(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ノイズフィルタ
(51)【国際特許分類】
H03H 7/01 20060101AFI20240220BHJP
H01F 17/06 20060101ALI20240220BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240220BHJP
H01F 37/00 20060101ALI20240220BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H03H7/01 Z
H01F17/06 D
H01F27/28 K
H01F37/00 N
H01F27/00 S
(21)【出願番号】P 2020014697
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】秋田 義文
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 知弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 篤弘
(72)【発明者】
【氏名】小島 崇
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-111278(JP,A)
【文献】特開2020-017944(JP,A)
【文献】実開昭52-106555(JP,U)
【文献】実開平01-156596(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H01F17/00-H01F38/42
H01P1/20-H01P1/219
H01P7/00-H01P7/10
H03H1/00-H03H3/00
H03H5/00-H03H7/13
H05K1/00-H05K1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線とコアとを備え、前記配線に含まれるノイズを低減するノイズフィルタであって、
前記配線は、
第1配線部と、
前記第1配線部に並んで設けられており、前記第1配線部に沿って延びる第2配線部と、
前記第1配線部と前記第2配線部とを繋いでおり、コンデンサが接続される接続部と、を備え、
前記コアは、
第1ベースコアと、
前記第1配線部及び前記第2配線部の並ぶ方向において前記第1ベースコアと間隔を開けた状態で前記第1ベースコアと向かい合って配置された第2ベースコアと、
前記第1配線部及び前記第2配線部のうち前記第1配線部
のみを跨いで前記第1ベースコア及び前記第2ベースコアに架け渡された第1分割コアと、
前記第1配線部及び前記第2配線部のうち前記第2配線部
のみを跨いで前記第1ベースコア及び前記第2ベースコアに架け渡された第2分割コアと、を備え、
前記第1分割コアと前記第2分割コアとは前記第1配線部及び前記第2配線部の延びる方向に並んで配置されているノイズフィルタ。
【請求項2】
前記第1ベースコアは、
第1部位と、
前記第1部位から前記第2ベースコアに向けて突出した第1突出部と、を備え、
前記第2ベースコアは、
第2部位と、
前記第2部位から前記第1ベースコアに向けて突出した第2突出部と、を備え、
前記第1分割コアは、前記第1部位と前記第2突出部に架け渡されており、
前記第2分割コアは、前記第2部位と前記第1突出部に架け渡されている請求項1に記載のノイズフィルタ。
【請求項3】
前記第1分割コアと前記第2分割コアとは、前記第1配線部及び前記第2配線部の延びる方向に向かい合って配置されている請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
配線に含まれるノイズを低減するノイズフィルタとしては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のノイズフィルタは、2つのインダクタと、コンデンサと、を備える。コンデンサは、2つのインダクタ同士の接続点に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンデンサには等価直列インダクタンスが存在している。また、コンデンサとインダクタとを接続する配線にも寄生インダクタンスが存在している。これらのインダクタンス成分の影響により、ノイズに対するノイズフィルタの減衰効果が低下するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、ノイズに対する減衰効果の低下を抑制できるノイズフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するノイズフィルタは、配線とコアとを備え、前記配線に含まれるノイズを低減するノイズフィルタであって、前記配線は、第1配線部と、前記第1配線部に並んで設けられており、前記第1配線部に沿って延びる第2配線部と、前記第1配線部と前記第2配線部とを繋いでおり、コンデンサが接続される接続部と、を備え、前記コアは、第1ベースコアと、前記第1配線部及び前記第2配線部の並ぶ方向において前記第1ベースコアと間隔を開けた状態で前記第1ベースコアと向かい合って配置された第2ベースコアと、前記第1配線部を跨いで前記第1ベースコア及び前記第2ベースコアに架け渡された第1分割コアと、前記第2配線部を跨いで前記第1ベースコア及び前記第2ベースコアに架け渡された第2分割コアと、を備え、前記第1分割コアと前記第2分割コアとは前記第1配線部及び前記第2配線部の延びる方向に並んで配置されている。
