(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】アンテナ用展開可能膜構造物および展開可能アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/28 20060101AFI20240220BHJP
B64G 1/22 20060101ALI20240220BHJP
B64G 1/66 20060101ALI20240220BHJP
H01Q 15/20 20060101ALI20240220BHJP
H01Q 19/12 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01Q1/28
B64G1/22 100B
B64G1/66 C
H01Q15/20
H01Q19/12
(21)【出願番号】P 2020567100
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 GB2019051837
(87)【国際公開番号】W WO2020002938
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-08
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519164127
【氏名又は名称】オックスフォード スペース システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リヴェレス、フアン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ブリンクメイヤー、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】フェローズ、デボラ
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-229750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/08
H01Q 1/28
B64G 1/22
B64G 1/66
H01Q 15/20
H01Q 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ用の展開可能膜構造物であって、前記展開可能膜構造物が、
低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域を介して一体に連結された、高剛性材料の複数の第1の領域を有する膜
を備え、
前記1つまたは複数の第2の領域は、前記膜を折り畳み構成へと畳み、その後、展開構成へと広げることを可能にするように構成されたコンプライアンス性材料から形成されており、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置され
ており、
前記膜は、無線周波数反射材料を有し、その結果、展開されるとき、前記膜は、前記アンテナの主反射器を形成するように構成されている、
展開可能膜構造物。
【請求項2】
前記複数の第1の領域および前記1つまたは複数の第2の領域は、無線周波数反射材料から形成される、請求項1に記載の展開可能膜構造物。
【請求項3】
前記折り畳み構成では、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が、互いに重なるように、前記隣接する複数の第1の領域を連結する前記1つまたは複数の第2の領域のうちのそれぞれの1つまたは複数の第2の領域のあたりで畳まれる、請求項
1または2に記載の展開可能膜構造物。
【請求項4】
前記膜が、前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域との全体にわたって延在する連続的なマトリクスを有する、請求項
1から3のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
【請求項5】
前記膜が、コンプライアンス性マトリクスの中に複数本の繊維を含む複合材料で形成されている、請求
項4に記載の展開可能膜構造物。
【請求項6】
前記複数の第1の領域が、前記1つまたは複数の第2の領域よりも繊維密度が高い材料を含み、かつ/あるいは前記1つまたは複数の第2の領域に含まれる第2のマトリクス材料よりも剛性が高い第1のマトリクス材料を含む、請求
項5に記載の展開可能膜構造物。
【請求項7】
前記複数本の繊維が、
前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域とにわたって分布する複数本の第1の繊維と、
前記複数の第1の領域に閉じ込められた複数本の第2の繊維と
を含み、
前記複数本の第2の繊維が、前記複数の第1の領域において前記膜を強化するように機能する、
請求
項6に記載の展開可能膜構造物。
【請求項8】
前記複数本の繊維が炭素繊維である、請求
項5から7のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
【請求項9】
前記膜が、前記展開構成においてパラボラ形状を取るように構成されている、請求項1か
ら8のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
【請求項10】
前記膜が前記展開構成にあるとき、前記1つまたは複数の第2の領域が半径方向および周方向に沿ってストリップ状に配置される、請求
項9に記載の展開可能膜構造物。
【請求項11】
