IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田中央研究所の特許一覧

<>
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図1
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図2
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図3
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図4
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図5
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図6
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図7
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図8
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図9
  • 特許-充放電装置および電池接続装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】充放電装置および電池接続装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20240220BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20240220BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240220BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240220BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20240220BHJP
   H02J 7/00 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
H02J50/80
B60L55/00
H02J3/32
H02J50/10
H02J50/40
H02J7/00 P
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021112256
(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公開番号】P2023008582
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石垣 将紀
(72)【発明者】
【氏名】田原 康佐
(72)【発明者】
【氏名】繁内 宏治
(72)【発明者】
【氏名】石川 敬祐
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186410(JP,A)
【文献】特開2016-88169(JP,A)
【文献】特開2017-112608(JP,A)
【文献】特開2019-122091(JP,A)
【文献】特開2019-187006(JP,A)
【文献】特開2021-27281(JP,A)
【文献】特表平8-505279(JP,A)
【文献】国際公開第2010/062198(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/077450(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 55/00
H02J 3/32
H02J 7/00
H02J 50/10
H02J 50/40
H02J 50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給網に接続され、電池を含む電池ユニットとの間で非接触電力伝送を行う充放電装置であって、
前記非接触電力伝送をするための充放電スイッチング回路を備え、
前記電力供給網から与えられる直流グリッド電圧に基づいて、前記電池に対する伝送電力目標値を求め、前記伝送電力目標値に応じて前記充放電スイッチング回路のスイッチングを行い、前記電池ユニットをスイッチング制御するスイッチング信号を前記伝送電力目標値に応じて生成し、前記スイッチング信号を非接触通信によって前記電池ユニットに送信することを特徴とする充放電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充放電装置であって、
前記充放電装置に流れる電流の変化に対する前記直流グリッド電圧の変化を表す充放電特性設定値と、
無負荷状態としたときにおける前記電力供給網への接続端の電圧を表す無負荷電圧設定値と、を設定し、
前記直流グリッド電圧の測定値と、前記充放電特性設定値と、前記無負荷電圧設定値とから、前記伝送電力目標値を求めることを特徴とする充放電装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の充放電装置において、
前記電池ユニットに含まれる蓄電素子の端子間の電圧測定値を前記非接触通信によって取得し、
前記電圧測定値と、前記直流グリッド電圧の測定値とに基づいて、前記スイッチング信号を生成することを特徴とする充放電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の充放電装置において、
前記非接触通信によって前記電圧測定値が取得されないときは、スイッチングを行わないことを特徴とする充放電装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充放電装置において、
前記電池ユニットは、
前記非接触通信によって前記スイッチング信号が取得されないときは、スイッチングを行わないことを特徴とする充放電装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の充放電装置において、
並列に接続された2つのスイッチングアームであって、直列接続された2つのスイッチング素子を各前記スイッチングアームが備える2つのスイッチングアームと、
2つの前記スイッチングアームのうちの一方における2つのスイッチング素子の直列接続点と、他方における2つのスイッチング素子の直列接続点との間に接続された巻線と、
前記電池ユニットとの間で前記非接触通信を行うと共に、各前記スイッチングアームの各スイッチングをする充放電コントローラと、
を備え、
前記直流グリッド電圧が、各前記スイッチングアームの2つの並列接続点の間に印加されることを特徴とする充放電装置。
【請求項7】
前記電池が接続されることで前記電池ユニットを構成し、請求項6に記載の充放電装置との間で前記非接触電力伝送を行う電池接続装置において、
並列に接続された2つのスイッチングレッグであって、直列接続された2つのスイッチング素子を各前記スイッチングレッグが備える2つのスイッチングレッグと、
2つの前記スイッチングレッグのうちの一方における2つのスイッチング素子の直列接続点と、他方における2つのスイッチング素子の直列接続点との間に接続された第2巻線と、
前記充放電装置との間で前記非接触通信を行うと共に、前記スイッチング信号に応じて、各前記スイッチングレッグのスイッチングをする電池コントローラと、
を備え、
前記第2巻線のタップと、各前記スイッチングアームの2つの並列接続点のうちの一方との間に前記電池が接続されることを特徴とする電池接続装置。
【請求項8】