【0007】
第1ベースコアと第2ベースコアとを間隔を空けて配置することで、第1ベースコアと第2ベースコアとの間の磁気抵抗を高くしている。一方で、第1分割コア及び第2分割コアのそれぞれを第1ベースコア及び第2ベースコアに架け渡している。これにより、磁束がベースコアと分割コアとを交互に通る磁路が形成される。配線に電流が流れると、配線周りの環状の磁束と、上記した磁路を通る磁束が生じる。これらの磁束が互いに強め合うことで、第1配線部と第2配線部を磁気結合させることができる。第1配線部と第2配線部とが磁気結合することで生じる相互インダクタンスは、コンデンサに直列接続されるインダクタンス成分を減じるように作用する。従って、インダクタンス成分による減衰効果の低下を抑制できる。
【0008】
上記ノイズフィルタについて、前記第1ベースコアは、第1部位と、前記第1部位から前記第2ベースコアに向けて突出した第1突出部と、を備え、前記第2ベースコアは、第2部位と、前記第2部位から前記第1ベースコアに向けて突出した第2突出部と、を備え、前記第1分割コアは、前記第1部位と前記第2突出部に架け渡されており、前記第2分割コアは、前記第2部位と前記第1突出部に架け渡されていてもよい。
【0009】
上記ノイズフィルタについて、前記第1分割コアと前記第2分割コアとは、前記第1配線部及び前記第2配線部の延びる方向に向かい合って配置されていてもよい。
第1分割コアと第2分割コアとが第1配線部及び第2配線部が延びる方向に向かい合っていない場合に比べて、第1配線部と第2配線部とが並ぶ方向に対するコアの寸法を短くできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ノイズに対する減衰効果の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】車両に搭載された電力変換装置の概略構成図。
【
図4】配線を省略した状態のノイズフィルタを示す平面図。
【
図5】配線に電流が流れるときに生じる磁束を模式的に示す図。
【
図6】実施形態のノイズフィルタの減衰効果と、比較例のノイズフィルタの減衰効果とを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、ノイズフィルタの一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両10は、バッテリ11と、電力変換装置12と、を備える。電力変換装置12は、DC/DCコンバータ13と、平滑回路20と、ノイズフィルタ30と、を備える。車両10は、電動機を駆動源とする電動車両や、ハイブリッド車両である。バッテリ11は、車両10に搭載される電動機の電力源として用いられる。バッテリ11としては、例えば、リチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池等の充放電可能な蓄電装置が用いられる。ノイズフィルタ30からの出力は、ケーブル等を介して車両10外に伝送され、交流電力に変換された後に家庭内の負荷19に供給される。電力変換装置12は、家庭内の負荷19に電力を供給する。
【0013】
DC/DCコンバータ13は、ブリッジ回路14と、トランス15と、整流回路16と、を備える。トランス15の1次側に設けられたブリッジ回路14は、4つのスイッチング素子Q1~Q4を備える。2つのスイッチング素子Q1,Q2は互いに直列接続されている。2つのスイッチング素子Q3,Q4は互いに直列接続されている。
【0014】
トランス15の2次側に設けられた整流回路16は、4つのダイオードD1~D4を備える。2つのダイオードD1,D2は、互いに直列接続されている。2つのダイオードD3,D4は、互いに直列接続されている。
【0015】
トランス15は、1次側巻線17と、2次側巻線18と、を備える。1次側巻線17は、2つのスイッチング素子Q1,Q2同士の接続点と、2つのスイッチング素子Q3,Q4同士の接続点とに接続されている。2次側巻線18は、2つのダイオードD1,D2同士の接続点と、2つのダイオードD3,D4同士の接続点とに接続されている。
【0016】
DC/DCコンバータ13では、スイッチング素子Q1~Q4のスイッチング動作により、バッテリ11から入力された直流電力が降圧される。本実施形態において、スイッチング素子Q1~Q4のスイッチング周波数は、150kHz~200kHzである。DC/DCコンバータ13は、降圧した直流電力を平滑回路20に出力する。なお、本実施形態では、フルブリッジ方式のDC/DCコンバータ13を用いているが、ハーフブリッジ方式等、どのような方式のDC/DCコンバータを用いてもよい。
