(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン用レキュペレータ
(51)【国際特許分類】
F02C 7/08 20060101AFI20240220BHJP
F02C 7/10 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
F02C7/08 A
F02C7/10
(21)【出願番号】P 2022544243
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2020055850
(87)【国際公開番号】W WO2021175425
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】522004047
【氏名又は名称】ブレイドン ジェッツ ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】ヒワード、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ニマ、バスデバ
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0277199(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0255268(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0118101(US,A1)
【文献】特表2019-517637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/08
F02C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位方向と遠位方向を規定する軸を中心に回転するように取り付けられたロータと、
前記ロータに結合されたコンプレッサと、
前記ロータに結合され、
前記コンプレッサから遠位に配置されたタービンと、
燃焼室と、
ガスタービン排出口と、
レキュペレータと、
を備え、
前記レキュペレータは、
熱交換器の遠位端に配置された軸方向吸入口および
前記熱交換器の近位端に配置された軸方向排出口と、
前記熱交換器の
半径方向の内側の近位端に配置された径方向吸入口および
前記熱交換器の
半径方向の内側の遠位端に配置された径方向排出口とを備え、
前記熱交換器が
前記軸方向吸入口と
前記軸方向排出口との間の第1流路と
前記径方向吸入口と
前記径方向排出口との間の第2流路を規定する環状の
前記熱交換器と、
前記熱交換器の半径方向外側に配置され、
前記コンプレッサと
前記熱交換器の
前記軸方向吸入口との間の流路を提供する領域を含む第1チャンバと、
前記熱交換器の
前記軸方向排出口と
前記燃焼室との間に流路を提供する第2チャンバと、
前記タービンと
前記熱交換器の
前記径方向吸入口との間に流路を提供する第3チャンバと、
前記熱交換器の
前記径方向排出口と
前記ガスタービン排出口との間に流路を提供する第4チャンバと、
を備える、
ガスタービンエンジン。
【請求項2】
前記第4チャンバは、
前記第1チャンバの遠位部分を取り囲む領域を含み、それによって
前記第1チャンバと
前記第4チャンバの間のインターフェースが定義される、請求項1に記載のガスタービンエンジン。
【請求項3】
前記インターフェースは、
前記熱交換器の半径方向外側で、
前記熱交換器の遠位端と近位端の間の軸方向に配置された部分を含む、請求項2に記載のガスタービンエンジン。
【請求項4】
前記インターフェースは、
前記熱交換器の軸方向長さの少なくとも半分にわたる、請求項3に記載のガスタービンエンジン。
【請求項5】
前記インターフェースは、
前記第4チャンバと流体連通している荒仕上した表面、リブおよび/またはフィンのうちの1つ以上を含む、請求項2~4のいずれか1項に記載のガスタービンエンジン。
【請求項6】
前記コンプレッサと
前記タービンの間で
前記ロータを支持するベアリングハウジングと、
前記ベアリングハウジングに結合されるタービンケーシングと、
を備え、
前記第1チャンバの近位端は、
前記ベアリングハウジングおよび
前記タービンケーシングと流体連通する、請求項1~5のいずれか1項に記載のガスタービンエンジン。
