(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】支払履歴管理システム、情報処理装置、支払履歴管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q20/20
(21)【出願番号】P 2019005850
(22)【出願日】2019-01-17
【審査請求日】2021-12-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 圭二
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】佐藤 智康
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/015998(WO,A1)
【文献】特開2015-194861(JP,A)
【文献】特開2005-276038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有し、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払又は前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に加える支払履歴管理システム。
【請求項2】
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有し、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に登録するとともに、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払が同一の支払であることを示す情報を登録する支払履歴管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支払履歴管理システムにおいて、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断されなかった場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を異なる支払として前記支払履歴に加える支払履歴管理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の支払履歴管理システムにおいて、
前記第1のシステムは、電子レシートを管理するシステムであり、
前記第1の取得手段は、前記第1のシステムから、ユーザ識別情報、店舗識別情報、支払識別情報、支払対象の商品又はサービス、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つを含む電子レシート情報を取得し、
前記第2のシステムは、所定の支払方法での支払内容を管理するシステムであり、
前記第2の取得手段は、前記第2のシステムから、ユーザ識別情報、店舗識別情報、支払識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つを含む支払情報を取得し、
前記判断手段は、ユーザ識別情報、店舗識別情報、支払識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つに基づき、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する支払履歴管理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の支払履歴管理システムにおいて、
前記第2の取得手段は、第1の支払方法での支払内容を管理する第2-1のシステムから第2-1の支払情報を取得するとともに、第2の支払方法での支払内容を管理する第2-2のシステムから第2-2の支払情報を取得し、
前記判断手段は、前記第2-1の支払情報が示す支払と前記第2-2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、
前記管理手段は、前記第2-1の支払情報が示す支払と前記第2-2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第2-1の支払情報が示す支払及び前記第2-2の支払情報が示す支払を関連づける支払履歴管理システム。
【請求項6】
請求項2に記載の支払履歴管理システムにおいて、
前記支払履歴を出力する出力手段をさらに有し、
前記出力手段は、同一の支払である前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払のうち、予め定められた優先順位に基づき決定した支払を含む前記支払履歴を出力する支払履歴管理システム。
【請求項7】
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有
し、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払又は前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に加える情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得し、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づけ
、
支払履歴を記憶し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払又は前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に加える支払履歴管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段、
として機能させ
、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段としてさらに機能させ、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払又は前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に加えるプログラム。
【請求項10】
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有し、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に登録するとともに、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払が同一の支払であることを示す情報を登録する情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得し、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づけ、
