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特許7440123電子タバコのタバコスティック用発煙基質及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】電子タバコのタバコスティック用発煙基質及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20240220BHJP
【FI】
A24B15/16
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022532593
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2020117713
(87)【国際公開番号】W WO2021063256
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】201910945134.3
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522215012
【氏名又は名称】深▲セン▼市舜宝科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHUNBAO TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 23rd, Xianglianli, Siming District, Xiamen, Fujian 361000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】▲トン▼ 欣洋
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 美洲
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-076077(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107319630(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0261685(US,A1)
【文献】特開2019-118317(JP,A)
【文献】特表2013-521074(JP,A)
【文献】特表2019-503659(JP,A)
【文献】特許第6280287(JP,B1)
【文献】特許第6526929(JP,B1)
【文献】国際公開第2018/230002(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110179151(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24C 1/00- 5/60
A24D 1/00- 3/18
A24F 1/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶粒子60~85重量部、茶刻み3.5~15重量部、茶粉3~5重量部及び発煙剤4~25重量部を成分として含み、
前記茶粒子の粒度が20~50メッシュであり、
前記茶刻みが、長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mmのものであり、
前記茶粉の粒度が300~2000メッシュである、ことを特徴とする電子タバコのタバコスティック用発煙基質。
【請求項2】
さらに、安定化剤1.5~3.5重量部及び/又は加香剤3~5重量部を成分として含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質。
【請求項3】
前記茶粒子71~80重量部、前記茶刻み5~10重量部、前記茶粉4~5重量部、前記発煙剤5~6.5重量部、前記加香剤4~5重量部及び前記安定化剤2~3.5重量部を成分として含む、ことを特徴とする請求項2に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質。
【請求項4】
前記発煙剤はプロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、及び1,3-ブタンジオールのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質。
【請求項5】
前記安定化剤は、パチョリオイル、バニリン、及びエタノールのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、前記加香剤はエッセンシャルオイル、エッセンスクリーム、エッセンス粉末のうちの1種又は複数種の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法であって、加香剤、安定化剤及び発煙剤のうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを粉状茶材料と湿式混合し、造粒して茶粒子を製造する茶粒子の製造方法を含む、ことを特徴とする電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法
【請求項7】
前記粉状茶材料の製造方法は、新鮮な茶葉に対して殺青、ベーク、粉末化を行い、前記粉状茶材料を製造することである、ことを特徴とする請求項6に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法
【請求項8】
鮮な茶葉に対して殺青、細断、ベークを行い、茶刻みを製造する茶刻みの製造方法を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法
【請求項9】
鮮な茶葉に対して殺青、ベーク、粉末化を行い、茶粉を製造する茶粉の製造方法を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法
【請求項10】
前記殺青の温度が110℃~130℃、前記殺青の時間が30min~50minである、ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法
【請求項11】
記茶粒子、前記茶刻み、前記茶粉、前記発煙剤、前記安定化剤、前記加香剤を均一に湿式混合し、産物1を得ることと、
前記産物1を顆粒状として、産物2を得て、前記産物2を前記電子タバコのタバコスティックに充填すること、を含む、ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月30日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910945134.3、出願の名称が「電子タバコのタバコスティック用発煙基質及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は電子タバコの分野に関し、より具体的には、電子タバコのタバコスティック用発煙基質及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
