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特許7440232排気ハウジングのためのバルブ、及び大型船舶の排気ハウジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】排気ハウジングのためのバルブ、及び大型船舶の排気ハウジング
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20240220BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20240220BHJP
   F02D 11/10 20060101ALI20240220BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20240220BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
F01N3/20 M
F01N13/08 B
F02D11/10 A
F01N3/28 311U
F01N3/24 N
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019164483
(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公開番号】P2020056401
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】18197410.6
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515191442
【氏名又は名称】ヴィンタートゥール ガス アンド ディーゼル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ゾーンニクセン
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-183556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0058299(US,A1)
【文献】特開2012-122340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/20
F01N 13/08
F02D 11/10
F01N 3/28
F01N 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の側部要素(4)及び第2の側部要素(5)を有するフレーム(3)と、前記フレーム(3)の内側に配置され、フラップ回転軸(7)を有する少なくとも1つのフラップ(6)と、前記少なくとも1つのフラップを前記フラップ回転軸(7)の周りに少なくとも部分的に回すための起動要素(8)と、を備える、船舶、特に大型船の排気ハウジング(2)のためのバルブ(1)であって、前記起動要素(8)が、前記フレーム(3)の外側に、且つ、前記第1の側部要素(4)から距離Dの場所に配置され、それによって前記排気ハウジングの構造要素が、起動要素(8)と側部要素(4)との間に配置可能であり、
前記距離Dは、30mmから300mmの間の範囲、特に50mmから100mmの間の範囲、好ましくは実質的に70mmであり、
前記フラップ回転軸(7)は、2つの部分を備え、前記2つの部分は、前記排気ハウジングの構造要素における開口部を介して、互いに接続可能であり、第1の部分(7a)は、基本的に前記フレームの内側に配置され、第2の部分(7b)は、基本的に前記フレーム(3)の外側に配置されることを特徴とする、バルブ(1)。
【請求項2】
前記フラップ回転軸(7)は、基本的に前記フラップの中間に配置され、前記フラップの長手方向軸に沿って延びることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項3】
少なくとも2つ、好ましくは3つ、より好ましくは4つ、特に6つのフラップ(6)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバルブ(1)。
【請求項4】
前記フラップ回転軸(7)は、長さLを有し、前記長さLは、前記フラップの長さLf1の少なくとも105%、好ましくは少なくとも110%、より好ましくは少なくとも120%に相当することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項5】
前記第2の部分(7b)は、前記起動要素(8)に接続されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項6】
前記第1の部分(7a)と前記第2の部分(7b)との間の接続は、六角キー接続であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項7】
前記第1の部分(7a)の長さは、前記第2の部分(7b)の長さよりも長いことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項8】
前記フラップ回転軸(7)は、前記側部要素(4、5)の軸受、好ましくはセラミック製滑り軸受、及び/又はグラファイト製滑り軸受に配置されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項9】
