IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハーレー-ダビッドソン・モーター・カンパニー インコーポレイテッドの特許一覧

特許7440209単車用アダプティブクルーズコントロール標的追跡
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】単車用アダプティブクルーズコントロール標的追跡
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/14 20060101AFI20240220BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240220BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20240220BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240220BHJP
【FI】
B60W30/14
G08G1/16 E
B60W50/10
B60W50/14
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019018523
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2019137392
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】15/894452
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523279040
【氏名又は名称】ハーレー-ダビッドソン・モーター・カンパニー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Harley-Davidson Motor Company, Inc.
【住所又は居所原語表記】3700 West Juneau Avenue,Milwaukee,Wisconsin 53208,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ニット,アンドリュー アルフレッド
【審査官】竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-034897(JP,A)
【文献】特開2016-034819(JP,A)
【文献】特開平10-095246(JP,A)
【文献】特開2004-050923(JP,A)
【文献】特開2017-171277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単車においてアダプティブクルーズコントロールを提供するシステムであって、
トランシーバへ結合され、電子プロセッサを含む電子コントローラを有し、
前記電子プロセッサは、
前記トランシーバから受け取られたデータに基づき、前記単車の前に位置している車両の組の存在を決定し、前記車両の組は、前記単車の進行の直接路の一方の側にある第1車両を含み、前記第1車両は、前記トランシーバの視野内にあり、
前記車両の組から前記第1車両を選択するユーザ入力を受け取り、
前記ユーザ入力を受け取ったことに応答して、前記アダプティブクルーズコントロールのために前記第1車両により前記単車をロックし、第1キネマティックコントローラの出力に基づき動的に前記単車の速さを制御し、
前記第1キネマティックコントローラは、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された少なくとも1つの項目を含む第1入力を受けるよう構成され
前記車両の組は第2車両を含み、前記第2車両は前記単車の前記進行の直接路にあり、
前記電子プロセッサは、第2キネマティックコントローラの出力に基づき動的に前記単車の速さを制御するよう更に構成され、
前記第2キネマティックコントローラは、前記第2車両までの前記単車の距離、前記第2車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第2車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第2車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された少なくとも1つの項目を含む第2入力を受けるよう構成される
システム。
【請求項2】
前記車両の組は第3車両を含み、前記第3車両は前記第2車両の前にあり、
前記電子プロセッサは、第3キネマティックコントローラの出力に基づき動的に前記単車の速さを制御するよう更に構成され、
前記第3キネマティックコントローラは、前記第3車両までの前記単車の距離、前記第3車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第3車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第3車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された少なくとも1つの項目を含む第3入力を受けるよう構成される、
請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記電子プロセッサは更に、
前記第1キネマティックコントローラ、前記第2キネマティックコントローラ、及び前記第3キネマティックコントローラの出力のうちの最小値に基づき前記単車の速さを制御する
よう構成される、
請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記電子コントローラは更に、
前記第1車両を表す第1オブジェクトを含むグラフィカルユーザインターフェイスを生成する
よう構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子プロセッサは、前記単車の速度を制御するための目標としての前記第1オブジェクトのユーザ選択を受け取ることによって、前記ユーザ入力を受け取るよう構成される、
請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子プロセッサは、前記単車のハンドコントロール上の入力デバイスから前記ユーザ入力を受け取るよう構成される、
