IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Pizza Worksの特許一覧

<>
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図1
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図2
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図3
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図4
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図5
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図6
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図7
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図8
  • 特許-広告素材の考査支援システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】広告素材の考査支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023193701
(22)【出願日】2023-11-14
【審査請求日】2023-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523391940
【氏名又は名称】株式会社Pizza Works
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】馬▲場▼ 孝輔
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-008952(JP,A)
【文献】特開2009-140249(JP,A)
【文献】特開2016-178519(JP,A)
【文献】特開2003-196293(JP,A)
【文献】特開2022-044080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告素材の考査作業に関連する業務を支援するための、考査支援システムであって、
考査依頼者から考査担当者に対する、考査依頼を処理する機能を有する、依頼処理部、
考査担当者から考査代行者に対する、考査の代行申請を処理する機能を有する、代行処理部
考査担当者およびまたは考査代行者による考査作業を処理する機能を有する、考査処理部、および、
一方の考査担当者による考査の代行申請により考査代行者による代行考査結果が既に登録されている広告素材について、他方の考査担当者から新たな考査の代行申請があった際に、前記他方の考査担当者に対し、前記登録されている代行考査結果の一部または全部を複製して、他方の考査担当者に対する代行考査結果として提供する機能を有する、考査結果複製部、
を少なくとも具備したことを特徴とする、
考査支援システム。
【請求項2】
前記考査処理部は、
前記考査担当者または前記考査代行者の使用端末に考査画面を表示する機能を有し、
前記考査画面は、
前記広告素材の再生、書き込みおよび画面取り込みを実行可能な、広告素材表示欄、
前記広告素材の取込画像を表示する画像欄、および
前記取込画像に対するコメント欄、
を少なくとも含むことを特徴とする、
請求項1に記載の考査支援システム。
【請求項3】
前記考査処理部は、
前記考査担当者または前記考査代行者の使用端末に考査画面を表示する機能を有し、
前記考査画面は、
前記広告素材に対する、他の考査担当者による考査経過を表示する、考査経過情報欄、
を少なくとも含むことを特徴とする、
請求項1に記載の考査支援システム。
【請求項4】
前記依頼処理部が、
複数の考査担当者に対する広告素材の考査依頼を、一括処理可能に構成してあることを特徴とする、