【0017】
平滑回路20は、平滑コイル21と、平滑コンデンサ22と、を備える。
ノイズフィルタ30は、2つのインダクタL1,L2と、コンデンサCと、を備える。ノイズフィルタ30は、LCL構成のT型のノイズフィルタである。2つのインダクタL1,L2は互いに直列接続されており、2つのインダクタL1,L2同士の接続点にコンデンサCが接続されている。コンデンサCは、グランドに接続されている。
【0018】
図2に示すように、ノイズフィルタ30は、配線31と、コア50と、ギャップシート91と、を備える。配線31は、電力ラインの一部である。配線31は、例えば、基板に設けられたパターンやバスバーである。配線31は、第1配線部32、第2配線部36及び接続部40を備える。第1配線部32の一端部は、接続部40の一端部に接続され、第2配線部36の一端部は、接続部40の他端部に接続されている。即ち、接続部40は、第1配線部32と第2配線部36とを繋ぐ部材であり、配線31は、略U字状となるように形成されている。
【0019】
第1配線部32は、平滑回路20を介してDC/DCコンバータ13に接続される。第2配線部36は、負荷19に接続される。第1配線部32の両端部のうち接続部40に接続される一端部とは反対側の端部(第1配線部32の他端部)が入力端である。第2配線部36の両端部のうち接続部40に接続される一端部とは反対側の端部(第2配線部36の他端部)が出力端である。
【0020】
図3に示すように、第1配線部32は、第1入力配線部33、第2入力配線部34及び第3入力配線部35を備える。
第1入力配線部33~第3入力配線部35は、接続部40から見て、第1入力配線部33、第2入力配線部34、第3入力配線部35の順に配置されている。
【0021】
第1入力配線部33の一端部は、接続部40の一端部に接続されている。即ち、第1入力配線部33の一端部が、第1配線部32の一端部となる。第1入力配線部33の両端部のうち接続部40に接続された一端部とは異なる端部である第1入力配線部33の他端部は、第2入力配線部34の一端部に接続されている。
【0022】
第2入力配線部34は、第1入力配線部33の延設方向と交わる方向に延設するように、第1入力配線部33に対して配置されている。第2入力配線部34の両端部のうち第1入力配線部33に接続された一端部とは異なる端部である第2入力配線部34の他端部は、第3入力配線部35の一端部に接続されている。
【0023】
第3入力配線部35は、第1入力配線部33の延設方向と同一方向に延設するように、第1入力配線部33及び第2入力配線部34に対して配置されている。なお、第3入力配線部35の両端部のうち第2入力配線部34に接続された一端部とは異なる端部である第3入力配線部35の他端部は、入力端となる。
【0024】
第1配線部32は、クランク形状である。
第2配線部36は、第1出力配線部37、第2出力配線部38及び第3出力配線部39を備える。
【0025】
第1出力配線部37~第3出力配線部39は、接続部40から見て、第1出力配線部37、第2出力配線部38、第3出力配線部39の順に配置されている。
第1出力配線部37の一端部は、接続部40の両端部のうち第1入力配線部33に接続された一端部とは異なる端部である接続部40の他端部に接続されている。即ち、第1出力配線部37の一端部が、第2配線部36の一端部となる。第1出力配線部37の両端部のうち接続部40に接続された一端部とは異なる端部である第1出力配線部37の他端部は、第2出力配線部38の一端部に接続されている。
【0026】
第2出力配線部38は、第1出力配線部37の延設方向と交わる方向に延設するように、第1出力配線部37に対して配置されている。第2出力配線部38の両端部のうち第1出力配線部37に接続された一端部とは異なる端部である第2出力配線部38の他端部は、第3出力配線部39の一端部に接続されている。
【0027】
第3出力配線部39は、第1出力配線部37の延設方向と同一方向に延設するように、第1出力配線部37及び第2出力配線部38に対して配置されている。なお、第3出力配線部39の両端部のうち第2出力配線部38に接続された一端部とは異なる端部である第3出力配線部39の他端部は、出力端となる。
【0028】
第2配線部36は、クランク形状である。
第1配線部32及び第2配線部36は、第2入力配線部34及び第2出力配線部38の延設方向に並んで配置されている。
【0029】
第1入力配線部33と第1出力配線部37とは、第2入力配線部34及び第2出力配線部38の延設方向に互いに向かい合っている。第3入力配線部35と第3出力配線部39とは、第2入力配線部34及び第2出力配線部38の延設方向に互いに向かい合っている。第1入力配線部33と第1出力配線部37との間隔と、第3入力配線部35と第3出力配線部39との間隔とは同一である。
【0030】
