(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】後処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 45/18 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
B65H45/18
(21)【出願番号】P 2022528525
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2021018913
(87)【国際公開番号】W WO2021246168
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2020097060
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】岸本 正尚
(72)【発明者】
【氏名】田代 義昭
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 昌彦
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-093688(JP,A)
【文献】特開2015-199594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/18
B42B 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬入口から第1シート排出口へ向かう第1方向に沿ってシートが搬送される第1シート搬送路と、
前記第1シート搬送路に沿って搬送されたシートに、前記第1方向と直交する幅方向に平行な折り線に沿って折り処理を行う第1処理部と、
第1シート搬送路から第1分岐部で分岐して、前記第1方向と交差する第2方向に沿ってシートが搬送される第2シート搬送路と、
第2シート搬送路から第2分岐部で分岐して、前記第2方向と交差する第3方向に沿ってシートが搬送され、
前記第1分岐部よりも前記第1方向の下流側の第2合流部で前記第1シート搬送路に合流する合流搬送路と、
前記第1シート搬送路から前記第2合流部で分岐して、前記第1シート排出口とは異なる第2シート排出口へ向かう第3シート搬送路と、を備え、
前記第1処理部は、
搬送ニップを形成する第1ローラーと第2ローラーとからなり、前記第1方向に沿ってシートを搬送する搬送ローラー対と、
第1ニップを形成する前記第1ローラーと第3ローラーとからなり、前記第2方向に沿ってシートを搬送すると共に前記シートに第1折り線に沿って折り処理を行う第1折りローラー対と、
第2ニップを形成する前記第3ローラーと第4ローラーとからなり、前記第3方向に沿ってシートを搬送すると共に前記シートに前記第1折り線とは異なる第2折り線に沿って折り処理を行う第2折りローラー対と、
前記第1分岐部において、前記第1ニップに近接する突出位置と、前記第1ニップから退避する退避位置と、の間を移動可能な第1折りガイドと、
前記第2分岐部において、前記第2ニップへ近接する突出位置と、前記第2ニップから退避する退避位置と、の間を移動可能な第2折りガイドと、
前記第2合流部に回動可能に配置されて、シートを前記第1シート排出口又は前記第2シート排出口のいずれかに案内可能な第1切替ガイドと、を備え、
前記第1折りガイドは、
前記シートを前記第1方向に沿って搬送する場合は、前記退避位置に配置され、
前記シートを前記第1
シート搬送路から前記第2
シート搬送路へ搬送する場合は、前記突出位置に移動して、前記シートの先端を前記第1ニップに案内し、
前記シートに前記第1折りローラー対によって前記第1折り線に沿った折り処理を施す場合は、前記シートの先端が前記第1折りガイドを通過した後に前記退避位置から前記突出位置へ移動して前記シートの前記第1折り線に当接し、前記第1折り線を先にして前記シートを前記第1ニップに案内することを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記第1処理部は、大サイズのシートのZ折り、小サイズのシートのZ折り、外3つ折り、内3つ折り、2つ折りを含む複数の折り処理を可能であり、
前記第1切替ガイドは、Z折りされた大サイズのシートを前記第1シート排出口と前記第2シート排出口のいずれかへ案内し、Z折りされた小サイズのシートを前記第2
シート排出口に案内し、外3つ折りされたシート、内3つ折りされたシート、中折りされたシートを前記第2
シート排出口へ案内することを特徴とする請求項
1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記第1処理部よりも前記第1方向の下流側に設けられ、前記第1シート搬送路に沿って搬送されたシートに後処理を行う第2処理部と、
前記第1処理部よりも前記第2方向の下流側に設けられ、前記第1処理部を通過して前記第2シート搬送路に沿って搬送されたシートに後処理を行う第3処理部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記第2処理部は、
前記シートが積載される第1処理トレイと、
前記第1処理トレイに積載されたシートの束を綴じるステイプラーと、を備えるステイプルユニットであることを特徴とする請求項
3に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記第3処理部は、
前記シートが積載される第2処理トレイと、
前記第2処理トレイに積載されたシート束を中綴じする中綴じ装置と、
前記中綴じ装置で中綴じされたシート束を中折する中折装置と、を備える製本ユニットであることを特徴とする請求項
