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  • 特許-石詰め袋及び石詰め袋の使用方法 図1
  • 特許-石詰め袋及び石詰め袋の使用方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】石詰め袋及び石詰め袋の使用方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/08 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
E02B3/08 301
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020061599
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021161641
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】597064104
【氏名又は名称】朝日精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(72)【発明者】
【氏名】水谷 重光
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-155509(JP,A)
【文献】特開2005-054381(JP,A)
【文献】実開昭59-051818(JP,U)
【文献】特開2007-327324(JP,A)
【文献】特開2001-073339(JP,A)
【文献】実開昭59-051819(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する縁辺(21,22)を二組備え網糸(23)が針金と繊維材からなる網材(20)の、一方の組の縁辺(21)が近接又は重なり合う状態となって開口部(13)を構成し、他方の組の縁辺(22)が対となる本体端部(12)を構成する筒状の本体部(11)と、前記開口部(13)を綴じる綴じ紐(14,15)と、を備える石詰め袋(10)であって、
前記網糸(23)が複数本の針金と複数本の繊維材とを撚り合わせたものであり、
前記本体端部(12)が、前記網糸(23)の対向する交差部(24)同士が結束されることで閉じられており、
前記綴じ紐(14,15)が複数本設けられ、一部の綴じ紐(14)が前記開口部(13)を閉じるためのものであり、その他の綴じ紐(15)が隣接する他の石詰め袋(10)との連結用であることを特徴とする石詰め袋(10)。
【請求項2】
対向する縁辺(21,22)を二組備え網糸(23)が針金と繊維材からなる網材(20)の、一方の組の縁辺(21)が近接又は重なり合う状態となって開口部(13)を構成し、他方の組の縁辺(22)が対となる本体端部(12)を構成する筒状の本体部(11)と、前記開口部(13)を綴じる綴じ紐(14,15)と、を備える石詰め袋(10)であって、
前記網糸(23)が複数本の針金と複数本の繊維材とを撚り合わせたものであり、
前記本体端部(12)が、前記網糸(23)の対向する交差部(24)同士が結束されることで閉じられており、
前記交差部(24)同士を結束するための結束用網糸(30)を前記本体端部(12)のそれぞれに備え、
前記結束用網糸(30)が対向する前記網糸(23)の交差部(24)同士を結束するとともに、前記本体端部(12)における交差部(24a)と隣接する交差部(24b)とを連結して、交差部(24a)と隣接する交差部(24b)との距離(L1)を所定以下に保つことを特徴とする石詰め袋(10)。
【請求項3】
前記本体端部(12)における交差部(24a)と隣接する交差部(24b)との距離(L1)が、前記本体端部(12)の交差部(24a,24b)と網糸(23)で結ばれた奥側の交差部(24c)との距離(L2)の0.5~1.5倍である請求項2に記載の石詰め袋(10)。
【請求項4】
請求項に記載の石詰め袋(10)を用いる石詰め袋の使用方法であって、
前記開口部(13)を広げる成形工程と、
前記開口部(13)から石を前記本体部(11)に詰める石詰め工程と、
前記一部の綴じ紐(14)で前記開口部(13)を綴じる綴じ工程と、
前記その他の綴じ紐(15)で隣接する他の石詰め袋(10)と連結する連結工程と、
を含むことを特徴とする石詰め袋の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石を詰めて捨石構造物等を構築する際に使用する石詰め袋及び石詰め袋の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石詰め作業性、取扱性、常備性、及び耐久性の向上を目的として、実公昭63-22173号公報に、合成樹脂モノフィラメントの織成によって作られた網材を、その向かい合う側縁が対峙するように折曲げるとともに、折曲体の両端部を封じることによって、対峙する側縁の間を開口部とする蛇籠が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭63-22173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている蛇籠は、合成樹脂モノフィラメントからなる網材によって構成されているため、石を詰めた蛇籠を重ねた際に網糸が上下の石に挟まれて、あるいは石の角で網糸がすり切れて切断されてしまうおそれがあった。