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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20240220BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18 101
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020214447
(22)【出願日】2020-12-24
(62)【分割の表示】P 2020059568の分割
【原出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021159743
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】592243553
【氏名又は名称】株式会社タカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100120938
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 教郎
(72)【発明者】
【氏名】角田 優
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 常樹治
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-154039(JP,A)
【文献】特開平05-293053(JP,A)
【文献】特開2013-005861(JP,A)
【文献】特開2000-084439(JP,A)
【文献】特開2016-112266(JP,A)
【文献】特開2008-291473(JP,A)
【文献】実開平04-134443(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
B05B 1/18
E03C 1/04-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えており、
前記本体部が、主部と、多数の散水孔を有する吐水部とを有しており、
前記主部が、主流路及び把持部を有する導水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有しており、
前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記主流路から前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記主流路から、前記流入孔、前記薬剤収容空間及び前記流出孔を経由して前記吐水部に至る第1水流と、前記薬剤収容空間を経由せずに前記主流路から前記吐水部に至る第2水流とが形成されるように構成されており、
前記第1水流が前記流入孔から前記薬剤収容空間に吐出される噴水を形成し、前記噴水が前記薬剤収容空間に配置された薬剤の底面に当たり前記薬剤を溶出させて前記薬剤に貫通孔を形成し、前記貫通孔を通過した前記噴水が前記収容内面の上面に当たるように構成されているシャワーヘッド。
【請求項2】
前記第1水流において、前記貫通孔を通過して前記上面に当たった前記噴水が前記収容内面の側面に沿って流れて前記収容内面の前記底面に至り、前記流出孔から前記薬剤収容空間の外部に排出される請求項に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記貫通孔が形成された後に、前記収容内面の前記側面に沿って流れる水により前記薬剤の側面が溶出される請求項に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記収容内面の前記底面の全体が、最も下側に位置する前記散水孔よりも上側に位置する請求項1からのいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項5】
前記流出孔が、前記流入孔とは別の孔であり、
前記流出孔及び前記流入孔が、前記収容内面の前記底面において開口している請求項1からのいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項6】
主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、本体接続部と、上側に突出する本体突出管部と、を有するシャワーヘッドの本体部の前記本体接続部に取り外し可能に取り付けられうる薬剤収容ケースであって、
薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記ケース接続部が、下側に突出するケース突出管部を有しており、前記ケース突出管部の内側に、下方から前記流入孔に至る流入流路を形成する流入流路形成部が設けられており、
前記ケース突出管部が前記本体突出管部とオーバーラップする共に、前記導水部の前記主流路から前記本体突出管部を経て前記流入孔までの間に前記流出孔から流出した水が入らないように連続した流路を形成するように構成されている薬剤収容ケース。
【請求項7】
前記流入流路形成部が、下方に突出し且つ下方に開放された管部である請求項に記載の薬剤収容ケース。
【請求項8】
前記流入孔が、前記流出孔とは別の孔である請求項6又は7に記載の薬剤収容ケース。
【請求項9】
前記流入流路形成部により形成された流路は、前記流出孔に繋がっていない請求項に記載の薬剤収容ケース。
【請求項10】
前記流入孔が、前記流出孔に対して、前記底面の中央側のみに配置されている請求項又はに記載の薬剤収容ケース。
【請求項11】
前記流出孔及び前記流入孔が、前記収容内面の前記底面において開口している請求項から10のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
【請求項12】
前記収容内面の前記底面が、高位面と、前記高位面よりも低位置にある低位面とを有しており、
前記流出孔が、前記低位面において開口しており、
前記高位面に当接し且つ前記低位面から浮いた状態で薬剤が配置される請求項から11のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
【請求項13】
前記薬剤収容空間の全体が、前記ケース接続部よりも上側に設けられている請求項から12のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
【請求項14】
前記収容内面が、前記底面と、上面と、側面とを有しており、
前記上面を構成する壁部の全体、及び、前記側面を構成する側壁部の全体が、前記シャワーヘッドの前記本体部に当接せず外部に露出する請求項から13のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤を溶解させつつ吐水するシャワーヘッドが知られている。実用新案登録第3187368号公報は、炭酸ガスマイクロバブル発生部を有するシャワーヘッドを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3187368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、薬剤の持続時間を長くすると流量が減少する。利便性の観点から、薬剤の補充が容易であるシャワーヘッドが好ましい。
【0005】
本開示は、薬剤を用いることができ利便性に優れたシャワーヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様に係るシャワーヘッドは、本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えている。前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有している。前記薬剤収容ケースは、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記導水部の前記主流路から前記流入孔までの間に、前記流出孔から流出した水が入らないように連続した流路が形成されている。
【0007】
他の態様に係るシャワーヘッドは、本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えている。前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有している。前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記流入孔が、前記流出孔に対して、前記底面の中央側のみに配置されている。
【0008】
他の態様に係るシャワーヘッドは、本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えている。前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有している。前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記流入孔の前記開口が、前記底面の中心点を含んでいる。
【0009】
他の態様に係るシャワーヘッドは、本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えている。前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有している。前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させ且つ前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流通孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記本体部が、前記主流路から延び前記本体接続部へと向かう流路を開閉する開閉弁を有している。前記薬剤収容ケースが前記本体部に取り付けられると前記開閉弁が開き、前記薬剤収容ケースが前記本体部から取り外されると前記開閉弁が閉じるように構成されている。
【0010】
他の態様に係る薬剤収容ケースは、シャワーヘッドの本体部に取り外し可能に取り付けられうる。この薬剤収容ケースは、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記ケース接続部が、下方に突出するケース突出管部を有している。
【0011】