前記フラップ回転軸(7)は、前記側部要素(4、5)間の前記フレーム(3)の内側における少なくとも1つの軸受、好ましくはセラミック製滑り軸受、及び/又はグラファイト製滑り軸受に配置されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載のバルブ(1)。
【請求項10】
壁セクション(9)と、請求項1からまでのいずれか一項に記載の少なくとも1つのバルブ(1)とを備えた、大型船舶、特に大型船の排気ハウジング(2)であって、少なくとも1つのフラップ回転軸(7)は、前記壁セクション(9)の開口部を貫通して延びることを特徴とする、排気ハウジング(2)。
【請求項11】
前記壁セクション(9)は、前記排気ハウジングの構造プレートであることを特徴とする、請求項10に記載の排気ハウジング(2)。
【請求項12】
前記起動要素(8)は、前記排気ハウジング(2)の外側に配置されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の排気ハウジング(2)。
【請求項13】
前記バルブ(1)は、エンジンの高圧領域、特にSCRの上流に配置されることを特徴とする、請求項10から12までのいずれか一項に記載の排気ハウジング(2)。
【請求項14】
前記起動要素(8)は、電気モータであることを特徴とする、請求項10から13までのいずれか一項に記載の排気ハウジング(2)。
【請求項15】
請求項1からまでのいずれか一項に記載のバルブ(1)を、排気ハウジング(2)に設置するための方法であって、
- 上述のバルブ(1)を、排気ハウジング(2)に位置付けるステップと、
- 前記排気ハウジングの構造要素における開口部を介して、前記フラップ回転軸(7)の前記第2の部分(7b)が前記第1の部分(7a)と接続可能となるように、前記バルブ(1)の少なくとも1つのフラップ回転軸(7)の前記第1の部分(7a)を位置付けるステップと、
- 前記フラップ回転軸(7)の前記第1の部分(7a)を、前記フラップ回転軸(7)の前記第2の部分(7b)に接続するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部に記載の、排気ハウジングのためのバルブ及び大型船舶の排気ハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
大型船舶、特に物品を輸送するための船は、一般的に内燃エンジン、特にディーゼル・エンジン又はガス・エンジン、主に2ストロークのクロス・ヘッド・エンジンによって動力が供給される。ディーゼルがエンジンによって燃焼される場合、この燃焼プロセスからの排気は、国際海事機関(IMO)のTier3などの現行ルールに適合するように浄化する必要がある。
【0003】
適用可能なルール、使用燃料、エンジンの動力レベル、及びさらなる要因に応じて、排気は、異なるシステムを用いて処理する必要がある。したがって、排気は、船舶エンジンの排気システム内で異なる方向に転換可能である必要がある。
【0004】
排気を所望の方向に導くために、排気マニフォルドにバルブを用いることが知られている。通常、それらのバルブは完成部品として購入され、それぞれの排気パイプの必要な位置に挿入される。それらのバルブは、通過する排気体積の低減をもたらす、断面の狭窄部を有する。標準的なバルブの設置はスペースを取り、多くの設置時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の一目的は、従来技術の欠点を防止し、迅速且つ容易な設置を保証しながら、耐久性があって省スペースである、排気ハウジングのためのバルブ及び大型船舶の排気ハウジングを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、船舶、特に少なくとも第1及び第2の側部要素を有するフレームを備える、大型船の排気ハウジングのためのバルブによって実現される。このバルブは、フレームの内側に配置された、フラップ回転軸を有する少なくとも1つのフラップを備える。このバルブは、少なくとも1つのフラップをフラップ回転軸の周りに少なくとも部分的に回すための、起動要素を備える。排気ハウジングの構造要素が、起動要素と側部要素との間に配置可能となるように、この起動要素は、第1の側部要素から距離Dの位置でフレームの外側に配置される。
【0007】
起動要素を排気ハウジングの外側に配置することによって、起動要素はいかなる排気とも接触せず、そのためバルブは耐久性がある。さらにバルブの断面は、起動要素が排気ハウジングの内側で全くスペースを取らないため、最大化される。さらに、フラップ回転軸はフレームに容易に固定され、構造要素はさらにフラップ回転軸に容易に連結され、それによって、完成形のバルブがしっかりと位置付けられ、排気ハウジングの内側で容易に起動可能となる。距離Dは、側部要素の外縁部と、起動要素又は結合部との間の距離として定義される。
【0008】
本発明による排気ハウジングは、排気が集積されるか又は排気が流れる、任意のハウジングとすることができる。排気ハウジングは、排気マニフォルドのみ、又は排気パイプのみとすることができる。排気ハウジングはさらに、排気マニフォルド及び排気パイプの複合ハウジング、並びに例えば選択触媒還元反応器などの排気浄化デバイスとすることができる。