また、合成樹脂は、保管時に蛇籠を折畳む又は小さくまとめていると、その形状の癖がついてしまい、実際に石詰め作業をするときに開口部を開いた状態で保つことが困難となり、片手で開口部を開きながら石詰め作業をしなければならない可能性があるという課題があった。また、上記の蛇籠に石を詰める際、蛇籠が平面的な形状をしているため、石を詰め難いという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、網糸を針金と繊維材で構成することで、網糸が切断されることがなく、また、本体部がある程度の形状の保持力を有するとともに使用時に立体的に形成されることで、石詰めの作業性を向上させた石詰め袋及び石詰め袋の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の石詰め袋は、
対向する縁辺を二組備え網糸が針金と繊維材からなる網材の、一方の組の縁辺が近接又は重なり合う状態となって開口部を構成し、他方の組の縁辺が対となる本体端部を構成する筒状の本体部と、前記開口部を綴じる綴じ紐と、を備える石詰め袋であって、
前記網糸が複数本の針金と複数本の繊維材とを撚り合わせたものであり、
前記本体端部が、前記網糸の対向する交差部同士が結束されることで閉じられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の石詰め袋によれば、本体端部の網糸の対向する交差部同士が、対向した状態で結束されることで閉じられる。これにより、筒状の本体部の端を構成する本体端部が、縫製の地縫いのような形になり、使用前は本体部の厚さを薄くすることができる。さらに、網糸が針金と繊維材からなる網材を用いて構成されるため、本体部の形状を保ちやすくなる。
【0008】
本発明の石詰め袋の好ましい例は、
前記交差部同士を結束するための結束用網糸を前記本体端部のそれぞれに備え、
前記結束用網糸が対向する前記網糸の交差部同士を結束するとともに、前記本体端部における隣接する交差部同士を連結して所定の距離以下に保つことを特徴とする。
【0009】
本発明の石詰め袋の好ましい例によれば、本体端部において結束用網糸が対向する網糸の交差部同士を結束するとともに、隣接する交差部同士を連結して隣接する交差部と交差部との距離を所定以下に保つため、本体端部の幅が過剰に広がることがなく、強度及び本体部の形状保持に優れる石詰め袋とすることができる。
【0010】
本発明の石詰め袋の好ましい例は、
前記交差部同士を結束するための金属カシメ具を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の石詰め袋の好ましい例によれば、金属カシメ具で交差部同士を結束するため、製造が簡易なものとなって、ユーザーが好みの大きさの石詰め袋を製造することができる。
【0012】
本発明の石詰め袋の好ましい例は、
前記綴じ紐が複数本設けられ、一部の綴じ紐が前記開口部を閉じるためのものであり、その他の綴じ紐が隣接する他の石詰め袋との連結用であることを特徴とする。
【0013】
本発明の石詰め袋の好ましい例によれば、その他の綴じ紐で隣接する他の石詰め袋同士を連結することができるため、石詰め袋を現場に載置又は積み重ねた後の安定性を高めることができる。
【0014】
本発明の石詰め袋の好ましい例は、
前記本体部が前記開口部からその表裏を反転可能に構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明の石詰め袋の好ましい例によれば、本体端部が地縫いのように構成されるとともに、本体部が開口部からその表裏を反転可能に構成されるため、本体部を裏返した状態で本体端部が立体的になり、石詰め作業がやりやすくなる。
【0016】
本発明の石詰め袋の使用方法は、
上述した石詰め袋を用いる石詰め袋の使用方法であって、
前記開口部を広げる成形工程と、
前記開口部から石を前記本体部に詰める石詰め工程と、
前記綴じ紐で前記開口部を綴じる綴じ工程と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の石詰め袋の使用方法は、
上述した石詰め袋を用いる石詰め袋の使用方法であって、
請求項4に記載の石詰め袋を用いる石詰め袋の使用方法であって、
前記開口部を広げる成形工程と、
前記開口部から石を前記本体部に詰める石詰め工程と、
前記一部の綴じ紐で前記開口部を綴じる綴じ工程と、
前記その他の綴じ紐で隣接する他の石詰め袋と連結する連結工程と、
を含むことを特徴とする。
【0018】
これらの本発明の石詰め袋の使用方法によれば、上述した石詰め袋と同様の作用効果を奏することができる。
【0019】
本発明の石詰め袋の使用方法の好ましい例は、
前記石詰め工程が、
前記本体部の四隅に予め石を詰める予備詰め工程と、
前記本体部の全体に石を詰める本詰め工程と、
を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の石詰め袋の使用方法の好ましい例によれば、先に本体部の四隅に石を詰めるため、本体部及び開口部の形状保持が容易になるとともに、あとどれだけ本体部に石を詰めることができるのかを把握しやすくなり、作業が容易となる。
【0021】
本発明の石詰め袋の使用方法は、
上述した石詰め袋を用いる石詰め袋の使用方法であって、
前記開口部から前記本体部の表裏を反転させる裏返し工程と、
