(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】映像提供システム、映像提供方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0283 20230101AFI20240220BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240220BHJP
【FI】
G06Q30/0283
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2022532889
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2020025673
(87)【国際公開番号】W WO2022003826
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】本橋 洋介
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/120678(WO,A1)
【文献】特開2010-218181(JP,A)
【文献】特開平09-128401(JP,A)
【文献】国際公開第2012/176385(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、
複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索する映像検索部と、
前記映像に映り込んでいる物体に紐付けられた物体タグを取得する物体タグ取得部と、
前記物体タグに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記物体タグに含まれる単語が属する第1クラスタを取得する第1クラスタ取得部と、
前記検索クエリに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記検索クエリに含まれる単語が属する第2クラスタを取得する第2クラスタ取得部と、
前記第1クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度を取得し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する価値設定部と
を備えることを特徴とする映像提供システム。
【請求項2】
検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、
複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索する映像検索部と、
前記映像のシーンを示すシーン情報を取得するシーン情報取得部と、
前記シーン情報に含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記シーン情報に含まれる単語が属する第3クラスタを取得する第3クラスタ取得部と、
前記検索クエリに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記検索クエリに含まれる単語が属する第2クラスタを取得する第2クラスタ取得部と、
前記第3クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度を取得し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する価値設定部と
を備えることを特徴とする映像提供システム。
【請求項3】
前記検索された映像の希少性を取得する希少性取得部を更に備え、
前記価値設定部は、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度と、前記検索された映像の希少性とに基づいて、前記検索された映像の価値を設定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像提供システム。
【請求項4】
少なくとも1つのコンピュータによって、
検索クエリを取得し、
複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、
前記映像に映り込んでいる物体に紐付けられた物体タグを取得し、
前記物体タグに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記物体タグに含まれる単語が属する第1クラスタを取得し、
前記検索クエリに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記検索クエリに含まれる単語が属する第2クラスタを取得し、
前記第1クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度を取得し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する
ことを特徴とする映像提供方法。
【請求項5】
少なくとも1つのコンピュータによって、
検索クエリを取得し、
複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、
前記映像のシーンを示すシーン情報を取得し、
前記シーン情報に含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記シーン情報に含まれる単語が属する第3クラスタを取得し、
前記検索クエリに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記検索クエリに含まれる単語が属する第2クラスタを取得し、
前記第3クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度を取得し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する
ことを特徴とする映像提供方法。
【請求項6】
検索クエリを取得し、
複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、
前記映像に映り込んでいる物体に紐付けられた物体タグを取得し、
前記物体タグに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記物体タグに含まれる単語が属する第1クラスタを取得し、
前記検索クエリに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記検索クエリに含まれる単語が属する第2クラスタを取得し、