請求項1に記載の考査支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告素材の考査に関連する作業を支援するための、考査支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者は、テレビ広告、ラジオ広告、WEB広告、雑誌広告などを含む各種の広告枠を適正な価格で取引でき、かつ取引の成立性を高めることができる取引システムとして、以下の特許文献1に記載のシステムを考案し、このシステムを用いたクラウドサービスを、非特許文献1に記載するURLにて運営している。
【0003】
広告枠の取引が成立したのち、実際に広告を出稿(放送、配信、掲載などを含む)するにあたっては、TV放送局、ラジオ放送局、出版社などを含むメディア(媒体者)側で、広告素材の考査作業を行っている。
この考査作業は、非特許文献2で説明されているように、業態考査と素材考査とに別れており、このうち、素材考査は、広告素材の内容について、差別的表現、虚偽、誇大表現、サブリミナル効果、薬事法や健康増進法などの各種法規の遵守、視聴者に不快な印象を与える恐れ、などの多くの項目が検討される。そして、テレビ広告やラジオ広告の場合、基本的に以下の非特許文献3に示す放送基準に則って考査が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-182221号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】「TEMPRAクラウド」https://tempra.cloud/
【文献】「CM考査とは? 業態考査と素材考査について」https://cm.kokoku-direct.jp/column/Examination
【文献】「日本民間放送連盟 放送基準」https://j-ba.or.jp/category/broadcasting/jba101032
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この素材考査に携わる関係者にとって、以下に記載する観点において改善の余地が残されている。
(1)考査依頼の申請作業の観点
同じ広告素材であっても、考査作業はメディア内の各企業(各考査担当者)単位で行われるため、考査を依頼する側(広告主や広告代理店など)にとっては、各企業に考査依頼を申請する必要があり、考査申請書のフォーマットも企業毎に異なるため、申請作業に手間と時間を要する。
(2)考査結果の管理作業の観点
考査担当者は、上記した非特許文献3に示す放送基準等に則って考査を行うものの、最終的な適否の判断は各考査担当者に委ねられている。
したがって、考査依頼者にとっては、同じ広告素材について、メディア毎に考査結果に違いが生じる場合があり、考査結果の管理が煩雑になっていた。
(3)考査作業の効率化の観点
考査担当者を抱える企業としては、考査依頼を受け付けた広告素材の考査作業に多くの手間と時間を要するため、考査作業をより効率良く実施する手法の提案が望まれていた。
また、適正な考査を実施するためには、考査担当者が、放送法、景品表示法、薬機法などの専門的な知識を把握しておく必要があり、一人の考査担当者が、あらゆる種類の広告素材の考査を担当することが難しい場合があった。
【0007】
よって、本発明は、広告素材に対する考査関連作業について、利便性の向上に寄与する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、広告素材の考査作業に関連する業務を支援するための、考査支援システムであって、考査依頼者から考査担当者に対する、考査依頼を処理する機能を有する、依頼処理部、考査担当者から考査代行者に対する、考査の代行申請を処理する機能を有する、代行処理部、および、考査担当者およびまたは考査代行者による考査作業を処理する機能を有する、考査処理部、を少なくとも具備したことを特徴とするものである。
また、本願発明は、考査結果複製部、を更に具備し、前記考査結果複製部は、一方の考査担当者による考査の代行申請により考査代行者による代行考査結果が既に登録されている広告素材について、他方の考査担当者から新たな考査の代行申請があった際に、前記他方の考査担当者に対し、前記登録されている代行考査結果の一部または全部を複製して、他方の考査担当者に対する代行考査結果として提供する機能を有するよう構成してもよい。
また、本願発明は、前記考査処理部を、前記考査担当者または前記考査代行者の使用端末に考査画面を表示する機能を有するよう構成し、前記考査画面が、前記広告素材の再生、書き込みおよび画面取り込みを実行可能な、広告素材表示欄、前記広告素材の取込画像を表示する画像欄、および前記取込画像に対するコメント欄、を少なくとも含むよう構成してもよい。