他の態様に係る薬剤収容ケースは、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、下方に突出するケース突出管部とを有している。前記流入孔及び前記流出孔が前記ケース突出管部の内側に連通している。
【0012】
他の態様に係る薬剤収容ケースは、シャワーヘッドの本体部に取り外し可能に取り付けられる。この薬剤収容ケースは、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記流入孔が、前記流出孔に対して、前記底面の中央側のみに配置されている。
【0013】
他の態様に係る薬剤収容ケースは、シャワーヘッドの本体部に取り外し可能に取り付けられうる。この薬剤収容ケースは、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させ且つ前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流通孔と、前記本体部の本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有している。前記ケース接続部が、下方に突出するケース突出管部を有している。前記流通孔が前記ケース突出管部の内側に連通している。
【発明の効果】
【0014】
一つの側面では、薬剤を用いることができ利便性に優れたシャワーヘッドが提供されうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係るシャワーヘッドの斜視図である。
図2図2は、図1のシャワーヘッドの断面図である。
図3図3は、上記シャワーヘッドの本体部の斜視図である。
図4図4は、上記本体部の断面図である。
図5図5(a)は上記シャワーヘッドの薬剤収容ケースにおけるケース本体部の斜視図であり、図5(b)はこのケース本体部の平面図であり、図5(c)はこのケース本体部の側面図であり、図5(d)はこのケース本体部の底面図である。
図6図6(a)及び図6(b)は上記薬剤収容ケースの断面図である。図6(a)の断面位置は、図5(b)のA-A線である。図6(b)の断面位置は、図5(b)のB-B線である。
図7図7は、図2の一部を示す拡大断面図である。
図8図8は、上記本体部を後方から見た斜視図である。
図9図9(a)は第1実施形態に係る水流分岐部材の斜視図であり、図9(b)及び図9(c)はこの水流分岐部材の平面図であり、図9(d)はこの水流分岐部材の側面図である。
図10図10は、上記シャワーヘッドの一部を示す拡大断面図である。図10では、太い矢印により、水の流れが模式的に示されている。
図11図11は、図10と同じ拡大断面図である。図11では、太い矢印により、薬剤が補充された当初における第1水流が模式的に示されている。
図12図12は、図10と同じ拡大断面図である。図12では、太い矢印により、薬剤に貫通孔が形成された局面での第1水流が模式的に示されている。
図13図13(a)は変形例の薬剤収容ケースに係るケース本体部の平面図であり、図13(b)は図13(a)のB-B線に沿った断面図であり、図13(c)は図13(a)のC-C線に沿った断面図である。図13(a)から(c)では、移動部材が第1位置にある。
図14図14は、図13(a)から(c)に示されるケース本体部の平面図であり、図14(b)は図14(a)のB-B線に沿った断面図であり、図14(c)は図14(a)のC-C線に沿った断面図である。図14(a)から(c)では、移動部材が第2位置にある。
図15図15は、第2実施形態に係るシャワーヘッドを後方から見た斜視図である。
図16図16(a)は図15のシャワーヘッドの本体部の平面図であり、図16(b)は図16(a)において隠れている部分が黒塗りで示された説明図である。
図17図17(a)は第2実施形態に係る流路分岐部材の斜視図であり、図17(b)はこの流路分岐部材の平面図である。
図18図18は、第3実施形態のシャワーヘッドの拡大部分断面図である。
図19図19は、第3実施形態において薬剤収容ケースが分離した状態を示す拡大部分断面図である。
図20図20は、第3実施形態における本体部の斜視図である。
図21図21(a)は第3実施形態におけるケース本体部の斜視図であり、図21(b)はこのケース本体部の平面図であり、図21(c)はこのケース本体部の側面図であり、図21(d)はこのケース本体部の底面図である。
図22図22(a)は第3実施形態における弁体の基部の斜視図であり、図22(b)はこの基部の平面図であり、図22(c)はこの基部の側面図であり、図22(d)はこの基部の底面図である。
図23図23(a)は第3実施形態における弁隣接部材の斜視図であり、図23(b)はこの弁隣接部材の平面図であり、図23(c)はこの弁隣接部材の正面図であり、図23(d)はこの弁隣接部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態が詳細に説明される。なお、本願では、シャワーフックに引っかけられた状態(基準状態)のシャワーヘッドに基づいて、上側及び下側との文言が用いられる。この基準状態は、使用状態及び不使用状態におけるシャワーヘッドの標準的な姿勢でもある。
【0017】
図1は、第1実施形態のシャワーヘッド10の斜視図である。図2は、シャワーヘッド10の断面図である。図3は、本体部100の斜視図である。図4は、本体部100の断面図である。なお、図4には、取り外されている薬剤収容ケース200が2点鎖線で示されている。
【0018】
シャワーヘッド10は、本体部100と、薬剤収容ケース200とを有している。
【0019】
本体部100は、導水部102を含む主部103と、吐水部104とを有する。主部103は、ほぼ真っ直ぐに延びている。導水部102は、ホース接続部106と、把持部108と、主流路110と、本体接続部112とを有する。更に導水部102は、吐止水切替部114を有する。ホース接続部106は、本体部100の下端部に設けられている。ホース接続部106に、ホースが接続される。把持部108は、導水部102の外面により形成されている。主流路110は、導水部102の内部に形成されている。主流路110は、ホース接続部106から水流分岐部320(後述)まで延びている。本体接続部112は、主部103の上端部に設けられている。本体接続部112に、薬剤収容ケース200が接続される。薬剤収容ケース200は、本体接続部112の上側から本体接続部112に接続される。吐止水切替部114は、操作により主流路110を開閉する弁を構成している。吐止水切替部114は、吐水と止水とを切り替える。
【0020】
吐水部104は、多数の散水孔120を有する散水スクリーン122と、散水スクリーン122の後方に位置するスクリーン後方部124とを有する。スクリーン後方部124は、散水スクリーン122の裏側に位置し散水孔120のそれぞれに繋がる散水流路126を有する。
【0021】
吐水部104は、主部103から分岐している。本体接続部112は、主部103の上端部を構成している。本体接続部112は、吐水部104から離れている。本体接続部112は、吐水部104の後方に位置する。この「後方」とは、吐水方向の反対側を意味する。従来のシャワーヘッドでは主部の上端部が吐水部とされているが、本実施形態では、吐水部104が主部103から分岐している。
【0022】
本体部100は、主流路110から分岐して吐水部104の散水流路126に繋がる分岐流路130を有する。水の一部は、薬剤収容ケース200を経由することなく、主流路110から直接、分岐流路130に流れる。この流れは、第2水流R2(後述)である。
【0023】
図2が示すように、薬剤収容ケース200は、ケース本体部202と、蓋部204とを有する。薬剤収容ケース200は、本体部100に、取り外し可能に取り付けられている(図4参照)。すなわち、薬剤収容ケース200は本体部100に着脱可能である。薬剤収容ケース200は、本体部100に、水密に取り付けられる。蓋部204は、外面204aと内面204bとを有する。内面204bは、薬剤収容空間230の上面232cを構成している。薬剤収容ケース200は、ケースシール部材206を有する。ケースシール部材206は、薬剤収容ケース200と本体部100との間をシールしている。ケースシール部材206は、環状シール部材である。ケースシール部材206は、Oリングである。ケースシール部材206は、Oリング以外のシール部材であってもよい。ケースシール部材206は、本体部100側に設けられてもよい。
【0024】
図5(a)はケース本体部202の斜視図であり、図5(b)はケース本体部202の平面図であり、図5(c)はケース本体部202の側面図であり、図5(d)はケース本体部202の底面図である。
【0025】
ケース本体部202は、ケース開口210と、蓋結合部212とを有する。ケース開口210は、ケース本体部202の上端に形成されている。ケース開口210は、薬剤収容空間230を上側に向かって開放している。薬剤はケース開口210から薬剤収容ケース200に配置される。蓋結合部212は雄ねじである。この蓋結合部212が、蓋部204の雌ねじと結合する。蓋部204はケース本体部202にネジ結合している。
【0026】
ケース本体部202は、ケース接続部214を有する。ケース接続部214は、ケース本体部202の下部に設けられている。ケース接続部214は、係合部216を有する。複数(4つ)の係合部216が設けられている。係合部216は突起である。図5(d)がよく示すように、複数の係合部216は、薬剤収容ケース200の周方向において均等に分配されている。
【0027】
図5(c)が示すように、ケース本体部202は、蓋シール配置部218を有する。蓋シール配置部218は円周に沿った溝である。図5(a)から(d)では図示が省略されているが、蓋シール配置部218に、蓋シール部材220が配置されている(図2参照)。蓋シール部材220はOリングである。蓋シール部材220は、ケース本体部202と蓋部204との間をシールしている。
【0028】
図5(c)が示すように、ケース本体部202(薬剤収容ケース200)は、接続シール配置部222を有する。接続シール配置部222は円周に沿った溝である。ケース接続部214は、ケースシール部材206を有する。図5(a)から(d)では図示が省略されているが、接続シール配置部222に、前述したケースシール部材206が配置されている(図2参照)。
【0029】
ケース本体部202は、側壁部224を有する。側壁部224は、円筒状の壁部である。側壁部224は、収容内面232の側面232bを形成する壁部である。側壁部224の上側は開放されており、ケース開口210を形成している。側壁部224は、外面224aと内面224bとを有する。