前記第1クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度を取得し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
検索クエリを取得し、
複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、
前記映像のシーンを示すシーン情報を取得し、
前記シーン情報に含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記シーン情報に含まれる単語が属する第3クラスタを取得し、
前記検索クエリに含まれる単語を用いてクラスタリングを実行し、前記検索クエリに含まれる単語が属する第2クラスタを取得し、
前記第3クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度を取得し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を提供する映像提供システム、映像提供方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、映像コンテンツを利用者のリクエストに応じて提供するものが知られている。例えば特許文献1では、コンテンツ利用者から要望されたコンテンツを検索して提供すると共に、コンテンツ利用者からコンテンツ利用対価を徴収してコンテンツ提供者に支払う技術が開示されている。
【0003】
その他の関連する技術として、特許文献2では、ダイジェスト映像に含まれるハイライトシーンに対応した映像を検索して提示する技術が開示されている。特許文献3では、動画コンテンツに内容を把握するための要約タグを付与し、映像シーンの検索に利用する技術が開示されている。特許文献4では、コンテンツの購入前にコンテンツのプレビュー動画を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-296606号公報
【文献】特開2011-039915号公報
【文献】特開2014-153977号公報
【文献】特開2019-168936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
映像を有料で提供しようとする場合には、その映像の価値を分析して適切な価格を設定することが要求される。しかしながら、上述した各特許文献では、価格の設定方法に関する議論が不十分であり改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、映像を提供する際の価格を適切に設定することが可能な映像提供システム、映像提供方法、及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の映像提供システムの一の態様は、検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索する映像検索部と、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する価値設定部とを備える。
【0008】
本発明の映像提供システムの他の態様は、検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索する映像検索部と、前記検索された映像の希少性を取得する希少性取得部と、前記検索された映像の希少性に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する価値設定部とを備える。
【0009】
本発明の映像提供方法の一の態様は、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像を提供する際の価値を設定する。
【0010】
本発明の映像提供方法の他の態様は、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像の希少性を取得し、前記検索された映像の希少性に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する。
【0011】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像を提供する際の価値を設定するようにコンピュータを動作させる。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムの他の態様は、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像の希少性を取得し、前記検索された映像の希少性に基づいて、前記検索された映像の価値を設定するようにコンピュータを動作させる。
【発明の効果】
【0013】
上述した映像提供システム、映像提供方法、及びコンピュータプログラムのそれぞれの一の態様によれば、映像の価値を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る映像提供システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図5】第2実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る映像提供システムの変形例を示すブロック図である。
【
図7】第3実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図8】第3実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第3実施形態に係る映像提供システムの変形例の構成を示すブロック図である。
【
図10】第4実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図11】第4実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第5実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図13】第5実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、映像提供システム、映像提供方法、及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。
【0016】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る映像提供システムについて、
図1から
図3を参照して説明する。
【0017】