請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記電子プロセッサは、第2ユーザ入力を受け取り、前記第2ユーザ入力に基づき、前記単車と前記第1車両との間のギャップ距離及びギャップ時間のうちの少なくとも1つをセットするよう更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電子コントローラへ結合され、前記第1車両の存在を決定し、前記第1車両に対して前記単車の速さを制御するよう構成されるカメラ
を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記トランシーバは、レーダーセンサ、ライダーセンサ、及び超音波センサを含むグループから選択された1つを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記電子コントローラへ結合され、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを制御するよう構成されるブレーキシステム
を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電子コントローラへ結合され、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを制御するよう構成される加速制御システム
を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
単車のためのアダプティブクルーズコントロールを提供する方法であって、
電子プロセッサにより、前記単車の前に位置している車両の組の存在を決定することであり、前記車両の組は、前記単車の進行の直接路の一方の側にある第1車両を含み、前記第1車両は、トランシーバの視野内にある、ことと、
前記電子プロセッサにより、前記車両の組から前記第1車両を選択するユーザ入力を受け取ること、
前記ユーザ入力を受け取ったことに応答して、前記電子プロセッサにより、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することと
を有し、
前記車両の組は第2車両を含み、前記第2車両は前記単車の前記進行の直接路にあり、
当該方法は、前記第2車両までの前記単車の距離、前記第2車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第2車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第2車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することを更に有する、方法。
【請求項13】
前記車両の組は第3車両を含み、前記第3車両は前記第2車両の前にあり、
当該方法は、前記第3車両までの前記単車の距離、前記第3車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第3車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第3車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することを更に有する、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電子プロセッサにより、前記第1車両を表す第1オブジェクト、前記第2車両を表す第2オブジェクト、及び前記第3車両を表す第3オブジェクトを含むグラフィカルユーザインターフェイスを生成することと、
前記グラフィカルユーザインターフェイスを表示デバイス上で表示することと
を更に有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザ入力を受け取ることは、前記電子プロセッサにより、前記単車の速度を制御するための目標としての前記第1オブジェクトのユーザ選択を受け取ることを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザ選択を受け取ることは、前記単車のハンドコントロール上の入力デバイスから前記ユーザ選択を受け取ることを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記単車のハンドコントロール上の入力デバイスを用いて、ギャップ距離及びギャップ時間のうちの少なくとも1つをセットすること
を更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項18】
1つ以上の電子プロセッサによって実行される場合に、該1つ以上の電子プロセッサに機能の組を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的な機械読出可能な媒体であって、
前記機能の組は、
単車の前に位置している車両の組の存在を決定することであり、前記車両の組は、前記単車の進行の直接路の一方の側にある第1車両を含み、前記第1車両は、トランシーバの視野内にある、ことと、
前記車両の組から前記第1車両を選択するユーザ入力を受け取ること、
前記ユーザ入力を受け取ったことに応答して、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することと
を有し、
前記車両の組は第2車両を含み、前記第2車両は前記単車の前記進行の直接路にあり、
前記機能の組は、前記第2車両までの前記単車の距離、前記第2車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第2車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第2車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することを更に有する
非一時的なマシン読出可能な媒体。
【請求項19】
前記車両の組は第3車両を含み、前記第3車両は前記第2車両の前にあり、
前記機能の組は、前記第3車両までの前記単車の距離、前記第3車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第3車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第3車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することを更に有する、
請求項18に記載の非一時的なマシン読出可能な媒体。
【請求項20】
前記機能の組は、
前記第1車両を表す第1オブジェクト、前記第2車両を表す第2オブジェクト、及び前記第3車両を表す第3オブジェクトを含むグラフィカルユーザインターフェイスを生成することと、
