(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】防災用品備蓄管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020020631
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】516112093
【氏名又は名称】株式会社LA・PITA
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(72)【発明者】
【氏名】澤 直樹
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005696(JP,A)
【文献】国際公開第2015/011802(WO,A1)
【文献】特開2019-082787(JP,A)
【文献】特開2007-323127(JP,A)
【文献】特開2006-092071(JP,A)
【文献】特開2018-097499(JP,A)
【文献】特開2015-172827(JP,A)
【文献】特開2013-246725(JP,A)
【文献】特開2012-248125(JP,A)
【文献】特開2010-108466(JP,A)
【文献】特開2018-181238(JP,A)
【文献】特開2018-106571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害時に用いられる防災用品の備蓄状況を管理するための防災用品備蓄管理システムであって、
前記防災用品の品名、価格を含む品名情報を記憶する品名記憶部と、
前記防災用品が備蓄される拠点を場所情報として記憶する場所記憶部と、
前記防災用品の備蓄を担当する前記拠点毎の担当者を担当者情報として記憶する担当者記憶部と、
どの品名の前記防災用品がどこの拠点のどの担当者によって備蓄されているか、及び前記防災用品の消費期限までの残日数を算出してこれらを品目情報として記憶する品目情報制御記憶部と、
前記残日数を前記担当者に知らせる残日数通知部と、
少なくとも前記品目情報の品名、数量、及び残日数を画面に表示させる表示部と、
前記表示部に表示された内容を、前記残日数が多い順又は少ない順に前記品目情報を並べ替える品目情報ソート部
と、を備え、
前記品名記憶部が、前記防災用品毎の備蓄に必要な面積を記憶し、
前記場所記憶部が、前記防災用品の前記拠点の中での備蓄場所又は前記備蓄場所の中の詳細場所を記憶するとともに、前記備蓄場所又は前記詳細場所の面積を記憶し、
前記品目情報制御記憶部が、備蓄されている前記防災用品と前記備蓄場所又は前記詳細場所と紐付けて記憶し、現在備蓄されている前記防災用品の数量と照らし合わせて、前記備蓄場所又は前記詳細場所に前記防災用品があとどれだけ備蓄できるかを算出して記憶することを特徴とする防災用品備蓄管理システム。
【請求項2】
前記担当者記憶部が、前記備蓄場所毎又は前記詳細場所毎に前記担当者を設定可能であることを特徴とする請求項
1に記載の防災用品備蓄管理システム。
【請求項3】
前記品目情報制御記憶部が、前記防災用品の備蓄されている備蓄金額を、前記品名毎、前記残日数毎、又は前記拠点毎に算出して記憶することを特徴とする請求項1
又は2のいずれか1項に記載の防災用品備蓄管理システム。
【請求項4】
備蓄された前記防災用品に寄付指示を出す操作指示部を備え、
前記寄付指示が出された防災用品の品名、数量、及び該防災用品が備蓄されている拠点を含む寄付情報を記憶するとともに、予め登録した登録者に前記寄付情報を閲覧可能とした寄付情報記憶部を備えることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の防災用品備蓄管理システム。
【請求項5】
前記防災用品に対しての前記担当者毎の購入履歴、持出し履歴、拠点間移動履歴、廃棄履歴を記憶する履歴記憶部を備えることを特徴とする請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の防災用品備蓄管理システム。
【請求項6】