電池が接続され、電力供給網に接続された充放電装置との間で非接触電力伝送を行う電池接続装置において、
並列に接続された2つのスイッチングレッグであって、直列接続された2つのスイッチング素子を各前記スイッチングレッグが備える2つのスイッチングレッグと、
2つの前記スイッチングレッグのうちの一方における2つのスイッチング素子の直列接続点と、他方における2つのスイッチング素子の直列接続点との間に接続された巻線と、
前記充放電装置との間で非接触通信を行うと共に、前記充放電装置から前記非接触通信によって取得したスイッチング信号に応じて、各前記スイッチングレッグのスイッチングをする電池コントローラと、を備え、
前記巻線のタップと、各前記スイッチングアームの2つの並列接続点のうちの一方との間に前記電池が接続されることを特徴とする電池接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電装置および電池接続装置に関し、特に、電力供給網と電池との間で電力を伝送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の電力を用いて走行するハイブリッド自動車や電気自動車等の電動自動車が広く用いられている。電動自動車に対しては、電力事業者が提供する電力供給網に接続された充電装置が、サービスステーションや駐車場等に設けられている。電動自動車の二次電池は充電装置によって充電される。
【0003】
また、工場、オフィス、イベント会場等では、フォークリフト、運搬車、清掃ロボット等、二次電池を利用した電動装置が用いられている。複数の電動装置を工場やオフィス等の敷地内のあらゆる場所で用いるため、局所的に構築された電力供給網の要所に充電装置が接続された充電システムが開発されている。
【0004】
充電装置は、電力供給網から電動自動車または電動装置(以下、これらをまとめて電池搭載装置という)に電力を供給するスイッチング回路を備えている。また、電池搭載装置は、充電装置から取得した電力を二次電池に供給するスイッチング回路を備えている。充電装置側のスイッチング回路と、電池搭載装置側のスイッチング回路との間では、トランスを介して電力が伝送される。
【0005】
以下の特許文献1~4には、2つのスイッチング回路をトランスによって結合させる電力変換装置が記載されている。特許文献1~3に記載の電力変換装置では、1次巻線を有するコネクタと、2次巻線を有するコネクタとが結合することでトランスが構成される。以下の特許文献4には、非接触電力伝送を行うスイッチング回路の間で、結合素子を用いて非接触の制御通信を行う技術が記載されている。
【0006】
また、本願発明に関連する事項として、特許文献5には、車両に組み立てられる複数のモジュールの間で非接触給電が行われるシステムが記載されている。特許文献6には、非接触送電回路、非接触受電回路および素電池が1つのケースに収容された電源が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許5341083号明細書
【文献】米国特許公開公報2017/179765号明細書
【文献】特開2021-27281号公報
【文献】特開2019-187006号公報
【文献】特開2016-88169号公報
【文献】特開2018-191508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年では、V2G(Vehicle to Grid)と呼ばれる技術につき研究が行われている。V2Gでは、電動自動車に搭載された二次電池から電力供給網に電力が供給され、あるいは、電力供給網から二次電池に電力が供給される。また、上記の充電システムでは、ある充電装置における二次電池から、局所的に構築された電力供給網を介して他の充電装置における二次電池に充電電力を供給する制御が考えられている。
【0009】
このように、電力供給網から供給される電力によって二次電池を充電すると共に、二次電池から電力供給網に電力を供給する双方向電力伝送が行われる電池搭載装置については、電力供給網の状況に応じた具体的な制御処理が確立されていない。電力供給網の状況には、例えば、電力供給網に接続された複数の電池搭載装置のうち、電力供給源として動作している装置が供給する電力と、負荷として動作している装置が取得する電力との大小関係がある。
【0010】
本発明は、二次電池と電力供給網との間で、電力供給網の状況に応じた双方向電力伝送を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電力供給網に接続され、電池を含む電池ユニットとの間で非接触電力伝送を行う充放電装置であって、前記非接触電力伝送をするための充放電スイッチング回路を備え、前記電力供給網から与えられる直流グリッド電圧に基づいて、前記電池に対する伝送電力目標値を求め、前記伝送電力目標値に応じて前記充放電スイッチング回路のスイッチングを行い、前記電池ユニットをスイッチング制御するスイッチング信号を前記伝送電力目標値に応じて生成し、前記スイッチング信号を非接触通信によって前記電池ユニットに送信することを特徴とする。
【0012】
望ましくは、前記充放電装置に流れる電流の変化に対する前記直流グリッド電圧の変化を表す充放電特性設定値と、無負荷状態としたときにおける前記電力供給網への接続端の電圧を表す無負荷電圧設定値と、を設定し、前記直流グリッド電圧の測定値と、前記充放電特性設定値と、前記無負荷電圧設定値とから、前記伝送電力目標値を求める。
【0013】
望ましくは、前記電池ユニットに含まれる蓄電素子の端子間の電圧測定値を前記非接触通信によって取得し、前記電圧測定値と、前記直流グリッド電圧の測定値とに基づいて、前記スイッチング信号を生成する。
【0014】
望ましくは、前記非接触通信によって前記電圧測定値が取得されないときは、スイッチングを行わない。
【0015】
望ましくは、前記電池ユニットは、前記非接触通信によって前記スイッチング信号が取得されないときは、スイッチングを行わないことを特徴とする。
【0016】
望ましくは、並列に接続された2つのスイッチングアームであって、直列接続された2つのスイッチング素子を各前記スイッチングアームが備える2つのスイッチングアームと、2つの前記スイッチングアームのうちの一方における2つのスイッチング素子の直列接続点と、他方における2つのスイッチング素子の直列接続点との間に接続された巻線と、前記電池ユニットとの間で前記非接触通信を行うと共に、各前記スイッチングアームの各スイッチングをする充放電コントローラと、を備え、前記直流グリッド電圧が、各前記スイッチングアームの2つの並列接続点の間に印加される。
【0017】
望ましくは、前記電池が接続されることで前記電池ユニットを構成し、前記充放電装置との間で前記非接触電力伝送を行う電池接続装置において、並列に接続された2つのスイッチングレッグであって、直列接続された2つのスイッチング素子を各前記スイッチングレッグが備える2つのスイッチングレッグと、2つの前記スイッチングレッグのうちの一方における2つのスイッチング素子の直列接続点と、他方における2つのスイッチング素子の直列接続点との間に接続された第2巻線と、前記充放電装置との間で前記非接触通信を行うと共に、前記スイッチング信号に応じて、各前記スイッチングレッグのスイッチングをする電池コントローラと、を備え、前記第2巻線のタップと、各前記スイッチングアームの2つの並列接続点のうちの一方との間に前記電池が接続される。
【0018】
