21を介して電力が供給される。そして、内部電源装置2は、出力電源端子22、第3電源配線73、素子電源端子17を介して、半導体素子1に電力を供給する。同様に、内部電源装置2は、出力電源端子22、第2電源配線72、メモリ電源端子31、を介して、メモリ装置3に電力を供給する。
【0046】
メモリ装置3は、半導体素子1がアクセス可能に構成されている。メモリ装置3は、メモリ電源端子31、メモリ通信端子32を備えている。メモリ装置3は、例えば、揮発性半導体メモリと不揮発性半導体メモリとを備えている。
【0047】
図1図2に示すように、半導体素子1、内部電源装置2、メモリ装置3は、支持基板4の表面s11に実装されている。特に、半導体素子1は、高速端子群41~43が沿って設けられた基板辺s3,s4側に偏って、高速端子11~13が配置されている。また、半導体素子1は、高速端子11~13が基板辺s1,s2よりも基板辺s3,s4に近くなる位置に配置されているともいえる。また、半導体素子1は、高速端子11~13が基板辺s1,s2よりも基板辺s3,s4に近くなる位置であり、かつ、高速端子群41~43が沿って設けられた基板辺s3,s4側に偏って配置されているともいえる。
【0048】
なお、ここでの基板辺s1,s2は、高速端子群41~43が沿って設けられていない基板辺である。また、モジュール101は、図1の平面図において、半導体素子1の各側面と、各側面に対向する基板辺s1~s4とが平行となるように設けられている。しかしながら、本開示は、これに限定されない。モジュール101は、半導体素子1の各側面と、各側面に対向する基板辺s1~s4とが非平行となるように設けられてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、二つの基板辺s3,s4に沿って高速端子群41~43が設けられた例を採用している。このため、半導体素子1は、高速端子群41~43が沿って設けられた二つの基板辺s3,s4がなす角部側に偏って配置されている。二つの基板辺s3,s4がなす角部は、二つの基板辺s3,s4が交わる位置である。半導体素子1は、二つの基板辺s1,s2がなす角部、二つの基板辺s2,s3がなす角部、二つの基板辺s4,s1がなす角部よりも、二つの基板辺s3,s4がなす角部に近い位置に設けられているといえる。
【0050】
このように、モジュール101は、高速端子群41~43が沿って設けられた基板辺s3,s4側に偏って、高速端子11~13が配置されている。このため、モジュール101は、高速端子11~13と高速端子群41~43における端子40とを電気的に接続している高速配線51~53の長さが長くなることを抑制できる。よって、モジュール101は、ノイズの発生を低減できる。また、モジュール101は、高速配線51~53から発生されるノイズを低減できるともいえる。
【0051】
また、モジュール101は、高速配線51~53の長さが長くなることを抑制できるため、コモンモードノイズの発生を抑制できるとともに反射を低減できる。よって、モジュール101は、高周波成分(ノイズ)の発生を抑制できる。
【0052】
さらに、モジュール101は、内部電源装置2を備えている。このため、モジュール101は、内部電源装置2から導体素子1、メモリ装置3の電流経路がモジュール101内で閉じた経路となる。よって、モジュール101は、ECU200におけるモジュール101とは異なる構成要素にノイズが伝搬することを抑制できる。
【0053】
このように構成されたモジュール101は、ECU200の構成要素の一つとしてECU200に設けられる。ここで、図3を用いて、メイン基板110およびECU200に関して説明する。
【0054】
ECU200は、メイン基板110、高速通信ドライバ120、低速通信ドライバ130、マイコン140、ストレージ150、電源装置160、第1コネクタ171、第2コネクタ172、第3コネクタ173などを備えている。
【0055】
メイン基板110(PWB)は、樹脂やセラミックスなどの絶縁基板に、導電性の部材を主成分とする配線が設けられた配線基板である。メイン基板110は、貫通ビアが形成された貫通基板である。つまり、メイン基板110は、絶縁基板の一面から一面の反対面にわたって貫通した貫通穴の表面に金属膜が設けられている。言い換えると、メイン基板110は、貫通穴の表面に金属めっきが施されている。なお、貫通穴の表面とは、絶縁基板における貫通穴を囲う環状壁面の表面である。メイン基板110は、モジュール101に加えて、高速通信ドライバ120、低速通信ドライバ130、マイコン140、ストレージ150、電源装置160が実装されている。