前記複数の第1の領域が互いに電気的に接続されている、請求項1か
ら10のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
【請求項12】
前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が、前記1つまたは複数の第2の領域のうちのそれぞれの1つまたは複数の第2の領域によって互いに間隔を空けて配置されている、請求項1か
ら11のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
【請求項13】
前記複数の第1の領域のうちの前記隣接する複数の第1の領域と、前記1つまたは複数の第2の領域のうちの前記それぞれの1つまたは複数の第2の領域とが互いに電気的に接続されている、請求
項11に従属するときの、請求
項12に記載の展開可能膜構造物。
【請求項14】
前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域とが、導電性繊維を含む複合材料で形成されている、請求
項13に記載の展開可能膜構造物。
【請求項15】
前記複合材料が炭素繊維強化シリコーンCFRS複合物である、請求
項8に従属するときの、請求
項14に記載の展開可能膜構造物。
【請求項16】
前記膜が、
基板と、
前記複数の第1の領域のうちの1つの第1の領域に配されて、前記複数の第1の領域のうちの前記1つの第1の領域において前記膜を強化する、1つまたは複数の強化部材と、
前記1つまたは複数の強化部材の下の前記基板に形成された1つまたは複数の開口と
を有する、
請求項1か
ら15のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
【請求項17】
前記1つまたは複数の強化部材が、前記複数の第1の領域のうちの前記1つの第1の領域において前記膜の連続的な表面を維持するように前記基板の前記1つまたは複数の開口の全体にわたって延在する、請求
項16に記載の展開可能膜構造物。
【請求項18】
アンテナ用の展開可能膜構造物であって、前記展開可能膜構造物が、
低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域を介して一体に連結された、高剛性材料の複数の第1の領域を有する膜
を備え、
前記1つまたは複数の第2の領域は、前記膜を折り畳み構成へと畳み、その後、展開構成へと広げることを可能にするように構成されたコンプライアンス性材料から形成されており、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置されており、
前記膜が、前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域との全体にわたって延在する連続的なマトリクスを有する、
展開可能膜構造物。
【請求項19】
アンテナ用の展開可能膜構造物であって、前記展開可能膜構造物が、
低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域を介して一体に連結された、高剛性材料の複数の第1の領域を有する膜
を備え、
前記1つまたは複数の第2の領域は、前記膜を折り畳み構成へと畳み、その後、展開構成へと広げることを可能にするように構成されたコンプライアンス性材料から形成されており、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置されており、
前記膜が、前記展開構成においてパラボラ形状を取るように構成されており、
前記膜が前記展開構成にあるとき、前記1つまたは複数の第2の領域が半径方向および周方向に沿ってストリップ状に配置される、
展開可能膜構造物。
【請求項20】
アンテナ用の展開可能膜構造物であって、前記展開可能膜構造物が、
低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域を介して一体に連結された、高剛性材料の複数の第1の領域を有する膜
を備え、
前記1つまたは複数の第2の領域は、前記膜を折り畳み構成へと畳み、その後、展開構成へと広げることを可能にするように構成されたコンプライアンス性材料から形成されており、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置されており、
前記膜が、
基板と、
前記複数の第1の領域のうちの1つの第1の領域に配されて、前記複数の第1の領域のうちの前記1つの第1の領域において前記膜を強化する、1つまたは複数の強化部材と、
前記1つまたは複数の強化部材の下の前記基板に形成された1つまたは複数の開口と
を有する、展開可能膜構造物。
【請求項21】
展開可能アンテナであって、
前記展開構成にあるときに前記展開可能アンテナ
の前記主反射器を形成するように構成された、請求項1か
ら17のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物と、
前記膜が前記展開構成にあるときに前記展開可能膜構造物を介して信号を送信または受信するためのアンテナフィードと
を備える、
展開可能アンテナ。
【請求項22】
展開可能アンテナであって、
前記展開構成にあるときに前記展開可能アンテナの主反射器を形成するように構成された、請求項18から20のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物と、
前記膜が前記展開構成にあるときに前記展開可能膜構造物を介して信号を送信または受信するためのアンテナフィードと
