(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】業務管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240220BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20240220BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q20/10
(21)【出願番号】P 2022053236
(22)【出願日】2022-03-29
(62)【分割の表示】P 2018239801の分割
【原出願日】2018-12-21
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】516271378
【氏名又は名称】株式会社あらい
(74)【代理人】
【識別番号】100163979
【氏名又は名称】濱名 哲也
(72)【発明者】
【氏名】荒井 宏治
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-288442(JP,A)
【文献】特開2002-015137(JP,A)
【文献】特開2010-049348(JP,A)
【文献】特開平10-240838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサに支払いに関する情報を処理させる業務管理システムであって、
銀行サーバと、
予定されている銀行口座からの送金に関する情報である送金予定情報が登録される情報登録部と、
前記情報登録部から前記送金予定情報を取得する予定情報取得部と、
前記送金予定情報を前記銀行サーバに送信する情報送信部と、
前記送金予定情報に基づいて前記銀行サーバから送信される支払確認情報を取得する確認情報取得部と、
前記支払確認情報を取得した旨を出力する出力装置と、
伝票を作成する伝票作成部と、を備え、
前記情報送信部は、支払指示の旨を示す最終支払指示情報が入力される場合、前記最終支払指示情報を前記銀行サーバに送信し、
前記伝票作成部は、前記銀行サーバが前記最終支払指示情報を受信する場合において前記送金予定情報に基づいてユーザの前記銀行口座から送金したときの送金完了情報と、前記送金予定情報と
を比較し、一致する場合
に、前記伝票を作成
し、
前記送金予定情報は、送金額、送金先の口座に関する情報、および、送金予定日のうちの少なくとも1つの項目を含む複数の項目を有し、
前記送金完了情報は、送金額、送金先の口座に関する情報、および、送金日のうちの少なくとも1つの項目を含む複数の項目を有する、
業務管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は業務管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの業務を管理する業務管理システムが知られている。例えば、特許文献1は銀行のコンピュータシステム(9)と通信可能であるサーバ(6)、および、サーバ(6)と接続されるコンピュータ端末(1)を備えるエレクトロニック・バンキングシステム(10)を開示している。サーバ(6)はユーザの要求に応じて銀行のコンピュータシステム(9)から入金データを取得する。コンピュータ端末(1)にインストールされている業務システム(12)は入金データに基づいて入金伝票を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記エレクトロニック・バンキングシステム(10)では、例えば、銀行口座に誤った額が入金された場合、誤った入金データに基づいて入金伝票が作成されることがあるため、作成された入金伝票が正しいか否かをユーザが確認する必要がある。このため、業務管理の負担が大きい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関する業務管理システムは予定されている銀行口座からの送金に関する情報である送金予定情報を取得する予定情報取得部と、前記送金予定情報を銀行のサーバに送信する情報送信部と、前記送金予定情報に基づいて銀行から送信される支払確認情報を取得する確認情報取得部と、前記支払確認情報に基づいて伝票を作成する伝票作成部とを備える。