(ハードウェア構成)
図1を参照しながら、第1実施形態に係る映像提供システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る映像提供システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、第1実施形態に係る映像提供システム10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。映像提供システム10は更に、入力装置15と、出力装置16とを備えていてもよい。CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0019】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、映像提供システム10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、映像の価値を設定するための機能ブロックが実現される。
【0020】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0021】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0022】
記憶装置14は、映像提供システム10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0023】
入力装置15は、映像提供システム10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0024】
出力装置16は、映像提供システム10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、映像提供システム10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。
【0025】
(機能的構成)
続いて、
図2を参照しながら、第1実施形態に係る映像提供システム10の機能的構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、第1実施形態に係る映像提供システム10は、蓄積された映像から所望の映像(具体的には、ユーザによって入力される検索クエリに応じた映像)を検索し、検索された映像の価値を設定可能に構成されている。なお、映像は、例えば記憶装置14(
図1参照)等に蓄積されていてもよいし、システム外部の記憶手段(例えば、サーバ等)に蓄積されていてもよい。映像提供システム10は、その機能を実現するための機能ブロックとして、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130とを備えて構成されている。これらの機能ブロックは、例えばCPU11(
図1参照)において実現される。
【0027】
検索クエリ取得部110は、ユーザが入力する検索クエリを取得可能に構成されている。検索クエリは、ユーザが所望する映像(即ち、購入したいと考えている映像)に関する情報を含むものである。検索クエリは、例えば自然言語として入力される。この場合の検索クエリは、例えば複数の単語や句を含んでいてもよい。自然言語である検索クエリの一例としては、「コンピュータを使いながら食べたサンドイッチ」、「見学した蒸留窯」、及び「北海道で食べた昼食」等が挙げられる。ユーザは、例えば入力装置15(
図1参照等)を用いて検索クエリを入力することができる。検索クエリ取得部110で取得された検索クエリは、映像検索部120及び価値設定部130にそれぞれ出力される構成となっている。
【0028】
映像検索部120は、蓄積された映像の中から、検索クエリ取得部110で取得された検索クエリに応じた映像を検索可能に構成されている。映像検索部120の検索結果には、複数の映像が含まれていてもよい。なお、検索クエリに応じた映像を検索する手法については特に限定されないが、後述する価格設定に用いる類似度(具体的には、映像との検索クエリと類似度)を用いて検索を行ってもよい。映像検索部120で検索された映像に関する情報は、価値設定部130に出力される構成となっている。
【0029】
価値設定部130は、映像検索部120で検索された映像について、その価値を設定可能に構成されている。具体的には、価値設定部は、映像と検索クエリとの類似度に基づいて映像の価値を設定する。映像の価値は、例えば映像を提供する際の価格を含んでいてもよい。以下では、価値設定部130が、映像を提供する際の価格を設定する例を挙げて説明する。例えば、映像と検索クエリとの類似度が高い場合、価値設定部130は、その映像の価格を高く設定してもよい。一方、映像と検索クエリとの類似度が低い場合、価値設定部130は、その映像の価格を低く設定してもよい。なお、ここでの「類似度」は、物体タグと検索クエリとが類似している程度を示す定量的なパラメータである。検索された映像が複数ある場合、価値設定部130は、その各々に価格を設定する。この場合、複数の映像に同じ価格を設定してもよいし、映像毎に価格を変えて設定してもよい。映像に設定された価格は、典型的には、映像の検索結果と共に映像利用者(即ち、検索クエリを入力したユーザ)に対して出力される。
【0030】
価値設定部130は、映像に対して設定された標準価格を、類似度に応じて補正することで価格を設定してもよい。例えば、標準価格が100円に設定された映像が検索結果に含まれる場合、価値設定部は、標準価格に類似度に応じた補正係数を乗じて価格を設定すればよい。より具体的には、価値設定部130は、検索された映像と検索クエリとの類似度が高い場合には、標準価格100円に補正係数1.5を乗じて、その価格を150円に設定する。或いは、価値設定部130は、検索された映像と検索クエリとの類似度が低い場合には、標準価格100円に補正係数0.8を乗じて、その価格を80円に設定する。
【0031】
価値設定部130は、検索された映像が設定した価格で購入された場合、その映像の価格を変動させてもよい。例えば、価値設定部130は、購入された映像の標準価格に所定倍率を乗じて増加させてもよい。より具体的には、標準価格100円の映像が購入された場合、価値設定部130は、もともとの標準価格100円に所定倍率1.1倍を乗じて、標準価格を110円として再設定する。価値設定部130は、この映像が以降の検索結果に含まれる場合、新たに設定した標準価格に類似度に応じた補正係数を乗じて価格を設定すればよい。なお、このような標準価格の再設定は、その映像が購入される度に行われてもよい。即ち、映像の購入回数が多くなるほど、標準価格が高くなっていくようにしてもよい。この場合、標準価格には、所定の上限額が設定されてもよい。