3に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記第1ローラー、前記第3ローラー、前記第4ローラーは、シートを搬送する際及びシートに折り処理を行う場合に、一方向にのみ回転することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項7】
前記第1折りガイドよりも前記第1方向の下流側において、前記第1
シート搬送路を搬送されるシートを検知するシートセンサーを備え、
前記シートセンサーの検知結果に基づいて、前記第1折りガイドを前記退避位置から前記突出位置に進出させることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項8】
前記第2処理部において先行のシート束の処理中に、後続のシート束の1枚目のシートを2枚目のシートに重ねて退避させる退避路をさらに備え、
前記退避路は前記第2シート搬送路に連通していることを特徴とする請求項
3に記載の後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを折り畳む折り装置を備える後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている後処理装置は、中央ローラーと、中央ローラーと第1のニップを形成する第1のローラーと、中央ローラーと第2のニップを形成する第2のローラーと、を備えて、用紙をZ折りする。中央ローラーと第1のローラーとは、第1のニップで用紙に折りを行い第1の搬送路に搬送し、中央ローラーと第2のローラーとは、第2のニップで用紙に折りを行い第2の搬送路に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の後処理装置では、中央ローラーを一方向及びその反対方向に回転させて、用紙を第1の搬送路と第2の搬送路とに選択的に搬送している。このように中央ローラーを反転させると、折り処理の生産性が低くなるという問題がある。また、折り方がZ折りのみであり、多様な折り方に対応できないという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、シートを多様な折り方で折り畳む折り処理を含む種々の後処理を行う後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の後処理装置は、シート搬入口から第1シート排出口へ向かう第1方向に沿ってシートが搬送される第1シート搬送路と、前記第1シート搬送路に沿って搬送されたシートに、前記第1方向と直交する幅方向に平行な折り線に沿って折り処理を行う第1処理部と、前記第1処理部から、前記第1方向と交差する第2方向に沿ってシートが搬送される第2シート搬送路と、前記第1処理部から、前記第2方向と交差する第3方向に沿ってシートが搬送され、前記第1シート搬送路に合流する合流搬送路と、を備え、前記第1処理部は、搬送ニップを形成する第1ローラーと第2ローラーとからなり、前記第1方向に沿ってシートを搬送する搬送ローラー対と、第1ニップを形成する前記第1ローラーと第3ローラーとからなり、前記第2方向に沿ってシートを搬送すると共に前記シートに第1折り線に沿って折り処理を行う第1折りローラー対と、第2ニップを形成する前記第3ローラーと第4ローラーとからなり、前記第3方向に沿ってシートを搬送すると共に前記シートに前記第1折り線とは異なる第2折り線に沿って折り処理を行う第2折りローラー対と、前記第1ニップに近接する突出位置と、前記第1ニップから退避する退避位置と、の間を移動可能な第1折りガイドと、前記第2ニップへ近接する突出位置と、前記第2ニップから退避する退避位置と、の間を移動可能な第2折りガイドと、を備え、前記第1折りガイドは、前記シートを前記第1方向に沿って搬送する場合は、前記退避位置に配置され、前記シートを前記第1搬送路から前記第2搬送路へ搬送する場合は、前記突出位置に移動して、前記シートの先端を前記第1ニップに案内し、前記シートに前記第1折りローラー対によって前記第1折り線に沿った折り処理を施す場合は、前記シートの先端が前記第1折りガイドを通過した後に前記退避位置から前記突出位置へ移動して前記シートの前記第1折り線に当接し、前記第1折り線を先にして前記シートを前記第1ニップに案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シートを所定の後処理部への搬送とシートの折り処理と、を円滑に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る後処理装置を模式的に示す正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る後処理装置の折り装置を模式的に示す正面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りされるシートの平面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りされたシートの側面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りの第1段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りの第2段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図4C】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りの第3段