【請求項7】
前記第3チャンバは、
前記タービンと
前記熱交換器の
前記径方向吸入口の間で遠位方向であって半径方向に分岐している、請求項1~6のいずれか1項に記載のガスタービンエンジン。
【請求項8】
前記分岐は、実質的に円錐台の表面を規定する、請求項7に記載のガスタービンエンジン。
【請求項9】
前記第3チャンバと
前記第4チャンバの間に配置された断熱材を備える、請求項1~8のいずれか1項に記載のガスタービンエンジン。
【請求項10】
前記熱交換器の半径方向内側に配置され、遠位方向の熱伝達を防止するように構成された断熱キャップを備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のガスタービンエンジン。
【請求項11】
前記断熱キャップは、
前記熱交換器の
前記径方向吸入口の遠位端に近接して配置されている、請求項10に記載のガスタービンエンジン。
【請求項12】
前記ロータと
前記タービンは、モノリシックコンポーネントの一部である、請求項1~11のいずれか1項に記載のガスタービンエンジン。
【請求項13】
前記コンプレッサは、
前記モノリシックコンポーネントの一部である、請求項12に記載のガスタービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する内容は、一般にガスタービンエンジン用レキュペレータ、特にマイクロタービン用レキュペレータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロタービンは、最大出力100kW、最大出力時の毎分回転数が7万~14万回転のガスタービンである。
【0003】
マイクロタービンは、コンプレッサ、燃焼器、タービン、発電機で構成され、燃料を地域電力に変換する分散型エネルギー源として利用される。マイクロタービンは、設置面積が小さく、回転速度が速く、動作温度が高いため、設計上の重要な課題となっている。
【0004】
レキュペレータは、逆流式熱交換器を用いて、無駄になる排気ガスから熱を回収する。ガスタービンエンジンの場合、排気ガス温度がコンプレッサ出口温度を超えると、レキュペレータは排気ガスから熱を取り出し、それによりコンプレッサ出口からの空気を燃料と混合する前に予熱し、さらに燃焼器で加熱する。具体的には、タービンからの排気ガスが流れ込む第1流路と、コンプレッサからの圧縮空気が流れ込む第2逆流路とを設け、第1流路から第2流路への熱伝達を促進するように、レキュペレータの熱交換器を配置する。第2流路からの予熱された圧縮空気は、燃焼器に送られ、燃料と混合されてさらに加熱され、第1流路から冷却された排気ガスは、大気に放出される。このようにレキュペレータは、ガスタービンの効率を大幅に向上させ、一定量の燃料から有用なエネルギーをより多く取り出すことを可能にする。
【0005】
マイクロタービンは、タービンとコンプレッサ出口の温度差が比較的大きいため、レキュペレータの使用による効率向上が顕著であり、効率が2倍以上になる場合もある。この効率向上により、マイクロタービンの商業的魅力が大幅に向上するため、マイクロタービンの技術革新が今後の普及に大きく寄与することは間違いない。
【0006】
ガスタービンエンジンの設計では、レキュペレータが嵩張ってしまう。しかし、マイクロタービンの場合、エンジン全体のコンパクトさを維持することが望まれている。先行技術のレキュペレータは、特にマイクロタービンエンジンの場合、満足のいく性能が得られず、過度に嵩張ってしまう。
【発明の概要】
【0007】
そのため、ガスタービンエンジン用レキュペレータの全面的な再設計が必要なほど、エンジンのコンパクト性を維持しつつ、効率を向上させたレキュペレータの実現が望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
開示された構成は、例として、添付の図面を参照して、以下にさらに説明される。
図1は、レキュペレータを組み込んだガスタービンエンジンの第1の例を示している。
図2は、レキュペレータを組み込んだガスタービンエンジンの第2の例を示している。