【0032】
なお、ここでの図示は省略しているが、映像提供システム10は、映像への対価(即ち、価値設定部130で設定された価格に応じた金額)を映像利用者から徴収する機能や、徴収した対価を映像提供者(即ち、映像に対する権利を有する者)へ支払う機能を有していてもよい。また、映像の対価が支払われたことを条件に、その映像を映像利用者に出力する(言い換えれば、利用可能な状態とする)機能を有していてもよい。
【0033】
(動作説明)
次に、
図3を参照しながら、第1実施形態に係る映像提供システム10の動作の流れについて説明する。
図3は、第1実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0034】
図3に示すように、第1実施形態に係る映像提供システム10が動作する際には、まず検索クエリ取得部110が、ユーザが入力した検索クエリを取得する(ステップS101)。そして、映像検索部120が、取得した検索クエリに応じた映像を検索する(ステップS102)。
【0035】
続いて、価値設定部130が、検索された映像の価格を設定する(ステップS103)。具体的には、価値設定部130は、映像と検索クエリとの類似度を算出し、算出した類似度に基づいて映像の価格を設定する。なお、映像検索部120での検索において映像と検索クエリとの類似度を利用している場合には、改めて類似度を算出せず、検索時に用いた類似度に基づいて価格を設定するようにしてもよい。
【0036】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る映像提供システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0037】
図1から
図3で説明したように、第1実施形態に係る映像提供システム10では、映像と検索クエリとの類似度に基づいて映像の価格が設定される。よって、映像を提供する際の価格(即ち、映像の価値)を適切に設定することができる。例えば、映像と検索クエリとの類似度が高い(言い換えれば、映像利用者が求めている映像に極めて近い)場合には、高めの価格を設定しても、映像利用者はその映像を購入すると考えられる。一方で、映像と検索クエリとの類似度が低い(言い換えれば、映像利用者が求めている映像とは多少違う)場合であっても、低めの価格を設定することで、映像利用者の購入意欲を高めることが可能である。
【0038】
第1実施形態に係る映像提供システム10は、例えば映像情報銀行に適用することが可能であるが、特に、企業向けに映像を提供するような場合に効果を発揮する。例えば、企業がマーケティングに利用する映像を求めている場合、検索クエリに近い映像があれば、比較的高額な価格設定でも映像が購入される可能性がある。このような状況で、検索クエリとの類似度に応じた価格を設定することができれば、映像提供者は映像の提供に対する適切な対価を受け取ることができる。
【0039】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る映像提供システム10について、
図4から
図6を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0040】
(機能的構成)
まず、
図4を参照しながら、第2実施形態に係る映像提供システム10の機能的構成について説明する。
図4は、第2実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。なお、
図4では、
図2で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0041】
図4に示すように、第2実施形態に係る映像提供システム10は、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130と、物体タグ取得部140とを備えている。即ち、第2実施形態に係る映像提供システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、物体タグ取得部140を更に備えて構成されている。
【0042】
物体タグ取得部140は、蓄積された映像から物体タグを取得可能に構成されている。物体タグは、映像に映り込んでいる物体に関する情報であり、映像中の各物体に紐付けられている。ただし、1つの物体に対して複数の物体タグが紐付けられていてもよい。物体タグは、典型的には一般名詞であるが、例えば同一性検査等を行って固有名詞と紐付けられていてもよい。即ち、物体タグには、物体を個々に区別する固有識別情報が含まれてもよい)。また、物体タグは、物体の名称以外の情報(例えば、形状や性質等)を示す情報であってもよい。物体タグ取得部140で取得された物体タグは、映像検索部120及び価値設定部130に出力される構成となっている。
【0043】
(動作説明)
次に、
図5を参照しながら、第2実施形態に係る映像提供システム10の動作の流れについて説明する。
図5は、第2実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0044】
図5に示すように、第2実施形態に係る映像提供システム10が動作する際には、まず検索クエリ取得部110が、ユーザが入力した検索クエリを取得する(ステップS101)。また、物体タグ取得部140が、蓄積された映像(即ち、検索対象となる映像)から物体タグを取得する(ステップS201)。そして、映像検索部120が、取得した検索クエリに応じた映像を検索する(ステップS102)。
【0045】
続いて、価値設定部130が、検索された映像の価格を設定する(ステップS103)。ここで特に、価値設定部130は、映像と検索クエリとの類似度を、物体タグを利用して取得する。具体的には、物体タグと検索クエリとを比較することで、映像と検索クエリとの類似度を算出する。価値設定部130は、このように物体タグを用いて取得した類似度に基づいて、映像の価格を設定すればよい。なお、物体タグと検索クエリとの類似度は、ステップS102の映像検索に利用してもよい。
【0046】
(変形例)
次に、
図6を参照しながら、第2実施形態に係る映像提供システム10の変形例について説明する。
図6は、第2実施形態に係る映像提供システムの変形例を示すブロック図である。なお、
図6では、
図4で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0047】
