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  • 特許-乳幼児用座席装置用インナーシート 図1
  • 特許-乳幼児用座席装置用インナーシート 図2
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  • 特許-乳幼児用座席装置用インナーシート 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】乳幼児用座席装置用インナーシート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
B60N2/28
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019213306
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2021084473
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-08-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508189474
【氏名又は名称】ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真輝
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-296734(JP,A)
【文献】特開2007-330655(JP,A)
【文献】米国特許第05916089(US,A)
【文献】米国特許第09332791(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車の座席に載せられる乳幼児用座席装置に使用されるクッションであって、
前記乳幼児用座席装置の座面に敷かれて、乳児の臀部を支持する尻サポート部と、
前記乳幼児用座席装置の座面に敷かれて、前記乳児の足を支持する足サポート部と、
前記尻サポート部と前記足サポート部とを間隔をあけて接続する屈曲自在な接続部と、
前記足サポート部の左右部分にそれぞれ設けられる連結具、および前記尻サポート部の左右部分にそれぞれ設けられて前記各連結具に着脱可能に連結されることにより前記足サポート部を起立させる被連結具を有し、これら連結具および被連結具の連結位置を変化させて、前記足サポート部を起立させた状態のまま前記尻サポート部と前記足サポート部の相対距離を調整する足サポート位置調整手段とを備える、乳幼児用座席装置用インナーシート。
【請求項2】
前記連結具および前記被連結具のいずれか一方は、インナーシートの頭足方向に断続的あるいは連続的に設けられ、
かかる一方の中から一部分が選択されて、残る他方と着脱可能に連結される、請求項1に記載のインナーシート。
【請求項3】
乳児の頭部を支持する頭サポート部と、乳児の胴体を支持する胴サポート部とをさらに備える、請求項1または2に記載のインナーシート。
【請求項4】
前記胴サポート部の左右縁には、肩部分がそれぞれ延設され、
前記肩部分は、パッドを含み、前記胴サポート部の中央部分よりも厚みが大きい、請求項3に記載のインナーシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用自動車の座席に取付固定される乳幼児用座席装置に関し、特に乳幼児用座席装置に着脱されて0~1歳児を保護する薄いクッション(インナーシート)に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児用座席装置は、チャイルドシートとも称され、乗員である乳幼児を交通事故の衝撃から保護する。0歳児は、新生児が特にそうであるが、寝かされた状態で乳幼児用座席装置に乗せられる。一方で乳幼児用座席装置は、3~4歳の幼児にも使用可能な程度の大きさを伴うことから、乳児の身体と乳幼児用座席装置の座席を比較すると大きさの違いが顕著である。そこで特許文献1では箱状のプロテクタを乳幼児用座席装置の座席に取り付け、プロテクタに乳児を横臥させる。プロテクタは、乳児を衝撃から保護するものであり、乳児の身体と乳幼児用座席装置の座席との隙間を埋める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-296734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乳児は成長に伴い身体のサイズが変化するが、特許文献1のプロテクタはサイズを調整することができない。