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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】揚水式水圧発電方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/02 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
F03B17/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019027844
(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公開番号】P2020122475
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2020-03-31
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-04
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518331003
【氏名又は名称】凍田 陽
(72)【発明者】
【氏名】凍田 陽
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】窪田 治彦
【審判官】西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-104982(JP,A)
【文献】特表2003-511613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
耐圧空洞体下部構造は内部容積の大部分を下部空間で構成、揚水式水圧発電の起点となる貯留池として下部空間を占有、水圧を求めて前記耐圧空洞体を任意の水深に配置、水上の揚水ポンプによる貯留池からの揚水量と、外部高圧水の前記取水口から内部耐圧配管内を流通する水量を等量にする為に、下部空間への放出水量と外部高圧水の流入水量を人工知能で調節し常時貯留量を安定的に保つ事で、下部空間と上部空間の気圧を常時大気圧程度に維持し、貯留池の水量、気圧の調整機能で外部水圧と内部気圧との圧力差を利用した安定した発電環境を形成し、水流発電、水圧発電の安定した連続運転による発電を特徴とし請求項1又は請求項2に記載の揚水式水圧発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
海洋、湖沼、人口貯留池の深層水域に沈下、設置の耐圧空洞体に深層高圧水を直接導入し、内部空間に設置の発電施設で、高水圧と高速水流と無尽蔵の水量での水流発電と、高圧放出水による水圧発電後に下部空間に貯留後、揚水管から連通管を経て水上の浮子型浮力体上の揚水ポンプ施設で揚水し各産業で多目的利用する。
【背景技術】
【0002】
地球上に存在する自然再生エネルギーの内で利用可能な海洋・湖沼のエネルギーは、海洋では海流、潮流発電、波浪、潮汐、風力、温度差、水圧等の各発電方法で研究、開発され、風力発電、太陽電池等は地形、環境、気象等に問題を有する。
【0003】
現在、自然再生エネルギー、水素エネルギーへの転換が必然であり、多面的に開発されつつあるが、最大の潜在エネルギーである水圧は実用化に至っていない。
【0004】
発電技術では、水力発電は、環境立地、揚水発電では発電効率と設備利用率に、原子力は、安全性に、化石燃料発電は環境と温暖化問題があるのに対し、揚水式水圧発電は発電に必要な水圧と水量は無限的に存在する。
【0005】
海洋、湖沼での資源開発、成分利用産業、養殖等に利用の為の、化石燃料での現地発電では経費と採算性と環境に問題があり、現地自然エネルギー利用電力が必要である。
【0006】
海洋でのメタンハイドレートやレアメタル等の資源開発や調査が進んでいるが、開発には各種活動や作業に電力が必要であり、海洋開発、採掘の際、洋上施設の利用は外洋、遠洋では困難で、沿岸・近海用には安価で安定した現地電力の供給が必要である。
