(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】設置装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20240220BHJP
B60Q 1/50 20060101ALI20240220BHJP
B60Q 1/34 20060101ALI20240220BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240220BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240220BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20240220BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240220BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240220BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20240220BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240220BHJP
【FI】
B60Q1/00 E
B60Q1/50 Z
B60Q1/34 B
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/239
F21Y115:10
F21W103:20
F21W105:00
F21W103:00
(21)【出願番号】P 2020034183
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 智三
(72)【発明者】
【氏名】遠山 卓男
(72)【発明者】
【氏名】小塚 一輝
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-263028(JP,A)
【文献】登録実用新案第3159243(JP,U)
【文献】登録実用新案第3161007(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
B60R 1/00
B60Q 1/50
F21S 43/14
F21S 43/237
F21S 43/239
F21Y 115/10
F21W 103/20
F21W 105/00
F21W 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車外側に設置される設置体と、
前記設置体に設けられ、
前記設置体の車両後側の車外に光を照射して警告する警告部と、
前記設置体に設けられると共に、前記警告部の車外側に配置され、車外に光を照射して車両の進行方向の変更を報知する報知部と、
前記設置体に設けられ、車外を撮像する撮像装置と、
を備える設置装置。
【請求項2】
車両の車外側に設置される設置体と、
前記設置体に設けられ、車外に光を照射して警告する警告部と、
前記設置体に設けられると共に、前記警告部の車外側に配置され、車外に光を照射して車両の進行方向の変更を報知する報知部と、
前記設置体に設けられ、車外を撮像すると共に、前記設置体が格納された際に車外に露出されない撮像装置と、
を備える設置装置。
【請求項3】
前記撮像装置が警告対象を撮像した場合に前記警告部が車外に光を照射する請求項1又は請求項2記載の設置装置。
【請求項4】
前記設置体に設けられ、前記警告部と前記報知部とを分離する分離部を備える請求項1~請求項3の何れか1項記載の設置装置。
【請求項5】
前記撮像装置に設けられると共に、周囲に前記分離部が配置され、光が入射されて前記撮像装置が撮像するレンズを備える請求項4記載の設置装置。
【請求項6】
前記警告部と前記報知部とが並設される請求項1~請求項5の何れか1項記載の設置装置。
【請求項7】
前記設置体が格納された際に前記警告部及び前記報知部の少なくとも一方が車外に露出される請求項1~請求項6の何れか1項記載の設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警告部と報知部とが設けられる設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の支援システムでは、車両の後側方に近接物体が存在する場合に、車室内のディスプレイに警告表示が表示される。
【0003】
ここで、車両の車外側に設置体が設置されると共に、設置体にウィンカが設けられる場合には、設置体の車外側にウィンカが設けられるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、報知部を設置体の車外側に容易に配置できる設置装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の設置装置は、車両の車外側に設置される設置体と、前記設置体に設けられ、車外に光を照射して警告する警告部と、前記設置体に設けられると共に、前記警告部の車外側に配置され、車外に光を照射して車両の進行方向の変更を報知する報知部と、前記設置体に設けられ、車外を撮像する撮像装置と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様の設置装置は、本発明の第1態様の設置装置において、前記撮像装置が警告対象を撮像した場合に前記警告部が車外に光を照射する。
【0008】
本発明の第3態様の設置装置は、本発明の第1態様又は第2態様の設置装置において、前記設置体に設けられ、前記警告部と前記報知部とを分離する分離部を備える。
【0009】
本発明の第4態様の設置装置は、本発明の第3態様の設置装置において、前記撮像装置に設けられると共に、周囲に前記分離部が配置され、光が入射されて前記撮像装置が撮像するレンズを備える。
【0010】
本発明の第5態様の設置装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つの設置装置において、前記警告部と前記報知部とが並設される。
【0011】
本発明の第6態様の設置装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つの設置装置において、前記設置体が格納された際に前記警告部及び前記報知部の少なくとも一方が車外に露出される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様の設置装置は、車両の車外側に設置体が設置されており、設置体の警告部が車外に光を照射して警告すると共に、設置体の報知部が車外に光を照射して車両の進行方向の変更を報知する。また、設置体の撮像装置が車外を撮像する。
【0013】
ここで、報知部が警告部の車外側に配置される。このため、報知部を警告部に阻害されずに設置体の車外側に配置でき、報知部を設置体の車外側に容易に配置できる。
【0014】
本発明の第2態様の設置装置では、撮像装置が警告対象を撮像した場合に、警告部が車外に光を照射する。このため、警告対象の検出装置を別途設ける必要性を低くできる。
【0015】
本発明の第3態様の設置装置では、設置体の分離部が警告部と報知部とを分離する。このため、警告部が照射する光と報知部が照射する光とを容易に区別できる。
【0016】
本発明の第4態様の設置装置では、撮像装置のレンズに光が入射されて、撮像装置が撮像する。
【0017】