【0030】
ケース本体部202は、透明性を有する。ケース本体部202は透明性を有する樹脂で形成されている。この透明性により、薬剤収容ケース200の内部に収容された薬剤が外部から視認される。
【0031】
図6(a)は、図5(b)のA-A線に沿った薬剤収容ケース200の断面図である。図6(b)は、図5(b)のB-B線に沿った薬剤収容ケース200の断面図である。
【0032】
薬剤収容ケース200は、ケース接続部214と、薬剤収容空間230とを有する。ケース接続部214は、薬剤収容空間230の下側に設けられている。薬剤収容空間230は、ケース接続部214の上側に設けられている。
【0033】
薬剤収容ケース200は、収容内面232を有する。収容内面232は、薬剤収容空間230を画定している。収容内面232は薬剤収容空間230に面している。収容内面232は、底面232aと、側面232bと、上面232cとを有する。底面232aは、突出部234を有する。突出部234は、上側に突出している。突出部234により、底面232aの一部が高くなっている。底面232aは、高位面h1と低位面h2とを有する。高位面h1は、突出部234の上面である。側面232bは、側壁部224により形成されている。側面232bは、側壁部224の内面224bである。上面232cは、蓋部204により形成されている。上面232cは、蓋部204の内面204bである。底面232a(低位面h2)は、最も下側に位置する散水孔120よりも上側に位置する。底面232a(低位面h2)は、最も上側に位置する散水孔120よりも下側に位置する。
【0034】
薬剤収容ケース200は、流入孔240を有する。流入孔240は、1つのみである。複数の流入孔240が設けられていてもよい。流入孔240は、底面232aにおいて開口している。流入孔240は、突出部234において開口している。流入孔240は、高位面h1において開口している。流入孔240は、薬剤収容空間230に水を流入させる。薬剤収容空間230内の水が流入孔240から流出することはない。
【0035】
薬剤収容ケース200は、流出孔250を有する。流出孔250は、底面232aにおいて開口している。流出孔250は、低位面h2において開口している。図5(b)がよく示すように、流出孔250は、流入孔240に対して、底面232aの周囲側に配置されている。周囲側とは、平面視(図5(b))において底面232aの輪郭線k1に近い側である。換言すれば、流入孔240は、流出孔250に対して、底面232aの中央側に配置されている。流入孔240は、流出孔250に対して、底面232aの中央側のみに配置されている。中央側とは、平面視(図5(b))において底面232aの中心点に近い側である。底面232aの中心点とは、前記平面視において輪郭線k1により構成される図形の図心である。本実施形態では、平面視において輪郭線k1が円であり、底面232aの中心点はこの円の中心である。流入孔240の底面232aにおける開口は、底面232aの中心点を含んでいる。すなわち、平面視において、底面232aの中心点は、流入孔240の内側に位置する。平面視において、底面232aの中心点は、流入孔240の中心点である。流出孔250から薬剤収容空間230内に水が流入することはない。
【0036】
図6(a)及び図6(b)が示すように、薬剤収容ケース200の下部を構成するケース接続部214は、外周面258と、下端開口260と、この下端開口260から上側に延びる接続空洞部262とを有する。下端開口260は、薬剤収容ケース200の下端に形成されている。接続空洞部262は下側に開放されている。ケース接続部214は、ケース突出管部264を有する。ケース突出管部264は、下側に向かって突出している。下端開口260及び接続空洞部262は、ケース突出管部264により構成されている。ケース突出管部264の内面266により接続空洞部262が画定されている。ケース突出管部264の外面には、前述した係合部216が設けられている。
【0037】
図6(b)が示すように、薬剤収容ケース200は、流入流路形成部268を有する。流入流路形成部268は、ケース接続部214の内側に設けられている。流入流路形成部268は、ケース突出管部264の内側に設けられている。流入流路形成部268は、下側に突出する管部を形成している。流入流路形成部268は、下方に開放されている。流入流路形成部268は、下方に開放された管部を形成している。流入流路形成部268は、内側接続面270と流入流路272とを有する。内側接続面270は、流入流路形成部268の下端面である。流入流路272は、流入孔240に繋がる流路である。流入流路形成部268により形成される流路は流入孔240に繋がっている。流入流路272の上側は流入孔240で終端する。
【0038】
内側接続面270は、接続空洞部262に収容されている。内側接続面270は下端開口260よりも上側に位置する。ケース突出管部264の内面266と流入流路形成部268との間に、流出孔250が形成されている。
【0039】
薬剤収容ケース200は、流入孔240に入る水が通る流入流路と流出孔250から出た水が通る流路とを仕切る水流区画部274を有する。水流区画部274は、ケース突出管部264の内側に設けられている。本実施形態では、水流区画部274は、流入流路形成部268によって形成されている。流入孔240に入る水が通る流入流路は、水流区画部274の内側に形成された流路である。この流路は、流入流路272である。流出孔250から出た水が通る流路は、水流区画部274の外側にある。この流路は、水流区画部274(流入流路形成部268)とケース突出管部264との間に形成されている。
【0040】
図7は、図2の一部を示す拡大断面図である。図8は、本体部100の斜視図であり、図3とは視点が異なる斜視図である。
【0041】
図7及び図8が示すように、本体接続部112は、上端面140と、挿入支持部142とを有している。図7が示すように、薬剤収容ケース200のケース接続部214が、本体接続部112に挿入される。挿入支持部142は、本体接続部112の内面を構成している。挿入支持部142は、円周内面144と、本体係合部146とを有する。円周内面144は、シール当接面148を有する。挿入支持部142は、本体接続部112に挿入されたケース接続部214を支持する。円周内面144は、ケース接続部214の外周面258を支持する。本体係合部146は、上側に開放され挿入方向(上下方向)に延びる縦溝146aと、この縦溝146aの下端に繋がり当該下端から周方向に延びる横溝146bとを有している。本体係合部146は、ケース接続部214の係合部216と係合する。薬剤収容ケース200を本体接続部112に向かって押圧することで縦溝146aに係合部216がスライド挿入される。次いで、薬剤収容ケース200を回転することで、係合部216が横溝146bに入り込み当該横溝146bの終端に到達する。この押圧及び回転により、本体部100に対する薬剤収容ケース200の装着が完了する。薬剤収容ケース200の取り外しの動作はこの逆であり、薬剤収容ケース200を回転させて引き抜く。
【0042】
本体接続部112のシール当接面148は、ケースシール部材206に当接している。この当接により、薬剤収容ケース200は本体部100に水密に接続される。すなわち、ケース接続部214は本体接続部112に水密に接続される。ケースシール部材206は、ケース接続部214と本体接続部112との間に配置された環状シール部材の一例である。この環状シール部材は、ケース接続部214側に配置されてもよいし、本体接続部112側に配置されてもよい。
【0043】
本体部100は、本体突出管部150を有する。本体突出管部150は、導水部102から延びる流路を構成している。本体突出管部150は、内側流路152を有する。内側流路152は、第1水流R1(後述)を形成している。本体突出管部150は、上側に突出している。本体突出管部150の上端は、本体接続部112の上端面140よりも下側である。本体突出管部150は、上端開口154を有する。上端開口154は、内側流路152の上端である。本体突出管部150は、シール部材156を有する。シール部材156は、環状シール部材である。シール部材156はOリングである。シール部材156は、本体突出管部150と流入流路形成部268とを水密に接続している。この接続により、導水部102の主流路110から流入孔240まで連続した流路が形成されている。この連続した流路には、流出孔250から流出した水が入らない。
【0044】
本体突出管部150は、ケース突出管部264に入り込んでいる(図7参照)。本体突出管部150の上端はケース突出管部264の下端よりも上側に位置する。本体突出管部150とケース突出管部264とがオーバーラップしており、二重管部DP1が形成されている。
【0045】
図9は、水流分岐部材300の斜視図であり、図9(b)及び図9(c)は水流分岐部材300の平面図であり、図9(d)は水流分岐部材300の側面図である。図9(b)と図9(c)とでは、水流分岐部材300の位相が異なる。
【0046】
水流分岐部材300は、上側流路形成部302と、下側流路形成部304と、分岐開口306と、仕切り壁308と、上側開口310とを有する。上側流路形成部302及び下側流路形成部304は、その内側に流路を形成している。水流分岐部材300が形成する流路は、上側流路形成部302と下側流路形成部304との間で途切れている。この途切れた部分が、分岐開口306である。分岐開口306は、仕切り壁308で仕切られている。複数(3つ)の仕切り壁308が設けられている。これらの仕切り壁308により、分岐開口306は複数(3つ)の開口306aに仕切られている(図9(b)及び図9(c)参照)。
【0047】
下流側に位置する下側流路形成部304の流路を流れてきた水は、分岐開口306に達する。水流の一部は、上側流路形成部302の流路に入る。他の水流は、分岐開口306から水流分岐部材300の外側に流出する。このように、水流分岐部材300は、水流を分岐する役割を果たす。
【0048】
本体部100では、水流分岐部材300が、本体突出管部150を形成している。上側流路形成部302が、本体突出管部150を形成している。上側開口310は、前述した上端開口154である。
【0049】
分岐開口306から流出した水は、分岐流路130に流れる(図7参照)。分岐開口306から流出した水は、薬剤収容ケース200を経由することなく、吐水部104に流れる。上側流路形成部302に流れた水は、上側開口310(上端開口154)から流出し、薬剤収容ケース200に向かう。
【0050】