を備える、
展開可能アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開可能構造物に関する。より詳細には、本発明はアンテナ用の展開可能膜構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
装置の物理的なサイズを一時的に縮小することを可能にするために、展開可能構造物が種々の用途で使用されている。たとえば、人工衛星または宇宙ビークルなどの宇宙配備型の用途では、装置を折り畳んで体積を小さくし、ローンチビークルのペイロードベイへと搭載することを可能にするために、展開可能構造物が提供される場合がある。宇宙へと打ち上げられてペイロードベイから解放されると、展開可能構造物は、人工衛星またはビークルを動作させるために展開構成に入ることができる。
【0003】
展開可能構造物は、アンテナの反射器として一般に使用されている。反射器面積は大きいことが望ましいが、これは、反射器面積が大きいことにより、より多くのエネルギーをアンテナによって受信および/または送信することが可能になるので、アンテナの能力が向上させられるからである。しかし、反射器が大きいとアンテナが扱いにくくなり、また輸送が困難になる場合がある。薄い可撓性の膜を使用して反射器の表面を形成する展開可能反射器が開発されてきている。膜は小さい空間へと折り畳むことができる。しかし、高い収納効率には、寸法安定性を確実にするために適切なレベルの面内剛性および面外剛性を備えた、高度にコンプライアンス性の膜が必要とされる。通常は、膜を展開し、展開された後に膜を所望の形状に保持するため、またシステムの全体的な剛性を向上させ、それによって膜の幾何形状に対する望ましくない外乱の影響を軽減するために、複雑なバッキング構造物が使用される。展開可能バッキング構造物は、通常、ヒンジによって連結された支柱のフレーム構造を含み、これにより、展開可能反射器の全体的なコスト、複雑さ、および質量が不可避的に増加する。
【0004】
本発明は、この文脈において製作される。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、アンテナ用の展開可能膜構造物が提供され、展開可能膜構造物は、低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域を介して一体に連結された、高剛性材料の複数の第1の領域を備える膜を備え、1つまたは複数の第2の領域は、膜を折り畳み構成へと畳み、その後、展開構成へと広げることを可能にするように構成されたコンプライアンス性材料から形成されており、複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置されている。
【0006】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、折り畳み構成では、複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域は、互いに重なるように、上記隣接する複数の第1の領域を連結する1つまたは複数の第2の領域のそれぞれのあたりで畳まれる。
【0007】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、膜は、複数の第1の領域と1つまたは複数の第2の領域との全体にわたって延在する連続的なマトリクスを備える。
【0008】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、膜は、コンプライアンス性マトリクスの中に複数本の繊維を備える複合材料で形成されている。
【0009】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数の第1の領域は、1つまたは複数の第2の領域よりも繊維密度が高い材料を備え、かつ/あるいは1つまたは複数の第2の領域に含まれる第2のマトリクス材料よりも剛性が高い第1のマトリクス材料を備える。
【0010】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数本の繊維は、複数の第1の領域と1つまたは複数の第2の領域とにわたって分布する複数本の第1の繊維と、複数の第1の領域に閉じ込められた複数本の第2の繊維とを備え、複数本の第2の繊維は、複数の第1の領域において膜を強化するように機能する。
【0011】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数本の繊維は炭素繊維である。
【0012】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、膜は、展開構成においてパラボラ形状を取るように構成されている。
【0013】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、膜が展開構成にあるとき、第2の領域は半径方向および周方向に沿ってストリップ状に配置される。
【0014】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数の第1の領域は互いに電気的に接続される。
【0015】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域は、1つまたは複数の第2の領域のうちのそれぞれの1つまたは複数の第2の領域によって互いに間隔を空けて配置される。