前記グラフィカルユーザインターフェイスを表示デバイス上で表示することと
を更に有する、
請求項19に記載の非一時的なマシン読出可能な媒体。
【請求項21】
前記ユーザ入力を受け取ることは、前記単車の速度を制御するための目標としての前記第1オブジェクトのユーザ選択を受け取ることを含む、
請求項20に記載の非一時的なマシン読出可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で記載される実施形態は、概して、単車システムに関係がある。より具体的には、本明細書で記載される実施形態は、単車のためのアダプティブクルーズコントロールシステム及び方法に関係がある。
【背景技術】
【0002】
自動車のアダプティブクルーズコントロール(ACC;adaptive cruise control)システムは、レーダーセンサ、カメラ、ライダー(LIDAR)センサ、又はそれらの組み合わせを使用して、進行レーン内の先行車両までの距離又は時間に基づき車両の速さを自動制御する。しかし、単車は、自動車とは異なる運転パターンに直面することがある。例えば、一般的に1台の自動車(乗用車)しか進行レーン内に収まらないので、自動車用ACCシステムは、先行車両(ACCシステムをホストしている車両のすぐ前の車両)がACCシステムの標的であるに違いないと推測する。しかし、単車は一般的に自動車よりも狭いということで、単車は進行レーンの中心にいないかもしれない。このことは、どんな車両が先行車両と見なされるかに影響を及ぼす可能性がある。同様に、単車が互い違いの編隊になって走っている場合に、自動車用ACCシステムは、対象車両を正確にセットすることができない。例えば、互い違いの又は中心を外れた編隊では、自動車用ACCシステムは、対象車両をすぐ前の車両に設定し得るが、この車両は、単車に最も近い車両でない可能性がある。また、互い違いの又は中心を外れた編隊において、自動車用ACCシステムは、単車の前で検出された車両が同じレーン又は隣の進行レーンにあるかどうかを判定することができない可能性がある。これは、検出された車両が対象車両としてセットされるべきかどうかに影響を及ぼす。それら及び他の理由のために、自動車用ACCシステムは、自動車と単車との間の運転の違いを扱うには不十分である。
【発明の概要】
【0003】
よって、とりわけ、単車のためのアダプティブクルーズコントロールを提供するシステム及び方法が、本明細書では提供される。1つの実施形態は、単車においてアダプティブクルーズコントロールを提供するシステムを提供する。システムは、トランシーバへ結合された電子コントローラを含む。該電子コントローラは電子プロセッサを含み、該電子プロセッサは、前記トランシーバから受け取られたデータに基づき、前記単車の進行の直接路の片側で、前記トランシーバの視野内にある第1車両の存在を決定するよう構成される。前記電子プロセッサは更に、前記第1車両により前記単車をロックし、第1キネマティックコントローラの出力に基づき動的に前記単車の速さを制御するよう構成される。前記第1キネマティックコントローラは、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された少なくとも1つの項目を含む第1入力を受けるよう構成される。
【0004】
他の実施形態は、単車においてアダプティブクルーズコントロールを提供する方法を提供する。方法は、電子プロセッサにより、前記単車の進行の直接路の片側で、トランシーバの視野内にある第1車両の存在を決定することを含む。方法は、前記電子プロセッサにより、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することを更に含む。
【0005】
他の実施形態は、1つ以上の電子プロセッサによって実行される場合に、該1つ以上の電子プロセッサに機能の組を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的な機械読出可能な媒体を提供する。前記機能の組は、単車の進行の直接路の片側で、トランシーバの視野内にある第1車両の存在を決定することを実行する。前記機能の組は、前記第1車両までの前記単車の距離、前記第1車両の速度、前記単車の速度、前記単車に関連したクルーズセットスピード、前記単車と前記第1車両との間の所望の分離距離、及び前記単車と前記第1車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された項目に基づき前記単車の速さを動的に制御することを実行する。
【0006】
本明細書で提供されている様々な実施形態の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面の検討から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面(その中で、同じ参照符号は、別々の図を通して同じか又は機能上類似した要素を参照する。)は、以下の詳細な説明とともに、本明細書に組み込まれてその部分を形成し、請求される発明を含む概念の実施形態を更に例証するとともに、それらの実施形態の様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。
【0008】
図1】いくつかの実施形態に従う道路上の単車の実例である。
図2】いくつかの実施形態に従って、図1の単車のために標的追跡及びアダプティブクルーズコントロールを提供するシステムのブロック図である。
図3】いくつかの実施形態に従って、図2のシステムに含まれる電子コントローラのブロック図である。
図4】いくつかの実施形態に従って、図2のシステムによって実行される単車のためのアダプティブクルーズコントロールを提供する方法を説明するフローチャートである。
図5A】いくつかの実施形態に従って、グループ走行シナリオで移動する単車を表す。
図5B】いくつかの実施形態に従って、グループ走行シナリオで移動する単車を表す。
図6】いくつかの実施形態に従って、図2のシステムによって実行される単車のためのアダプティブクルーズコントロールを提供する方法を説明するフローチャートである。
図7A】いくつかの実施形態に従って、いくつかの走行シナリオの実例である。
図7B】いくつかの実施形態に従って、いくつかの走行シナリオの実例である。
図8A】いくつかの実施形態に従って、いくつかの走行シナリオの実例である。
図8B】いくつかの実施形態に従って、いくつかの走行シナリオの実例である。
図9】いくつかの実施形態に従って、アダプティブクルーズコントロールを提供するために使用されるパラメータのフロー図を示す。