水流分岐部材300を回転させることで、分岐開口306から流出して分岐流路130に流れる分岐水量が調整されうる。図9(b)の位相では、2つの開口306aが分岐流路130側に向いている。このため、分岐水量が増加する。図9(c)の位相では、1つの開口306aが分岐流路130側に向いている。このため、図9(b)の位相と比較して、分岐水量が減少する。この分岐水量が増加すると、薬剤収容空間230に到達する水量が減少し、薬剤の持続時間が長くなる。この分岐水量が減少すると、薬剤収容空間230に到達する水量が増加し、薬剤の持続時間が短くなる。水流分岐部材300により、薬剤の持続時間が調整されうる。
【0051】
水流分岐部材300は、主流路110から水流の一部を分岐流路130へと分岐させる水流分岐部320を形成している。本実施形態では、水流分岐部320が別部材である水流分岐部材300によって形成されているが、この形態に限定されない。他の部分と一体である部材によって水流分岐部320が形成されていてもよい。
【0052】
図10は、シャワーヘッド10における水の流れを示す概念図である。水は、主流路110を下流に向かって流れ、水流分岐部320(水流分岐部材300)に到達する。水流分岐部材300において、一部の水は、分岐開口306から流出する分岐水流となり、分岐流路130を通って吐水部104に至る。この流れが、第2水流R2とも称される。分岐しなかった水流は、本体突出管部150及び流入流路272を通って、流入孔240から薬剤収容空間230内に流入する。薬剤収容空間230に流入した水は、薬剤を溶出しつつ、流出孔250から流出し、分岐流路130から吐水部104に至る。この流れが、第1水流R1とも称される。
【0053】
図10が示すように、薬剤が配置されていない状態では、流入孔240から出る水は、噴水となる。この噴水は、薬剤収容空間230の上面232cに届く。シャワーヘッド10に接続される水道の水圧は、通常、0.25~0.3MPa程度である。この水圧が動水圧としてシャワーヘッド10に供給された場合において、流入孔240から出る水は、噴水となって上面232cに届く。0.2MPa以上の動水圧において、流入孔240から出る水は、噴水となって上面232cに届く。すなわち、動水圧が0.2MPa以上であるとき、流入孔240からの水は、上面232cに届く噴水を形成する。この動水圧では、シャワーヘッド10の姿勢に拘わらず、流入孔240からの噴水は上面232cに届く。この動水圧では、流入孔240の中心線が鉛直方向であるようなシャワーヘッド10の姿勢において、流入孔240からの噴水は上面232cに届く。この動水圧では、前記基準状態のシャワーヘッド10において、流入孔240からの噴水は上面232cに届く。流入孔の断面積D1が調整されうる場合、この断面積D1に関わらず、流入孔からの噴水が上面232cに届くのが好ましい。流入孔の断面積D1と流出孔の断面積D2との比(D1/D2)が調整されうる場合、この比(D1/D2)に関わらず、流入孔からの噴水が上面232cに届くのが好ましい。後述の第2実施形態のように、第1水流R1と第2水流R2との流量比率が調整されうる場合、この流量比率に関わらず、流入孔からの噴水が上面232cに届くのが好ましい。なお、上記動水圧は、シャワーヘッド10に供給される動水圧であり、シャワーヘッド10における水の入口(ホース接続部106)において測定される。
【0054】
図11は、薬剤700が配置された直後における第1水流R1を示す。本実施形態では、薬剤700は、円柱状である。本実施形態では、薬剤700は、炭酸タブレットである。図11は、薬剤700が配置された直後の状態を示しており、薬剤700の溶出は進行していない。流入孔240から流入した水は、薬剤700の底面に当たり、薬剤700を溶出しながら薬剤収容空間230の底面232aを流れ、流出孔250から流出する。
【0055】
図12は、薬剤700の溶出が途中まで進行した状態における第1水流R1を示す。流入孔240からの噴水が当たる位置で、薬剤700の溶出が徐々に進行する。この噴水は、薬剤700を徐々に浸食していく。この噴水は、薬剤700に孔を掘っていく。やがて、この噴水は、薬剤700を貫通する。噴水により、貫通孔702が形成される。図12は、貫通孔702が形成された当初における第1水流R1を示している。貫通孔702が形成されると、流入孔240からの噴水は上面232cに当たる。上面232cに当たった水の多くは、側面232bに沿って流れ、底面232aに至り、流出孔250から排出される。
【0056】
このシャワーヘッド10は、以下の作用効果を奏する。
【0057】
薬剤収容ケース200は、本体部100に着脱することができる。よって、薬剤700の交換が容易である。また、薬剤収容ケース200の取り付けは、本体部100に向かって押圧して回すだけで達成でき、薬剤収容ケース200の取り外しは、逆方向に回して引くだけで達成できる。薬剤収容ケース200の着脱は容易である。
【0058】
薬剤収容ケース200は着脱可能であるから、交換されうる。仕様が異なる薬剤収容ケース200に交換することで、シャワーヘッド10の性能を変更することができる。例えば、シャワーヘッド10は、流入孔240の断面積が互いに異なる第1の薬剤収容ケース200及び第2の薬剤収容ケース200を有することができる。薬剤収容ケース200を交換することで、簡単に持続時間を変更することができる。
【0059】
導水部102の主流路110から流入孔240まで連続した流路が形成されている。このため、水圧が流入孔240に到達し、薬剤収容空間230に流入する。また、この連続した流路は、流入孔240から水を噴出させるのに寄与する。上記実施形態では、流入流路形成部268と本体突出管部150とが水密に接続することで、この連続した流路が形成されている。この水密な接続が無い場合でも、本体突出管部150と流入流路形成部268とがオーバーラップして二重管部DP2とされることで、連続した流路が形成される。また、オーバーラップが無くても、流入流路形成部268と本体突出管部150とが水密に接続されることで、連続した流路が形成される。この連続した流路には、流出孔250から流出した水が入らない。
【0060】
前記流入孔240が、流出孔250に対して、底面232aの中央側のみに配置されている。このため、流入孔240から出た水が薬剤700の中央側に当たりやすくなり、薬剤700に貫通孔702が形成されやすくなる(図12参照)。また、貫通孔702が形成された後は、上面232cから側面232bに沿って流れて流出孔250から排出される第1水流R1が形成されやすくなる。流入孔240の開口が底面232aの中心点を含んでいる場合、この流れが形成されやすい。流入孔240が1つのみとされることは、流入孔240からの水の噴出及び第1水流R1の形成に寄与する。流入孔240の断面積D1が小さくされることも、流入孔240からの水の噴出及び第1水流R1の形成に寄与する。
【0061】
この第1水流R1により、薬剤700が水に触れる箇所が、薬剤700の底面から、薬剤700の中心部に、更に、薬剤700の側面へと順次移り変わる。このため、薬剤700が一気に溶出することがなく、意図した持続時間を得ることができる。また、水が収容内面232に沿って流れるため、収容内面232が洗浄される。このため、薬剤700の残渣やゴミなどが除去される。また、薬剤収容空間230を形成する壁部が透明性を有する場合、洗浄によって内部の視認性が高まり、薬剤700の状態の確認が容易となる。
【0062】
底面232aに突出部234が形成されており、薬剤700は突出部234の上(高位面h1)に配置されることになる。水は低位面h2を流れることができ、流出孔250からの排水が円滑となる。薬剤収容空間230に貯留水が発生することが抑制され、意図した持続時間を得られうる。
【0063】
流入孔240からの水が上面232cに届く噴水を形成する。このため、上述した水流が形成される。上面232cに届く噴水は、動水圧が0.2MPa以上において形成されるので、上水道に接続された通常の使用状態で上記水流が得られる。
【0064】
シャワーヘッド10では、主流路110から流入孔240、薬剤収容空間230及び流出孔250を経由して吐水部104に至る第1水流R1と、薬剤収容空間230を経由せずに主流路110から吐水部104に至る第2水流R2とが形成されている(図10参照)。このように水流を分岐させることで、吐水量が確保されると共に、所望の持続時間も達成される。
【0065】
ケース接続部214は下側に突出するケース突出管部264を有しており、本体部100は流入孔240に向かう流路を構成し上側に突出する本体突出管部150を有している。ケース接続部214と本体突出管部150とがオーバーラップしており、二重管部DP1が形成されている(図7参照)。このため、導水部102の主流路110から流入孔240まで連続した流路を形成することができる。この連続した流路には、流出孔250から流出した水が入らない。よって、上記第1水流R1が効果的に実現される。また、薬剤収容ケース200が容易に着脱されうる構造が達成される。
【0066】
ケース接続部214は、流入流路形成部268を有している。流入流路形成部268は、下方に開放されている。流入流路形成部268の下端は開口している。流入流路形成部268は、下方から前記流入孔に至る流入流路272を形成している。本体突出管部150は流入流路形成部268に差し込まれている。このため、本体突出管部150と流入流路形成部268とがオーバーラップした二重管部DP2が形成されている(図7参照)。このため、導水部102の主流路110から流入孔240までの流路が連続し、所望の持続時間を得ることができる。
【0067】
なお、本実施形態では、本体突出管部150が内側流路形成部268に差し込まれているが、逆に、内側流路形成部268が本体突出管部150に差し込まれてもよい。この場合も、本体突出管部150と流入流路形成部268とがオーバーラップした二重管部DP2が形成される。
【0068】
更に、流入流路形成部268と本体突出管部150とが水密に接続されている。このため、導水部102の主流路110から流入孔240までの流路の連続性が一層高まり、所望の持続時間を得ることができる。
【0069】
薬剤収容ケース200が本体部100側に押圧され且つ回転されることで、薬剤収容ケース200のケース接続部214が本体接続部112に水密に接続される。このため、薬剤収容ケース200の装着は容易である。ケース接続部214が本体接続部112に挿入されており、ケース接続部214と本体接続部112との間に環状シール部材206が配置されている。このため、薬剤収容ケース200の着脱が容易とされつつ水密な接続が達成されている。なお、本体部100と薬剤収容ケース200との接続構造は、上記実施形態のような押圧のみで達成される嵌め込み構造の他、ネジ結合等も採用されうる。