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図4D】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りの第4段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図4E】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、Z折りの第5各段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りされるシートの平面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りされたシートの側面図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りの第1段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りの第2段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図6C】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りの第3段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図6D】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りの第4段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図6E】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、外3つ折りの第5段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りされるシートの平面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りされたシートの側面図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りの第1段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りの第2段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図8C】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りの第3段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図9A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りの第4段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図9B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、内3つ折りの第5段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図10A】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、2つ折りの第1段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図10B】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、2つ折りの第2段階での折り装置を模式的に示す図である。
【
図10C】本発明の一実施形態に係る後処理装置において、2つ折りの第3段階での折り装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る後処理装置を説明する。
【0010】
図1及び
図2を参照して、後処理装置1について説明する。
図1は、後処理装置1、画像形成装置3、インサーター9を模式的に示す正面図である。
図2は、折り装置55を模式的に示す正面図である。
図1の紙面手前側を後処理装置1の前側とする。各図のL、Rは後処理装置1の左側、右側をそれぞれ示す。
【0011】
後処理装置1は、電子写真式又はインクジェット式の画像形成装置3に、左右方向に隣接して配置されている。画像形成装置3には、後処理装置1側の側面(左面)の上部に、シートの排紙口5が形成されている。
【0012】
後処理装置1には、インサーター9が載置されている。インサーター9は、上下手差しトレイ11と、各手差しトレイ11からシートを給紙する給紙機構13と、各給紙機構13によって給紙されたシートが搬送される搬送路15と、を備えている。搬送路15は上下方向に沿って形成されて、インサーター9の底面に形成された排紙口17に接続している。
【0013】
次に、後処理装置1の構成について説明する。後処理装置1は、画像形成装置3で画像が形成されたシート(又はシート束)、又は、画像形成装置3で画像が形成されたシートにインサーター9によって給紙された表紙等が挿入されたシート束に後処理(パンチ処理、折り処理、ステイプル処理、製本処理)を施す。
【0014】
後処理装置1の本体部7には、画像形成装置3の側の側面(右側面)の上部にシート搬入口21が形成され、画像形成装置3と反対側の側面(左側面)の上部に第1シート排出口23が形成されている。シート搬入口21は、画像形成装置3の排紙口5からシートを受入れ可能である。さらに、本体部7の上面には、シート搬入口21に近い側の端部に、上側搬入口25が形成されている。上側搬入口25は、インサーター9の排紙口17からシートを受入れ可能である。