図10】いくつかの実施形態に従って、図2のシステムによって実行される単車のためのアダプティブクルーズコントロールを提供する方法を説明するフローチャートである。
図11】いくつかの実施形態に従って、ユーザが単車に乗車するときに制御及び/又はロックのために利用可能な車両を表すいくつかのグラフィカルユーザインターフェイスを表示する表示デバイスを示す。
図12】いくつかの実施形態に従って、ユーザが単車に乗車するときに制御及び/又はロックのために利用可能な車両を表すいくつかのグラフィカルユーザインターフェイスを表示する表示デバイスを示す。
図13】いくつかの実施形態に従って、ユーザが単車に乗車するときに制御及び/又はロックのために利用可能な車両を表すいくつかのグラフィカルユーザインターフェイスを表示する表示デバイスを示す。
図14】いくつかの実施形態に従って、ユーザが単車に乗車するときに制御及び/又はロックのために利用可能な車両を表すいくつかのグラフィカルユーザインターフェイスを表示する表示デバイスを示す。
図15】いくつかの実施形態に従って、ユーザが単車に乗車するときに制御及び/又はロックのために利用可能な車両を表すいくつかのグラフィカルユーザインターフェイスを表示する表示デバイスを示す。
【0009】
当業者に明らかなように、図中の要素は、簡単及び明りょうのために表されており、必ずしも実寸通りではない。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本明細書で提供される実施形態の理解を改善するのを助けるよう、他の要素に対して誇張されることがある。
【0010】
装置及び方法のコンポーネントは、本明細書中の説明を利用することができる当業者に容易に明らかである詳細により本開示を不明りょうにしないように、実施形態を理解することに関係があるそれらの具体的な詳細のみを示しながら、図面において従来のシンボルによって必要に応じて表現されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つ以上の実施形態が、以下の説明及び添付の図面において記載及び例示されている。それらの実施形態は、本明細書で提供される具体的な詳細に制限されず、様々な方法で変更されてよい。更に、他の実施形態が存在してよいが、ここでは説明されない。また、1つのコンポーネントによって実行されるものとして本明細書で記載される機能は、分散的に複数のコンポーネントによって実行されてもよい。同様に、複数のコンポーネントによって実行される機能は、単一のコンポーネントによって集約され実行されてもよい。同様に、特定の機能を実行するものとして記載されるコンポーネントは、本明細書で記載されていない追加の機能を更に実行してもよい。例えば、特定の方法で“構成される”デバイス又は構造は、少なくともその方法で構成されるが、挙げられていない方法でも構成されてよい。更に、本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されている命令を実行することによって、記載されている機能を実行するよう構成された1つ以上の電子プロセッサを含んでもよい。明らかなように、いくつかの実施形態は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタマイズされたプロセッサ及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような、1つ以上の汎用又は特別なプロセッサ(又は“処理デバイス”)と、本明細書で記載される方法及び/又は装置の機能の一部、大部分、又は全てを特定の非プロセッサ回路とともに実装するよう1つ以上のプロセッサを制御する一意の記憶されたプログラム命令(ソフトウェア及びファームウェアの両方を含む。)とから成ってよい。代替的に、一部又は全ての機能は、記憶されたプログラム命令を有さない状態機械によって、又は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)において実装されてよく、機能の特定の各機能又は何らかの組み合わせはカスタムロジックとして実装される。当然、2つのアプローチの組み合わせが使用されてもよい。
【0012】
同様に、本明細書で記載される実施形態は、記載される機能を実行するよう1つ以上の電子プロセッサによって実行可能な命令を記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体として実装されてもよい。本願で使用されるように、“非一時的なコンピュータ可読媒体”は、全てのコンピュータ可読媒体を有するが、一時的な伝播信号からは成らない。然るに、非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、又はそれらのあらゆる組み合わせを含んでよい。
【0013】
その上、本明細書で使用される表現及び用語は、記載を目的とし、限定と見なされるべきではない。例えば、“含む(including)”、“包含する(containing)”、“comprising(有する)”、“備える(having)”、及びそれらの変形は、本明細書では、その語の後で挙げられている項目及びそれらの同等物とともに追加の項目を包含するよう意図される。語“接続される(connected)”及び“結合される(coupled)”は、広く使用され、直接及び間接の両方の接続及び結合を包含する。更に、“接続される”及び“結合される”は、物理的又は機械的な接続又は結合に制限されず、直接又は間接のいずれに関わらず、電気的な接続又は結合を含むことができる。更に、第1及び第2、上及び下、などといった関係語は、単に1つのエンティティ又はアクションを他のエンティティ又はアクションから、そのようなエンティティ又はアクションの間の如何なる実際のそのような関係又は順序も必ずしも必要と又は暗示せずに、区別するために本明細書で使用されてよい。
【0014】
図1は、道路12上での単車30及び40とのグループ走行シナリオにおける単車10の実例である。単車10は、アダプティブクルーズコントロールシステム20を含む。
【0015】