【0070】
薬剤収容ケース200は、シャワーヘッド10の本体部100に、取り外し可能に取り付けられうる。この薬剤収容ケース200は、下方に突出するケース突出管部264を有している。よって、本体部100に対して着脱が容易な構造が達成されている。また、本体部100との間で二重管部DP1を形成することが容易な構造が達成されている。流入孔240及び流出孔250はケース突出管部264の内側に連通しているので、本体部100に対して着脱容易な構造が達成されている。
【0071】
ケース突出管部264の内側に、流入孔240に入る水が通る流入流路と流出孔250から出た水が通る流路とを仕切る水流区画部274が設けられている(図6(b)参照)。このため、流入孔240と流出孔250との区分が明確となる。流入孔240に入る水が通る流入流路は水流区画部274の内側に形成されており、流出孔250から出た水が通る流路は水流区画部274とケース突出管部264を形成する壁部との間に形成されている。このため、流入孔240を流出孔250に対して底面232aの中央側に配置できる。
【0072】
薬剤収容ケース200は、ケース本体部202と蓋部204とから構成されている。ケース本体部202は、薬剤収容空間230を上側に向かって開放するケース開口210とケース接続部214とを備えている。蓋部204はケース開口210を塞ぐ。この構成により、薬剤700を容易に薬剤収容空間230に配置することができる。
【0073】
流入孔240から出る水の噴出量を得る観点から、流入孔240の断面積D1は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましく、0.7mm以上がより好ましい。流入孔240から出る水の噴出高さを得る観点から、断面積D1は、15mm以下が好ましく、14mm以下がより好ましく、13mm以下がより好ましい。なお、上記実施形態では、流入孔240は円形孔であり、断面積D1はこの孔径から計算される円の面積である。流入孔が複数である場合、それらの流入孔の断面積の合計が、断面積D1である。断面積D1が、底面232aにおける開口面積であってもよい。
【0074】
薬剤700が炭酸タブレットのような気体を発生するものである場合、流出孔250の断面積D2が小さいと、薬剤収容空間230の内圧が上がり、流入孔240からの水の流入が阻害される。この観点から、流出孔250の断面積D2は、20mm以上が好ましく、25mm以上がより好ましく、30mm以上がより好ましい。薬剤収容ケースの肉厚設計への制約を抑える観点から、断面積D2は、45mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましく、35mm以下がより好ましい。なお、上記実施形態のように、流出孔250が複数である場合、それらの流出孔250の断面積の合計が、断面積D2である。上記実施形態では、断面積D2は、底面232aの平面視(図5(b))における流出孔250の面積である。
【0075】
比(D1/D2)を最適化することで、流入孔240からの流入量及び流出孔250からの流出量が適度に調整され、所望の持続時間が得られる。比(D1/D2)は、0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上がより好ましい。比(D1/D2)は、0.50以下が好ましく、0.45以下がより好ましく、0.40以下がより好ましい。
【0076】
図7において両矢印D3で示されるのは、薬剤収容ケース200の内径である。市販の炭酸タブレットは膨張することがあるので、内径D3は炭酸タブレットの外径よりも大きいのが好ましい。外径が27mmの薬剤(炭酸タブレット)を考慮すると、内径D3は、29mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、31mm以上がより好ましい。内径D3が過大であると、薬剤700が薬剤収容空間230内で大きく動くため、持続時間のバラツキが大きくなる。この観点から、内径D3は、45mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましく、35mm以下がより好ましい。
【0077】
シャワーヘッド10を用いて、炭酸タブレットの溶け方及び持続時間を検証した。流入孔240の孔径が異なる2つの薬剤収容ケース200を用意し、これらを交換することで、実施例1及び実施例2のシャワーヘッドを得た。実施例1では、流入孔240の孔径が1mm(断面積D1が0.785mm)とされ、流出孔250の断面積D2は32.052mmとされた。実施例2では、流入孔240の孔径が4mm(断面積D1が12.6mm)とされ、流出孔250の断面積D2は32.052mmとされた。
【0078】
シャワーヘッド10を上水道(水圧0.2MPa)に接続し、水温を40℃として、実際に吐水を行った。先ず、実施例1及び実施例2において、薬剤収容空間230を空の状態でシャワー吐水を行った。いずれの実施例についても、水は図10に示されるように2つの水流に分岐し、流入孔240から出る噴水は上面232cに届き、更に収容内面232に沿って流れていた。シャワーヘッド10の姿勢に関わらず、流入孔240からの噴水が上面232cに届いていた。次に、実施例1の薬剤収容ケースに外径が27mmの炭酸タブレット700を入れて吐水を行ったところ、炭酸タブレット700が溶ける部位が底面、中心部、側面へと順次移り変わり、貫通孔702が形成されていることが確認された。実施例2の薬剤収容ケースにも同じ炭酸タブレット700を入れて確認したところ、やはり炭酸タブレット700が溶ける部位が底面、中心部、側面へと順次移り変わり、貫通孔702が形成されていた。薬剤収容ケース200の透明性により、薬剤収容ケース200の内部における水流及び炭酸タブレットの溶ける様子は外部から確認することができた。実施例1の持続時間は5分であった。実施例2の持続時間は2分であった。このように、薬剤収容ケース200を交換するだけで持続時間を変更できることが確認された。
【0079】
薬剤700は、薬剤収容空間230に配置される。薬剤700は、薬剤収容空間230に収容されうる寸法及び形状を有する。典型的な薬剤700は、タブレット(錠剤)である。
【0080】
薬剤700は限定されない。好ましくは、薬剤700は固形物とされる。薬剤700は、水に溶出して、吐水に作用する。薬剤700に含まれる成分として、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ホウ酸炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ヒアルロン酸、L-アスコルビン酸、クエン酸、重曹等が挙げられる。薬剤700には、生薬、海藻エキス等が含まれていてもよい。本実施形態では、薬剤700は、炭酸タブレットである。炭酸タブレットは、水と反応して炭酸ガスを発生する。
【0081】
図13(a)はケース本体部202の変形例であるケース本体部402の平面図であり、図13(b)は図13(a)のB-B線に沿った断面図であり、図13(c)は図13(a)のC-C線に沿った断面図である。図14(a)もケース本体部402の平面図であり、図14(b)は図14(a)のB-B線に沿った断面図であり、図14(c)は図14(a)のC-C線に沿った断面図である。図13(a)~(c)と図14(a)~(c)との間では、移動部材404の位置が異なる。図13(a)~(c)では、移動部材404は第1位置にある。図14(a)~(c)では、移動部材404は第2位置にある。
【0082】
ケース本体部402は、移動部材404と、スライド溝406と、流入孔408と、流出孔410とを有する。移動部材404は、スライド係合部404aと貫通孔404bとを有する。スライド係合部404aは、移動部材404の外周面に形成された段差部である。スライド溝406は、流出孔410が形成されている部分で途切れている(図14(b)参照)が、この途切れている距離は、移動部材404の第1位置から第2位置までの移動を阻害しない程度に短い。スライド係合部404aとスライド溝406とで、移動部材404を移動させるスライド機構が構成されている。移動部材404の移動では、スライド係合部404aがスライド溝406を摺動する。
【0083】
図13(a)~(c)が示すように、第1位置にある移動部材404は、流入孔408を完全に覆っている。ただし、貫通孔404bが流入孔408に連通するため、この貫通孔404bから水が薬剤収容空間に流入する。この場合、流入孔の断面積は、貫通孔404bの断面積である。この断面積は、流入孔408の断面積よりも小さい。
【0084】
図14(a)~(c)が示すように、第2位置にある移動部材404は、流入孔408から完全に外れている。この場合、流入孔408が完全に機能する。この場合、流入孔の断面積は、流入孔408の断面積である。
【0085】
移動部材404が第1位置と第2位置との中間に位置するとき、移動部材404は、流入孔408を部分的に覆いうる。この場合、流入孔の断面積は、移動部材404の位置によって徐々に変化しうる。
【0086】
このように、ケース本体部402に係る薬剤収容ケースは、流入孔の断面積を調整しうる調整機構を有する。ケース本体部402に係る薬剤収容ケースは、流入孔の断面積D1と流出孔の断面積D2との比(D1/D2)を調整しうる調整機構を有する。この調整機構は、流入孔408を覆う位置と覆わない位置とに移動しうる移動部材404によって達成されている。
【0087】
なお、ケース本体部402は、第2位置にある移動部材404と係合する突起412を有する。図14(b)及び(c)が示すように、突起412は、貫通孔404bと係合する。この突起412は、移動部材404を第2位置に保持するのに役立つ。
【0088】
移動部材404は、例えば指によって簡単に移動させることができる。蓋部及び薬剤が無い状態では、移動部材404の移動操作は容易である。
【0089】
図15は、第2実施形態のシャワーヘッド20を裏側から見た斜視図である。水流分岐部材を外部から回転しうる回転機構を有する他は、このシャワーヘッド20はシャワーヘッド10と同じである。シャワーヘッド20は、薬剤収容ケース200と本体部500とを有する。
【0090】
図16(a)は、本体部500を上側から見た平面図である。本体部500は、水流分岐部材600を有する。
【0091】
図17(a)は水流分岐部材600の斜視図であり、図17(b)は水流分岐部材600の平面図である。