また、本発明は、電池が接続され、電力供給網に接続された充放電装置との間で非接触電力伝送を行う電池接続装置において、並列に接続された2つのスイッチングレッグであって、直列接続された2つのスイッチング素子を各前記スイッチングレッグが備える2つのスイッチングレッグと、2つの前記スイッチングレッグのうちの一方における2つのスイッチング素子の直列接続点と、他方における2つのスイッチング素子の直列接続点との間に接続された巻線と、前記充放電装置との間で非接触通信を行うと共に、前記充放電装置から前記非接触通信によって取得したスイッチング信号に応じて、各前記スイッチングレッグのスイッチングをする電池コントローラと、を備え、前記巻線のタップと、各前記スイッチングアームの2つの並列接続点のうちの一方との間に前記電池が接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、二次電池と電力供給網との間で、電力供給網の状況に応じて双方向電力伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る電池運用システムの構成を示す図である。
図2】電池運用システムの具体的な構成を示す図である。
図3】充放電コネクタの例を示す図である。
図4】電池ユニットの例を示す図である。
図5】充放電コントローラに構成される充放電制御装置の構成を示す図である。
図6】電気装置コネクタの例を示す図である。
図7】電池コントローラに構成される放電制御装置の構成を示す図である。
図8】充放電処理のフローチャートである。
図9】充放電マップを概念的に示す図である。
図10】充放電マップを概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に記載された同一の事項については同一の符号を付してその説明を簡略化する。本明細書における「上」「下」等の方向を示す用語は、図面における方向を示す。また、本明細書における「電池」の用語は、二次電池を意味する。
【0022】
図1には、本発明の実施形態に係る電池運用システム100の構成が示されている。電池運用システム100は、交流電力網10、AC/DCコンバータ12、直流電力網14、充放電コネクタ16、電池ユニット18、電気装置20および太陽電池システム24を備えている。
【0023】
交流電力網10は、電力供給事業者が提供する電力供給網であってよい。直流電力網14は、工場、オフィス等に局所的に構築された電力供給網であってよい。AC/DCコンバータ12は、交流直流変換を行い、交流電力網10から供給される交流電力を直流電力に変換して直流電力網14に供給する。また、AC/DCコンバータ12は、直流交流変換を行い、直流電力網14から供給される直流電力を交流電力に変換して交流電力網10に供給する。直流電力網14には、電池ユニット18を結合するための複数の充放電コネクタ16が接続されている。
【0024】
電池運用システム100は、電力源としての電池ユニット18を運用するものである。すなわち、電池運用システム100では、直流電力網14から供給される電力によって電池ユニット18の電池26が充電される。電池26を充電するときは、電池ユニット18が充放電コネクタ16に結合され、電池ユニット18が直流電力網14に電気的に接続される。電池26が充電された電池ユニット18は、充放電コネクタ16から取り外されて電気装置20に結合され、電池26の電力が電気装置20に供給される。電池26の充電電荷量が不足した電池ユニット18は、電気装置20から取り外されて充放電コネクタ16に再び結合され、直流電力網14から供給される電力によって電池ユニット18の電池26が充電される。
【0025】
なお、電池ユニット18は、他の充放電コネクタ16に結合した他の電池ユニット18に電力を供給し、他の電池ユニット18が備える電池26を充電してもよい。電池ユニット18は、フォークリフト、運搬車、電動自転車等の電池搭載装置に固定され、または着脱自在に備え付けられた装置であってもよい。
【0026】
電池ユニット18は、電池26と、電池26が接続された電池コネクタ28を備えている。電池26は電池コネクタ28に着脱自在であってよい。電池コネクタ28は充放電コネクタ16に着脱自在である。充放電コネクタ16および電池コネクタ28が結合することで、充放電コネクタ16と電池コネクタ28との間で電力伝送が行われる。
【0027】
電気装置20は電池搭載装置であってよい。電気装置20は電気装置コネクタ30および装置本体部32を備えている。電気装置コネクタ30は、電池コネクタ28に着脱自在である。すなわち、電気装置コネクタ30および電池コネクタ28が結合することで、電池コネクタ28と電気装置コネクタ30との間で非接触電力伝送が行われる。
【0028】
太陽電池システム24は、太陽電池34およびDC/DCコンバータ36を備えている。DC/DCコンバータ36は、太陽電池34が出力する電圧を調整して直流電力網14に出力し、太陽電池34から直流電力網14に直流電力を供給する。
【0029】
図2には、電池運用システム100の具体的な構成が示されている。充放電コネクタ16は、充放電スイッチング回路40、第1巻線42および充放電コントローラ44を備えている。充放電スイッチング回路40は、直流電力網14における一対の直流電力線47に接続されている。充放電コントローラ44は通信線49に接続されている。電池ユニット18は電池コネクタ28および電池26を備え、電池コネクタ28は、電池スイッチング回路46、第2巻線48および電池コントローラ50を備えている。電池スイッチング回路46には電池26が接続されている。
【0030】
図2の上段に示されているように、充放電コネクタ16に電池コネクタ28を結合することで、充放電コネクタ16が備える第1巻線42と、電池コネクタ28が備える第2巻線48が結合する。これによって、第1巻線42と第2巻線48がトランスを構成する。
【0031】
充放電コントローラ44は、充放電コネクタ16および電池コネクタ28の制御に用いられる情報を、ホストコンピュータ45から通信線49を介して取得してよい。充放電コントローラ44および電池コントローラ50は非接触通信を行う。充放電コントローラ44および電池コントローラ50は、互いに制御信号を送受信する。充放電コントローラ44が電池コントローラ50に送信する制御信号には、電池コントローラ50に対する指令の他、充放電スイッチング回路40の状態を示す情報(各部の電圧測定値、電流測定値等)が含まれてもよい。電池コントローラ50が充放電コントローラ44に送信する制御信号には、充放電コントローラ44に対する指令の他、電池スイッチング回路46の状態を示す情報(各部の電圧測定値、電流測定値等)が含まれてもよい。
【0032】
充放電コントローラ44は充放電スイッチング回路40のスイッチング制御をし、電池コントローラ50は、電池スイッチング回路46のスイッチング制御をする。これによって、直流電力網14から電池26に電力が供給され、あるいは電池26から直流電力網14に電力が供給される。
【0033】
図2の下段左側に示された電気装置20は、整流回路52、装置本体部32、第3巻線56および電気装置コントローラ54を備えている。本実施形態における整流回路52は、スイッチング制御が必要とされないダイオードによって構成されている。装置本体部32には電池が搭載されている。図2の中段に示されているように、電池26の充電が終了した電池ユニット18は、充放電コネクタ16から取り外される。下段に示されているように、電池ユニット18の電池コネクタ28を電気装置20の電気装置コネクタ30に結合することで、電池コネクタ28が備える第2巻線48と、電気装置コネクタ30が備える第3巻線56が結合する。これによって、第2巻線48と第3巻線56がトランスを構成する。
【0034】
電池コントローラ50および電気装置コントローラ54は非接触通信を行う。電池コントローラ50および電気装置コントローラ54は制御信号を互いに送受信する。電池コントローラ50が電気装置コントローラ54に送信する制御信号には、電気装置コントローラ54に対する指令の他、電池スイッチング回路46の状態を示す情報(各部の電圧測定値、電流測定値等)が含まれてもよい。電気装置コントローラ54が電池コントローラ50に送信する制御信号には、電池コントローラ50に対する指令の他、電気装置20の状態を示す情報(各部の電圧測定値、電流測定値等)が含まれてもよい。