図3は、レキュペレータを組み込んだガスタービンエンジンの第3の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本開示によるレキュペレータ130を備えるガスタービンエンジン100の第1の実施例を示す図である。図に描かれたガスタービンエンジンは、最大出力100キロワットまでを提供し、最大出力時に70,000から140,000の範囲の毎分回転数を採用するマイクロタービンである。
【0010】
ガスタービンエンジン100は、軸を中心に回転するように取り付けられたロータ105を備える。エンジン100は、断面で示されているが、当業者は、構成要素のほとんどがロータ105の回転軸に対して実質的に環状であることを容易に認識することができる。この軸は、近位方向及び遠位方向を規定すると考えてもよい。本開示の各図におけるガスタービンエンジン100の向きによれば、近位方向は左側に延び、遠位方向は右側に延びている。
【0011】
ガスタービンエンジン100は、近位に配置されたコンプレッサ110、例えばコンプレッサホイールと、遠位に配置されたタービン115、例えばタービンホイールとを備え、これらの両方がロータ105に結合されている。
【0012】
図1に示すように、ガスタービンエンジン100は、回転運動を電力に変換するための発電機108を備えてもよい。ロータ105は、コンプレッサ110から近位に配置された発電機108の磁気ロータに結合されてもよい。例えば、ロータ105は、磁気ロータ106のロータコア106を規定するか又はこれに結合してもよく、このロータコア106は、1つ又は複数の永久磁石を受け入れるように配置された1つ又は複数のソケットを備えてもよい。あるいは、磁気ロータは、ロータコア106の周囲に延びる磁気スリーブを備えてもよい。
【0013】
図1に示す例では、発電機108を採用しているが、発電機108はオプションであり、ガスタービンエンジン100の用途に応じて省略することができることが認識されるであろう。
【0014】
図1に示すように、タービン115は、ロータ105と共に、モノリシックコンポーネントを形成してもよい。本明細書で使用されるように、モノリシックコンポーネントは、不連続な接合部又は継ぎ目のない材料で形成又は構成された連続的なコンポーネントであり、単一の材料から構成されてもよいし、2つ以上の材料から構成されてもよい。例えば、同じ材料の2つのセグメントまたは異なる材料の2つのセグメントを溶接して連続的な接合部を提供し、モノリシックコンポーネントを実現することができる。あるいは、単一の材料または複数の材料からモノリシックコンポーネントを形成するために、付加的または削減的な製造プロセスが採用され得る。
図1に示す例では、モノリシックコンポーネントは、モノリシックコンポーネントに結合されているコンプレッサ110と共に、ロータコア106、ロータ105及びタービン115から構成されている。他のモノリシックな組み合わせも可能である。例えば、ロータコア106、ロータ105、コンプレッサ110は、タービン115が結合されるモノリシックコンポーネントを形成し得る。したがって、ロータ105は、ロータコア106、コンプレッサ110、及びタービン115のうちの1つ又は複数と共にモノリシックコンポーネントを形成し得る。このようなモノリシックコンポーネントの使用は、発電機の近傍の磁気ロータと、コンプレッサ及びタービンの近傍のパワーロータとの間の、壊れやすく、壊れる傾向がある、曲がり易い結合の要件をなくす。このようなモノリシックコンポーネントは、故障モードの低減による信頼性の向上も容易となる。
【0015】
レキュペレータの設計では、熱流の最適化、システムにフィードバックする排気熱の最大限の抽出、熱損失の最小化、および体積フットプリントの制御を重視する。これらの設計要件に影響を与える重要な要因は、レキュペレータが採用する全体的な流路である。本開示の発明者らは、先行技術のレキュペレータ実装、特にマイクロタービンなどの小型ガスタービンエンジンと共に使用するための実装が、過剰な熱損失、効率の低下をもたらし、特にマイクロタービンの場合には、過剰で許容できない嵩を追加する流路を採用していることを確認した。
【0016】
そこで、本開示の発明者らは、レキュペレータの流路を再設計し、全体の性能向上とフットプリントの縮小を図った。
【0017】
次に、本明細書に開示されたこの改良型レキュペレータの流路について、
図1に描かれたレキュペレータ130を備えるガスタービンエンジン100の具体例を参照して説明する。