【0009】
距離Dは、30mm~300mm、特に50mm~100mm、好ましくは実質的に70mmとすることができる。
【0010】
この距離において、排気経路の構造要素は、起動要素と側部要素との間に配置できる。
【0011】
フラップ回転軸は、基本的にフラップの中央に配置され、フラップの、より長い長手方向軸に延びることができる。
【0012】
このように、トルクは低減され、フラップは容易に回すことができる。
【0013】
バルブは、少なくとも2つ、好ましくは3つ、より好ましくは4つ、特に6つのフラップを備えることができる。6つよりも多いフラップを有することも、さらに考えられる。
【0014】
これは、開口断面及びフラップ回転軸のトルクの、最適な配分をもたらす。
【0015】
フラップ回転軸は長さLRを有することができ、長さLRは、フラップの長さFLの少なくとも105%、好ましくは少なくとも110%、より好ましくは少なくとも120%に相当する。
【0016】
これによって、排気ハウジングの構造要素と、起動要素との接続が可能となり、バルブの内側において排気のための断面を失うことなく、フラップを回す。
【0017】
フラップ回転軸は2つの部分を備えることができ、この2つの部分は、好ましくは互いに接続可能である。第1の部分は、基本的にフレームの内側に配置される。第2の部分は基本的にフレームの外側に配置され、好ましくは起動要素に接続される。
【0018】
この設計は、バルブの容易な設置を可能にする。なぜなら、バルブの第1の部分を、フラップ回転軸の第1の部分を備える排気ハウジングの内側に位置付けることができ、フラップ回転軸の第1の部分がすでに排気ハウジングに設置されているとき、その後、フラップ回転軸の第2の部分を、フラップ回転軸の第1の部分に接続することができるからである。これは、設置コストを大幅に軽減させる。
【0019】
フラップ回転軸の、第1の部分と第2の部分との間の接続は、六角キー接続とすることができる。
【0020】
六角キー接続を使用することによって、フラップ回転軸の回転運動は、フラップ回転軸の第2の部分から第1の部分へ確実に伝達され、さらに完成形のフラップ回転軸の設置が非常に容易となる。さらに六角キー接続が角度変位を許容するので、例えば熱膨脹による、第1の部分に対する第2の部分のいかなる角度変位も、容易に補うことができる。
【0021】
当然ながら、四角キー、八角キー、三角キーなど、六角キー接続と同様の類似の接続を使用して、フラップ回転軸の第1の部分と第2の部分とを接続することができる。
【0022】
フラップ回転軸の第1の部分の長さは、フラップ回転軸の第2の部分の長さよりも長くすることができる。
【0023】
これは、容易な設置、及び同時に安定したフラップ回転軸を可能にする。
【0024】
フラップ回転軸を、側部要素の軸受、好ましくはセラミック製滑り軸受及び/又はグラファイト製滑り軸受に、配置することができる。
【0025】
側部要素の軸受は、フラップ回転軸を回す運動の確実な誘導をもたらす。
【0026】
セラミック製又はグラファイト製軸受は、排気ハウジングの厳しい排気環境、特に500℃を上回る温度でさえ、高い耐久性を有する。
【0027】
フラップ回転軸を、側部要素間のフレームの内側における少なくとも1つの追加の軸受、好ましくはセラミック製滑り軸受及び/又はグラファイト製滑り軸受に、配置することができる。
【0028】
この目的のため、フレームは中間要素を追加的に備える。この中間要素は、少なくとも1つの軸受を備えた側部要素と実質的に平行に配置される。フラップ回転軸のさらなる安定が必要である場合、当然ながら、2つ以上の中間要素をフレームの内側に配置することができる。
【0029】
フレームは、好ましくは頂部要素及び底部要素を備え、バルブの安定性を促進する。
【0030】
目的は、大型船舶、特にバルブ・セクション及び少なくとも1つの上述のバルブを備える大型船の、排気ハウジングによって追加的に実現される。バルブ・セクションは、少なくとも1つの構造要素を備える。少なくとも1つのフラップ回転軸は、バルブ・セクション、好ましくは構造要素の開口部を貫通して延びる。
【0031】
排気ハウジングのためのバルブ・セクションは、バルブを位置付けることができるセクションである。バルブ・セクションは構造要素を備え、構造要素において回転軸を配置することができ、構造要素は、フラップ回転軸を安定して回すことができるよう十分な安定性を備える。したがって構造要素は、25mm径の回転軸が構造要素に確実に位置付けられるよう、少なくとも50mmの幅を有する。
【0032】
バルブ・セクションは、排気ハウジングの構造プレートとすることができる。
【0033】
このように、構造プレートは、フラップ回転軸の接続点として同時に使用することができる。
【0034】
起動要素を、排気ハウジングの外側に配置することができる。
【0035】
このように、起動要素は排気と接触しないので、より耐久性がある。
【0036】
バルブを、エンジンの高圧領域、特にSCR反応器の上流に、配置することができる。
【0037】
排気ハウジングのこの高い要求環境において、バルブはその機能を最適に実行することができ、さらに非常に耐久性がある。
【0038】
起動要素は、電気モータとすることができる。
【0039】