【0035】
電池コントローラ50は、電池スイッチング回路46のスイッチング制御をする。電池26から整流回路52には、電池スイッチング回路46、第2巻線48および第3巻線56を介して交流電力が供給され、整流回路52によって得られた直流電力が装置本体部32に供給される。これによって、装置本体部32が備える電池が充電されてよい。あるいは、装置本体部32は、整流回路52から供給された電力によって動作してもよい。
【0036】
図3には、充放電コネクタ16の例が示されている。充放電コネクタ16は、直流電力網14に接続され、電池ユニット18との間で非接触電力伝送を行う充放電装置である。充放電コネクタ16が備える充放電スイッチング回路40は、入出力コンデンサCA、スイッチングアームU、V、正極端子60pおよび負極端子60nを備えている。スイッチングアームUおよびVのそれぞれは、直列接続された上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2を備えている。各スイッチング素子には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられてよい。スイッチング素子としてIGBTが用いられる場合、2つのスイッチング素子が直列接続されるとは、一方のエミッタ電極に他方のコレクタ電極が接続されることをいう。スイッチング素子としてMOSFETが用いられる場合、2つのスイッチング素子が直列接続されるとは、一方のソース電極に他方のドレイン電極が接続されることをいう。
【0037】
スイッチング素子としてIGBTが用いられる場合、IGBTのエミッタ電極にアノード電極が接続され、コレクタ電極にカソード電極が接続されたダイオードをスイッチング素子が備える。スイッチング素子としてMOSFETが用いられる場合、MOSFETのソース電極にアノード電極が接続され、ドレイン電極にカソード電極が接続されたダイオードをスイッチング素子が備える。
【0038】
スイッチングアームUおよびVは並列接続されている。すなわち、各スイッチングアームの上スイッチング素子S1の上端が共通に接続され、各スイッチングアームの下スイッチング素子S2の下端が共通に接続されている。入出力コンデンサCAは、スイッチングアームUおよびVに並列接続されている。すなわち、スイッチングアームUおよびVの上側の並列接続点と、下側の並列接続点との間に入出力コンデンサCAが接続されている。入出力コンデンサCA、スイッチングアームUおよびVの上端は、正極端子60pに接続され、入出力コンデンサCA、スイッチングアームUおよびVの下端は、負極端子60nに接続されている。正極端子60pおよび負極端子60nは、直流電力網14における一対の直流電力線47に接続されている。
【0039】
スイッチングアームUにおける上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2の直列接続点と、スイッチングアームVにおける上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2の直列接続点との間には、第1巻線42が接続されている。
【0040】
充放電コントローラ44は通信線49に接続されている。充放電コントローラ44は、通信線49に接続されたホストコンピュータ45との間で通信を行ってもよい。充放電コントローラ44は結合素子62を備えている。結合素子62は、電池ユニット18の電池コントローラ50が備える結合素子と非接触で結合する。充放電コントローラ44は、自らの結合素子62と、電池コントローラ50の結合素子を介して、電池コントローラ50との間で非接触通信を行い、制御信号を相互に送受信する。結合素子62は、電池コントローラ50が備える結合素子と近傍界で結合する導体素子であってもよいし、遠方界で結合する導体素子(アンテナ素子)であってもよい。
【0041】
充放電コントローラ44によるスイッチング制御に応じて、各スイッチングアームは次のように動作する。各スイッチングアームの上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2は交互にオンオフする。すなわち、上スイッチング素子S1がオフからオンに切り替わると共に、下スイッチング素子S2はオンからオフに切り替わり、上スイッチング素子S1がオンからオフに切り替わると共に、下スイッチング素子S2はオフからオンに切り替わる。スイッチングアームUがオンオフするスイッチング位相と、スイッチングアームVがオンオフするスイッチング位相は、180°異なっていてよい。スイッチングアームUおよびVのスイッチングによって、正極端子60pと負極端子60nとの間の電圧がスイッチングされ、第1巻線42に印加される。
【0042】
充放電スイッチング回路40、充放電コントローラ44、および第1巻線42は、電池ユニット18を充放電コネクタ16に結合させるための筐体に収容されてもよい。この場合、正極端子60pおよび負極端子60nから筐体の外側に引き出された一対の導線が、一対の直流電力線47に接続されてもよい。
【0043】
図4には、電池ユニット18の例が示されている。電池ユニット18は、電池26と、電池26が接続された電池コネクタ28とを備えている。電池コネクタ28は、充放電コネクタ16(充放電装置)との間で非接触電力伝送を行う電池接続装置である。電池コネクタ28が備える電池スイッチング回路46は、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、スイッチングレッグX、Y、正極端子66pおよび負極端子66nを備えている。ここでは、充放電コネクタ16に用いられたスイッチングアームUおよびVと区別するため、「スイッチングレッグ」の用語が用いられている。スイッチングレッグXおよびYのそれぞれは、直列接続された上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2を備えている。各スイッチング素子には、IGBT、MOSFET等が用いられてよい。
【0044】
スイッチングレッグXおよびYは並列接続されている。第1コンデンサC1は、スイッチングレッグXおよびYに並列接続されている。スイッチングレッグXにおける上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2の直列接続点と、スイッチングレッグYにおける上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2の直列接続点との間には、第2巻線48が接続されている。
【0045】
第2巻線48を形成する導線の中途点にはタップが設けられている。タップは、第2巻線48を形成する導線の中点に設けられたセンタータップであってよい。スイッチングレッグX、Y、第1コンデンサC1の並列接続点の下端と、第2巻線48のタップとの間には第2コンデンサC2が接続されている。また、第2巻線48のタップには、電池電流センサAspを介して正極端子66pが接続され、スイッチングレッグX、Y、第1コンデンサC1の並列接続点の下端には負極端子66nが接続されている。正極端子66pには電池26の正極が接続され、負極端子66nには電池26の負極が接続される。
【0046】
