(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】光学装置、投影装置及び光学装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240220BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20240220BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240220BHJP
H04N 5/74 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G02B7/00 F
G03B21/00 F
H04N5/74 Z
(21)【出願番号】P 2022172170
(22)【出願日】2022-10-27
(62)【分割の表示】P 2018001575の分割
【原出願日】2018-01-10
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤倉 拓史
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 智史
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-301046(JP,A)
【文献】実開平04-020008(JP,U)
【文献】特開2016-139118(JP,A)
【文献】特開2005-208318(JP,A)
【文献】特開2009-244394(JP,A)
【文献】特開2015-203788(JP,A)
【文献】特開2017-151429(JP,A)
【文献】米国特許第05751501(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0040939(KR,A)
【文献】特開2013-073010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00-5/136
7/00-7/24
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部材を保持する保持部を有するケースを備え、
前記保持部は、固定剤が設けられた開口部を有し、
前記光学部材は、前記固定剤によって固定され、
前記固定剤は、前記開口部から前記ケースの外側に向けて突出している突出部を有
し、
前記ケースは、第1の面と、前記ケースの外側から見て前記第1の面より凹状となっている凹部とが形成されているケース面を有し、
前記開口部は、前記凹部に形成されており、
前記突出部は、前記凹部から突出しているとともに前記第1の面より低いことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記固定剤は、前記凹部と前記光学部材との間の隙間にかけて設けられていることを特徴とする
請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記開口部の幅方向における前記隙間に設けられた前記固定剤の幅は、前記開口部の幅方向における前記開口部内の前記固定剤の幅より長いことを特徴とする
請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記開口部の幅方向における前記突出部の幅は、前記開口部の幅方向における前記開口部内の前記固定剤の幅より長いことを特徴とする請求項1乃至
請求項3の何れか記載の光学装置。
【請求項5】
前記光学部材の前記保持部に対向する位置には、前記光学部材に対応して凹部が形成された蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
請求項4の何れか記載の光学装置。
【請求項6】
請求項1乃至
請求項5の何れか記載の光学装置と、
前記光
学装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記表示素子と前記光
学装置を制御する投影装置制御部と、
を有することを特徴とする投影装置。
【請求項7】
ケースの保持部に設けられている開口部を介して前記ケースの内側に配置された光学部材及び前記開口部に固定剤を塗布する工程と、
前記固定剤を硬化することによって、前記保持部に前記光学部材を固定する工程と、
を含み、
前記固定剤は、前記開口部から前記ケースの外側に向けて突出している突出部を有
し、
前記ケースは、第1の面と、前記ケースの外側から見て前記第1の面より凹状となっている凹部とが形成されているケース面を有し、
前記開口部は、前記凹部に形成されており、
前記突出部は、前記凹部から突出しているとともに前記第1の面より低いことを特徴とする光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記固定剤を硬化させる工程は、所定時間の経過による硬化、紫外線硬化又は熱硬化の何れかの硬化方法であることを特徴とする
請求項7に記載の光学装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置、投影装置及び光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらにメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から出射された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させるものである。
【0003】