第1配線部32と第2配線部36は、同一方向に延びているといえる。なお、第1配線部32と第2配線部36とが同一方向に延びる態様としては、第1配線部32と第2配線部36とが直線状に並んで延びている態様に限られず、本実施形態のように第1配線部32及び第2配線部36の一部が屈曲している態様も含まれる。
【0031】
図2に示すように、接続部40は、湾曲形状である。なお、接続部40は、直線状に形成されていてもよい。接続部40には、接続配線41が接続されている。接続配線41は、例えば、パターンである。接続配線41には、コンデンサCが接続されている。接続部40には、接続配線41を介してコンデンサCが接続されているといえる。なお、コンデンサCは複数設けられているが、
図1では複数のコンデンサCの合成容量を1つのコンデンサCとして示している。
【0032】
図3に示すように、コア50は、第1ベースコア51と、第2ベースコア61と、第1分割コア71と、第2分割コア81と、を備える。コア50としては、金属磁性粉末をバインダとともに高圧プレス成型して作製されるダストコアが用いられる。なお、コア50としては、フェライトコア等、どのようなコアを用いてもよい。
【0033】
図3及び
図4に示すように、第1ベースコア51は、板状である。第1ベースコア51は、第1部位52と、第1部位52から突出する第1突出部53と、を備える。第1部位52は、直線状に延びている。第1突出部53は、第1部位52の延びる方向に交差する方向に突出している。第1部位52の厚みと第1突出部53の厚みは同一である。本実施形態の第1突出部53は、矩形板状である。厚み方向から見て、第1ベースコア51はL字状である。
【0034】
第2ベースコア61は、板状である。第2ベースコア61は、第2部位62と、第2部位62から突出する第2突出部63と、を備える。第2部位62は、直線状に延びている。第2突出部63は、第2部位62の延びる方向に交差する方向に突出している。第2部位62の厚みと第2突出部63の厚みは同一である。本実施形態の第2突出部63は、矩形板状である。厚み方向から見て、第2ベースコア61はL字状である。
【0035】
第1突出部53の第1部位52からの突出方向及び第1突出部53の厚み方向の両方に直交する方向を第1突出部53の幅方向とする。第2突出部63の第2部位62からの突出方向及び第2突出部63の厚み方向の両方に直交する方向を第2突出部63の幅方向とする。第1突出部53の幅方向の寸法W1は、第2突出部63の幅方向の寸法W2よりも長い。
【0036】
第1分割コア71は、Uコアである。第1分割コア71は、第1基部72と、第1基部72から突出する一対の第1脚部73と、を備える。第1基部72は、矩形板状である。一対の第1脚部73は、第1基部72から第1基部72の厚み方向に突出している。一対の第1脚部73同士は互いに向かい合っている。一対の第1脚部73は、互いに同一形状である。本実施形態の第1脚部73は、矩形板状である。第1脚部73の第1基部72からの突出方向及び一対の第1脚部73が互いに向かい合う方向の両方に直交する方向を第1分割コア71の幅方向とすると、第1分割コア71の幅方向の寸法W3は第2突出部63の幅方向の寸法W2以下である。なお、第1基部72、及び一対の第1脚部73で幅方向の寸法は同一である。
【0037】
第2分割コア81は、Uコアである。第2分割コア81は、第2基部82と、第2基部82から突出する一対の第2脚部83と、を備える。第2基部82は、矩形板状である。一対の第2脚部83は、第2基部82から第2基部82の厚み方向に突出している。一対の第2脚部83同士は互いに向かい合っている。一対の第2脚部83は、互いに同一形状である。本実施形態の第2脚部83は、矩形板状である。第2脚部83の第2基部82からの突出方向及び一対の第2脚部83が互いに向かい合う方向の両方に直交する方向を第2分割コア81の幅方向とすると、第2分割コア81の幅方向の寸法W4は第1分割コア71の幅方向の寸法W3よりも長い。第2分割コア81の幅方向の寸法W4は第1突出部53の幅方向の寸法W1以下であり、かつ、第2突出部63の幅方向の寸法W2より長い。なお、第2基部82、及び一対の第2脚部83で幅方向の寸法は同一である。
【0038】
第1分割コア71と第2分割コア81では、体積が異なる。本実施形態において、第1分割コア71と第2分割コア81では、幅方向の寸法が異なっており、幅方向以外の寸法は同一である。なお、「同一」とは、公差の範囲内での寸法の誤差を許容するものである。
【0039】
第1ベースコア51と第2ベースコア61とは、互いに向かい合うように配置されている。詳細にいえば、第1ベースコア51の第1突出部53が第2ベースコア61に向けて突出し、第2ベースコア61の第2突出部63が第1ベースコア51に向けて突出する態様で第1ベースコア51及び第2ベースコア61は配置されている。第1突出部53は、第2部位62に向けて突出している。第2突出部63は、第1部位52に向けて突出している。第1突出部53と第2突出部63とは、第1部位52及び第2部位62が延びる方向において、互いに向かい合っている。