支払履歴を記憶し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に登録するとともに、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払が同一の支払であることを示す情報を登録する支払履歴管理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段、
として機能させ、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段としてさらに機能させ、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に登録するとともに、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払が同一の支払であることを示す情報を登録するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払履歴管理システム、情報処理装置、支払履歴管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家計簿管理システム等を利用して、店舗などでの支払履歴を電子データとして管理することがなされている。
【0003】
特許文献1は、電子レシートから、家計簿管理システムのフォーマットに合わせた家計部データを生成し、出力することで電子レシートと家計簿管理システムとを連携するレシート管理システムを開示している。
【0004】
特許文献2は、比較処理により、同一レシート情報の重複受信を排除する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-60555号公報
【文献】特開2006-195552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
店舗が発行した電子レシートを用いて各ユーザの支払履歴等を更新する技術の場合、電子レシートの発行に対応している店舗でユーザが買い物をした場合には電子レシートを用いて支払履歴等を自動更新できるが、電子レシートの発行に対応していない店舗でユーザが買い物をした場合には支払履歴等を自動更新できないという問題がある。この場合、ユーザは、電子レシートの発行に対応していない店舗での支払内容をシステムに手入力等しなければならず手間である。そこで、本発明者は、上記支払履歴を自動的に更新する技術を検討した。
【0007】
本発明は、複数種類の支払情報に基づき支払履歴を更新するシステムにおいて、重複登録を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有する支払履歴管理システムが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有する情報処理装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得し、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける支払履歴管理方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数種類の支払情報に基づき支払履歴を更新するシステムにおいて、重複登録を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図の一例である。
【
図2】本実施形態の支払履歴管理システムが取得する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図3】本実施形態の支払履歴管理システムが取得する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図4】本実施形態の支払履歴管理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の支払履歴管理システムの機能ブロック図の一例である。
【
図6】本実施形態の支払履歴管理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態の支払履歴管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態の支払履歴管理システムの機能ブロック図の一例である。
【
図9】本実施形態の支払履歴管理システムが出力する情報の一例である。
【
図10】本実施形態の支払履歴管理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図11】本実施形態の支払履歴管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態の支払履歴管理システムが出力する情報の一例である。
【
図13】本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
まず、
図1の機能ブロック図を用いて、本実施形態の情報処理システムの全体像及び概要を説明する。
【0015】
本実施形態の情報処理システムは、支払履歴管理システム10と、電子レシートシステム20と、支払サービスシステム30と、店舗システム40及び41とを有する。
【0016】
店舗システム40及び41は、店舗での会計内容を管理する店舗システムである。店舗は、実店舗であってもよいし、仮想店舗(オンラインショップ)であってもよい。実店舗の場合、店舗システム40及び41は、会計対象の商品等を登録し、精算処理を実行するレジスター(例:POS(point of sales)レジスター)、及び、レジスターから会計内容を示す情報を取得し、管理する店舗サーバ等を含む。仮想店舗の場合、店舗システム40及び41は、インターネットを介して、商品の受注、支払方法の受付け、精算処理、会計内容の管理等を実行するサーバ等を含む。
【0017】
店舗システム40は、電子レシートシステム20が提供する電子レシートサービスに対応した店舗のシステムである。店舗システム41は、電子レシートシステム20が提供する電子レシートサービスに対応しない店舗のシステムである。電子レシートサービスは、店舗での会計内容(店舗情報、購入年月日、購入商品又はサービス、購入金額合計、支払方法等)を示す電子レシートを発行し、顧客に提供するサービスである。
【0018】
実店舗の場合、店舗システム40のレジスターは、各顧客の会計処理時の任意のタイミングで、各顧客の電子レシートサービスユーザ識別情報の入力を受付ける。そして、レジスターは、入力された電子レシートサービスユーザ識別情報と、その顧客の会計情報とを店舗サーバに送信する。店舗サーバは、受信した電子レシートサービスユーザ識別情報と、その顧客の会計情報とを電子レシートシステム20に送信する。
【0019】
