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特許7440231電子タグ付き段ボール箱の製造システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】電子タグ付き段ボール箱の製造システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/30 20060101AFI20240220BHJP
   B65C 9/28 20060101ALI20240220BHJP
   B65C 9/42 20060101ALI20240220BHJP
   B31B 50/26 20170101ALI20240220BHJP
   B31B 50/81 20170101ALI20240220BHJP
【FI】
B65C9/30
B65C9/28
B65C9/42
B31B50/26
B31B50/81
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019163374
(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021041941
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮人
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-218804(JP,A)
【文献】特開平09-142429(JP,A)
【文献】特表2018-538181(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035401(WO,A1)
【文献】特開2004-075075(JP,A)
【文献】特開2012-076334(JP,A)
【文献】特開2009-078462(JP,A)
【文献】特開2010-137915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/30
B65C 9/28
B65C 9/42
B31B 50/26
B31B 50/81
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートを形成する、段ボールシート形成部と、
前記段ボールシートからボックスブランクを形成する、ブランク形成部と、
前記ボックスブランクを平板状の段ボール箱に組み立てる、組立部と、
前記組立部で組み立てた平板状の段ボール箱を集積する、製品集積部と、
ワークの箱外面となる面に、粘着部を有する電子タグをその粘着部により貼付する、タグ貼付装置と、
を有し、
前記組立部は、前記ボックスブランクを折り畳むフォールディング部を有しており、
前記フォールディング部は、CD方向に間隔を空けた一対の挟持搬送装置で前記ボックスブランクの非折り畳み部分を厚み方向に挟んでMD方向に搬送しつつ、前記一対の挟持搬送装置よりもCD方向外側を通る前記ボックスブランクの折り畳み部分をCD方向の中央側に折り畳むものであり、
前記タグ貼付装置は、前記ボックスブランクにおける前記一対の挟持搬送装置の間を通る部分に、前記電子タグを貼付するものである、
ことを特徴とする、電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項2】
前記フォールディング部は、前記一対の挟持搬送装置をそれぞれ支持する一対のフレームを有し、これらフレームのCD方向の間隔が調節可能となっており、
前記タグ貼付装置は、前記一対のフレームのそれぞれに対して、CD方向に伸縮可能な伸縮フレームを介して支持されており、
調節装置により前記一対のフレームのCD方向の間隔を調節したとき、これに応じて前記伸縮フレームが伸縮し、前記タグ貼付装置の位置が維持されるようになっている、
請求項1記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項3】
前記ワークにおける前記電子タグの貼付面及び前記ワークにおける前記電子タグの貼付面と反対側の反対面の少なくとも一方に接して、前記電子タグの貼付位置における前記貼付面の反りを矯正する矯正ローラが設けられている、
請求項1又は2記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項4】
前記ワークにおける前記電子タグの貼付面及び前記ワークにおける前記電子タグの貼付面と反対側の反対面の少なくとも一方に風圧を加えて、前記電子タグの貼付位置における前記貼付面の反りを矯正する風圧矯正装置が設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項5】
ワークの箱外面となる面に印刷を施す印刷部を備え、
前記搬送されるワークが、前記ブランク形成部又は組立部におけるワークであり、
前記電子タグの貼付位置よりも上流側における、前記搬送されるワークの位置を検出するワークセンサを備え、
前記タグ貼付装置は、前記ワークセンサによる検出タイミングに応じて定まる貼付タイミングで前記電子タグの貼付を行う、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項6】
前記タグ貼付装置は、外周面に電子タグを吸着・解放可能な転写ロールと、この転写ロールの外周面に電子タグを順次供給するタグ供給装置とを含み、前記ワークが前記転写ロールの外周面の接線方向に搬送され、前記転写ロールの外周面に吸着された電子タグが前記ワークと接する位置で解放され、前記ワークに転写される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項7】