そうすると乳児の発育に追従して、乳児を適切に保護することができない。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑み、乳幼児用座席装置の座席に敷かれて乳児を保護するインナーシートに関し、サイズ調整可能な改良技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため本発明による乳幼児用座席装置用インナーシートは、乗用車の座席に取付固定される乳幼児用座席装置に使用されるクッションであって、乳幼児用座席装置の座面に敷かれて乳児の臀部を支持する尻サポート部と、乳幼児用座席装置の座面に敷かれて乳児の足を支持する足サポート部と、これら尻サポート部と足サポート部を接続する屈曲自在な接続部と、足サポート部の左右部分にそれぞれ設けられる連結具、および尻サポート部の左右部分にそれぞれ設けられて各連結具に着脱可能に連結されることにより足サポート部を起立させる被連結具を有し、これら連結具および被連結具の連結位置を変化させて尻サポート部と足サポート部の相対距離を調整する足サポート位置調整手段とを備える。
【0007】
かかる本発明によれば、乳児の成長に合わせてインナーシートの足サポート部を位置調整できることから、乳児を適切に保護することができる。なお、連結具および被連結具の構成はホックおよびホック穴、ボタンおよびボタン穴、対をなす面ファスナ等、特に限定されない。接続部は、尻サポート部と足サポート部を直接接続するような単なる縫い代であってもよいし、あるいは尻サポート部と足サポート部の間に介在する布部材であってもよいし、特に限定されない。また尻サポート部と接続部と足サポート部は、一体に形成されていて隣接する部同士の境界が明確に区別されていなくてもよいし、あるいは別部材同士を分離不能に接続したものであって隣接する部同士の境界が明確に区別されていてもよい。
【0008】
連結具および被連結具の連結位置の変化は、例えば被連結具を複数設けておき、複数の被連結具の中から1を選択して連結具に連結することによって行われる。あるいは連結具を複数設けておき、複数の連結具の中から1を選択して被連結具に連結することによって行われる。連結具および被連結具が面ファスナの場合、一方が連続した大きな面ファスナであり、他方が小さな面ファスナであり、小さな面ファスナを大きな面ファスナのなかから選ばれる一部分に合わせるとよい。連結具および被連結具がボタンあるいはフックの場合、一方が断続的に複数配列され、他方が1個とされるとよい。そして複数の一方の中から1個を選択して、1個しかない他方に連結するとよい。
【0009】
本発明の一局面として、連結具および被連結具のいずれか一方は、インナーシートの頭足方向に断続的あるいは連続的に設けられ、かかる一方の中から一部分が選択されて、残る他方と着脱可能に連結される、かかる局面により、連結具および被連結具の連結位置が調整される。一例として、連結具および被連結具のいずれか一方には、面ファスナと複数の目盛が設けられ、これらの目盛の中から選択される1の目盛を目安に面ファスナを連結する。かかる例によれば、被連結具が連続する場合であっても、足サポート部の位置調整および足サポート部左右の位置合わせが容易になる。目盛の形状および配列は特に限定されない。他の局面として、目盛を有しなくてもよい。
【0010】
インナーシートの形状は特に限定されない。インナーシートの左右部分にパッドを充てることにより、交通事故の側方衝突による衝撃を吸収することができる。本発明の好ましい局面として、胴サポート部の左右側には、肩部分がそれぞれ延設される。肩部分は、パッドを含み、胴サポート部の中央部分よりも厚みが大きい。かかる局面によれば、乳児を衝撃から保護することができる。他の局面として、肩部分のパッド厚みが他のパッドを含む部分よりも小さくてもよい。パッドは弾力性を有するクッション材であり、例えばウレタンフォームである。
【0011】
インナーシートは、乳児の身体全体を支持して保護することが好ましい。本発明の好ましい局面として、乳児の頭部を支持する頭サポート部と、乳児の胴体を支持する胴サポート部とをさらに備える。かかる局面によれば、乳児の身体全体を保護することができる。頭サポート部および胴サポート部は一体に形成されていてもよい。あるいは頭サポート部と胴サポート部を別々に作成し、両者を縫い付けてもよい。胴サポート部と尻サポート部は一体に形成されていてもよい。あるいは胴サポート部と尻サポート部を別々に作成し、両者を縫い付けてもよい。