上記業務管理システムによれば、支払確認情報に基づいて伝票が自動で作成されるため、業務管理の負担が低減される。
【0006】
以下は、本発明に関連する参考の業務管理システムの技術である。
(1)参考の業務管理システムは予定されている銀行口座の入金に関する情報である入金予定情報を取得する予定情報取得部と、前記銀行口座に入金された情報である口座入金情報を銀行のサーバから取得する口座情報取得部と、前記入金予定情報と前記口座入金情報とを比較する情報比較部とを備える。
上記業務管理システムによれば、情報比較部の比較結果に基づいて、入金予定情報および口座入金情報が正しいか否かを把握できるため、業務管理の負担が低減される。
【0007】
(2)好ましい例では(1)に記載の業務管理システムにおいて、前記入金予定情報を登録する情報登録部をさらに備える。
このため、入金予定情報を容易に登録できる。
【0008】
(3)好ましい例では(1)または(2)に記載の業務管理システムにおいて、前記情報比較部の比較結果に基づいて伝票を作成する伝票作成部をさらに備える。
このため、業務管理の負担が一層低減される。
【0009】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載の業務管理システムにおいて、前記予定情報取得部はECサイトに掲載される商品の注文に関する情報に基づいて前記入金予定情報を取得する。
このため、ECサイトに掲載される商品に関する業務管理の負担が低減される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に関する業務管理システムによれば、業務管理の負担が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1の業務管理サーバの詳細な構成を示すブロック図。
【
図3】口座情報取得部、情報比較部、および、伝票作成部が構築される場合の銀行マッチングソフトの実行手順の一例を示すフローチャート。
【
図4】口座情報取得部、情報比較部、および、伝票作成部が構築される場合の銀行マッチングソフトの実行手順の別の一例を示すフローチャート。
【
図5】情報送信部、確認情報取得部、および、伝票作成部が構築される場合の銀行マッチングソフトの実行手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
業務管理システム1はユーザの業務を管理するシステムである。ユーザの一例は卸売業者である。ユーザが販売する商品(以下「取扱商品」という)の一例は住宅設備機器、空調機器、オフィス家具、事務用品、および、福祉用具である。ユーザは製造業者から仕入れた取扱商品を実店舗(図示略)およびEC(Electronic Commerce)サイト200の少なくとも一方を介して顧客に販売する。業務管理システム1は入金予定情報および送金予定情報に基づいて業務を管理する。入金予定情報は予定されているユーザの銀行口座の入金に関する情報である。入金予定情報には、複数の項目(以下「入金予定項目」という)が含まれる。入金予定項目は例えば、入金が予定される者(以下「入金予定者」という)の氏名または名称、予定される入金額、および、予定される入金日が含まれる。送金予定情報は予定されている銀行口座からの送金に関する情報である。送金予定情報には、複数の項目(以下「送金予定項目」という)が含まれる。送金予定項目は例えば、送金額、送金先の口座に関する情報、および、送金予定日が含まれる。
【0013】
図1は業務管理システム1のブロック図である。業務管理システム1は業務管理サーバ10、サイト管理サーバ20、および、端末30を備えている。業務管理サーバ10、サイト管理サーバ20、および、端末30は例えば、ユーザの事業所に設置される。業務管理サーバ10、サイト管理サーバ20、および、端末30はネットワークを構成する。業務管理サーバ10およびサイト管理サーバ20と端末30との通信の形態は有線通信または無線通信である。業務管理サーバ10とサイト管理サーバ20との通信の形態は有線通信または無線通信である。業務管理サーバ10はユーザの銀行口座の入金および送金に関する情報(以下「ユーザ口座情報」という)を保有する銀行のサーバ100(以下「銀行サーバ100」という)と通信可能に接続される。業務管理サーバ10と銀行サーバ100との通信の形態は有線通信または無線通信である。有線通信の一例はISDN(Integrated Services Digital Network)である。