前記本体端部を上下方向に伸ばして前記本体部を立体的に成形するとともに前記開口部を広げる成形工程と、
前記開口部から石を前記本体部に詰める石詰め工程と、
前記綴じ紐で前記開口部を綴じる綴じ工程と、
を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の石詰め袋の使用方法によれば、上述した石詰め袋と同様の作用効果を奏することができる。
【0023】
本発明の石詰め袋の使用方法の好ましい例は、
前記石詰め工程が、
前記本体部の四隅に予め石を詰める予備詰め工程と、
前記本体部の全体に石を詰める本詰め工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明の石詰め袋及び石詰め袋の使用方法によれば、網糸を針金と繊維材で構成することで、網糸が切断されることがなく、また、本体部がある程度の形状の保持力を有するとともに使用時に立体的に形成されることで、石詰めの作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る石詰め袋を説明する図である。
図2】網材を説明する図である。
図3】交差部同士の結束に金属カシメ具を用いた例を説明する図である。
図4】石詰め袋を裏返した状態を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る石詰め袋の使用方法を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る石詰め袋の使用方法を説明する他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の石詰め袋10及び石詰め袋の使用方法の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。先ずは、石詰め袋10の実施形態を説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の石詰め袋10は、網材20からなる本体部11と、複数本の綴じ紐14,15と、を備える。本体部11は、図2に示すような対向する二組の縁辺21,22を備える1枚の網材20を、図中のA線とB線とで折曲げて二組の縁辺21,22のうち一組の縁辺21が近接又は重なり合うようにして略筒状としたものであり、近接又は重なり合う一組の縁辺21が石詰め袋10の開口部13を構成する。ここでは、前記一組の縁辺21の両端近傍を互いに結束させることで綴じ、一組の縁辺21の中央部分を開口部13としている。そして、他方の組の縁辺22が本体部11の両端となる本体端部12を構成し、前記本体端部12の縁辺22の網糸23の対向する交差部24同士が結束されることで閉じられる。この交差部24同士の結束の詳細については後述する。
【0028】
また、開口部13の近傍には、石詰め袋10に石を詰めた後、開口部13を綴じるための綴じ紐14,15が備えられる。この綴じ紐14,15は複数本設けられ、一部の綴じ紐14が開口部13を閉じるためのものであり、その他の綴じ紐15が隣接する他の石詰め袋10との連結用である。なお、これらの綴じ紐14,15は、本実施形態では2本であるが、これを超える本数の綴じ紐を備えても良いし、一部の綴じ紐14のみとしても良い。また、本実施形態では、開口部13の一端に2本の綴じ紐14,15を設けているが、開口部13の両端等の様々な場所に設けることもできる。この綴じ紐14,15は、後述する網材20の網糸23と同じ素材のものを用いている。
【0029】
網材20は、図2に示すように、網糸23を格子状に編んだものであり、その網糸23は針金と繊維材からなる。針金の材質としては特に限定されず、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等が採用できる。本実施形態では、耐腐食性能、引っ張り強度等からステンレスの針金を用いている。繊維材としては網、ロープに使用されている公知の合成繊維や天然繊維を採用することができる。本実施形態では、繊維材として合成樹脂モノフィラメントを採用している。なお、網糸23として、例えば直径0.15~0.4mmのステンレスの針金を1~4本と、直径0.15~0.4mmの合成樹脂モノフィラメントを6~12本撚り合わせたものを、さらに2~3本束ねて撚ったもの等が採用できる。なお、網材20には、網糸23を交差部24,25で結んだ有結節網を用いることが好ましい。
【0030】
また、本実施形態の石詰め袋10は、図1の拡大図にも示すように、網材20の縁辺22の網糸23の対向する交差部24同士の結束のために、上述の網材20に用いられる網糸23と同じ素材を用いた結束用網糸30を備える。この結束用網糸30は、本体端部12のそれぞれに備えられるため、1つの石詰め袋10に対して2つ設けられる。この結束用網糸30が、網材20の網糸23の対向する交差部24同士を結束するとともに、縁辺22における隣接する交差部24a,24b同士を連結して、これらの交差部24a,24b同士を所定の距離以下に保つのである。具体的には、縁辺22における隣接する交差部24a,24b同士を連結する結束用網糸30の長さL1を、網材20の網目を構成する網糸23で結ばれた隣接する交差部24b,24c同士の網糸23の長さL2の0.5~1.5倍、好ましくは0.8~1.2倍にして、本体端部12の幅が必要以上に広がることを防止している。
【0031】