加熱非燃焼型電子タバコは、従来の紙巻きタバコを模倣した電子製品であり、従来の紙巻きタバコに似ている外観、煙、香喫味を有し、従来の紙巻きタバコの燃焼方式の代わりに、加熱非燃焼方式を取ることで、過量のタールや一酸化炭素などの有害な物質を吸うことを回避する。
【0004】
タバコスティックは電子タバコの主要な消耗品であり、タバコスティック内の発煙基質は従来の紙巻きタバコの煙や香喫味を模倣したものであり、現在、市販のタバコスティックには、主にリキッドを霧化して煙蒸気を発生させるタバコスティックと、煙草を含んだ模倣巻きタバコを加熱するタバコスティックとの2種類がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱非燃焼方式によって吸われるタバコスティックでは、発煙基質にタバコ刻みが含まれることに変わりがなく、加熱非燃焼の方式で煙草を取り扱い、燃焼点以下で煙を発生させ、香喫味が本物のタバコと同じであり、これにより、過量のタールや一酸化炭素を吸うことを回避するが、ニコチン成分が存在し、喫煙者の身体の健康に悪影響を与えるだけでなく、環境汚染をもたらし、副流煙など公衆の健康に害を絶える社会的課題を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
技術的解決手段
本願の目的は、従来技術に存在する上記の欠陥を解決し、環境にやさしく、人体に害を与えることがなく、タバコ刻みの代わりとして好適な新型発煙基質及びその製造方法を提供することである。
【0007】
上記の目的を達成させるために、本願の技術的解決手段は以下のとおりである。
【0008】
電子タバコのタバコスティック用発煙基質であって、茶粒子60~85重量部、茶刻み3.5~15重量部、茶粉3~5重量部、発煙剤4~25重量部を成分として含むことを特徴とする。前記茶粒子の粒度が前記茶粉の粒度よりも大きく、このように粒度を段階的にすることにより、発煙基質全体の密度を効果的に調整することができる。前記茶刻みの密度が最小であり、これにより、混合するときの粘着力を高めるだけでなく、発煙基質全体の密度を低下させ、前記茶粉の粒子径が最小であり、前記茶粉の充填量が大きいほど、発煙基質全体の密度が大きく、前記茶粉の粒子径が小さいほど、比表面積が小さく、前記発煙剤に対する結合度や結合量に優れ、発煙量が大きく、スモックの放出に必要な熱が高まり、放出速度が遅く、スモックの持続性が良好であり、発煙基質全体の密度が大きいほど、喫煙抵抗が大きく、このため、粒度や形態の異なる前記茶粒子、茶刻みや茶粉を配合することにより、発煙基質の喫煙抵抗、スモック持続性、スモック放出率などの指標を総合的に調整することができる。
【0009】
上記の技術的解決手段に使用される各形態の茶原料は、緑茶、プーアル茶、烏龍茶、紅茶等に由来するものであってもよい。
【0010】
好ましくは、安定化剤1.5~3.5重量部及び/又は加香剤3~5重量部をさらに含み、安定化剤は主に香気を固定すること、及びスモックを徐放し、スモックの持続性を向上させるためである。加香剤は主に茶材料の渋味を調整したり、スモックの香気を向上させたりするなどのためである。
【0011】
好ましくは、さらに、前記茶粒子71~80重量部、前記茶刻み5~10重量部、前記茶粉4~5重量部、前記発煙剤5~6.5重量部、前記加香剤4~5重量部及び前記安定化剤2~3.5重量部を成分として含む。
【0012】
前記茶粒子の製造方法は、加香剤、安定化剤及び前記発煙剤のうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを粉状茶材料と湿式混合し、造粒して前記茶粒子を製造することである。好ましくは、前記粉状茶材料の製造方法は、新鮮な茶葉に対して殺青、ベーク、粉末化を行い、前記粉状茶材料を製造することである。好ましくは、前記茶粒子の粒度が20~30メッシュである。
【0013】
前記茶刻みの製造方法は、新鮮な茶葉に対して殺青、細断、ベークを行い、前記茶刻みを製造することである。好ましくは、前記茶刻みの長さが1mm~10mmであり、幅が0.2mm~1.5mmである。
【0014】
前記茶粉の製造方法は、新鮮な茶葉に対して殺青、ベーク、粉末化を行い、前記茶粉を製造することである。好ましくは、前記茶粉の粒度が300~2000メッシュである。
【0015】
好ましくは、前記殺青の温度が110℃~130℃であり、前記殺青の時間が30min~50minである。
【0016】
殺青において、殺青プロセスを最適化させ、好ましくは、前記殺青の温度を115~130℃、時間を30min~50minにすることで、前記産物1の水分率を5%~15%に低下させる。通常、製茶プロセスでは、300℃程度の殺青温度で、3分間ベークすることで、素早く脱水し、高温高速ベークの方式は、クロロフィルが破壊され、茶の色がなくなることを回避するためであり、一方、本願では、殺青の温度が製茶プロセスの温度よりも低く、殺青時間が長く、これは、酵素活性を除去する上(80℃を超えると酵素を不活性化させる)、温度が高すぎることにより茶茎がコークス化し、発煙基質の茶の香気に悪影響を与えることを回避し、また、茶中のティーポリフェノールやテオフィリン類を最大限に維持するためであり、実験した結果、140℃を超えると、ティーポリフェノールやテオフィリンの損失率が急に低下し、また、温度が高すぎると、茶葉の香气を発生させる主な成分である可溶性糖やアミノ酸が分解されることが示され、殺青時間を延ばすことは、茶を十分に脱水して乾燥させるためであり、このため、本願の殺青プロセスには、低温で長時間ベークする方式が使用される。
【0017】
好ましくは、前記発煙剤は、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、及び1、3-ブタンジオールのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0018】
好ましくは、前記安定化剤は、パチョリオイル、バニリン、及びエタノールのうちの1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0019】
好ましくは、前記加香剤は、エッセンシャルオイル、エッセンスクリーム、エッセンス粉末のうちの1種又は複数種の形態を含み、各形態のエッセンスは、フルーツフレーバーエッセンス、草本木本由来エッセンス、ナット核類由来エッセンスなどなどを含んでもよく、フルーツフレーバーエッセンスは、例えばレモン、スウィートオレンジ、マスクメロン、葡萄などのフレーバーであり、草本木本由来エッセンスは、例えばミント、よもぎ、イカリソウ、人参、緑茶、紅茶などであり、ナット核類由来エッセンスは、例えばコーヒー、ナットである。
