(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】加圧装置
(51)【国際特許分類】
F04B 45/00 20060101AFI20240220BHJP
F04B 45/047 20060101ALI20240220BHJP
A61M 5/148 20060101ALI20240220BHJP
A61M 5/155 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
F04B45/00 Z
F04B45/047 C
A61M5/148 500
A61M5/155
(21)【出願番号】P 2022578084
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 JP2021044050
(87)【国際公開番号】W WO2022163115
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2021014118
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 新一郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 篤志
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-230032(JP,A)
【文献】特開平11-137681(JP,A)
【文献】特表平11-510415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 45/00
F04B 45/047
A61M 5/148
A61M 5/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状の加圧バッグと、
前記加圧バッグの第1面部分に設置されたカバー部材と、
前記カバー部材と前記加圧バッグの第1面部分との間に形成される収容空間と、
前記加圧バッグに空気を流入させる圧電ポンプと、
前記圧電ポンプが収容される筐体と、
を備え、
前記加圧バッグは、前記第1面部分と異なる第2面部分に形成され、前記加圧バッグの内部と外部とを連通するバッグ開口を有し、
前記筐体は、筐体開口を有し、
前記筐体は、前記バッグ開口と前記筐体開口とが直接連通して重なり合うように、前記加圧バッグの前記第2面部分に当接して固定され
ており、
前記筐体は、前記筐体の内部空間の外部空間への開放、遮断を切り替えるバルブを備える、
加圧装置。
【請求項2】
袋状の加圧バッグと、
前記加圧バッグの第1面部分に設置されたカバー部材と、
前記カバー部材と前記加圧バッグの第1面部分との間に形成される収容空間と、
前記加圧バッグに空気を流入させる圧電ポンプと、
前記圧電ポンプが収容される筐体と、
を備え、
前記加圧バッグは、前記第1面部分と異なる第2面部分に形成され、前記加圧バッグの内部と外部とを連通するバッグ開口を有し、
前記筐体は、筐体開口を有し、
前記筐体は、前記バッグ開口と前記筐体開口とが直接連通して重なり合うように、前記加圧バッグの前記第2面部分に当接して固定されており、
前記バッグ開口または前記筐体開口には、その一部を塞ぐ遮蔽部が形成されている、
加圧装置。
【請求項3】
袋状の加圧バッグと、
前記加圧バッグの第1面部分に設置されたカバー部材と、
前記カバー部材と前記加圧バッグの第1面部分との間に形成される収容空間と、
前記加圧バッグに空気を流入させる圧電ポンプと、
前記圧電ポンプが収容される筐体と、
を備え、
前記加圧バッグは、前記第1面部分と異なる第2面部分に形成され、前記加圧バッグの内部と外部とを連通するバッグ開口を有し、
前記筐体は、筐体開口を有し、
前記筐体は、前記バッグ開口と前記筐体開口とが直接連通して重なり合うように、前記加圧バッグの前記第2面部分に当接して固定されており、
前記加圧バッグは、前記第2面部分に直交する方向に視て、前記加圧バッグの内部空間を複数の部屋に仕切る仕切り部材を備える、
加圧装置。
【請求項4】
前記加圧バッグの内部空間側に配置された固定治具を備え、
前記加圧バッグを、前記筐体と前記固定治具とで挟みこむ、
請求項1
乃至請求項3のいずれかに記載の加圧装置。
【請求項5】
前記バッグ開口の面積と前記筐体開口の面積は、同じである、
請求項1
乃至請求項4のいずれかに記載の加圧装置。
【請求項6】
前記第2面部分に直交する方向に視て、前記圧電ポンプの吐出孔は、前記遮蔽部に重なる、
請求項