図2は、アダプティブクルーズコントロールシステム20のブロック図である。表されている例では、システム20は、トランシーバ210、電子コントローラ220、表示デバイス230、スピードセンサ240、ブレーキシステム250、加速制御システム260、カメラ270、及び通信バス280を含む。システム20のコンポーネントは、様々な構成を有してよく、様々な通信タイプ及びプロトコルを使用してよい。図2に表されている実施形態は、システム20のコンポーネント及び接続のほんの一例を提供し、いくつかの実施形態においては、システム20は、図2に表されていない追加のコンポーネントを含み、本明細書で記載される機能以外の追加の機能を実行してもよい。図2に表されているコンポーネント及びコンポーネント間の接続は、ここで例示及び記載されている以外の他の方法でも構成されてよい。システム20の上記のコンポーネントの夫々は、例えば、各コンポーネントの機能に関連したデータを受信、処理及び送信するための電子プロセッサを含む専用処理回路を更に含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、トランシーバ210は、単車10の種々の位置に位置付けられた1つ以上のレーダーセンサ、ライダー(LIDAR;light detection and ranging)センサ、超音波センサ、又はそれらの組み合わせを含む。トランシーバ210は、車両の周囲環境内にある車両(以降、“周囲車両”と時々呼ばれる。)からの単車の距離及び周囲車両に対する単車の位置並びにお互いに対する周囲車両の距離及び位置を示す信号(例えば、RF又は音響信号)を受信するよう構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、表示デバイス230は、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェイス(以下で記載。)を表示する。表示デバイス230は、タッチ検知デバイスであってよい。いくつかの実施形態において、カメラ270又はそのコンポーネントは、単車10の一部分に(サイドミラー又はフロントエンドに)外から取り付けられてよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、スピードセンサ240は、単車10のホイールの一方又は両方の回転スピードを検知するホイールスピードセンサを用いて実装される。他の実施形態では、単車の速さは、単独で又はホイールスピードセンサと組み合わせて他のセンサを用いて、例えば、トランスミッション出力スピードセンサ(TOSS;transmission output speed sensor)又は他のタイプのセンサを用いて、検知又は決定される。いくつかの実施形態において、単一のスピードセンサ240が単車10の各ホイールに関連付けられる。
【0019】
図3は、電子コントローラ220のブロック図である。電子コントローラ220は、電子コントローラ220内のコンポーネント及びモジュールへ電力、動作制御、及び保護を提供する複数の電気的及び電子的コンポーネントを含む。電子コントローラ220は、特に、バス229へ結合されている電子プロセッサ222(例えば、プログラム可能な電子マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は同様のデバイス)、メモリ223(例えば、非一時的な機械読出可能なメモリ)、及び入出力インターフェイス228を含む。電子プロセッサ222は、メモリ223及び入出力インターフェイス228へ通信上結合されている。メモリ223は、自動クルーズコントロールアプリケーション224、第1キネマティックコントローラ225、第2キネマティックコントローラ226、及び第3キネマティックコントローラ227を含む。いくつかの実施形態において、自動クルーズコントロールアプリケーション224及びキネマティックコントローラ(225、226及び227)は、電子プロセッサ222によって実行される場合に、単車10に、本明細書で記載される機能を実行させる命令を含む。トランシーバ210、表示デバイス230、スピードセンサ240、ブレーキシステム250、加速制御システム260及びカメラ270は、バス229上で入出力インターフェイス228を介して電子プロセッサ222と通信する。なお、他の実施形態では、電子プロセッサ222は、専用接続にわたって、システム20に含まれる1つ以上のコンポーネントと通信する。
【0020】
電子コントローラ220は、特定の機能又はサブ機能を実行するよう夫々構成されたいくつかの独立したコントローラ(例えば、プログラム可能な電子コントローラ)において実装されてよい。加えて、電子コントローラ220は、入出力機能を扱うこと、信号を処理すること、及び後述される方法の適用のために追加の電子プロセッサ、メモリ、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むサブモジュールを含んでもよい。他の実施形態では、電子コントローラ220は、追加の、より少ない、又は異なったコンポーネントを含む。
【0021】
図4は、システム20によって実行される、単車10(図1を参照。)のためにアダプティブクルーズコントロールを提供する方法400を説明するフローチャートである。特に、方法は、システム20、特に、電子コントローラ220(自動クルーズコントロールアプリケーション224を実行する電子プロセッサ222)によって実行されるものとして記載される。以下で更に詳細に記載されるように、自動クルーズコントロールアプリケーション224は、単車のグループの中で、例えば、互い違いの編隊で、乗車しているときに、単車10のためのアダプティブクルーズコントロール及び表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを特に提供するよう電子プロセッサ222によって実行される、メモリ223に記憶された命令を含む。図4に表されているように、ブロック402で、アダプティブクルーズコントロールアプリケーション224が実行される。ブロック404で、コントローラ220は、トランシーバ210から受け取られたデータに基づき、1台以上の車両(例えば、単車)がロックのために利用可能であるかどうかを判定する。いくつかの実施形態において、単車10は、アダプティブクルーズコントロールアプリケーション224が、トランシーバ210によって生成された単車30の一意の識別子を、ロック対象の一意の識別子を記憶するためにリザーブされたメモリ223内の位置に記憶している場合に、且つ、単車30がトランシーバ210に可視的である場合に、単車30にロックされると理解される。1台以上の車両がブロック404で識別される場合に、方法400はブロック406へ進み、そうでない場合には、方法400はブロック412へ進む。ブロック406で、表示デバイス230は、ロックのために利用可能な対象の相対位置を示すグラフィカルユーザインターフェイスを表示する。いくつかの実施形態において、単車10の乗り手は、表示デバイス230を用いて、ロックのための対象(例えば、単車10を含むグループ内で走行している最も近い単車)を選択する。いくつかの実施形態において、単車10の乗り手は、単車10のハンドコントロール(例えば、ハンドルバー)に位置している入力デバイス(例えば、ジョイスティック、押しボタン、など)を用いて、ロックのための対象を選択する。いくつかの実施形態において、単車10の乗り手は、発話コマンドを用いて、ロックのための対象を選択する。