電子レシートサービスユーザ識別情報は、電子レシートシステム20が提供する電子レシートサービスのユーザを識別する情報である。店舗システム40から電子レシートシステム20に送信される会計情報は、店舗、支払対象の商品又はサービス、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つを示す情報である。支払対象の商品又はサービスは、購入者側の視点では「購入対象の商品又はサービス」と言い換えることができ、販売者側の視点では「販売対象の商品又はサービス」と言い換えることができる。
【0020】
仮想店舗の場合、例えば注文を確定させる前又は注文を確定させた後の任意のタイミングで表示された画面において、電子レシートサービスユーザ識別情報を入力する欄が設けられる。店舗システム40は、当該欄において入力された電子レシートサービスユーザ識別情報と、その顧客の会計情報とを取得する。そして、店舗システム40は、取得した電子レシートサービスユーザ識別情報と、その顧客の会計情報とを電子レシートシステム20に送信する。
【0021】
なお、電子レシートシステム20が提供する電子レシートサービスに対応しない店舗システム41は、上述した電子レシートサービスユーザ識別情報を取得する処理や、電子レシートサービスユーザ識別情報と会計情報とを電子レシートシステム20に送信する処理等を実行しない。
【0022】
電子レシートシステム20は、上述のようにして店舗システム40から取得した会計情報に基づき電子レシートを発行し、取得した電子レシートサービスユーザ識別情報に対応付けて自システムの記憶装置又は自システムに接続された記憶装置に記憶させる。また、電子レシートシステム20は、電子レシートで示される支払情報と、電子レシートサービスユーザ識別情報とを支払履歴管理システム10に送信する。
【0023】
以下、電子レシートシステム20が支払履歴管理システム10に送信する支払情報を「第1の支払情報」とよぶ。
図2に、第1の支払情報の一例を模式的示す。第1の支払情報は、支払対象の商品又はサービス、支払を行った店舗を識別する店舗識別情報、支払金額(合計金額)、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つを示す情報である。
【0024】
図1に戻り、支払サービスシステム30は、所定の支払方法での支払サービスを提供するシステムである。支払方法は、クレジットカード支払、電子マネー支払、コード支払等が例示されるが、これらに限定されない。
【0025】
支払サービスシステム30は、店舗装置(レジスターなど)や顧客端末(スマホなど)から支払リクエストを受信する。支払リクエストには、支払するための情報が含まれる。支払するための情報は支払金額の他、クレジットカードで支払するための情報(クレジットカード番号、カード名義人、有効期限、セキュリティコード等)、電子マネーで支払するための情報(電子マネー支払サービスのユーザ識別情報等)、コード支払するための情報(コード支払サービスのユーザ識別情報等)等が含まれる。
【0026】
そして、支払サービスシステム30は、支払リクエストに応じて実行した支払処理が完了すると、そのユーザの支払内容を示す支払情報を支払履歴管理システム10に送信する。
【0027】
以下、支払サービスシステム30が支払履歴管理システム10に送信する支払情報を「第2の支払情報」とよぶ。
図3に、第2の支払情報の一例を模式的示す。第2の支払情報は、支払を行った店舗を識別する店舗識別情報(利用先)、支払金額(利用金額)、支払年月日(利用日)及び支払方法の中の少なくとも一つを示す情報である。図示しないが、第2の支払情報は、各支払サービスのユーザを識別する情報を含むことができる。なお、第2の支払情報は、その他の情報を含んでもよい。例えば、プリペイド型の電子マネー支払を提供する第2のシステム30は、第2の支払情報に残高情報を含めてもよい。また、クレジットカード支払を提供する第2のシステム30は、第2の支払情報に引落日を含めてもよい。
【0028】
図1に戻り、支払履歴管理システム10は、支払履歴管理サービスを提供するシステムである。支払履歴管理システム10は、支払履歴サービスユーザ識別情報に対応付けて、各顧客の支払履歴を記憶している。そして、支払履歴管理システム10は、電子レシートシステム20から取得した第1の支払情報、及び、支払サービスシステム30から取得した第2の支払情報に基づき、各顧客の支払履歴を更新する。なお、支払履歴管理システム10は、複数の電子レシートシステム20から第1の支払情報を取得することができる。また、支払履歴管理システム10は、複数の支払サービスシステム30から第2の支払情報を取得することができる。
【0029】
また、支払履歴管理システム10は、電子レシートサービスユーザ識別情報を支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する手段、及び、各支払サービスのユーザを識別する情報を支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する手段を有する。例えば、支払履歴管理システム10は、予め支払履歴サービスユーザ各々により登録された電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報との対応関係を示す対応情報や、各支払サービスのユーザを識別する情報と支払履歴サービスユーザ識別情報との対応関係を示す対応情報等に基づき、上記変換を実現する。なお、電子レシートシステム20及び支払サービスシステム30が上記変換する手段を有してもよい。そして、電子レシートシステム20及び支払サービスシステム30は、第1の支払情報及び第2の支払情報に支払履歴サービスユーザ識別情報を含めて送信してもよい。
【0030】
なお、電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報とは同じであってもよい。この場合、これらのユーザ識別情報を変換する手段は不要となる。
【0031】
さらに、支払履歴管理システム10は、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、同一の支払であると判断した場合には、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を関連づける手段を有する。「関連付ける」は、同一の支払であると判断した第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を1つの支払として支払履歴に登録したり、当該第1の支払情報が示す支払と当該第2の支払情報が示す支払各々を支払履歴に登録するが、それらは同一の支払として管理したり、同一の支払であることを示すフラグをつけたりすることを意味する。詳細は後述する。
【0032】
このような情報処理システムによれば、支払履歴管理システム10は、電子レシートシステム20から取得する第1の支払情報のみならず、支払サービスシステム30から取得する第2の支払情報をも利用して、各顧客の支払履歴を更新することができる。このため、電子レシートサービスに対応していない店舗で買い物した場合であっても、顧客が所定の支払方法で支払した場合には、その支払に関する情報を支払履歴に自動登録することができる。