【0014】
端末30の一例はパーソナルコンピュータ、タブレット、および、スマートフォンである。
図1に示される例では、端末30はパーソナルコンピュータである。端末30は本体31、入力装置32、および、出力装置33を備えている。本体31はプロセッサ31Aおよび記憶装置31Bを備えている。記憶装置31Bは主記憶装置(図示略)および補助記憶装置(図示略)を含む。主記憶装置の一例はメモリである。補助記憶装置の一例はハードディスクである。プロセッサ31Aは記憶装置31Bと通信できるように記憶装置31Bと接続されている。入力装置32はキースキャンコードを本体31に送信できるように本体31と接続されている。入力装置32の一例はキーボードである。出力装置33は本体31から出力された信号を受信できるように本体31と接続されている。出力装置33の一例は液晶ディスプレイである。
【0015】
銀行サーバ100はプロセッサ110および記憶装置120を備えている。記憶装置120の一例はハードディスクである。記憶装置120はユーザ口座情報を管理する1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「口座情報管理ソフト」という)を記憶する。プロセッサ110は記憶装置120と通信できるように記憶装置120と接続されている。プロセッサ110が業務管理サーバ10からの要求に応じて記憶装置120に記憶されている口座情報管理ソフトを実行することによって、プロセッサ110の1または複数の機能ブロックが構築される。1または複数の機能ブロックには、受信部111および送信部112が含まれる。受信部111は業務管理サーバ10から送信される情報を受信する。送信部112は業務管理サーバ10にユーザ口座情報を含む様々な情報を送信する。ユーザ口座情報には、口座入金情報および送金完了情報が含まれる。口座入金情報はユーザの銀行口座の入金に関する情報である。口座入金情報には、複数の項目(以下「入金完了項目」という)が含まれる。入金完了項目には、例えば、入金者の氏名または名称、入金額、および、入金日が含まれる。送金完了情報はユーザの銀行口座からの送金に関する情報である。送金完了情報はユーザと銀行との間に所定の契約が締結されている場合に、送金予定情報に基づいて銀行口座から自動的に送金したときに、業務管理サーバ10に送信する情報である。送金完了情報には、複数の項目(以下「送金完了項目」という)が含まれる。送金完了項目には、例えば、送金額、送金先の口座に関する情報、および、送金日が含まれる。
【0016】
ECサイト200はインターネット300を介してアクセスされる多数のウェブサイトのうち、サイト管理サーバ20および業務管理サーバ10によって情報が管理されるウェブサイトである。ECサイト200の形態は自社サイト型またはモール型である。ECサイト200はユーザ、または、ユーザから管理を委託された者によって管理される。ECサイト200は取扱商品を販売するためのコンテンツを含む。
【0017】
サイト管理サーバ20はプロセッサ21および記憶装置22を備えている。記憶装置22の一例はハードディスクである。記憶装置22はECサイト200を管理する1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「ECフロントオフィス管理ソフト」という)を記憶する。プロセッサ21は記憶装置22と通信できるように記憶装置22と接続されている。プロセッサ21が入力装置32からの要求に応じて記憶装置22に記憶されているECフロントオフィス管理ソフトを実行することによって、プロセッサ21の1または複数の機能ブロックが構築される。1または複数の機能ブロックには、フロントオフィス管理部21Aが含まれる。フロントオフィス管理部21Aはバックオフィス管理部P11(