【0018】
図1では、ガスタービンエンジン100全体の流路の理解を助けるために、4つの連続するステージ1~4に、各ステージに対応する丸で囲んだ番号を付している。
第1流路ステージ
【0019】
第1流路ステージによれば、コンプレッサ110からの圧縮空気は、第1チャンバ170に入る。このチャンバは、ベアリングハウジング118、タービンケーシング119、及び熱交換器135の半径方向外側の表面と流体連通している。
図1に示すように、この第1チャンバ170の位置は、タービンケーシング119の近傍に渦輪を確立することを容易にし、そこから熱を拾い上げることを容易にする。この流れは、熱交換器135の外側を回りながらさらに熱を拾い、熱交換器135の軸方向吸入口140に導かれる。
【0020】
このように、第1チャンバ170は、コンプレッサ110と熱交換器135の軸方向吸入口140との間に流路を提供する。
【0021】
この第1流路ステージによる流路の位置決めにより、タービンケーシング119、ベアリングハウジング118および熱交換器135から一定量の熱を取り出しやすくなる。
【0022】
熱交換器135の外側表面は、熱抽出の強化を促進するために、荒仕上した表面、リブまたはフィンのうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0023】
この第1流路ステージでは、空気は約300kPa(3bar)の圧力と約470Kの温度であってもよい。
【0024】
そして、第1流路ステージからの空気は、第1熱交換器流路160を介して、熱交換器135の軸方向吸入口140と軸方向排出口145との間で熱交換器135により加熱される。
第2流路ステージ
【0025】
第2流路ステージによれば、熱交換器135の軸方向排出口145からの加熱された空気は、第2チャンバ175に流入する。この第2チャンバ175は、蛇腹178と流体連通しており、局所的な圧力変動を低減するように配置されている。この流れは、燃焼室120に導かれる。
【0026】
このように、第2チャンバ175は、熱交換器135の軸方向排出口145と燃焼室120との間に流路を提供する。
【0027】
この第2流路ステージの空気は、熱交換器145で加熱されて、300kPa(3bar)の圧力と900Kの温度になっていてもよい。
【0028】
第2流路ステージからの空気は、次に、燃料と組み合わされて燃焼室120内で燃焼され、それによってタービン115を通過してロータ105を駆動し、その回転は次に、ガスタービンエンジン100の吸気を圧縮するためにコンプレッサ110によって利用され、発電機108によって電力に変換されてもよい。燃焼器内の空気は、3バール(bar)の圧力および1200Kの温度であってよい。
第3流路ステージ
【0029】
第3流路ステージによれば、タービン排出口125からの排気ガスは、第3チャンバ180に流入する。
図1の例に示すように、第3チャンバ180は、ディフューザ182と流体連通していてもよい。この例のディフューザは、製造が容易な円錐形であり、内部断熱体及び/又は断熱キャップ184などの断熱体を含んでもよい。この断熱体は、第3チャンバ180からの熱損失を防止する。ディフューザは、排気ガスの速度を低下させるのに役立つ。
【0030】
この例では、ディフューザ182は、第3チャンバ180を規定する半径方向の内側面であり、この第3チャンバ180は、タービン115と熱交換器135の径方向吸入口150との間で遠位方向に分岐することが見て取れる。
【0031】
排気ガスは、第3チャンバ180によって、熱交換器135の径方向吸入口150に導かれる。
【0032】
第3流路ステージの排気ガスは、約100kPa(1bar)の圧力で、約970Kであってもよい。
【0033】
第3の流路ステージからの排気ガスは、次に、熱交換器135の径方向吸入口150および径方向排出口155に亘る第2熱交換器流路165を通って導かれ、熱交換器135は、第2熱交換器流路165から第1熱交換器流路160への熱伝達を促進するように配置されている。
第4流路ステージ
【0034】
第4流路ステージによれば、熱交換器135の径方向排出口155を出た冷却された排気ガスは、第4チャンバ185に入り、ガスタービンエンジン100の排出口190に導かれる。
【0035】