【0033】
また、支払履歴管理システム10は、電子レシートシステム20から取得した第1の支払情報が示す支払と、支払サービスシステム30から取得した第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、同一の支払であると判断した場合には、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を関連づける。このため、同一支払の重複登録を抑制することができる。
【0034】
次に、本実施形態の支払履歴管理システム10、電子レシートシステム20、支払サービスシステム30、店舗システム40及び41各々のハードウエア構成の一例について説明する。本実施形態の支払履歴管理システム10、電子レシートシステム20、支払サービスシステム30、店舗システム40及び41各々が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0035】
図4は、本実施形態の支払履歴管理システム10、電子レシートシステム20、支払サービスシステム30、店舗システム40及び41各々のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図4に示すように、支払履歴管理システム10、電子レシートシステム20、支払サービスシステム30、店舗システム40及び41各々は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。支払履歴管理システム10、電子レシートシステム20、支払サービスシステム30、店舗システム40及び41各々は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、支払履歴管理システム10、電子レシートシステム20、支払サービスシステム30、店舗システム40及び41各々は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0036】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0037】
次に、支払履歴管理システム10の機能構成の一例について説明する。
図5の機能ブロック図に示すように、支払履歴管理システム10は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、判断部13と、管理部14と、支払履歴記憶部15とを有する。なお、支払履歴管理システム10は、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。例えば、図示するように、情報処理装置50と、他の装置とで構成されてもよい。情報処理装置50は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、判断部13と、管理部14とを有する。他の装置は、支払履歴記憶部15を有する。なお、物理的及び論理的に1つの装置が、第1の取得部11と、第2の取得部12と、判断部13と、管理部14と、支払履歴記憶部15とを有してもよい。
【0038】
支払履歴記憶部15は、支払履歴サービスユーザ識別情報に対応付けて、各顧客の支払履歴を記憶している。
図6に、支払履歴記憶部15が記憶している支払履歴の一例を模式的に示す。図示する支払履歴は、支払日(日付)、支払を行った店舗、支払金額、支払方法等の情報を含む。
【0039】
支払履歴は、電子レシートシステム20(第1のシステム)から取得された第1の支払情報や支払サービスシステム30(第2のシステム)から取得された第2の支払情報に基づき自動更新される。なお、支払履歴は、ユーザ入力により手動更新されてもよい。
【0040】
図5に戻り、第1の取得部11は、電子レシートシステム20から電子レシートにおける支払情報(第1の支払情報)、すなわち電子レシートで示される支払情報を取得する。第1の支払情報の一例は、
図2に示される。また、第1の取得部11は、第1の支払情報に対応付けて、支払履歴サービスユーザ識別情報を取得する。例えば、電子レシートシステム20から取得した第1の支払情報には、電子レシートサービスユーザ識別情報が含まれてもよい。この場合、第1の取得部11は、予め支払履歴サービスユーザ各々により登録された電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報との対応関係を示す対応情報等に基づき、第1の支払情報に含まれる電子レシートサービスユーザ識別情報を支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する。その他、電子レシートシステム20から取得した第1の支払情報に支払履歴サービスユーザ識別情報が含まれてもよい。この場合、電子レシートシステム20は、電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報との対応関係を示す対応情報等に基づき、電子レシートサービスユーザ識別情報を支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する。その他、電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報とは同じであってもよい。この場合、これらのユーザ識別情報を変換する手段は不要となる。
【0041】
第2の取得部12は、支払サービスシステム30から金融機関における支払情報(第2の支払情報)、すなわち各金融機関が実行した決済内容を示す支払情報を取得する。金融機関は、クレジットカード支払、電子マネー支払、QRコード(登録商標)支払等の支払サービスを提供する機関である。第2の支払情報の一例は、
図3に示される。また、第2の取得部12は、第2の支払情報に対応付けて、支払履歴サービスユーザ識別情報を取得する。例えば、支払サービスシステム30から取得した第2の支払情報には、各支払サービスのユーザ識別情報が含まれてもよい。この場合、第2の取得部12は、予め支払履歴サービスユーザ各々により登録された各支払サービスのユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報との対応関係を示す対応情報等に基づき、第2の支払情報に含まれる各支払サービスのユーザ識別情報を支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する。その他、支払サービスシステム30から取得した第2の支払情報に支払履歴サービスユーザ識別情報が含まれてもよい。この場合、支払サービスシステム30は、各支払サービスのユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報との対応関係を示す対応情報等に基づき、各支払サービスのユーザ識別情報を支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する。