【0007】
耐圧空洞体の建造は船舶建造に類似し、耐圧殻は潜水船外殻を応用でき、発電装置・揚水ポンプ・水上フロート・自動電磁弁等は既存技術が存在し、人工知能・ロボット化は実用化が進行中であり、使用目的・運用環境で大・中・小・の型式と分割建造が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2009-299577号広報
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
水圧発電では、高い水圧を得る為、耐圧殻を有する空洞体を、必要とする水圧の水域に沈下設置して、耐圧空洞体内に高圧水を直接取水口から導入するため、耐圧空洞体を水面下の深層水域に配置の水深水圧と揚水ポンプ性能が、耐圧構造の強度及び発電量、発電効率、発電総合効率や装備構造に影響する。
【0010】
耐圧構造の空洞体を設置する水深位置に対応して耐圧強度を必要とするが、高圧を求めて深層水域へ直接に水圧発電空洞体を設置の結果、耐圧構造空洞体から水上へ設置の揚水ポンプまでの揚程の距離が遠くなる為に前記揚水ポンプ性能が課題と為る。
【0011】
先行技術の水圧発電構造では、発電体構造物の上部が水面に露出、又は建造物、構造体全体が海底に定着の状態では、数百m乃至は千m以上の深海・深層水域に設置は、構造の複雑化、巨大化と、水上、海底の過酷な環境下での一体構造の建造費用・維持管理が課題。
【0012】
揚水ポンプ性能と耐圧性能が設置深度と使用要件を決定し、揚水で耐圧空洞体内へ導入の高水圧、高速水流と、実質的に無尽蔵の水量で、発電効率と設備利用率の向上を目的とする揚水式水圧発電方式の構築が課題。
【0013】
陸上水力発電は、河川水をダムに貯留し放水時に、位置エネルギー、運転エネルギー、圧力エネルギーとして電力に変換するのに対し、揚水式水圧発電は、静水圧状態の深層水を流動化し動水圧状態で耐圧空洞体内へ導入し、その高圧を位置水頭、水量を圧力水頭及び高圧水流を速度水頭として空洞体内で発電するが、揚水入時力電力を実質上無尽蔵の高水圧と水量を利用で発電を賄い、電力を得る方法が課題となる。
【0014】
陸上水力発電は、発電後の水利用を、生活用水、農業、産業等に各種活用で電力と併せて高い経済性を有するが、揚水式水圧発電に於いては発電後に、膨大な水量で多様な有効成分を原料、資源の開発に揚水を活用、水流、水圧発電2方式の発電量との相乗利用で、発電効率と経済効率を高めることが課題である。
【0015】
水上の揚水ポンプ施設や他の関連施設を浮力体構造物上に設置の場合は、海上、水上の風波、海流、潮流等の気候、気象、海況等の影響で位置変位、移動、流失を避ける方法と海底に係留が必要であり、又、沿岸、離島、陸地との連絡が課題である。
【0016】
上記の自然環境は水面、海面の上下で特に影響を受け、建造、設備に堅牢で簡素な構造が必要で又、海底、水底付近では砂泥、生物、夾雑物の混入の防止、排除が課題。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、自然エネルギーの中で最大と思われる水圧エネルギーを利用し、海洋・湖沼の深層水域で静水圧状態の高圧水を、揚水して高圧流動体に変換し、水圧エネルギーで発電、又、揚水により無限の如く存在し多様な成分を含有の海洋深層水を各種産業に利用し、経済効率を実現し、手段とする揚水式水圧発電構造体。
【0018】
耐圧殻を有する楕円球形空洞体を水中に自沈全没して、高圧を利用の為に耐圧構造の限度内で深海・深層水域に設置、設置深度の深層高圧水を、水圧原理により、耐圧空洞体の上方に、同一水深の同一水平面の円周上の位置に等間隔に複数設置の取水口から直接に内部耐圧配管へ導入、内部空間の気圧との圧力差を位置エネルギー、高速水流は運動エネルギー、流入水量は圧力エネルギーとし位置、運動、圧力の全水頭エネルギーで、耐圧空洞体内の水流発電と水圧発電とで電力を得る。
【0019】
