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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240220BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20240220BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/00 386
G03G15/20 510
B65H7/14
G03G15/20 555
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022091345
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2018023856の分割
【原出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2022119976
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】魏 東
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-274733(JP,A)
【文献】特開2008-020490(JP,A)
【文献】特開2016-168774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/20
B65H 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
給紙トレイに収容された用紙を搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送路に配置され、前記用紙の種類を検出する検出部と、
前記搬送部によって搬送される前記用紙の種類を前記検出部に検出させ、前記画像形成部に前記画像を形成させることなく前記用紙を排出させるモードである紙種検出モードを実行する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記検出部によって検出させた前記用紙の種類を前記給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させ、前記画像形成装置の状態に基づいて、前記紙種検出モードを実行するか否か判断する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記紙種検出モードとは異なるモードであり、前記用紙に前記画像形成部により画像を形成させるモードである画像形成モードを実行し、
前記画像形成モードにおいて、前記給紙トレイに関連付けて記憶された前記用紙の種類に基づいて画像形成条件を設定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記紙種検出モードとは異なるモードであり、前記用紙に前記画像形成部により画像を形成させるモードである画像形成モードを実行し、
前記紙種検出モードに引き続いて前記画像形成モードを実行する場合には、前記検出部による検出結果に基づいて画像形成条件を設定し、前記紙種検出モードに引き続いて前記画像形成モードを実行しない場合に、前記給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記給紙トレイが自装置本体に装填された場合、前記紙種検出モードを実行すると判断し、装填された前記給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、自装置に連結され、前記給紙トレイを有する給紙装置に前記給紙トレイが装填された場合、前記紙種検出モードを実行すると判断し、装填された前記給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、ユーザーの操作に基づいて、前記紙種検出モードを実行するよう制御する、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出部は、紙厚センサー、坪量センサー、平滑度センサーおよび光沢度センサーの少なくともいずれかを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記用紙の種類は、紙種、紙厚、坪量および平滑度の少なくともいずれかを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記検出部による検出結果を操作画面に表示するよう制御する、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記検出結果として、前記検出部により検出された前記用紙の種類を、当該用紙が収容されていた前記給紙トレイに関連付けて操作画面に表示する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検出部は、紙厚センサー、坪量センサー、平滑度センサーおよび光沢度センサーの少なくともいずれかを含むセンサーを有し、
前記操作画面に表示される前記検出結果は、前記センサーによる検出値に対応するランクを含む、請求項または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ランクは、前記センサーによる検出値を所定の数値範囲に区分した指標である、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記検出結果に基づいて、前記用紙の種類の変更を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記制御部は、変更された前記用紙の種類を前記給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させる、請求項12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記紙種検出モードの実行時に、前記用紙の搬送速度が前記紙種検出モードに応じた搬送速度となるよう前記搬送部を制御する、請求項1~13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記紙種検出モードに応じた搬送速度のうちの所定の搬送速度となるよう前記搬送部を制御する、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記所定の搬送速度は前記検出部が前記用紙の種類を検出できる最大速度である、請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記画像形成装置は、複数の給紙トレイを有し、