また、本願発明は、前記考査処理部を、前記考査担当者または前記考査代行者の使用端末に考査画面を表示する機能を有するよう構成し、前記考査画面が、前記広告素材に対する、他の考査担当者による考査経過を表示する、考査経過情報欄、を少なくとも含むよう構成してもよい。
また、本願発明は、前記依頼処理部を、複数の考査担当者に対する広告素材の考査依頼を、一括処理可能に構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、広告素材に対する考査関連作業の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る考査支援システムの構成例を示す概略図。
図2】実施例1に係る依頼画面のイメージ図(1)。
図3】実施例1に係る依頼画面のイメージ図(2)。
図4】実施例1に係る依頼画面のイメージ図(3)。
図5】実施例1に係る考査依頼書確認画面のイメージ図。
図6】実施例1に係る考査回答書確認画面のイメージ図。
図7】実施例1に係る考査画面のイメージ図。
図8】実施例2に係る考査画面のイメージ図。
図9】実施例3に係る考査支援システムの構成例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
<1>前提(図1
図1に示すように、本発明に係る考査支援システムA(以下、「本システム」ともいう。)は、広告素材の考査に関連する作業(以下、「考査関連作業」ともいう。)を支援するためのシステムである。
本システムは、ネットワーク(インターネット、WANなどを含む)を介して、考査作業に携わる関係者(考査依頼者B、考査担当者C、考査代行者Dなどのうち、少なくとも何れかの者を含む。以下、単に「考査関係者」ともいう。)の使用端末(PC、スマートフォン、タブレットなどの情報処理装置を含む。)に備えたアプリケーションやWEBブラウザ等の間で情報の送受信を可能に構成し、この考査関係者の間でやりとりされる考査関連作業を支援する。
なお、本システムは、上記した特許文献1に記載した広告枠の取引システムに組み込んだ態様であってもよいし、独立して提供される態様であってもよい。
【0013】
<1.1>広告素材
本発明において「広告素材」とは、例えば、テレビ、ラジオ、WEB、雑誌、チラシ、新聞、看板などの各種メディアに出稿(放送、掲載、配信などを含む。)される、考査対象となる広告内容が含まれた電子データを指す。
また、広告素材の種類は特段限定せず、動画、静止画、テキスト、音声などの各種情報を含むことができる。
【0014】
<1.2>考査依頼者
本発明において、「考査依頼者B」とは、広告主や、広告主を顧客とする広告代理店、およびこれらの者から委託を受けた者、などを指す。
考査依頼者Bは、広告を行うにあたり、本発明に係る考査支援システムAを用いて、広告素材の考査を考査担当者Cに依頼する。
【0015】
<1.3>考査担当者
本発明において、「考査担当者C」とは、広告素材を用いた広告を実施する各種媒体の運営者(放送局、出版社、WEBメディアなどを含む。)や、これらの者から委託を受けた者、などを指す。
考査担当者Cは、考査依頼者Bから広告素材の依頼を受けることで、広告素材の考査を行い、考査結果を考査依頼者Bに通知する。
【0016】
<1.4>考査代行者
本発明において、「考査代行者D」とは、考査担当者Cとは別に、考査作業を代行する者である。
考査代行者Dには、本システムの運営者、当該運営者から委託を受けた外部業者、本システムにおいて考査担当者Cとしても属しつつ考査の代行も業務とする者、などが含まれる。
考査代行者Dは、考査担当者Cからの考査代行の依頼を受けて、考査を代行する。
【0017】
<1.5>考査関連作業
本発明において、「考査関連作業」とは、「考査関係者」が行う広告素材の考査に関連する作業である。
例えば、考査依頼者Bにおける考査関連作業には、考査依頼や、考査結果に対する返信対応などが含まれる。
また、考査担当者Cにおける考査関連作業には、考査、考査依頼の転送(同じ組織に属する者への割り当てなどを含む)、考査依頼の代行、再考査などが含まれる。
また、考査代行者Dにおける考査関連作業には、考査、考査代行の転送(同じ組織に属する者への割り当てなどを含む)、再考査、などが含まれる。
【0018】
<2>全体構成(図1