電気モータは容易に制御され、容易に交換される。さらに電気モータは比較的安価であり、標準的な部品として購入することができる。
【0040】
構造要素は4つの開口部を備えることができ、各開口部は、1つのフラップ回転軸を収容する。
【0041】
これは、排気ハウジングに4つのフラップを有するバルブを配置する可能性をもたらす。
【0042】
排気ハウジングは、3つ以上のバルブ、特に7つのバルブを備えることができる。
【0043】
これは、排気を1つ又は2つの排気処理デバイスへ導くこと、又は排気ハウジングの出口に排気を直接導くことの可能性をもたらす。出口を出た排気は、好ましくはターボチャージャへ導かれる。
【0044】
排気ハウジングは受動型バルブを備えてもよい。受動型バルブは、1つの流れ方向のみが可能で、逆圧によって閉じ及び/又は開く。例えば、バルブは、フラップにかかる引力によって、及び/又はばねの復元力によって閉じ、排気ガスの圧力によって開く。
【0045】
排気ハウジングは、バルブの開き具合を計測するための、計測デバイスを備えてもよい。
【0046】
例えば計測デバイスは、可動バルブ本体と固定して配置されたバルブ座部との間の距離を検出してよい。好ましくは、計測デバイスは、少なくとも1つのバルブ・フラップの角度位置、例えば排気ガス・ダンパの角度位置を計測するための、センサを備える。
【0047】
バルブが開くにつれて、より多くのガスがバルブを通って流れ得る。したがって、バルブの開き具合を、バルブを通って流れるガスの体積の基準として使用してもよい。
【0048】
バルブが受動型、又は少なくとも部分的に受動型バルブである場合、開き具合を、ガスの流れによってバルブにかかる圧力、したがってガスの流速の基準として使用してもよい。
【0049】
システムの有利な実施例において、排気ハウジングは、バルブの開き具合、好ましくは少なくとも1つのバルブ・フラップの角度位置に基づいて、排気ガスの流速を判定するための制御ユニットを備える。
【0050】
制御ユニットは、制御ユニットの記憶装置に記憶され得るルール又はマップを備えてよく、それによって、計測した開き具合とガスの流速との間の相関が推定され得る。
【0051】
フラップの開口面積も開き具合で決定され得るので、体積流量を判定することができる。通常は、排気ガス温度及び温度の圧力は、燃焼エンジンにおいて計測される。したがって、排気の密度及び質量流量も計算され得る。
【0052】
さもなければ質量流量は、非常に高価な超音波デバイス、又は連続した計測に使用するのに困難であるプラントル・パイプ若しくはインペラを用いなければ、判定することはできない。特に、高粒子の質量流量を伴う環境において、汚染が引き起こされる場合があり、それは多大な保守努力でしか排除することはできない。
【0053】
好ましくは、排気ハウジングは、温度センサ及び圧力センサを備える。
【0054】
好ましくは、排気ハウジングは、温度、圧力、及び開き具合、好ましくはフラップの角度位置に基づいて、排気ガスの質量流量を判定するための制御ユニットをさらに備える。
【0055】
好ましい実施例において、排気ハウジングは、還元剤の投与ユニットを備える。排気ハウジング又は大型船のエンジンは、開き具合、好ましくは角度位置に基づいて、還元剤の量を決定するための制御ユニットをさらに備える。
【0056】
制御ユニットは、温度、圧力、及び開き具合に基づいて、排気ガスの質量流量も判定し得る。
【0057】
投与ユニットは、還元剤を含有するリザーバを備えるか、又はリザーバに接続され得る。
【0058】
好ましくは、還元剤は、投与ユニットのノズルによって排気ガスの入口の中に注入可能である。
【0059】
バルブの開き具合、排気ガスの後処理システムにおける圧力及び温度に依拠して、質量流量は決定され得る。
【0060】
法律は、SCR反応器の下流、又は排気ガスの後処理システムによって供給されるターボチャージャの下流、特に船の煙突の下流において、g/kWhで計測される特定のNO値を要求する。NOの正確な量を実現するために、SCR反応器の上流におけるNOの量を知ること、及び適切に還元剤を投与することが必要である。
【0061】
投与する量は、排気ガスの質量流量と、エンジン負荷と、後処理システムに入る排気ガスの、ppm/mで計測されたNOの相対的含有量と、に依拠する。
【0062】
NOの相対的含有量は、モデルに従って、又は燃焼エンジンの現在の動作条件に依拠した経験的マップに従って、計測され及び/又は判定され得る。
【0063】
モデル若しくはマップは制御ユニットに記憶されてよく、又は制御ユニットに利用可能であってもよい。
【0064】
計測したNO含有量と法律による所与の制限との間の差が、投与する還元剤の量を決定する。
【0065】
有利な実施例において、排気ハウジングは、少なくとも1セットのバルブ・フラップ、好ましくは少なくとも1セットのバルブ・フラップを伴う少なくとも1つのバルブを備える。排気ハウジングは、バルブ・フラップのセットにおけるバルブ・フラップの内の少なくとも1つの角度位置を計測するための、少なくとも1つのセンサをさらに備えてよい。
【0066】
好ましくは、バルブ・フラップのセットはSCR反応器の下流に配置される。
【0067】
有利には、排気ハウジングは、少なくとも1セットのバルブ・フラップを備え、好ましくはSCR反応器の下流に配置される。セット内のバルブ・フラップは、好ましくはコネクタによって互いに接続される。好ましくは、フラップは、全てのバルブ・フラップが同じ角度位置を有するように接続される。