前記品目情報制御記憶部が、前記残日数を所定の範囲毎に分けて、前記所定の範囲毎に表示形態を変えて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれか1項に記載の防災用品備蓄管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時等に用いられる防災用品の備蓄状況を管理するための防災用品備蓄管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消費期限が到来する備蓄物質の有効利用を促進することを目的として、特許第6295004号公報に、所定の基準日から複数年に亘る期間内の各年度に消費期限が到来する備蓄物資のリストを作成する消費期限到来予定物資リスト作成手段を備えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている技術では、各年毎に消費期限が到来する防災用品(備蓄物資)を管理することはできるものの、間もなく消費期限が到来する防災用品を確認したり、備蓄された防災用品全体としての消費期限を確認することがやり難いという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、備蓄された防災用品の消費期限等の管理を容易にできる防災用品備蓄管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の防災用品備蓄管理システムは、
災害時に用いられる防災用品の備蓄状況を管理するための防災用品備蓄管理システムであって、
前記防災用品の品名、価格を含む品名情報を記憶する品名記憶部と、
前記防災用品が備蓄される拠点を場所情報として記憶する場所記憶部と、
前記防災用品の備蓄を担当する前記拠点毎の担当者を担当者情報として記憶する担当者記憶部と、
どの品名の前記防災用品がどこの拠点のどの担当者によって備蓄されているか、及び前記防災用品の消費期限までの残日数を算出してこれらを品目情報として記憶する品目情報制御記憶部と、
前記残日数を前記担当者に知らせる残日数通知部と、
少なくとも前記品目情報の品名、数量、及び残日数を画面に表示させる表示部と、
前記表示部に表示された内容を、前記残日数が多い順又は少ない順に前記品目情報を並べ替える品目情報ソート部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の防災用品備蓄管理システムによれば、どの品名の防災用品がどこの拠点のどの担当者によって備蓄されているか、及び防災用品の消費期限までの残日数を算出して品目情報として記憶する品目情報制御記憶部を備えるため、備蓄されている防災用品の管理を容易にすることができる。また、残日数が多い順又は少ない順に前記品目情報を並べ替える品目情報ソート部を備えるため、防災用品の消費期限までの残日数を一瞥するだけで把握することができる。
【0008】
(2)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
前記場所記憶部が、前記防災用品の前記拠点の中での備蓄場所又は前記備蓄場所の中の詳細場所を記憶するとともに、
前記品目情報制御記憶部が備蓄されている前記防災用品と前記備蓄場所又は前記詳細場所と紐付けて記憶することを特徴とする。
【0009】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、防災用品毎の拠点の中での備蓄場所及び備蓄場所の中の詳細場所と、拠点の中でも防災用品を備蓄する場所を細分化させることができ、これらの備蓄場所及び詳細場所にどの防災用品が備蓄されているかが明確になる。なお、ここでは拠点が最も大きな単位であり、備蓄場所が拠点内の場所、詳細場所が備蓄場所の中の場所で最も細分化された単位であることを意図する。
【0010】
(3)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
前記担当者記憶部が、前記備蓄場所毎又は前記詳細場所毎に前記担当者を設定可能であることを特徴とする。
【0011】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、備蓄場所毎又は詳細場所毎に担当者を設定可能であるため、備蓄状況の細かな管理が可能となる。
【0012】
(4)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
前記品名記憶部が、前記防災用品毎の備蓄に必要な面積を記憶し、
前記場所記憶部が、前記備蓄場所又は前記詳細場所の面積を記憶し、
前記品目情報制御記憶部が、現在備蓄されている前記防災用品の数量と照らし合わせて、前記備蓄場所又は前記詳細場所に前記防災用品があとどれだけ備蓄できるかを算出して記憶することを特徴とする。