【0015】
本体部7の左側面には、第1シート排出口23よりも上方に第2シート排出口27が形成され、第1シート排出口23よりも下方に、第3シート排出口29が形成されている。左側面には、第1~第3シート排出口23、27、29のそれぞれの下方に、第1排紙トレイ31、第2排紙トレイ33、第3排紙トレイ35が備えられている。前述の後処理が施されないシートは、第2シート排出口27から排出されて第2排紙トレイ33に積載される。
【0016】
本体部7の内部には、シート搬入口21から第1シート排出口23へ向かうほぼ水平な第1搬送方向に沿ってシートが搬送される第1シート搬送路41が形成されている。第1シート搬送路41には、シート搬入口21よりも第1搬送方向の下流側の第1合流部J1で、上側搬入口25から延びる給紙経路43が合流している。また、第1シート搬送路41は、第1合流部J1よりも第1搬送方向の下流側の第1分岐部B1で、下方に向かう第2搬送方向に沿ってシートが搬送される第2シート搬送路95に分岐している。第2シート搬送路95は、第2分岐部B2で合流搬送路97に分岐している。合流搬送路97は、第1分岐部B1よりも第1搬送方向の下流側の第2合流部J2で、第1シート搬送路41に合流している。シートは、第2分岐部B2から第2合流部J2へ向かう第3方向に沿って、合流搬送路97を搬送される。
【0017】
また、第1シート搬送路41は、第2合流部J2で、第2シート排出口27に向かう第4方向に沿ってシートが搬送される第3シート搬送路45に分岐している。さらに、第1シート搬送路41は、第2合流部J2よりも第1搬送方向の下流側の第3分岐部B3で、下方に向かう第5方向に沿ってシートが搬送される退避路47に分岐している。退避路47は、第2分岐部B2よりも第2搬送方向の下流側の第3合流部J3で、第2シート搬送路95に合流している。以降の説明において、上流側及び下流側は、第1~第5搬送方向における上流側及び下流側を示す。
【0018】
さらに、本体部7の内部には、第1シート搬送路41に沿って、上流側から順に、搬入ローラー対51、パンチ装置53、第1処理部としての折り装置55、第2処理部としてのステイプルユニット57、排出ローラー対59、が備えられている。搬入ローラー対51はシート搬入口21の内側に配置され、排出ローラー対59は第1シート排出口の内側に配置されている。さらに、第2シート搬送路95の下流側には、第3処理部としての製本ユニット61が備えられている。
【0019】
パンチ装置53は、搬入ローラー対51の下流側に配置されて、シートにパンチ処理を施す。折り装置55は、パンチ装置53の下流側に配置されて、シートに折り畳み処理(Z折り、外3つ折り、内3つ折り、2つ折り、4つ折り)を施す。折り装置55については後述する。
【0020】
ステイプルユニット57は、折り装置55の下流側に配置されて、シート束にステイプル処理を施す。ステイプルユニット57は、第1処理トレイ65と、ステイプラー67と、を備えている。第1処理トレイ65は、排出ローラー対59から第1シート搬送路41に対して下方に傾斜する姿勢で配置され、シートを整合してシート束を形成する。ステイプラー67は、第1処理トレイ65の下端部に配置されて、整合されたシート束を端綴じする。
【0021】
製本ユニット61は、第2シート搬送路95に接続する上下方向に沿った搬入路71と、搬入路71の下方に設けられる第2処理トレイ73と、第2処理トレイ73に支持される中綴じ装置75及び中折り装置77と、中折り装置77と第3シート排出口29との間に設けられる排出部79と、を備えている。
【0022】
次に、
図2を参照して、折り装置55について説明する。
【0023】
折り装置55は、第1シート搬送路41上において第1分岐部B1よりも上流側に配置されて、第1シート搬送路41に沿ってシートを搬送する搬送ローラー対80と、第2シート搬送路95上に配置されて、第2シート搬送路95に沿ってシートを搬送すると共にシートに折り処理を行う第1折りローラー対84と、合流搬送路97上に配置されて、合流搬送路97に沿ってシートを搬送すると共にシートに折り処理を行う第2折りローラー対86と、第1分岐部B1に配置された第1折りガイド89と、第2分岐部B2に配置された第2折りガイド91と、第1シート搬送路41に配置されたシートセンサー93と、を備える。なお、第2シート搬送路95は、折り装置55から第2搬送方向に沿ってシートが搬送されるように設けられているともいえる。また、合流搬送路97は、折り装置55から第3方向に沿ってシートが搬送されるように設けられているともいえる。
【0024】
搬送ローラー対80は、第1ローラー81と第2ローラー83とからなる。第1ローラー81は、第1シート搬送路41の下方、かつ、第2シート搬送路95の右方に配置され、第2ローラー83は、第1シート搬送路41の上方に配置されている。両ローラー81、83は互いに接触して、両ローラー81、83間に第1シート搬送路41を挟んだ搬送ニップN0を形成する。第1ローラー81は、モーター(図示省略)で駆動されて所定の回転方向(
図2の反時計回り方向)に回転する。第2ローラー83は、第1ローラー81に従動して、第1ローラー81とは反対の方向(
図2の時計回り方向)に回転する。両ローラー81、83の回転によって、搬送ニップN0に搬送されたシートが下流側へ搬送される。
【0025】
第1折りローラー対84は、第1ローラー81と第3ローラー85とからなる。第3ローラーは、第2シート搬送路95の左方、かつ、合流搬送路97の上方に配置されている。両ローラー81、85は互いに接触して、両ローラー81、85間に第2シート搬送路95を挟んだ第1ニップN1を形成する。第3ローラー85は、第1ローラー81とギア列を介して連結している。第3ローラー85は、第1ローラー81の回転方向に対して正方向(順方向、