また、図3に示すように、他の実施形態として、縁辺22における網糸23の対向する交差部24同士の結束に、金属カシメ具31を用いることもできる。この金属カシメ具31としては、例えば、フェンスをかしめるためのフェンスクリップ、ソーセージや漬物等の包装に用いられるケーシング材料又は袋口の閉塞クリップ等を採用することができる。さらに、縁辺22における網糸23の対向する交差部24同士の結束に、公知の結束バンド、針金、紐、網糸23と同じ素材等を用いることもできる。これらの場合、上記の縁辺22における隣接する交差部24a,24b同士を連結するための結束用網糸30は、用いてもよいが必ずしも用いる必要はない。
【0032】
なお、網材20の網糸23の交差部24同士の結束については、結束用網糸30、金属カシメ具31ともに、網材20から見て交差部24の内側を結束することが好ましい。これは、石詰め袋10に石を詰めて持ち上げたときに、本体部11の本体端部12を開こうとする力が加えられるが、結束された外側に網糸23の交差部24、すなわち結び目があるため、この交差部24に結束用網糸30や金属カシメ具31等が当接し、網材20の網糸23からから結束用網糸30や金属カシメ具31が抜けることがないからである。
【0033】
また、本実施形態の石詰め袋10は、図4に示すように、本体部11が開口部13からその表裏を反転可能に構成される。図4は、図1に示す石詰め袋10を裏返して矢印aの方向から見た状態を模式的に表わした図である。図中の拡大図にも示すように、地縫いのように処理された本体端部12が、裏返しにされることで襠が設けられたような状態となり、立体的な形状となる。さらに、網糸23が複数本の針金と複数本の繊維材とを撚り合わせたものであるため可撓性に優れ、曲げられて立体的にされた本体部11の形状をそのまま保持させることができる。
【0034】
次に、上述した本実施形態の石詰め袋10の構成要素を踏まえて、石詰め袋の使用方法の実施形態について説明する。本実施形態の石詰め袋の使用方法は、裏返し工程と、成形工程と、石詰め工程と、綴じ工程と、連結工程とを含む。また、石詰め工程は、予備詰め工程と、本詰め工程とを含む。
【0035】
先ず、裏返し工程を説明する。図5に示すように、本実施形態の石詰め袋10は、製造され開封された状態では、本体端部12が地縫いのように結束されており、本体部11が平らになっている。これを、開口部13から本体部11の中に手を入れて、開口部13から本体部11の表裏を反転させるのである。次に、図6に示すように、成形工程として、本体端部12を上下方向に伸ばして本体部11を立体的に成形するとともに開口部13(図中の一点破線)を広げるのである。
【0036】
次に、石詰め工程として、本体部11の中に石40を詰めるのであるが、先に予備詰め工程をする。この予備詰め工程は、立体的に形成した本体部11の四隅に石40を置くのである(図中の破線)。次に、本詰め工程として、本体部11の全体に石を詰めていく。次に、綴じ工程として、一部の綴じ紐14で開口部13を綴じる。さらに、必要に応じて連結工程を行ない、その他の綴じ紐15で隣接する他の石詰め袋10と連結するのである。
【0037】
以上、説明したように、本実施形態の石詰め袋10及び石詰め袋の使用方法によれば、本体端部12の縁辺22における網糸23の対向する交差部24同士が結束されることで、本体端部12が地縫いのような形になる。また、本体部11が開口部13からその表裏を反転可能に構成されるため、本体部11を裏返しにすることができる。このため、本体部11を裏返したとき、本体端部12に襠が設けられたような状態となって、本体部11が立体的な形状になる。また、網材20に針金と繊維材とを用いているため、本体部11の立体的な形状と、開いた開口部13の形状とを保つことができる。これにより、本体部11に石を詰める作業を楽に行なうことができる。
【0038】
また、結束用網糸30よって、隣接する交差部24a,24b同士を連結して所定の距離以下に保つことができる。このため、本体端部12の幅が結束用網糸30の長さより広がることがなく、本体部11の形状が保ちやすくなる。これにより、石詰め袋10を積み重ねるときの作業が容易になるとともに、積み重ねた石詰め袋10の安定性を増すことができる。また、金属カシメ具31を用いる形態では、ユーザーが所望する大きさに網材20を切断し、所望する大きさに石詰め袋10を作成することができる。
【0039】
また、綴じ紐14,15が複数本設けられ、その他の綴じ紐14,15が隣接する他の石詰め袋10との連結用に使用することができるため、複数の石詰め袋10を敷いたとき又は積み重ねたときのずれを防止することができる。
【0040】
また、石詰め工程に予備詰め工程を含むため、石詰め作業における石詰め袋10の形状や状態を安定させることができる。さらに、予備詰め工程をすることで、石詰め袋10にあとどれだけの石を詰めることができるのか、又はどれだけ石を詰めると石詰め袋10が安定するのかを、視覚的に判断し易くなり、石詰め作業が容易となる。
【0041】
なお、上述した石詰め袋及び石詰め袋の使用方法は、本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0042】
10・・石詰め袋、11・・本体部、12・・本体端部、13・・開口部、14,15・・綴じ紐、
20・・網材、21,22・・縁辺、23・・網糸、24・・交差部、
30・・結束用網糸、31・・金属カシメ具、
40・・石、
図1
図2
図3
図4
図5
図6