図2参照)から送信される情報に基づいて、主に取扱商品に関する情報(以下「取扱商品情報」という)、および、ECサイト200のレイアウト等の表示態様を管理する。取扱商品情報はECサイト200に掲載される取扱商品の商品名、型番、価格、取扱商品の注文情報、および、注文された取扱商品のキャンセル情報等を含む。フロントオフィス管理部21Aは取扱商品情報を業務管理サーバ10に送信する。
【0018】
業務管理サーバ10はプロセッサ11および記憶装置12を備えている。記憶装置12の一例はハードディスクである。記憶装置12は業務管理に関する1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「銀行マッチングソフト」という)、ならびに、ユーザの販売および会計を管理する1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「販売会計管理ソフト」という)を記憶する。記憶装置12はさらに、ECサイト200を管理する1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「ECバックオフィス管理ソフト」という)を記憶する。プロセッサ11は記憶装置12と通信できるように記憶装置12と接続されている。プロセッサ11が入力装置32からの要求に応じて記憶装置12に記憶されている銀行マッチングソフト、販売会計管理ソフト、および、ECバックオフィス管理ソフトを実行することによって、プロセッサ11の1または複数の機能ブロックが構築される。
【0019】
図2に示されるように、銀行マッチングソフトが実行されることによって構築される複数の機能ブロックには、口座情報取得部P1、情報登録部P2、予定情報取得部P3、情報比較部P4、伝票作成部P5、情報送信部P6、および、確認情報取得部P7が含まれる。販売会計管理ソフトが実行されることによって構築される複数の機能ブロックには、販売管理部P8、会計管理部P9、および、給与管理部P10が含まれる。ECバックオフィス管理ソフトが実行されることによって構築される機能ブロックには、バックオフィス管理部P11が含まれる。バックオフィス管理部P11は主にユーザによって端末30に入力される情報に基づいて、ECサイト200の取扱商品情報を管理するための情報、および、ECサイト200のレイアウト等の表示態様を管理するための情報をフロントオフィス管理部21Aに送信する。
【0020】
口座情報取得部P1は口座入金情報および送金完了情報を銀行サーバ100(
図1参照)から取得する。口座情報取得部P1は口座入金情報の取得を要求する信号(以下「サーバ側要求信号」)を銀行サーバ100に送信する。銀行サーバ100はサーバ側要求信号を受信した場合に最新の口座入金情報(以下「最新口座入金情報」という)を業務管理サーバ10に送信する。口座情報取得部P1によるサーバ側要求信号の送信のタイミングは任意に選択可能である。第1例では、口座情報取得部P1は常時、サーバ側要求信号を銀行サーバ100に送信する。第2例では、口座情報取得部P1は所定時間毎にサーバ側要求信号を銀行サーバ100に送信する。第2例の場合、所定時間はユーザが任意に設定可能である。一例では、所定時間は5分である。第1例および第2例の場合、口座入金情報が自動で取得されるため、業務管理の負担が一層低減される。第3例では、口座情報取得部P1はユーザから入力装置32(
図1参照)を介して口座入金情報の取得を要求する信号が入力された場合にのみ、サーバ側要求信号を銀行サーバ100に送信する。
【0021】
情報登録部P2はユーザによって入力された入金予定情報を登録する。このため、入金予定情報を容易に登録できる。情報登録部P2に登録される入金予定情報は固定収入情報および変動収入情報を含む。固定収入情報および変動収入情報は会計管理部P9によって管理される。固定収入情報は所定期間毎の決まった額の入金に関する情報である。所定期間は例えば1ヶ月である。固定収入情報の一例は、家賃収入に関する情報、および、ユーザが経営している月極駐車場の利用料収入に関する情報である。変動収入情報は所定期間毎の変動する入金に関する情報である。所定期間は例えば1ヶ月である。変動収入情報の一例は、ユーザが経営しているコインパーキングの利用料収入に関する情報である。
【0022】