図2の時計回り方向)に回転する。両ローラー81、85の回転によって、第1ニップN1に搬送されたシートが第2シート搬送路95に沿って下流側へ搬送される、又は、シートに折り処理が施される。
【0026】
第2折りローラー対86は、第3ローラー85と第4ローラー87とからなる。第4ローラー87は、合流搬送路97の下方に配置されている。両ローラー85、87は互いに接触して、合流搬送路97を挟んだ第2ニップN2を形成する。第4ローラー87は、第3ローラー85とギア列を介して連結している。第4ローラー87は、第3ローラー85の回転方向に対して正方向(
図2の反時計回り方向)に回転する。両ローラー85、87の回転によって、第2ニップN2に搬送されたシートが合流搬送路97に沿って下流側へ搬送される、又は、シートに折り処理が施される。
【0027】
第1折りガイド89は、第1シート搬送路41を挟んで、第1ニップN1の反対側に配置されている。第1折りガイド89は、第1シート搬送路41を横切って第1ニップN1に向けて進出する突出位置と、第1シート搬送路41から上方に離間した待避位置と、の間を略上下方向に沿って移動可能である。第1折りガイド89の先端面(下端面)は、下流側に向かって下方に湾曲している。先端面の先端縁は、先鋭に形成されている。
【0028】
第2折りガイド91は、第2シート搬送路95を挟んで、第2ニップN2の反対側に配置されている。第2折りガイド91は、第2シート搬送路95を横切って第2ニップN2に向けて進出する突出位置と、第2シート搬送路95から第2ニップN2と反対側(右側)に離間した待避位置と、の間を斜め方向に沿って移動可能である。第2折りガイド91の先端面(左端面)は、第1ニップN1から第2ニップN2に向かう方向に沿って湾曲している。先端面の先端縁は、先鋭に形成されている。
【0029】
シートセンサー93は、第1分岐部B1と第2合流部J2の間の第1シート搬送路41に配置されている。シートセンサー93は、第1シート搬送路41の所定位置を通過するシートの先端を検知する。シートセンサー93は、例えば、光路を形成する発光部と受光部とを有し、発光部と受光部との間をシートが通過して光路が遮断されることで、シートの先端が所定位置を通過したことを検知する。
【0030】
さらに、後処理装置1は、第1切替ガイド101と第2切替ガイド103と、を備えている。第1切替ガイド101は第2合流部J2に回動可能に配置されている。第1切替ガイド101は、第1シート搬送路41に沿って搬送されたシートを第1シート排出口23に向かうように案内する第1位置(
図2の実線参照)と、第1シート搬送路41に沿って搬送されたシートを第3シート搬送路45に沿って第2シート排出口27に向かうように案内すると共に合流搬送路97に沿って搬送されたシートを第1シート搬送路41に沿って第1シート排出口23に向かうように案内する第2位置(
図2の二点鎖線参照)と、合流搬送路97に沿って搬送されたシートを第3シート搬送路45に沿って第2シート排出口27に向かうように案内する第3位置(
図2の点線参照)と、に回動する。
【0031】
第2切替ガイド103は、第3分岐部B3に回動可能に配置されている。第2切替ガイド103は、第1シート搬送路41に沿って搬送されたシートを第1シート排出口23に向かうように案内する第1位置(
図2の実線参照)と、第1シート搬送路41に沿って搬送されて第3分岐部B3を通過した後でスイッチバックされたシートを退避路47に向かうように案内する第2位置(
図2の二点鎖線参照)と、のいずれかに回動する。
【0032】
上記構成を有する後処理装置1の動作について説明する。まず、折り装置55の折り動作について説明する。折り動作の開始時、第1折りガイド89と第2折りガイド91とは、それぞれ待避位置に移動している。第1切替ガイド101は第2位置(
図2の二点鎖線参照)に回動して、第1シート搬送路41に沿って搬送されたシートを第3シート搬送路45に沿って第2シート排出口27に向かうように案内する。第2切替ガイド103は第1位置(
図2の実線参照)に回動して、第1シート搬送路41に沿って搬送されたシートを第1シート排出口23に向かうように案内する。
【0033】
シートは、前述のように、画像形成装置3から後処理装置1に搬送される。画像形成装置3で画像が形成されたシートの場合には、画像形成装置3の排紙口5から後処理装置1のシート搬入口21を通して第1シート搬送路41に搬入される。インサーター9から給紙される場合は、シートは、上下手差しトレイ11のいずれかから対応する給紙機構13によって給紙され、搬送路15を通って搬送され、排紙口17から後処理装置1の上側搬入口25へ搬入される。その後、給紙経路43を通って、第1合流部J1で第1シート搬送路41に搬送される。インサーター9は、カラー印刷された出力物を、製本時に表紙や合紙として供給する。シートSの搬送速度は一定とする。
【0034】
まず、Z折りについて、
図2に加えて、
図3A及び
図3Bと、
図4A~
図4Eを参照して説明する。
図3AはZ折りされるシートの平面図、
図3BはZ折りされたシートの断面図である。
図4A~
図4Eは、折り動作の各段階における折り装置55の一部のみを簡易的に示している。各図において、シートの長さや折りガイド89、91の位置は必ずしも正確に描かれていない。
【0035】
Z折りとは、
図3A及び