前記搬送されるワークのCD方向全体を厚み方向に挟む一対のロールを有し、
前記タグ貼付装置は、前記一対のロールで挟まれた状態の前記ワークに対し、前記電子タグを貼付するものである、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項8】
貼付位置の電子タグにおける粘着部を有する側と反対側の面に、ワークの搬送速度に応じた風圧を加える風圧押し付け装置を備えた、
請求項1~7のいずれか1項に記載の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【請求項9】
段ボールシートを形成する、段ボールシート形成工程と、
前記段ボールシートからボックスブランクを形成する、ブランク形成工程と、
前記ボックスブランクを平板状の段ボール箱に組み立てる、組立工程と、
前記組立工程で組み立てた平板状の段ボール箱を集積する、製品集積工程と、
ワークの箱外面となる面に、粘着部を有する電子タグをその粘着部により貼付する、タグ貼付工程とを有し、
前記組立工程は、前記ボックスブランクを折り畳むフォールディング工程を有しており、
前記フォールディング工程は、CD方向に間隔を空けた一対の挟持搬送装置で前記ボックスブランクの非折り畳み部分を厚み方向に挟んでMD方向に搬送しつつ、前記一対の挟持搬送装置よりもCD方向外側を通る前記ボックスブランクの折り畳み部分をCD方向の中央側に折り畳むものであり、
前記タグ貼付工程は、前記ボックスブランクにおける前記一対の挟持搬送装置の間を通る部分に、前記電子タグを貼付するものである、
ことを特徴とする、電子タグ付き段ボール箱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タグ付き段ボール箱の製造システム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子タグは、無線により非接触で読み書きが可能であるとともに、担持可能な情報量が多いため、バーコード等の光学的に読取可能なコードに代わるものとしての応用が期待されており、その応用の一つとして段ボール箱の製造時に電子タグを段ボール箱に内蔵させることが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ジョイント部の接着面間に電子タグを内蔵する技術が提案されており、特許文献2では、ライナと中芯の間に電子タグを内蔵する技術が提案されている。
【0004】
電子タグを内蔵する段ボール箱を用いれば、予め段ボール箱の製造者において、又は段ボール箱を購入し使用するユーザにおいて、電子タグに種々の情報を書き込み、流通過程や販売店舗で電子タグに書き込まれた情報を読み取ることにより、生産管理、流通管理、在庫管理及び品質管理等を行うことができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1、2記載の技術は、いずれも接着面間に電子タグを介在させるものであるため、接着面を圧着する際に電子タグに加わる力や熱により電子タグが破損するおそれがあった。
【0006】
また、特許文献1、2記載の技術は、段ボール箱に内蔵された電子タグは外部から視認できないため、電子タグの情報の読み書きを行う際に、電子タグに対して適切な位置にリーダライタを合わせにくいといった問題点や、電子タグが正常に内蔵されたか否か確認しにくいといった問題点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-145419号公報
【文献】特開2007-216683号公報
【文献】特許6484379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、電子タグの破損のおそれを低減すること等にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した電子タグ付き段ボール箱の製造システム及びその方法は以下のとおりである。
<第1の態様>
段ボールシートを形成する、段ボールシート形成部と、
前記段ボールシートからボックスブランクを形成する、ブランク形成部と、
前記ボックスブランクを平板状の段ボール箱に組み立てる、組立部と、
前記組立部で組み立てた平板状の段ボール箱を集積する、製品集積部と、
前記段ボールシート形成部と前記製品集積部との間で、ワークの箱外面となる面に、粘着部を有する電子タグをその粘着部により貼付する、タグ貼付装置と、
を有することを特徴とする、電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0010】
(作用効果)
本製造システムでは、段ボールシート形成部と製品集積部との間で、ワークの箱外面となる面に、粘着部を有する電子タグをその粘着部により貼付するため、特許文献1、2記載のもののように力や熱により電子タグが破損するおそれが少ないものとなる。また、本製造システムでは、広く利用されている粘着式の電子タグを用いるため、汎用性が高いという利点もある。さらに、段ボール箱の外面に貼付された電子タグは視認が容易であるため、電子タグの情報の読み書きを行う際に、電子タグに対して適切な位置にリーダライタを合わせやすくなるだけでなく、電子タグが正常に貼付されたか否かの確認も容易となる。
【0011】
<第2の態様>