【0056】
高速通信ドライバ120(FCD)は、高速通信信号の送受信を行うためのドライバ回路である。高速通信ドライバ120は、配線を介して第1高速端子群41と電気的に接続されている。また、高速通信ドライバ120は、配線を介して第2コネクタ172(CN2)と電気的に接続されている。
【0057】
低速通信ドライバ130(SCD)は、低速通信信号の送受信を行うためのドライバ回路である。低速通信ドライバ130は、第1低速端子群44と電気的に接続されている。また、低速通信ドライバ130は、配線を介して第3コネクタ173(CN3)と電気的に接続されている。
【0058】
マイコン140(MCU)は、少なくとも一つの処理装置と、少なくとも一つの記憶装置を備えている。処理装置は、CPUなどを採用することができる。記憶装置は、RAMやROMなどを採用することができる。マイコン140は、配線を介して第3高速端子群43と電気的に接続されている。また、マイコン140は、配線を介して第2低速端子群45と電気的に接続されている。
【0059】
ストレージ150(STR)は、不揮発性半導体メモリを備えている。ストレージ150は、配線を介して第2高速端子群42と電気的に接続されている。
【0060】
電源装置160(PSU)は、モジュール101に電力を供給する装置である。電源装置160は、配線を介して基板電源端子群46と電気的に接続されている。また、電源装置160は、配線を介して第1コネクタ171(CN1)と電気的に接続されている。
【0061】
コネクタ171~172は、ECU200と、ECU200の外部に設けられた外部装置とを電気的に接続するためのコネクタである。外部装置は、ECU200とは異なる他ECUや車載機器である。
【0062】
このように、ECU200は、メイン基板110として貫通基板が用いられている。このため、ECU200は、メイン基板110としてビルドアップ基板を用いるよりも、ノイズが悪化しやすい。しかしながら、ECU200は、モジュール101を備えている。このモジュール101は、上記のようにモジュール101上で発生するノイズを低減できる。また、モジュール101は、高速配線51~53から発生されるノイズ、内部電源装置2から発生されるノイズを低減できるともいえる。よって、ECU200は、メイン基板110にノイズが伝搬しにくい。このため、ECU200は、ノイズの耐性を向上できる。
【0063】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、第2~第5実施形態に関して説明する。上記実施形態および第2~第5実施形態は、それぞれ単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【0064】
(第2実施形態)
図4図5を用いて、第2実施形態のモジュール102に関して説明する。モジュール102は、高速端子群41~43の配置と半導体素子1の配置がモジュール101と異なる。なお、図5では、表面s11に実装された半導体素子1を破線で示している。
【0065】
図4図5に示すように、モジュール102は、第1高速端子群41と第3高速端子群43が第4基板辺s4に沿って設けられた支持基板4を備えている。また、支持基板4は、第2高速端子群42が第2基板辺s2に沿って設けられている。このように、支持基板4は、複数の高速端子群41~43が向かい合う二つの基板辺s2,s4に沿って設けられている。また、第4基板辺s4は、高速端子群(通信端子群)が多く配置されている基板辺に相当する。なお、第1高速端子群41と第3高速端子群43は、まとめて第2端子群40bとも称することができる。
【0066】
半導体素子1は、二つの基板辺s2,s4のうち、第4基板辺s4側に偏って配置されている。つまり、半導体素子1は、第2基板辺s2よりも第4基板辺s4の近くに配置されている。また、半導体素子1は、高速端子群41,43が沿って設けられた基板辺s2,s4側に偏って複数の高速端子11~13が配置されている。
【0067】
モジュール102は、モジュール101と同様の効果を奏することができる。また、モジュール102を備えたECU200は、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0068】
(第3実施形態)