【0042】
判断部13は、同一の支払履歴サービスユーザ識別情報に対応付けられている第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する。判断部13は、店舗識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つに基づき、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断することができる。
【0043】
例えば、判断部13は、店舗識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも1つを含む比較対象が互いに一致する場合、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払と判断してもよい。
【0044】
管理部14は、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を関連づける。すなわち、管理部14は、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を1つの支払として支払履歴に登録する。
【0045】
一方、管理部14は、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断されなかった場合、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を関連づけない。すなわち、管理部14は、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を異なる支払として支払履歴に加える(登録する)。
【0046】
ここで、「第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を関連づける処理」の具体例を説明する。例えば、管理部14は、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、第1の支払情報が示す支払又は第2の支払情報が示す支払を支払履歴に登録してもよい。すなわち、管理部14は、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払のいずれか一方のみを、支払履歴に登録してもよい。この例の場合、第1の支払情報が示す支払を支払履歴に登録してもよいし、第2の支払情報が示す支払を支払履歴に登録してもよい。
【0047】
他の例として、管理部14は、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を支払履歴に登録するとともに、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払が同一の支払であることを示す情報(同一支払情報)をさらに登録してもよい。
【0048】
次に、
図7のフローチャートを用いて、本実施形態の支払履歴管理システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0049】
まず、支払履歴管理システム10は、第1の支払情報又は第2の支払情報である支払情報を電子レシートシステム20又は支払サービスシステム30から取得する(S10)。そして、支払履歴管理システム10は、取得した支払情報に含まれる電子レシートサービスユーザ識別情報又は各支払サービスのユーザ識別情報を、支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する。当該変換処理の詳細は上述したので、ここでは省略する。なお、取得した支払情報に支払履歴サービスユーザ識別情報が含まれてもよい。また、電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報とは同じであってもよい。
【0050】
次に、支払履歴管理システム10は、S10で取得した支払履歴サービスユーザ識別情報に対応付けて記憶されている支払履歴(
図6参照)の中に、S10で取得した支払情報が示す支払と同一の支払が登録されているか判断する(S11)。例えば、支払履歴管理システム10は、比較対象(店舗識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも1つ)がS10で取得した支払情報と一致する支払が支払履歴の中に登録されているか判断する。
【0051】
登録されていると判断した場合(S11のYes)、支払履歴管理システム10は、S10で取得した支払情報が示す支払と、先に登録されている同一の支払とを関連づける(S12)。
【0052】
一方、登録されていないと判断した場合(S11のNo)、支払履歴管理システム10はS10で取得した支払情報が示す支払を新たに支払履歴に登録する(S13)。
【0053】
以上、説明した本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、電子レシートシステム20から取得する第1の支払情報のみならず、支払サービスシステム30から取得した第2の支払情報をも利用して、各顧客の支払履歴を更新することができる。このため、顧客が電子レシートサービスに対応していない店舗で買い物した場合であっても、顧客が所定の支払方法で支払した場合には、その支払に関する情報を支払履歴に自動登録することができる。
【0054】
また、支払履歴管理システム10は、電子レシートシステム20から取得した第1の支払情報が示す支払と、支払サービスシステム30から取得した第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、同一の支払であると判断した場合には、第1の支払情報が示す支払及び第2の支払情報が示す支払を関連づける。このため、同一支払の重複登録を抑制することができる。
【0055】
<第2の実施形態>
本実施形態の情報処理システムでは、顧客は自身の支払履歴を閲覧することができる。例えば、顧客は自身の端末装置(例:パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等)を操作し、所定のウェブサイトやアプリを介して支払履歴サービスユーザ識別情報等を入力し、支払履歴管理システム10にログインした後、当該ウェブサイトやアプリ上で支払履歴を画面表示させることができる。支払履歴管理システム10は、
図8の機能ブロック図に示すように出力部16を有することができる。出力部16は、支払履歴記憶部15が記憶する支払履歴を用いて、例えば
図9に示すような支払履歴画面を生成し、顧客端末に送信する。
【0056】
本実施形態の情報処理システム及び支払履歴管理システム10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。なお、出力部16は、図示するように情報処理装置50に含まれなくてもよいし、図示しないが情報処理装置50に含まれてもよい。