図6に示すように、第2実施形態の変形例に係る映像提供システム10は、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130と、物体タグ取得部140と、第1クラスタ取得部150と、第2クラスタ取得部160とを備えている。即ち、第2実施形態の変形例に係る映像提供システム10は、上述した第2実施形態の構成(
図4参照)に加えて、第1クラスタ取得部150と、第2クラスタ取得部160とを更に備えて構成されている。
【0048】
第1クラスタ取得部150は、物体タグ取得部140で取得された物体タグに含まれる情報を用いてクラスタリングを実行し、物体タグに含まれる情報が属するクラスタ(以下、適宜「第1クラスタ」と称する)を取得可能に構成されている。物体タグに含まれる情報には、例えば物体タグに含まれる単語があるが、これには限られない。なお、クラスタリングの手法については特に限定されないが、一例としてk-meansをクラスタリングアルゴリズムとして用いることができる。第1クラスタ取得部150で取得された第1クラスタに関する情報は、映像検索部120及び価値設定部130に出力される構成となっている。
【0049】
第2クラスタ取得部160は、検索クエリ取得部110で取得された検索クエリに含まれる情報(典型的には、検索クエリに含まれる単語)を用いてクラスタリングを実行し、検索クエリに含まれる情報が属するクラスタ(以下、適宜「第2クラスタ」と称する)を取得可能に構成されている。なお、クラスタリングの具体的な手法については、第1クラスタ取得部150と同様の手法を採用してもよいし、異なる手法を採用してもよい。第2クラスタ取得部160で取得された第2クラスタに関する情報は、映像検索部120及び価値設定部130出力される構成となっている。
【0050】
ここで特に、第2実施形態の変形例に係る映像提供システム10は、第1クラスタと第2クラスタとを比較することで、映像と検索クエリとの類似度を算出する。このように、物体タグを用いて類似度を算出する場合には、物体タグと検索クエリとを直接比較せずに、クラスタリングをしてから類似度を算出するようにしてもよい。このようにすれば、映像と検索クエリとの類似度をより適切に算出することが可能である。なお、クラスタリングをしてから算出した類似度は、価値設定部130における価格設定だけでなく、映像検索部120における映像検索にも利用することができる。
【0051】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る映像提供システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0052】
図4から
図6で説明したように、第2実施形態に係る映像提供システム10では、物体タグを利用して類似度が取得される。このようにすれば、映像と検索クエリとの類似度をより適切に取得できる。第2実施形態では特に、例えば検索クエリが自然言語として入力された場合であっても、適切に映像と検索クエリとの類似度を算出できる。この結果、映像を提供する際の価格(即ち、映像の価値)をより適切に設定することが可能となる。
【0053】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る映像提供システム10について、
図7から
図9を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1及び第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0054】
(機能的構成)
まず、
図7を参照しながら、第3実施形態に係る映像提供システム10の機能的構成について説明する。
図7は、第3実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。なお、
図7では、
図2で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0055】
図7に示すように、第3実施形態に係る映像提供システム10は、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130と、シーン情報取得部170とを備えている。即ち、第3実施形態に係る映像提供システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、シーン情報取得部170を更に備えて構成されている。
【0056】
シーン情報取得部170は、映像のシーンを示すシーン情報を取得可能に構成されている。シーン情報は、例えば映像が撮像された場所情報、時間情報、映像が撮影された際の状況や雰囲気等を示す情報を含んでいる。シーン情報としては、映像のシーンと関係し得るその他の情報が含まれていてもよい。シーン情報のより具体的な例としては、位置情報は、例えばGPS(Global Positioning System)等から得られる情報である。時間情報は、タイムスタンプ等から得られる日時に関する情報である。また、映像が撮影された際の状況や雰囲気等を示す情報としては、撮像者又は被撮像者の行動から得られる情報が含まれていてもよい。シーン情報は、1つの映像に1つずつ付与されたものであってもよいし、シーンが切り替わる映像については1つの映像に複数のシーン情報が付与されていてもよい。ある期間の映像に、複数のシーン情報が付与されていてもよい。例えば、ある期間の映像に、タイムスタンプから得られた時間情報と、GPSから得られた位置情報とが新情報として付与されてもよい。シーン情報取得部170で取得されたシーン情報は、映像検索部120及び価値設定部130に出力される構成となっている。
【0057】
(動作説明)
次に、
図8を参照しながら、第3実施形態に係る映像提供システム10の動作の流れについて説明する。
図8は、第3実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図8では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0058】
図8に示すように、第3実施形態に係る映像提供システム10が動作する際には、まず検索クエリ取得部110が、ユーザが入力した検索クエリを取得する(ステップS101)。また、シーン情報取得部170が、蓄積された映像(即ち、検索対象となる映像)からシーン情報を取得する(ステップS301)。そして、映像検索部120が、取得した検索クエリに応じた映像を検索する(ステップS102)。
【0059】
続いて、価値設定部130が、検索された映像の価格を設定する(ステップS103)。ここで特に、価値設定部130は、映像と検索クエリとの類似度を、シーン情報を利用して取得する。具体的には、シーン情報と検索クエリとを比較することで、映像と検索クエリとの類似度を算出する。価値設定部130は、このようにシーン情報を用いて取得した類似度に基づいて、映像の価格を設定すればよい。なお、シーン情報と検索クエリとの類似度は、ステップS102の映像検索に利用してもよい。