図6図7を用いて、第3実施形態のモジュール103に関して説明する。モジュール103は、高速配線51~53の構成がモジュール101と異なる。高速配線51~53は、同様の構成を有している。ここでは、代表例として、第1高速配線51を用いて説明する。
【0069】
図6図7に示すように、モジュール103は、モジュール101と同様、支持基板4と半導体素子1などを備えている。半導体素子1は、第1高速端子群41の直上からずれた位置に配置されている。よって、第1高速端子11は、第1高速端子群41の直上には設けられていない。第1高速端子11と第1高速端子群41は、第1高速配線51を介して電気的に接続されている。
【0070】
モジュール103は、第1高速端子11の対向領域である第1領域a1、第1高速端子群41の対向領域である第2領域a2と、第1領域a1と第2領域a2と間の第3領域a3に区分けすることができる。第1領域a1は、第1高速端子11に含まれている複数の端子を囲う領域である。第2領域a2は、第1高速端子群41に含まれている複数の端子40を囲う領域である。
【0071】
各配線51~54,61,62,71~73は、絶縁基板を介して積層された導電性の膜と、異なる層の膜を電気的に接続する導電性の層間接続部材とを有している。つまり、支持基板4は、多層基板である。図7に示すように、第1高速配線51は、導電性の膜として、表面s11に設けられた表面配線51aと、裏面s12に設けられた裏面配線51bとを有している。また、第1高速配線51は、層間接続部材として、支持基板4の内部に設けられた第1内部配線51cと第2内部配線51dとを含んでいる。
【0072】
支持基板4は、半導体素子1と第1高速端子群41との間に、複数の配線51~54,61,62,71~73のうち、第1高速配線51とグランド配線のみが配置されている。グランド配線は、グランド端子群47の端子に電気的に接続された配線である。同様に、支持基板4は、半導体素子1と第2高速端子群42との間に、第2高速配線52とグランド配線のみが配置されている。支持基板4は、半導体素子1と第3高速端子群43との間に、第3高速配線53とグランド配線のみが配置されている。これによって、モジュール103は、モジュール103内でのクロストークを抑制でき、メイン基板110へのノイズ伝搬を抑制できる。
【0073】
モジュール103は、仮に半導体素子1を支持基板4の中央に配置し、半導体素子1と第1高速端子群41との間に、第1高速配線51とグランド配線のみを配置すると、他の配線を配置するために支持基板4の体格が大きくなる。しかしながら、モジュール103は、第1実施形態と同様に半導体素子1が配置されている。このため、モジュール103は、クロストークを抑制しつつ、支持基板4の体格が大きくなることも抑制できる。
【0074】
図7に示すように、半導体素子1は、第1高速端子11における端子の一部が第1内部配線51cと裏面配線51bを介して第1高速端子群41の一部の端子40と電気的に接続されている。また、半導体素子1は、第1高速端子11における端子の他の一部が表面配線51aと第2内部配線51dを介して第1高速端子群41の他の一部の端子40と電気的に接続されている。第1内部配線51cと裏面配線51bを含む経路は、第1経路に相当する。一方、表面配線51aと第2内部配線51d含む経路は、第2経路に相当する。
【0075】
本実施形態では、二つの配線を用いて高速通信信号の送受信を行う半導体素子1を採用する。半導体素子1は、例えば全二重通信にて高速通信信号の送受信を行う。よって、半導体素子1は、高速通信信号を第1経路と第2経路のいずれか一方で送信するとともに、他方で受信する。
【0076】
モジュール103は、支持基板4が上記のように構成されているため、第1経路の裏面配線51bと第2経路の表面配線51aとの位置を離すことができる。同様に、モジュール103は、第1経路の第1内部配線51cと第2経路の第2内部配線51dとの位置を離すことができる。よって、モジュール103は、高速通信信号の送信経路と受信経路との間におけるクロストークを抑制し、メイン基板110へのノイズ伝搬を抑制できる。
【0077】
(変形例1)
図8に示すように、モジュール103は、第1高速端子群41の直上に第1高速端子11が配置されていてもよい。これによっても、モジュール103は、上記と同様の効果を奏することができる。
【0078】
(変形例2)