【発明の効果】
【0012】
このように本発明によれば、乳児の発育に応じて足サポート部の位置を調整することにより、乳児期全体に亘り適切に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態になるインナーシートを具備する乳幼児座席装置を示す正面図である。
図2】同実施形態のインナーシートを示す側面図および背面図である。
図3】足サポート部の位置調整を示す正面図である。
図4】足サポート部の位置調整を示す正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるインナーシートを示し、(A)はインナーシートを乳幼児座席装置に取り付けた状態を示し、乳幼児座席装置の正面図になる。図1(B)は乳幼児座席装置からインナーシートを取り出し、平面上に静置させて表側からみた正面図であり、インナーシートの上面を表す。乳幼児座席装置100は乗用自動車の座席(図略)に載置される、いわゆるチャイルドシートであり、乗用自動車に備え付けのシートベルト(図略)で乗用自動車に固定される。乳幼児座席装置100はリクライニング機能を備え、背もたれ部材101を倒してベッド状態にしたり、背もたれ部材101を起こして椅子状態にしたりすることができる。背もたれ部材101および座部材102は、乳児および幼児が座るために十分なサイズを有する。このため背もたれ部材101および座部材102は、乳児の身体と比較すると、不相応に大きなサイズである。
【0015】
背もたれ部材101上端にはヘッドレスト103が附設される。ヘッドレスト103は背もたれ部材101に近づいたり遠ざかったり上下方向に位置調整可能である。本実施形態では背もたれ部材101とヘッドレスト103が別部材であるが、図示しない変形例として、背もたれ部材101とヘッドレスト103が一体であってもよい。以下の説明において、左右方向(幅方向)および頭足方向とは、乳幼児座席装置100に着席する子供からみた方向をいう。あるいは頭足方向を単に、(足側からみて)頭側、あるいは(頭側からみて)足側ともいう。
【0016】
座ることができる幼児は、乳幼児座席装置100を椅子状態にして使用可能であるし、ベッド状態にして使用してもよい。幼児は、背もたれ部材101の背もたれ面および座部材102の座面に直接載せられ、乳幼児座席装置100に設けられた拘束ベルト104で固定される。拘束ベルト104は左右1対の肩ベルトと、左右1対の腰ベルトと、股ベルトと、これらのベルトを着脱可能に連結するバックルを含む。
【0017】
これに対し座ることができない乳児、特に新生児から0歳児までは、ベッド状態の乳幼児座席装置100に横臥姿勢で載せられる。乳児は身体が小さいので、背もたれ部材101の背もたれ面および座部材102の座面に直接載せられると乳児を適切に保護することができない。そこで背もたれ部材101および座部材102の表面には、インナーシート10が敷かれ、インナーシート10の上面に乳児が載せられる。インナーシート10は、頭サポート部11と、胴サポート部21と、尻サポート部31と、接続部41と、足サポート部51を含む1部材である。これら各部は、この順序で乳児の頭足方向に連続して結合し、乳児の頭と、胴と、尻と、足をそれぞれ支持する。頭サポート部11と、胴サポート部21と、尻サポート部31と、足サポート部51はウレタンフォーム等のクッション材で構成され、表面および裏面を布材で覆われる。これに対し接続部41は屈曲自在な素材、例えば布地、からなり、クッション材を含まない。接続部41はインナーシート10の各部の中で最も保形性がなく、尻サポート部31と足サポート部51の相対位置の変化を許容する。
【0018】
インナーシート10は、乳幼児座席装置100の背もたれ面および座面に取り付けられたり、取り外されたりする。インナーシート10がベッド状態の乳幼児座席装置100に敷かれると、胴サポート部21が背もたれ部材101および座部材102の表面凹凸形状に倣って変形し、インナーシート10の左右部分が中央部分に対して斜めに起き上がる。これにより乳児の身体を保護する。なお背もたれ部材101のフレームおよび座部材102のフレームに被される布地シートは、背もたれ面および座面を構成し、乳幼児座席装置100に必須のシートであり、乳幼児座席装置100に選択的に着脱される本実施形態のインナーシート10と区別される。
【0019】