入金予定情報は入金伝票情報をさらに含む。入金伝票情報は例えばユーザが実店舗を介して販売した取扱商品の売り上げに基づく入金に関する情報である。入金伝票情報は販売管理部P8によって管理される。販売管理部P8はユーザが実店舗を介して取扱商品を販売した場合であって、顧客が支払い方法として銀行振り込みを選択したとき、仮の入金伝票(以下「仮入金伝票」)を作成する。入金伝票情報は仮入金伝票に基づく入金に関する情報である。なお、実店舗を介した取扱商品の販売は第1種販売形態および第2種販売形態が含まれる。第1種販売形態は顧客が実店舗に来店して取扱商品を購入する形態である。第2種販売形態は顧客が実店舗に通信手段を介して取扱商品を発注し、ユーザが取扱商品を顧客に納品する形態である。第2種販売形態における通信手段の一例は電話またはファクシミリである。
【0023】
入金予定情報はサイト注文情報をさらに含む。サイト注文情報はECサイト200(
図1参照)を介して注文された取扱商品の売り上げに基づく入金に関する情報である。このため、取扱商品に関する業務管理の負担が低減される。サイト注文情報はサイト管理サーバ20から業務管理サーバ10に送信される。サイト管理サーバ20が送信するサイト注文情報の送信のタイミングは任意に選択可能である。第1例では、サイト管理サーバ20は取扱商品が注文される毎にサイト注文情報を業務管理サーバ10に送信する。第2例では、サイト管理サーバ20は所定時間毎に最新のサイト注文情報を業務管理サーバ10に送信する。第2例の場合、所定時間はユーザが任意に設定可能である。
【0024】
情報登録部P2はユーザによって入力された送金予定情報を登録する。このため、送金予定情報を容易に登録できる。送金予定情報は固定支出情報および変動支出情報を含む。固定支出情報および変動支出情報は会計管理部P9によって管理される。固定支出情報は所定期間毎の決まった額の支出に関する情報である。所定期間は例えば1ヶ月である。固定支出情報の一例は家賃および駐車場の使用料である。変動支出情報は所定期間毎の変動する支出に関する情報である。所定期間は例えば1ヶ月である。変動支出情報の一例は、電気使用料金、ガス使用料金、および、水道使用料金である。送金予定情報はさらに、取扱商品の仕入代金に基づく支払伝票に関する情報、ECサイト200を介して注文された取扱商品の返金情報、および、従業員の給与に関する情報を含む。取扱商品の仕入代金に基づく支払伝票に関する情報は販売管理部P8によって管理される。返金情報はECサイト200を介して注文された取扱商品がキャンセルまたは返品された場合に、キャンセルまたは返品された取扱商品に関してユーザの銀行口座に既に入金されている金額を返金するための情報である。返金情報はバックオフィス管理部P11によって管理される。従業員の給与に関する情報は給与管理部P10によって管理される。
【0025】
予定情報取得部P3は情報登録部P2に登録された入金予定情報、送金予定情報、および、サイト管理サーバ20から送信されるサイト注文情報を取得する。
【0026】
情報比較部P4は予定情報取得部P3が取得した入金予定情報と、銀行サーバ100から送信される口座入金情報とを比較する入金比較処理を実行する。情報比較部P4が入金比較処理を実行するタイミングは任意に設定可能である。第1例では、情報比較部P4はユーザから入金比較処理の実行を要求する信号(以下「入金比較要求信号」という)が入力された場合に入金比較処理を実行する。第2例では、情報比較部P4は所定期間毎に入金比較処理を実行する。所定期間は例えば、1週間、2週間、3週間、または、1ヶ月である。第2例の場合、所定期間はユーザが任意に設定可能である。第3例では、情報比較部P4は口座情報取得部P1が口座入金情報を取得する毎に入金比較処理を実行する。
【0027】
情報比較部P4は入金比較処理において、入金予定情報に含まれる入金予定項目と口座入金情報に含まれる入金完了項目とを比較する。情報比較部P4の比較結果に基づいて、入金予定情報および口座入金情報が正しいか否かを把握できるため、業務管理の負担が低減される。情報比較部P4は入金比較処理において、入金予定項目と入金完了項目とが一致しない入金予定情報および口座入金情報の組(以下「不一致入金情報」という)を抽出した場合、不一致入金情報を端末30に送信する。端末30は不一致入金情報を受信した場合、出力装置33(