図3Bに示されるように、シートSの先端E1から全長(搬送方向に沿った長さ)の1/4の箇所に形成された第1の折り線F1と、1/2の箇所に形成された第2の折り線F2とに沿って、交互に反対の向きに折り、折り線に沿う方向から見てZ状に折り畳む折り方である。以降、シートSの全長は搬送方向に沿った長さを示す。なお、第1、2の折り線F1、F2の位置は、必ずしも正確である必要はない。
【0036】
図4Aに示されるように、第1ローラー81がモーターで駆動されて所定の回転方向(反時計回り方向)に回転し、第3及び第4ローラー85、87も回転を開始する。シートSは搬送ローラー対80によって第1シート搬送路41に沿って搬送され、第1切替ガイド101で第1シート搬送路41から第3シート搬送路45に案内される。そして、シートSの第1の折り線F1が第1分岐部B1に達したこと(シートSの先端E1が第1分岐部B1からシートSの全長の1/4の長さだけ搬送されたこと)がシートセンサー93で検知されると、第1折りガイド89を突出位置に進出させる。
【0037】
なお、シートSが第1分岐部B1からシートSの全長の1/4の長さだけ搬送されたことは、例えば、以下のように求められる。シートSの全長(L(m))と、シートSの搬送速度(v(m/s))と、所定位置(シートセンサー93の検知位置)と第1分岐部B1との間隔(d(m))と、から、検知位置から、シートSが第1分岐部B1からシートSが全長の1/4だけ搬送された際のシートSの先端E1の位置までの搬送時間(t=(L/4-d)/v)を求める。シートSの先端E1がシートセンサー93で検知された時間から搬送時間tだけ経過後に、シートSが第1分岐部B1からシートSの全長の1/4の長さだけ搬送されたことになる。
【0038】
図4Bに示されるように第1折りガイド89を突出位置へ進出させると、搬送ローラー対80の搬送力によって、シートSは、第1の折り線F1を先にして第2シート搬送路95に沿って第1ニップN1に案内される。そして、第1折りローラー対84によって第1ニップN1を通して搬送されることで、
図4Cに示されるように第1の折り線F1に沿って折り畳まれる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第1の折り線F1に沿って谷折りされる。
【0039】
その後、
図4Dに示されるように、所定のタイミングで第2折りガイド91を突出位置に進出させる。所定のタイミングは、例えば、シートSの第1の折り線F1が第1分岐部B1に達した時刻から、シートSが全長の1/4の長さ分だけ搬送される時間が経過した時刻である。この時刻に、シートSの第2の折り線F2が第1分岐部B1に達する。
【0040】
第2折りガイド91を突出位置へ進出させると、第1折りローラー対84の搬送力によって、シートSは、先端E1と第2の折り線F2を先にして、合流搬送路97に沿って第2ニップN2に案内される。そして、第2折りローラー対86によって第2ニップN2を通して搬送されることで、
図4Eに示されるように、第2の折り線F2に沿って折り畳まれる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第2の折り線F2に沿って山折りされる。
【0041】
その後、第1切替ガイド101が第2位置に回動する。これにより、第2折りローラー対86によって合流搬送路97に沿って搬送されたシートSは、第1切替ガイド101によって第1シート搬送路41に沿って第1シート排出口23に向かうように案内され、第1シート排出口23から排出されて第1排紙トレイ31に積載される。第1、第3、第4ローラー81、85、87は適宜なタイミングで駆動を停止する。また、第1及び第2折りガイド89、91は適宜なタイミングで待避位置に移動する。なお、シートSが大サイズ(A3サイズ等)の場合は、前述のように第1シート排出口23から排出されるが、シートSが小サイズ(A4サイズ等)の場合は、第2シート排出口27から排出される。ただし、大サイズのシートSを第2シート排出口27から排出してもよい。
【0042】
次に、外3つ折りについて、
図5A及び
図5Bと、
図6A~
図6Eを参照して説明する。
図5Aは外3つ折りされるシートの平面図、
図5Bは外3つ折りされたシートの断面図である。
図6A~
図6Fは、折り動作の各段階における折り装置55の一部のみを簡易的に示している。
【0043】
外3つ折りとは、
図5A及び
図5Bに示されるように、シートSの先端E1から全長の1/3の箇所に形成された第1の折り線F1と、2/3の箇所に形成された第2の折り線F2とに沿って、交互に反対の向きに折り、折り線に沿う方向から見てZ状に折り畳む折り方である。
【0044】
図6Aに示されるように、第1ローラー81はモーターで駆動されて所定の回転方向(反時計回り方向)に回転し、第3及び第4ローラー85、87も回転を開始する。シートSは搬送ローラー対80によって第1シート搬送路41に沿って搬送され、第1切替ガイド101で案内されて、第1シート搬送路41から第3シート搬送路45に搬送される。そして、シートSの第1の折り線F1が第1分岐部B1に達したことがシートセンサー93で検知されると、第1折りガイド89を突出位置に進出させる。なお、シートSの第1の折り線F1が第1分岐部B1に達したことは、前述のZ折りと同様に求めることができる。
【0045】
図6Bに示されるように、第1折りガイド89を突出位置へ進出させると、搬送ローラー対80の搬送力によって、シートSは、第1の折り線F1を先にして、第2シート搬送路95に沿って第1ニップN1に案内される。そして、第1折りローラー対84によって第1ニップN1を通して搬送されることで、
図6Cに示されるように、第1の折り線F1に沿って折り畳まれる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第1の折り線F1に沿って谷折りされる。