【0060】
(変形例)
次に、
図9を参照しながら、第3実施形態に係る映像提供システム10の変形例について説明する。
図9は、第3実施形態に係る映像提供システムの変形例を示すブロック図である。なお、
図9では、
図4、
図6及び
図7で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0061】
図9に示すように、第3実施形態の変形例に係る映像提供システム10は、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130と、物体タグ取得部140と、第2クラスタ取得部160と、第3クラスタ取得部180とを備えている。即ち、第2実施形態の変形例に係る映像提供システム10は、上述した第3実施形態の構成(
図7参照)に加えて、第2クラスタ取得部160と、第3クラスタ取得部180とを更に備えて構成されている。なお、第2クラスタ取得部160については、第2実施形態の変形例(
図6参照)と同様である。
【0062】
第3クラスタ取得部180は、シーン情報取得部170で取得されたシーン情報に含まれる情報(典型的には、シーン情報に含まれる単語)を用いてクラスタリングを実行し、シーン情報に含まれる情報が属するクラスタ(以下、適宜「第3クラスタ」と称する)を取得可能に構成されている。なお、クラスタリングの具体的な手法については、第1クラスタ取得部150及び第2クラスタ取得部160と同様の手法を採用してもよいし、異なる手法を採用してもよい。第3クラスタ取得部180で取得された第3クラスタに関する情報は、映像検索部120及び価値設定部130に出力される構成となっている。
【0063】
ここで特に、第3実施形態の変形例に係る映像提供システム10は、第2クラスタと第3クラスタとを比較することで、映像と検索クエリとの類似度を算出する。このように、シーン情報を用いて類似度を算出する場合には、シーン情報と検索クエリとを直接比較せずに、クラスタリングをしてから類似度を算出するようにしてもよい。このようにすれば、映像と検索クエリとの類似度をより適切に算出することが可能である。なお、クラスタリングをしてから算出した類似度は、価値設定部130における価格設定だけでなく、映像検索部120における映像検索にも利用することができる。
【0064】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る映像提供システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0065】
図7から
図9で説明したように、第3実施形態に係る映像提供システム10では、シーン情報を利用して類似度が取得される。このようにすれば、映像と検索クエリとの類似度をより適切に取得できる。第3実施形態は第2実施形態と同様に、例えば検索クエリが自然言語として入力された場合であっても、適切に映像と検索クエリとの類似度を算出できる。この結果、映像を提供する際の価格(即ち、映像の価値)をより適切に設定することが可能となる。
【0066】
なお、第3実施形態は、第2実施形態と組み合わせることも可能である。即ち、物体タグとシーン情報の両方を用いて、映像と検索クエリとの類似度を算出することもできる。この場合、物体タグ及びシーン情報と検索クエリとの類似度を比較して1つの類似度を算出してもよいし、物体タグと検索クエリとの類似度と、シーン情報と検索クエリとの類似度とを別々に算出してもよいし。
【0067】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る映像提供システム10について、
図10及び
図11を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1から3実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0068】
(機能的構成)
まず、
図10を参照しながら、第4実施形態に係る映像提供システム10の機能的構成について説明する。
図10は、第4実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。なお、
図10では、
図2で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0069】
図10に示すように、第4実施形態に係る映像提供システム10は、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130と、希少性取得部190とを備えている。即ち、第4実施形態に係る映像提供システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、希少性取得部190を更に備えて構成されている。なお、第4実施形態に係る映像提供システム10は、第2及び第3実施形態並びにその変形例の構成(
図4、
図6、
図7、及び
図9参照)に加えて、希少性取得部190を更に備えて構成されたものであってもよい。
【0070】
希少性取得部190は、映像検索部120で検索された映像の希少性を取得可能に構成されている。ここでの「希少性」とは、検索結果として抽出された映像が、どの程度希少であるか(具体的には、同じような映像が少ないこと)を示す定量的なパラメータである。希少性取得部190で取得された希少性に関する情報は、価値設定部130に出力される構成となっている。
【0071】
希少性の取得方法は特に限定されないが、例えば検索クエリとの類似度が所定値以上である映像の数に基づいて算出されてもよい。ここでの「所定値」は、映像と検索クエリとの類似度が十分に高いか否かを判定するための閾値である。例えば、検索クエリとの類似度が所定値以上である映像が1つしかない場合、その映像の希少性は極めて高いものとして算出されてよい。また、検索クエリとの類似度が所定値以上である映像が2つ又は3つしかない場合、その映像の希少性は高めのものとして算出されてよい。更に、検索クエリとの類似度が所定値以上である映像が4個以上である場合、その映像の希少性は低めのものとして算出されてよい。なお、上記個数はあくまで一例である。また、希少性取得部190は、類似度とは異なる映像の希少さを示し得る指標を用いて希少性を取得してもよい。
【0072】