電池コントローラ50は結合素子64を備えている。結合素子64は、充放電コントローラ44が備える結合素子62、または、電気装置コントローラ54が備える結合素子と非接触で結合する。充放電コントローラ44は、自らの結合素子64と、充放電コントローラ44または電気装置コントローラ54の結合素子を介して、充放電コントローラ44または電気装置コントローラ54との間で非接触通信を行い、相互に制御信号を送受信する。結合素子64は、充放電コントローラ44が備える結合素子62または電気装置コントローラ54が備える結合素子と近傍界で結合する導体素子であってもよいし、遠方界で結合する導体素子であってもよい。電池コントローラ50は、さらにアンテナ65を備えており、アンテナ65を介してホストコンピュータ45との間で無線通信を行う。
【0047】
電池コントローラ50のスイッチング制御によって、各スイッチングレッグは次のように動作する。各スイッチングレッグの上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2は交互にオンオフする。スイッチングレッグXがオンオフするスイッチング位相と、スイッチングレッグYがオンオフするスイッチング位相は、180°異なっていてよい。
【0048】
第1コンデンサC1には、電池26の電圧が昇圧された電圧が印加される。昇圧電圧は、スイッチングレッグXおよびYの上スイッチング素子S1のデューティ比に応じて定まる。ここで、デューティ比は、スイッチング周期に対する、上スイッチング素子S1がオンになる時間の比率である。また、スイッチングレッグXおよびYのスイッチングによって、第2巻線48には、第1コンデンサC1の端子間電圧がスイッチングされた電圧が印加される。
【0049】
電池スイッチング回路46、電池コントローラ50および第2巻線48は、電池ユニット18を充放電コネクタ16または電気装置コネクタ30に結合させるための筐体に収容されてもよい。この場合、正極端子66pおよび66nから筐体の外側に引き出された一対の導線が、電池26の正極および負極に接続されてもよい。また、電池スイッチング回路46、電池コントローラ50および第2巻線48に加えて電池26が筐体に収容されてもよい。
【0050】
充放電コネクタ16の第1巻線42と電池コネクタ28の第2巻線48が結合しているときの動作の例について説明する。各スイッチングアームおよび各スイッチングレッグは、同一の周波数でスイッチングをする。スイッチングアームUおよびVの上スイッチング素子S1と、スイッチングレッグXおよびYの上スイッチング素子S1は、同一のデューティ比αで動作し、デューティ比αが調整される。また、スイッチングアームUのスイッチングに対するスイッチングレッグXのスイッチングの位相差φ、およびスイッチングアームVのスイッチングに対するスイッチングレッグYのスイッチングの位相差φが調整される。
【0051】
充放電コネクタ16から電池ユニット18に伝送される電力Pは、デューティ比αおよび位相差φによって定まり、デューティ比αおよび位相差φを変化させることで調整される。なお、電力Pが負の値であるときは、電池ユニット18から充放電コネクタ16に電力が伝送される。位相差φの極性に応じて、充放電コネクタ16から電池ユニット18に電力が伝送されるか、電池ユニット18から充放電コネクタ16に電力が伝送されるかが定まる。
【0052】
図5には、充放電コネクタ16の第1巻線42と電池ユニット18の第2巻線48が結合しているときに、充放電コントローラ44に構成される充放電制御装置102の構成が示されている。充放電制御装置102が実行する処理では、直流グリッド電圧Vgg、電池ユニット電圧Vbb、伝送電力目標値Pcom1および伝送電力Pout1が用いられる。直流グリッド電圧Vggは、充放電コネクタ16の正極端子60pと負極端子60nとの間の電圧である。電池ユニット電圧Vbbは、電池ユニット18が備える第1コンデンサC1の端子間電圧である。伝送電力目標値Pcom1は、充放電コネクタ16から電池ユニット18に伝送される電力についての目標値であり、後述する充放電処理において求められてよい。伝送電力Pout1は、充放電コネクタ16から電池ユニット18に伝送される電力である。
【0053】
充放電コネクタ16(図3)は、直流グリッド電圧Vggを測定する直流グリッド電圧センサSgを備えている。また、充放電コネクタ16は、正極端子60pに流れる直流グリッド電流Iggを測定する直流グリッド電流センサAsgを備えている。直流グリッド電圧センサSgおよび直流グリッド電流センサAsgは、測定値を充放電コントローラ44に出力する。
【0054】
電池ユニット18(図4)は、第1コンデンサC1の端子間電圧、すなわち、電池ユニット電圧Vbbを測定する電池ユニット電圧センサSbを備えている。電池ユニット電圧センサSbは、測定値を電池コントローラ50に出力する。また、電池ユニット18は、電池26が出力する電池電圧Vbを測定する電池電圧センサSpと、電池26から流出する電池電流Ibを測定する電池電流センサAspを備えている。電池電圧センサSpおよび電池電流センサAspは、測定値を電池コントローラ50に出力する。電池コントローラ50は、電池ユニット電圧Vbb、電池電圧Vbおよび電池電流Ibの各測定値を充放電コントローラ44に送信する。
【0055】
充放電コントローラ44は、直流グリッド電圧Vggおよび直流グリッド電圧Vggの各測定値に基づいて伝送電力Pout1を求める。また、充放電コントローラ44は、電池電圧Vbおよび電池電流Ibの各測定値に基づいて、伝送電力Pout1を求めてもよい。
【0056】
充放電制御装置102は、減算器81、積分器82、減算器83、加算器84、積分器85、リミッタ86およびスイッチング信号生成器87を備えている。これらの構成要素は、充放電コントローラ44がプログラムを実行することで、充放電コントローラ44において仮想的に構成されてよい。減算器81は、直流グリッド電圧Vggから電池ユニット電圧Vbbを減算して第1制御値e1を求め、積分器82および加算器84に出力する。積分器82は、第1制御値e1を積分し、所定の係数を乗ずることでデューティ比αを求める。減算器83は、伝送電力目標値Pcom1から伝送電力Pout1を減算して第2制御値e2を求め、加算器84に出力する。加算器84は、第1制御値e1と第2制御値e2を加算して第3制御値e3を求め、積分器85に出力する。積分器85は、第3制御値e3を積分し、所定の係数を乗ずることで位相差φ0を求める。リミッタ86は、位相差φ0が負の制限値φm以上であり、かつ、正の制限値φp以下であるときは、位相差φ0と同一値の位相差φをスイッチング信号生成器87に出力する。リミッタ86は、位相差φ0が正の制限値φpを超えるときは、位相差φ0の値を制限値φpに置き換えて、位相差φとしてスイッチング信号生成器87に出力する。リミッタ86は、位相差φ0が負の制限値φm未満であるときは、位相差φ0の値を負の制限値φmに置き換えて、位相差φとしてスイッチング信号生成器87に出力する。このように、リミッタ86は、負の制限値φm以上であり、かつ、正の制限値φp以下の範囲に値が制限された位相差φをスイッチング信号生成器87に出力する。
【0057】
スイッチング信号生成器87は、デューティ比αおよび位相差φに基づいて、スイッチングアームUおよびVのそれぞれと、スイッチングレッグXおよびYのそれぞれにおける上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2に対するスイッチング信号を生成する。スイッチング信号は、例えば、値がハイのときにスイッチング素子がオンになり、ローのときにスイッチング素子がオフになる信号であってよい。
【0058】