【0013】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、備蓄場所又は詳細場所の空き面積と防災用品の備蓄に必要な面積から、備蓄場所又は詳細場所に防災用品があとどれだけ備蓄できるかを算出するため、備蓄場所又は詳細場所の余力を把握することができる。
【0014】
(5)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
前記品目情報制御記憶部が、前記防災用品の備蓄されている備蓄金額を、前記品名毎、前記残日数毎、又は前記拠点毎に算出して記憶することを特徴とする。
【0015】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、防災用品の備蓄されている備蓄金額を、品名毎、残日数毎、及び拠点毎に算出可能なため、棚卸し等の経理処理が容易となる。
【0016】
(6)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
備蓄された前記防災用品に寄付指示を出す操作指示部を備え、
前記寄付指示が出された防災用品の品名、数量、及び該防災用品が備蓄されている拠点を含む寄付情報を記憶するとともに、予め登録した登録者に前記寄付情報を閲覧可能とした寄付情報記憶部を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、操作指示部と寄付情報記憶部とによって、寄付物を希望する者が引き取ることが可能となり、無駄な廃棄物を減らすことができる。
【0018】
(7)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
前記防災用品に対しての前記担当者毎の購入履歴、持出し履歴、拠点間移動履歴、廃棄履歴を記憶する履歴記憶部を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、防災用品に対しての担当者毎の購入履歴等を記憶する履歴記憶部を備えるため、誰が防災用品を購入又は消費等したのかが後になっても分かるようになる。
【0020】
(8)本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例は、
前記品目情報制御記憶部が、前記残日数を所定の範囲毎に分けて、前記所定の範囲毎に表示形態を変えて前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0021】
本発明の防災用品備蓄管理システムの好ましい例によれば、例えば、消費期限を過ぎたもの、消費期限まで30日以内となったもの等を色分け等して表示させることができ、担当者を含むユーザーの注意を引きやすくなる。なお、ここで表示形態を変えるとは、文字や枠の色を変える、文字の種類を変える、文字を点滅させる等、通常の表示とは異なる表示をさせることを意図する。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明の防災用品備蓄管理システムによれば、備蓄された防災用品の消費期限等の管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る防災用品備蓄管理システムを説明する図である。
【
図2】表示部に表示された品目情報制御記憶部及び操作指示部を説明する図である。
【
図3】表示部に表示された品名記憶部を説明する図である。
【
図4】表示部に表示された場所記憶部を説明する図である。
【
図5】表示部に表示された担当者記憶部を説明する図である。
【
図6】表示部に表示された品目入力画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の防災用品備蓄管理システム1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の防災用品備蓄管理システム1は、コンピュータを用いて実施される。また、防災用品とは、災害発生時等に備えて備蓄しておく水、食料、ラジオ、ライト、電池、毛布、簡易トイレ等を意図する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の防災用品備蓄管理システム1は、表示部10と、品目情報制御記憶部11と、品名記憶部12と、場所記憶部13と、担当者記憶部14と、残日数通知部15と、操作指示部16と、寄付情報記憶部17と、履歴記憶部18と、品目情報ソート部19とを備える。また、本実施形態の防災用品備蓄管理システム1は、インターネット等の電気通信回線2を通じて、顧客の本社や各支店等の拠点3、及び寄付を受ける登録者4に接続されている。