そして、この投影装置であるプロジェクタは、パーソナルコンピュータやDVDプレーヤーなどの映像機器の普及に伴って、業務用プレゼンテーションから家庭用に至るまで、用途が拡大している。このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源として複数のレーザダイオード等の半導体発光素子を用い、それに伴い複数のレンズやミラー等の光学部材により構成される光学装置としての光源装置の開発や提案が多々なされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、赤色光源や緑色光源、青色光源により各色波長帯域光の光源光を出射する光源装置を備える投影装置が開示される。この光源装置は、各色光源からの各色波長帯域光を複数の光学部材で同一の光路上に合わせ、この光を光源光として同一方向に出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示される光源装置では、内蔵する光源装置の光学系に多くのレンズやミラーとされる光学部材が使用されて、投影画像の明るさや色再現性が高められる。そして、各レンズの配置位置や光軸位置は、投影画像の品質を高位に保つために、高度の注意が払われて組み立てが行われている。
【0007】
このため、多数の光学部材をねじで固定することは、工数の増大を招くことがある。また、複数の光学部材が収められる光学ケースのカバーに、板バネやクッション材を設けて、各光学部材を板バネやクッション材により押えて固定することも行われているため、部品の複雑化や部品点数の増加という問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、組み立て作業を容易としつつ、光学部材の固定位置精度を高めることができる光学装置、投影装置及び光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光学装置は、光学部材を保持する保持部を有するケースを備え、前記保持部は、固定剤が設けられた開口部を有し、前記光学部材は、前記固定剤によって固定され、前記固定剤は、前記開口部から前記ケースの外側に向けて突出している突出部を有し、前記ケースは、第1の面と、前記ケースの外側から見て前記第1の面より凹状となっている凹部とが形成されているケース面を有し、前記開口部は、前記凹部に形成されており、前記突出部は、前記凹部から突出しているとともに前記第1の面より低いことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る投影装置は、上述の光学装置と、前記光学装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記表示素子と前記光学装置を制御する投影装置制御部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る光学装置の製造方法は、ケースの保持部に設けられている開口部を介して前記ケースの内側に配置された光学部材及び前記開口部に固定剤を塗布する工程と、前記固定剤を硬化することによって、前記保持部に前記光学部材を固定する工程と、を含み、前記固定剤は、前記開口部から前記ケースの外側に向けて突出している突出部を有し、前記ケースは、第1の面と、前記ケースの外側から見て前記第1の面より凹状となっている凹部とが形成されているケース面を有し、前記開口部は、前記凹部に形成されており、前記突出部は、前記凹部から突出しているとともに前記第1の面より低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、組み立て作業を容易としつつ、光学部材の固定位置精度を高めることができる光学装置、投影装置及び光学装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る投影装置を示す外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る投影装置の機能ブロックを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る投影装置の内部構造を示す平面模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る光学装置の光学ケース内部の平面模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る光学ケースのケース本体及び光学部材を示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る光学ケースに集光レンズが固定される様子を示す断面模式図であり、(a)は
図6(b)のVI(a)-VI(a)断面を示し、(b)は
図6(a)のVI(b)-VI(b)断面を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る光学ケースに反射ミラーが固定される様子を示す断面模式図であり、(a)は
図7(b)のVII(a)-VII(a)断面を示し、(b)は
図7(a)のVII(b)-VII(b)断面を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る光学ケースに集光レンズが固定される様子を示す断面模式図であり、(a)は
図8(b)のVIII(a)-VIII(a)断面を示し、(b)は
図8(a)のVIII(b)-VIII(b)断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、投影装置10の外観斜視図である。本実施形態の投影装置10は、筐体上10a及び筐体下10bを備える。投影装置10の筐体の側板である正面パネル12、背面パネル13、右側パネル14、及び左側パネル15は、筐体上10aの外周縁から下方に向かって立設する。各パネル12~15の下端は、筐体下10bの外周縁と当接する。したがって、投影装置10は、筐体上10aと筐体下10bにより略直方体状に形成される。なお、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0015】