希少性は、上記のように検索する際に(言い換えれば、検索結果を用いて)算出されるものではなく、事前に算出されるものであってもよい。希少性を事前に算出する場合、例えば、事前に映像に映っている物体を画像認識でタグ的に付与しておき、そのタグの言語的類似度を基に映像をクラスタリングする。そして、クラスタが大きい(即ち、含まれる映像が多い)場合は希少性を低く設定し、クラスタが小さい(即ち、含まれる映像が少ない)場合は希少性を高く設定すればよい。
【0073】
(動作説明)
次に、
図11を参照しながら、第4実施形態に係る映像提供システム10の動作の流れについて説明する。
図11は、第4実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図11では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0074】
図11に示すように、第4実施形態に係る映像提供システム10が動作する際には、まず検索クエリ取得部110が、ユーザが入力した検索クエリを取得する(ステップS101)。そして、映像検索部120が、取得した検索クエリに応じた映像を検索する(ステップS102)。
【0075】
続いて、希少性取得部190が、検索された映像の希少性を取得する(ステップS120)。なお、検索された映像が複数ある場合、希少性取得部190は、その各々について希少性を取得してもよい。
【0076】
続いて、価値設定部130が、検索された映像の価格を設定する(ステップS103)。ここで、価値設定部130は、映像と検索クエリとの類似度に加えて、希少性取得部190で取得した希少性を用いて、検索された映像の価格を設定する。例えば、価値設定部130は、希少性が高い映像(即ち、同じような映像が多く存在しない映像)であるほど、価格を高く設定する。より具体的には、類似度が高いものであっても、希少性が低いものについては、類似度だけに基づいて価格を設定する場合と比べて、価格を低めに設定してもよい。逆に、類似度が低いものであっても、希少性が高いものについては、類似度だけに基づいて価格を設定する場合と比べて、価格を高めに設定してもよい。また、希少性及び類似度の各々に重み付けをして価格を設定してもよい。例えば、価格に対する希少性の影響を類似度と比べて大きくしたり、逆に価格に対する類似度の影響を希少性と比べて大きくしたりしてもよい。
【0077】
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る映像提供システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0078】
図10及び
図11で説明したように、第4実施形態に係る映像提供システム10では、類似度に加えて希少性に基づいて映像の価格が設定される。このようにすれば、第1から第3実施形態のように類似度だけを利用する場合と比べて、より適切に映像の価格(即ち、映像の価値)を設定することが可能である。
【0079】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る映像提供システム10について、
図12及び
図13を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第1から第4実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1から4実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0080】
(機能的構成)
まず、
図12を参照しながら、第5実施形態に係る映像提供システム10の機能的構成について説明する。
図12は、第5実施形態に係る映像提供システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。なお、
図12では、
図10で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0081】
図10に示すように、第4実施形態に係る映像提供システム10は、検索クエリ取得部110と、映像検索部120と、価値設定部130と、希少性取得部190とを備えている。なお、第5実施形態に係る映像提供システム10は、構成要素だけを見ると第4実施形態の構成(
図10参照)と同様であるが、第5実施形態に係る価値設定部130は、価格の設定方法が第4実施形態と異なっている。
【0082】
具体的には、第5実施形態に係る価値設定部130は、希少性取得部190で取得した希少性を用いて、検索された映像の価格を設定することが可能に構成されている。即ち、第5実施形態に係る価値設定部130は、映像と検索クエリとの類似度を用いることなく、検索された映像の価格を設定することができる。このため、第5実施形態に係る価値設定部130には、類似度を算出するために用いられる検索クエリに関する情報が入力されずともよい。
【0083】
(動作説明)
次に、
図13を参照しながら、第5実施形態に係る映像提供システム10の動作の流れについて説明する。
図13は、第5実施形態に係る映像提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0084】
図13に示すように、第5実施形態に係る映像提供システム10が動作する際には、まず検索クエリ取得部110が、ユーザが入力した検索クエリを取得する(ステップS501)。そして、映像検索部120が、取得した検索クエリに応じた映像を検索する(ステップS502)。
【0085】
続いて、希少性取得部190が、検索された映像の希少性を取得する(ステップS503)。なお、検索された映像が複数ある場合、希少性取得部190は、その各々について希少性を取得してもよい。
【0086】
続いて、価値設定部130が、検索された映像の価格を設定する(ステップS504)。ここで、価値設定部130は、希少性取得部190で取得した希少性を用いて、検索された映像の価格を設定する。例えば、価値設定部130は、希少性が高い映像(即ち、同じような映像が多く存在しない映像)であるほど、価格を高く設定する。
【0087】
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る映像提供システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0088】
図12及び
図13で説明したように、第5実施形態に係る映像提供システム10では、映像の希少性に基づいて映像の価格が設定される。このようにすれば、第1から第4実施形態のように類似度を利用して価格を設定する場合と同様に、適切に映像の価格(即ち、映像の価値)を設定することが可能である。なお、第5実施形態は、第4実施形態のように類似度を利用しないため、映像の価格を設定する処理を簡単化することができる。従って、システム構成の複雑化やコストの増大を抑制することができる。