前記組立部は、前記ボックスブランクを折り畳むフォールディング部を有しており、
前記フォールディング部は、CD方向に間隔を空けた一対の挟持搬送装置で前記ボックスブランクの非折り畳み部分を厚み方向に挟んでMD方向に搬送しつつ、前記一対の挟持搬送装置よりもCD方向外側を通る前記ボックスブランクの折り畳み部分をCD方向の中央側に折り畳むものであり、
前記タグ貼付装置は、前記ボックスブランクにおける前記一対の挟持搬送装置の間を通る部分に、前記電子タグを貼付するものである、
第1の態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0012】
(作用効果)
タグ貼付装置の設置位置は特に限定されるものではないが、本態様のように一対の挟持搬送装置によりボックスブランクを搬送しつつ折り畳みを行うフォールディング部を備える場合、ボックスブランクにおける一対の挟持搬送装置の間を通る部分に電子タグを貼付する構成とすると、タグ貼付装置の設置が容易であるだけでなく、ボックスブランクの搬送姿勢が安定しているため、電子タグの貼付も容易である。 なお、MD方向とは、製造システムにおけるワークの移送方向を意味する。
【0013】
<第3の態様>
前記フォールディング部は、前記一対の挟持搬送装置をそれぞれ支持する一対のフレームを有し、これらフレームのCD方向の間隔が調節可能となっており、
前記タグ貼付装置は、前記一対のフレームのそれぞれに対して、CD方向に伸縮可能な伸縮フレームを介して支持されており、
調節装置により前記一対のフレームのCD方向の間隔を調節したとき、これに応じて前記伸縮フレームが伸縮し、前記タグ貼付装置の位置が維持されるようになっている、
第2の態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0014】
(作用効果)
本態様のフォールディング部のように、段ボール箱のサイズ変更に応じて、一対の挟持搬送装置のCD方向の間隔を調節する場合、その調節に応じてタグ貼付装置の位置が維持されるようになっていると、段ボール箱のサイズ変更の際、タグ貼付装置の設置位置調整が不要又は簡易となるため好ましい。なお、CD方向とは、製造システムにおけるワークの移送方向と直交する横方向を意味する。
【0015】
<第4の態様>
前記ワークにおける前記電子タグの貼付面及びその反対面の少なくとも一方に接して、前記電子タグの貼付位置における前記貼付面の反りを矯正する矯正ローラが設けられている、
第1~3のいずれか1つの態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0016】
(作用効果)
周知のように、段ボールシートは、上下ライナの水分差・張力差等により反りが発生する。したがって、段ボール箱製造システムにおいて電子タグを段ボール箱の外面に電子タグを貼付する場合、この段ボールシートの反りが貼付ズレに影響し、ひいては電子タグの破損に影響するおそれがある。したがって、本態様のような反りを矯正する矯正ローラを設けるのは好ましい。これにより、電子タグの貼付ズレを抑制できるとともに、電子タグの破損のおそれも低減することができる。
【0017】
<第5の態様>
前記ワークにおける前記電子タグの貼付面及びその反対面の少なくとも一方に風圧を加えて、前記電子タグの貼付位置における前記貼付面の反りを矯正する風圧矯正装置が設けられている、
第1~4のいずれか1つの態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0018】
(作用効果)
第4の態様と同様の作用効果を奏する。すなわち、本態様の風圧矯正装置を用いることにより、電子タグの貼付ズレを抑制できるとともに、電子タグの破損のおそれも低減することができる。また、風圧矯正装置は非接触、つまり段ボールシートの表面への影響少なく、反りを矯正することができるため好ましい。
【0019】
<第6の態様>
ワークの箱外面となる面に印刷を施す印刷部を備え、
前記搬送されるワークが、前記ブランク形成部又は組立部におけるワークであり、
前記電子タグの貼付位置よりも上流側における、前記搬送されるワークの位置を検出するワークセンサを備え、
前記タグ貼付装置は、前記ワークセンサによる検出タイミングに応じて定まる貼付タイミングで前記電子タグの貼付を行う、
第1~5のいずれか1つの態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0020】
(作用効果)
電子タグの貼付は一定のタイミングで行うことも可能である。しかし、ブランク形成部又は組立部におけるワークの搬送タイミングには多少のズレがあるため、このようなワークに対して一定のタイミングで電子タグを貼付すると、MD方向の貼付位置にズレが発生する。このようなMD方向の位置ズレ自体は許容不可能なものではないが、例えば本態様のように、ワークの箱外面となる面に印刷を施す印刷部を備える場合、印刷位置との対比で電子タグの貼付ズレが目立つおそれや、印刷位置によっては印刷と電子タグが重なるおそれもある。そこで、本態様のように、ワークの位置を検出するワークセンサを設け、その検出タイミングに応じて定まる貼付タイミングで電子タグを貼付し、ワークにおける貼付位置のMD方向のズレを防止するのは好ましい。
【0021】
<第7の態様>
前記タグ貼付装置は、外周面に電子タグを吸着・解放可能な転写ロールと、この転写ロールの外周面に電子タグを順次供給するタグ供給装置とを含み、前記ワークが前記転写ロールの外周面の接線方向に搬送され、前記転写ロールの外周面に吸着された電子タグが前記ワークと接する位置で解放され、前記ワークに転写される、