【0057】
以上、説明した本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、第1の実施形態と同様な作用効果を実現できる。また、本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、顧客に有益な情報を提供することができる。
【0058】
<第3の実施形態>
本実施形態の情報処理システムでは、店舗システム40及び41は、支払毎(各顧客の会計毎)に支払識別情報を発行する。すなわち、支払識別情報は、各支払を識別する情報である。そして、店舗システム40は、電子レシートシステム20に送信する各顧客の会計情報の中に、当該支払識別情報を含める。また、店舗システム40及び41は、支払サービスシステム30に送信する支払リクエストの中に、当該支払識別情報を含める。
【0059】
そして、電子レシートシステム20は、第1の支払情報に支払識別情報を含めて支払履歴管理システム10に送信する。また、支払サービスシステム30は、第2の支払情報に支払識別情報を含めて支払履歴管理システム10に送信する。
【0060】
そして、支払履歴管理システム10の判断部13は、支払識別情報に基づき、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する。判断部13は、支払識別情報が同一の場合に同一の支払であると判断し、支払識別情報が異なる場合に異なる支払であると判断する。
【0061】
本実施形態の情報処理システム及び支払履歴管理システム10のその他の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0062】
以上、説明した本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、第1又は第2の実施形態と同様な作用効果を実現できる。また、本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、支払識別情報に基づき、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断することができる。このため、当該判断の精度が高くなる。
【0063】
<第4の実施形態>
本実施形態の支払履歴管理システム10の支払履歴記憶部15は、
図10に示すような情報を含む支払履歴を記憶する。
図10に示す支払履歴は、各支払履歴の情報源を示す情報を含む点で、
図6に示す支払履歴と異なる。情報源は、「第1の支払情報」、「第2の支払情報」、「第1の支払情報及び第2の支払情報(両方)」、「ユーザによる手入力」などである。
【0064】
本実施形態の情報処理システム及び支払履歴管理システム10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態のいずれかと同様である。
【0065】
ここで、
図11のフローチャートを用いて、本実施形態の支払履歴管理システム10の処理の流れの他の一例を説明する。
【0066】
まず、支払履歴管理システム10は、第1の支払情報又は第2の支払情報である支払情報を電子レシートシステム20又は支払サービスシステム30から取得する(S20)。。そして、支払履歴管理システム10は、取得した支払情報に含まれる電子レシートサービスユーザ識別情報又は各支払サービスのユーザ識別情報を、支払履歴サービスユーザ識別情報に変換する。当該変換処理の詳細は上述したので、ここでは省略する。なお、取得した支払情報に支払履歴サービスユーザ識別情報が含まれてもよい。また、電子レシートサービスユーザ識別情報と支払履歴サービスユーザ識別情報とは同じであってもよい。
【0067】
次に、支払履歴管理システム10は、S20で取得した支払情報が第1の支払情報であるか第2の支払情報であるかを判断する。例えば、支払履歴管理システム10は、情報送信元(電子レシートシステム20又は支払サービスシステム30)を識別する情報に基づき、S20で取得した支払情報が第1の支払情報であるか第2の支払情報であるかを判断してもよい。その他、取得した支払情報の中に、第1の支払情報及び第2の支払情報のいずれであるかを示す情報が含まれてもよい。そして、支払履歴管理システム10は、支払情報に含まれる当該情報に基づき、S20で取得した支払情報が第1の支払情報であるか第2の支払情報であるかを判断してもよい。なお、支払履歴管理システム10は、その他の手段で、S20で取得した支払情報が第1の支払情報であるか第2の支払情報であるかを判断してもよい。
【0068】
S20で取得した支払情報が第1の支払情報である場合(S21のYes)、支払履歴管理システム10は、支払履歴サービスユーザ識別情報に対応付けて記憶されている支払履歴(
図9)の中に、「第2の支払情報」を情報源とし、かつ、S20で取得した第1の支払情報が示す支払と同一の支払が登録されているか判断する(S22)。例えば、支払履歴管理システム10は、情報源が「第2の支払情報」であり、かつ、比較対象(店舗識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも1つ)がS20で取得した第1の支払情報と一致する支払が支払履歴の中に登録されているか判断する。
【0069】
登録されていると判断された場合(S22のYes)、支払履歴管理システム10は、S20で取得した第1の支払情報が示す支払と、当該支払と同一の支払と判断された支払とを関連づける(S23)。
【0070】
一方、登録されていないと判断された場合(S22のNo)、支払履歴管理システム10はS20で取得した第1の支払情報が示す支払を新たに支払履歴に登録する(S24)。
【0071】
S20で取得した支払情報が第2の支払情報である場合(S21のNo)、支払履歴管理システム10は、支払履歴サービスユーザ識別情報に対応付けて記憶されている支払履歴(
図9)の中に、「第1の支払情報」を情報源とし、かつ、S20で取得した第2の支払情報が示す支払と同一の支払が登録されているか判断する(S25)。例えば、支払履歴管理システム10は、情報源が「第1の支払情報」であり、かつ、比較対象(店舗識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも1つ)がS20で取得した第2の支払情報と一致する支払が支払履歴の中に登録されているか判断する。
【0072】
登録されていると判断された場合(S25のYes)、支払履歴管理システム10は、S20で取得した第2の支払情報が示す支払と、当該支払と同一の支払と判断された支払とを関連づける(S26)。
【0073】
一方、登録されていないと判断された場合(S25のNo)、支払履歴管理システム10はS20で取得した第2の支払情報が示す支払を新たに支払履歴に登録する(S27)。
【0074】