前記紙種検出モードを実行するための要求を前記複数の給紙トレイに対して受け付けた場合に、前記制御部は、それぞれの給紙トレイに収容された用紙について、前記検出部によって前記用紙の種類を検出させ、それぞれの給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させる、請求項1~16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成装置は、複数の給紙トレイを有し、
前記制御部は、前記画像形成部が前記用紙に画像を形成する印刷ジョブにおいて使用される給紙トレイに収容された用紙について、前記検出部によって検出させ、前記印刷ジョブにおいて使用される給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させる、請求項1~17のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記画像形成部が前記用紙に画像を形成する印刷ジョブの実行中に、前記紙種検出モードを実行するための要求を受け付ける受付手段をさらに有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
給紙トレイに収容された用紙を搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送路に配置され、前記用紙の種類を検出する検出部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記搬送部によって搬送される前記用紙の種類を前記検出部に検出させ、前記画像形成部に前記画像を形成させることなく前記用紙を排出させるモードである紙種検出モードを実行し、
前記検出部によって検出させた前記用紙の種類を前記給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させ
前記画像形成装置の状態に基づいて、前記紙種検出モードを実行するか否か判断する画像形成装置の制御方法。
【請求項21】
給紙トレイに収容された用紙を搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送路に配置され、前記用紙の種類を検出する検出部とを有する画像形成装置の制御プログラムであって、
前記搬送部によって搬送される前記用紙の種類を前記検出部に検出させ、前記画像形成部に前記画像を形成させることなく前記用紙を排出させるモードである紙種検出モードを実行するステップ(a)と、
前記検出部によって検出させた前記用紙の種類を前記給紙トレイと関連付けて記憶部に記憶させるステップ(b)と
前記画像形成装置の状態に基づいて、前記紙種検出モードを実行するか否か判断するステップ(c)とを含む処理を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷に使用される用紙の種類を、自動的に検出するセンサーを備える画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、センサーによって検出した用紙の種類に基づいて、適切な印刷条件を設定し、印刷を実行できる。
【0003】
上記に関連して、たとえば特許文献1には、プリント準備動作中にセンサーによる紙種判別動作を行い、判別した紙種に基づいて、画像形成の速度や、定着温度等の印刷条件を変更する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-14695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、印字開始コマンドを受け取ることによって開始されるプリント準備動作中に紙種判別動作が行われる。したがって、画像形成装置は、たとえば印刷ジョブを投入されないと、紙種判別動作を開始できないという問題がある。また、ユーザーが用紙の種類を予め確認できないと、画像形成装置は、印刷中に複数の種類の用紙を切り替えて使用する場合、用紙の切り替えの度にユーザーに用紙の種類を提示して確認しなければならず、画像形成装置の生産性が低下するという問題も生じうる。
【0006】
また、特許文献1に記載の画像形成装置では、給紙トレイにセットされた可能性が最も高いと予測される紙種に基づいて、プリント準備動作における印刷条件が設定される。そして、予測された紙種と紙種判別動作によって判別された紙種とが異なる場合、印刷条件の切り替えが行われる。このため、画像形成装置は、一度設定した印刷条件の切り替えを完了するまで、画像形成を再開できない。したがって、画像形成装置の待機時間が増加するという問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、給紙トレイに収容された用紙の種類を予め検出できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記の目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)給紙トレイに収容された用紙を搬送路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって形成された前記画像を前記用紙に定着させる定着部と、前記搬送路に配置され、前記用紙の種類を検出する検出部と、前記画像形成部に前記画像を形成させ、前記定着部に前記画像を定着させるモードである画像形成モードの実行前に、前記搬送部によって搬送される前記用紙の種類を前記検出部に検出させるモードである紙種検出モードを実行する制御部と、を有する画像形成装置。
【0010】
(2)前記制御部は、前記紙種検出モードの実行中、前記搬送部によって搬送される前記用紙に前記画像を形成しないように前記画像形成部を制御する上記(1)に記載の画像形成装置。
【0011】
(3)前記制御部は、前記給紙トレイが自装置本体に装填された場合、前記紙種検出モードを実行すると判断し、装填された前記給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる上記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0012】