充放電コントローラ44は、スイッチングアームUおよびVのそれぞれの上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2に対して生成された各スイッチング制御信号に基づいて、スイッチングアームUおよびVのスイッチング制御をする。充放電コントローラ44は、スイッチングレッグXおよびYのそれぞれの上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2に対して生成された各スイッチング制御信号を、電池コントローラ50に送信する。電池コントローラ50は、充放電コントローラ44から送信された各スイッチング制御信号に基づいて、スイッチングレッグXおよびYのスイッチング制御をする。
【0059】
ここでは、電池ユニット電圧Vbbの測定値がスイッチング信号の生成に用いられる実施形態が示された。充放電制御装置102は、電池ユニット電圧Vbbの測定値に代えて、電池電圧Vbの測定値を用いてもよい。この場合、充放電制御装置102は、電池電圧Vbの測定値に基づいて電池ユニット電圧Vbbを演算によって求め、演算によって求められた電池ユニット電圧Vbbを減算器81に入力する。
【0060】
このように、充放電制御装置102は、伝送電力目標値Pcom1と伝送電力Pout1との差異の積分値に基づいてデューティ比αを求める。充放電制御装置102は、さらに、伝送電力目標値Pcom1と伝送電力Pout1との差異と、電池ユニット18における電圧測定値と直流グリッド電圧Vggの測定値との差異に基づいて、位相差φを求める。電池ユニット18における電圧測定値は、電池ユニット18に含まれる蓄電素子の端子間の電圧の測定値である。すなわち、電池ユニット18における電圧測定値は、第1コンデンサC1(蓄電素子)の端子間電圧である電池ユニット電圧Vbbの測定値、または電池26(蓄電素子)の端子間電圧である電池電圧Vbの測定値である。
【0061】
充放電制御装置102の構成および処理によって、充放電コネクタ16から電池ユニット18に伝送される電力が伝送電力目標値Pcom1に近付けられ、あるいは一致する。位相差φが回路の特性で定まる数値範囲を外れると、位相差φに応じた伝送電力の調整が困難となる。本実施形態によれば、リミッタ86によって位相差φの値が取り得る範囲が制限され、このような制御破綻が回避される。
【0062】
図6には、電気装置接続器としての電気装置コネクタ30の例が示されている。電気装置コネクタ30は、整流回路52、第3巻線56および出力コンデンサCBを備えている。整流回路52は、ダイオードブリッジを構成するダイオードアームZおよびWを備えている。各ダイオードアームは、上ダイオードD1および下ダイオードD2を備えており、上ダイオードD1のアノード端子に下ダイオードD2のカソード端子が接続されている。ダイオードアームZおよびWは並列に接続されている。すなわち、各ダイオードアームが備える上ダイオードD1のカソード端子が共通に接続され、各ダイオードアームが備える下ダイオードD2のアノード端子が共通に接続されている。
【0063】
ダイオードアームZにおける上ダイオードD1と下ダイオードD2との接続点と、ダイオードアームWにおける上ダイオードD1と下ダイオードD2との接続点との間には、第3巻線56が接続されている。ダイオードアームZおよびWには、出力コンデンサCBが並列に接続されている。ダイオードアームZ、Wおよび出力コンデンサCBの上側の並列接続点には正極出力端子70pが接続され、下側の並列接続点には負極出力端子70nが接続されている。正極出力端子70pおよび負極出力端子70nには、装置本体部32が接続されている。
【0064】
整流回路52、電気装置コントローラ54および第3巻線56は、電池ユニット18を電気装置コネクタ30に結合させるための筐体に収容されてもよい。この場合、正極出力端子70pおよび負極出力端子70nから筐体の外側に引き出された一対の導線が、装置本体部32に接続されてもよい。また、整流回路52、電気装置コントローラ54および第3巻線56に加えて装置本体部32が筐体に収容されてもよい。
【0065】
電池コネクタ28の第2巻線48と、電気装置コネクタ30の第3巻線56とが結合しているときの動作の例について説明する。スイッチングレッグXおよびYが、ある位相差で同一の周波数でスイッチングをすることにより、第2巻線48に交流電圧が印加され、これによって第3巻線56に交流電圧が現れる。第3巻線56に現れた交流電圧は、整流回路52によって整流され、直流電圧が出力コンデンサCBに印加される。これによって、正極出力端子70pおよび負極出力端子70nから装置本体部32に直流電力が出力される。
【0066】
電池コネクタ28における第2巻線48のインダクタンスによって、電池26の出力電圧が昇圧されて得られる昇圧電圧が、正極出力端子70pおよび負極出力端子70nから出力され得る。この昇圧電圧は、スイッチングレッグXおよびYのそれぞれにおける上スイッチング素子S1のデューティ比βを変化させることで調整され得る。また、昇圧電圧の調整によって、正極出力端子70pおよび負極出力端子70nから装置本体部32に出力される電力が調整され得る。
【0067】
図7には、電池ユニット18の第2巻線48と、電気装置コネクタ30の第3巻線56が結合しているときに、電池コントローラ50に構成される放電制御装置104の構成が示されている。放電制御装置104が実行する処理では、伝送電力目標値Pcom2および伝送電力Pout2が用いられる。伝送電力目標値Pcom2は、電池ユニット18から電気装置20に伝送される電力に対する目標値であり、電気装置コントローラ54から電池コントローラ50に送信されてもよいし、電池コントローラ50が設定してもよい。伝送電力Pout2は、電池ユニット18から電気装置20に伝送される電力の測定値である。
【0068】
電気装置コネクタ30(図6)は、正極出力端子70pと負極出力端子70nとの間の出力電圧Vqを測定する出力電圧センサSqを備えている。また、電気装置コネクタ30は、正極出力端子70pから装置本体部32に流出する出力電流Iqを測定する出力電流センサAsqを備えている。出力電圧センサSqおよび出力電流センサAsqは測定値を電気装置コントローラ54に出力する。電気装置コントローラ54は、出力電圧センサSqおよび出力電流センサAsqによる各測定値を電池コントローラ50に送信する。
【0069】
電池コントローラ50は、出力電圧Vqおよび出力電流Iqの各測定値に基づいて、電池ユニット18から電気装置20に伝送される伝送電力Pout2を求める。また、電池コントローラ50は、電池電圧センサSpおよび電池電流センサAspによって測定された電池電圧Vbおよび電池電流Ibに基づいて、電池ユニット18から電気装置20に伝送される伝送電力Pout2を求めてもよい。
【0070】
放電制御装置104は、減算器90、積分器91、リミッタ92およびスイッチング信号生成器93を備えている。これらの構成要素は、電池コントローラ50がプログラムを実行することで、電池コントローラ50において仮想的に構成されてよい。減算器90は、伝送電力目標値Pcom2から伝送電力Pout2を減算して第4制御値e4を求め、積分器91に出力する。積分器91は、第4制御値e4を積分し、所定の係数を乗ずることでデューティ比β0を求める。リミッタ92は、デューティ比β0が下限値βL以上であり、かつ、上限値βU以下であるときは、デューティ比β0と同一値のデューティ比βをスイッチング信号生成器93に出力する。リミッタ92は、デューティ比β0が上限値βUを超えるときは、デューティ比β0の値を上限値βUに置き換えて、デューティ比βとしてスイッチング信号生成器93に出力する。リミッタ92は、デューティ比β0が下限値βL未満であるときは、デューティ比β0の値を下限値βLに置き換えて、デューティ比βとしてスイッチング信号生成器93に出力する。このように、リミッタ92は、下限値βL以上であり、かつ、上限値βU以下の範囲に値が制限されたデューティ比βをスイッチング信号生成器93に出力する。
【0071】