以上、説明した本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、第1乃至第3の実施形態のいずれかと同様な作用効果を実現できる。また、本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、実行される関連づけは、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払との関連づけに限定される。すなわち、第1の支払情報が示す支払どうしが関連づけられたり、第2の支払情報が示す支払どうしが関連づけられたりする不都合を回避できる。
【0075】
<第5の実施形態>
支払にクレジットカードを利用するポストペイ型の電子マネーでの支払方法や、支払にクレジットカードを利用するコード支払方法等においては、当該支払サービスを支払サービスシステム30(第2のシステム)と、クレジットカードでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30(第2のシステム)との両方から、同一の支払を示す第2の支払情報が支払履歴管理システム10に送信され得る。本実施形態は、同一の支払を示す複数の第2の支払情報に基づき、同一支払が重複登録される不都合を抑制する手段を有する。
【0076】
「例1」
当該例では、支払にクレジットカードを利用するポストペイ型の電子マネーでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30及びクレジットカードでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30の一方のみを、支払履歴管理システム10に第2の支払情報を送信する第2のシステムとする。すなわち、支払履歴管理システム10は、一方の支払サービスシステム30からのみ第2の支払情報を取得し、他方の支払サービスシステム30からは第2の支払情報を取得しない構成とする。
【0077】
例えば、ポストペイ型の電子マネーでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30が第2のシステムとなってもよいし、クレジットカードでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30が第2のシステムとなってもよい。
【0078】
同様に、支払にクレジットカードを利用するコード支払方法での支払サービスを提供する支払サービスシステム30及びクレジットカードでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30の一方のみを、第2のシステムとする。すなわち、支払履歴管理システム10は、一方の支払サービスシステム30からのみ第2の支払情報を取得し、他方の支払サービスシステム30からは第2の支払情報を取得しない構成とする。
【0079】
例えば、コード支払方法での支払サービスを提供する支払サービスシステム30が第2のシステムとなってもよいし、クレジットカードでの支払サービスを提供する支払サービスシステム30が第2のシステムとなってもよい。
【0080】
なお、当該例における情報処理システム及び支払履歴管理システム10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態のいずれかと同様である。
【0081】
「例2」
当該例では、支払履歴管理システム10の第2の取得部12は、互いに異なる支払方法での支払サービスを提供する複数の支払サービスシステム30各々から第2の支払情報を取得する。すなわち、第2の取得部12は、第1の支払方法での支払サービスを提供する第2-1の支払サービスシステム30から第2-1の支払情報を取得する。また、第2の取得部12は、第2の支払方法での支払サービスを提供する第2-2の支払サービスシステム30から第2-2の支払情報を取得する。
【0082】
第1の支払方法は、例えば、支払にクレジットカードを利用するポストペイ型の電子マネーでの支払方法や、支払にクレジットカードを利用するコード支払方法等である。第2の支払方法は、例えばクレジットカード支払である。
【0083】
判断部13は、第2-1の支払情報が示す支払と第2-2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する。当該判断は、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する手段と同様の手段で実現される。
【0084】
管理部14は、第2-1の支払情報が示す支払と第2-2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、第2-1の支払情報が示す支払及び第2-2の支払情報が示す支払を関連づける。当該関連づけは、第1の支払情報が示す支払と第2の支払情報が示す支払とを関連づける手段と同様の手段で実現される。
【0085】
なお、当該例における情報処理システム及び支払履歴管理システム10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0086】
以上、説明した本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、第1乃至第4の実施形態のいずれかと同様な作用効果を実現できる。また、本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、同一の支払を示す複数の第2の支払情報に基づき、同一支払が重複登録される不都合を抑制することができる。
【0087】
<第6の実施形態>
本実施形態の支払履歴管理システム10の支払履歴記憶部15は、支払履歴に登録された支払に紐付けて第1の支払情報(
図2参照)及び第2の支払情報(
図3参照)を記憶する。そして、出力部16は、顧客からのリクストに応じて、例えば
図12に示すような支払履歴画面を生成し、顧客端末に送信する。結果、
図12に示すような支払履歴画面が顧客端末上で画面表示される。
【0088】
図12に示す支払履歴画面は、第1の支払情報及び第2の支払情報の少なくとも一方を情報源とする支払に対応付けて、当該支払情報を画面表示させるための「詳細」ボタンが表示されている。顧客端末側で「詳細」ボタンを指定(タッチ、アイコンを併せてクリック等)する入力が受付けられると、出力部16は、その支払に紐付けられた第1の支払情報又は第2の支払情報を支払履歴記憶部15から取得し、顧客端末に送信する。結果、
図2や
図3に示すような支払情報が顧客端末上で画面表示される。
【0089】
なお、指定された支払に第1の支払情報及び第2の支払情報の両方が紐付けられている場合、出力部16は、予め定められた優先順位に基づき決定した第1の支払情報又は第2の支払情報を示す画面を顧客端末に送信してもよい。
【0090】
なお、当該例における情報処理システム及び支払履歴管理システム10のその他の構成は、第1乃至第5の実施形態のいずれかと同様である。
【0091】