(4)前記制御部は、自装置に連結され、前記給紙トレイを有する給紙装置に前記給紙トレイが装填された場合、前記紙種検出モードを実行すると判断し、装填された前記給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0013】
(5)前記制御部は、種類が検出されていない前記用紙を収容する前記給紙トレイがある場合であって、前記画像形成モードが実行されていない場合、前記紙種検出モードを実行すると判断し、種類が検出されていない前記用紙の種類を前記検出部に検出させる上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0014】
(6)前記制御部は、前記紙種検出モードをユーザーに選択させるための操作画面である第1操作画面において、前記紙種検出モードが選択された場合、前記紙種検出モードを実行すると判断する上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0015】
(7)前記制御部は、検出対象の前記用紙を収容する前記給紙トレイをユーザーに選択させるための操作画面である第2操作画面において、前記給紙トレイがさらに選択された場合、前記紙種検出モードにおいて、選択された前記給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる上記(6)に記載の画像形成装置。
【0016】
(8)前記制御部は、前記第2操作画面において前記給紙トレイが複数選択された場合、前記紙種検出モードにおいて、複数の前記給紙トレイが選択された順に、選択された当該給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる上記(7)に記載の画像形成装置。
【0017】
(9)前記制御部は、印刷ジョブを受け付けている場合において前記紙種検出モードを実行する場合、前記印刷ジョブにおいて複数の前記給紙トレイが使用される順に、使用される当該給紙トレイに収容された前記用紙の種類を前記検出部に検出させる上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0018】
(10)前記制御部は、前記紙種検出モードの実行中、前記検出部の検出範囲内に配置される前記搬送部に、前記紙種検出モードに応じた搬送速度で前記用紙を搬送させる上記(1)~(9)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0019】
(11)前記制御部は、前記検出部によって検出された前記用紙の種類をユーザーに確認させるための操作画面である第3操作画面を表示部に表示させる上記(1)~(10)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0020】
(12)前記制御部は、前記第3操作画面において前記用紙の種類が変更された場合、変更された前記用紙の種類を採用し、前記第3操作画面において前記用紙の種類が確認された場合、確認された前記用紙の種類を採用する上記(11)に記載の画像形成装置。
【0021】
(13)前記制御部は、前記用紙の種類に基づいて、前記定着部の定着温度を制御する
上記(1)~(12)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0022】
(14)前記制御部は、印刷ジョブの実行中に前記紙種検出モードをさらに実行可能であり、前記印刷ジョブの実行中に前記紙種検出モードを実行すると判断した場合、実行中の前記印刷ジョブを中断して、前記紙種検出モードを実行する上記(1)~(13)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0023】
(15)前記制御部は、実行中の前記印刷ジョブを中断して前記紙種検出モードを実行する場合、前記定着部に中断前の定着温度を保持させる上記(14)に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、画像形成装置は、画像形成モードの実行前に、紙種検出モードを実行する。これにより、画像形成装置は、検出された用紙の種類に応じて印刷条件を設定するために、給紙トレイに収容された用紙の種類を予め検出できる。したがって、画像形成装置は、印刷ジョブを投入されなくても、用紙の種類の検出を開始できると共に、印刷条件の切り替えに起因する画像形成装置の待機時間も短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2】画像形成装置の検出部の概略構成の一例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る画像形成装置の処理の手順を示すフローチャートである。
図4】検出結果を示す操作画面の一例を示す図である。
図5】ユーザーの選択を受け付ける操作画面の一例を示す図である。
図6A】第2実施形態に係る画像形成装置の処理の手順を示すフローチャートである。
図6B】第2実施形態に係る画像形成装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【0028】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10および給紙装置20を備える。給紙装置20は、用紙搬送の上流側において画像形成装置10に連結されている。
【0029】
画像形成装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作パネル14、給紙部15、搬送部16、画像形成部17、定着部18および検出部19を備える。各構成は、信号をやり取りするためのバスを介して、相互に接続されている。
【0030】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムに従い、上記各構成の制御や各種の演算処理を実行する。
【0031】
記憶部12は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハ
ードディスク等から構成される。
【0032】
通信部13は、他の装置と通信するためのインターフェースである。通信部13は、たとえば、給紙装置20と、各種データや各種信号等の送受信を行う。また、通信部13は、たとえば、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、ユーザーのPC(Personal Computer)や携帯端末等と、各種データ等の送受信を行う。