2に記載の加圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が収容されたバッグを外部から加圧する加圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、経管栄養注入装置が記載されている。特許文献1の装置は、エアーバッグ、電動ポンプ、および、空気圧管路を備える。エアーバッグは、空気圧管路を通じて、電動ポンプに接続する。エアーバッグは、袋状の加圧空気室と収容空間とを備える。加圧空気室と収容空間とは隣接し、栄養剤バッグは収容空間に収容される。
【0003】
電動ポンプを駆動することで、空気は、空気圧管路を通じて加圧空気室に流入し、加圧空気室は膨らむ。加圧空気室が膨らむことによって、収容空間が狭くなり、栄養剤バッグが加圧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、電動ポンプとエアーバッグとの間に、空気圧管路が存在するため、エアーバッグに空気を流入させる効率が低下し易い。また、装置が大型化し、携帯性の低下、設置場所の制限が生じる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、携帯性、設置性に優れ、加圧効率を向上した加圧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加圧装置は、袋状の加圧バッグと、加圧バッグの第1面部分に設置されたカバー部と、カバー部と加圧バッグの第1面部分との間に形成される収容空間と、加圧バッグに空気を流入させる圧電ポンプと、圧電ポンプが収容される筐体と、を備える。加圧バッグは、第1面部分と異なる第2面部分に形成され、加圧バッグの内部空間と外部とを連通するバッグ開口を有する。筐体は、筐体開口を有する。筐体は、バッグ開口と筐体開口とが直接連通して重なり合うように、加圧バッグの第2面部分に当接して固定される。
【0008】
この構成では、圧電ポンプから、他の管状経路を介することなく、加圧バッグに空気が流入される。これにより、管状経路を介することによる圧力損失は抑制される。また、圧電ポンプは、加圧バッグに直接装着される。これにより、加圧装置の形状が簡素化され、小型化される。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、優れた携帯性、設置性、加圧効率を有する加圧装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1(A)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の外観斜視図であり、
図1(B)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、液体収容バッグBGを装着した状態での加圧装置10の外観斜視図である。
【
図3】
図3(A)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の断面図であり、
図3(B)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の分解断面図である。
【
図4】
図4(A)は、加圧バッグ21へ筐体31を固定する部分の拡大断面図であり、
図4(B)は固定方法の一例をイメージする拡大断面図であり、
図4(C)は、固定状態の派生例を示す拡大断面図である。
【
図5】
図5は、圧電ポンプ32の構成の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6(A)は、第2の実施形態に係る加圧装置10Aの断面図であり、
図6(B)は、第2の実施形態に係る加圧装置10Aの分解断面図である。
【
図7】
図7は、第3の実施形態に係る加圧装置10Bの分解斜視図である。
【
図8】
図8(A)は、第3の実施形態に係る加圧装置10Bの断面図であり、
図8(B)は、第3の実施形態に係る加圧装置10Bの分解断面図である。
【
図9】
図9は、第4の実施形態に係る加圧装置10Cの分解斜視図である。
【
図10】
図10(A)は、第4の実施形態に係る加圧装置10Cの断面図であり、
図10(B)は、第3の実施形態に係る加圧装置10Cの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る加圧装置について、図を参照して説明する。
図1(A)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の外観斜視図であり、
図1(B)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の分解斜視図である。