【0089】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0090】
(付記1)
付記1に記載の映像提供システムは、検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索する映像検索部と、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する価値設定部とを備えることを特徴とする映像提供システムである。
【0091】
(付記2)
付記2に記載の映像提供システムは、前記映像に映り込んでいる物体に紐付けられた物体タグを取得する物体タグ取得部を更に備え、前記価値設定部は、前記物体タグを用いて、前記検索された映像と前記検索クエリの類似度との類似度を取得することを特徴とする付記1に記載の映像提供システムである。
【0092】
(付記3)
付記3に記載の映像提供システムは、前記物体タグに含まれる情報が属する第1クラスタを取得する第1クラスタ取得部と、前記検索クエリに含まれる情報が属する第2クラスタを取得する第2クラスタ取得部とを更に備え、前記価値設定部は、前記第1クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリの類似度との類似度を取得することを特徴とする付記2に記載の映像提供システムである。
【0093】
(付記4)
付記4に記載の映像提供システムは、前記映像のシーンを示すシーン情報を取得するシーン情報取得部を更に備え、前記価値設定部は、前記シーン情報を用いて、前記検索された映像と前記検索クエリの類似度との類似度を取得することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の映像提供システムである。
【0094】
(付記5)
付記5に記載の映像提供システムは、前記シーン情報に含まれる情報が属する第3クラスタを取得する第3クラスタ取得部と、前記検索クエリに含まれる情報が属する第2クラスタを取得する第2クラスタ取得部とを更に備え、前記価値設定部は、前記第3クラスタと前記第2クラスタとを比較して、前記検索された映像と前記検索クエリの類似度との類似度を取得することを特徴とする付記4に記載の映像提供システムである。
【0095】
(付記6)
付記6に記載の映像提供システムは、前記検索された映像の希少性を取得する希少性取得部を更に備え、前記価値設定部は、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度と、前記検索された映像の希少性とに基づいて、前記検索された映像の価値を設定することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の映像提供システムである。
【0096】
(付記7)
付記7に記載の映像提供システムは、前記希少性取得部は、前記検索クエリとの類似度が所定の条件を満たす映像の数に基づいて、前記検索された映像の希少性を算出することを特徴とする付記6に記載の映像提供システムである。
【0097】
(付記8)
付記8に記載の映像提供システムは、前記映像検索部は、前記複数の映像の各々と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索クエリに対応した映像を検索することを特徴とする付記1から7のいずれか一項に記載の映像提供システムである。
【0098】
(付記9)
付記9に記載の映像提供システムは、前記価値設定部は、前記検索された映像の価値として、前記検索された映像を提供する際の価格を設定することを特徴とする付記1から8のいずれか一項に記載の映像提供システムである。
【0099】
(付記10)
付記10に記載の映像提供システムは、前記価値設定部は、前記検索された映像が購入された場合に、前記検索された映像を提供する際の価格を再設定することを特徴とする付記9に記載の映像提供システムである。
【0100】
(付記11)
付記11に記載の映像提供システムは、前記検索クエリは自然言語であることを特徴とする付記1から10のいずれか一項に記載の映像提供システムである。
【0101】
(付記12)
付記12に記載の映像提供システムは、検索クエリを取得する検索クエリ取得部と、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索する映像検索部と、前記検索された映像の希少性を取得する希少性取得部と、前記検索された映像の希少性に基づいて、前記検索された映像の価値を設定する価値設定部とを備えることを特徴とする映像提供システムである。
【0102】
(付記13)
付記13に記載の映像提供方法は、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像を提供する際の価値を設定することを特徴とする映像提供方法である。
【0103】
(付記14)
付記14に記載の映像提供方法は、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像の希少性を取得し、前記検索された映像の希少性に基づいて、前記検索された映像の価値を設定することを特徴とする映像提供方法である。
【0104】
(付記15)
付記15に記載のコンピュータプログラムは、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像と前記検索クエリとの類似度に基づいて、前記検索された映像を提供する際の価値を設定するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0105】
(付記16)
付記16に記載のコンピュータプログラムは、検索クエリを取得し、複数の映像の中から、前記検索クエリに対応した映像を検索し、前記検索された映像の希少性を取得し、前記検索された映像の希少性に基づいて、前記検索された映像の価値を設定するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0106】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う映像提供システム、映像提供方法、及びコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
10 映像提供システム
110 検索クエリ取得部
120 映像検索部
130 価値設定部
140 物体タグ取得部
150 第1クラスタ取得部
160 第2クラスタ取得部
170 シーン情報取得部
180 第3クラスタ取得部
190 希少性取得部