頭サポート部11は、中央部分12と、左部分13と、右部分14と、頂部分15とを含む。左部分13は中央部分12の左縁に延設され、右部分14は中央部分12の右縁に延設される。頂部分15は、左部分13の上縁および右部分14の上縁間に架設され、左部分13および右部分14を中央部分12に対して起立させるとともに、頂部分15自身も中央部分12に対して起立する。つまり頭サポート部11は、立体的に形成され、乳児の頭部を三方から包囲して交通事故の衝突から保護する。中央部分12はヘッドレスト103(図1)の表面または背もたれ部材101の背もたれ面に敷かれて、乳児の頭部を支持する。
【0020】
保形性および保護性のため、頂部分15は、クッション材よりも硬く腰のある板材、例えばポリプロピレン板等の樹脂板、を内蔵する。これにより頭サポート部11は立体的形状を保持する。本実施形態では頂部分15が中央部分12から離隔しているが、図示しない変形例として頂部分15が中央部分12に隙間なく接続していてもよい。
【0021】
中央部分12の下縁は、幅狭の結合部分16で、胴サポート部21の上縁と結合する。結合部分16は左右方向中央に配置される。中央部分12と胴サポート部21の間には、結合部分16を挟んで左右側にスリット17,18が形成される。各スリット17,18には拘束ベルト104の肩ベルトが通される。結合部分16およびスリット17,18は頭サポート部11と胴サポート部21の境界になる。
【0022】
胴サポート部21は、中央領域22と、中央領域22頭側の左右縁に延設される肩部分23,24を含む。中央領域22の下縁には尻サポート部31が連続する。胴サポート部21は、背もたれ部材101の背もたれ面に敷かれた状態で、中央領域22は乳児の胴体(特に背中)を支持し、左右1対の肩部分23,24は乳児の両肩と対面し、交通事故の側方衝突から乳児を保護する。
【0023】
尻サポート部31の左右方向中央にはスリット32sが形成される。スリット32sには拘束ベルトの股ベルトが通される。尻サポート部31の左右縁には左部分33および右部分34が延設される。尻サポート部31が座部材102の座面に敷かれた状態で、尻サポート部31は乳児の腰部を支持し、左右1対の左部分33および右部分34は乳児の腰部を左右側から包囲して、交通事故の側方衝突から保護する。また左部分33および右部分34は、後述する足サポート部51の左部分53および右部分54と着脱可能に連結される。
【0024】
図1(B)に示すように、インナーシート10の胴サポート部21から尻サポート部31までの領域は、左右縁でそれぞれ円弧状に窪んだ形状にされる。これによりインナーシート10は、左右1対の肩部分23,24および左右1対の左部分33および右部分34で幅広に、かつ、胴サポート部21と尻サポート部31の境界で幅狭に形成される。なお頭サポート部11と胴サポート部21と尻サポート部31は一体に縫製され、胴サポート部21と尻サポート部31の境界は明瞭に区別されなくてもよい。
【0025】
尻サポート部31よりも足側には足サポート部51が配置される。接続部41は尻サポート部31の下縁および足サポート部51の上縁に縫着され、尻サポート部31と足サポート部51を分離不能に接続する。
【0026】
足サポート部51は左部分33から右部分34までの寸法よりも幅広、あるいは図示はしなかったが左部分33から右部分34までの寸法と同じ幅寸法に形成される。足サポート部51は、中央部分52と、中央部分52の左右縁にそれぞれ延設される左部分53および右部分54を含む。左部分53および右部分54の端部上面には連結具としての面ファスナ55,56が設けられる。足サポート部51は座部材102の座面に敷かれ、乳児の足を保護する。
【0027】
図2(A)は、インナーシートを平面上に静置させて右側からみた側面図である。図2(B)はインナーシートを平面上に静置させて裏側からみた背面図であり、インナーシートの下面を表す。乳児の体重の支持する中央部分12、中央領域22、および尻サポート部31は、略同じクッション厚みにされる。左部分13、右部分14、および頂部分15にはパッドが封入され、中央部分12よりも肉厚のクッション厚みにされる。肩部分23,24にも、乳児の肩よりもやや大き目のパッドが封入され、左部分13および右部分14よりもさらに肉厚のクッション厚みにされる。つまり肩部分23,24はインナーシート10の各部の中で最も肉厚に形成される。なおパッドは、各部分に対応する形状に形成された、腰のあるクッション材であり、衝撃吸収に優れる。肩部分23,24は袋形状とされ、肩部分23,24の下面に形成されるスリット25を経由してパッドを出し入れ可能である。
【0028】
中央部分52は、尻サポート部31よりも肉厚にされる。保形性および保護性のため、中央部分52は、クッション材よりも硬く腰のある板材、例えばポリプロピレン板等の樹脂板、を内蔵する。これに対し左部分53および右部分54は屈曲可能である。