【0016】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数の第1の領域のうちの上記隣接する複数の第1の領域と、1つまたは複数の第2の領域のうちの上記それぞれの1つまたは複数の第2の領域とは互いに電気的に接続される。
【0017】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複数の第1の領域と1つまたは複数の第2の領域とは、導電性繊維を備える複合材料で形成される。
【0018】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、複合材料は炭素繊維強化シリコーンCFRS複合物である。
【0019】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、膜は、基板と、複数の第1の領域のうちの1つの第1の領域に配されて、複数の第1の領域のうちの上記1つの第1の領域において膜を強化する1つまたは複数の強化部材と、上記1つまたは複数の強化部材の下の基板に形成された1つまたは複数の開口とを備える。
【0020】
第1の態様によるいくつかの実施形態では、上記1つまたは複数の強化部材は、複数の第1の領域のうちの上記1つの第1の領域において膜の連続的な表面を維持するように基板の1つまたは複数の開口の全体にわたって延在する。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、展開可能アンテナであって、展開構成にあるときにアンテナの主反射器を形成するように構成された、第1の態様による展開可能膜構造物と、膜が展開構成にあるときに展開可能膜構造物を介して信号を送信または受信するためのアンテナフィードとを備える、展開可能アンテナが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
次に、単なる一例として、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【
図1】本発明の一実施形態による展開可能膜構造物を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、膜に一体化されている低剛性材料のストリップに沿って畳んだ後の、
図1の展開可能膜構造物を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、完全折り畳み構成における
図1の展開可能膜構造物を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、アンテナのパラボラ形反射器を形成するように構成された展開可能膜構造物を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、展開構成におけるパラボラ形展開可能膜構造物の上面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、パラボラ形展開可能膜構造物を通る断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、部分的折り畳み構成におけるパラボラ形展開可能膜構造物の上面図である。
【
図8A】本発明の一実施形態による、パラボラ形展開可能膜構造物が折り畳み構成にされるときの、この構造物の1つのセグメントの折り方の構成を示す図である。
【
図8B】本発明の一実施形態による、パラボラ形展開可能膜構造物が折り畳み構成にされるときの、この構造物の1つのセグメントの折り方の構成を示す図である。
【
図8C】本発明の一実施形態による、パラボラ形展開可能膜構造物が折り畳み構成にされるときの、この構造物の1つのセグメントの折り方の構成を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、高剛性領域に形成された複数の開口を備える展開可能膜構造物を示す図である。
【
図10】
図9の展開可能膜構造物を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明では、単なる説明のために、本発明のいくつかの例示的な実施形態のみを示し、説明している。当業者には認識されるように、説明されている実施形態は、すべて本発明の範囲から逸脱しない限り、種々の様々な方式で修正されてもよい。したがって、図面および説明は本質的に例示的なものとみなされるべきではり、限定的なものではない。同様の参照符号は、本明細書の全体を通して同様の要素を示す。
【0024】
ここで
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施形態による展開可能膜構造物100の一部が示してある。
図1には、展開構成における展開可能膜構造物100が示してあり、
図2には、膜に一体化されている低剛性材料のストリップに沿って畳んだ後の、半折り畳み構成における展開可能膜構造物100が示してあり、
図3には、完全折り畳み構成における展開可能膜構造物100が示してある。展開構成においては、膜はアンテナの反射器を形成することができる。
【0025】
展開可能膜構造物100は、折り畳み構成へと畳むことができ、その後、展開構成へと広がることができる膜を備える。膜は、高剛性材料の複数の第1の領域101、102、103、104を備え、これらは低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域111、112、113、114を介して互いに一体に連結されている。
【0026】