【0040】
第1ベースコア51と第2ベースコア61とは、互いに間隔を開けて配置されている。第1突出部53と第2部位62との間、及び第2突出部63と第1部位52との間にはそれぞれギャップG1が形成されている。それぞれのギャップG1は、第1ベースコア51と第2ベースコア61とが向かい合う方向に対する寸法W11が同一である。なお、第1ベースコア51と第2ベースコア61とが向かい合う方向は、第1突出部53の第1部位52からの突出方向と同一方向である。同様に、第1ベースコア51と第2ベースコア61とが向かい合う方向は、第2突出部63の第2部位62からの突出方向と同一方向である。
【0041】
第1分割コア71は、第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている。第1ベースコア51の厚み方向の面、及び第2ベースコア61の厚み方向の面のそれぞれに第1分割コア71の第1脚部73が向かい合うように配置されることで第1分割コア71は第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている。一対の第1脚部73のうち第1ベースコア51に配置される第1脚部73は第1部位52に向かい合うように配置され、一対の第1脚部73のうち第2ベースコア61に配置される第1脚部73は第2突出部63に向かい合うように配置されている。第1基部72から突出する第1脚部73は、2つのベースコア51,61に向けて突出しているといえる。第1分割コア71、第1ベースコア51及び第2ベースコア61に囲まれる領域は、配線31が通される第1挿通部74となる。なお、第1分割コア71が第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている状態とは、第1基部72の厚み方向から見て、第1分割コア71が第1ベースコア51及び第2ベースコア61に跨がって配置されている状態である。
【0042】
第2分割コア81は、第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている。第1ベースコア51の厚み方向の面、及び第2ベースコア61の厚み方向の面のそれぞれに第2分割コア81の第2脚部83が向かい合うように配置されることで第2分割コア81は第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている。一対の第2脚部83のうち第1ベースコア51に配置される第2脚部83は第1突出部53に向かい合うように配置され、一対の第2脚部83のうち第2ベースコア61に配置される第2脚部83は第2部位62に向かい合うように配置されている。第2基部82から突出する第2脚部83は、2つのベースコア51,61に向けて突出しているといえる。第2分割コア81、第1ベースコア51及び第2ベースコア61に囲まれる領域は、配線31が通される第2挿通部84となる。なお、第2分割コア81が第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている状態とは、第2基部82の厚み方向から見て、第2分割コア81が第1ベースコア51及び第2ベースコア61に跨がって配置されている状態である。
【0043】
第1分割コア71と第2分割コア81とは、第1ベースコア51と第2ベースコア61とが向かい合う方向にずれて配置されている。第1挿通部74は、第2分割コア81の第2脚部83に向かい合っている。第2挿通部84は、第1分割コア71の第1脚部73に向かい合っている。
【0044】
第1脚部73と第1ベースコア51との間、第1脚部73と第2ベースコア61との間、第2脚部83と第1ベースコア51との間、及び第2脚部83と第2ベースコア61との間には、それぞれギャップシート91が配置されている。ギャップシート91により、各脚部73,83と各ベースコア51,61との間には、磁気的なギャップが形成されているといえる。
【0045】
図2及び
図3に示すように、第1配線部32の第3入力配線部35は、第1ベースコア51の第1部位52において第1分割コア71の第1脚部73及び第2分割コア81の第2脚部83と向き合っていない部分の上に設けられている。第1配線部32の第3入力配線部35は、第2挿通部84の外部に設けられている。第1配線部32の第3入力配線部35は、第2分割コア81の一対の第2脚部83のうち第1ベースコア51に配置された第2脚部83に沿って設けられている。第1配線部32の第2入力配線部34は、第1分割コア71と第2分割コア81との間を通り、第1挿通部74に向かい合う位置まで延びている。第1配線部32の第1入力配線部33は、第1挿通部74を挿通している。第1配線部32は、第1ベースコア51の第1部位52に沿って延びている。第1部位52は、第1配線部32の延びる方向に延びている。第1ベースコア51は、第1配線部32の配置されるベースコアといえる。
【0046】