図9に示すように、モジュール103は、第1高速端子群41の直上に第1高速端子11が配置されている。さらに、モジュール103は、第1高速端子群41よりも基板辺に近いに位置に他の端子群が配置されていてもよい。これによっても、モジュール103は、上記と同様の効果を奏することができる。
【0079】
(第4実施形態)
図10図11を用いて、第4実施形態のモジュール104に関して説明する。モジュール104は、主に内側端子群48が設けられている点がモジュール101と異なる。なお、図11では、表面s11に実装された半導体素子1を破線で示している。
【0080】
図10図11に示すように、モジュール104は、支持基板4の複数の基板辺s1~s4に加えて、複数の基板辺s1~s4に囲まれた位置に設けられた内側端子群48を備えている。支持基板4に設けられた複数の端子40は、内側端子群48を含んでいる。
【0081】
半導体素子1は、内側端子群48の対向領域を避けて高速端子11~13が設けられている。つまり、半導体素子1は、内側端子群48の対向領域の周辺に高速端子11~13が設けられている。また、半導体素子1は、内側端子群48の直上を避けて高速端子11~13が設けられているといえる。なお、内側端子群48の対向領域は、支持基板4の厚み方向において、内側端子群48に対向する領域である。
【0082】
モジュール104は、モジュール101と同様の効果を奏することができる。また、モジュール104を備えたECU200は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。モジュール104は、内側端子群48と高速端子群41~43との間におけるクロストークを抑制できる。
【0083】
(第5実施形態)
図12を用いて、第5実施形態のモジュール105に関して説明する。モジュール105は、高速端子群41,42の配置がモジュール101と異なる。なお、図12では、表面s11に実装された半導体素子1を破線で示している。
【0084】
図12に示すように、モジュール105は、高速端子群として、第1高速端子群41と第2高速端子群42の二つが設けられた支持基板4を備えている。支持基板4は、第1高速端子群41と第2高速端子群42が第3基板辺s3に沿って設けられている。このように、支持基板4は、第1高速端子群41と第2高速端子群42が一つの第3基板辺s3に沿ってのみ設けられている。なお、第1高速端子群41と第2高速端子群42は、まとめて第3端子群40cとも称することができる。
【0085】
半導体素子1は、第1高速端子11と第2高速端子12とを備えている。半導体素子1は、第3基板辺s3側に偏って高速端子11,12が配置されている。半導体素子1は、高速端子11,12が基板辺s1,s2,s4よりも基板辺s3に近くなる位置に配置されているともいえる。また、半導体素子1は、第3基板辺s3に沿って、高速端子11,12が配置されている。
【0086】
モジュール105は、モジュール101と同様の効果を奏することができる。また、モジュール105を備えたECU200は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0088】
1…半導体素子、11…第1高速端子、12…第2高速端子、13…第3高速端子、14…第4高速端子、15…第1低速端子、16…第2低速端子、17…素子電源端子、2…内部電源装置、21…入力電源端子、22…出力電源端子、3…メモリ装置、31…メモリ電源端子、32…メモリ通信端子、4…支持基板、40…端子、41…第1高速端子群、42…第2高速端子群、43…第3高速端子群、44…第1低速端子群、45…第2低速端子群、46…基板電源端子群、47…グランド端子群、51…第1高速配線、51a…表面配線、51b…裏面配線、51c…第1内部配線、51d…第2内部配線、52…第2高速配線、53…第3高速配線、54…第4高速配線、61…第1低速配線、62…第2低速配線、71…第1電源配線、72…第2電源配線、73…第3電源配線、101~105…マルチチップモジュール、110…メイン基板、120…高速通信ドライバ、130…低速通信ドライバ、140…マイコン、150…ストレージ、160…電源装置、171…第1コネクタ、172…第2コネクタ、173…第3コネクタ、200…ECU、s11…表面、s12…裏面、s1…第1基板辺、s2…第2基板辺、s3…第3基板辺、s4…第4基板辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12