図2は、液体収容バッグBGを装着した状態での加圧装置10の外観斜視図である。
図3(A)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の断面図であり、
図3(B)は、第1の実施形態に係る加圧装置10の分解断面図である。
図4(A)は、加圧バッグ21へ筐体31を固定する部分の拡大断面図であり、
図4(B)は固定方法の一例をイメージする拡大断面図であり、
図4(C)は、固定状態の派生例を示す拡大断面図である。なお、本実施形態を含む各実施形態に示す各図は、加圧装置の構成を分かり易くするため、それぞれの構成要素の形状を部分的または全体として誇張して記載することがある。
【0012】
図1(A)、
図1(B)、
図2、
図3(A)、および、
図3(B)に示すように、加圧装置10は、加圧バッグ21、カバー部材22、筐体31、圧電ポンプ32、制御回路基板33、駆動用スイッチ34、および、固定治具40を備える。
【0013】
加圧バッグ21は、変形可能な袋状である。加圧バッグ21は、例えば樹脂製のフィルムやテンセル、レーヨン、ポリエステル、ナイロン等からなる合成繊維等によって形成される。より具体的には、
図3(A)、
図3(B)に示すように、加圧バッグ21は、第1面部分291、第2面部分292、および、側面部分293を備える。第1面部分291と第2面部分292とは、平面状である。なお、ここでいう平面状とは、全面が平坦な面に限るものではなく、例えば、後述する圧電ポンプ32による加圧バッグ21への空気の流入の無い状態で、全面が略平坦なものを含む。この全体が平坦な状態を、本実施形態では、静的定常状態と称する。
【0014】
例えば、第1面部分291と第2面部分292とは、第1方向(
図1(A)、
図1(B)、
図2、
図3(A)、
図3(B)のx方向)と第2方向(第1方向に直交する方向であって、
図1(A)、
図1(B)、
図2、
図3(A)、
図3(B)のy方向)とに広がる矩形である。なお、第1面部分291と第2面部分292とは、矩形に限るものではない。
【0015】
第1面部分291と第2面部分292とは、静的定常状態における平面面積が略同じである。第1面部分291と第2面部分292とは、静的定常状態における平面視において、重なっている。なお、平面視とは、第1面部分291と第2面部分292との各面に対して直交する方向から視た状態と意味する。第1面部分291と第2面部分292とは、各面に直交する方向に間隔を空けて配置されている。
【0016】
側面部分293は、第1面部分291と第2面部分292との間に配置される。側面部分293は、第1面部分291の面の外端と第2面部分の面の外端とに接続する。
【0017】
この構成によって、加圧バッグ21は、第1面部分291、第2面部分292、および、側面部分293によって囲まれるバッグ内部空間210を備える。
【0018】
加圧バッグ21の第2面部分292には、バッグ開口211が形成されている。
【0019】
なお、第1面部分291と第2面部分292とは、変形し易い材料からなることが好ましい。
【0020】
カバー部材22は、変形可能なシート状である。なお、カバー部材22は、加圧バッグ21の第1面部分291および第2面部分292よりも変形し難い材料からなる。
【0021】
カバー部材22は、加圧バッグ21の第1面部分291の外面側に配置される。カバー部材22は、第1面部分291におけるx方向の両端付近において、第1面部分291に接続する。一方、カバー部材22は、第1面部分291におけるy方向の両端には接続していない。これにより、加圧バッグ21の第1面部分291とカバー部材22との間には、y方向に貫通する貫通穴が形成される。この貫通穴が収容空間23である。言い換えれば、収容空間23は、加圧バッグ21の第1面部分291とカバー部材22との間に形成される。
【0022】
筐体31は、箱形状である。筐体31は、金属、樹脂等の加圧バッグ21よりも変形し難い材料からなる。筐体31は、底壁311と側壁312とを備える。底壁311は、平板である。側壁312は、底壁311の外端に沿って、底壁311の平面に対して直交する方向に延びる形状である。側壁312は、底壁311の外端に接続する。この底壁311および側壁312によって囲まれる空間が、筐体内部空間310となる。筐体内部空間310は、底壁311と反対側において、筐体31の外部に開口している。この開口が、筐体開口319となる。筐体開口319の面積は、バッグ開口211の面積よりも大きい。この際、例えば、筐体開口319の面積は、バッグ開口211の面積と略同じである。
【0023】