スイッチング信号生成器93は、デューティ比βに基づいて、スイッチングレッグXおよびYのそれぞれにおける上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2に対するスイッチング信号を生成する。スイッチング信号は、例えば、値がハイのときにスイッチング素子がオンになり、ローのときにスイッチング素子がオフになる信号であってよい。電池コントローラ50は、スイッチングレッグXおよびYのそれぞれの上スイッチング素子S1および下スイッチング素子S2に対して生成された各スイッチング制御信号に基づいて、スイッチングレッグXおよびYのスイッチング制御をする。
【0072】
放電制御装置104の構成および処理によって、電池ユニット18から電気装置20に伝送される電力が伝送電力目標値Pcom2に近付けられ、あるいは一致する。デューティ比βが回路の特性で定まる数値範囲を外れると、デューティ比βに応じた伝送電力の調整が困難となる。本実施形態によれば、リミッタ92によってデューティ比βの値が取り得る範囲が制限され、このような制御破綻が回避される。
【0073】
図8には充放電処理のフローチャートが示されている。充放電処理は、電池ユニット18が充放電コネクタ16に結合されているときに、ホストコンピュータ45、充放電コントローラ44、および電池コントローラ50によって実行される。ステップS101およびS102は、ホストコンピュータ45によって実行される処理である。ステップS201~S208は、充放電コントローラ44によって実行される処理である。ステップS301~S306は、電池コントローラ50によって実行される処理である。
【0074】
電池コントローラ50は、電池26に関する電池情報をホストコンピュータ45に送信する(S301)。電池情報には、電池26の無負荷時の出力電圧、SOC(State Of Charge)、SOH(State Of Health)、満充電容量、耐圧、許容電流、種類(リチウムイオン、ニッケルカドミウム等)等を示す情報が含まれてよい。ホストコンピュータ45は、電池情報に基づいて充放電情報を生成し(S101)、充放電コントローラ44に送信する(S102)。充放電情報には、例えば、電池26の無負荷時の出力電圧、現時点のSOC、SOCの目標値、電池26をどの程度の速さで充電または放電するか等の情報が含まれてよい。
【0075】
充放電コントローラ44は、充放電情報に基づいて、後述の充放電マップを設定する(S201)。充放電マップは、伝送電力目標値Pcom1を決定するための情報である。
【0076】
電池コントローラ50は、電池ユニット電圧センサSb、電池電圧センサSpおよび電池電流センサAspの各測定値を取得し、充放電コントローラ44に送信する(S302)。充放電コントローラ44は、総ての測定値を受信したか否かを判定する(S202)。充放電コントローラ44は、いずれかの測定値を受信しなかったと判定したときは、スイッチングアームUおよびVのスイッチング制御を停止する(S208)。ここで、スイッチングアームUおよびVのスイッチング制御を停止することには、これまでスイッチングが行われていたスイッチングアームUおよびVのスイッチングを停止することの他、これまでスイッチングが行われていなかったスイッチングアームUおよびVについて、スイッチングを行わない状態を維持することが含まれる。
【0077】
なお、ステップS202の処理は、電池コントローラ50から充放電コントローラ44に送信されるべき信号を、充放電コントローラ44が受信したか否かを判定する処理であってもよい。
【0078】
一方、充放電コントローラ44は、総ての測定値を受信したと判定したときは、局所的動作が正常であるか否かを判定する(S203)。ここで、局所的動作が正常であるとは、充放電コネクタ16を構成する回路について予め定められた動作条件を満足していることをいう。動作条件には、例えば、直流グリッド電圧センサSgおよび直流グリッド電流センサAsgによる測定値の範囲が予め定められた範囲内にあるという条件がある。充放電コントローラ44は、局所的動作が正常でないと判定したときは、スイッチングアームUおよびVのスイッチング制御を停止する(S208)。充放電コントローラ44は、局所的動作が正常である判定したときは、次に説明するように、充放電マップを用いた処理によって伝送電力目標値Pcom1を決定する。
【0079】
図9には、充放電マップが概念的に示されている。横軸は直流グリッド電流Iggを示し、縦軸は直流グリッド電圧Vggを示す。充放電マップにおいて、直流グリッド電流Iggが正である領域は、電池26が放電し、電池ユニット18から充放電コネクタ16に電力が伝送され、充放電コネクタ16から直流電力網14に電力が出力される状態に対応する。直流グリッド電流Iggが負である領域は、直流電力網14から充放電コネクタ16に電力が供給され、充放電コネクタ16から電池ユニット18に電力が伝送され、電池26が充電される状態に対応する。充放電マップでは、直流グリッド電流Iggに対して、上限値Imaxおよび下限値Iminが定められている。
【0080】
充放電コントローラ44は、ホストコンピュータ45から送信された充放電情報に基づいて、充放電マップ上に充放電線Lを設定する。充放電線Lは、電池26を無負荷状態にしたときの直流グリッド電圧V0と、直流グリッド電流Iggに対する直流グリッド電圧Vggの変化率(充放電抵抗)に基づいて求められる。すなわち、充放電コントローラ44は、無負荷時の直流グリッド電圧V0を縦軸切片とし、傾きを充放電抵抗とする一次関数直線を充放電線Lとして求める。ここで、無負荷時の直流グリッド電圧V0は、電池26の無負荷時の出力電圧を、正極端子60pと負極端子60nとの間の電圧、すなわち直流グリッド電圧Vggに換算することで求められる。また、充放電線の傾きは、充放電抵抗の値を、正極端子60pおよび負極端子60nにおける値に換算することで求められる。
【0081】
充放電コントローラ44は、充放電マップに設定された充放電線Lを参照し、直流グリッド電圧センサSgによって得られた直流グリッド電圧Vggの測定値(縦軸の値)に対応する直流グリッド電流Igg(横軸の値)を、直流グリッド電流目標値として取得する。充放電コントローラ44は、直流グリッド電圧Vggの測定値と、直流グリッド電流目標値に基づいて伝送電力目標値Pcom1を求める。
【0082】
無負荷時の直流グリッド電圧V0が、直流グリッド電圧Vggの測定値よりも大きい場合には、直流グリッド電流目標値が正の値となり、充放電コネクタ16から直流電力網14に放電される電力の目標値として伝送電力目標値Pcom1が求められる。一方、無負荷時の直流グリッド電圧V0が、直流グリッド電圧Vggの測定値よりも小さい場合には、直流グリッド電流目標値が負の値となり、直流電力網14から電池26に向けて充電される電力の目標値として伝送電力目標値Pcom1が求められる。
【0083】
図10には、3本の充放電線L0、L1およびL2が例として示されている。充放電線L0、L1およびL2は、縦軸切片をそれぞれV00、V01およびV02とし、傾きをそれぞれR0、R1およびR2とする直線である。V01<V00<V02、および|R0|<|R2|<|R1|の関係が成立している。
【0084】
充放電線L1の傾きR1の大きさは、充放電線L2の傾きR2の大きさよりも大きい。したがって、充放電線L1に従って伝送電力目標値Pcom1を求めた方が、充放電線L2に従って伝送電力目標値Pcom1を求める場合に比べて、伝送電力が伝送電力目標値Pcom1に達するまでの時間が長くなる。充放電線L2の傾きR2の大きさは、充放電線L0の傾きR0の大きさよりも大きい。したがって、充放電線L2に従って伝送電力目標値Pcom1を求めた方が、充放電線L0に従って伝送電力目標値Pcom1を求める場合に比べて、伝送電力が伝送電力目標値Pcom1に達するまでの時間が長くなる。