【0068】
フラップは連動した運動を実施し、好ましくは全てのフラップが一度に同じ開き具合となる。したがって、全てのフラップを通る流量は、均等に配分される。
【0069】
センサは、バルブの開き具合を判定するため、フラップの内の1つの開き具合を検出することのみを必要とする。
【0070】
有益な実施例において、排気ハウジングは、プレテンションを与えられたバルブを備える。特に、例えばばね、詳細にはトーションばねによってプレテンションを与えられたバルブ・フラップである、少なくとも1つのバルブ・フラップを備える。
【0071】
したがって、バルブは、乱流による振動又はぶれが防止される。開き具合は、排気ハウジングを流れ抜ける排気ガスの量の、信頼できる基準である。
【0072】
計測デバイスはセンサを備えてよい。
【0073】
センサは、バルブの2つの要素間、好ましくは2つの閉鎖要素間の距離を検出し得る。センサは、バルブの閉鎖要素の開弁角度も検出し得る。センサは、固定されたバルブ要素に対するバルブ起動要素の距離又は角度も検出し得る。
【0074】
センサは排気ハウジング内に配置されてよく、又は外部に配置されてもよい。センサは、外側の要素、例えば基本的にフレームの外側に配置された、フラップ回転軸の第2の部分の位置を検出し得る。したがって、計測デバイス及び/又はセンサは、冷却領域に配置されてよく、計測は排気ガスによって妨げられない。
【0075】
センサは、光学センサ、音響センサ、磁気センサ、又は電磁気センサであってよい。
【0076】
計測デバイスは、映像信号を分析するための、映像デバイス及び評価ユニットを備えてもよい。
【0077】
排気ハウジングは、少なくとも1つのバルブ・フラップの運動量を計測するための、少なくとも1つのバルブ・フラップ及びセンサを備えてよい。特に、バルブにプレテンションを与えるばね力によって生じた運動量が、計測され得る。運動量は、バルブにかかる動的圧力、したがって開き具合に相関する。したがって、運動量を計測するためのセンサを、開き具合を計測するためのセンサと見なすこともできる。
【0078】
流速は、運動量の計測から推定することができる。
【0079】
好ましくは、排気ハウジングの少なくとも1つのバルブは、少なくとも1つのバルブ・フラップを備え、少なくとも1つのバルブ・フラップは、重力によって閉じる。
【0080】
したがってバルブ・フラップは、強力な起動システムを必要としない。完全な閉鎖の動き、又は少なくとも閉鎖の動きの内の関連する一部は、フラップの重量によって生じる。
【0081】
バルブは起動システムに接続され、完全閉鎖をもたらし得る。なぜなら、特に排気ガスの後処理システムは、完全に方向付けされた位置を常に維持しないことがあるからである。
【0082】
理想的な位置において、例えば排気ハウジングが設置された船が港に停泊しているとき、排気ハウジングを、フラップがいかなるガス圧も受けない完全な閉鎖位置にあって、排気ガスの圧力が存在するときのみ開くように、方向付けてよい。
【0083】
しかし、船が航行中、又は最適に積載されていない場合、ハウジングの向きは、最適な向きから逸脱し得る。
【0084】
この場合、復元力の方向は変化することがあり、バルブ・フラップの開き具合がガス流による圧力によって影響を受けるだけではなく、重力に対するバルブの向きによっても影響を受けることがある。
【0085】
したがって好ましいシステムの実施例において、排気ハウジング又は大型船のエンジンは、重力ベクトルの方向に対するバルブの空間的向きを判定するための、計測デバイスを備える。
【0086】
特に計測デバイスは、排気ハウジング又はエンジンに固定して接続されたバルブ要素の現在の向き、例えば重力ベクトルに対するバルブ・フラップの閉じた面の逸脱を判定し得る。
【0087】
計測デバイスは、ジャイロスコープであってもよい。
【0088】
ガス圧による開離力の計算のために、バルブの開き具合だけではなく、重力センサに対するバルブの位置も考慮されるべきである。なぜなら、開き具合は、ガスによってのみ影響を受けるのではないからである。
【0089】
制御ユニットは、排気ガスの流速の計算を修正するために、及び/又は質量流量の計算を修正するために、空間的向きの計測値を使用してよい。
【0090】
上記目的は、バルブを排気ハウジングに設置する方法によってさらに実現され、方法は、
- 上述のようなバルブを、排気ハウジングに位置付けるステップと、
- 排気ハウジングの構造要素における開口部を介して、フラップ回転軸の第2の部分を第1の部分と接続可能となるように、バルブの少なくとも1つのフラップ回転軸の第1の部分を位置付けるステップと、
- フラップ回転軸の第1の部分を、フラップ回転軸の第2の部分に接続するステップと
を含む。
【0091】
このように、バルブを容易に設置することができる。
【0092】
起動要素を、少なくとも1つのフラップ回転軸に接続することができる。好ましくは、全てのフラップ回転軸は1つのみの起動要素によって起動され、動きは、全てのフラップが同時に開閉されるように結合することによって伝達される。
【0093】