投影装置10の筺体の上面パネル11には、キー/インジケータ部37、投影画像調整部11aが設けられる。このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、各色光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱した時に報知をする過熱インジケータ等の各種設定を行うためのキーやインジケータが配置されている。投影画像調整部11aは、一つ又は複数の回動摘みを備える。この回動摘みを操作することにより、
図4で後述する投影側光学系の可動レンズの位置が調節され、投影画像の大きさやピントの調節が行われる。また、投影装置10は、図示しないが、リモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0016】
正面パネル12と右側パネル14の前方右側の角部501には、吸気孔310が設けられる。正面パネル12の左側には、すり鉢状に窪んだ光出射部12aが設けられる。この光出射部12aの左側パネル15側の壁部には、吸気孔320が形成される。投影装置10は、光出射部12aに、投影口12bと、投影口12bを覆うレンズカバー19を有する。
【0017】
正面パネル12の下端には、高さ調節ボタン12cが設けられる。投影装置10は、正面パネル12側の内部に支脚を備える。投影装置10は、高さ調節ボタン12cが押下されている間、下方からその支脚を出没させることができる。よって、使用者は、高さ調節ボタン12cを操作することにより支脚を任意の出代量で固定し、投影装置10の高さや傾きを調節することができる。
【0018】
背面パネル13には、USB端子や画像信号入力用のD-SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネル13において、右側パネル14側の角部503に吸気孔330が形成され、左側パネル15側の角部504にも排気孔340が形成される。
【0019】
次に、投影装置10の投影装置制御部について
図2の機能ブロック図を用いて説明する。投影装置制御部は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0020】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0021】
そして、この投影装置制御部により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0022】
表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0023】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。
【0024】
投影装置10は、光学装置60から出射された光源光の光線束を、後述する導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像(画像)を形成する。投影装置10は、その形成した光像を同じく後述する投影側光学系を介してスクリーンに投影し、画像を表示させる。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0025】
画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0026】
また、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時はメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長する。そして、画像圧縮/伸長部31は、その画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいた動画等を表示する処理を行う。
【0027】
筺体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出される。リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0028】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0029】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御している。この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光学装置60から出射されるように、光学装置60の緑色光源装置における励起光照射装置や、赤色光源装置の発光を個別に制御する。光学装置60から出射された所定の波長帯域の光は、照射ミラー185で反射され、表示素子51に照射される。
【0030】
制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光学装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、投影装置10の電源をOFFにする指示を受けると、冷却ファン駆動制御回路43にタイマーを用いて投影装置10本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させたり、温度センサによる温度検出の結果に応じて投影装置10本体の電源を切るタイミングを定める等の制御を行うことができる。
【0031】
次に、
図3及び
図4に基づいて、投影装置10の内部構造について述べる。
図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、電源装置301、制御回路基板302、光学装置60を備える。また、投影装置10は、冷却ファンとして、吸気ファン260、吸気ファン270、排気ファン280を備える。
【0032】