【0033】
操作パネル14は、たとえば、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備え、各種情報を表示する表示部として機能したり、ユーザーの各種操作を受け付ける操作受付部として機能したりする。操作パネル14は、たとえば、表示部として操作画面を表示し、操作受付部として、当該操作画面におけるユーザーの操作を受け付けてもよい。なお、表示部および操作受付部は、別々に構成されてもよい。
【0034】
給紙部15は、印刷に使用される用紙を収容する給紙トレイ151~153を備え、各給紙トレイに収容された用紙を一枚ずつ給紙する。ただし、給紙部15が備える給紙トレイの個数は、図1に示す例に限定されない。
【0035】
搬送部16は、搬送路161、複数の搬送ローラー対162、および搬送ローラー対162を駆動する駆動モーター(図示せず)を備え、給紙部15によって給紙された用紙を、搬送路161に沿って搬送する。
【0036】
画像形成部17は、電子写真方式等の周知の作像プロセスを用いて、搬送部16によって搬送された用紙に画像を形成する。
【0037】
定着部18は、ヒーターによって加熱される加熱ローラーおよび加圧ローラーを備え、画像形成部17によって画像が形成された用紙を加熱および加圧して、画像を用紙に定着させる。ヒーターへの電力供給は、温度センサーによって測定される定着部18の定着温度が所定の制御温度になるように制御される。
【0038】
検出部19は、搬送路161上に配置され、検出部19の検出範囲内に搬送された用紙の種類を検出するセンサーである。検出部19は、たとえば、給紙トレイ151~153から給紙される用紙と、給紙装置20から給紙される用紙との合流地点よりも用紙搬送の下流側の搬送路161上に、一つ配置されてもよい。あるいは、検出部19は、各給紙トレイの近傍に、各給紙トレイに対して一つずつ配置されてもよい。なお、検出部19が検出する用紙の種類には、紙種、紙厚、坪量および平滑度等が含まれる。検出部19の詳細な構成については、後述する。
【0039】
続いて、給紙装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、給紙部24および搬送部25を備える。各構成は、信号をやり取りするためのバスを介して、相互に接続されている。なお、給紙装置20の制御部21、記憶部22、通信部23および搬送部25は、画像形成装置10の各構成と同様の機能を有するため、説明を省略する。
【0040】
給紙部24は、印刷に使用される用紙を収容する給紙トレイ241~243を備え、各給紙トレイに収容された用紙を一枚ずつ給紙する。ただし、給紙部24が備える給紙トレイの個数は、図1に示す例に限定されない。
【0041】
なお、画像形成システム1は、画像形成装置10および給紙装置20以外の装置を含んでもよい。たとえば、画像形成システム1は、画像形成装置10の下流側に後処理装置をさらに備えてもよい。また、画像形成装置10は、給紙装置20を外部に備えなくてもよ
い。
【0042】
また、画像形成装置10および給紙装置20は、上記の構成要素以外の構成要素を含んでもよいし、上記の構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。たとえば、給紙装置20は、検出部をさらに備えてもよい。給紙装置20の検出部は、画像形成装置10の検出部19の代わりに、給紙トレイ241~243に収容された用紙の種類を検出してもよい。
【0043】
続いて、画像形成装置10の検出部19の詳細な構成について説明する。
【0044】
図2は、画像形成装置の検出部の概略構成の一例を示す図である。
【0045】
図2に示すように、検出部19は、紙厚センサー191、坪量センサー192および平滑度センサー193を備える。これらのセンサーは、搬送路161上に配置される。
【0046】
紙厚センサー191は、用紙の厚さ(紙厚)を検出するセンサーである。紙厚センサー191は、たとえば図2に示すように、搬送部16に含まれる搬送ローラー162aに取り付けられ、用紙が通過する際の搬送ローラー162aの変位量に基づいて、紙厚を検出する。
【0047】
坪量センサー192は、用紙の坪量を検出するセンサーである。坪量センサー192は、たとえば、発光部および受光部を備え、当該発光部および受光部は、搬送路161に沿って通過する用紙に対して両側に配置される。そして、坪量センサー192は、発光部によって発光され、用紙を透過し、受光部によって受光される光の量に基づいて、用紙の坪量を検出する。発光部は、たとえばLED等を備えてもよい。
【0048】
平滑度センサー193は、用紙の平滑度を検出するセンサーである。平滑度センサー193は、たとえば、発光部および受光部を備え、当該発光部および受光部は、搬送路161に沿って通過する用紙に対して同じ側に配置される。そして、平滑度センサー193は、発光部によって発光され、用紙上で反射され、受光部によって受光される光に基づいて、用紙の平滑度を検出する。
【0049】
なお、検出部19が備えるセンサーの種類、個数および位置は、図2に示す例に限定されない。たとえば、検出部19は、紙厚センサー191、坪量センサー192および平滑度センサー193の少なくとも一つを備えなくてもよい。また、検出部19は、光沢度等を検出する他の種類のセンサーを備えてもよい。さらに、各センサーが用紙の情報を取得する方法も、上述した例に限定されない。
【0050】
以上のように構成される画像形成システム1では、画像形成装置10が、画像形成モードおよび紙種検出モードの、二つのモードを切り替えて実行する。画像形成モードは、画像形成部17に画像を形成させ、定着部18に当該画像を定着させるモードである。紙種検出モードは、給紙トレイ151~153および241~243の少なくとも一つに収容され、搬送部16によって搬送される用紙の種類を、検出部19に検出させるモードである。
【0051】
なお、画像形成装置10は、画像形成部17の感光体ドラムの回転を開始させたり、定着部18のウォームアップを開始させたりするプリント準備動作を、画像形成モードの実行中に行うものとする。また、画像形成装置10は、収容する用紙の種類を予め検出して、当該用紙を印刷に使用する際に適切な印刷条件をスムーズに設定するために、画像形成モードの実行前に、紙種検出モードを実行する。
【0052】