【0092】
水流分岐部材600は、前述した水流分岐部材300と同じ構造を備えている。水流分岐部材600は、上側流路形成部602と、下側流路形成部604と、分岐開口606と、仕切り壁608と、上側開口610とを有する。上側流路形成部602及び下側流路形成部604は、その内側に流路を形成している。これらの流路は、主流路の一部を構成している。
【0093】
水流分岐部材600が形成する流路は、上側流路形成部602と下側流路形成部604との間で途切れている。この途切れた部分が、分岐開口606である。分岐開口606は、仕切り壁608で仕切られている。複数(3つ)の仕切り壁608が設けられている。これらの仕切り壁608により、分岐開口606は複数(3つ)の開口606aに仕切られている(図17(b)参照)。前述した水流分岐部材300と同様に、水流分岐部材600を回転させることで、分岐開口606から流出して分岐流路130に流れる分岐水量が調整されうる。
【0094】
水流分岐部材300とは異なり、水流分岐部材600は、操作部612を有する。操作部612は、水流分岐部材600の本体から延び、本体部500の外面に至る。操作部612は、外方延在部614と、回動スライド部616と、露出部618とを有する。
【0095】
図16(b)は、図16(a)の平面図に、操作部612の隠れている部分を追記した図である。見やすさの観点から、図16(b)では、破線で示されるべき部分が、黒塗りで示されている。
【0096】
外方延在部614は、水流分岐部材600の本体と回動スライド部616との間に延びている。回動スライド部616は、本体部500の把持部502を形成する外壁504の内面(内周面)に沿った形状を有している。回動スライド部616は、外壁504の内面に当接している。水流分岐部材600が回転すると、回動スライド部616は外壁504の内面を摺動する。露出部618は、外部に露出している。露出部618は、回動スライド部616の外面に設けられた突起である。露出部618は、外壁504に設けられた開口窓506から外部に露出している。開口窓506は、露出部618の移動を案内するスライド部として機能している。使用者は、露出部618を指で動かすことで、水流分岐部材600を回転させることができる。このように、外部から流路分岐部材600を操作(回転)させる機構が設けられてもよい。この機構により、外部からの操作で第1水流R1と第2水流R2との比率を変化させることができる。
【0097】
図18は、第3実施形態のシャワーヘッド30の拡大部分断面図である。図19は、薬剤収容ケースが分離した状態を示す拡大部分断面図である。図20は、シャワーヘッド30の本体部800の斜視図である。以下において説明されない事項については、シャワーヘッド30は、第1実施形態のシャワーヘッド10と同じである。
【0098】
シャワーヘッド30は、本体部800と、薬剤収容ケース900とを有している。
【0099】
本体部800は、導水部802を含む主部803と、吐水部804とを有する。主部803は、ほぼ真っ直ぐに延びている。導水部802は、把持部808と、主流路810と、本体接続部812とを有する。把持部808は、導水部802の外面により形成されている。主流路810は、導水部802の内部に形成されている。本体接続部812は、主部803の上端部に設けられている。本体接続部812に、薬剤収容ケース900が接続される。薬剤収容ケース900は、本体接続部812の上側から本体接続部812に接続される。
【0100】
本体部800は、主流路810から分岐して吐水部804に繋がる分岐流路830を有する。水の一部は、薬剤収容ケース900を経由することなく、主流路810から直接、分岐流路830に流れ、吐水部804に至る。この流れは、前述の第2水流R2である。
【0101】
図18及び19が示すように、薬剤収容ケース900は、ケース本体部902と、蓋部904とを有する。薬剤収容ケース900は、本体部800に、取り外し可能に取り付けられている。薬剤収容ケース900は、本体部800に、水密に取り付けられる。薬剤収容ケース900は、ケースシール部材906を有する。ケースシール部材906は、薬剤収容ケース900と本体部800との間をシールしている。ケースシール部材906は、環状シール部材である。ケースシール部材906は、Oリングである。ケースシール部材906は、Oリング以外のシール部材であってもよい。ケースシール部材906は、本体接続部812側に設けられてもよい。
【0102】
図21(a)はケース本体部902の斜視図であり、図21(b)はケース本体部902の平面図であり、図21(c)はケース本体部902の側面図であり、図21(d)はケース本体部902の底面図である。
【0103】
ケース本体部902は、ケース開口910と、蓋結合部912とを有する。ケース開口910は、ケース本体部902の上端に形成されている。ケース開口910は、薬剤収容空間930を上側に向かって開放している。薬剤700はケース開口910から薬剤収容ケース900に配置される。蓋結合部912は雄ねじである。この蓋結合部912が、蓋部904の雌ねじと結合する。蓋部904はケース本体部902にネジ結合している。
【0104】
ケース本体部902は、ケース接続部914を有する。ケース接続部914は、ケース本体部902(薬剤収容ケース900)の下部に設けられている。ケース接続部914は、係合部916を有する。複数(4つ)の係合部916が設けられている。係合部916は突起である。図21(d)がよく示すように、複数の係合部916は、薬剤収容ケース900の周方向において均等に分配されている。
【0105】
図21(c)が示すように、ケース本体部902は、蓋シール配置部918を有する。蓋シール配置部918は円周に沿った溝である。図21(a)から(d)では図示が省略されているが、蓋シール配置部918に、蓋シール部材920が配置されている(図18、19参照)。蓋シール部材920はOリングである。蓋シール部材920は、ケース本体部902と蓋部904との間をシールしている。
【0106】
図21(c)が示すように、ケース本体部902(薬剤収容ケース900)は、接続シール配置部922を有する。接続シール配置部922は円周に沿った溝である。ケース接続部914は、ケースシール部材906を有する。図21(a)から(d)では図示が省略されているが、接続シール配置部922に、前述したケースシール部材906が配置されている(図18,19参照)。
【0107】
ケース本体部902は、側壁部924を有する。側壁部924は、円筒状の壁部である。側壁部924は、収容内面932の側面932bを形成する壁部である。側壁部924の上側は開放されており、ケース開口910を形成している。
【0108】
ケース本体部902は、透明性を有する。ケース本体部902は透明性を有する樹脂で形成されている。この透明性により、薬剤収容ケース900の内部に収容された薬剤700が外部から視認される。
【0109】
薬剤収容ケース900は、ケース接続部914と、薬剤収容空間930とを有する。ケース接続部914は、薬剤収容空間930の下側に設けられている。
【0110】
薬剤収容ケース900は、収容内面932を有する。収容内面932は、薬剤収容空間930を画定している。収容内面932は薬剤収容空間930に面している。収容内面932は、底面932aと、側面932bと、上面932cとを有する。底面932aは、突出部934を有する。突出部934は、上側に突出している。突出部934により、底面932aの一部が高くなっている。底面932aは、高位面h1と低位面h2とを有する。高位面h1は、突出部934の上面である。低位面h2は、高位面h1よりも低位置にある。側面932bは、側壁部924により形成されている。側面932bは、側壁部924の内面924bである。上面932cは、蓋部904により形成されている。上面932cは、蓋部904の内面904bである。
【0111】
薬剤収容ケース900は、流通孔940を有する。流通孔940は、1つのみである。流通孔940は、収容内面932に形成された唯一の開口である。複数の流通孔940が設けられていてもよい。流通孔940は、底面932aにおいて開口している。流通孔940は、低位面h2において開口している。流通孔940は、薬剤収容空間930に水を流入させ、且つ、薬剤収容空間930内の水を流出させる。
【0112】
薬剤700は、突出部934の上に載っている。薬剤700は、高位面h1の上に載っている。薬剤700は、低位面h2から浮いた状態にある。流通孔940は低位面h2において開口している。薬剤700が低位面h2から浮いているため、水が底面932aを流れやすい。特に、流通孔940からの水の流出が円滑となる。これは、第2水流R2の形成に寄与する。また、薬剤700が低位面h2から浮いているため、水の滞留による薬剤700の過剰な溶出が抑制され、意図した持続時間が得られうる。
【0113】
薬剤収容ケース900と薬剤700とのセットにおいて、薬剤700は、薬剤収容ケース900の薬剤収容空間930に収容される形状及び寸法を有している。薬剤700は、高位面h1に当接し且つ低位面h2から浮いた状態で薬剤収容空間930に配置されるのが好ましい。
【0114】
流通孔940の開口は、底面932aの中心点を含んでいる。すなわち、平面視において、底面932aの中心点は、流通孔940の内側に位置する。本実施形態では、平面視において、底面932aの中心点は、流通孔940の中心点である。
【0115】
図19が示すように、薬剤収容ケース900の下部を構成するケース接続部914は、外周面958と、下端開口960と、この下端開口960から上側に延びる接続空洞部962と、下端面963とを有する。下端開口960は、薬剤収容ケース900の下端に形成されている。接続空洞部962は下側に開放されている。下端面963は、薬剤収容ケース900の下端面でもある。ケース接続部914は、ケース突出管部964を有する。ケース突出管部964は、下側に向かって突出している。下端開口960、接続空洞部962及び下端面963は、ケース突出管部964により構成されている。ケース突出管部964の内周面966により接続空洞部962が画定されている。ケース突出管部964の外周面958には、前述した係合部916が設けられている。
【0116】
流通孔940は、ケース突出管部964の内側に連通している。流通孔940は、接続空洞部962に連通している。水は、接続空洞部962を通り流通孔940から薬剤収容空間930に流入する。水は、流通孔940から接続空洞部962に流出し吐水部804に向かう。接続空洞部962は、流通孔940に流入する水及び流通孔940から流出した水を通す流入出流路を形成している。薬剤収容ケース800では、薬剤収容空間930に流入する水と薬剤収容空間930から流出した水とが仕切られていない。