光学装置60は、投影装置10の筐体の略中央に配置される。光学装置60は、光学ケース61を備える。光学ケース61は、上部が開口される光学ケース本体61aと、開口される上部に取り付けられるカバー61bを備える。この光学ケース61の内部に各色光源やレンズ、ミラー等の光学部材が収容される。電源装置301は、光学装置60の左側パネル15側に配置される。電源装置301の基板は、左側パネル15と略平行に配置される。制御回路基板302は、光学装置60の背面パネル13側に配置される。制御回路基板302は、上下方向に対し略垂直に配置される。制御回路基板302は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備える。また、制御回路基板302は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等の機能毎に分けて、複数備えることができる。
【0033】
ここで、光学装置60の内部構造について説明する。
図4は、光学装置60の光学ケース61のカバー61bを省略して示す平面模式図である。光学装置60は、赤色波長帯域光の光源である赤色光源装置120と、緑色波長帯域光の光源である緑色光源装置80と、青色波長帯域光の光源である青色光源装置であると共に励起光源でもある励起光照射装置70と、を備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と、蛍光板装置100により構成される。光学装置60は、導光光学系140を有する。導光光学系140は、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光及び赤色波長帯域光の光線束を合わせて、各色波長帯域の光線束を同一光路上に導光する。
【0034】
励起光照射装置70は、投影装置10筐体の右側パネル14側に配置される。励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の固体発光素子を備える。本実施形態の固体発光素子は、青色波長帯域光を発する複数の青色レーザダイオード71である。また、複数の青色レーザダイオード71は、右側パネル14と平行に並べて配置されている。これら青色レーザダイオード71は、ホルダ74に固定される。
【0035】
また、励起光照射装置70は、反射ミラー76、拡散板78、ヒートシンク81を備える。反射ミラー76は、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を拡散板78に向けて略90度変換する。拡散板78は、反射ミラー76で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を予め定められた拡散角度で拡散する。ヒートシンク81は、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置される。
【0036】
各青色レーザダイオード71からの光路上には、青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めて平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。これらコリメータレンズ73は、青色レーザダイオード71とともにホルダ74に保持される。
【0037】
赤色光源装置120は、青色レーザダイオード71の光線束と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの出射光を集光する集光レンズ群125と、を備える。この赤色光源121は、赤色波長帯域光を出射する固体発光素子である赤色発光ダイオードである。赤色光源装置120は、赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸が、蛍光板101から出射される緑色波長帯域光の光軸と交差するように配置される。また、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側にヒートシンク130を備える。
【0038】
緑色光源装置80を構成する蛍光板装置100は、蛍光板101、モータ110、入射側の集光レンズ群117、出射側の集光レンズ115を備える。蛍光板101は、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイールである。この蛍光板101はモータ110により回転駆動する。集光レンズ117a,117bは、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光板101に集光する。集光レンズ115は、蛍光板101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する。なお、蛍光板装置100は、集光レンズ群117及び集光レンズ115の上方に配置される。そのため、蛍光板101の下方の一部が集光レンズ群117及び集光レンズ115の光路上に配置される。
【0039】
蛍光板101には、蛍光発光領域と拡散透過領域とが周方向に並設されている。蛍光発光領域は、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光を励起光として受けて、励起された緑色波長帯域の蛍光光を出射する。拡散透過領域は、青色レーザダイオード71からの出射光を拡散透過する。拡散透過した出射光は、光学装置60の青色波長帯域光として出射される。
【0040】
導光光学系140は、第一ダイクロイックミラー141、集光レンズ149、第二ダイクロイックミラー148、第一反射ミラー143、集光レンズ146、第二反射ミラー145、集光レンズ147を有する。第一ダイクロイックミラー141は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び蛍光板101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に配置される。第一ダイクロイックミラー141は、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射する。第一ダイクロイックミラー141が反射した緑色波長帯域光の光軸は、集光レンズ149に向かう左側パネル15方向に90度変換される。したがって、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸は、第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と一致する。