【0029】
図2(B)を参照して、左部分33および右部分34の下面には被連結具としての面ファスナ35,36が設けられる。面ファスナ35,36は前述した面ファスナ55,56(図1(B))よりも広面積であり、各面ファスナ35,36には目盛b,c,dが設けられる。各目盛b,c,dの形状は、弧を描くように延び、面ファスナ55,56の形状に対応する。目盛b,c,dはこの順序で、頭側から足側に向かって配列され、左右対称に配列される。
【0030】
次に、尻サポート部31と足サポート部51の相対距離を調整する足サポート位置調整手段に説明する。図3(A)は、足サポート位置調整手段によって足サポート部51が尻サポート部31に最も近い近接位置にセットされた状態を示す正面図である。図3(B)は、足サポート位置調整手段によって足サポート部51が尻サポート部31から離れた中間位置にセットされた状態を示す正面図である。図4は、足サポート位置調整手段によって足サポート部51が尻サポート部31から最も遠い遠隔位置にセットされた状態を示す図であり、(A)が正面図を、(B)が側面図を表す。
【0031】
足サポート部51が図3(A)の近接位置、図3(B)の中間位置、および図4の遠隔位置のいずれの位置であっても、足サポート部51は尻サポート部31の中央部分32に対して起立し、尻サポート部31の左部分33および右部分34は中央部分32に対して起立し、足サポート部51の左部分53および右部分54は中央部分52に対して起立し、前述した面ファスナ35,55によって左部分33,53同士が連絡し、前述した面ファスナ36,56によって右部分34,54同士が連結する。
【0032】
新生児をインナーシート10の上面に横臥させる場合、図3(A)に示す近接位置にセットされる。このとき各面ファスナ55,56は、各面ファスナ35,36の目盛bに合わさる。目盛bは図4(B)に示すように頭側に設けられる。
【0033】
新生児から成長した乳児をインナーシート10の上面に横臥させる場合、図3(B)に示す中間位置にセットされる。このとき各面ファスナ55,56は、各面ファスナ35,36の目盛cに合わさる。目盛cは図4(B)に示すように足側に設けられる。
【0034】
乳児がさらに成長すると、図4に示す遠隔位置にセットされる。このとき各面ファスナ55,56は、各面ファスナ35,36の目盛dに合わさる。目盛dは図4(B)に示すように目盛cよりもさらに足側に設けられる。
【0035】
本実施形態によれば、左部分33の連結具である面ファスナ35と左部分53の被連結具である面ファスナ56は複数の位置関係から選択される1の位置関係で互いに連結可能であるから、乳児の成長に合わせて、インナーシート10のサイズを変化させることができる。したがって乳児の足を適切に保護することができる。またインナーシート10は、乳児と乳幼児座席装置100の隙間を小さくして、乳児をとり囲むことから、乳児に安心感を与えることができる。
【0036】
なお図2(B)および図4(B)に示す目盛b、c、dの形状および配列は例示的なものであり、面ファスナ同士は任意の箇所で連結可能である。これにより足サポート部51のきめ細かな位置調整が可能である。
【0037】
また本実施形態では、左右方向に関し、左部分53および右部分54が、左部分33および右部分34よりも外側に配置され、左部分33および右部分34の下面に連結される。これにより尻サポート部31の上面に段差が形成されず、座り心地を損なわない。
【0038】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば上述した1の実施形態から一部の構成を抜き出し、上述しない他の実施形態から他の一部の構成を抜き出し、これら抜き出された構成を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、育児器具において有利に利用される。
【符号の説明】
【0040】
10 インナーシート、 11 頭サポート部、
21 胴サポート部、 22 中央領域、 23,24 肩部分、
31 尻サポート部、 35,36 面ファスナ、 41 接続部、
51 足サポート部、 55,56 面ファスナ、
12,32,52 中央部分、 13,33,53 左部分、
14,34,54 右部分、 100 乳幼児座席装置、
101 背もたれ部材、 102 座部材、 103 ヘッドレスト、
104 拘束ベルト、 b,c,d 目盛。
図1
図2
図3
図4