第2の領域111、112、113、114により、低剛性材料の線が構造物に提供され、これらの線により、膜を折り畳み構成へと畳むことが可能になる。第2の領域111、112、113、114は、構造物を畳むときに生じる応力に耐えることができ、その結果ほとんどまたはまったく損傷を受けない、回復力のある材料から形成することができる。第2の領域111、112、113、114の材料特性は、普通ならアンテナの性能を著しく劣化させる恐れのある損傷を受けることなしに膜を何度も繰り返し畳み、展開することを可能にするように、特定の用途に合わせられてもよい。
【0027】
第1の領域101、102、103、104は、第2の領域111、112、113、114よりも剛性が高い材料から形成されており、展開構成における構造物の寸法安定性を確実にする。第1の領域101、102、103、104のそれぞれは、クローズドセルの連続的な膜として形成することができる。第1の領域101、102、103、104が第2の領域111、112、113、114よりも剛性で高密度の材料で形成されている結果として、第1の領域101、102、103、104は、第2の領域111、112、113、114の低剛性材料よりも、高周波の無線周波数(RF)信号を効率的に反射することができる。第2の領域111、112、113、114も、アンテナの表面全体にわたる満足な性能を確実にするために、優れたRF反射器となる材料から形成されてもよい。したがって、展開された膜がアンテナの反射器として使用されるとき、第1の領域101、102、103、104により、アンテナが高い動作周波数を得ることが可能になる。アンテナの構成に応じて、展開された膜構造物は主反射器として使用される場合もあり、副反射器として使用される場合もある。導電性反射器が必要とされる実施形態、たとえばRFアンテナにおいては、たとえば膜に埋め込まれた導電性繊維により、複数の第1の領域101、102、103、104を互いに電気的に接続させることができる。第1の領域を互いに電気的に接続させることにより、アンテナの性能が向上する。しかし、いくつかの用途では、第1の領域が互いに電気的に接続されることなしに、依然として満足な性能が得られる場合がある。たとえば、いくつかの実施形態では、コンプライアンス性の低い第1の領域を連結するコンプライアンス性の高い第2の領域が電気絶縁材料を含むことができ、したがって、高剛性の複数の第1の領域は、互いに電気的に分離される。
【0028】
本実施形態では、
図1に示されている膜の一部は、4つの第1の領域101、102、103、104と、4つの第2の領域111、112、113、114とを備える。それぞれの第2の領域111、112、113、114により、隣接する2つの第1の領域101、102、103、104が連結される。本実施形態では、4つの第2の領域111、112、113、114は十字の形状に配置されて、膜が水平中心線および垂直中心線に沿って畳まれることを可能にする。他の実施形態では、異なる数および配置の第1の領域および第2の領域が提供されてもよい。
図1に示されている配置は、より大きい構造体全体にわたって繰り返されてもよい。たとえば、
図4に示してあるパラボラ形反射器400では、隣接する4つの領域間のそれぞれの交点は、
図1に示してある構成と類似した構成を有することができる。
【0029】
図2には、垂直中心線に沿って畳んだ後の展開可能膜構造物100が示してある。
図2に示されている構成は、部分的折り畳み構成または部分的展開構成と呼ばれる場合がある。部分的折り畳み構成では、構造物100は、より占有面積が小さい構成へと広げられている場合もあり、畳まれている場合もある。
図3に示されている構成は完全折り畳み構成と呼ばれる場合がある。構造物100が第2の領域111、112、113、114のすべてに沿って畳まれており、したがって構造物100のサイズをこれ以上縮小することはできないからである。
【0030】
折り畳み構成において構造体の全体的なサイズを大幅に縮小するために、本実施形態では、第2の領域111、112、113、114は、複数の第1の領域101、102、103、104のうちの隣接する第1の領域が、互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置されている。たとえば、
図2に示されている半折り畳み構成では、第1の領域のうちの1番目のもの101は、第2の領域のうちの1番目のもの111のあたりで畳まれて第1の領域のうちの2番目のもの102に重なり、第1の領域のうちの4番目のもの104は、第2の領域のうちの3番目のもの113のあたりで畳まれて第1の領域のうちの3番目のもの103に重なる。第2の領域のうちの1番目のもの111は、第1の領域のうちの1番目のもの101を第1の領域のうちの2番目のもの102に連結させる領域であり、第2の領域のうちの3番目のもの113は、第1の領域のうちの3番目のもの103を第1の領域のうちの4番目のもの104に連結させる領域である。