【0041】
集光レンズ149は、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側に配置される。第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光及び第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光は、共に集光レンズ149に入射する。第二ダイクロイックミラー148は、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側に配置される。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射し、青色波長帯域光を透過する。したがって、集光レンズ149で集光された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148によって反射されて、背面パネル13側に90度変換される。第二ダイクロイックミラー148の背面パネル13側には、集光レンズ173が配置される。第二ダイクロイックミラー148により反射された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、集光レンズ173に入射する。
【0042】
第一反射ミラー143は、蛍光板101を透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間に配置される。第一反射ミラー143は、青色波長帯域光を反射して、この青色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する。集光レンズ146は、第一反射ミラー143の左側パネル15側に配置される。また、第二反射ミラー145は、集光レンズ146の左側パネル15側に配置される。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射されて、集光レンズ146により集光された青色波長帯域光の光軸を、背面パネル13側に90度変換する。集光レンズ147は、第二反射ミラー145の背面パネル13側に配置される。第二反射ミラー145により反射された青色波長帯域光は、集光レンズ147を介して第二ダイクロイックミラー148を透過し、集光レンズ173に入射する。このようにして、導光光学系140により導光された赤色、緑色、青色の各波長帯域光の光線束は、光源側光学系170の同一光路上に導光される。
【0043】
光源側光学系170は、集光レンズ173、ライトトンネルやガラスロッド等のライトトンネル175、集光レンズ178、光軸変換ミラー179、集光レンズ183、照射ミラー185、コンデンサレンズ195を備える。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を、投影側光学系220に向けて出射するため、投影側光学系220の一部でもある。
【0044】
集光レンズ173から出射した各光線束は、ライトトンネル175に入射する。ライトトンネル175に入射される各光線束は、ライトトンネル175により均一な強度分布の光線束となる。
【0045】
ライトトンネル175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー179が配置されている。ライトトンネル175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー179により、集光レンズ183に向かう光軸に変換される。
【0046】
光軸変換ミラー179で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、表示素子51の背面パネル13側にはヒートシンク190が設けられている。DMDとされる表示素子51は、このヒートシンク190により冷却される。
【0047】
そして、光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。
【0048】
投影側光学系220は、コンデンサレンズ195、可動レンズ群235、固定レンズ群225により構成される。固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。可動レンズ群235は、可動鏡筒に内蔵され、手動又は自動により移動されることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0049】
このように投影装置10を構成することで、蛍光板101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、赤色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介してライトトンネル175に入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射される。よって、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0050】
ここで、
図5に示すように、光学ケース61の光学ケース本体61aは、底板61a1と、底板61a1の外周に立設する側壁61a2と、を備えた略箱状に形成される。そして、導光光学系140や光源側光学系170等における多数の光学部材は、光学ケース61の光学ケース本体61a内に納められる。
【0051】