図1に示す本実施例に係る考査支援システムA(以下、単に「本システム」ともいう。)は、依頼処理部10、代行処理部20、および考査処理部30を少なくとも具備している。
各部は、サーバ、PC、スマートフォン、タブレットなどの情報処理装置にインストールされたプログラムによって実現することができる。
なお、本実施例では、本システムをクラウドサーバで構成しており、ログイン権限を付与された考査依頼者Bや考査担当者Cが、適宜クラウドサーバにログインして、本システムにアクセスすることで、広告素材に関する考査関連作業を行う。
以下、各部の詳細について説明する。
【0019】
<3>依頼処理部(図1
依頼処理部10は、考査依頼者Bから、複数の考査担当者Cに対する広告素材の考査依頼を一括して受け付けるための機能を有する。
より詳細には、依頼処理部10は、考査依頼者Bの使用端末に依頼画面100を表示する機能を少なくとも有し、依頼画面100で考査依頼者Bが入力または選択した依頼情報(考査の依頼先など)や、添付した広告素材のデータなどを受信して、システム内に設けたデータベースに登録する機能を少なくとも有する。
【0020】
<3.1>依頼画面(図2
考査依頼者Bの使用端末上で表示される依頼画面100の表示例を図2に示す。
本実施例では、考査依頼者Bが本システムにログインした際のTOPページ(図示せず)に、依頼画面100に遷移するためのハイパーリンクを埋め込んだテキストが設けてあり、考査依頼者Bは、適宜TOPページから依頼画面100に進んで、広告素材の考査依頼を行う。
依頼画面100には、考査依頼に必要な各種情報の入力欄を適宜含めることができる。本発明においてこれらの入力欄の内訳やレイアウトは特段限定しない。
【0021】
<3.2>依頼先選択欄(図2図3
考査依頼者Bが、図2に示す依頼画面100中に表示している「参照」のボタンを選択した場合、依頼処理部10は、図3に示すように、考査依頼を行う放送局を一括で選択するための依頼先選択欄110をポップアップウィンドウで表示する。
考査依頼者Bは、依頼先選択欄110から任意の放送局のチェックボックスを選択して「閉じる」のボタンを選択することで、ポップアップウィンドウが閉じ、図2に示す依頼画面100中の依頼局の入力欄に、選択した放送局が追加される。したがって、この依頼先選択欄110で、複数の放送局を選択すれば、考査依頼を複数の考査担当者Cに一括設定することができる。
【0022】
<3.3>考査依頼書確認画面(図4
その後、図2に示す依頼画面100から、考査依頼者Bが「考査依頼書作成」のボタンを選択すると、図4に示した考査依頼書確認画面200が表示される。
考査依頼書確認画面200では、依頼画面100で入力した各種情報と、広告素材のデータをドラッグ&ドロップすることで、広告素材を添付可能な資料追加欄210が表示されている。
考査依頼者Bは、各項目の内容を確認したのち、「依頼する」のボタンを選択することで、考査依頼者B側の依頼作業が完了する。
【0023】
<4>代行処理部(図1
代行処理部20は、考査担当者Cから、考査代行者Dに対する、広告素材の考査作業の代行申請を受け付けるための機能を有する。
より詳細には、代行処理部20は、考査担当者Cの使用端末に、考査依頼書表示画面300を表示する機能を少なくとも有し、考査依頼書表示画面300で考査担当者Cが入力または選択した代行申請情報を受信して、システム内に設けたデータベースに登録する機能を少なくとも有する。
【0024】
<4.1>考査依頼書表示画面(図5
考査担当者Cの使用端末上で表示される考査依頼書表示画面300の表示例を図5に示す。
本実施例では、考査担当者Cが本システムにログインした際のTOPページ(図示せず)から、考査依頼の一覧表示画面(図示せず)内に表示される考査依頼を選択することで、考査依頼書表示画面300が表示されるよう構成されている。
図5に示す考査依頼書表示画面300には、図4に示した考査依頼書確認画面200に表示された各種情報や広告素材等が表示されるほか、「回答登録」ボタン、「考査担当へ転送」ボタン、「考査を代行する」ボタンなどが配置されている。
【0025】
<4.1.1>考査担当者自身が考査する場合
図5に示す考査依頼書表示画面300において、考査担当者Cが「回答登録」ボタンを選択した場合、代行処理部20は、図6に示す考査回答書確認画面400へと遷移させる。
【0026】
<4.1.2>考査代行者に代行させる場合