また、画像形成装置10は、紙種検出モードの実行中、搬送部16によって搬送される用紙に画像を形成しないように画像形成部17を制御してもよい。また、画像形成装置10は、紙種検出モードの実行中、搬送部16によって搬送される用紙を加熱および加圧しないように定着部18を制御してもよい。すなわち、画像形成装置10は、紙種検出モードの実行中、画像形成部17および定着部18に電力を供給しなくてもよい。
【0053】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10の処理の手順を説明する。画像形成装置10の処理は、給紙トレイに収容された用紙の種類を予め検出するように制御するものである。
【0054】
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置の処理の手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートに示すアルゴリズムは、画像形成装置10の記憶部12にプログラムとして記憶されており、制御部11によって実行される。
【0055】
まず、図3に示すように、制御部11は、まず、紙種検出モードを実行するか否かを判断する(ステップS101)。
【0056】
制御部11は、たとえば、給紙トレイ151~153のうちの少なくとも一つの給紙トレイが、画像形成装置10(本体)に装填された場合、紙種検出モードを実行すると判断する。あるいは、制御部11は、給紙トレイ241~243のうちの少なくとも一つの給紙トレイが、給紙装置20(本体)に装填され、給紙トレイが給紙装置20に装填された旨の通知を制御部21から受信した場合、紙種検出モードを実行すると判断してもよい。給紙トレイが画像形成装置10または給紙装置20に装填された場合、当該給紙トレイに用紙が新たにセットされた可能性が高い。そこで、画像形成装置10は、新たにセットされた用紙の種類を確認するため、紙種検出モードを実行すると判断する。
【0057】
紙種検出モードを実行すると判断した場合(ステップS101:YES)、制御部11は、検出対象の用紙、すなわち、種類を検出すべき用紙を収容する給紙トレイを特定する(ステップS102)。
【0058】
制御部11は、たとえば、ステップS101において、給紙トレイが画像形成装置10または給紙装置20に装填され、紙種検出モードを実行すると判断した場合、装填された給紙トレイを、検出対象の用紙を収容する給紙トレイとして特定する。また、制御部11は、たとえば、複数の給紙トレイが連続して装填された場合、当該複数の給紙トレイを、検出対象の用紙を収容する給紙トレイとして特定してもよい。
【0059】
また、制御部11は、ステップS101において装填された給紙トレイ以外の給紙トレイも、検出対象の用紙を収容する給紙トレイとして特定してもよい。制御部11は、たとえば、給紙トレイ151が画像形成装置10に装填された際に、給紙トレイ152が収容する用紙の種類が過去に検出されていない場合、給紙トレイ151および152の両方を、検出対象の用紙を収容する給紙トレイとして特定してもよい。
【0060】
続いて、制御部11は、ステップS102において特定した給紙トレイに収容された用紙を、給紙部15に給紙させ、搬送部16に搬送させる(ステップS103)。そして、制御部11は、搬送部16によって搬送中の用紙の種類を、検出部19に検出させる(ステップS104)。すなわち、制御部11は、ステップS102において特定した給紙トレイに収容された用紙について、ステップS103およびS104の処理を実行することによって、紙種検出モードを実行する。なお、種類が検出された用紙は、搬送部16によって引き続き搬送され、画像形成装置10外に排出される。
【0061】
制御部11は、ステップS103およびS104において、紙種検出モードに応じた速度で動作するように、画像形成装置10の各構成を制御してもよい。制御部11は、たとえば、紙種検出モードに応じた、予め設定された搬送速度で、搬送部16に用紙を搬送させてもよい。ここで、「紙種検出モードに応じた搬送速度」は、たとえば、検出部19が用紙の種類を検出できる(すなわち、検出部19の検出精度を確保できる)搬送速度の最大値であってもよい。また、制御部11は、検出部19の検出範囲内(図2参照)に配置される搬送部16には、紙種検出モードに応じた搬送速度で用紙を搬送させ、検出部19の検出範囲外に配置される搬送部16には、最高速度で用紙を搬送させてもよい。
【0062】
続いて、制御部11は、ステップS102において特定した全ての給紙トレイに収容された用紙の種類が検出されたか否かを判断する(ステップS105)。
【0063】
特定した全ての給紙トレイに収容された用紙の種類が検出されていないと判断した場合(ステップS105:NO)、制御部11は、ステップS103の処理に戻る。そして、制御部11は、ステップS102において特定した全ての給紙トレイに収容された用紙について、ステップS103およびS104の処理を実行するまで、ステップS103~S105の処理を繰り返す。
【0064】
特定した全ての給紙トレイに収容された用紙の種類が検出されたと判断した場合(ステップS105:YES)、制御部11は、ステップS106の処理に進む。そして、制御部11は、ステップS104において検出部19に検出させた用紙の種類を、当該用紙が収容されていた給紙トレイに関連付けて、検出結果として操作パネル14に表示させる(ステップS106)。すなわち、制御部11は、検出部19によって検出された用紙の種類をユーザーに確認させるための操作画面(第3操作画面)を、操作パネル14に表示させる。なお、制御部11は、通信部13を介して、ユーザーのPCや携帯端末等において表示部として機能する操作パネルに、検出結果を表示させてもよい。以下、操作パネル14、およびユーザーのPCや携帯端末等の操作パネルを、まとめて「操作パネル14等」と呼ぶ。
【0065】
図4は、検出結果を示す操作画面の一例を示す図である。
【0066】
図4に示すように、制御部11は、ステップS104において検出部19に検出させた用紙の種類の少なくとも一つ(すなわち、紙厚、坪量および平滑度等の少なくとも一つ)を検出結果として、操作パネル14等に表示させる。検出結果は、実際の検出値ではなく、図4に示すようなランク評価によって示されてもよい。たとえば、紙厚の検出結果として、ランク1は52~59g/m、ランク2は60~90g/m、ランク3は91~120g/mを示してもよい。
【0067】