第1~6のいずれか1つの態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0022】
(作用効果)
タグ貼付装置の貼付原理は特に限定されるものではないが、本態様のような転写ロールを用いると、安定して高速での貼付が可能になるため好ましい。また、この場合、転写ロールを、例えばダイカッタ、スロッタ、印刷ロール等とすることもでき、その場合、第8の態様と同様の作用効果が奏せられる。
【0023】
<第8の態様>
前記搬送されるワークのCD方向全体を厚み方向に挟む一対のロールを有し、
前記タグ貼付装置は、前記一対のロールで挟まれた状態の前記ワークに対し、前記電子タグを貼付するものである、
第1~7のいずれか1つの態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0024】
(作用効果)
例えばダイカッタ、スロッタ、印刷ロール等の、ワークのCD方向全体を厚み方向に挟む一対のロールでワークを挟んだ状態では、ワークの姿勢が安定化するだけでなく、反りの矯正も期待できるため、この状態で電子タグを貼付するのは好ましい。
【0025】
<第9の態様>
貼付位置の電子タグにおける粘着部を有する側と反対側の面に、ワークの搬送速度に応じた風圧を加える風圧押し付け装置を備えた、
第1~8のいずれか1つの態様の電子タグ付き段ボール箱の製造システム。
【0026】
(作用効果)
現在の一般的な段ボール箱製造システムにおけるワークの搬送速度は極めて高速であるため、ワークの搬送により巻き起こる風の影響で、電子タグが斜めに貼付されるおそれがある。また、このような斜め貼付が原因で電子タグの破損のおそれがあることは前述のとおりである。そこで、本態様のように風圧押し付け装置を設置し、ワークの搬送により巻き起こる風の影響を低減するのは好ましい。
【0027】
<第10の態様>
段ボールシートを形成する、段ボールシート形成工程と、
前記段ボールシートからボックスブランクを形成する、ブランク形成工程と、
前記ボックスブランクを平板状の段ボール箱に組み立てる、組立工程と、
前記組立工程で組み立てた平板状の段ボール箱を集積する、製品集積工程とを含み、
前記段ボールシート形成工程と前記製品集積工程との間で、ワークの箱外面となる面に、粘着部を有する電子タグをその粘着部により貼付する、
ことを特徴とする、電子タグ付き段ボール箱の製造方法。
【0028】
(作用効果)
第1の態様と同様である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、電子タグの破損のおそれを低減できるようになる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】段ボール箱の製造システムのブロック図である。
図2】電子タグの例を示す(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図である。
図3】タグ貼付装置を示す正面図である。
図4】タグ貼付装置を示す正面図である。
図5】タグ貼付装置及びワークセンサの設置例を示す正面図である。
図6】電子タグの貼付ズレの原理を示す平面図である。
図7】(a)(c)反り矯正ローラの設置例、及び(b)風圧矯正装置の設置例を示す正面図である。
図8】(a)(c)反り矯正ローラの設置例、及び(b)風圧矯正装置の設置例を示す平面図である。
図9】風圧押し付け装置の設置例を示す正面図である。
図10】タグ貼付装置を有するフォルダーグルアの斜視図である。
図11】フォールディング部の(a)平面図及び(b)正面図である。
図12】フォールディング部の側面図である。
図13】タグ貼付装置の他の設置例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(段ボール箱の製造システムの例)
図1は、段ボール箱の製造システムの一例を示している。この段ボール箱の製造システムは、段ボールシート形成部10と、箱形成部20とを有する。段ボールシート形成部10は、一箱分の段ボールシートを順次形成するパートである。図示例の段ボールシート形成部10は、一般的なコルゲータと同様に、シングルフェーサ11及びダブルフェーサ12によりMD方向に連続する帯状の両面段ボールシート12pを形成し、この両面段ボールシートをスリッタスコアラ13によりMD方向と平行に切断しかつ罫線を入れた後、カットオフマシン14によりMD方向に所定の間隔で切断して、一箱分の段ボールシート14pを順次形成し、シートスタッカ15により厚み方向に集積するものである。図示しないが、ミルロールスタンド、オートスプライサ、ライナーカット装置、ブリッジ、グルーマシン(ダブルフェーサの入口前で片面段ボールに接着剤を塗布する装置)、カットテープ装置等が必要に応じて設けられることはいうまでもない。
【0032】
一方、箱形成部20は、段ボールシート形成部10で形成された段ボールシート14pから平板状(折り畳んだ状態)の段ボール箱を組み立てるパートである。図示例の箱形成部20は、フレキソ印刷等の印刷機21により箱外面となる面に印刷を施し、罫線加工装置22及びスロッタ23により罫線・溝切り加工を行い、ダイカッタ24により手掛け穴やHカットを抜き加工してボックスブランク24pを形成し、続いて、フォルダーグルア25により、ボックスブランク24pを折り畳む(フォールディング部)とともに、ジョイントを接合して平板状段ボール箱25pを形成した後、この平板状段ボール箱25pを製品スタッカ26により厚み方向に集積し、さらに結束装置27により一定量集積した平板状段ボール箱25pを結束するものである。この場合、印刷機21が印刷部であり、印刷機21から罫線加工装置22及びスロッタ23までがボックスブランク24pを形成するブランク形成部20Bとなり、フォルダーグルア25がボックスブランク24pを平板状の段ボール箱に組み立てる組立部となる。