耐圧空洞体の複数の取水口から複数の内部耐圧配管内に高圧高速水流を通して複数機の小規模発電機の連動で水流発電後に、前記内部耐圧配管に装備の噴射ノズルから高圧噴射水で複数の中規模発電の連動での水圧発電で、複数機の連動発電と水流発電、水圧発電の2方式発電で発生電力量を得る。
【0020】
中型以下の耐圧空洞体は上部構造と下部構造に二分割建造とし、上部構造に配管、発電設備、気圧調節管、送電線、バルブ、センサーの主要装備を集中装備し、下部構造は揚水管以外の全体を貯留空間として、水流発電と水圧発電後の放出水を下部へ貯留し、空洞体中央に設置の揚水管から天頂の貫通孔を経て接続の水上の揚水ポンプで揚水する。
【0021】
耐圧空洞体は、耐圧空洞体を沈下設置の水深位置に合わせて、外洋、近海の高深度の場合は高耐圧型とし、沿海、湾岸、島嶼周辺では耐圧強度を深度に合わせ建造。
【0022】
耐圧空洞体内の貯留水は、揚水管と貫通孔に接続の連通管を通じて洋上に設置の浮力体構造物上の施設内に設置のポンプ施設で揚水し、その一部のポンプ排出水を浮子型浮体構造物周囲に配したパイプから水面下の放出口で噴出、GPS位置機能で測定し噴出調節で海流、潮流、風波での海況による移動・回転・流失等を抑止し定点位置保持する。
【0023】
水上施設の設置環境は、陸地、離島、近くは陸上配置、又は、陸地、暗礁に係留してフロー基地を設置、外洋遠洋上では海底山脈・海山・ギョ―等の水深5百~2千mの頂上付近に簡易係留及び前記浮力体構造物上に設置のGPS位置測定よる揚水分流の噴射調節で,定点に定置する。
【発明の効果】
【0024】
海洋と湖沼等の水圧の潜在エネルギー量は膨大で、海洋は、温度差、海流、潮流、波浪、潮汐風力水圧で各発電方法がある。無限の水量を水圧と共に揚水して高圧流動体化し、水流、水圧発電で、陸上水力発電と同様の多目的利用で、経済効果を得る。
【0025】
本発明は、本体耐圧構造以外の内外構造と内部設備は発電機、発電設備と揚水設備が主要装備で、既存の技術と設備と建造方法が利用可能であり、船舶建造と類似の為、製造が容易で型式及び連続建造により、量産効果が期待できる。
【0026】
本発明は、耐圧空洞体内に高圧水を導入して水流を陸上の河川水、水量と水圧をダム湖の貯水量及び空洞体内への導入をダムからの放出と見なし、複数の発電機の多連動発電と水流・水圧の2方式発電で、利便性、多目的利用での費用対効果を得る。
【0027】
建設適地は地球規模で広大であり環境破壊を防止出来る、又、耐圧空洞体を水中の任意の水域に自由状態で定置の為、水面上下の海況、気象に影響を受け難い。
【0028】
本発明の特徴は、汎用性が高く耐圧殻の能力範囲で、外洋、遠洋の大型から離島周辺、近海、沿海の中型、湖沼、ダム等の人工池での小型等、各型式建造が水圧と水深の存在する場所での設置が可能である。
【0029】
水中に沈設の耐圧空洞体に浮力体構造上の揚水ポンプを水上の初動支援船の電力で始動し、水中の耐圧空洞体内に注水、水面下に沈下後に揚水発電を開始、自家発電で水圧発電構造体の電力を賄い、特に海洋の浮力体構造物及び離島上で各種発電方法と連携し、電力を補充し海洋面上下の資源を利用、海洋産業開発が可能になる。
【0030】
現代の漁業には、養殖の発展が必須であるが、今後の養殖には自動化、ロボット化、人口知能等の電化、電子化の為、年間通じての連続発電で電力を現地施設・産業、漁業養殖に供給する。又、水素発生による水素供給基地、又、海底資源の研究調査、開発が可能。
【0031】
沿岸湾岸・湖沼の浅水域の汚染、水質悪化、酸素不足を小型揚水発電で循環浄化できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】揚水式水圧発電構造体図 耐圧空洞体発電構造と浮力体構造断面図。
図2】耐圧空洞体図 水中耐圧構造体全体断面図
図3-1】浮子型浮力体図 浮子型浮力体構造と揚水設備断面図
図3-2】浮子型浮力体図 浮子型浮力体と産業施設断面図
図4】耐圧空洞体上部構造図 耐圧空洞体上部の主要発電設備断面図
図5】空洞体下部構造図 耐圧空洞体下部貯留水空間と揚水構造断面図
図6】耐圧空洞体構造平面図 内部配管、空間及び発電構造簡略図