また、制御部11は、過去に検出されたことがない用紙の種類が検出された場合、過去の検出履歴を操作パネル14等に一覧表示させてもよい。たとえば、図4に示す例では、給紙トレイ151に対応する「トレイ1」に収容された用紙の種類として、ランク評価が1の紙厚、ランク評価が2の坪量、ランク評価が3の平滑度が検出されている。このような紙厚、坪量および平滑度の組み合わせを含む用紙の種類が、過去に検出されたことがない場合、制御部11は、図4に示すように、過去の検出履歴を操作パネル14等に一覧表示させてもよい。なお、検出履歴は、検出された用紙が収容されていた給紙トレイに関連付けられて、表示されてもよい。
【0068】
続いて、制御部11は、ステップS106において操作パネル14等に表示させた用紙の種類を、ユーザーが変更したか否かを判断する(ステップS107)。制御部11は、
たとえば、用紙の種類を変更するユーザーの操作を、操作パネル14等を介して受け付けることによって、ユーザーが用紙の種類を変更したと判断する。
【0069】
制御部11は、たとえば図4に示す操作画面において、用紙の種類のランク評価を示す数値を直接変更し、変更ボタンを押下するユーザーの操作を受け付けることによって、ユーザーが用紙の種類を変更したと判断してもよい。あるいは、制御部11は、用紙の種類の検出履歴の一覧から正しい用紙の種類を選択し、変更ボタンを押下するユーザーの操作を受け付けることによって、ユーザーが用紙の種類を変更したと判断してもよい。
【0070】
ユーザーが用紙の種類を変更したと判断した場合(ステップS107:YES)、制御部11は、給紙トレイに関連付けられた用紙の種類として、ステップS107において変更された用紙の種類を採用する(ステップS108)。
【0071】
ユーザーが用紙の種類を変更していないと判断した場合(ステップS107:NO)、制御部11は、ステップS106において操作パネル14等に表示させた用紙の種類を、ユーザーが確認したか否かを判断する(ステップS109)。すなわち、制御部11は、ユーザーが用紙の種類を変更しない場合でも、一度は確認したか否かを判断する。制御部11は、たとえば、用紙の種類を確認するユーザーの操作を、操作パネル14等を介して受け付けることによって、ユーザーが用紙の種類を確認したと判断する。制御部11は、たとえば図4に示す操作画面において、OKボタンを押下するユーザーの操作を受け付けることによって、ユーザーが用紙の種類を確認したと判断してもよい。
【0072】
ユーザーが用紙の種類を変更しておらず、かつ、確認もしていないと判断した場合(ステップS109:NO)、制御部11は、ステップS107の処理に戻る。そして、制御部11は、ユーザーが用紙の種類を変更するか、確認するまで、ステップS107およびS109の処理を繰り返す。
【0073】
ユーザーが用紙の種類を確認したと判断した場合(ステップS109:YES)、制御部11は、給紙トレイに関連付けられた用紙の種類として、ステップS109において確認された用紙の種類を採用する(ステップS110)。
【0074】
続いて、制御部11は、ステップS108またはS110において採用した用紙の種類を、記憶部12に記憶させる(ステップS111)。なお、制御部11は、ステップS110の後、即座に画像形成モードを実行する場合であって、種類が検出された用紙を印刷に使用する場合、用紙の種類を記憶部12に記憶させる代わりに、検出された用紙の種類に応じた印刷条件を即座に設定してもよい。すなわち、制御部11は、採用した用紙の種類に基づいて、たとえば、画像形成部17の感光体ドラムの回転速度や、定着部18の定着温度等を制御してもよい。
【0075】
一方、ステップS101において、紙種検出モードを実行しないと判断した場合(ステップS101:NO)、制御部11は、画像形成モードを実行するか否かを判断する(ステップS112)。
【0076】
画像形成モードを実行すると判断した場合(ステップS112:YES)、制御部11は、画像形成モードを実行する(ステップS113)。制御部11は、以前にステップS101~S111の処理を実行しており、既に種類が検出された用紙を印刷に使用する場合、ステップS110において記憶部12に記憶させた用紙の種類に応じた印刷条件を設定してから、画像形成モードを実行してもよい。すなわち、制御部11は、記憶部12に記憶された用紙の種類に基づいて、たとえば、印刷条件として、画像形成部17の感光体ドラムの回転速度や、定着部18の定着温度等を制御してから、画像形成モードを実行す
る。
【0077】
画像形成モードを実行しないと判断した場合(ステップS112:NO)、制御部11は処理を終了する。
【0078】
以上のように、画像形成装置10は、画像形成モードの実行前に、紙種検出モードを実行する。これにより、画像形成装置10は、検出された用紙の種類に応じて印刷条件を設定するために、給紙トレイに収容された用紙の種類を予め検出できる。したがって、画像形成装置10は、印刷ジョブを投入されなくても、用紙の種類の検出を開始できると共に、印刷条件の切り替えに起因する画像形成装置10の待機時間も短縮させることができる。特に、画像形成装置10は、使用予定の用紙の種類を予め検出できるため、用紙の切り替えの度に使用する用紙の種類をユーザーに提示して確認する手間を省略でき、画像形成装置10の生産性の低下を回避できる。
【0079】
また、画像形成装置10は、紙種検出モードの実行中、搬送する用紙に画像を形成しない。これにより、画像形成装置10は、紙種検出モードの実行中、画像形成部17に電力を供給する必要がなく、画像形成装置10の消費電力を削減できる。また、ユーザーは、種類を検出され、画像形成装置10外に排出された用紙を給紙トレイに再セットすることによって、画像形成装置10に当該用紙を再利用させることができる。
【0080】
また、画像形成装置10は、給紙トレイが画像形成装置10または給紙装置20に装填された場合、装填された給紙トレイに収容された用紙の種類を検出する。これにより、画像形成装置10は、給紙トレイに新たにセットされた用紙の種類の検出を、ユーザーの手間を増やすことなく自動的に開始できる。
【0081】
また、画像形成装置10は、紙種検出モードの実行中、検出部19の検出範囲内に配置される搬送部16に、紙種検出モードに応じた搬送速度で用紙を搬送させる。これにより、画像形成装置10は、検出部19の検出精度を向上できる。
【0082】
また、画像形成装置10は、検出した用紙の種類を表示する。これにより、画像形成装置10は、検出した用紙の種類をユーザーに確認させることができる。
【0083】