なお、本実施形態における光学ケース本体61aは、主に導光光学系140や光源側光学系170が収容される領域と、光軸変換ミラー179で反射した光線束を集光し、表示素子51に光源光を導光する集光レンズ183、表示素子51と投影側光学系220との間に配置されたコンデンサレンズ195等が収容される領域と、が形成される。そして、それぞれの領域に対応する光学ケース本体61aの上部には、それぞれカバー61b1,61b2が設けられる(
図3参照)。光学ケース本体61aのカバー61b1,61b2の、各光学部材と対向する面には、各光学部材に対応して、発泡材等のクッション材からなるクッション部を形成することができる。
【0052】
光学ケース61の光学ケース本体61aには、
図6、
図7に示すように、集光レンズCLや反射ミラーML等の光学部材を保持する保持部400,410が形成される。保持部400,410は、後に詳述するが、固定剤FDにより光学部材を固定する固定部が複数形成される(固定部F1,F2,F3)。ここで、
図6及び
図7は、光学ケース本体61aの底板61a1が上側となるように図示されている。
【0053】
図6に示すように、集光レンズCLを保持する保持部400は、光学ケース本体61aの底板61a1の外側から見て(換言すれば、底板61a1のケース面P)に凹状(内側から見て凸状)の凹部が形成される。保持部400には、底板61a1から、光学ケース本体61aの内側に向けて平面視略矩形周状に立設する周壁401が形成される。周壁401の突端からは、底板61a1と平行に支持板402が周壁401に亘って形成される。支持板402には、中央部に略矩形の支持板開口403が形成される。
【0054】
支持板402における支持板開口403に面する縁部には、集光レンズCLの円形の外形(すなわち、集光レンズCLの光軸に直交する平面における集光レンズCLの外形)に倣って、傾斜又は円弧状の支持面402aが形成される。一方、支持板開口403に対応する、光学ケース本体61aの外側には、梁状に形成される支持梁404が形成される。支持梁404には、略中央に長孔状の孔部404aが形成される。支持梁404における光学ケース本体61aの内側の面は、集光レンズCLの円形の外形(すなわち、集光レンズCLの光軸周りにおける集光レンズCLの外形)に倣って、略円弧状に形成される支持面404bとされている。そして、支持梁404の両縁が支持板開口403に対して離間して配置されることにより、スリット405が形成される。後述するが、集光レンズCLの外周に対応する孔部404aの部位(換言すれば、ケース面Pに最も近い位置)は固定部F1(第1固定部)とされる。また、集光レンズCLの外周に対応する各スリット405の部位は、それぞれ固定部F2(第2固定部)、固定部F3(第3固定部)とされる。固定部F2,F3は、固定部F1を挟んで対向して配置される。集光レンズCLは、固定部F1,F2,F3により固定される。
【0055】
保持部400への集光レンズCLの配置は、以下のように行われる。
第1工程:治具600に集光レンズCL(光学部材)を配置する。
ここで、治具600は、
図6(a),(b)に示すように、略ブロック状に形成され、集光レンズCLが挿入される凹部601が形成される。凹部601は、集光レンズCLの外形形状に合わせて高精度に形成される。
【0056】
第2工程:治具600に配置された集光レンズCL(光学部材)に、光学ケース61の保持部400を位置決めする。治具600の光学ケース61(保持部400)に対する位置決めは、治具600の凹部601が形成される面側に立設する位置決めプレート602の先端面を光学ケース本体61aの底板61a1の内側面に当接させて行われる。この場合、治具600の位置決めプレート602の先端面及びこの先端面が当接する光学ケース61の底板61a1の部位を高精度に加工しておけば、更に高精度に光学ケース61に対する集光レンズCLの位置決めを行うことができる。また、本工程で治具600が位置決めされるときの集光レンズCLの外周は、保持部400の支持板402の支持面402aとの間に所定の隙間Sが形成される。同様に、集光レンズCLの外周と支持梁404の支持面404bとの間には、所定の隙間Sが形成される。
【0057】
第3工程:保持部400に形成された複数の開口部とされるスリット405、孔部404aに固定剤FDを塗布する。スリット405、孔部404aは、光学ケース61の外側から内側に開口される開口部である。スリット405、孔部404aに固定剤FDを塗布することで、集光レンズCLの外周と支持板402の支持面402aとの間の隙間S、及び、集光レンズCLの外周と支持梁404の支持面404bとの間の隙間Sに固定剤FDが流れ込む。
【0058】
第4工程:固定剤FDを硬化させる。ここで、固定剤FDは、紫外線硬化剤や、熱硬化剤等の種々の硬化剤を用いることができる。そして、固定剤FDの硬化方法は、固定剤FDの種類に応じて、所定時間の経過による硬化、紫外線硬化、熱硬化等の何れかの硬化方法を採用することができる。
【0059】
第5工程:固定剤FDの硬化後、治具600を取り外す。集光レンズCLは、固定部F1,F2,F3における固定剤FDが光学ケース61と集光レンズCLに亘って硬化していることにより、光学ケース61に固定される。
【0060】
次に、
図7(a),(b)により、矩形板状の反射ミラーMLが光学ケース61の保持部410へ配置される場合について説明する。保持部410は、
図6に示す保持部400と同様に、光学ケース本体61aの底板61a1に、外側から見てケース面Pに凹状に形成されて、周壁411、支持板412が形成される。支持板412の内側は支持板開口413が形成される。そして、支持板開口413に対応する位置に設けられる支持梁414の両縁側には、スリット415がそれぞれ形成される。一方、支持梁414には、反射ミラーMLに対応する位置に孔部414aが形成される。反射ミラーMLを固定する固定部F1,F2,F3は、反射ミラーMLに対応する位置における孔部414a及びスリット415を備える。
【0061】