接続部40は、第1挿通部74を挿通した配線31を第2分割コア81に向けて折り返す。第2配線部36の第1出力配線部37は、第2ベースコア61の第2部位62において第1分割コア71の第1脚部73及び第2分割コア81の第2脚部83と向き合っていない部分の上に設けられている。第2配線部36の第1出力配線部37は、第1挿通部74の外部に設けられている。第2配線部36の第1出力配線部37は、第1分割コア71の一対の第1脚部73のうち第2ベースコア61に配置された第1脚部73に沿って設けられている。第2配線部36の第1出力配線部37と第1配線部32の第1入力配線部33とは、第2ベースコア61上に配置された第1脚部73を挟んで向かい合っている。第2配線部36の第2出力配線部38は、第1分割コア71と第2分割コア81との間を通り、第2挿通部84に向かい合う位置まで延びている。第2配線部36の第3出力配線部39は第2挿通部84を挿通している。第2配線部36の第3出力配線部39と第1配線部32の第3入力配線部35とは、第1ベースコア51上に配置された第2脚部83を挟んで向かい合っている。第2配線部36は、第2ベースコア61の第2部位62に沿って延びている。第2部位62は、第2配線部36の延びる方向に延びている。第2ベースコア61は、第2配線部36の配置されるベースコアといえる。
【0047】
第1配線部32及び第2配線部36は、第1分割コア71と第2分割コア81とが向かい合う方向に延びており、第1分割コア71と第2分割コア81とは第1配線部32及び第2配線部36の延びる方向に並んで配置されているといえる。また、第1突出部53は、第1部位52から第1配線部32と第2配線部36とが並ぶ方向に突出しているといえる。第2突出部63は、第2部位62から第1配線部32と第2配線部36とが並ぶ方向に突出しているといえる。なお、第1分割コア71と第2分割コア81とが第1配線部32及び第2配線部36の延びる方向に並んで配置されている態様とは、第1分割コア71と第2分割コア81とが第1配線部32と第2配線部36の並ぶ方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。第1分割コア71と第2分割コア81とは、第1配線部32及び第2配線部36の延びる方向に互いに向かい合っていてもよいし、第1配線部32及び第2配線部36の延びる方向に互いに向かい合っていなくてもよい。本実施形態では、第1分割コア71と第2分割コア81とは、第1配線部32及び第2配線部36の延びる方向に互いに向かい合っている。
【0048】
第1配線部32は第1挿通部74を通っているため、第1分割コア71は、第1配線部32を跨いでいるといえる。第2配線部36は第2挿通部84を通っているため、第2分割コア81は、第2配線部36を跨いでいるといえる。
【0049】
コア50は、配線31を流れる電流によって発生する磁界に作用して、インダクタL1,L2を構成する。本実施形態では、第1配線部32、第1分割コア71及び2つのベースコア51,61によって1つのインダクタL1が構成され、第2配線部36、第2分割コア81及び2つのベースコア51,61によって1つのインダクタL2が構成されていると捉えることができる。
【0050】
本実施形態の作用について説明する。
配線31に高周波のノイズ電流が流れると、コア50内にノイズ電流に対応した磁界が生じる。ノイズ電流は交流であるため、コア内の磁界はノイズ電流の位相の変化に伴って変化し、コアのヒステリシス損や渦電流損などの磁気損失が生じることで、ノイズ電流のエネルギーは消費される。これにより、ノイズ電流が低減される。
【0051】
図1に示すように、ノイズフィルタ30は、インダクタンス成分L3を備える。このインダクタンス成分L3は、コンデンサCの等価直列インダクタンスやコンデンサCが接続される接続配線41の寄生インダクタンスに起因するものである。インダクタンス成分L3が大きいほど、ノイズフィルタ30のノイズ減衰効果は低下する。
【0052】
本実施形態のノイズフィルタ30では、第1配線部32と第2配線部36を磁気結合させることでノイズフィルタ30の減衰効果を向上させている。詳細にいえば、インダクタL1とインダクタL2を磁気結合させることで生じる相互インダクタンスMによってノイズフィルタ30の減衰効果を向上させている。相互インダクタンスMは、インダクタンス成分L3を低減させるように作用する。相互インダクタンスMは、以下の式で表すことができる。
【0053】
【数1】
上記式において、kは磁気結合の度合いを示す結合係数であり、本実施形態では0≦k≦1の値をとる。L
1はインダクタL1のインダクタンスである。L
2はインダクタL2のインダクタンスである。上記式により算出できる相互インダクタンスMによってインダクタンス成分L3の少なくとも一部を相殺することで、高周波帯域のノイズに対する減衰効果を向上させることができる。
【0054】