【0085】
このように、充放電処理では、充放電コネクタ16に流れる直流グリッド電流Iggの変化に対する、直流グリッド電圧Vggの変化を表す充放電抵抗(充放電特性設定値)が設定される。また、無負荷状態としたときにおける直流電力網14への接続端の電圧、すなわち、正極端子60pと負極端子60nとの間の電圧を表す縦軸切片の値(無負荷電圧設定値)とが設定される。そして、直流グリッド電圧Vggの測定値と、充放電特性設定値としての充放電抵抗と、無負荷電圧設定値としての縦軸切片の値とから、伝送電力目標値が求められる。具体的には、直流グリッド電流Iggと直流グリッド電圧Vggとを結びつける一次関数が設定され、直流グリッド電圧Vggの測定値(縦軸の値)に対応する直流グリッド電流Igg(横軸の値)が、直流グリッド電流目標値として取得される。さらに、直流グリッド電圧Vggの測定値と、直流グリッド電流目標値に基づいて伝送電力目標値Pcom1が求められる。
【0086】
図8に戻って、充放電コントローラ44、および電池コントローラ50が実行する処理について説明する。充放電コントローラ44は、図5に示された充放電制御装置102を構成し、スイッチングアームUおよびVと、スイッチングレッグXおよびYに対するスイッチング信号を生成する(S205)。充放電コントローラ44は、スイッチングレッグXおよびYに対するスイッチング信号を電池コントローラ50に送信すると共に(S206)、スイッチングアームUおよびVに対するスイッチング制御をする(S207)。
【0087】
電池コントローラ50は、スイッチング信号を受信したか否かを判定する(S303)。電池コントローラ50は、スイッチング信号を受信しなかったと判定したときは、スイッチングレッグXおよびYのスイッチングを停止する(S306)。ここで、スイッチングレッグXおよびYのスイッチング制御を停止することには、これまでスイッチングが行われていたスイッチングレッグXおよびYのスイッチングを停止することの他、これまでスイッチングが行われていなかったスイッチングレッグXおよびYについて、スイッチングを行わない状態を維持することが含まれる。
【0088】
また、電池コントローラ50は、スイッチング信号を受信したと判定したときは、局所的動作が正常であるか否かを判定する。局所的動作が正常であるとは、電池ユニット18を構成する回路について予め定められた動作条件を満足していることをいう。動作条件には、例えば、電池ユニット電圧センサSb、電池電圧センサSp、および電池電流センサAspによる測定値の範囲が予め定められた範囲内にあるという条件がある。電池コントローラ50は、局所的動作が正常でないと判定したときは、スイッチングレッグXおよびYのスイッチングを停止する(S306)。電池コントローラ50は、局所的動作が正常であると判定したときは、スイッチングレッグXおよびYに対するスイッチング制御をする(S306)。
【0089】
ステップS301、S102およびS302における非接触通信は、パケットによる通信であってよい。一方、ステップS206における非接触通信は、パルス信号等、信号の立ち上がりまたは立ち下がりがスイッチングタイミングを直接示す信号による通信であってよい。ステップS206における非接触通信は、複雑な変調処理等を行う必要がないため、充放電コントローラ44から電池コントローラ50にスイッチングタイミングが迅速に伝えられる。
【0090】
本実施形態に係る充放電処理では、充放電マップに基づいて伝送電力目標値Pcom1が求められる。この伝送電力目標値Pcom1は、無負荷時の電池26の出力電圧と、直流グリッド電圧Vggの測定値との関係から求められる。したがって、直流電力網14の電圧である直流グリッド電圧Vggに対して適応的かつ自律的に電池26に対する充放電制御が実行される。
【0091】
複数の電池ユニット18のそれぞれが、充放電コネクタ16を介して直流電力網14に接続されているという観点からは、次の効果が得られる。すなわち、縦軸切片V0が異なる複数の電池ユニット18がある場合、縦軸切片V0が大きい電池ユニット18に、縦軸切片V0の小さい電池ユニット18よりも大きい電力が供給される。また、充放電抵抗Rが異なる複数の電池ユニット18がある場合、充放電抵抗Rが小さい電池ユニット18に、充放電抵抗Rが大きい電池ユニット18よりも大きい電力が供給される。これによって、直流電力網14における電力の需給バランスが、各充放電コネクタ16および各電池ユニット18において自律分散的に調整される。
【0092】
また、本実施形態に係る充放電処理では、充放電コントローラ44が、電池ユニット電圧センサSb、電池電圧センサSpおよび電池電流センサAspの測定値を受信しなかったときは、充放電コントローラ44は、スイッチングアームUおよびVのスイッチングを停止する。また、電池コントローラ50が、スイッチング信号を受信しなかったときは、電池コントローラ50は、スイッチングレッグXおよびYのスイッチングを停止する。これによって、充放電コネクタ16に電池ユニット18が結合されていないときに、スイッチングアームUおよびVのスイッチングが行われることが回避される。同様に、電池ユニット18が充放電コネクタ16に結合されていないときに、スイッチングレッグXおよびYのスイッチングが行われることが回避される。
【0093】
充放電コネクタ16と電池ユニット18と結合されていない状態で、スイッチングアームUおよびV、あるいは、スイッチングレッグXおよびYをスイッチングすると、各スイッチング素子で無駄な電力が消費されることがある。また、第1巻線42が異物に接触している場合等、第1巻線42が置かれた状況によっては、スイッチングアームUおよびVを構成するスイッチング素子に過大な電流が流れることがある。同様に、第2巻線48が異物に接触している場合等、第2巻線48が置かれた状況によっては、スイッチングレッグXおよびYを構成するスイッチング素子に過大な電流が流れることがある。本実施形態に係る充放電素子によれば、充放電コネクタ16と電池ユニット18と結合されていない状態において、各スイッチング素子に与えられる電気的な負担が軽減される。また、充放電コネクタ16と電池ユニット18と結合されていない状態において、各スイッチング素子において消費される電力が削減される。
【符号の説明】
【0094】
10 交流電力網、12 AC/DCコンバータ、14 直流電力網、16 充放電コネクタ、18 電池ユニット、20 電気装置、24 太陽電池システム、26 電池、28 電池コネクタ、30 電気装置コネクタ、32 装置本体部、34 太陽電池、36 DC/DCコンバータ、40 充放電スイッチング回路、42 第1巻線、44 充放電コントローラ、45 ホストコンピュータ、46 電池スイッチング回路、47 直流電力線、48 第2巻線、49 通信線、50 電池コントローラ、52 整流回路、54 電気装置コントローラ、56 第3巻線、60p,66p 正極端子、60n,66n 負極端子、62,64 結合素子、65 アンテナ、70p 正極出力端子、70n 負極出力端子、81,83,90 減算器、82,85,91 積分器、84 加算器、86,92 リミッタ、87,93 スイッチング信号生成器、100 電池運用システム、102 充放電制御装置、104 放電制御装置、U,V スイッチングアーム、X,Y スイッチングレッグ、S1 上スイッチング素子、S2 下スイッチング素子、Sg 直流グリッド電圧センサ、Asg 直流グリッド電流センサ、Sb 電池ユニット電圧センサ、Sp 電池電圧センサ、Asp 電池電流センサ、Sq 出力電圧センサ、Asq 出力電流センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10