そして、反射ミラーMLの保持部410への配置も、凹部611や位置決めプレート612を備える治具600を用いて、上記の第1工程~第5工程により行われる。
【0062】
このようにして、導光光学系140や光源側光学系170における集光レンズや反射ミラー等の複数の光学部材は、治具600を用いて固定剤FDを塗布することにより容易かつ高精度に光学ケース61に固定して配置することができる。ここで、治具600は、例えば、
図5で示す光学ケース本体61aにおける、主に導光光学系140や光源側光学系170が収容される領域の形状に合わせて一体に形成することができる。一体に形成した治具600には、導光光学系140や光源側光学系170における多数の光学部材を挿入できる凹部(例えば凹部601,610)を多数の光学部材に対応して形成しておいて、各凹部に光学部材をそれぞれ挿入する。治具600への複数の光学部材の配置後、治具600に光学ケース本体61aを被せるように配置する。すると、各光学部材は、光学ケース本体61aの保持部(例えば保持部400,410)に対して位置決めされる。その後、固定部(例えば固定部F1~F3)の開口部(例えば孔部404a,414a、スリット405,415)に固定剤FDを塗布して硬化させることにより、各光学部材が光学ケース61に固定される。このように、複数の光学部材に対応して複数の凹部を備える治具600を用いることにより、自動組立機械への適用も容易に行うことができる。
【0063】
次に、
図8(a),(b)に示すように、集光レンズCL等の光学部材が光学ケース61の保持部400,410へ配置された後、光学部材の脱落防止用の凹部61b3が形成された蓋部材(カバー61b)により、光学ケース61と蓋部材とを固定する。あくまでも光学部材は固定剤FDで固定されるため、光学部材の脱落防止用の凹部61b3と光学部材との間には、クリアランスを設けて形成される。なお、反射ミラーML等の光学部材においても同様の構成である。
【0064】
以上、本発明の実施形態によれば、光学装置60は、光学部材を保持する保持部を有するケースを備え、保持部は、ケースの外側から内側に開口する複数の開口部を介して塗布された固定剤により、ケースに対して光学部材の位置及び傾きが固定される。具体的には、光学装置60は、集光レンズCLや反射ミラーML等の光学部材が保持される保持部400,410を有する光学ケース61を備える。そして、保持部400,410は、光学ケース61の外側から内側に開口する開口部(孔部404a,414a、スリット405,415)を介して塗布された固定剤FDにより光学ケース61と光学部材が固定される複数の固定部F1~F3を備える。
【0065】
これにより、光学部材は、固定剤FDにより固定されるので、固定剤FDを塗布する前の光学ケース61に対する光学部材の位置決めは治具600を用いて容易に行うことができる。従って、光学装置を組み立て易くすることができると共に、治具600により位置決めされた位置で正確に光学部材を固定することができる光学装置60や投影装置10を提供することができる。
【0066】
また、保持部400,410は、ケース(光学ケース61)の外側から見てケース面Pに凹状の凹部が形成されており、この凹部に複数の開口部(孔部404a,414a、スリット405,415)が形成される。これにより、投影装置10の筐体に光学装置60(光学ケース61)を設置する際に保持部400,410や固定剤FDの干渉を低減することができる。
【0067】
また、固定部F1~F3のうち一の固定部F1は、光学部材の外周のうち、ケース面Pに最も近い位置に形成される。これにより、固定部F1に対して対称に固定部F2,F3を設けることができるので、更に安定して光学部材を光学ケース61に固定することができる。
【0068】
また、複数の固定部は、光学部材の外周のうちケース面Pに最も近い位置に形成される固定部F1である第1固定部と、この第1固定部を挟んで対向して配置される第2固定部及び第3固定部である固定部F2、固定部F3を備える。これにより、固定部を3点支持とすることができるので、更に高精度な光学部材の固定を行うことができる。
【0069】
また、固定部F1~F3における光学ケース61と光学部材との間には、所定の間隔の隙間部(隙間S)が形成される。これにより、隙間Sに固定剤FDを流し込むことができるので、治具600により高精度に位置決めを行いつつ、固定剤FDの塗布により光学部材を光学ケース61に固定することができる。
【0070】
また、光学部材の保持部400,410に対向する位置には、光学部材に対応して凹部61b3が形成された蓋部材(カバー61b)が設けられる。これにより、光学装置60を備える投影装置10が落下して衝撃が加えられたとしても、この凹部61b3により光学部材を押えておくことができ、光学部材の飛散等を低減することができる。
【0071】
また、保持部400,410に対向する位置であるカバー61b1,61b2の、光学部材に対応する位置には、各光学部材に対応してクッション(クッション部)を設けることができる。これにより、光学装置60が落下等による衝撃を受けて固定部F1,F2,F3による固定が解除されて各光学部材が保持部400,410から外れてしまっても、このクッションにより各光学部材が押えられるので、各光学部材が光学ケース61から脱落して飛散する等することを低減することができる。従って、クッション部は、光学部材に対して接触又は近接するように設けることができる。なお、クッションが設けられていなくても、光学部材である集光レンズCLや反射ミラーMLは、複数箇所が、固定部F1~F3に塗布された固定剤FDで、光学ケース61の保持部400、410に固定されているので、ある程度の衝撃を受けても光学部材である集光レンズCLや反射ミラーMLが脱落することはない。
【0072】