図3に示されている完全折り畳み構成では、構造物は、第1の領域のうちの2番目のもの102と第1の領域のうちの3番目のもの103とが互いに重なるように、第2の領域のうちの2番目のもの112と第2の領域のうちの4番目のもの114とに沿ってさらに畳まれている。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の第1の領域101、102、103、104のうちの隣接する複数の第1の領域は、第2の領域111、112、113、114のそれぞれによって互いに間隔を空けて配置され得る。言い換えれば、第2の領域111、112、113、114のうちの1つの表面を、隣接する2つの第1の領域101、102、103、104の間に露出させることができる。この構成により、隣接する第1の領域を折り畳み構成において互いに重なるように畳むのをより容易にすることができ、また第2の領域のあたりで第1の領域を畳むときの曲げ半径を大きくすることにより、第2の領域の材料に生じる損傷のリスクを軽減することができる。さらに、隣接する第1の領域が第2の領域のうちの1つによって間隔を空けて配置され、それによって第2の領域の表面が露出される実施形態では、第2の領域を導電性材料から形成することにより、アンテナ性能を改善することができる。
【0032】
膜は、複数の第1の領域101、102、103、104と1つまたは複数の第2の領域111、112、113、114との全体にわたって延在する連続的なマトリクスを備えることができる。いくつかの実施形態では、膜は、コンプライアンス性マトリクスの中に複数本の繊維を備える複合材料、たとえば炭素繊維複合物で形成することができる。複数本の繊維は、連続的な、または離散的な繊維をベースとした織物として配置することができ、膜の主たる構造を提供することができる。複数本の繊維はコンプライアンス性マトリクスに埋め込まれ、繊維が互いに結合される。マトリクスは任意の適した材料、たとえばコンプライアンス性のエポキシまたはシリコーンから形成することができる。いくつかの実施形態では、膜は、複数の第1の領域101、102、103、104を互いに電気的に接続するために、炭素繊維などの導電性繊維の織物を含むことができる。上述のように第2の領域も導電性材料から形成されている実施形態では、隣接する第1の領域101、102、103、104と連結する第2の領域とを、導電性繊維を介してすべて互いに電気的に接続することができる。たとえば、第1の領域101、102、103、104と第2の領域111、112、113、114とは、炭素繊維強化シリコーン(CFRS)複合材料で形成されてもよい。第2の領域111、112、113、114に導電性材料を使用することにより、第2の領域111、112、113、114における露出された材料の区域がRF反射器として機能できることが確実となり、したがって、アンテナの表面全体にわたって、RF周波数における満足な性能が確実となる。
【0033】
複合材料を使用すると、たとえばマトリクスの組成、繊維寸法、重量パーセント(wt%)および/または配向などのパラメータを変動させることにより、第1の領域101、102、103、104および第2の領域111、112、113、114のそれぞれにおいて、膜の機械的特性を精密に制御することが可能になる。繊維複合物を使用して膜を形成するとき、第1の領域101、102、103、104の膜の剛性を第2の領域111、112、113、114の膜の剛性に比べて高くするために、第2の領域111、112、113、114の繊維密度に比べて、複数の第1の領域101、102、103、104においてより高い繊維密度を使用することができる。繊維密度を高くすると、導電性繊維間の間隔が縮小されることにより、反射器の動作周波数を高めることもできる。
【0034】
いくつかの実施形態では、繊維寸法、wt%、または繊維配向など、複合物の他のパラメータを変動させる代わりに、または変動させることに加えて、必要な特性を提供するために、第2の領域111、112、113、114とは異なるマトリクスが第1の領域101、102、103、104に使用されてもよい。複数の第1の領域101、102、103、104は、1つまたは複数の第2の領域に含まれる第2のマトリクス材料よりも剛性が高い第1のマトリクス材料を含むことができる。たとえば、第1のマトリクス材料はエポキシ樹脂でもよく、第2のマトリクス材料はシリコーンでもよい。
【0035】
本実施形態では、折り畳み構成から展開構成へと膜を広げるために、別個の展開機構を使用することができる。膜は、構造物が展開構成に近づくにつれて、反射器において必要とされる形状を自動的に取るように形成することができる。たとえば、膜は、対称な放物面形状、または対称な放物面の一部など、展開構成においてパラボラ形状を取るように構成されてもよい。このように、反射器の形状は展開機構ではなく膜によって制御される。これにより、反射器を展開させるためだけではなく展開させた後に反射器を所望の形状に保持するためにも複雑なバッキング構造物が必要とされる従来技術の展開可能アンテナと比較して、展開機構の複雑さを軽減することが可能になる。
【0036】
他の実施形態では、膜は、展開構成において自動的に所望の3次元形状を取るように事前に形状設定されてもよい。たとえば、膜は適した型の中で事前に形状設定されてもよい。複合材料が使用されるとき、繊維を型の中に置いて液体またはゲルでコーティングすることができ、この液体またはゲルは、硬化されると、繊維が内部に埋め込まれた、形状設定されたコンプライアンス性マトリクスを形成する。たとえば、いくつかの実施形態では、繊維は、硬化されるとコンプライアンス性マトリクスを形成する低粘度シリコーンゲルでコーティングされる場合がある。膜が折り畳み構成へと畳まれるとき、第2の領域の変形したマトリクスおよび繊維は弾性エネルギーを蓄積することができ、この弾性エネルギーは、構造物を広げて展開するプロセスを助けるために使用することができる。たとえば、バッキング構造物を使用して膜を展開させる実施形態では、展開プロセスを進めるためのエネルギーのうちのいくらかを、膜構造物において蓄積された弾性歪みエネルギーによって供給することができるので、バッキング構造物が加える必要のある力を、従来の展開可能アンテナの場合よりも小さくすることができる。したがって、従来の展開可能アンテナと比較して、バッキング構造物のサイズおよび質量を軽減することができる。