図5に示す考査依頼書表示画面300において、考査担当者Cが「考査を代行する」ボタンを選択した場合、代行処理部20は、考査代行者Dに考査を代行させるべく、代行先を選択するための設定画面(図示せず)へと遷移させ、考査依頼に係る広告素材の考査を、考査代行者Dに担当させるよう、本システムのデータベースに登録する。
代行先の考査代行者Dは、考査担当者Cと同様、図5に示す考査依頼書表示画面300でもって、前記した<5.1.1>に説明するように「回答登録」ボタンを選択して、図6に示す考査回答書確認画面400から考査を行うことになる。
【0027】
<4.1.3>別の考査担当者に転送する場合
図5に示す考査依頼書表示画面300において、考査担当者Cが「考査担当へ転送」ボタンを選択した場合、代行処理部20は、考査依頼を他の考査担当者Cに転送するための設定画面(図示せず)へと遷移させ、考査依頼に係る広告素材の考査を、転送先の考査代行者Dに担当させるよう、本システムのデータベースに登録する。
転送先の考査担当者Cは、考査担当者Cと同様、図5に示す考査依頼書表示画面300でもって、前記した<5.1.1>に説明するように「回答登録」ボタンを選択して、図6に示す考査回答書確認画面400から考査を行うことになる。
【0028】
<5>考査処理部(図1
考査処理部30は、考査担当者Cや考査代行者Dの使用端末に、広告素材の考査作業を行うための考査画面500を表示する機能を有する。
より詳細には、考査処理部30は、考査担当者Cの使用端末に表示した考査画面500上で、システム内に設けたデータベースに登録された考査依頼に係る広告素材を考査し、考査結果を再度データベースに登録する機能を少なくとも有する。
【0029】
<5.1>考査回答書確認画面(図6
図6に示す考査回答書確認では、図4に示した考査依頼書確認画面200に表示された各種情報や広告素材等が表示されるほか、「考査をする」ボタン、「回答送信」ボタンなどが配置されている。
考査担当者Cが「考査をする」ボタンを選択した場合には、図7に示す考査画面500へと遷移する。
また、後述する<5.2>における考査の実施後に、「回答送信」ボタンを選択した場合には、考査依頼に対する考査結果を本システム内のデータベースに登録する。
【0030】
<5.2>考査画面(図7
図7に示す考査画面500には、考査担当者Cによる考査に必要な各種情報の表示欄や入力欄が表示されている。
本発明においてこれらの表示欄や入力欄の内訳やレイアウトは特段限定しない。
なお、本実施例では、考査画面500内に、広告素材表示欄510、取込画像欄520、およびコメント欄530を少なくとも含めている。
【0031】
<5.2.1>広告素材表示欄(図7
広告素材表示欄510は、考査担当者Cによる確認のために、広告素材を表示するための欄である。
図7に示す広告素材表示欄510では、広告素材として動画を想定しており、この動画を再生するための再生ボタンや、巻き戻りボタン、早送りボタン、画面上に書き込みを行うための書込ボタン511、再生中の動画を画面取り込み(キャプチャ)するための取込ボタン512などが配置されている。
考査担当者Cは、広告素材表示欄510から、広告素材を再生し、指摘対象となる箇所で動画を停止し、必要に応じて画面内に書き込みを行ったのち、取込ボタン512を選択することにより、考査処理部30は、書き込みも含んだ画面を取り込んで生成した取込画像を、後述する取込画像欄520に表示する。
【0032】
<5.2.2>取込画像欄(図7
取込画像欄520には、前記広告素材表示欄510での画面取り込みによって取り込まれた取込画像と、広告素材における取込画像の取込時のタイムコードが含まれている。
【0033】
<5.2.3>コメント欄(図7
コメント欄530は、画像欄の取込画像に対する、考査担当者Cからのコメントを入力可能な、入力欄が含まれている。
【0034】
<5.2.4>その他の表示欄(図7
また、図7では、取込画像欄520及び入力欄の他に、この取込画像欄520に関する考査に関連する要望事項(資料要請の有無、改稿要請の有無)や、進捗状況(考査対応の完了)などを適宜設定可能なチェックボックスなどを設けている。
【0035】
<5.3>考査後の処理(図7図6
考査が一通り完了した後は、図7に示す考査画面500に設けてある「登録」のボタンを選択することで、図6に示す考査回答書確認画面400上に考査内容が反映される。