筐体31の底壁311には、吸入孔318が形成されている。
【0024】
圧電ポンプ32は、吸入孔と吐出孔とを有する。圧電ポンプ32は、吸入孔から吸入した流体を、吐出孔から吐出する。なお、圧電ポンプ32の具体的な形状の一例は、後述する。圧電ポンプ32は、低背な形状であり、筐体31の筐体内部空間310に収容される。この際、圧電ポンプ32は、圧電ポンプ32の吸入孔が筐体31の吸入孔318に連通するように、筐体31の底壁311に設置される。
【0025】
制御回路基板33は、圧電ポンプ32を制御する回路素子等および駆動用スイッチ34が実装された基板である。制御回路基板33は、筐体31の筐体内部空間310に収容され、底壁311に固定される。この際、駆動用スイッチ34は、筐体31の底壁311に設けられた貫通穴を通じて、筐体31の外部に露出する。
【0026】
固定治具40は、枠体である。この固定治具40は、枠体によって形成される開口に直交する方向に視て、筐体31の側壁312と略同じ形状である。
【0027】
筐体31は、加圧バッグ21の第2面部分292の外面に当接するように配置される。この際、筐体開口319とバッグ開口211とは、直接連通して重なる。より具体的には、筐体31の側壁312は、加圧バッグ21の第2面部分292におけるバッグ開口211の外端(より正確には、外端よりも外側で外端に相似形な環状の領域)に沿って当接する。
【0028】
図4(A)に示すように、加圧バッグ21の第2面部分292における筐体31の側壁312が当接する部分の反対面(内面)側には、固定治具40が配置される。側壁312と固定治具40とは、加圧バッグ21の第2面部分292を狭持する。この際、
図4(B)に示すように、側壁312と固定治具40とは、加圧バッグ21の第2面部分292を狭持するように圧接される。これにより、筐体31は、加圧バッグ21に対して、より高い接合強度で固定される。
【0029】
このような構成において、加圧装置10は、次に示すように、液体収容バッグBGに対して加圧を行う。
【0030】
図2、
図3(A)に示すように、液体収容バッグBGは、収容空間23に収容され、加圧バッグ21の第1面部分291とカバー部材22とに挟まれる。この時点で、圧電ポンプ32は駆動していない。
【0031】
圧電ポンプ32を駆動すると、圧電ポンプ32は、に吸入孔318を通じて空気を吸入し、筐体31の筐体内部空間310に吐出する。筐体内部空間310とバッグ内部空間210とは、筐体開口319とバッグ開口211とによって直接連通する。したがって、筐体内部空間310に吐出された空気は、バッグ内部空間210に流れ込む。この動作を継続的に実行することによって、バッグ内部空間210および筐体内部空間310が連通する空間には、空気が溜まっていく。そして、筐体31が変形し難く、加圧バッグ21が変形し易いので、流れ込む空気量に応じて、加圧バッグ21の体積は大きくなる。そして、加圧バッグ21は膨らんでいく。ここで、カバー部材22は、加圧バッグ21よりも変形し難いので、加圧バッグ21が膨らんでいくことによって、加圧バッグ21とカバー部材22との間の収容空間23の体積が小さくなる。収容空間23の体積が小さくなることによって、液体収容バッグBGは、加圧バッグ21の第1面部分291とカバー部材22とによって外側から加圧される。これにより、液体収容バッグBGに収容された液体は、所定の吐出量で吐出される。
【0032】
このような構成において、加圧装置10では、圧電ポンプ32によって吐出される空気は、従来技術のような管状の経路を介することなく、加圧バッグ21に、直接流れ込む。これにより、加圧バッグ21に空気が入るまでの空気の流入の損失を抑制でき、加圧効率は向上する。
【0033】
また、圧電ポンプ32を含む筐体31が加圧バッグ21に直接固定されているので、加圧装置10は、簡素な形状、且つ、小型になる。したがって、加圧装置10は、優れた携帯性、設置性を実現できる。優れた設置性とは、例えば、設置の自由度が大きいことである。
【0034】
また、加圧装置10では、圧電ポンプ32の吐出孔が、加圧バッグ21に向いており、圧電ポンプ32の吐出孔と加圧バッグ21との間に遮蔽物が無い。したがって、圧電ポンプ32から吐出された空気は、加圧バッグ21のバッグ内部空間210に、より効率的に流れ込む。
【0035】
なお、固定治具は、
図4(C)に示す形状であってもよい。
図4(C)に示すように、固定治具40DVは、枠状に延びる複数の溝49と、これらの溝49によって形成される複数の突起部48を備える。複数の突起部48と溝49とは、固定治具40DVの幅方向に交互に並ぶ。このような構成では、幅方向の両端のいずれかの突起部48が加圧バッグ21から外れても、他の突起部48が加圧バッグ21に接着している。したがって、固定治具40DVの接着面が、加圧バッグ21から一度に全体的に外れることを抑制できる。