【0020】
本願は、また、
前記茶粒子、前記茶刻み、前記茶粉、前記発煙剤、前記安定化剤、前記加香剤を上記の重量部で均一に湿式混合し、産物1を得る工程と、
前記産物1を顆粒状として、産物2を得て、産物2を前記電子タバコのタバコスティックに充填する工程であって、産物2の粒度サイズを調整することで、発煙基質の喫煙抵抗を調整し、粒度が大きいほど、充填密度が小さく、喫煙抵抗が小さい工程とを含む、ことを特徴とする上記の電子タバコのタバコスティック用発煙基質の製造方法を開示する。
【発明の効果】
【0021】
有益な効果
本願の実施例を実施すると、下記の有益な効果がある。
1、本願では、茶粒子、茶刻み及び茶粉の混合物を発煙基質とすることにより、タバコ刻みに比べて、茶葉製品の発煙による煙は、ティーポリフェノールやテオフィリンを放出し、リフレッシュの効果を果たし、しかも、タール、ニコチンなどの有害な物質を含んでおらず、環境や健康に優しい。
2、茶葉はコストが低く、入手しやすいので、コストダウンが可能である。
3、茶粒子、茶刻み及び茶粉のさまざまな顆粒形態の混合物を発煙基質とすることによって、発煙基質全体の密度を調整し、喫煙するときの喫煙抵抗を調整することができ、茶粒子の粒子径が大きく、茶刻みの長さや幅が大きいほど、茶粉の充填量が小さく、喫煙抵抗が小さい。
4、茶粒子、茶刻み及び茶粉の粒子径が異なり、これらと発煙剤との結合度が異なり、顆粒が大きいほど、発煙剤との結合度が低く、発煙の持続性が劣り、粒子径を様々なものとすることによって、煙が段階的に放出され、煙の持続性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態
以下、本願の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明する実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他の全ての実施例は、本願の特許範囲に属する。
【0023】
実施例1
茶粒子の製造
殺青:新鮮な茶葉に対して殺青を130℃の温度で30min行い、茶材料の含水率を15%に低下した。
ベーク:上記の殺青産物を100℃で30minベークし、含水率を5%以下に低下した。
粉末化:上記のベーク産物を順次粗粉砕、精粉砕にかけて、粒度300~2000メッシュの粉状茶材料を得た。
S6:造粒:プロピレングリコール70g、グリセロール80g、エッセンシャルオイル25g、バニリン25gをそれぞれ秤量して、均一に混合し、混合液を得、粉状茶材料800gを秤量し、撹拌しながら混合液をスプレーし、振とうさせて茶粒子を得て、篩にかけて、粒度20~50メッシュの茶粒子を得た。
【0024】
実施例2
茶刻みの製造
殺青:新鮮な茶葉に対して殺青を110℃の温度で50min行い、茶材料の含水率を15%に低下した。
細断:殺青後の製品を細断して、長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mmの茶刻みを得た。
ベーク:110℃で30minベークし、産物2を得て、含水率を5%以下に低下し、ベーク済み茶刻みを得た。
【0025】
実施例3
茶粉の製造
殺青:新鮮な茶葉に対して殺青を130℃の温度で30min行い、茶材料の含水率を15%に低下した。
ベーク:上記の殺青産物を100℃で30minベークし、含水率を5%以下に低下した。
粉末化:上記のベーク産物を順次粗粉砕、精粉砕にかけて、粒度300~2000メッシュの茶粉を得た。
【0026】
実施例4
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)850g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)35g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)30g、グリセロール40g、エッセンスクリーム30g、バニリン15gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
【0027】
実施例5
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)800g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)50g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)40g、グリセロール50g、エッセンスクリーム40g、バニリン20gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
【0028】
実施例6
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)750g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)65g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)50g、グリセロール60g、エッセンスクリーム45g、バニリン30gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
【0029】
実施例7
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)710g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)100g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)40g、グリセロール65g、エッセンスクリーム50g、バニリン35gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
【0030】
実施例8
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)655g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)150g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)50g、グリセロール100g、エッセンスクリーム30g、バニリン15gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
【0031】
実施例9