図1参照)に不一致入金情報とともに警告を表示する。一方、情報比較部P4は入金予定項目と入金完了項目とが完全に一致する入金予定情報および口座入金情報の組(以下「一致入金情報」という)を抽出した場合、一致入金情報を伝票作成部P5に送信する。一致入金情報には、入金完了項目と一致する入金予定項目が固定収入情報、変動収入情報、入金伝票情報、または、サイト注文情報のいずれであるかを示す情報が含まれる。
【0028】
ユーザと銀行との間で所定の契約が締結されている場合、情報比較部P4はさらに、予定情報取得部P3が取得した固定支出情報に関する送金予定情報と、銀行サーバ100から送信される送金完了情報とを比較する送金比較処理を実行する。情報比較部P4が送金比較処理を実行するタイミングは任意に設定可能である。第1例では、情報比較部P4は口座情報取得部P1が送金完了情報を取得する毎に送金比較処理を実行する。第2例では、情報比較部P4はユーザから送金比較処理の実行を要求する信号(以下「送金比較要求信号」という)が入力された場合に送金比較処理を実行する。第3例では、情報比較部P4は所定期間毎に送金比較処理を実行する。所定期間は例えば、1週間、2週間、3週間、または、1ヶ月である。第3例の場合、所定期間はユーザが任意に設定可能である。なお、ユーザと銀行との間で所定の契約が締結されていない場合、送金完了情報が業務管理サーバ10に送信されないため、送金比較処理は実行されない。
【0029】
情報比較部P4は送金比較処理において、固定支出情報に関する送金予定情報に含まれる送金予定項目と送金完了情報に含まれる送金完了項目とを比較する。情報比較部P4の比較結果に基づいて、送金予定情報および送金完了情報が正しいか否かを把握できるため、業務管理の負担が低減される。情報比較部P4は送金比較処理において、送金予定項目と送金完了項目とが一致しない送金予定情報および送金完了情報の組(以下「不一致送金情報」という)を抽出した場合、不一致送金情報を端末30に送信する。端末30は不一致送金情報を受信した場合、出力装置33(
図1参照)に不一致送金情報とともに警告を表示する。一方、情報比較部P4は送金予定項目と送金完了項目とが完全に一致する送金予定情報および送金完了情報の組(以下「一致送金情報」という)を抽出した場合、一致送金情報を伝票作成部P5に送信する。
【0030】
伝票作成部P5は一致入金情報および一致送金情報の少なくとも一方を受信したことに基づいて伝票を作成する。このため、業務管理の負担が一層低減される。伝票作成部P5は固定収入情報または変動収入情報が含まれる一致入金情報を受信した場合、振替伝票を作成する。伝票作成部P5は入金伝票情報またはサイト注文情報を含む一致入金情報を受信した場合、入金伝票を作成する。伝票作成部P5は入金伝票情報を含む一致入金情報を受信した場合、情報登録部P2に登録された仮入金伝票を本入金伝票として処理する。伝票作成部P5は一致送金情報を受信した場合、支払伝票または振替伝票を作成する。
【0031】
情報送信部P6は情報登録部P2に登録された送金予定情報を銀行サーバ100に送信する。情報送信部P6が送金予定情報を銀行サーバ100に送信するタイミングは任意に選択可能である。第1例では、情報送信部P6は情報登録部P2に送金予定情報が登録される毎に送金予定情報を銀行サーバ100に送信する。第2例では、情報送信部P6は情報登録部P2に登録されている送金予定情報を所定期間毎に銀行サーバ100に送信する。第2例の場合、所定期間はユーザが任意に設定可能である。第3例では、情報送信部P6はユーザから送金予定情報を銀行サーバ100に送信する旨の要求が入力された場合に送金予定情報を銀行サーバ100に送信する。
【0032】
銀行サーバ100(
図1参照)は業務管理サーバ10から送信される送金予定情報を受信した場合、支払確認情報を業務管理サーバ10に送信する。支払確認情報は情報送信部P6が送信した送金予定情報の内容に問題がないかをユーザが確認するための情報である。銀行サーバ100は送金予定情報に基づいて銀行口座から送金された場合に、送金完了情報を業務管理サーバ10に送信する。
【0033】
確認情報取得部P7は銀行サーバ100から送信される支払確認情報を取得する。確認情報取得部P7は支払確認情報を取得した場合、その旨を出力装置33(