【0036】
また、圧電ポンプ32は、例えば、次の構成である。
図5は、圧電ポンプの構成の一例を示す断面図である。なお、圧電ポンプ32の具体的な構成は、出願人が過去に各種の構成を出願しており、詳細な説明は省略し、概略的な構成を説明する。
【0037】
図5に示すように、圧電ポンプ32は、振動板321、枠体322、支持部323、圧電素子324、筐体用平板325、筐体用側壁部材326、筐体用カバー部材327、および、弁部材328を備える。
【0038】
振動板321は、支持部323を介して、枠体322に、振動可能となるように支持される。圧電素子324は、振動板321に設置される。枠体322は、枠状の筐体用側壁部材326を介して、筐体用平板325に接続する。また、枠体322は、筐体用カバー部材327に接続する。
【0039】
この構成によって、圧電ポンプ32は、枠体322、筐体用平板325、筐体用側壁部材326、および筐体用カバー部材327によって囲まれる内部空間を有する。筐体用平板325には、吸入孔3250が形成されており、筐体用カバー部材327には、吐出孔3270が形成されている。
【0040】
圧電素子324によって振動板321が振動することで、圧電ポンプ32は、吸入孔3250を介して外部から空気を内部空間に吸入し、内部空間から吐出孔3270を介して空気を外部に吐出する。この際、弁部材328を備えることによって、吸入孔3250から吐出孔3270へ、空気を搬送し、吐出孔3270から吸入孔3250への空気の逆流を抑制する。なお、この構成では、弁部材328を振動板321に配置する構成、すなわち、弁部材328を圧電ポンプ32の内部空間に配置する構成を示した。しかしながら、弁部材328に代えて、バルブ装置を圧電ポンプ32の吸入孔3250の外側、または吐出孔3270の外側に配置してもよい。
【0041】
このような構成とすることで、圧電ポンプ32は低背に形成できる。したがって、筐体31を低背にでき、加圧装置10をより小型化できる。特に、弁部材328が圧電ポンプ32内にあることで、筐体31をさらに低背にでき、且つ加圧装置10をさらに小型化できる。
【0042】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る加圧装置について、図を参照して説明する。
図6(A)は、第2の実施形態に係る加圧装置10Aの断面図であり、
図6(B)は、第2の実施形態に係る加圧装置10Aの分解断面図である。
【0043】
図6(A)、
図6(B)に示すように、第2の実施形態に係る加圧装置10Aは、第1の実施形態に係る加圧装置10に対して、バルブ35を備える点で異なる。加圧装置10Aの他の構成は、加圧装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0044】
バルブ35は、筐体31に設置される。例えば、
図6(A)、
図6(B)に示すように、バルブ35は、筐体31の底壁311に設置される。バルブ35は、筐体31の筐体内部空間310の外部空間への開放、遮断を切り替える。例えば、
図6(A)の場合、バルブ35は、筐体内部空間310と外部空間との連通を遮断する。
図6(B)の場合、バルブ35は、筐体内部空間310と外部空間とを連通させる。
【0045】
このような構成において、バルブ35は、加圧時に、筐体内部空間310と外部空間との連通を遮断する。そして、バルブ35は、減圧時に、筐体内部空間310と外部空間とを連通させる。
【0046】
このような構成とすることで、加圧装置10Aは、加圧時には、加圧バッグ21に、効率的に空気を流入させることができる。また、加圧装置10Aは、例えば使用後のような減圧時には、加圧バッグ21内の空気を外部に対して効率的に放出できる。
【0047】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る加圧装置について、図を参照して説明する。
図7は、第3の実施形態に係る加圧装置10Bの分解斜視図である。
図8(A)は、第3の実施形態に係る加圧装置10Bの断面図であり、
図8(B)は、第3の実施形態に係る加圧装置10Bの分解断面図である。
【0048】
図7、
図8(A)、
図8(B)に示すように、第3の実施形態に係る加圧装置10Bは、第1の実施形態に係る加圧装置10に対して、バッグ開口211Bを有する点において異なる。加圧装置10Bの他の構成は、加圧装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0049】