【0033】
印刷機21、罫線加工機及びスロッタ23はいわゆるプリンタースロッタのように一体的な加工機となっていてもよい。箱形成部20は、そのほぼ全体が、いわゆるフレキソフォルダーグルアのようにワーク50を連続的に搬送しながら各装置による加工を行う連続加工装置となっていてもよい。また、段ボール箱に印刷を行わない場合には印刷機21を省略してもよい。さらに、特殊形態の段ボール箱を製造するために、フォルダーグルア25に代えて、ワンタッチグルアを採用したり、ジョイントの接合をステッチャにより行ったりしてもよい。これらの説明からも分かるように、用語「フォルダーグルア」は、印刷機21等とは別の装置である場合、及びフレキソフォルダーグルアに含まれる部分である場合の両者を含む意味を有する。
【0034】
以上に説明した段ボール箱の製造システムは一例であり、本発明に影響を及ぼさない範囲で変更が可能である。
【0035】
(タグ貼付装置)
上述のような段ボール箱製造システムにおいて、段ボールシート形成部10と製品スタッカ26(製品集積部)との間で、タグ貼付装置40により、ワークの箱外面となる面に、粘着部31を有する電子タグ30をその粘着部31により貼付すると、力や熱により電子タグ30が破損するおそれが少ないものとなるため好ましい。また、段ボール箱の外面に貼付された電子タグ30は視認が容易であるため、電子タグ30の情報の読み書きを行う際に、電子タグ30に対して適切な位置にリーダライタを合わせやすくなるだけでなく、電子タグ30が正常に貼付されたか否かの確認も容易となる。
【0036】
電子タグ30は裏面の一部又は全部に粘着部31を有し、この粘着部31によりワーク50に貼付するものであれば、その形状、構造は特に限定されるものではなく、公知の電子タグ30を適宜使用することができる。例えば、電子タグ30の形状は、図2(a)~(c)示す例のように角をとった長方形のものが一般的であるが、これに限定されず、適宜の形状とすることができる。また、電子タグ30の代表的なものの一つは、例えば図2(c)に示すように、インレット30a,30iとしてICチップ30iとこれに接続されたアンテナ30aとを有するパッシブタイプの電子タグ30であるが、これに限定されるものでもない。
【0037】
電子タグ30の貼付位置(タグ貼付装置40の設置位置)は、段ボールシート形成部10と製品スタッカ26との間で、かつワークが箱外面となる面に沿う方向に搬送される場所であれば特に限定されるものではない。例えば、
(a)印刷機21又はスロッタ23の入口近傍、内部、若しくは出口近傍、
(b)フォルダーグルア25における接着剤塗布前、接着剤塗布後かつ折り畳み前、折り畳み過程、若しくはジョイント接合後、又は
(c)製品スタッカ26の入口近傍、
等で電子タグ30の貼付を行うことができる。
【0038】
タグ貼付装置40は、例えば特許文献3記載のように、パラレルリンクロボット、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直交ロボット等、公知の産業用ロボットとすることもできる。しかし、段ボール箱の製造システムでは、ワークが箱外面となる面に沿う方向(例えば段ボールシートやボックスブランク24pはMD方向に寝かせて搬送される)に搬送される場所が多く、このように姿勢が安定して搬送されるワークに対して電子タグ30を貼付すると、装置の簡素化、製造速度の高速化、貼付の安定化等を図ることができるため好ましい。例えばこの場合、図3に示すようにラベラーを応用したタグ貼付装置40を好適に用いることができる。
【0039】
図3に示されるタグ貼付装置40は、箱外面となる面に沿う方向に搬送されるワーク50に対し電子タグ30を貼付するのに適したものの一例であり、タグロール41を取り付けて使用するものである。タグロール41は、連続帯状のタグシート42がロール状に巻き取られたものであり、タグシート42は連続帯状の剥離シート43の連続方向に所定の間隔で繰り返し貼り付けられた電子タグ30を有するものである。タグロール23Rは、図示しない回転軸に回転可能に支持されており、タグロール23Rを随時交換することにより、電子タグ30を補給したり、電子タグ30の種類を変えたりすることができる。
【0040】
本タグ貼付装置40では、タグロール41から繰り出されたタグシート42が、ワーク50に貼付するタイミングで断続的に移送されて、折り返しガイド44(図示例のような板状のもののほか、回転する軸や回転しない軸でもよい)に送り込まれる。折り返しガイド44の先端では、剥離シート43が、電子タグ30を有する側と反対側に折り返されるように案内される。そして、この折り返しの際に、剛性のある電子タグ30の粘着部31が剥離シート43から自然に剥離しつつ、折り返しガイド44の先端からその下を通るワーク50の表面に向かって突出し、その突端から順にワーク50の表面に粘着される。特に高速で移動するワーク50に電子タグを貼付する場合、図示例のように、ワーク50に貼付した電子タグ30をワーク50に押し付ける貼付ローラ45を有していると好ましいが、この貼付ローラ45に代えて、エア吹付装置を有していてもよい。電子タグ30が剥離された後に残る剥離シート43は、巻取軸46に巻き取られる。巻取軸46は、図示しないステッピングモータで回転駆動されるようになっており、ワーク50に貼付するタイミングで、一枚ずつ電子タグ30が剥離シート43から剥離されてワーク50に貼付されるように、断続的に巻取りがなされる。