【0026】
表示部10は、
図2に示すように、少なくとも品目情報の品名、数量、及び残日数を画面に表示させるものである。ここでは、例として品目情報制御記憶部11の品名、数量、消費期限、拠点、備蓄場所、棚番号、空き数量、担当者、残日数、及び備蓄金額を表の項目として表示させ、さらに操作指示部16の操作を表示させている。これらの表示される項目の説明については後述する。また、表示部は、
図3から
図6に示す品名記憶部12、場所記憶部13、担当者記憶部14、品目入力画面20等も画面に表示させる。
【0027】
品名記憶部12は、
図3に示すように、防災用品の品名、価格を含む品名情報を記憶するものである。ここでは、表の項目として品名、カテゴリー、メーカー名、コード、価格、品面積を備えており、さらに各レコードを編集又は削除するための操作の項目を備えている。ここで、コードには例えばJANコード等を記載することもできる。品面積は、各レコードに記載されている品名の防災用品を備蓄するときに、どれだけの面積を専有するかを記憶したものである。例えば、ラジオでは1個あたり0.005平方メートルの面積を専有することがわかる。
【0028】
また、品名記憶部12の表に新たなレコードを追加するための「新規登録」ボタンと、表の各レコードを操作するための「編集」「削除」のボタンが備えられている。「新規登録」ボタンが押されると、別の図示しない画面が表示され、新たな防災用品を登録することができる。「編集」ボタンが押されると、これも別の図示しない画面が表示され、価格や品面積等を編集することができる。「削除」ボタンが押されると、当該レコードは品名記憶部12から削除される。
【0029】
場所記憶部13は、
図4に示すように、防災用品が備蓄される拠点3を場所情報として記憶するものである。ここでは、表の項目として拠点、備蓄場所、棚番号、棚面積を備える。拠点3とは、顧客の本社や支店、保管用の建物等を意図し、ここでは例として顧客本社、四日市支店、鈴鹿支店、津支店を挙げている。また、顧客は1社ではなく複数社あってもよい。備蓄場所は拠点3の中での防災用品を備蓄する場所であり、詳細場所は備蓄場所の中の詳細な場所である。ここで、備蓄場所としては、例として各拠点3内の倉庫名である「1F倉庫」「4F倉庫」等が挙げられる。また、詳細場所としては、例として各倉庫に配置された棚番号である「H001」「H002」等が挙げられる。この場所記憶部13によって、防災用品を備蓄できる場所がどこにあるのかが明確になる。また、場所記憶部13は、備蓄場所又は詳細場所の面積を記憶することもできる。ここでは、詳細場所としての棚面積を記憶しており、例えば本社の1F倉庫の棚番号H001の棚面積は、0.1平方メートルであることがわかる。
【0030】
また、場所記憶部13の表に新たなレコードを追加するための「新規登録」ボタンと、表の各レコードを操作するための「編集」「削除」のボタンが備えられている。「新規登録」ボタンが押されると、別の図示しない画面が表示され、新たな拠点、備蓄場所、棚番号を登録することができる。「編集」ボタンが押されると、これも別の図示しない画面が表示され、拠点、備蓄場所、棚番号を編集することができる。「削除」ボタンが押されると、当該レコードは場所記憶部13から削除される。
【0031】
担当者記憶部14は、
図5に示すように、防災用品の備蓄を担当する拠点3毎の担当者を担当者情報として記憶するものである。また、担当者記憶部14は、備蓄場所毎又は詳細場所毎に担当者を設定可能である。ここでは、表に担当者、役割、拠点、備蓄場所、棚番号、アラートメール送信タイム、備考の項目を備える。役割はここでは拠点管理者と単なる管理者を設けている。拠点管理者とはその拠点3に複数存在する管理者のうち、拠点3全体を管理する管理者である。この役割には、閲覧者として閲覧のみできるものを設けてもよい。また、担当者毎に詳細場所である棚番号まで設定可能である。アラートメール送信タイムは、当該担当者に消費期限の前のいつに、すなわち残日数がどれだけになったときに通知するかを設定するところである。このアラートメールは、残日数通知部15によってなされる。備考の項目に記載されている「主管理者アカウント」は、例えば全拠点3の全担当者の情報を閲覧、編集することができるアカウントである。さらに、担当者記憶部14は、担当者を防災用品毎に設定可能とすることもできる。この場合、
図5に示す表にさらに「防災用品」の項目を設け、担当者を割り当てればよい。
【0032】