そして、本実施形態における光学装置60の製造方法は、治具600に光学部材を配置する工程(第1工程)と、治具600に配置された光学部材に、光学ケース61の保持部400,410に位置決めする工程(第2工程)と、保持部400,410に形成された複数の開口部(孔部404a,414a、スリット405,415)に固定剤FDを塗布する工程(第3工程)と、固定剤FDを硬化させる工程(第4工程)と、を含む。そして、固定剤FDを硬化させる工程(第4工程)は、所定時間の経過による硬化、紫外線硬化又は熱硬化の何れかの硬化方法とすることができる。これにより、組み立て作業を容易としつつ、光学部材の固定位置精度を高めることができる光学装置の製造方法を提供することができる。
【0073】
なお、以上説明した各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0074】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]光学部材を保持する保持部を有するケースを備え、
前記保持部は、前記ケースの外側から内側に開口する複数の開口部を介して塗布された固定剤により、前記ケースに対して前記光学部材の位置及び傾きが固定されることを特徴とする光学装置。
[2]前記保持部は、前記ケースの外側から見てケース面に凹状の凹部が形成されており、前記凹部に前記複数の開口部が形成されることを特徴とする前記[1]に記載の光学装置。
[3]前記固定剤によって前記ケースに固定される複数の固定部の一つは、前記光学部材の外周のうち、前記ケース面に最も近い位置に形成されることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の光学装置。
[4]前記複数の固定部は、前記光学部材の外周のうち、前記ケース面に最も近い位置に形成される第1固定部と、該第1固定部を挟んで対向して配置される第2固定部及び第3固定部を備えることを特徴とする前記[3]に記載の光学装置。
[5]前記固定部における前記ケースの内側面と前記光学部材との間には所定の間隔の隙間部が形成されることを特徴とする前記[3]又は前記[4]に記載の光学装置。
[6]前記光学部材の前記保持部に対向する位置には、前記光学部材に対応して凹部が形成された蓋部材が設けられることを特徴とする前記[1]乃至前記[5]の何れか記載の光学装置。
[7]前記光学部材の前記保持部に対向する位置には、前記光学部材に対応してクッション部が設けられることを特徴とする前記[1]乃至前記[5]の何れか記載の光学装置。
[8]前記[1]乃至前記[7]の何れか記載の光学装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記表示素子と前記光源装置を制御する投影装置制御部と、
を有することを特徴とする投影装置。
[9]治具と、光学部材と、複数の開口部が形成された保持部を有するケースと、を含む光学装置の製造方法であって、
前記治具に前記光学部材を配置する工程と、
前記治具に配置された前記光学部材に、前記ケースの前記保持部を位置決めする工程と、
前記保持部に形成された複数の開口部に、固定剤を塗布する工程と、
前記固定剤を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする光学装置の製造方法。
[10]前記固定剤を硬化させる工程は、所定時間の経過による硬化、紫外線硬化又は熱硬化の何れかの硬化方法であることを特徴とする前記[9]に記載の光学装置の製造方法。
【符号の説明】
【0075】
10 投影装置 10a 筐体上
10b 筐体下 11 上面パネル
11a 投影画像調整部 12 正面パネル
12 パネル 12a 光出射部
12b 投影口 12c 高さ調節ボタン
13 背面パネル 13 パネル
14 パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 15 パネル
19 レンズカバー 20 端子
21 入出力コネクタ部 22 入出力インターフェース
23 画像変換部 24 表示エンコーダ
25 ビデオRAM 26 表示駆動部
31 画像圧縮/伸長部 32 メモリカード
35 Ir受信部 36 Ir処理部
37 キー/インジケータ部 38 制御部
41 光源制御回路 43 冷却ファン駆動制御回路
45 レンズモータ 47 音声処理部
48 スピーカ 51 表示素子
60 光学装置 61 光学ケース(ケース)
61a 光学ケース本体 61a1 底板
61a2 側壁 61b カバー
61b1 カバー 61b2 カバー
61b3 凹部
70 励起光照射装置 71 青色レーザダイオード
73 コリメータレンズ 74 ホルダ
76 反射ミラー 78 拡散板
80 緑色光源装置 81 ヒートシンク
100 蛍光板装置 101 蛍光板
110 モータ 115 集光レンズ
117 集光レンズ群 117a 集光レンズ
117b 集光レンズ 120 赤色光源装置
121 赤色光源 125 集光レンズ群
130 ヒートシンク 140 導光光学系
141 第一ダイクロイックミラー 143 第一反射ミラー
145 第二反射ミラー 146 集光レンズ
147 集光レンズ 148 第二ダイクロイックミラー
149 集光レンズ 170 光源側光学系
173 集光レンズ 175 ライトトンネル
178 集光レンズ 179 光軸変換ミラー
183 集光レンズ 185 照射ミラー
190 ヒートシンク 195 コンデンサレンズ
220 投影側光学系 225 固定レンズ群
235 可動レンズ群 260 吸気ファン
270 吸気ファン 280 排気ファン
301 電源装置 302 制御回路基板
310 吸気孔 320 吸気孔
330 吸気孔 340 排気孔
400 保持部 401 周壁
402 支持板 402a 支持面
403 支持板開口 404 支持梁
404a 孔部 404b 支持面
405 スリット 410 保持部
411 周壁 412 支持板
413 支持板開口 414 支持梁
414a 孔部 415 スリット
501 角部 503 角部
504 角部 600 治具
601 凹部 602 位置決めプレート
610 凹部 611 凹部
612 位置決めプレート CL 集光レンズ
F1~F3 固定部
FD 固定剤 ML 反射ミラー
S 隙間 P ケース面