以上、説明した本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、第1乃至第5の実施形態のいずれかと同様な作用効果を実現できる。また、本実施形態の支払履歴管理システム10によれば、第1の支払情報や第2の支払情報を保存しておき、顧客に提供することができる。結果、顧客は各支払の詳細を確認できるようになる。
【0092】
<変形例>
すべての実施形態に適用できる変形例を説明する。ここまでは、支払履歴管理システム10は、支払履歴管理サービスを提供するシステムであることを前提にした。変形例では、支払履歴管理システム10は、各顧客の端末装置であってもよい。すなわち、各顧客の端末装置が、第1の取得部11、第2の取得部12、判断部13、管理部14、支払履歴記憶部15及び出力部16を備えてもよい。この場合、支払履歴記憶部15は、複数の顧客各々の支払履歴を記憶するのでなく、1人の顧客の支払履歴のみを記憶する。
【0093】
他の変形例を説明する。ここまでは、
図1に示すように、電子レシートシステム20が店舗システム40から会計情報を取得し、電子レシートシステム20が第1の支払情報を支払履歴管理システム10に送信した。変形例として、
図13に示すように、店舗システム40が、第1の支払情報を支払履歴管理システム10に送信してもよい。この場合、店舗システム40が第1のシステムとして機能する。
【0094】
これらの変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果を実現できる。
【0095】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有する支払履歴管理システム。
2. 1に記載の支払履歴管理システムにおいて、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払又は前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に加える支払履歴管理システム。
3. 1に記載の支払履歴管理システムにおいて、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を前記支払履歴に登録するとともに、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払が同一の支払であることを示す情報を登録する支払履歴管理システム。
4. 1から3のいずれかに記載の支払履歴管理システムにおいて、
支払履歴を記憶する支払履歴記憶手段をさらに備え、
前記管理手段は、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断されなかった場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を異なる支払として前記支払履歴に加える支払履歴管理システム。
5. 1から4のいずれかに記載の支払履歴管理システムにおいて、
前記第1のシステムは、電子レシートを管理するシステムであり、
前記第1の取得手段は、前記第1のシステムから、ユーザ識別情報、店舗識別情報、支払識別情報、支払対象の商品又はサービス、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つを含む電子レシート情報を取得し、
前記第2のシステムは、所定の支払方法での支払内容を管理するシステムであり、
前記第2の取得手段は、前記第2のシステムから、ユーザ識別情報、店舗識別情報、支払識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つを含む支払情報を取得し、
前記判断手段は、ユーザ識別情報、店舗識別情報、支払識別情報、支払金額、支払年月日及び支払方法の中の少なくとも一つに基づき、前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する支払履歴管理システム。
6. 1から5のいずれかに記載の支払履歴管理システムにおいて、
前記第2の取得手段は、第1の支払方法での支払内容を管理する第2-1のシステムから第2-1の支払情報を取得するとともに、第2の支払方法での支払内容を管理する第2-2のシステムから第2-2の支払情報を取得し、
前記判断手段は、前記第2-1の支払情報が示す支払と前記第2-2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、
前記管理手段は、前記第2-1の支払情報が示す支払と前記第2-2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第2-1の支払情報が示す支払及び前記第2-2の支払情報が示す支払を関連づける支払履歴管理システム。
7. 3に記載の支払履歴管理システムにおいて、
前記支払履歴を出力する出力手段をさらに有し、
前記出力手段は、同一の支払である前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払のうち、予め定められた優先順位に基づき決定した支払を含む前記支払履歴を出力する支払履歴管理システム。
8. 第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段と、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段と、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段と、
を有する情報処理装置。
9. コンピュータが、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得し、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断し、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける支払履歴管理方法。
10. コンピュータを、
第1のシステムから電子レシートにおける第1の支払情報を取得する第1の取得手段、
第2のシステムから金融機関における第2の支払情報を取得する第2の取得手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払か否かを判断する判断手段、
前記第1の支払情報が示す支払と前記第2の支払情報が示す支払とが同一の支払であると判断された場合、前記第1の支払情報が示す支払及び前記第2の支払情報が示す支払を関連づける管理手段、
として機能させるプログラム。
【0096】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0097】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
10 支払履歴管理システム
11 第1の取得部
12 第2の取得部
13 判断部
14 管理部
15 支払履歴記憶部
16 出力部
20 電子レシートシステム20
30 支払サービスシステム
40 店舗システム
41 店舗システム
50 情報処理装置