また、担当者記憶部14の表に新たなレコードを追加するための「新規登録」ボタンと、表の各レコードを操作するための「編集」「削除」のボタンが備えられている。「新規登録」ボタンが押されると、別の図示しない画面が表示され、新たな担当者を登録することができる。「編集」ボタンが押されると、これも別の図示しない画面が表示され、担当者名、拠点、備蓄場所、棚番号、アラートメール送信タイム等を編集することができる。「削除」ボタンが押されると、当該レコードは場所記憶部13から削除される。
【0033】
品目情報制御記憶部11は、
図2に示すように、どの品名の防災用品がどこの拠点3のどの担当者によって備蓄されているか、及び防災用品の消費期限までの残日数を算出してこれらを品目情報として記憶するものである。ここでは、表に品名、数量、消費期限、拠点、備蓄場所、棚番号、空き数量、担当者、残日数、及び備蓄金額の項目を備えているが、他にも納品日、伝票番号、納入業者等の項目を設けることができる。なお、
図2に示す表では、例えば主管理者アカウントでログインしたときの表示を想定して、全ての拠点3と全ての担当者を表示させているが、ログインする者の権限によって特定の拠点3のみ又は自らが担当する範囲のみの表示とすることもできる。
【0034】
これらの情報は、
図2の「新規登録」ボタンが操作されることによって、
図6に示す品目入力画面20が表示されここで入力される。ここでは、拠点、担当者、納品日、伝票番号、品名、保存場所、棚番号、消費期限、数量等が入力される。この入力には、適宜、品名記憶部12、場所記憶部13、担当者記憶部14等が参照される。例えば、拠点3を入力するときには逆三角形のアイコンをクリックしてプルダウンメニューを表示させることができるが、このとき場所記憶部13が参照され、任意の拠点を選択することができる。この品名入力画面が入力されることで、品目情報制御記憶部11に新たな情報が記憶され、
図2に示す表に新たなレコードが追加される。
【0035】
図2の項目の説明に戻り、空き数量は、
図4に示す場所記憶部13の該当する棚面積から、
図3に示す品名記憶部12の該当する品面積に品目情報制御記憶部11の数量を乗じた面積を引き、あとどれだけ同じ品名の防災用品が備蓄できるかを算出したものである。この算出には、面積だけでなく、高さを考慮して体積で算出することもできる。例えば、
図2の品名「ラジオ」のレコードでは、本社の1F倉庫の棚H001にラジオが10個備蓄されている。ここで、棚H001の棚面積は0.1平方メートルである(
図4参照)。また、ラジオの品面積は0.005平方メートルである(
図3参照)。すると0.1-0.005×10=0.05となり、棚H001の空き面積は0.05平方メートルである。これをラジオの品面積である0.005平方メートルで除すると10となり、ラジオがあと10個置けることになる。なお、ここでは詳細場所である棚面積を用いているが、備蓄場所の面積を用いて算出することもできる。
【0036】
また、残日数は、防災用品毎の消費期限までの残日数を算出されたものである。例えば、現在日が2020年1月27であって、消費期限が2022年10月5日であるとすると、現在日から消費期限の日までの日数を計算して982日とするのである。さらに、残日数を所定の範囲毎に分けて、所定の範囲毎に表示形態を変えて表示部10に表示させることもできる。例えば、残日数が90日を超えてあるときは通常の表示、30日を超えて90日以内であるときは文字を太字で表示、30日以内であるときは文字を太字の斜体文字で表示、消費期限が切れているときは表示枠に網掛けをする等である。表示形態を変える他の例としては、文字の色、枠の色を変えることもできる。
【0037】
また、防災用品の備蓄されている備蓄金額を、品名毎、残日数毎、及び拠点3毎に算出可能である。この備蓄金額とは、
図3に示す品名記憶部12の価格に品目情報制御記憶部11の数量を乗じたものである。ここでは、品目情報制御記憶部11の品名毎(レコード毎)に算出している。これにより、例えば保存水の備蓄金額はいくら、残日数が1年以内のものはいくら、本社に備蓄されている防災用品の金額はいくらというように、在庫の状況を把握することができる。また、残日数を所定の範囲に定めて備蓄金額を算出することで、年度単位で入れ替える防災用品の金額が明確となり、年度毎の予算を立てやすくなる。
【0038】
操作指示部16は、防災用品毎に持出し指示、寄付指示、廃棄指示の各指示を出すためのものであり、
図2に示す表の操作の項目の各欄に表示されている「持出し」「寄付」「廃棄」のいずれかをマウスでクリックする等して操作される。持出し指示は、その防災用品を消費したときに操作されるもので、例えば