図1参照)に表示させる。ユーザは出力装置33に表示される支払確認情報の内容を確認し、支払確認情報に問題がないと判断した場合、最終支払指示情報を入力する。情報送信部P6は最終支払指示情報を銀行サーバ100に送信する。銀行サーバ100は最終支払指示情報を受信した場合、送金予定情報に基づいてユーザの銀行口座から送金する。伝票作成部P5は支払確認情報に基づいて、支払伝票または振替伝票を作成する。
【0034】
図3に示されるフローチャートは口座情報取得部P1、情報比較部P4、および、伝票作成部P5が構築される場合の銀行マッチングソフトの実行手順の一例を示す。
ステップS11では、口座情報取得部P1は最新口座入金情報を銀行サーバ100から取得する。ステップS12では、情報比較部P4は最新口座入金情報に比較していない口座入金情報(以下「未処理入金情報」という)が含まれるか否かを判定する。ステップS12が否定判定の場合、すなわち、最新口座入金情報に未処理入金情報が含まれない場合、本処理は終了される。ステップS12が肯定判定の場合、ステップS13の処理が実行される。
【0035】
ステップS13では、情報比較部P4は未処理入金情報に含まれる入金完了項目と入金予定情報に含まれる入金予定項目とを比較し、未処理入金情報に含まれる入金完了項目と完全に一致する入金予定項目を含む入金予定情報が存在するか否かを判定する。ステップS13が否定判定の場合、ステップS14において、情報比較部P4は不一致入金情報を端末30に送信する。ステップS13が肯定判定の場合、ステップS15において、伝票作成部P5は一致入金情報に含まれる情報に基づいて、入金伝票または振替伝票を作成する。
【0036】
図4に示されるフローチャートは口座情報取得部P1、情報比較部P4、および、伝票作成部P5が構築される場合の銀行マッチングソフトの実行手順の別の一例を示す。
ステップS21では、口座情報取得部P1は送金完了情報を銀行サーバ100から取得したか否かを判定する。ステップS21が否定判定の場合、ステップS21の判定処理が再度実行される。ステップS21が肯定判定の場合、ステップS22の処理が実行される。ステップS22では、情報比較部P4は取得した送金完了情報と対応する固定支出情報に関する送金予定情報とが完全に一致するか否かを判定する。ステップS22が否定判定の場合、すなわち、不一致送金情報を抽出した場合、ステップS23において、情報比較部P4は不一致送金情報を端末30に送信する。ステップS22が肯定判定の場合、ステップS24において、伝票作成部P5は一致送金情報に含まれる情報に基づいて、支払伝票または振替伝票を作成する。
【0037】
図5に示されるフローチャートは情報送信部P6、確認情報取得部P7、および、伝票作成部P5が構築される場合の銀行マッチングソフトの実行手順の一例を示す。
ステップS31では、情報送信部P6は送金予定情報を銀行サーバ100に送信する。
ステップS32では、確認情報取得部P7は支払確認情報を受信したか否かを判定する。ステップS32が否定判定の場合、確認情報取得部P7はステップS32の判定処理を再度実行する。ステップS32が肯定判定の場合、ステップS33の処理が実行される。
【0038】
ステップS33では、確認情報取得部P7は支払確認情報を出力装置33に表示させる。ステップS34では、ユーザは支払確認情報が正しいか否かを判定する。ステップS34が否定判定の場合、すなわち、送金予定情報と対応する支払確認情報に一致しない情報が含まれる場合、本処理は終了される。ステップS34が肯定判定の場合、すなわち、送金予定情報と対応する支払確認情報とが完全に一致する場合、ステップS35において、ユーザは最終支払指示情報を入力する。なお、ステップS34の判定処理は情報比較部P4が実行するようにしてもよい。ステップS36では、情報送信部P6は最終支払指示情報を銀行サーバ100に送信する。ステップS37では、伝票作成部P5は支払確認情報に基づいて、支払伝票または振替伝票を作成する。
【0039】
業務管理システム1の使用方法の一例について説明する。