【0046】
その後、
図6Dに示されるように、所定のタイミングで第2折りガイド91を突出位置に進出させる。所定のタイミングは、例えば、シートSの第1の折り線F1が第1分岐部B1に達した時刻から、シートSが全長の1/3の長さ分だけ搬送される時間が経過した時刻である。この時刻に、シートSの第2の折り線F2が第2分岐部B2に達する。
【0047】
第2折りガイド91を突出位置へ進出させると、シートSは、第1折りローラー対84の搬送力によって、先端E1と第2の折り線F2を先にして、合流搬送路97に沿って第2ニップN2に案内される。そして、第2折りローラー対86によって第2ニップN2を通して搬送されることで、
図6Eに示されるように、第2の折り線F2に沿って折り畳まれる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第2の折り線F2に沿って山折りされる。
【0048】
その後、第1切替ガイド101が第3位置に回動する。これにより、第2折りローラー対86によって合流搬送路97に沿って搬送されたシートは、第1切替ガイド101によって第3シート搬送路45に沿って第2シート排出口27に向かうように案内され、第2シート排出口27から排出されて第2排紙トレイ33に積載される。
【0049】
【0050】
内3つ折りとは、
図7A及び
図7Bに示されるように、シートSを先端E1から全長の1/3の箇所に形成された第1の折り線F1と、2/3の箇所に形成された第2の折り線F2とに沿って、同じ向きに折り畳む折り方である。
【0051】
図8Aに示されるように、第1ローラー81はモーターで駆動されて所定の回転方向(反時計回り方向)に回転し、第3及び第43ローラー85、87も回転を開始する。シートSは搬送ローラー対80によって第1シート搬送路41に沿って搬送され、第1切替ガイド101で案内されて、第1シート搬送路41から第3シート搬送路45に搬送される。そして、シートSの第2の折り線F2が第1分岐部B1に達したことがシートセンサー93で検知されると、第1折りガイド89を突出位置に進出させる。なお、シートSの第2の折り線F2が第1分岐部B1に達したことは、前述のZ折りと同様に求めることができる。
【0052】
図8Bに示されるように、第1折りガイド89を突出位置へ進出させると、シートSは、搬送ローラー対80の搬送力によって、第2の折り線F2を先にして第2シート搬送路95に沿って第1ニップN1に案内される。そして、第1折りローラー対84によって第1ニップN1を通して搬送されることで、
図8Cに示されるように第2の折り線F2に沿って折り畳まれる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第2の折り線F2に沿って谷折りされる。
【0053】
その後、
図9Aに示されるように、所定のタイミングで第2折りガイド91を突出位置に進出させる。所定のタイミングは、例えば、シートSの第2の折り線F2が第1分岐部B1に達した時刻から、シートSが全長の1/3の長さ分だけ搬送される時間が経過した時刻である。この時刻に、シートSの第1の折り線F1が第2分岐部B2に達する。
【0054】
第2折りガイド91を突出位置へ進出させると、シートSは、第1折りローラー対84の搬送力によって、後端E2と第1の折り線F1を先にして、合流搬送路97に沿って第2ニップN2に案内される。そして、第2折りローラー対86によって第2ニップN2を通して搬送されることで、
図9Bに示されるように第1の折り線F1に沿って折り畳まれる。ここで、外3つ折りとは異なり、シートSの第2の折り線F2と後端E2との間の部分が内側に重ねられる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第1の折り線F1に沿って谷折りされる。
【0055】
その後、第1切替ガイド101が第3位置に回動する。これにより、第2折りローラー対86によって合流搬送路97に沿って搬送されたシートは、第1切替ガイド101によって第3シート搬送路45に沿って第2シート排出口27に向かうように案内され、第2シート排出口27から排出されて第2排紙トレイ33に積載される。
【0056】
次に、2つ折りについて、
図10A~
図10Cを参照して説明する。
図10A~
図10Cは、折り動作の各段階における折り装置55の一部のみを簡易的に示している。2つ折りとは、シートSを先端E1から全長の1/2の箇所に形成された第1の折り線F1に沿って折り畳む折り方である。
【0057】
図10Aに示されるように、第1ローラー81はモーターで駆動されて、所定の回転方向(反時計回り方向)に回転し、第3及び第4ローラー85、87も回転を開始する。シートSは搬送ローラー対80によって第1シート搬送路41に沿って搬送される。そして、シートSの先端が第1分岐部B1に達する前に、第1折りガイド89が突出位置に進出する。これにより、シートSの先端E1は第1折りガイド89の先端面によって、第2シート搬送路95に沿って第1ニップN1に案内される。その後、第1折りローラー対84によって、シートは第1ニップN1を通って、第2シート搬送路95に沿って搬送される。
【0058】
そして、シートSの第1の折り線F1が第2分岐部B2に達したことが検知されると、
図10Bに示されるように、第2折りガイド91を突出位置に進出させる。なお、2つ折りの場合、シートSはシートセンサー93で検知されないので、他の位置(例えば、シート搬入口21の内側)等に配置されているシートセンサーでシートSが検知された時刻を基にして、シートSの第1の折り線F1が第2折り位置P2に達したことを検知する。
【0059】