【0037】
ここで
図4~
図8を参照すると、本発明の一実施形態による、アンテナのパラボラ形反射器を形成するように構成された展開可能膜構造物400が示されている。
図1~
図3の展開可能膜構造物100と同様に、本実施形態のパラボラ形展開可能膜構造物400は、低剛性材料の複数の第2の領域411、412によって連結された、高剛性材料の複数の第1の領域401、402を備える。
【0038】
図5に示されているように、本実施形態では、膜が展開構成にあるとき、複数の第2の領域411、412は半径方向および周方向に沿ってストリップ状に配置される。他の実施形態では、複数の第2の領域は、展開される反射器の最終的な形状、および選択された折り畳み機構に応じて様々な構成で配置される場合がある。たとえば、いくつかの実施形態では、膜はオフセットアンテナ用の反射器を形成するように構成される場合がある。オフセットアンテナでは、反射器は非対称な形状を有する場合がある。たとえば、オフセットアンテナ用の反射器は、対称な放物面の一部として形成される場合がある。反射器が非対称な形状を有するとき、異なる折り方の構成が必要とされる可能性があるので、第2の領域は半径方向または周方向に沿って配置されない場合がある。
【0039】
図6には、パラボラ形展開可能膜構造物400における、高剛性材料の2つの隣接する領域401、402を通る断面図が示してある。本実施形態では、膜は、膜全体を通って、すなわち第1の領域401、402および第2の領域411、412のすべてを通って延在する、下側の基板を備える。基板は任意の適した材料で形成されてもよく、本実施形態では、シリコーンマトリクスに埋め込まれた三軸炭素繊維織物から形成されている。複数の第1の領域401、402は、繊維密度が異なりかつ/または基板に対する配向が異なる炭素繊維複合物など、より剛性が高い材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の領域401、402は、よりコンプライアンス性の高い第2の領域411、412とは異なるマトリクス材料を使用してもよい。たとえば、複数の第1の領域401、402は炭素繊維の平織、薄織物、または任意の他のクローズドセル織物から形成されてもよい。複数の第1の領域401、402はゴアと呼ばれる場合があり、成形プロセス中に膜に一体化させることができる。
【0040】
図6に示されているように、本実施形態では、基板は、複数の第1の領域401、402と複数の第2の領域411、412とにわたって分布しかつコンプライアンス性マトリクス602に埋め込まれた複数本の第1の繊維601を備える。第1の領域401、402のそれぞれは、たとえば平織、薄織物、または他のクローズドセル織物の形をとる、複数の第1の領域に閉じ込められた複数本の第2の繊維を備える。第2の繊維は、第1の領域401、402において膜を強化するように機能し、展開構成において膜の所望の形状を維持する助けとなる。上述のように、導電性繊維が使用されているとき、第1の繊維は、膜の隣接する領域の間の電気接続部を提供するようにも機能することができる。
【0041】
図7には部分的折り畳み構成におけるパラボラ形展開可能膜構造物400の上面図が示してあり、
図8A~
図8Cは、パラボラ形展開可能膜構造物400が折り畳み構成にされるときの、この構造物の1つのセグメント410の折り方の構成を示す一続きの図である。
図7および
図8A~
図8Cに示してあるように、半径方向および周方向に沿って低剛性領域が配置されているので、折り畳み構成ではパラボラ形の膜を畳んで体積を小さくすることが可能であり、それによって高い収納効率が得られる。その後、膜は展開構成へと広げられて、折り畳み構成における構造物の直径に対して大きい表面積をパラボラ形反射器に与えることができる。パラボラ形反射器は、膜が展開構成にあるときにパラボラ形展開可能膜構造物を介して信号を送信または受信するためのアンテナフィードを備える展開可能アンテナに含まれてもよい。
【0042】
ここで
図9および
図10を参照すると、展開可能膜構造物の全体的な質量を軽減するために、膜が、高剛性領域に形成された複数の開口を備える実施形態が示されている。
図9には膜900の一部が平面図で示してあり、
図10には展開可能膜構造物を通る断面図が示してある。膜900は高剛性材料の複数の第1の領域を備え、これらは低剛性材料の複数の第2の領域911、912、913、914を介して互いに一体に連結されている。
図6に示してある実施形態の場合のように、本実施形態の展開可能膜構造物は、下側の基板と、第1の領域のそれぞれにおいて基板を強化するように機能する複数のゴア901、902、903、904とを備える。
【0043】
構造物900は、下側の基板に形成された複数の開口921、922、923、924をさらに備える。開口921、922、923、924は下側の基板の質量を軽減する働きをし、一体化されたゴア901、902、903、904は開口921、922、923、924のそれぞれに被さる。ゴアは複数の第1の領域において構造物を強化する働きをし、それによって複数の第1の領域に必要な剛性を与え、強化部材とも呼ばれる場合がある。それぞれのゴア901、902、903、904は、それぞれの第1の領域において膜の連続的な表面を維持するために、基板における下側の開口にまたがって延在することができる。ここでは、「下側の」や「被さる」などの用語は、単に、構造物のいくつかの要素の相対的な位置関係を伝えるために便宜的に使用されており、アンテナが動作している間の膜構造物の特定の配向を示唆すると解釈されるべきではないことが理解されよう。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照しながら本明細書に記載してきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本発明の範囲から逸脱しない限り、多くの変更および修正が可能であろうことが理解されよう。