ユーザは入力装置32を用いて入金予定情報としての固定収入情報、変動収入情報、および、入金伝票情報を入力することによって、情報登録部P2に固定収入情報、変動収入情報、および、入金伝票情報が登録される。サイト注文情報はサイト管理サーバ20から業務管理サーバ10に自動的に送信される。情報比較部P4が例えば所定期間毎に入金比較処理を実行することによって、業務管理サーバ10に登録されている入金予定情報に応じた伝票が作成される。このため、例えば、インターネットバンキングにアクセスして口座入金情報を確認し、入金伝票および振替伝票を作成する場合よりも業務管理の負担が低減される。また、入金予定情報または口座入金情報が誤っている場合、出力装置33に警告が表示されるため、ユーザは入金予定情報または口座入金情報のいずれが誤っているのかを容易に確認できる。
【0040】
ユーザは入力装置32を用いて固定支出情報に関する送金予定情報を入力することによって、情報登録部P2に固定支出情報に関する送金予定情報が登録される。口座情報取得部P1が銀行サーバ100から送信される送金完了情報を取得した場合、伝票作成部P5によって支払伝票または振替伝票が自動的に作成される。このため、例えば、インターネットバンキングにアクセスして送金に関する処理を実行し、支払伝票または振替伝票を作成する場合よりも、業務管理の負担が低減される。
【0041】
ユーザは入力装置32を用いて送金予定情報を入力することによって、情報登録部P2に送金予定情報が登録される。情報送信部P6が送金予定情報を銀行サーバ100に送信することによって、銀行サーバ100から支払確認情報が送信される。ユーザは支払確認情報の内容に問題がないと判断した場合、最終支払指示情報を入力することによって、支払いが実行される。このため、支払いに関するセキュリティが高められる。また、例えば、インターネットバンキングにアクセスして送金予定情報を登録する場合よりも業務の負担が低減される。また、最終支払指示情報を入力した場合、伝票作成部P5によって支払伝票または振替伝票が自動的に作成される。このため、例えば、インターネットバンキングにアクセスして送金に関する処理を実行し、支払伝票または振替伝票を作成する場合よりも、業務管理の負担が低減される。
【0042】
(変形例)
なお、上記実施形態は本発明に関する業務管理システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する業務管理システムは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0043】
・確認情報取得部P7の具体的な構成は銀行から送信される支払確認情報の形態に応じて任意に変更可能である。例えば、支払確認情報はファクシミリを用いて送信される形態を含む。この場合、確認情報取得部P7はファクシミリの送受信装置である。この変形例では、最終支払指示情報はファクシミリの送受信装置で受信した送金予定情報が記載された書面にユーザが署名および捺印した書面である。ユーザは署名および捺印した書面をファクシミリの送受信装置を用いて銀行に送信する。
【0044】
・予定情報取得部P3が取得する情報は任意に変更可能である。変形例の業務管理システム1では、予定情報取得部P3は入金予定情報および送金予定情報のうちの一方のみを取得する。
【0045】
本明細書には、以下の発明が開示される。
(付記1)予定されている銀行口座の入金に関する情報である入金予定情報を取得する予定情報取得部と、前記銀行口座に入金された情報である口座入金情報を銀行のサーバから取得する口座情報取得部と、前記入金予定情報と前記口座入金情報とを比較する情報比較部とを備える、業務管理システム。
【0046】
(付記2)前記入金予定情報を登録する情報登録部をさらに備える、付記1に記載の業務管理システム。
【0047】
(付記3)前記情報比較部の比較結果に基づいて伝票を作成する伝票作成部をさらに備える、付記1または2に記載の業務管理システム。
【0048】
(付記4)前記予定情報取得部はECサイトに掲載される商品の注文に関する情報に基づいて前記入金予定情報を取得する、付記1~3のいずれか一項に記載の業務管理システム。
【符号の説明】
【0049】
1 :業務管理システム
P1:口座情報取得部
P2:情報登録部
P3:予定情報取得部
P4:情報比較部
P5:伝票作成部
P6:情報送信部
P7:確認情報取得部