【0022】
ブロック408で、方法400は、単車10の乗り手がロックのための対象(例えば、図5Bでは、単車30)を選択したかどうかを判定する。方法400は、単車10の乗り手がロックのための対象を選択する場合に、ブロック410へ進む。他方で、単車10の乗り手がロックのための対象を選択していない場合には、方法400はブロック412へ進む。ブロック412で、単車10が対象にロックされている場合には、次いで、方法400はブロック420へ進む。ブロック420で、コントローラ220は、ロック対象、進行経路内にある対象、及び進行経路内にある対象の前にある対象に対して制御するキネマティックコントローラ(225、226及び227)のより小さいスピード出力へと制御する。
【0023】
ブロック412で、単車10が対象にロックされていない場合には、次いで、方法400はブロック414へ進む。ブロック414で、方法400は、対象が単車10の進行の経路内にあるかどうかを判定することを含む。ブロック414で、対象が単車10の進行の経路内にある場合に、次いで、方法400はブロック418へ進む。ブロック418で、方法400は、単車10の進行経路内の対象に対して制御するキネマティックコントローラ226のスピード出力、及び単車10の進行経路内にある対象の前にある対象に対して制御するキネマティックコントローラ227の出力のより小さい値へと制御することを含む。
【0024】
ブロック414で、対象が単車10の進行経路内にない場合には、次いで、方法400はブロック416へ進む。ブロック416で、方法400は、単車10のスピードを単車10のセットクルーズスピードへと制御することを含む。
【0025】
図5A~5Bは、いくつかの実施形態に従って、グループ走行シナリオで移動する単車を表す。図5Aは、単車10の進行経路内で真っ直ぐ前を走行している単車40を検出する単車10を示す。いくつかの実施形態において、表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイスは、ハイライト表示されているように単車40を示す。図5Aに示される例では、単車40は、単車10の速さが単車40によって制御されていることを示すよう、破線で囲われた長方形ボックス42内に示されている。いくつかの実施形態において、単車10は、単車30がトランシーバ210の視野内にある場合に、単車10の右側にずれて相対的な位置にある単車30を更に検出し表示する。
【0026】
図5Bは、単車30を検出し、単車10を単車30とロックするために利用可能である単車10を示す。単車30は、単車10が単車30にロックされることを示すよう、実線で囲われた長方形ボックス32内に示されている。
【0027】
図6は、単車10においてアダプティブクルーズコントロールを提供するための更に詳細な方法600を説明するフローチャートである。方法600はブロック602を含み、ブロック602で、単車10は、アクティブクルーズコントロールモードにある。いくつかの実施形態において、単車10のユーザは、単車10のハンドコントロール(例えば、ハンドルバー)の一端に存在するクルーズコントロール切換メカニズムを用いて(例えば、ボタンを用いて)クルーズコントロールモードをアクティブにする。
【0028】
ブロック604で、電子コントローラ220は、単車10が近くの車両(例えば、図5A~5Bに示された単車30)にロックされているかどうかを判定する。単車10が近くの車両にロックされている場合には、方法600はブロック606へ進む。単車10が近くの車両にロックされていない場合には、方法600はブロック618へ進む。
【0029】
ブロック606で、電子コントローラ220は、単車10が単車10の左側にある対象にロックされているかどうかを判定する。単車10が、単車10の左側にある近くの単車30(図8Aに図示あり。)にロックされている場合に、次いで、方法600は、表示デバイス230で表示されているグラフィカルユーザインターフェイス内で単車10の左側に“単車”(MOTORCYCLE)アイコンを表示する(ブロック608)。単車10が単車10の左側にロック対象を有していない場合に、次いで、方法600はブロック610へ進む。ブロック610で、電子コントローラ220は、単車10が単車10の右側にある対象にロックされているかどうかを判定する。単車10が、単車10の右側にある近くの単車30(図8Bに図示あり。)にロックされている場合に、次いで、方法600は、表示デバイス230で表示されているグラフィカルユーザインターフェイス内で単車10の右側に“単車”アイコンを表示することを含む(ブロック612)。単車10がその右側又はその左側に対象を有していない場合に、方法600はブロック614へ進む。ブロック614で、表示デバイス230は、表示デバイス230で表示されているグラフィカルユーザインターフェイス内で単車10の真っ直ぐ前に“単車”アイコンを表示する(ブロック614)。方法600は更にブロック616へ進み、ブロック616で、電子コントローラ220は、ロック対象よりも近い他の対象が存在するかどうかを判定する。ロック対象よりも単車10に近い対象がある場合に、方法600はブロック634へ進む。ロック対象よりも近い対象がない場合に、方法600はブロック648へ進む。
【0030】
ブロック618に戻ると、電子コントローラ220は、対象が単車10の進行経路内にあるかどうかを判定する。単車10の進行経路内に対象が存在すると決定される場合に、表示デバイス230は、単車10の進行経路内にある“自動車”(CAR)アイコンを表示する(ブロック620)。“自動車”アイコンを表示すると、方法600は更にブロック632へ進む。ブロック618で、単車10の進行経路内に対象が存在しないと決定される場合に、方法600はブロック622へ進む。ブロック622で、電子コントローラ220は、単車10の左側に対象が存在するかどうかを判定する。単車10の左側に対象が存在する場合に、電子コントローラ220は、対象が単車10の左側でロックのために利用可能であることを示すアイコンを表示する(ブロック624)。単車10の左側に対象が存在しない場合に、方法600はブロック626へ進む。ブロック626で、電子コントローラ220は、対象が単車10の右側にあるかどうかを判定する。単車10の右側に対象が存在する場合に、表示デバイス230は、対象が単車10の右側でロックのために利用可能であることを示すアイコンを表示する(ブロック628)。ブロック626で単車10の右側に対象が存在しないと決定される場合に、方法600はブロック652へ進む。