【0041】
他のタグ貼付装置400としては、図4に示すように、外周面に電子タグ30を吸着・解放可能な転写ロール401と、この転写ロール401の外周面に電子タグ30を順次供給するタグ供給装置402とを含み、ワーク50が転写ロール401の外周面の接線方向に搬送され、転写ロール401の外周面に吸着された電子タグ30がワーク50と接する位置で解放され、ワーク50に転写されるものも提案される。図示例では、転写ロール401の外周壁のほぼ全体にわたり厚み方向に貫通する通気孔が間隔を空けて配列されている。また、転写ロール401の内空は、電子タグ30の受取位置からワーク50に対する貼付位置までの回転方向の範囲に設けられた真空吸引室403と、ワーク50に対する貼付位置から電子タグ30の受取位置までの回転方向範囲に設けられた非吸引室404とを有している。これにより、電子タグ30の受取位置では、タグ供給装置402から供給される電子タグ30が転写ロール401内部の吸引により転写ロール401の外周面に吸着され、転写ロール401の回転によりワーク50に対する貼付位置に至った電子タグ30は、吸着から解放されて転写ロール401の外周面からワーク50に貼付される。このような転写ロール401を用いると、安定して高速での貼付が可能になるため好ましい。また、この場合、転写ロール401を、例えばダイカッタ24、スロッタ23、印刷ロール等とすることもできる。転写ロール401が印刷ロールであると、印刷位置に対する電子タグ30の貼付ズレが生じないものとなる。タグ供給装置402は特に限定されるものではない、図4に示されるタグ供給装置402は、電子タグ30を裏向き(つまり粘着部31を有しない面が転写ロール401側)で転写ロール401表面に供給する以外は、図3に示されるタグ貼付装置40と同様であるため、同じ符号を付して説明は省略する。なお、本例では回転式の転写ロール401に吸着させる構成を例示したが、これに限られず、平盤型ダイカッタや平板型の印刷用の原板の一部に電子タグ30を吸着させワーク50に転写する構成としてもよい。
【0042】
ワーク50に電子タグ30を貼付するタイミングは適宜定めることができる。しかし、ブランク形成部20B又は組立部(図示例ではフォルダーグルア25)におけるワーク50の搬送タイミングには多少のズレがあるため、このようなワーク50に対して一定のタイミングで電子タグ30を貼付する場合、MD方向の貼付位置にズレが発生する。このようなMD方向の位置ズレ自体は許容不可能なものではないが、例えば前述のように、ワーク50の箱外面となる面に印刷を施す印刷機21を備える場合、印刷位置との対比で電子タグ30の貼付ズレが目立つおそれや、印刷位置によっては印刷と電子タグ30が重なるおそれもある。よって、図5に示すように、タグ貼付装置40による貼付位置よりも上流側における、搬送されるワーク50の位置(例えば搬送方向の下流側の端の位置)を検出する図示しないワークセンサ47を設け、その検出タイミングに応じて定まる貼付タイミングでタグ貼付装置により電子タグ30を貼付し、ワーク50における貼付位置のMD方向のズレを防止するのは好ましい。ワークセンサ47としては、透過型センサや反射型センサ等の公知の非接触型センサの他、公知の接触型センサを用いることもできる。ワークセンサ47の検出位置(設置位置)は適宜定めることができるが、例えば、フォルダーグルア25のフォールディング部で電子タグ30を貼付する場合は、ボックスブランク24pの搬送開始位置と、電子タグ30貼付位置との間とすることができる。
【0043】
前述のように、段ボールシートは、上下ライナの水分差・張力差等により反り(上反り、下反り、S字 反り、ツイスト(捩じれ)反り等、JCS(段ボール業界規格)T00032000段ボール反り測定方法を参照。)が発生する。したがって、段ボール箱の製造システムにおいて電子タグ30を段ボール箱の外面に電子タグ30を貼付する場合、この段ボールシートの反りが以下に述べるように貼付ズレに影響し、ひいては電子タグ30の破損に影響するおそれがある。すなわち、いま図6の右図に示すように、貼付面に反り(図示例はCD方向両端が中央より図面手前側に上がっている上反り)のあるワーク50がMD方向に移動中であり、この貼付面に電子タグ30の粘着部31を接触させる場合を考えると、電子タグ30の粘着部31のうち貼付面に最も近い部分31cが先に粘着し、残りの部分が遅れて粘着することになる。ここで、粘着タイミングがCD方向において異なっていると、電子タグ30のうち最先に粘着した部分31cが矢印で示すようにワーク50とともに先に移動し始め、残りの部分はこれに遅れることとなり、その結果として、左図に示すように電子タグ30が斜めに貼付されることがある。また、電子タグ30はICチップ30iとこれに導通接続されたアンテナ30aとを有しており、このICチップ30iとアンテナ30aとの接続部分に想定外の力が加わると接続部分が剥離し、導通不良が発生するおそれがある。つまり、前述のように、電子タグ30の粘着部31のうち貼付面に最も近い部分が先に粘着し、残りの部分が遅れて粘着する状況下では、ICチップ30iとアンテナ30aとの接続部分に粘着開始から完了までの間に電子タグ30がねじれるような力が作用し、しかもその力はICチップ30iとアンテナ30aとの接続部分に集中しやすいため、ICチップ30iとアンテナ30aとの接続部分の剥離を招くおそれがある。