上述のような排気ハウジングは、内燃エンジンの排気ガスのための、少なくとも1つのハウジングの入口、及び排気ガスのための、少なくとも1つのハウジングの出口を有してよい。ハウジングは、排気マニフォルド及び第1の排気処理領域を備えてよい。排気マニフォルドは、排気ガスを第1の排気処理領域に誘導するための、少なくとも1つのハウジングの入口、及び少なくとも1つのマニフォルドの出口を含み得る。第1の排気ガス処理領域は、第1及び第2のダクトを備えてよい。第1の排気処理セクションは、第1のダクトに配置されてよく、第2の排気処理セクションは、第2のダクトに配置されてよい。第1の排気ガス処理領域は、排気ガスを、第1のダクトの第1の部分と、第2のダクトの第2の部分とに分けるための、二又分岐部を備えてもよい。二又分岐部は、第1及び第2のダクトの上流に配置され得る。
【0094】
第1のダクトは、一次流量狭窄部を備えてよく、それによって第1及び第2のダクトの流量配分は最適化される。
【0095】
通常の動作条件下で、流量狭窄部なしでは、排気処理セクションの内の一方に入る流量は、他方に入る流量よりも多くなることがある。これは、特に非対称の排気ハウジングにおいて、特定の触媒セクションの寿命の短縮をもたらす。
【0096】
流量狭窄部によって、第1の排気処理セクションに入る流量は減少し、一方で第2の排気処理セクションに入る流量は増加する。それによって、第1と第2の排気処理セクションとの間の流量配分を最適化することができる。例えば1つの実施例において、流量狭窄部は、第1及び第2の触媒セクションに入る流量が実質的に等しくなるよう、配置され得る。
【0097】
1つ又は全ての排気処理セクションは、触媒セクションであってよい。触媒セクションは、選択的触媒反応(SCR:Selective Catalytic Reaction)のための触媒を備える。代替の実施例において、排気処理セクションは、排気ガスを選択的無触媒反応(SNCR:Selective Non-Catalytic Reaction)で排気ガスを処理し得る。触媒セクションは、1つ又は複数の層を備えてよい。これらの層は、標準的で、個々に交換可能な構成要素であってよい。
【0098】
第1及び第2のダクトは、平行に配置され得る。「平行に」とは、排気ガスを2つの流れに分離することと理解されたい。特定の実施例において、第1のダクト及び第2のダクトは、少なくとも部分的に、流体を実質的に同じ方向に沿って誘導する。他の実施例において、第1及び第2のダクトは、流体を反対方向に誘導する。
【0099】
排気ガス処理領域は、排気ガスを、第1のダクトの第1の部分と、第2のダクトの第2の部分とに分けるための、分離領域、又は分割部若しくは分岐部を含んでよい。
【0100】
二又分岐部は、排気ガスを2つ、3つ、又はそれより多くの部分に分離し得る。第1及び第2のダクトは、好ましくは排気ガスを別々に誘導するように適合される。
【0101】
第2のダクトの入口は、第1のダクトの入口の上流に配置され得る。このような排気ハウジングにおいて、流量は下流のダクトに集中しがちなので、流量配分を誘導することは特に有利である。これらのダクトにおいて、より大きい流速のために、より早く触媒要素は使い果たされる。
【0102】
1つの実施例において、排気の第1及び第2のダクトは、Z型又はU型のマニフォルドで形成され得る。第1及び第2のダクトは、それらの端部において合併してもよい。代替として、第1及び第2のダクトは、別々の排気ハウジングの出口に通じてもよい。
【0103】
流量狭窄部は、第1のダクトの入口において第1のダクトに沿って、又は第1のダクトの出口に、配置され得る。好ましい実施例において、流量狭窄部は、第1のダクトの入口に配置される。流量狭窄部の後の圧力低下の結果、第1の排気処理セクションにおける圧力は低くなる。
【0104】
排気マニフォルドは、バイパスを追加的に備えてよい。バイパスは、1つ又は複数のバイパス・バルブによって開閉され得る。バイパス・バルブは、排気マニフォルドの出口に配置され得る。バイパスは、排気処理セクションを迂回する。したがって排気ガスは、排気マニフォルドの入口から排気ハウジングの出口まで、直接誘導される。これによって、排気マニフォルドの省エネルギー構成が可能となる。
【0105】
第1のバルブ構成において、排気ガスが第1及び第2の排気処理セクションを介して誘導され、第2のバルブ構成において、排気ガスがバイパスを介して誘導されるように、制御器がバルブを制御するように構成され得る。
【0106】
第1及び/又は第2のダクトは、ダクトの出口のバルブを備えてよい。それによって、選択されたダクトのみが作動され得る。例えば、触媒セクションの内の1つにおける触媒要素に不備がある場合、この触媒セクションを備えたダクトは閉じられてよい。
【0107】
さらに、排気マニフォルドは、バイパスが開かれたときに、ダクトの出口のバルブを閉じるよう構成された、制御器を備えてもよい。それによって、バイパスが開いたときに、第1及び/又は第2のダクトに入る逆流を防止し得る。
【0108】
排気マニフォルドは、マニフォルドの出口のバルブを備えてもよい。マニフォルドの出口のバルブは、排気ガス処理領域への流れ、又は第1及び第2のダクトの内の1つ若しくは両方への流れを、マニフォルドの出口のバルブが閉じられたときに遮断することができるよう、配置され得る。代替として、第1及び/又は第2のダクトは、個々の入口のバルブを備えてもよい。
【0109】
1つの実施例において、排気マニフォルドは複数の入口を備える。排気マニフォルドは、複数の出口も備えてよい。好ましい実施例において、排気マニフォルドは、内燃エンジンの各シリンダに少なくとも1つの入口を備える。