第2折りガイド91を突出位置に進出させると、シートSは、第1折りローラー対84の搬送力によって、第1の折り線F1を先にして、合流搬送路97に沿って第2ニップN2に案内される。そして、第2折りローラー対86によって第2ニップN2を通して搬送されることで、第1の折り線F1に沿って折り畳まれる。シートSは、第1シート搬送路41に搬送されたシートSの上側の面に対して、第1の折り線F1に沿って山折りされる。
【0060】
その後、外3つ折りと同様に、シートSは、第2折りローラー対86によって合流搬送路97に沿って搬送され、第1切替ガイド101によって第3シート搬送路45に沿って第2シート排出口27に向かうように案内される。その後、第2シート排出口27から排出されて第2排紙トレイ33に積載される。
【0061】
四つ折りに関しては説明を省略する。
【0062】
次に、パンチ処理、ステイプル処理、製本処理について、
図1及び
図2を参照して簡単に説明する。第1折りガイド89と第2折りガイド91とは、それぞれ待避位置に移動している。
【0063】
パンチ処理の場合、第1シート搬送路41に搬送されたシートの所定の位置に、パンチ装置53よってパンチ穴を形成する。パンチ穴を形成されたシートは、第1シート搬送路41又は第3シート搬送路45に沿って、第1シート排出口23又は第2シート排出口27に搬送される。
【0064】
ステイプル処理の場合、シートは、搬入ローラー対51や搬送ローラー対80によって第1シート搬送路41に沿って搬送される。その後、シートは、排出ローラー対59でスイッチバックされて、ステイプル部57の第1処理トレイ65に積載される。第1処理トレイ65に所定枚数のシートが積載されてシート束が形成された後、ステイプラー67によってシート束がステイプルで綴じられる。綴じられたシート束は、第1処理トレイ65に沿って搬送されて、第1シート排出口23から排出されて第1排紙トレイ31に積載される。
なお、ステイプル装置で先行のシート束の処理中に後続のシート束の1枚目のシートが搬送された場合、この1枚目のシートを退避経路47に一旦退避させ、次に搬送される2枚目のシートと重ねて第1処理トレイ65に搬送する。これにより、処理動作の生産性の低下を防ぐことができる。
【0065】
製本処理の場合、搬送ローラー対80によって第1シート搬送路41に沿って搬送されたシートの先端が第1分岐部B1に達する前に、第1折りガイド89が突出位置に移動する。すると、シートは第1折りガイド89に沿って第1シート搬送路41から第2シート搬送路95に案内される。そして、第1折りローラー対84によって第2シート搬送路95に沿って搬送された後、搬入路71に搬送される。
【0066】
搬入路71から搬入されたシートは第2処理トレイ73に積載される。所定枚数のシートが第2処理トレイ73に積載されてシート束が形成された後、シート束は中綴じ装置75で綴じられ、さらに、中折り装置77で中折りされる。中折りされたシート束は、排出部78を通って第3シート排出口29から排出されて、第3排紙トレイ35に積載される。
【0067】
上記説明したように本発明の後処理装置1は、第1折りガイド89を設けることで、シートを所定の後処理部(ステイプルユニット57、製本ユニット61)への搬送と、折り装置55による折り処理と、を円滑に実施することができる。特には、製本ユニット61で製本処理を行う際に、第2シート搬送路95に沿ってシートを搬送することで、退避路47を通して搬送する場合に比べて、シートの搬送距離を短くできると共にシートの搬送時間を短くできる。さらに、画像が形成された面を上側にして、シートを製本ユニット61の第2処理トレイ73に積載することができる。
【0068】
さらに、折り装置55は、第1、第3、第4ローラー81、85、87が一方向のみに回転して、シートを折り畳む。前述の先行技術では駆動ローラーを反転させていたので、駆動ローラーの一方向への回転を停止した後、他方向へ回転させるための時間が必要であったが、本実施形態ではローラー81、85、87を反転させる必要がないので、折り処理の生産性が向上する。また、シートを2本の折り線に沿ってZ折り、外3つ折り、内3つ折り、4つ折り、1本の折り線に沿って中折することができる。このように、シートを多様な折り畳み方で折り畳むことができる。
【0069】
さらに、シートの折り畳み方に応じて、第1シート排出口23と第2シート排出口27のいずれかから排出することができる。例えば、Z折りの場合、大サイズのシートは第1シート排出口23又は第2シート排出口27のいずれかから排出し、小サイズのシートは第2シート排出口27から排出する。また、外3つ折り、内3つ折り、中折りの場合は第2シート排出口27から排出する。これにより、折り畳まれたシートを、折り方に応じて区別して排出できる。
【0070】
さらに、インサーター9から給紙が可能であるので、より多様なシート束を形成することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、第1、第3、第4ローラー81、85、87をギア列で連結して同時に回転させていたが、必ずしも同時に回転させる必要はなく、それぞれ個々に回転させてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、第1、第2折りガイド89、91を突出位置に進出させるタイミングを、シートの先端がシートセンサー93(あるいは他のシートセンサー)で検知された時刻からの経過時間を基にして決定していたが、本発明はこれに限らない。例えば、第1シート搬送路41等に他のシートセンサーを配置して、各経路上のシートの位置を検知するようにしてもよい。
【0073】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。