加圧バッグ21は、バッグ開口211Bを有する。バッグ開口211Bには、その一部を塞ぐ遮蔽部212が形成されている。遮蔽部212は、膜状である。例えば、遮蔽部212は、y方向に延びる形状であり、y方向の両端にて、加圧バッグ21の第2面部分292に接続する。
【0050】
このような構成によって、バッグ開口211Bは、x方向において、遮蔽部212を挟む2個の開口に分割される。これにより、圧電ポンプ32から吐出された空気は、x方向に2つに分流して、加圧バッグ21のバッグ内部空間210に流入する。したがって、加圧バッグ21におけるx方向の位置による空気の流入量の差を抑制できる。すなわち、加圧装置10Bは、加圧バッグ21に対して、より均一に空気を流入させることができる。
【0051】
この際、
図8(A)、
図8(B)に示すように、第2面部分292の面を平面視して、圧電ポンプ32の吐出孔3270と遮蔽部212とは重なることが好ましい。これにより、圧電ポンプ32から吐出された空気は、遮蔽部212に当たった後に、バッグ開口211Bの2個の開口に流れる。したがって、加圧装置10Aは、加圧バッグ21に対して、さらに均一に空気を流入させることができる。
【0052】
なお、加圧装置10Bでは、遮蔽部212を1つ形成する態様を示したが、遮蔽部212の個数はこれに限らず、形状も他の形状であってもよい。
【0053】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る加圧装置について、図を参照して説明する。
図9は、第4の実施形態に係る加圧装置10Cの分解斜視図である。
図10(A)は、第4の実施形態に係る加圧装置10Cの断面図であり、
図10(B)は、第3の実施形態に係る加圧装置10Cの分解断面図である。
【0054】
図9、
図10(A)、
図10(B)に示すように、第4の実施形態に係る加圧装置10Cは、第3の実施形態に係る加圧装置10Bに対して、バッグ開口211Cを有する点、複数の仕切り部材214を備える点において異なる。加圧装置10Cの他の構成は、加圧装置10Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0055】
加圧バッグ21は、バッグ開口211Cを有する。バッグ開口211Cには、その一部を塞ぐ2つの遮蔽部213が形成されている。遮蔽部213は、膜状である。例えば、遮蔽部213は、y方向に延びる形状であり、y方向の両端にて、加圧バッグ21の第2面部分292に接続する。このように構成することで、バッグ開口211Cと遮蔽部213とは、x方向において交互に並ぶ形状となる。
【0056】
加圧バッグ21は、2つの仕切り部材214を備える。仕切り部材214は、y方向に延びる形状であり、バッグ内部空間210をx方向に3つの部屋に仕切る。2つの仕切り部材214は、2つの遮蔽部213にそれぞれ重なる位置に配置される。
【0057】
このような構成によって、圧電ポンプ32から吐出された空気は、x方向に3つに分流する。この分流された空気は、加圧バッグ21のバッグ内部空間210における仕切り部材214によって仕切られた3つの部屋にそれぞれ流入する。したがって、加圧バッグ21におけるx方向の位置による空気の流入量の差を抑制できる。すなわち、加圧装置10Cは、加圧バッグ21に対してより均一に空気を流入させることができる。
【0058】
なお、上述の第3の実施形態および第4の実施形態では、遮蔽部を加圧バッグ21に形成する態様を示した。しかしながら、遮蔽部は、筐体31に形成してもよい。
【0059】
また、上述の各実施形態の構成は、適宜組み合わせることができ、それぞれに組合せに応じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0060】
10、10A、10B、10C…加圧装置
21…加圧バッグ
22…カバー部材
23…収容空間
31…筐体
32…圧電ポンプ
33…制御回路基板
34…駆動用スイッチ
35…バルブ
40…固定治具
40DV…固定治具
48…突起部
49…溝
210…バッグ内部空間
211、211B、211C…バッグ開口
212、213…遮蔽部
214…仕切り部材
291…第1面部分
292…第2面部分
293…側面部分
310…筐体内部空間
311…底壁
312…側壁
318…吸入孔
319…筐体開口
321…振動板
322…枠体
323…支持部
324…圧電素子
325…筐体用平板
326…筐体用側壁部材
327…筐体用カバー部材
328…弁部材
3250…吸入孔
3270…吐出孔
BG…液体収容バッグ