【0117】
図19及び図20が示すように、本体接続部812は、上端面840と、挿入支持部842とを有している。薬剤収容ケース900のケース接続部914が、本体接続部812に挿入される。挿入支持部842は、本体接続部812の内面を構成している。挿入支持部842は、円周内面844と、本体係合部846とを有する。円周内面844は、シール当接面848を有する。挿入支持部842は、本体接続部812に挿入されたケース接続部814を支持する。円周内面844は、ケース接続部914の外周面958を支持する。本体係合部846は、上側に開放され挿入方向(上下方向)に延びる縦溝846aと、この縦溝846aの下端に繋がり当該下端から周方向に延びる横溝846bとを有している。本体係合部846は、ケース接続部914の係合部916と係合する。薬剤収容ケース900を本体接続部812に向かって押圧することで縦溝846aに係合部916がスライド挿入される。次いで、薬剤収容ケース900を回転することで、係合部916が横溝846bに入り込み当該横溝846bの終端に到達する。この押圧及び回転により、本体部800に対する薬剤収容ケース900の装着が完了する。薬剤収容ケース900の取り外しの動作はこの逆であり、薬剤収容ケース900を回転させて引き抜く。薬剤収容ケース900の取り付け及び取り外しは容易である。
【0118】
本体接続部812のシール当接面848は、ケースシール部材906に当接している。(図18参照)。この当接により、薬剤収容ケース900は本体部800に水密に接続される。すなわち、ケース接続部914は本体接続部812に水密に接続される。ケースシール部材906は、ケース接続部914と本体接続部812との間に配置された環状シール部材の一例である。この環状シール部材は、ケース接続部914側に配置されてもよいし、本体接続部812側に配置されてもよい。
【0119】
図18及び図19が示すように、本体部800は、開閉弁850を有する。開閉弁850は、弁座852と、弁体854とを有する。弁座852は、円錐凹面である。弁体854は、弁シール部材856と基部858とを有する。弁シール部材856は、環状のシール部材である。弁シール部材856は、Oリングである。弁シール部材856が弁座852に当接する。
【0120】
図22(a)は弁体854の基部858の斜視図であり、図22(b)は基部858の平面図であり、図22(c)は基部858の側面図であり、図22(d)は基部858の底面図である。
【0121】
弁体854(基部858)は、外周にシール配置部860が設けられた弁体基部861と、弁体当接部862と、弁スライド部864とを有する。
【0122】
弁体基部861は、非通水性の円盤状部分を構成している。シール配置部860は、弁体基部861の外周部に設けられている。シール配置部860は、円周方向に沿った溝である。シール配置部860に、弁シール部材856が配置される(図18及び図19参照)。弁シール部材856は、環状のシール部材である。弁シール部材856はOリングである。
【0123】
弁体当接部862は、弁体基部861から上方向に突出した凸部により構成されている。この凸部が複数(3つ)形成されている。この凸部の端面が、薬剤収容ケース900の下端面963(ケース接続部914の下端面963)に当接する。
【0124】
弁スライド部864は、下方向に突出した板状部である。弁スライド部864は、後述のスライドガイド部とスライド係合して、弁体854の移動を可能とする。
【0125】
図23(a)は弁隣接部材870の斜視図であり、図23(b)は弁隣接部材870の平面図であり、図23(c)は弁隣接部材870の正面図であり、図23(d)は弁隣接部材870の側面図である。
【0126】
弁隣接部材870は、本体部800の主部803を構成する各部材を組み立てられた状態で固定するナット部材である。また、弁隣接部材870は、内側流路872を有している。内側流路872は、主流路810に連通している。
【0127】
弁隣接部材870は、スライドガイド部874を有する。スライドガイド部874は、上側に開放されたスリット部により構成されている。このスリット部が、弁隣接部材870の周方向の2箇所に設けられている。図18及び19が示すように、スライドガイド部874に、弁スライド部864が上側から挿入されている。弁スライド部864はスライドガイド部874内をスライド移動しうる。
【0128】
スライドガイド部874と弁スライド部864とのスライド係合により、弁体854は、弁開閉方向に往復移動することができる。弁開閉方向は、上下方向である。
【0129】
弁体854が弁閉方向に移動すると、弁シール部材856が弁座852に密着して、開閉弁850が閉じる(図19参照)。本実施形態では、弁閉方向は、上方向である。水圧により、弁体854は弁閉方向に付勢されている。薬剤収容ケース900により弁閉方向への移動が阻害されない限り、水圧によって開閉弁850は閉じる。なお、弁体854を弁閉方向に付勢する付勢部材が設けられてもよい
【0130】
薬剤収容ケース900が本体部800に装着されると、ケース接続部914(ケース突出管部964)が、水圧による付勢力に抗して、弁体854を弁開方向に移動させる。本実施形態では、弁開方向は、下方向である。ケース接続部914は、弁体854を押し下げる。下端面963が弁体854の弁体当接部862に当接して、弁体854を弁開方向に移動させる。この結果、弁シール部材856が弁座852から離れ、開閉弁850は開く(図18参照)。薬剤収容ケース900は、薬剤収容ケース900が本体部800に装着されたときに弁体854(弁体当接部862)に当接して弁体854を開方向に移動させる弁開放当接部965を有する。弁開放当接部965は、下端面963である。
【0131】
このように、この開閉弁850は、本体部800の主流路810から延び本体接続部812(流通孔940)へ向かう流路を開閉する。薬剤収容ケース900が本体部800に取り付けられるとケース突出管部964が開閉弁850の弁体854を押圧して開閉弁850が開く。薬剤収容ケース900が本体部800から取り外されるとケース突出管部964による弁体854への押圧が解除されて開閉弁850が閉じる。
【0132】
開閉弁850により、任意のタイミングで薬剤700を使用することができる。例えば、薬剤収容ケース900を装着せずにシャワーヘッド30を使用し、この使用中に薬剤収容ケース900を装着することができる。また、薬剤収容ケース900を装着してシャワーヘッド30を使用し、この使用中に薬剤収容ケース900を取り外すことができる。シャワーヘッド30の使用中に薬剤収容ケース900を取り外しても、開閉弁850が閉じるため、本体接続部812から水が吹き出すことがない。誤って薬剤収容ケース900が外れた場合でも、水が吹き出すことがない。また、シャワー使用の途中で薬剤収容ケース900を外すことで、薬剤700の寿命を延ばすことができ、薬剤700を使い切りとしないことも可能となる。この開閉弁850は、第1実施形態のシャワーヘッド10及び第2実施形態のシャワーヘッド20にも適用されうる。
【0133】
シャワーヘッド30でも、主流路810から薬剤収容空間930を経由して吐水部804に至る第1水流と、薬剤収容空間930を経由せずに主流路810から吐水部804に至る第2水流とが形成されている。このように水流を分岐させることで、吐水量が確保されると共に、所望の持続時間も達成される。弁隣接部材870及び弁体854は、この水流の分岐に関与している。内側流路872を通過した水の一部は弁体854の弁体基部861に当たり分岐流路830に流れる。内側流路872を通過した水の他の一部は開閉弁850を通過して薬剤収容空間930に向かう。開閉弁850が閉じた状態では、水が開閉弁850を通過せず、水流は上記第2水流のみとなる。開閉弁850が開いた状態では、開閉弁850の開放により上記第1水流が可能となり、上記第1水流と上記第2水流とが形成される。
【0134】
薬剤収容ケース200の蓋部204の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、成形が容易で生産性に優れるとの観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。蓋部204は外部に露出した外観部品であり、蒸着メッキに適した材質が好ましい。この観点から、熱可塑性樹脂の中でも、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)が好ましい。
【0135】
薬剤収容ケース200のケース本体部202の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、成形が容易で生産性に優れるとの観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。薬剤の残量を外部から視認できるとの観点から、ケース本体部202は透明性を有するのが好ましい。またケース本体部202は、落下時の衝撃に耐えうる強度を有するのが好ましい。これらの観点から、熱可塑性樹脂の中でも、ポリカーボネート(PC)が好ましい。
【0136】
ケースシール部材206の材質は、ゴムが好ましい。薬剤収容ケース200の取り付け及び取り外しの回数は多く、耐摩耗性に優れた材質が好ましい。この観点から、ゴムの中でも、ニトリルゴム(NBR)が好ましい。
【0137】
本体突出管部150の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、成形が容易で生産性に優れるとの観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。本体部100への固定性及び薬剤収容ケース200を支持する観点から、熱可塑性樹脂の中でも、POM(ポリアセタール)が好ましい。
【0138】
以下の付記は、本開示に含まれる発明の一部である。
[付記1]
本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えており、
前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有しており、
前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記導水部の前記主流路から前記流入孔までの間に、前記流出孔から流出した水が入らないように連続した流路が形成されているシャワーヘッド。