【0044】
そこで、図7(a)(c)に示すように、ワーク50における電子タグ30の貼付面及びその反対面に接して、電子タグ30の貼付位置50pにおける貼付面の反りを矯正する矯正ローラ48が設けられていると好ましい。図7(b)に示すように、ワーク50における電子タグ30の貼付面及びその反対面に風圧を加えて(エアを吹き付けて)、電子タグ30の貼付位置50pにおける貼付面の反りを矯正する風圧矯正装置49が設けられていてもよい。これらのような反り矯正手段を設けることにより、電子タグ30の貼付ズレを抑制できるとともに、電子タグ30の破損のおそれも低減することができる。特に、風圧矯正装置49としては、ブロワ(送風ファン)や、圧縮空気の噴射装置を用いることができ、非接触、つまり段ボールシートの表面への影響少なく、反りを矯正することができる点では好ましい。また、風圧矯正装置49を用いる場合、電子タグ30の貼付位置50p及びその近傍における反りを測定する反り測定センサ60(例えばワーク50の貼付面に対する距離を測定する距離センサをCD方向に適宜の間隔で複数配置)を設け、この測定結果に応じて、反りを低減するように風圧を制御するのも好ましく、特に電子タグ30の貼付面及びその反対面に加わる風圧を個別に制御するとより正確な反り矯正が可能となる。
【0045】
反り矯正手段48,49は、ワーク50における電子タグ30の貼付面の反りを矯正できる限り、MD方向において電子タグ30の貼付位置の上流側近傍(図7(a))、下流側近傍(図7(b))、又はその両方(図7(c))に設けてもよい。また、矯正ローラ48の接触位置及び風圧矯正装置49の吹き付け位置は、CD方向において、電子タグ30の貼付位置が通過する部分のみ(図8(b))、又はこれを含む広い範囲(例えば図8(a)に示すようにワーク50のCD方向全体)であってもよいし、電子タグ30の貼付位置が通過しない部分のみ(例えば、図8(c)に示すようにワーク50の電子タグ30貼付位置の近傍のみ)であってもよい。さらに、矯正ローラ48の接触面及び風圧矯正装置49の吹き付け面は、ワーク50における電子タグ30の貼付面及びその反対面のいずれか一方だけでもよい。
【0046】
図示しないが、タグ貼付装置40の姿勢を少なくともCD方向(好ましくは全方向)に変化しうるように、タグ貼付装置40を姿勢制御装置を介して支持するとともに、電子タグ30の貼付位置及びその近傍における反りを測定する反り測定センサ60を設け、この測定結果に応じて、電子タグ30の粘着部31の接着開始位置と、ワーク50における電子タグ30の貼付面とが平行になるように、タグ貼付装置40の姿勢制御を行ってもよい。このような姿勢制御は、反り矯正手段48,49に代えて、又はこれとともに用いることができる。
【0047】
ワーク50の反り以外にも、電子タグ30の貼付ズレの原因が考えられる。すなわち、現在の一般的な段ボール箱製造システムにおけるワーク50の搬送速度は極めて高速であるため、ワーク50の搬送により巻き起こる風の影響で、電子タグ30が斜めに貼付されるおそれがある。また、このような斜め貼付が原因で電子タグ30の破損のおそれがあることは前述のとおりである。そこで、図9に示すように、貼付位置の電子タグ30における粘着部31を有する側と反対側の面に、ワーク50の搬送速度に応じた風圧を加える風圧押し付け装置70を設置し、ワーク50の搬送により巻き起こる風の影響を低減するのは好ましい。この際、ワーク50の搬送速度、又はワーク50とその搬送速度に応じて発生する巻き起こる風の影響をキャンセルするための風圧のデータを記憶するデータベースを本体に設け、システムの稼働状況に応じて自動的にこのデータベースの値を用いて風圧押し付け装置70の風圧を制御するようにすると都合がよい。なお、適宜この風圧制御の結果物をサンプリングし、ずれが生じていた場合はデータベースの値を補正してもよい。この風圧押し付け装置70は、反り矯正手段48,49に代えて、又はこれとともに用いることができる。
【0048】
(フォールディング部へのタグ貼付装置の設置例)
図10及び図11は、フォルダーグルア25のフォールディング部82に対するタグ貼付装置40の設置例を示している。本例のフォルダーグルア25は、ボックスブランク24pをフォールディング部82に供給するブランク供給部81と、フォールディング部82と、ジョイント部を圧着接合するジョイント接合部83とを有する一般的な構成を有するものである。ブランク供給部81は、ボックスブランク24pをフォールディング部82に送り込む過程で、CD方向の一方の端部に位置するジョイント部に、図示しない糊付け装置により糊付けを行うものとなっている。
【0049】
本例のフォールディング部82は、CD方向に間隔を空けた一対の挟持搬送装置90でボックスブランク24pの非折り畳み部分nfを厚み方向に挟んでMD方向に搬送しつつ、一対の挟持搬送装置90よりもCD方向外側を通るボックスブランク24pの折り畳み部分fpをCD方向の中央側に折り畳むものである。挟持搬送装置90は上無端ベルト91と、その下面に接する下無端ベルト92,93との間にボックスブランク24pを挟むものとなっている。フォールディング部82で折り畳まれるボックスブランク24pの罫線は、挟持搬送装置90のCD方向の外側近傍に位置しており、ボックスブランク24pのうち罫線よりもCD方向の外側の折り畳み部分fpが、ガイド装置により下側かつCD方向の中央側に折り畳まれる。
【0050】