【0031】
ブロック624及び628の夫々の後、方法600はブロック630へ進む。ブロック630で、電子コントローラ220は、短時間(例えば、3秒)ロックボタンを押し下げたままにすることによってロック機能がアクティブにされるかどうかを判定する。ロック機能がブロック630でアクティブにされる場合に、方法600は、単車10を最も近い対象にロックするよう進む(ブロック646)。ロック機能がブロック630でアクティブにされない場合に、方法600はブロック652へ進む。
【0032】
ブロック632で、電子コントローラ220は、ロックされた車両よりも近い車両があるかどうかを判定する。ロックされた車両よりも近い対象が存在する場合に、方法600はブロック634へ進む。方法600は、電子コントローラ220により、より近い対象が左側(ブロック634)又は右側(ブロック638)にあるかどうかに関して判定することによって、進む。より近い対象が左側にある場合に、表示デバイス230は、対象が単車10の左側でロックのために利用可能であることを提示するアイコンを表示する(ブロック636)。より近い対象が右側にある場合に、表示デバイス230は、対象が単車10の右側でロックのために利用可能であることを表すアイコンを表示する(ブロック640)。
【0033】
ブロック634及び638で、単車10の左側にも右側にもより近い対象が存在しないと決定される場合に、次いで、表示デバイス230は、対象が単車10の正面でロックのために利用可能であることを表すアイコンを表示する(ブロック642)。方法600は更にブロック644へ進む。ブロック644で、方法600は、単車10を最も近い対象にロックするよう(ブロック646)、短時間ロックボタンを押し下げたままにすることを含む。代替的に、ブロック644で、ロック機能がロックボタンを押すことによってアクティブにされない場合に、方法600はブロック648へ進む。ブロック634及び638で、単車10の左側にも右側にもより近い対象が存在しないと決定される場合に、次いで、方法600は、対象が単車10の正面でロックのために利用可能であることを表すアイコンを表示することを含む(ブロック642)。方法600は更にブロック644へ進む。ブロック644で、方法600は、単車10を最も近い対象にロックするよう(ブロック646)、短時間ロックボタンを押し下げたままにすることを含む。いくつかの実施形態において、ロックのために使用されるボタンは専用のボタンでなくてもよく、他の関連する機能のためのボタンであってよいが、押されたままであるときにロック機能を実行する。いくつかの実施形態において、ロックは、短時間の押下により命令されてよく、他の機能は、同じボタンのより長い押下によりアクティブにされる。代替的に、ブロック644で、ロック機能がロックボタンを押すことによってアクティブにされない場合に、方法600はブロック648へ進む。
【0034】
ブロック648で、電子コントローラ220は、ロック対象30(図7Bに図示あり。)、進行経路内の第2の対象40(図7Aに図示あり。)、及び単車10の進行経路内の第2の対象40の前にある第3の対象(図7Bに図示なし。)に対して制御するキネマティックコントローラのより小さいスピード出力へと単車10を制御する。
【0035】
ブロック650で、電子コントローラ220は、進行経路内の第1の対象、及び単車10の進行経路内の第1の対象の前にある第2の対象に対して制御するキネマティックコントローラのより小さいスピード出力へと単車10を制御する。ブロック652で、方法600は、アダプティブクルーズコントロールシステム20を用いてクルーズセットスピードで単車10を制御することを含む。
【0036】
図7A~7Bは、いくつかの実施形態に従って、グループ走行シナリオにおいて単車の速さを制御するために使用される様々なオブジェクトを有しているグラフィカルユーザインターフェイスの実例である。図7Aは、グループの後方を走行している単車10であって、単車10の右側にずれて走行している単車30にロックされている単車10を示すグラフィカルユーザインターフェイス710である。長方形32は、単車10が単車30にロックされていることを単車10の乗り手に示す。また、単車10及び単車30の前には、グループの先頭(単車40)が走行している。図7Bは、単車40がその速度を緩める場合に単車40に対して更に制御しながら、単車30にロックされている単車10を示すグラフィカルユーザインターフェイス720である。単車40が減速し、単車30又は単車10のいずれか一方と所定のギャップ時間内にある場合に、単車40に対して制御することは、単車30に対して制御することによるよりも遅い速さ/大きい減速を必要とするので、長方形42は、システム20が単車30よりもむしろ単車40の速さ及び位置に基づき単車10を制御していることを示す。
【0037】
図8A~8Bは、いくつかの実施形態に従って、レーン内で相対的に位置していたが同じレーン内の車両を追い越し始める標的(単車30)にロックすることによって単車10の速さを制御するために使用されるオブジェクトを有しているグラフィカルユーザインターフェイスの実例である。図8Bは、車両50を追い越す態勢に入るよう左レーンに移動する単車30を示す。単車30が左レーンに移動すると、次いで、単車10の速さは、単車30までの所望のギャップを保つこと以外に、車両50までの所望のギャップを維持するよう減じられる必要がある。結果として、単車10は、(車両50を追跡するキネマティックコントローラの出力が、単車30を追跡するキネマティックコントローラの出力よりも小さい速さ/加速要求を供給している場合に)車両50に対して制御し始めてよいが、システム20は既に単車30にロックされているので車両50にはロックしない。
【0038】
図9は、いくつかの実施形態に従ってアダプティブクルーズコントロールを提供するために使用されるパラメータを説明するフロー図900を示す。
【0039】
図10は、図9に示されているフロー図に従ってシステム20によって実行される、単車のためのアダプティブクルーズコントロールを提供する方法1000を説明するフローチャートである。ブロック1010で、電子プロセッサ222は、単車10の進行経路の片側での第1の単車30の存在を決定する。このとき、第1の単車30は、トランシーバ210の視野内にある。
【0040】