図2に示す表の操作項目の「持出し」ボタンをマウスでクリックする等の操作によって持出し指示が出される。このとき、別の図示しない画面を表示させて、持出し数を指定することもできる。
【0039】
寄付指示は、防災用品毎に寄付指示を出すもので、
図2に示す表の操作項目の「寄付」ボタンをマウスでクリックする等の操作によって寄付指示が出される。
寄付情報記憶部17は、寄付指示が出された防災用品の品名、数量、及び該防災用品が備蓄されている拠点3を含む寄付情報を記憶するとともに、予め登録した登録者4に寄付情報を閲覧可能とするものである。これにより、品質に問題のない防災用品の譲り受けを期待する登録者4に、速やかに寄付情報を伝えることができる。なお、寄付情報記憶部17は、寄付指示がなされた時点で、登録者4に寄付指示がなされた旨を電子メール等で通知することもできる。
【0040】
廃棄指示は、防災用品毎に廃棄指示を出すもので、例えば
図2に示す表の操作項目の「廃棄」ボタンをマウスでクリックする等の操作によって廃棄指示が出される。なお、操作指示部16による持出し指示、寄付指示、廃棄指示の操作がなされることで、当該防災用品は品目情報制御記憶部11から削除され、
図2に示す表からも消去される。
【0041】
履歴記憶部18は、防災用品に対しての担当者毎の購入履歴、持出し履歴、拠点間移動履歴、寄付履歴、廃棄履歴を記憶するものである。これにより、どの担当者が当該防災用品を購入したのか、持ち出したのか、拠点間移動をしたのか、あるいは寄付又は廃棄したのかが明確となる。
【0042】
品目情報ソート部19は、表示部10に表示された内容を、残日数が多い順又は少ない順に品目情報を並べ替えるものである。例えば、
図2に示す項目名「残日数」をマウスでクリックする等することで、表示部10に表示された各レコードを残日数の昇順又は降順に並べ替えることができる。これにより、残日数が多い防災用品又は少ない防災用品を一瞥することができる。この品目情報ソート部19は、残日数だけでなく、品名、拠点、備蓄場所、棚番号、備蓄金額の各項目においても並べ替えが可能である。
【0043】
以上、説明したように、本実施形態の防災用品備蓄管理システム1によれば、表示部10に防災用品の品名、拠点、備蓄場所、詳細場所としての棚番号、数量が表示されるため、どの拠点3のどの場所にどの防災用品がどれだけ備蓄されているかを把握することができる。また、表示部10に空き数量が表示されているため、あとどれだけ同じ品名の防災用品を追加で備蓄することができるのかが明確になる。また、消費期限までの残日数が表示されており、品目情報ソート部19でこの残日数を降順又は昇順に並び替えることができるため、期限管理が容易となる。また、この残日数は、所定の範囲毎に表示が変えられているため、消費期限間近のもの又は消費期限を過ぎたものが一目瞭然である。
【0044】
また、担当者が拠点3毎、備蓄場所毎、詳細場所毎、又は防災用品毎に設定されるとともに表示されており、誰が何を担当しているかが明確となる。さらに、履歴記憶部18によって、どの担当者がいつ購入したのか、いつ持ち出したのか、いつ拠点間移動をしたのか、いつ寄付したのか、いつ廃棄したのかが記憶され、防災用品の数が合わないとき等に追跡して原因を突き止めることができる。また、備蓄された防災用品の品名毎や期限毎に備蓄金額を算出することができ、予算管理がし易くなる。また、操作指示部16によって「持出し」「寄付」「廃棄」のいずれかが選択でき、「寄付」を選択したときは寄付情報記憶部17によって、予め登録した登録者4に寄付の情報を知らせることができ、無駄な廃棄物を削減することができる。
【0045】
なお、上述した防災用品備蓄管理システムは、本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。例えば、
図2から
図5に示す品目情報制御記憶部、品名記憶部、場所記憶部、担当者記憶部の各項目の種類や数はこれに限られず、少なくしてもよく他の項目を追加してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1・・防災用品備蓄管理システム、2・・電気通信回線、3・・拠点、4・・登録者、
10・・表示部、11・・品目情報制御記憶部、12・・品名記憶部、13・・場所記憶部、14・・担当者記憶部、15・・残日数通知部、16・・操作指示部、17・・寄付情報記憶部、18・・履歴記憶部、19・・品目情報ソート部、
20・・品目入力画面、