【0110】
排気ガス処理領域は、第1及び第2のダクトの下流で、排気ガス集積チャンバを備えてもよい。第1及び第2のダクトは、排気ガスをガス集積チャンバへ誘導し得る。少なくとも1つの排気マニフォルドの出口を、排気ガス集積チャンバの中に配置してもよい。排気ガス集積チャンバは、排気ガスの処理後に排気ガスを混合することを可能にする。
【0111】
各触媒セクションは、少なくとも1つの触媒要素を備えてよい。触媒要素は交換可能であってよい。触媒セクション及び/又は触媒要素は、標準的な構成要素であってよく、及び/又は等しいサイズであってよい。それによって、単一の触媒セクション及び/又は触媒要素の交換が、特に簡易となる。触媒要素は触媒層であってよい。
【0112】
1つの実施例において、第1及び第2の触媒セクションは、2つ若しくは3つ、又はそれより多い触媒要素を備えてもよい。好ましくは、両方の触媒セクションは、2つ若しくは3つ、又はそれより多い触媒要素を備える。
【0113】
1つの実施例において、流量狭窄部は、バッフル・プレート、孔が開けられたプレート、バルブ特にプレート・バルブ、1つ又は複数のフラップ、及び第1のダクトの断面における狭窄部、の内の少なくとも1つによって形成される。1つの実施例において、流量狭窄部は、第1のダクトの断面の一部を覆うプレートによって形成される。
【0114】
孔が開けられたプレートは、好ましい実施例である。孔が開けられたプレートは、特に簡易で製作が容易である。さらに、改良、すなわち孔が開けられたプレートを現存の排気マニフォルドに追加することは、特に簡易である。
【0115】
本明細書で使用する場合、孔が開けられたプレートは、流体が流れ抜けることができる1つ又は複数の孔を有するプレートである。孔は円形、楕円、方形、三角形、又は任意の他の好適な形状であってよい。好ましい実施例において、孔は、孔が開けられたプレートにわたり規則的、且つ一様に配分される。1つの実施例において、孔は細長いスリットで形成され得る。代替の実施例において、孔が開けられたプレートは、1つのみの穴を備えてもよい。
【0116】
1つの実施例において、流量狭窄部は調整可能である。それによって、流量狭窄部は現在の流体の流れに対して調整可能で、任意のスループットにおいて流れのバランスをとることができる。流量狭窄部は、特に調節可能な、孔が開けられたプレートであってよい。
【0117】
孔が開けられたプレートは、例えば2つの穴が開けられたプレートを互いに上下に配置することによって、調節可能となり得る。孔が開けられたプレートの内の一方は、他方に対して動かされ、孔の内のいくつか又は全てを閉じてもよい。孔が開けられたプレートは、例えばモータによって能動的に起動され得る。代替として、孔が開けられたプレートは、例えばばねを用いて、孔が開けられたプレートに接続することによって受動的に起動され得る。したがって、孔が開けられたプレートは、圧力が増加すると、さらに開く。
【0118】
本明細書で使用する場合、バッフル・プレートは、流体の流れの方向を変えるために使用されるプレートである。
【0119】
1つの実施例において、流量狭窄部は、乱流が導入されるよう設計される。乱流は、第1のダクトの断面に対する孔のサイズを変化させることによって、導入され得る。狭窄部の直前における第1のダクトの断面と、流量狭窄部における断面との好ましい比率は、5%と60%との間、さらに好ましくは10%と40%との間である。流量狭窄部のサイズ(すなわち最小流量断面積)も、排気マニフォルドを通る質量流量に関連して選択されてよい。排気ハウジングは、エンジンからの排気ガスの質量流量に関する情報を受け取るために、インターフェースを備えてもよい。代替として、又は追加的に、排気マニフォルドは流量センサを備えてもよい。流量センサを、排気マニフォルドの入口及び/又はダクトの内の1つ若しくは複数、若しくは全てに位置付けてもよい。この情報に従い、流量狭窄部は調整され得る。
【0120】
1つの実施例において、流量狭窄部は、意図された流れ方向に対して垂直に配置された、孔が開けられたプレートである。これは、一次流量狭窄部の、特に簡易な配置である。
【0121】
第1の排気処理セクションは、第1の容量を有してよく、第2の排気処理セクションは第2の容量を有してよい。流量狭窄部は、第1のダクトを通る流れの体積を、第2のダクトを通る流れの体積で除算した比率が、触媒セクションの容量の比率に相当するように設計され得る。したがって、各排気処理セクションは同じ比率で使い果たされる。好ましくは、第1及び第2の触媒セクションは同じ容量を有する。
【0122】
1つの実施例において、一次流量狭窄部は、第1及び第2の排気処理セクションのスループットが実質的に等しくなるよう、設計される。その結果、排気ガスは均一に配分され、それによって触媒反応の効率は改善される。
【0123】
1つの実施例において、第1及び第2の排気処理セクションは、実質的に等しいスループット能力を有する。スループットは、各排気処理セクションのサイズ及び材料特性、並びに、それぞれの触媒セクションにおける触媒要素の数によって決められる。
【0124】