また、画像形成装置10は、検出した用紙の種類を表示した後、ユーザーによって確認または変更された用紙の種類を採用する。これにより、画像形成装置10は、検出部19によって検出された用紙の種類が正しくない場合でも、ユーザーに調整させることができる。
【0084】
また、画像形成装置10は、用紙の種類に基づいて、定着部18の定着温度を制御する。これにより、画像形成装置10は、適切な定着温度を印刷の初めから設定でき、定着温度の切り替えに起因する待機時間を短縮できる。
【0085】
以上、画像形成装置10の処理の一例を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。以下のような種々の変更や改良等が可能である。
【0086】
画像形成装置10は、ステップS101において、たとえば、給紙トレイが画像形成装置10または給紙装置20に装填された場合、紙種検出モードを実行すると判断すると説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されない。
【0087】
画像形成装置10は、たとえば、種類が検出されていない用紙を収容する給紙トレイがある場合であって、画像形成モードを実行していない場合、ステップS101において、
紙種検出モードを実行すると判断してもよい。なお、「画像形成モードを実行していない場合」とは、たとえば、画像形成装置10が待機状態である場合を意味する。
【0088】
そして、画像形成装置10は、ステップS102において、当該給紙トレイを特定してもよい。その後、画像形成装置10は、ステップS103およびS104において実行される紙種検出モードにおいて、当該給紙トレイに収容された、種類が検出されていない用紙の種類を検出部19に検出させてもよい。これにより、画像形成装置10は、給紙トレイが画像形成装置10または給紙装置20に装填された場合以外にも、適切なタイミングにおいて紙種検出モードを実行できる。したがって、画像形成装置10は、たとえば、画像形成装置10の電源がオフされている状態において給紙トレイが装填され、装填の直後に紙種検出モードを実行できなかった場合でも、電源がオンされた後に紙種検出モードを実行できる。
【0089】
また、画像形成装置10は、たとえば、ステップS101以前に、紙種検出モードをユーザーに選択させるための操作画面を表示してもよい。
【0090】
図5は、ユーザーの選択を受け付ける操作画面の一例を示す図である。
【0091】
図5のAに示すように、画像形成装置10は、画像形成装置10の動作モードとして、「画像形成モード」または「紙種検出モード」をユーザーに選択させるための操作画面(第1操作画面)を、操作パネル14等に表示させてもよい。そして、画像形成装置10は、操作画面において紙種検出モードが選択された場合(すなわち、紙種検出モードを選択するユーザーの操作を受け付けた場合)、ステップS101において、紙種検出モードを実行すると判断してもよい。これにより、画像形成装置10は、ユーザーの要求に応じて、紙種検出モードを実行できる。
【0092】
また、画像形成装置10は、紙種検出モードをユーザーに選択させるための操作画面を表示する場合、図5のBおよびCに示すように、検出対象の用紙を収容する給紙トレイをユーザーに選択させるための操作画面(第2操作画面)をさらに表示してもよい。そして、画像形成装置10は、操作画面において給紙トレイが選択された場合、ステップS102において、選択された給紙トレイを特定してもよい。その後、画像形成装置10は、ステップS103およびS104において、特定された給紙トレイに収容された用紙の種類を検出部19に検出させてもよい。これにより、画像形成装置10は、ユーザーが意図的に選択した給紙トレイに収容された用紙の種類を検出できる。
【0093】
また、画像形成装置10は、図5のBおよびCに示すような、給紙トレイをユーザーに選択させるための操作画面において、複数の給紙トレイをユーザーに選択させてもよい。そして、画像形成装置10は、操作画面において給紙トレイが複数選択された場合、ステップS102において、複数の給紙トレイが選択された順に、選択された給紙トレイを特定してもよい。その後、画像形成装置10は、ステップS103およびS104において、複数の給紙トレイが特定された順に、特定された給紙トレイに収容された用紙の種類を検出部19に検出させてもよい。
【0094】
たとえば、図5のBに示す操作画面において、ユーザーが、画像形成装置10の給紙トレイ151に対応する「トレイ1」、給紙トレイ152に対応する「トレイ2」の順に給紙トレイを選択したものとする。この場合、画像形成装置10は、給紙トレイ151に収容された用紙の種類を検出した後、給紙トレイ152に収容された用紙の種類を検出してもよい。これにより、画像形成装置10は、ユーザーが優先的に選択した給紙トレイに収容された用紙の種類を、優先的に検出できる。
【0095】
また、画像形成装置10は、印刷ジョブを受け付けている場合において紙種検出モードを実行する場合、ステップS102において、印刷ジョブにおいて複数の給紙トレイが使用される順に、使用される給紙トレイを特定してもよい。そして、画像形成装置10は、ステップS103およびS104において、給紙トレイが特定された順に、特定された給紙トレイに収容された用紙の種類を検出部19に検出させてもよい。画像形成装置10は、たとえば、
たとえば、画像形成装置10が、印刷ジョブであるジョブ1、ジョブ2の順に印刷ジョブを受け付け、ジョブ1が給紙トレイ151を指定し、ジョブ2が給紙トレイ152を指定している状態にあるものとする。この状態において、給紙トレイ151および152が画像形成装置10に装填された場合、画像形成装置10は、給紙トレイ151に収容された用紙の種類を検出した後、給紙トレイ152に収容された用紙の種類を検出してもよい。あるいは、上記の状態において、操作画面において、給紙トレイ151および給紙トレイ152が選択された場合、画像形成装置10は、給紙トレイ151に収容された用紙の種類を検出した後、給紙トレイ152に収容された用紙の種類を検出してもよい。これにより、画像形成装置10は、印刷ジョブにおいて優先的に使用される給紙トレイに収容された用紙の種類を、優先的に検出できる。
【0096】