この第4流路ステージは、代わりに排気ガスが熱交換器135から直接排気され得るという意味で、任意である。
【0036】
図1の具体例では、第4チャンバ185は、ガスタービンエンジン100の遠位端の周囲に延在する部分を備える。したがって、第4チャンバ185は、熱交換器135の径方向排出口155から遠位方向に延びる第1部分と、ガスタービンエンジン100の遠位端から近位方向に延び、熱交換器135の径方向外側の第1チャンバ170の一部と重なる第2部分とを備える。
【0037】
したがって、第4チャンバ185は、それによって第1チャンバ170の遠位部分を取り囲む領域を備え、第1チャンバ170と第4チャンバ185との間にインターフェース188を規定してもよく、このインターフェースは、熱交換器の半径方向外側で熱交換器の遠位端と近位端の間に軸方向に配置された部分を含んでよく、このインターフェースは熱交換器の軸方向長の少なくとも半分にわたって配置されている。このようにして、第1チャンバ170内の空気は、熱交換器の半径方向外側の表面と第4チャンバ185内の冷却された排気ガスとの間に挟まれ、第4チャンバ185から半径内側方向および熱交換器135から半径外側方向に、第1流路におけるさらなる有用な熱利得が促進される。
【0038】
インターフェース188は、第4チャンバ185と流体連通している側で、表面積と熱交換能力を増加させるために、荒仕上した表面、リブ、フィンまたは他の手段の1つまたは複数で構成されてもよく、それによって、さもなければ失われる追加の熱を、冷却した排ガスからさらに大きく取り出すことを容易にする。
【0039】
第4流路ステージの排気ガスは、圧力が約100kPa(1bar)、温度が約550Kであってもよい。
熱交換器
【0040】
図1に示す例から分かるように、本明細書に開示するレキュペレータ130は、コンプレッサからの(比較的冷たい)空気が流れる軸方向吸入口140と軸方向排出口145との間の第1流路165と、タービンからの(比較的熱い)排気ガスが流れる径方向吸入口150と径方向排出口155との間の第2流路165という二つの流路を設けるように配置された熱交換器135から構成される。熱交換器135は、第1流路と第2流路とが流体連通しないように配置される一方で、第2流路165から第1流路160への熱伝達を促進するように配置されている。
図1に示す例のように、第1流路160と第2流路165は一般に反対方向に流れること、すなわち熱交換器135が逆流式熱交換器であることが好ましく、これは、熱交換経路全体にわたって増加した温度差によって最適な熱伝達を容易にするからである。
【0041】
断熱材は、第3チャンバ180の半径方向内側及び/又は熱交換器135の半径方向内側に設けられてもよい。このような断熱体は、第3チャンバ内の高温のタービン排気ガスと第4チャンバ内の冷却された排気ガスとの間の遠位方向の不要な熱伝達を低減すること、すなわち熱交換器135を迂回する短絡を防止することを容易にする。例えば、断熱キャップ184を設けてもよい。あるいは、熱交換器135の半径方向内側であって第3チャンバと第4チャンバとの間の領域全体が、実質的に断熱材で満たされていてもよい。
排出口の変形例
【0042】
図2及び
図3に示す第2及び第3実施例では、ガスタービンエンジン200、300は、第4チャンバ285、385が径方向排出口255、355から径方向排出口255、355に近接して配置されるガスタービン排出口290、390まで延びることを除いて、上述の第1実施例に従うレキュペレータを構成している。すなわち、これらの実施例では、第4チャンバ285,385は、ガスタービンエンジン200,300の遠位端の周囲に延在しないので、第4チャンバ285,385は短い距離を延在し、ガスタービンエンジン200,300の嵩を減少させることができる。
【0043】
図3に示す例では、第3チャンバ180に近接するディフューザは省略されている。
【0044】
レキュペレータ、第1チャンバ~第4チャンバ、熱交換器のうちの1つ以上は、ロータ105の軸と同軸の環状であってもよい。
【0045】
図1~
図3の例に示すように、熱交換器135は、コンプレッサ110及び/又はタービン125から遠位に配置されてもよい。
【0046】
本明細書に開示された実施例は、限定的なものではなく、多数の変更および置換が可能であることが認識されるであろう。