【発明を実施する為の最良の形態】
【0033】
本発明の揚水式水圧発電構造体図1は,水中部分の耐圧空洞体図2と水上部分の浮子型浮力体図3―1で構成、耐圧空洞体図2内に、発電装置を内蔵し、浮子型浮力体3-1に揚水ポンプセンター30及び人工知能、GPS位置測定センター35を設備し、水上の浮子型浮力体図3―1と、水中の耐圧空洞体2を懸垂ケーブル又はチェーン28で連結し、揚水連通管22揚水ポンプ30に接続し、設備として予備ポンプ31と気圧調節管兼用送電ケーブル管14と電力送電関係等を装備する。
【0034】
耐圧空洞体図2は造船施設、重工施設で上部構造図4と下部構造図5を分割建造後、船舶、台船等で搬送し現場で合体し空洞体内へ注水し重量で自沈、任意の想定水深に配置する。
【0035】
本発明の耐圧空洞体図2は、球体、楕円体、円筒体等の耐圧殻構造を有する各種形状とし、楕円体の中型揚水式水圧発電構造体図1とし説明を行う。
耐圧空洞体図2は内容積で、超大型、大型、中型、小型の型式として、水深千m~数十mの湾岸、湾内、湖沼を基本形とし水深・地形・使用目的の状況に対応して変更が可能。
【0036】
上部構造図4は、上部構造空間17に、取水口2a~2d、内部耐圧配管5a~5dと発電設備等の主要設備を集中装備し、上部構造天頂より少し下方の、同一水深の水平面上の同心円周上に、等間隔に複数個所の取水口2a~2dを設置する。前記内部耐圧配管内5a~5dに装備の小規模発電機の8a~8dに、取水口2a~2dから外部深層水域の高圧力と水量での、高速流入水による内部耐圧配管内の高圧高速水流で水流發電9a~9d後に、配管外に放出の際の高圧高速の噴射水での中規模タービン発電機10a~10dによる中規模水圧発電11a~11dの2方式発電構造。
【0037】
水中の耐圧空洞体図2は、水圧原理により、水圧は空洞体の全方位に伝播しあらゆる面に垂直に作用し、水中の耐圧空洞体図2の上部天頂より下の位置に4基の取水口2a~2dと取水貫通孔3a-3dと孔口装備の一体装備の自動電磁弁4a~4dを装備し内部耐圧配管5a~5dに接続、前記耐圧配管内に装備の4基の発電機8a~8dに外部高圧水を取水口2a~2dから直接に導入の同圧・同水量・同速の高圧高速水流で4基連動の水流発電9a~9d後に、耐圧配管5a~5dの直噴射ノズル12a~12dからの高圧噴射水による4基の中規模タービン発電機10a~10dの連動で中規模水圧発電11a~11bの、計8機の連動発電と高速水流・高水圧発電とで発生電力を得る。
【0038】
下部構造部構造図5は、耐圧空洞体図2の内容積の下半分を占有し、前記水圧発電11a後の放出水は下部空間18に前記耐圧空洞体図2全体の安定のバラスト水として貯留、下部底近くの中央に設置の揚水管6から天頂中央に設置の貫通孔7と一体装備自動電磁弁7を通じて水上に達する揚水連通管22で水上の浮子型浮力体図3-1内の揚水ポンプ30に接続して、貯留水を揚水し浮子型浮力体図(3-1)内から陸上・水上の各産業に分配。
【0039】
下部構造空間18の貯留水は、水中、水上での安定と姿勢制御に作用し、揚水による空間の拡大に対し、取水口2a~2dから高圧水を導入して、貯留量と導入量を取水貫通孔3a~3dの4基の自動電磁弁4a~4dの同調で流入量と揚水量を等量に調節、水上大気圧を内部に設置の気圧調節管14の貫通孔一体気圧調節自動電磁弁15の開閉調節で、内部気圧を1気圧前後乃至は減圧状態に維持し、外部と内部の圧力差による設置水深水域の高圧水を直接導入する事で無尽蔵の水量、水圧の供給継続で安定発電を可能にする。
【0040】
下部構造空間18の貯留水を揚水の結果生ずる内部空間の拡大により、内部気圧は減圧となり、外部水の流入速度と流入量は増加するが、前記内部空間の気圧を一定に保ち、継続的、安定した発電を得る為に各取水口の貫通孔一体自動電磁弁4a~4dのバルブの開閉をセンサーと人工知能で集中調節し、流入量と揚水量を等量にして、揚水管6の貫通孔自動電磁弁7の開閉調節で、揚水量と貯留量の増減で耐圧空洞体2の浮力を調節し、沈下・中立・浮上の自由を保持し、内部耐圧配管5a~5dの噴射ノズル12a~12d一体装備の自動電磁弁13a~13dの開閉で噴射水圧、水量増減による発電出力の制御等の、全自動電磁弁を人工知能35の下で制御調節する。