その後、<5.1>で説明したように、考査回答書確認画面400に設けた「回答送信」ボタンを選択することで、考査依頼に対する考査結果が、本システム内のデータベースに登録される。
【0036】
<5.3.1>考査代行経由の場合(図6図7
なお、考査代行者Dによる考査の代行を経由した場合には、考査代行者Dによる考査の完了後、考査代行を申請した考査担当者Cが、あらためて図6に示す考査回答書確認画面400を確認しつつ、必要に応じて図7に示す考査画面500でもって、考査結果の修正等を行った上で、考査担当者Cによって、図6に示す考査回答書確認画面400に設けた「回答送信」ボタンを選択して考査を完了させるように構成することが好ましい。
【0037】
<6>考査結果の確認・打ち返し(図示せず)
考査担当者Cによる考査(考査代行者Dを経由した考査も含む。)が完了したことを把握した考査依頼者Bは、図6に示す考査回答書確認画面400に類する画面(図示せず)でもって、考査結果を確認し、指摘事項に対する回答文の入力や、要望を受けた追加資料の添付などの対応(以下「打ち返し」ともいう。)を行う。
【0038】
<7>まとめ
上述した、考査担当者Cによる考査と、考査依頼者Bによる打ち返しを適宜繰り替えして、広告素材の出稿が可能となるまで考査を行うことになる。
【0039】
<8>小括
このように、本実施例に係るシステムによれば、少なくとも以下の点で、有用な効果を得ることができる。
(1)考査依頼者Bからの考査依頼に対し、考査担当者Cが、考査の実施先を柔軟に設定することができる。
(2)考査過程において、広告素材における考査の指摘事項を、考査画面500上で適宜追加した書き込みを含めることが可能な取込画面でもって、視覚的に考査依頼者Bに伝達することが可能となるため、考査結果とその意図をより正確に考査依頼者Bに理解させることができ、考査依頼者Bおよび考査担当者Cの双方にとって、考査作業に係るやりとりを、より効率化することができる。
(3)考査依頼者Bから、複数の考査担当者Cに対し、一括で考査依頼を申請することが可能となるため、考査依頼者Bによる依頼作業をより効率化することができる。
【実施例2】
【0040】
<1>考査経過の共有機能(図8
本発明に係る考査支援システムAは、同じ広告素材に対する、各考査担当者Cでの考査の経過を共有できるように構成してもよい。
例えば、考査依頼者Bが、一方の考査担当者C1に考査依頼を行いつつ、一方の考査担当者C1による考査の途中段階や考査完了後に、他方の考査担当者C2に同じ広告素材に対する考査依頼を行った場合を想定する。
この場合、考査依頼者Bと一方の考査担当者C1との間で繰り返された考査および打ち返しによって、広告素材の中で表示される説明文に対し、一方の考査担当者C1から考査依頼者Bに対し、説明文の内容の根拠となる資料(エビデンス)の開示が求められ、考査依頼者Bが、打ち返しによって、一方の考査担当者C1に対し、追加資料が新たに添付されていることが考えられる。
その後、他方の考査担当者C2が、同じ広告素材の考査を開始する際に、白紙の状態から考査が行われてしまうと、考査作業の重複が発生し、非効率的となる。
【0041】
そこで、本実施例に係る考査システムでは、考査依頼者B側に表示する依頼画面100(図2)において、同じ広告素材に、共通の識別情報を入力(例えば、図2における「素材名」の欄)しておくことにより、同じ広告素材を考査対象とする考査依頼を本システムのデータベース上で紐付けておき、考査処理部30において、他方の考査担当者C2が、考査回答書確認画面400や考査画面500を確認する際に、一方の考査担当者C1と考査依頼者Bとの間でやりとりされた考査経過を表示できるようよう構成した。
【0042】
<2>考査画面の変形例(図8
本実施例に係る考査画面500を図8に示す。
図8に示す考査画面500は、図7に示す考査画面500から、さらに考査経過情報欄540が追加されている。
本実施例では、考査経過情報欄540に、一方の考査担当者C1による考査の過程で、考査依頼者Bから新たに添付された追加資料の確認欄が表示されている。
この確認欄は、広告素材のタイムコード毎に、考査依頼者Bの打ち返し作業等によって新たに追加された添付資料が閲覧可能に構成されている。
よって、他方の考査担当者C2は、先行する一方の考査担当者C1と考査依頼者Bとの間での考査経過を、タイムコード毎に確認することができる。
【0043】
<3>小括