ガイド装置の構成は、特に限定されるものではない。本例では、上無端ベルト91はフォールディング部82のMD方向全体にわたり延びているのに対し、下無端ベルト92,93はMD方向の上流側に位置する第1下無端ベルト92と、下流側に位置する第2下無端ベルト93とを有している。そして、第1下無端ベルト92の移送範囲には、挟持搬送装置90のCD方向の外側からMD方向の下流側に向かうにつれて次第に挟持搬送装置90の下側に入り込むように曲線状に延びるガイドバー94が設けられており、ボックスブランク24pの折り畳み部分は初めにこのガイドバー94に接して90度程度折り曲げられる。また、第2下無端ベルト93の移送範囲では、第2下無端ベルト93の搬送面が、ボックスブランク24pの折り畳み部分のCD方向の外側からMD方向の下流側に向かうにつれて次第に上無端ベルト91の下側に入り込むように案内されており、90度程度まで折り曲げられたボックスブランク24pの折り畳み部分は次いでこの第2下無端ベルト93に接して最終的な状態まで折り曲げられる。つまり、この例のガイド装置は、ガイドバー94及び第2下無端ベルト93により構成されている。ガイド装置全体を下無端ベルト92,93により構成したものや、折り畳み方向を上下逆にしたりしたもの等が知られているが、これらの公知の変更を採用することもできる。
【0051】
このようなフォールディング部82にタグ貼付装置40を設置する場合、そのCD方向における貼付位置は特に限定されるものではないが、図示例のようにボックスブランク24pにおける一対の挟持搬送装置90の間を通る非折り畳み部分nfに電子タグ30を貼付する構成とすると、タグ貼付装置40の設置が容易であるだけでなく、ボックスブランク24pの搬送姿勢が安定しているため、電子タグ30の貼付も容易である。 また、前述のように、ワーク50の反りの影響を低減するために、反りがより少ない部位、例えば挟持搬送装置90の近傍や、一対の挟持搬送装置90のCD方向の中央部を、タグ貼付装置40の貼付位置とするのも好ましい。
【0052】
また、フォールディング部82におけるMD方向の貼付位置は適宜定めることができるが、反りがより少ない部位、例えばボックスブランク24pの折り畳みが開始される前、又は水平方向に対する折り畳み角度が45度未満の位置(図示例)で、電子タグ30を貼付すると好ましい。
【0053】
フォールディング部82は、段ボール箱のサイズ変更に応じて、一対の挟持搬送装置90のCD方向の間隔を調節するために、一対の挟持搬送装置90をそれぞれ支持する一対のフレーム95のCD方向の間隔が調節可能となっているものがある。このようなフォールディング部82においては、図12に示すように、タグ貼付装置40が、一対のフレーム95のそれぞれに対して、CD方向に伸縮可能な伸縮フレーム96を介して支持されており、調節装置により一対のフレーム95のCD方向の間隔を調節したとき、これに応じて伸縮フレーム96が伸縮し、タグ貼付装置40の位置が維持されるようになっていると、段ボール箱のサイズ変更の際、タグ貼付装置40の設置位置調整が不要又は簡易となるため好ましい。
【0054】
また、フォールディング部82は振動が大きい装置であるため、タグ貼付装置40はゴムやバネ等の振動吸収弾性体や、油圧又はエア等の振動吸収装置を介してフォールディング部82に対して取り付けられていると好ましい。
【0055】
(タグ貼付装置の他の設置例)
フォールディング部82以外にタグ貼付装置40を設置する場合、図13に示すように、搬送されるワーク50のCD方向全体を厚み方向に挟む一対のロール100を有する装置において、その一対のロール100で挟まれた状態のワーク50に対し電子タグ30を貼付するように、タグ貼付装置40を設置するのは好ましい。すなわち、ダイカッタ24、スロッタ23、印刷ロール等の、ワーク50のCD方向全体を厚み方向に挟む一対のロール100でワーク50を挟んだ状態では、ワーク50の姿勢が安定化するだけでなく、反りの矯正も期待できるため、この状態で電子タグ30を貼付すると、より高速で、より安定した電子タグ30の貼付が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、粘着部を有する電子タグが貼付された、電子タグ付き段ボール箱の製造システムに利用できるものである。
【符号の説明】
【0057】
10…段ボールシート形成部、10a,10i…インレット、11…シングルフェーサ、12…ダブルフェーサ、12p…両面段ボールシート、13…スリッタスコアラ、14…カットオフマシン、14p…一箱分の段ボールシート、15…シートスタッカ、20…箱形成部、21…印刷機、22…罫線加工装置、23…スロッタ、24…ダイカッタ、24p…ボックスブランク、25…フォルダーグルア、25p…平板状段ボール箱、26…製品スタッカ、27…結束装置、30…電子タグ、30a…アンテナ、30i…ICチップ、31…粘着部、40…タグ貼付装置、401…転写ロール、402…タグ供給装置、44…折り返しガイド、45…貼付ローラ、46…巻取軸、47…ワークセンサ、48…矯正ローラ、49…風圧矯正装置、50…ワーク、60…反り測定センサ、70…風圧押し付け装置、82…フォールディング部、81…ブランク供給部、83…ジョイント接合部、90…挟持搬送装置、91…上無端ベルト、92,93…下無端ベルト、92…第1下無端ベルト、93…第2下無端ベルト、94…ガイドバー、95…フレーム、96…伸縮フレーム。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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図13