本実施形態のノイズフィルタ30では、コア50の形状により、インダクタL1とインダクタL2との磁気結合を強めている。コア50の形状を実施形態のようにすると、入力側から出力側に流れる電流を正としたとき、第1配線部32から生じる磁束と第2配線部36から生じる磁束が互いに強め合うため、相互インダクタンスMの符号が正となるように磁気結合することができる。詳細にいえば、第1ベースコア51と第2ベースコア61とをギャップG1を介して配置し、第1ベースコア51と第2ベースコア61との間の磁気抵抗を高くしている。一方で、第1分割コア71及び第2分割コア81のそれぞれを第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡している。これにより、第1ベースコア51→第2分割コア81→第2ベースコア61→第1分割コア71→第1ベースコア51…のように、磁束がベースコア51,61と分割コア71,81とを交互に通る磁路が形成される。これにより、
図5に示すように、配線31に電流が流れると、配線31周りの環状の磁束Φ1と、上記した磁路を通る磁束Φ2が生じる。これらの磁束Φ1,Φ2が互いに強め合うことで、インダクタンス成分L3を減じるように相互インダクタンスMを作用させることができる。
【0055】
このノイズフィルタ30では、第1ベースコア51と第2ベースコア61との間のギャップG1の寸法、第1分割コア71の体積と第2分割コア81の体積の差分、各脚部73,83と各ベースコア51,61との間の磁気的なギャップの寸法等を調整することで、相互インダクタンスMが調整される。これにより、相互インダクタンスMによってインダクタンス成分L3の少なくとも一部を相殺することができる。この結果、ノイズフィルタ30は、高周波帯域のノイズに対して高い減衰性能を発揮することができる。なお、インダクタンス成分L3と相互インダクタンスMは、|L3-M|<L3の関係が成立すれば、ノイズフィルタ30の減衰性能は向上する。L3はインダクタンス成分L3のインダクタンスである。
【0056】
図6には、縦軸を利得=減衰率とし、横軸を周波数とし、ノイズフィルタ30の減衰効果を示している。実線は、本実施形態のノイズフィルタ30の減衰効果を示しており、一点鎖線は比較例のノイズフィルタの減衰効果を示す。比較例のノイズフィルタは、2つの環状のコアに配線を通すことで、2つの環状のコアと配線とのそれぞれで2つのインダクタを構成したものである。
【0057】
比較例のノイズフィルタでは、150kHz~200kHzを境に減衰効果が低下している。これに対し、本実施形態のノイズフィルタ30では、150kHz~200kHz以下の帯域でも減衰効果の低下が抑制されている。
【0058】
なお、DC/DCコンバータ13からの出力電力が家庭内の負荷19に供給されるようにすると、DC/DCコンバータ13からの出力電力に含まれるノイズが家庭内に流入しないように、ノイズを減衰させる周波数帯域を広くすることが求められる場合がある。本実施形態のノイズフィルタ30には、スイッチング周波数以下の周波数帯域、及びAM放送に用いられる周波数以上の周波数帯域のノイズを減衰することが求められている。広い周波数帯域に亘ってノイズを減衰させるため、フィルタの数やコンデンサCの数を増加させることも考えられる。しかしながら、フィルタやコンデンサCの数を多くした場合、電力変換装置12の大型化を招く。これに対し、コア50の形状によりノイズに対する減衰効果を向上させている。従って、フィルタの数を多くしたり、コンデンサCの数を多くする場合に比べて、電力変換装置12の大型化を抑制しつつノイズフィルタ30の減衰効果を向上させることができる。
【0059】
本実施形態の効果について説明する。
(1)第1分割コア71は、第1配線部32を跨いで第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている。第2分割コア81は、第2配線部36を跨いで第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡されている。コア50の形状により磁束が通る磁路を形成することで、第1配線部32と第2配線部36を磁気結合させることができる。第1配線部32と第2配線部36が磁気結合することで生じる相互インダクタンスMは、コンデンサCに直列接続されるインダクタンス成分L3を減じるように作用する。従って、インダクタンス成分L3によるノイズ減衰効果の低下を抑制できる。
【0060】
(2)第1ベースコア51は、第1突出部53を備える。第2ベースコア61は、第2突出部63を備える。第1突出部53は第2分割コア81を配置する部位となり、第2突出部63は第1分割コア71を配置する部位となる。第1分割コア71及び第2分割コア81のそれぞれを第1部位52及び第2部位62に架け渡す場合に比べて、第1分割コア71及び第2分割コア81を小型化することができる。
【0061】
(3)第1分割コア71と第2分割コア81とは、第1配線部32及び第2配線部36が延びる方向に向かい合っている。第1分割コア71と第2分割コア81とが第1配線部32及び第2配線部36が延びる方向に向かい合っていない場合に比べて、第1配線部32と第2配線部36とが並ぶ方向に対するコア50の寸法を短くできる。従って、ノイズフィルタ30の小型化を図ることができる。