このように、本実施例に係るシステムによれば、少なくとも以下の点で、有用な効果を得ることができる。
(1)ある広告素材に対する、一方の考査担当者C1との考査経過(追加提出された添付資料など)を、同じ広告素材を考査する他方の考査担当者C2の考査画面500にも表示(共有)させることで、複数の考査担当者C(C1,C2・・・Cn)が時間をかけて同じ箇所を指摘したり、考査担当者Bが各考査担当者Cに対し、同じ回答をしたりする、などの重複作業を回避することができ、考査依頼者Bおよび考査担当者Cの双方にとって利便性の向上に繋がる。
【実施例3】
【0044】
<1>考査結果複製部の追加(図9
本発明に係る考査支援システムAは、図9に示すように、さらに考査結果複製部40を追加してもよい。
考査結果複製部40は、一方の考査担当者C1による考査の代行申請により考査代行者Dによる代行考査結果が既に登録されている広告素材について、他方の考査担当者C1から新たな考査の代行申請があった際に、前記他方の考査担当者C2に対し、前記登録されている代行考査結果の一部または全部を複製して、他方の考査担当者C2に対する代行考査結果として提供する機能を有する。
【0045】
<2>考査回答書確認画面への反映
例えば、考査担当者C側に表示する依頼画面100(図2)において、同じ広告素材に、共通の識別情報を入力(例えば、図2における「素材名」の欄)させて、同一の広告素材からなる各考査依頼を本システムのデータベース上で予め紐付けておく。
そして、他方の考査担当者C2に表示される考査依頼書表示画面300(図5)において、他方の考査担当者C2が「考査を代行する」ボタンを選択したときに、本システムは、識別情報を用いて、考査対象の広告素材について、既に考査代行者Dによる代行考査結果が存在する場合には、他方の考査担当者C2に対し、当該代行考査結果を複製して反映させた考査回答書確認画面400(図6)を表示させる。
なお、本発明において、考査結果複製部40による、代行考査結果の複製範囲は一部であっても全部であってもよい。
【0046】
<3>複製した考査結果の確認・修正
他方の考査担当者C2は、複製された代行考査結果が反映済みの考査回答書確認画面400(図6)を確認し、必要に応じて図7に示す考査画面500でもって、考査結果の修正等を行った上で、再度、考査回答書確認画面400(図6)において「回答送信」ボタンを選択して考査を完了させればよい。
【0047】
<4>小括
このように、本実施例に係るシステムによれば、少なくとも以下の点で、有用な効果を得ることができる。
(1)一方の考査担当者C1によって代行申請された考査代行者Dによる代行考査結果を、同じ広告素材で考査代行を申請した他方の考査担当者C2にも流用することで、同じ広告素材に対し、複数の考査担当者が時間をかけて同じ箇所を指摘する、などの重複作業を回避することができ、考査担当者にとって利便性の向上に繋がる。
(2)考査依頼者Bにとっても、各考査担当者Cからの考査結果の待ち時間の短縮に繋がり、広告素材の修正作業の効率化が期待できる。
【符号の説明】
【0048】
A:考査支援システム
B:考査依頼者
C:考査担当者
D:考査代行者
10:依頼処理部
20:代行処理部
30:考査処理部
40:考査結果複製部
100:依頼画面
110:依頼先選択欄
200:考査依頼書確認画面
210:資料追加欄
300:考査依頼書表示画面
400:考査回答書確認画面
500:考査画面
510:広告素材表示欄
511:書込ボタン
512:取込ボタン
520:取込画像欄
530:コメント欄
540:考査経過情報欄
【要約】
【課題】広告素材に対する考査関連作業について、利便性の向上に寄与すること。
【解決手段】考査支援システムAは、考査依頼者Bから考査担当者Cに対する、考査依頼を処理する依頼処理部10、考査担当者Cから考査代行者Dに対する、考査の代行申請を処理する代行処理部20、および考査担当者Cおよびまたは考査代行者Dによる考査作業を処理する考査処理部30を少なくとも具備する。例えば、依頼処理部10でもって、考査依頼者から、複数の考査担当者に対し、一括で考査依頼を申請可能とすることにより、考査依頼者による依頼作業をより効率化することができる。また代行処理部20でもって、考査依頼者Bからの考査依頼に対し、考査作業を考査代行者Dに代行させることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9