好ましい実施例において、排気ハウジングは、第2の排気ガス処理領域を備える。第1の排気ガス処理領域は、排気ガスの一部を処理するように適合され、第2の排気ガス処理領域は、排気ガスの別の部分を処理するように適合される。第2の排気ガス処理領域は、第3及び第4のダクトを含む。さらに、第2の排気ガス処理領域は、排気ガスを、第3のダクトの第3の部分と、第4のダクトの第4の部分とに分けるため、二又分岐部を第3及び第4のダクトの上流に含む。第3及び第4の排気処理セクションは、第3及び第4のダクトにそれぞれ配置される。二次流量狭窄部は、第3及び第4のダクトの流量スループットが最適になるよう、第3のダクトに配置される。
【0125】
それによって、排気マニフォルドの容量は増加され得る。追加として、第2の排気ガス処理領域は、触媒セクションのコンパクトな構築を可能にする。さらに、第3と第4のダクトとの間の流量のバランスがとられる。
【0126】
一般的に、第3のダクトは、第1のダクトと同様に構築され得る。第1のダクトに関して記述した、全ての特徴及び特定の実施例は、第3のダクトにも適用される。同じく、第4及び第2のダクトにそれぞれ適用される。
【0127】
好ましい実施例において、第1及び第2の排気処理領域は、互いに対称に配置される。好ましくは、第1及び第2の排気処理領域は、面対称である。第1及び第2の排気処理領域は、同一の容量を有してもよい。
【0128】
本発明は、図を用いて実施例においてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0129】
図1】本発明によるバルブの概略図である。
図2図1のバルブの斜視図である。
図3】バルブ1が配置された、排気ハウジング2を示す図である。
図4図3の排気ハウジング2を貫く部分的な図である。
図5図4による排気ハウジングを貫く断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0130】
図1は、バルブ1の概略図である。バルブ1は、少なくとも第1の側部要素4及び第2の側部要素5を有するフレーム3を備える。側部要素4、5の間には、4つのフラップ6が配置される。各フラップ6は、フラップ回転軸7によって、側部要素4、5に回転可能に位置付けられる。フラップ回転軸7は、フラップのフラップ回転軸7周りの回転運動を可能にする。回転軸7周りに回すことにより、フラップは開閉され、それによってバルブが開閉され得る。90°の回す角度は、バルブ1におけるフラップ6の全開位置をもたらす。フラップ回転軸7は、フレーム3の内側に配置された第1の部分7a(実線で示す)、及びフレーム3の外側に配置された第2の部分7bを備える。第2の部分7bは、点線で示される。分離した回転軸7を有することによって、フレーム3は排気ハウジングの内側に設置することができ、回転軸7を後で接続することができる。これによって、バルブのスペースの最大限の利用、及び容易な設置の可能性をもたらす。各フラップ回転軸7は、起動要素8によって起動される。起動要素8は電気モータとすることができ、第1の側部要素4から10cmの距離Dに配置される。距離Dは、側部要素4の外縁部と、起動要素8又は結合部10(図2参照)との間の距離として定義される。距離Dにおいて、排気ハウジング2(図3参照)の構造要素9aは、フラップ回転軸7の第2の部分7bが配置されている場所に配置される。この目的のため、排気ハウジング2の構造要素は、フラップ回転軸7の第2の部分7bが貫通して延びることができるための、開口部を備える。フラップ6は80cmの長さLf1を有し、一方でフラップ回転軸7は1mの長さLを有する。
【0131】
図2は、図1のバルブの斜視図である。図1のバルブ1とは異なり、図2のバルブ1は、結合部10によってフラップ回転軸7に接続された、ただ1つの起動要素8を有する。これは、よりコスト効率のよい起動機構をもたらす。
【0132】
図3は、バルブ1が配置された、排気ハウジング2を示す図である。バルブ1は壁セクション9の構造プレートに配置される。構造プレートは構造要素9a(図1及び図4参照)を備える。通常は1つの排気ハウジング2において、少なくとも7つのバルブ1が存在し、排気ハウジング2を通過する排気流量の制御を可能にする。
【0133】
図4は、図3の排気ハウジング2を貫く部分的な図である。バルブ1は、排気ハウジング2の構造プレートに設置される。バルブ1は、図2に示すバルブに相当する。
【0134】
図5は、図3による排気ハウジングを貫く断面図である。排気ハウジング2は、排気マニフォルド10を備え、その中に、5つの排気ラインが燃焼エンジンのバルブからの排気を誘導する。排気マニフォルド10は、3つのバルブ1によって、排気ハウジング2の排気処理領域11から分離される。処理領域11内には、4つのSCR反応器要素12が存在する。3つのバルブ1を開閉して、排気マニフォルド10を処理領域11から分離することによって、排気をいかなるSCR反応器要素12にも通さないか、又は排気をSCR反応器要素12の一部又は全てに通すよう誘導することができる。4つの追加のバルブ1aは、本発明のバルブとすることができるが、チェック・バルブなどの簡易な受動型バルブとすることができる。
【符号の説明】
【0135】
1 バルブ
1a 追加のバルブ
2 排気ハウジング
3 フレーム
4 第1の側部要素
5 第2の側部要素
6 フラップ
7 フラップ回転軸
7a 第1の部分
7b 第2の部分
8 起動要素
9 壁セクション
9a 構造要素
10 結合部 排気マニフォルド
11 排気処理領域
12 SCR反応器要素
D 距離
f1 長さ
長さ
図1
図2
図3
図4
図5