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)600g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)55g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)50g、グリセロール250g、エッセンスクリーム30g、バニリン15gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
【0032】
実験例
実施例4~9で製造された発煙基質を用いて製造された茶入りタバコスティックについて一般的な煙草製のタバコスティックの喫煙評価方式によって採点して評価し、喫煙評価者は煙量、スモック持続性、喫煙抵抗、スモック及び香喫味、スモック温度、リフレッシュ効果の指標のそれぞれについて採点し、各指標の採点から総スコアを計算し、各指標の満点は5点とし、点数が高いほど効果が良好であった。採点結果を表1に示し、実施例4~9の各原料の配合比を表2に示す。
煙量の試験方法:喫煙装置を用いて、同じパフ負圧やパフ時間での煙発生量では、目視によりスモックの濃度を観察し、濃度が高いほど、得点の値が高かった。
スモック持続性の試験方法:同じ煙量では、持続し得るパフ数が多いほど、採点の値が高かった。
喫煙抵抗の試験方法:専用のタバコスティック喫煙抵抗試験装置が使用され、喫煙抵抗が高いほど、採点の値が高かった。
スモック及び香喫味の試験方法:喫煙評価者はサンプリングして盲検試験して採点した。
スモック温度の試験方法:赤外線サーマルイメージャー及び熱電対を用いて、スモックがフィルタから口腔に入るときの温度を測定し、温度が高いほど、得点が低かった。
リフレッシュ効果の試験方法:喫煙評価者はサンプリングして盲検試験により採点した。
総スコア21点以上のものは、産業で認められた高質タバコスティックであった。
【0033】
表1:茶入りタバコスティックの各指標の採点結果及び総スコア
表2:実施例4~9の発煙基質の製造原料及び配合比
【0034】
表1及び表2から分かるように、実施例5~7は好適な実施例であり、茶粒子の好ましい範囲は71~80重量部、茶刻みの好ましい範囲は5~10重量部、茶粉の好ましい範囲は4~5重量部、発煙剤の好ましい範囲は5~6.5重量部、安定化剤の好ましい範囲は2~3.5重量部、加香剤の好ましい範囲は4~5重量部であった。
実施例7は、総スコアが満点に近い最高点であり、最適な実施例であった。
【0035】
実施例10
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)600g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)35g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~2000メッシュ)30g、グリセロール40gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
好ましい特定の実施例では、実施例8のグリセロールの代わりに他の発煙剤は等量で使用され、この他の発煙剤は、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、及び1,3-ブタンジオールのうちのいずれか1種、又はプロピレングリコール、グリセロール及びトリアセチンのうちの複数種の組み合わせであった。
【0036】
実施例11
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)800g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)150g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)50g、グリセロール250gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
好ましい特定の実施例では、実施例9のグリセロールは他の発煙剤は等量で使用され、この他の発煙剤は、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、及び1,3-ブタンジオールのうちのいずれか1種、又はプロピレングリコール、グリセロール及びトリアセチンのうちの複数種の組み合わせであった。
【0037】
実施例12
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)800g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)150g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)50g、グリセロール220g、白酒30gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
好ましい特定の実施例では、実施例10のグリセロールの代わりに他の発煙剤は等量で使用され、この他の発煙剤は、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、及び1、3-ブタンジオールのうちのいずれか1種、又はプロピレングリコール、グリセロール及びトリアセチンのうちの複数種の組み合わせであった。
【0038】
実施例13
実施例1で製造された茶粒子(粒度20~50メッシュ)800g、実施例2で製造された茶刻み(長さ1mm~10mm、幅0.2mm~1.5mm)150g、実施例3で製造された茶粉(粒度300~1000メッシュ)50g、プロピレングリコール220g、エッセンシャルオイル30gを秤量し、各原料を均一に混合し、産物1を得て、マイクロ天びんにより産物1を0.2g/部の顆粒物に等分し、充填の方式で該顆粒物をタバコスティックに添加し、各タバコスティックの発煙基質部分を得た。
好ましい特定の実施例では、実施例11のプロピレングリコールの代わりに他の発煙剤は等量で使用され、この他の発煙剤は、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、及び1、3-ブタンジオールのうちのいずれか1種、又はプロピレングリコール、グリセロール及びトリアセチンのうちの複数種の組み合わせであった。
好ましい特定の実施例では、実施例11のエッセンシャルオイルの代わりに他の加香剤は等量で使用され、この他の加香剤は、エッセンシャルオイル、エッセンスクリーム、エッセンス粉末のうちの1種又は複数種の組み合わせであった。
【0039】
以上の開示は本願の好適な実施例に過ぎず、本願の特許範囲を限定するものではなく、このため、本願の請求項に基づいて行われる等同変化も、本願の特許範囲に含まれるものとする。