ブロック1020で、電子プロセッサ222は、第1キネマティックコントローラ225の出力に基づき単車10の速さを動的に制御する。第1キネマティックコントローラ225は、単車30までの単車10の距離、単車30の速度、単車10の速度、単車10に関連したクルーズセットスピード、単車10と単車30との間の所望の分離距離(例えば、ギャップ距離)、及び単車10と単車30との間の所望の分離時間(例えば、ギャップ時間)のうちの少なくとも1つから選択された少なくとも1つの項目を含む第1入力を受けるよう構成される(図9に図示あり。)。
【0041】
いくつかの実施形態において、電子プロセッサ222は、単車10の進行の直接路にある第2の車両40の存在を決定する。電子プロセッサ222は更に、第2キネマティックコントローラ226の出力に基づき動的に単車10の速さを制御するよう構成される。第2キネマティックコントローラ226は、第2の車両40までの単車10の距離、第2の車両40の速度、単車10の速度、単車10に関連したクルーズセットスピード、単車10と第2の車両40との間の所望の分離距離、及び単車10と第2の車両40との間の所望の分離時間を含むグループから選択された少なくとも1つの項目を含む第2入力を受けるよう構成される(図9に図示あり。)。
【0042】
いくつかの実施形態において、電子プロセッサ222は、第2の車両40の前にある第3の車両の存在を決定する。電子プロセッサ222は更に、第3キネマティックコントローラ227の出力に基づき動的に単車10の速さを制御するよう構成される。第3キネマティックコントローラ227は、第3の車両までの単車10の距離、第3の車両の速度、単車10の速度、単車10に関連したクルーズセットスピード、単車10と第3の車両との間の所望の分離距離、及び単車10と第3の車両との間の所望の分離時間を含むグループから選択された少なくとも1つの項目を含む第3入力を受けるよう構成される。
【0043】
図11~15は、いくつかの実施形態に従って、ユーザが単車に乗るときに制御及び/又はロックのために利用可能な車両を表すいくつかのグラフィカルユーザインターフェイスを表示する表示デバイス230を示す。図11は、単車10の表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイス1100を表す。グラフィカルユーザインターフェイス1100は、単車10が制御するための他の車両を有さないことを示す。図12は、単車10が制御するために利用可能である他の車両(オブジェクト1210によって示される。)を単車10が検出する場合に表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイス1200を表す。
【0044】
図13は、単車10の表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイス1300を表す。グラフィカルユーザインターフェイス1300は、制御するために単車10によって使用される他の車両を表すオブジェクト1310を含む。グラフィカルユーザインターフェイス1300は、オブジェクト1310によって表される車両以外の他の車両を表すオブジェクト1320を更に示す。グラフィカルユーザインターフェイス1300に示されるように、オブジェクト1320によって表される車両は、オブジェクト1310によって表される車両の進行経路の左側に位置する。その上、グラフィカルユーザインターフェイス1300は、オブジェクト1320によって表されている車両が制御されていないことを更に示す。図14は、単車10の表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイス1400を表す。グラフィカルユーザインターフェイス1400は、単車10が単車10の進行経路の左側に位置する車両にロックされていることを示すオブジェクト1410を含む。図15は、単車10の表示デバイス230で表示されるグラフィカルユーザインターフェイス1500を表す。グラフィカルユーザインターフェイス1500は、乗り手によって望まれる場合にはロックされ得る車両が単車10の右側に存在することを示すオブジェクト1510を含む。
【0045】
以上、明細書において、具体的な実施形態が記載されてきた。しかし、当業者に明らかなように、様々な変更及び変化が、以下で特許請求の範囲において示される本発明の適用範囲から外れることなしに行われ得る。然るに、明細書及び図面は、限定の意味よりむしろ実例と見なされるべきであり、全てのそのような変更は、本教示の適用範囲の中に含まれるよう意図される。
【0046】
恩恵、有利な点、課題の解決法、及びあらゆる恩恵、有利な点、又は解決法を生じさせ又はより明らかにし得る如何なる要素も、いずれか又は全ての特許請求の範囲の重要な、必要とされる、又は必須の特徴として解釈されるべきではない。本発明は、本願の係属中に行われるあらゆる補正及び発行される特許請求の範囲の全ての均等を含む添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0047】
本開示の要約は、技術的な開示の本質を直ぐに確かめることを読み手に可能にするために与えられている。それは、特許請求の範囲の適用範囲又は意義を解釈又は制限するために使用されることはないとの理解の下で提出される。加えて、前述の詳細な説明において、様々な特徴は、本開示を簡素化する目的で様々な実施形態において集められていることが分かる。開示のこの方法は、請求される発明が、各請求項で明示的に示されているよりも多い特徴を必要とするとの意図を反映するものとして解釈されるべきでない。むしろ、続く特許請求の範囲が反映するように、本発明の対象は、単一の開示される実施形態の全てに満たない特徴にある。よって、続く特許請求の範囲は、これによって詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別々に請求される対象として独立している。
【0048】
いくつかの実施形態の様々な特徴及び利点は、続く特許請求の範囲において示されている。
【符号の説明】
【0049】
10,30,40 単車
12 道路
20 アダプティブクルーズコントロールシステム
50 車両
210 トランシーバ
220 電子コントローラ
222 電子プロセッサ
223 メモリ
224 自動クルーズコントロールアプリケーション
225 第1キネマティックコントローラ
226 第2キネマティックコントローラ
227 第3キネマティックコントローラ
228 入出力インターフェイス
230 表示デバイス
240 スピードセンサ
250 ブレーキシステム
260 加速制御システム
270 カメラ
710,720 グラフィカルユーザインターフェイス
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15