なお、画像形成装置10は、印刷ジョブを受け付けている場合において、操作画面において給紙トレイが複数選択された場合、印刷ジョブにおいて複数の給紙トレイが使用される順序、および複数の給紙トレイが選択された順序の一方を優先してもよい。すなわち、画像形成装置10は、印刷ジョブにおいて複数の給紙トレイが使用される順に、給紙トレイに収容された用紙の種類を検出してもよいし、給紙トレイが選択された順に、給紙トレイに収容された用紙の種類を検出してもよい。あるいは、画像形成装置10は、印刷ジョブを受け付けている場合、印刷ジョブにおいて複数の給紙トレイが使用される順序を常に優先してもよく、印刷ジョブを受け付けていない場合のみ、給紙トレイが選択された順序を考慮してもよい。
【0097】
また、画像形成装置10は、ステップS102において特定した全ての給紙トレイに収容された用紙の種類を検出してから、検出結果を表示し、ユーザーが用紙の種類を変更または確認したか否かを判断すると説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されない。画像形成装置10は、一つの給紙トレイに収容された用紙の種類を検出する度に、検出結果を表示し、ユーザーが用紙の種類を変更または確認したか否かを判断してもよい。
【0098】
(第2実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置10の処理の手順を説明する。第2実施形態では、画像形成装置10は、印刷ジョブの実行中に紙種検出モードを実行可能に構成される。
【0099】
第2実施形態では、画像形成装置10は、たとえば、給紙トレイ151に収容された用紙を使用して印刷ジョブを実行している間に、給紙トレイ152が画像形成装置10に装填された場合、紙種検出モードを実行する。あるいは、画像形成装置10は、印刷ジョブの実行中に、図5のAに示すような操作画面において、紙種検出モードを選択するユーザーの操作を受け付けた場合、紙種検出モードを実行してもよい。すなわち、ユーザーは、後の印刷ジョブにおいて使用予定の給紙トレイに収容された用紙の種類を確認しておきたい場合、印刷ジョブの実行中でも、画像形成装置10に紙種検出モードを実行させることができる。
【0100】
図6Aおよび図6Bは、第2実施形態に係る画像形成装置の処理の手順を示すフローチャートである。図6Aおよび図6Bに示すステップS204~S213の処理は、図3に示すステップS102~S111の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0101】
図6Aおよび図6Bに示すように、制御部11は、まず、印刷ジョブを実行中であるか否かを判断する(ステップS201)。
【0102】
印刷ジョブを実行中であると判断した場合(ステップS201:YES)、制御部11は、紙種検出モードを実行するか否かを判断する(ステップS202)。制御部11は、たとえば、印刷ジョブの実行中に、未使用の給紙トレイが画像形成装置10または給紙装置20に装填された場合、紙種検出モードを実行すると判断してもよい。
【0103】
紙種検出モードを実行すると判断した場合(ステップS202:YES)、制御部11は、実行中の印刷ジョブを中断する(ステップS203)。そして、制御部11は、ステップS204の処理に進む。続いて、制御部11は、ステップS204~S213の処理を実行した後、ステップS203において中断した印刷ジョブを再開する(ステップS214)。その後、制御部11は処理を終了する。なお、制御部11は、ステップS203において実行中の印刷ジョブを中断する場合でも、定着部18に中断前の定着温度を保持させてもよい。
【0104】
印刷ジョブを実行中でないと判断した場合(ステップS201:NO)、あるいは、紙種検出モードを実行しないと判断した場合(ステップS202:NO)、制御部11は処理を終了する。
【0105】
以上のように、第2実施形態に係る画像形成装置10は、印刷ジョブの実行中に紙種検出モードを実行すると判断した場合、実行中の印刷ジョブを中断して、紙種検出モードを実行する。これにより、画像形成装置10は、印刷ジョブの実行中でも、必要に応じて紙種検出モードを実行し、たとえば、後の印刷ジョブにおいて使用予定の給紙トレイに収容された用紙の種類を予め検出できる。また、画像形成装置10は、後の印刷ジョブにおいて使用予定の用紙の種類を予め検出できるため、用紙の切り替えの度に使用する用紙の種類をユーザーに提示して確認する手間を省略でき、画像形成装置10の生産性の低下を回避できる。
【0106】
また、画像形成装置10は、実行中の印刷ジョブを中断して紙種検出モードを実行する場合、定着部18に中断前の定着温度を保持させる。これにより、画像形成装置10は、中断した印刷ジョブを再開する際に、定着部18のウォームアップ時間を短縮できる。
【0107】
なお、第1実施形態および第2実施形態の処理は、組み合わせて用いられてもよい。すなわち、画像形成装置10は、画像形成モードの実行前に、紙種検出モードを実行すると共に、印刷ジョブの実行中にも、紙種検出モードを実行可能であってもよい。
【0108】
上記実施形態では、画像形成装置10を一つの装置として説明した。しかし、上記実施形態はこれに限定されない。たとえば、画像形成装置10について、各種の判断処理を実行する情報処理装置と、画像形成処理を実行する装置とが、別々に構成されてもよい。この場合、情報処理装置と画像形成処理を実行する装置とは、バスを介して接続される。
【0109】
また、上述した実施形態に係る画像形成装置10における処理は、上記のフローチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上記のステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上記の実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0110】
また、上述した実施形態に係る画像形成装置10における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成装置10の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成システム、
10 画像形成装置、
11、21 制御部、
12、22 記憶部、
13、23 通信部、
14 操作パネル、
15、24 給紙部、
151~153、241~243 給紙トレイ、
16、25 搬送部、
161 搬送路、
162 搬送ローラー、
17 画像形成部、
18 定着部、
19 検出部、
191 紙厚センサー、
192 坪量センサー、
193 平滑度センサー、
20 給紙装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B