[項目1]
アンテナ用の展開可能膜構造物であって、前記展開可能膜構造物が、
低剛性材料の1つまたは複数の第2の領域を介して一体に連結された、高剛性材料の複数の第1の領域を有する膜
を備え、
前記1つまたは複数の第2の領域は、前記膜を折り畳み構成へと畳み、その後、展開構成へと広げることを可能にするように構成されたコンプライアンス性材料から形成されており、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が互いに重なるように畳まれることを可能にするように配置されている、
展開可能膜構造物。
[項目2]
前記折り畳み構成では、前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が、互いに重なるように、前記隣接する複数の第1の領域を連結する前記1つまたは複数の第2の領域のうちのそれぞれの1つまたは複数の第2の領域のあたりで畳まれる、項目1に記載の展開可能膜構造物。
[項目3]
前記膜が、前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域との全体にわたって延在する連続的なマトリクスを有する、項目1または2に記載の展開可能膜構造物。
[項目4]
前記膜が、コンプライアンス性マトリクスの中に複数本の繊維を含む複合材料で形成されている、項目3に記載の展開可能膜構造物。
[項目5]
前記複数の第1の領域が、前記1つまたは複数の第2の領域よりも繊維密度が高い材料を含み、かつ/あるいは前記1つまたは複数の第2の領域に含まれる第2のマトリクス材料よりも剛性が高い第1のマトリクス材料を含む、項目4に記載の展開可能膜構造物。
[項目6]
前記複数本の繊維が、
前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域とにわたって分布する複数本の第1の繊維と、
前記複数の第1の領域に閉じ込められた複数本の第2の繊維と
を含み、
前記複数本の第2の繊維が、前記複数の第1の領域において前記膜を強化するように機能する、
項目5に記載の展開可能膜構造物。
[項目7]
前記複数本の繊維が炭素繊維である、項目4から6のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
[項目8]
前記膜が、前記展開構成においてパラボラ形状を取るように構成されている、項目1から7のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
[項目9]
前記膜が前記展開構成にあるとき、前記1つまたは複数の第2の領域が半径方向および周方向に沿ってストリップ状に配置される、項目8に記載の展開可能膜構造物。
[項目10]
前記複数の第1の領域が互いに電気的に接続されている、項目1から9のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
[項目11]
前記複数の第1の領域のうちの隣接する複数の第1の領域が、前記1つまたは複数の第2の領域のうちのそれぞれの1つまたは複数の第2の領域によって互いに間隔を空けて配置されている、項目1から10のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
[項目12]
前記複数の第1の領域のうちの前記隣接する複数の第1の領域と、前記1つまたは複数の第2の領域のうちの前記それぞれの1つまたは複数の第2の領域とが互いに電気的に接続されている、項目10に従属するときの、項目11に記載の展開可能膜構造物。
[項目13]
前記複数の第1の領域と前記1つまたは複数の第2の領域とが、導電性繊維を含む複合材料で形成されている、項目12に記載の展開可能膜構造物。
[項目14]
前記複合材料が炭素繊維強化シリコーンCFRS複合物である、項目7に従属するときの、項目13に記載の展開可能膜構造物。
[項目15]
前記膜が、
基板と、
前記複数の第1の領域のうちの1つの第1の領域に配されて、前記複数の第1の領域のうちの前記1つの第1の領域において前記膜を強化する、1つまたは複数の強化部材と、
前記1つまたは複数の強化部材の下の前記基板に形成された1つまたは複数の開口と
を有する、
項目1から14のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物。
[項目16]
前記1つまたは複数の強化部材が、前記複数の第1の領域のうちの前記1つの第1の領域において前記膜の連続的な表面を維持するように前記基板の前記1つまたは複数の開口の全体にわたって延在する、項目15に記載の展開可能膜構造物。
[項目17]
展開可能アンテナであって、
前記展開構成にあるときに前記展開可能アンテナの主反射器を形成するように構成された、項目1から16のいずれか一項に記載の展開可能膜構造物と、
前記膜が前記展開構成にあるときに前記展開可能膜構造物を介して信号を送信または受信するためのアンテナフィードと
を備える、
展開可能アンテナ。