【0041】
上記に浮子型浮力体の揚水ポンプ30で海洋深層水を供給周囲の漁業養殖施設へ配分し浮力体構造物上で各種海洋成分産業等の原料・資源海洋産業複合体を形成する
【0042】
下部構造空間18の貯留水は、揚水ポンプ施設30で揚水後に、浮子型浮力体図3の定点位置配置の為の噴射水として一部を分流し、浮力構造体の水面下の四周に設置の噴射パイプ34a~34dから噴出させ、GPSと人工知能35の下での噴出調整で定点定置する。強い海流、潮流、水流等の状態では、島嶼、岩礁,岩体等の潮裏の下流に浮力構造体図3-1、図3-2を係留定置し流失、変動を防止し、耐圧空洞体2を海底水底SFの砂泥等環境の影響を避けた上層水域に配置、着脱係留装置27にケーブル25等で係留する。
【0043】
上記の浮子型浮力体図3-1は、風波を避けて密閉又は半密閉と抵抗の少ない形状容器とし、厳しい海況等の環境下で、内部に揚水ポンプ30・内部気圧調節ポンプ33、調査器具、清掃ロボット収納室40を装備し設置する。主として離島、沿岸、係留フロート等の陸地に接続、電力・産業・貯留等の各設備・施設の中継揚水ポンプセンターとする。
【0045】
耐圧空洞体2外殻は、甲殻類・藻類の附着で空洞体2に問題が生じた場合も各装備内蔵の球状形態の為、清掃ロボット使用が高水圧の環境下で可能であり、大規模保守、点検、補修・交換では水上に回収して定期、上下2分割建造により、耐圧空洞体(図1)内部のメンテナンス・発電機交換等も容易である。
【0046】
浮子型浮力体図3-1から深層水域に自沈設置の耐圧空洞体図2まで、揚水連通管22、気圧調節管14と懸垂ケーブル28で連結される。揚水連通管22は軽く強靭で柔軟性を有する素材とし、水中では管内に外部水を充満する事で耐圧性を保持し、耐圧空洞体2の上下運動や他地点移動の場合には、浮子型浮力体図3-1内の巻き上げ機41で回収する。気圧調節管は気圧保持の為のパイプとし、ケーブルは、浮力体図3-1と耐圧空洞体図2の連結と安全保持と揚水連通管22と気圧調節管14を簡易に結束して重量を複数の着脱式浮力ケース29で大幅に中和する事で、軽量化し経費の軽減を行う
【符号の説明】
【0047】
W 水面、
Wh 上層高温水域
WI 海洋気象、海況の影響を受けぬ上層水域
DW 深海深層低温水域
Sf 水底、海底
1 耐圧外殻
2 取水口 2a-2d
3 取水貫通孔 3a-3d
4 取水貫通孔一体自動電磁弁 4a-4d
5 内部耐圧配管 5a-5d
6 揚水管
7 揚水管貫通孔一体自動電磁弁
8 小規模水流発電機 8a-8d
9 小規模水流発電設備 9a-9d
10 中規模水圧発電機 10a-10d
11 中規模水圧発電設備 11a-11d
12 直噴射放出ノズル 12a-12c
13 噴射ノズル一体自動電磁弁 13a-13c
14 気圧調節管&送電ケーブル管
15 気圧調節貫通孔一体自動電磁弁
16 防水発電室
17 上部構造空間
18 下部構造空間
19 内部支柱一体上段フロアー
20 遮水中央フロアー
21 放出水ダクト 21a-21c
22 揚水連通管
23 下部支柱
24 生物、夾雑物防御ケース
25 係留ケーブル
26 係留ケーブル伸縮ケース
27 着脱式水底係留杭
28 懸垂ケーブル、チェーン
29 着脱式浮力ケース 29a-29b
30 揚水ポンプ
31 予備揚水ポンプ
32 揚水ポンプセンター
33 内部気圧調整真空ポンプ
34 浮体構造物位置保持用噴射パイプ 34a-34d
35 人工知能、GPS位置センター
36 海洋成分利用分離センター
37 水産センター
38 養殖センター
39 温度差発電施設
40 清掃.メンナンスロボット収納室
41 ケーブル巻き上げ装置
42 浮力体バラスト水タンク 42a-42b
43 上下分離帯
44 揚水分配室
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6