【0062】
(4)ノイズフィルタ30は、トランス15の二次側に設けられた出力フィルタである。DC/DCコンバータ13で降圧を行っているため、トランス15の二次側を流れる電流は、トランス15の一次側を流れる電流に比べて大きくなる。電流が大きい場合、インダクタL1,L2のインダクタンスを大きくすることでノイズフィルタ30の減衰効果を向上させようとすると、インダクタL1,L2の大型化によりノイズフィルタ30の大型化を招く。従って、トランス15の二次側に設けられた出力フィルタでは、インダクタL1,L2のインダクタンスを大きくすることで減衰効果の向上を図ることが困難である。相互インダクタンスMによりインダクタンス成分L3の影響による減衰効果の低下を抑制することで、インダクタL1,L2のインダクタンスを大きくすることなくノイズフィルタ30の減衰効果を向上させることができる。従って、電流が大きい場合であっても、好適にノイズを減衰させることができる。
【0063】
(5)第1ベースコア51と第2ベースコア61との間のギャップG1の寸法W11、第1分割コア71の体積と第2分割コア81の体積、各脚部73,83と各ベースコア51,61との間の磁気的なギャップの寸法等を調整することで、相互インダクタンスMが調整される。従って、予め相互インダクタンスMを調整し、相互インダクタンスMに合わせてコンデンサCの数や、接続配線41の寸法を調整することも可能である。言い換えれば、相互インダクタンスMに合わせたインダクタンス成分L3が生じるように調整を行うことができれば、コンデンサCの数や接続配線41の寸法を任意に調整することができる。従って、インダクタンス成分L3を小さくするために接続配線41を短くしたり、コンデンサCの数を少なくしたりする必要がない。
【0064】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○第1ベースコア51の形状及び第2ベースコア61の形状は、第1分割コア71及び第2分割コア81を架け渡すことができれば、どのような形状であってもよい。例えば、第1ベースコア51は、第1突出部53を備えていなくてもよいし、第2ベースコア61は第2突出部63を備えていなくてもよい。この場合、第1分割コア71及び第2分割コア81は、第1部位52及び第2部位62に架け渡される。
【0065】
○第1分割コア71の形状及び第2分割コア81の形状は、第1ベースコア51及び第2ベースコア61に架け渡すことができれば、どのような形状であってもよい。例えば、第1ベースコア51及び第2ベースコア61のそれぞれが厚み方向に突出する支持部を備えている場合、当該支持部に架け渡されるように各分割コア71,81は直線状であってもよい。
【0066】
○第1分割コア71の形状と第2分割コア81の形状とは異なっていてもよい。第1分割コア71の形状と第2分割コア81の形状とは同一であってもよい。
○第1分割コア71と第2分割コア81とは、第1配線部32及び第2配線部36の延びる方向に向かい合っていなくてもよい。
【0067】
○第1分割コア71と第2分割コア81とは、第1挿通部74と第2挿通部84とが向かい合うように設けられていてもよい。
○第1ベースコア51と第2ベースコア61とは、同一形状であってもよい。
【0068】
○第1ベースコア51、第2ベースコア61、第1分割コア71及び第2分割コア81は、それぞれ異なる材料製であってもよい。この場合、第1ベースコア51、第2ベースコア61、第1分割コア71及び第2分割コア81の材料を異ならせることで、相互インダクタンスMを調整してもよい。
【0069】
○第1突出部53と第2部位62との間のギャップG1と、第2突出部63と第1部位52との間のギャップG1とは、互いに寸法W11が異なっていてもよい。
○各脚部73,83と各ベースコア51,61との間の磁気的なギャップは存在しなくてもよい。この場合、ギャップシート91は設けられていなくてもよい。
【0070】
○第1ベースコア51と第2ベースコア61との間には、ギャップシート等が配置されていてもよい。第1ベースコア51と第2ベースコア61との間には、磁気的なギャップが存在していればよい。
【0071】
○ノイズフィルタ30は、交流電力に含まれるノイズを減衰するために用いてもよい。
○ノイズフィルタ30は、ノイズを減衰させる必要のある機器であれば、どのような機器に設けられてもよい。
【0072】
○ノイズフィルタ30の出力は、車両10内の負荷など、どのような負荷に供給されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
C…コンデンサ、L1,L2…インダクタ、30…ノイズフィルタ、31…配線、32…第1配線部、36…第2配線部、40…接続部、50…コア、51…第1ベースコア、52…第1部位、53…第1突出部、61…第2ベースコア、62…第2部位、63…第2突出部、71…第1分割コア、81…第2分割コア。