[付記2]
本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えており、
前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有しており、
前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記流入孔が、前記流出孔に対して、前記底面の中央側のみに配置されているシャワーヘッド。
[付記3]
本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えており、
前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有しており、
前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記流入孔の前記開口が、前記底面の中心点を含んでいるシャワーヘッド。
[付記4]
前記流入孔の断面積が0.5mm以上15mm以下である付記1から3のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記5]
前記ケース接続部が、下側に突出するケース突出管部を有しており、
前記本体部が、前記流入孔に向かう流路を構成し上側に突出する本体突出管部を有しており、
前記ケース突出管部と前記本体突出管部とがオーバーラップしている付記1から4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記6]
前記薬剤収容ケースが、下方から前記流入孔に至る流入流路を形成する流入流路形成部を有しており、
前記本体部が、前記流入孔に向かう流路を構成し上側に突出する本体突出管部を有しており、
前記本体突出管部と前記流入流路形成部とがオーパ-ラップして二重管部が形成されている付記1から5のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記7]
前記薬剤収容ケースが、下方から前記流入孔に至る流入流路を形成する流入流路形成部を有しており、
前記本体部が、前記流入孔に向かう流路を構成し上側に突出する本体突出管部を有しており、
前記流入流路形成部と前記本体突出管部とが水密に接続されている付記1から6のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記8]
本体部と、前記本体部に取り外し可能に取り付けられている薬剤収容ケースとを備えており、
前記本体部が、主流路及び把持部を有する導水部と、多数の散水孔を有する吐水部と、前記薬剤収容ケースが接続される本体接続部とを有しており、
前記薬剤収容ケースが、薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させ且つ前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流通孔と、前記本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記本体部が、前記主流路から延び前記本体接続部へと向かう流路を開閉する開閉弁を有しており、
前記薬剤収容ケースが前記本体部に取り付けられると前記開閉弁が開き、前記薬剤収容ケースが前記本体部から取り外されると前記開閉弁が閉じるように構成されているシャワーヘッド。
[付記9]
前記収容内面を形成する壁部の少なくとも一部が透明性を有している付記1から8のいずれか1項の記載のシャワーヘッド。
[付記10]
前記収容内面の側面を形成する壁部が透明性を有している付記9に記載のシャワーヘッド。
[付記11]
前記主流路から前記薬剤収容空間を経由して前記吐水部に至る第1水流と、
前記薬剤収容空間を経由せずに前記主流路から前記吐水部に至る第2水流と、
が形成されている付記1から10のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記12]
前記薬剤収容ケースが前記本体部側に押圧され且つ回転されることで、前記ケース接続部が前記本体接続部に水密に接続される付記1から11のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記13]
前記ケース接続部が前記本体接続部に挿入されており、
前記ケース接続部と前記本体接続部との間に環状シール部材が配置されている付記1から12のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
[付記14]
シャワーヘッドの本体部に取り外し可能に取り付けられうる薬剤収容ケースであって、
薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記ケース接続部が、下方に突出するケース突出管部を有している薬剤収容ケース。
[付記15]
薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、下方に突出するケース突出管部とを有しており、
前記流入孔及び前記流出孔が前記ケース突出管部の内側に連通している薬剤収容ケース。
[付記16]
前記流入孔が、前記流出孔に対して、前記底面の中央側のみに配置されている付記1又は1に記載の薬剤収容ケース。
[付記17]
シャワーヘッドの本体部に取り外し可能に取り付けられる薬剤収容ケースであって、
薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させる流入孔と、前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流出孔と、前記本体部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記流入孔が、前記流出孔に対して、前記底面の中央側のみに配置されている薬剤収容ケース。
[付記18]
前記流入孔の前記開口が、前記底面の中心点を含んでいる付記16又は17に記載の薬剤収容ケース。
[付記19]
前記流入孔の断面積が0.5mm以上15mm以下である付記16から18のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
[付記20]
下方から前記流入孔に至る流入流路を形成する流入流路形成部を有している付記14から19のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
[付記21]
前記流入流路形成部が、前記流入流路と前記流出孔から出た水が通る流路とを仕切る水流区画部を構成している付記20に記載の薬剤収容ケース。
[付記22]
シャワーヘッドの本体部に取り外し可能に取り付けられうる薬剤収容ケースであって、
薬剤収容空間と、前記薬剤収容空間を画定する収容内面と、前記収容内面の底面において開口し前記薬剤収容空間に水を流入させ且つ前記薬剤収容空間に流入した水を流出させる流通孔と、前記本体部の本体接続部に水密に接続されるケース接続部とを有しており、
前記ケース接続部が、下方に突出するケース突出管部を有しており、
前記流通孔が前記ケース突出管部の内側に連通している薬剤収容ケース。
[付記23]
前記本体部が、前記本体部の主流路から延び前記本体接続部へと向かう流路を開閉する開閉弁を有しており、
前記薬剤収容ケースが前記本体部に取り付けられると前記ケース突出管部が前記開閉弁の弁体を押圧して前記開閉弁が開き、前記薬剤収容ケースが前記本体部から取り外されると前記ケース突出管部による前記弁体への押圧が解除されて前記開閉弁が閉じるように構成されている付記22に記載の薬剤収容ケース。
[付記24]
前記収容内面の前記底面が、高位面と、前記高位面よりも低位置にある低位面とを有しており、
前記流通孔が、前記低位面において開口している付記22又は23に記載の薬剤収容ケース。
[付記25]
前記ケース突出管部が外周面を有しており、前記外周面に環状シール部材が取り付けられている付記14から16及び22から24のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
[付記26]
前記収容内面を形成する壁部の少なくとも一部が透明性を有している付記14から25のいずれか1項の記載の薬剤収容ケース。
[付記27]
前記収容内面の側面を形成する壁部が透明性を有している付記26に記載の薬剤収容ケース。
[付記28]
ケース本体部と蓋部とから構成されており、
前記ケース本体部が、前記薬剤収容空間を上側に向かって開放するケース開口と前記ケース接続部とを有しており、
前記蓋部が、前記ケース開口を塞いている付記14から27のいずれか1項に記載の薬剤収容ケース。
【0139】
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も開示されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成及びそれらの組み合わせは、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
【0140】
前記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。
【符号の説明】
【0141】
10、20、30・・・シャワーヘッド
100・・・本体部
102・・・導水部
104・・・吐水部
110・・・主流路
112・・・本体接続部
120・・・散水孔
130・・・分岐流路
144・・・円周内面
148・・・シール当接面
150・・・本体突出管部
152・・・内側流路
200・・・薬剤収容ケース
202・・・ケース本体部
204・・・蓋部
214・・・ケース接続部
230・・・薬剤収容空間
232・・・収容内面
232a・・・底面
232b・・・側面
232c・・・上面
240・・・流入孔
250・・・流出孔
264・・・ケース突出管部
268・・・流入流路形成部
270・・・内側接続面
272・・・流入流路
274・・・水流区画部
300・・・水流分岐部材
306・・・分岐開口
402・・・ケース本体部
404・・・移動部材
500・・・本体部
600・・・流路分岐部材
612・・・操作部
618・・・露出部
700・・・薬剤
850・・・開閉弁
854・・・弁体
852・・・弁座
900・・・薬剤収容ケース
914・・・ケース接続部
964・・・ケース突出管部
h1・・・高位面
h2・・・低位面
DP1・・・二重管部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23