ここで、レンズの周囲に分離部が配置される。このため、レンズの周囲において警告部及び報知部が照射する光の光量を少なくでき、警告部及び報知部が照射する光が撮像装置の撮像画像に影響を与えることを抑制できる。
【0018】
本発明の第5態様の設置装置では、警告部と報知部とが並設される。このため、設置体を警告部と報知部との並設垂直方向において小型化できる。
【0019】
本発明の第6態様の設置装置では、設置体が格納された際に、警告部及び報知部の少なくとも一方が車外に露出される。このため、設置体が格納された際でも、警告部及び報知部の少なくとも一方が車外に光を照射できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るカメラ装置を示す車両後側かつ車幅方向外側から見た斜視図であり、(A)は、カメラ装置の設置体の展開時を示し、(B)は、カメラ装置の設置体の格納時を示している。
【
図2】本発明の実施形態に係るカメラ装置のランプユニットを示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るカメラ装置のコーションランプを示す車両前側かつ車幅方向外側から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るカメラ装置を示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1(A)には、本発明の実施形態に係る設置装置としてのカメラ装置10が車両後側かつ車幅方向外側(車両右側)から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
【0022】
図1(A)に示す如く、本実施形態に係るカメラ装置10は、車両12(自動車)の設置対象としての板状のフェンダパネル14(フロントフェンダパネル)に設置されている。フェンダパネル14の車両後側端部の上下方向中間部には、略矩形状の設置孔14Aが貫通形成されており、設置孔14Aは、車両前後方向に延伸されると共に、下端の車両前側部が車両前側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0023】
フェンダパネル14の車両後側には、車両12のサイドドア16(フロントサイドドア)が配置されており、サイドドア16は、閉鎖されている。サイドドア16の車室側には、ドアノブ(図示省略)が設けられており、車両12の乗員(例えば運転手)がドアノブを操作することで、サイドドア16が、車両前側端部を中心として車幅方向外側に回動可能にされて、開放可能にされる。
【0024】
図2に示す如く、車両12には、ロック機構18が設けられており、乗員がロック機構18をロック操作することで、ロック機構18が例えばドアノブの操作を規制して、サイドドア16の開放が規制される。また、乗員がロック機構18をアンロック操作することで、ロック機構18が例えばドアノブの操作規制を解除して、サイドドア16の開放規制が解除される。
【0025】
サイドドア16のドアノブには、接触センサ20が設けられており、接触センサ20は、例えば所謂静電容量センサにされて、ドアノブへの乗員の接触を検出する。車両12には、開閉センサ22が設けられており、開閉センサ22は、サイドドア16の閉鎖及び開放を検出する。車両12には、接近センサ24が設けられており、接近センサ24は、サイドドア16への車外からの乗員の接近を検出する。車両12には、操作部26が設けられており、乗員が車両12の進行方向をカメラ装置10設置側(本実施形態では、右側)に変更する前には、乗員が操作部26を作動操作する。
【0026】
車両12には、速度センサ30が設けられており、速度センサ30は、車両12の速度を検出する。車両12の後端部には、検出装置としてのレーダ44が設けられており、レーダ44は、車両12の後側かつカメラ装置10設置側における乗員の死角に存在する他車両(警告対象)を検出する。車両12の車室内には、シートベルト(図示省略)が設けられると共に、着脱センサ52が設けられており、着脱センサ52は、シートベルトの乗員に対する装着及び離脱を検出する。
【0027】
上記ロック機構18、接触センサ20、開閉センサ22、接近センサ24、操作部26、速度センサ30、レーダ44及び着脱センサ52は、車両12の制御装置28(ECU)に電気的に接続されている。
【0028】
フェンダパネル14内には、支持体としてのリトラクタ32(
図4参照)が固定されており、リトラクタ32は、設置孔14Aの車幅方向内側に配置されている。リトラクタ32は、内側に作動部としての回動部32Aが設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、リトラクタ32が作動されて、回動部32Aが車両前後方向に平行な回動中心軸線Oを中心として回動される。
【0029】
図1(A)に示す如く、リトラクタ32の回動部32Aには、略三角柱状の設置体34(
図4参照)が支持されており、設置体34は、回動部32Aと一体回動可能にされている。設置体34は、展開されており、設置体34は、車幅方向内側部分においてフェンダパネル14の設置孔14Aに貫通された状態で、フェンダパネル14の車幅方向外側に突出されている。リトラクタ32が作動されて、回動部32Aが一側に回動された際には、設置体34が下側かつ車幅方向内側へ回動されて、格納される(
図1(B)参照)。さらに、リトラクタ32が作動されて、回動部32Aが他側に回動された際には、設置体34が上側かつ車幅方向外側へ回動されて、展開(復帰)される。
【0030】
設置体34の上側部分には、照射ユニットとしてのランプユニット36(
図2参照)が設けられている。
【0031】
ランプユニット36の下側部分には、筐体を構成する外周部材としての略矩形板状のハウジング38が設けられており、ハウジング38は、光を透過不能にされると共に、リトラクタ32の回動部32Aに組付けられている(
図4参照)。ハウジング38は、車幅方向外側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されており、ハウジング38の車幅方向外側端の車両前側部は、車両前側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に傾斜されている。ハウジング38上には、遮蔽部としての断面略U字形板状の遮蔽板38Aが一体形成されており、遮蔽板38Aは、ハウジング38の車幅方向外側端及び車両後側端の車幅方向外側部に配置されている。遮蔽板38Aの車幅方向外側の部分内は、車幅方向外側に開放されており、遮蔽板38Aの車両後側の部分内は、車両後側に開放されている。遮蔽板38Aの車両前側端(車幅方向外側の部分の車両前側端)は、遮蔽板38A内を車両前側に開放しており、遮蔽板38Aの車両後側端(車両後側の部分の車幅方向内側端)は、遮蔽板38A内を車幅方向内側に対し遮蔽している。
【0032】
ランプユニット36には、報知装置(第1放射装置)としてのターンランプ40が設けられている。ターンランプ40には、第1出射部としてのターン回路基板40Aが設けられており、ターン回路基板40Aは、遮蔽板38Aの車両前側端の車両前側に固定されている。ターン回路基板40Aは、LED(図示省略)が設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、ターンランプ40が作動されて、ターン回路基板40A(LED)が遮蔽板38Aの車両前側端の車両前側から遮蔽板38A内(車両後側)に光を間欠出射する。
【0033】
ターンランプ40には、第1案内部としての略円柱状のターンライトガイド40Bが設けられており、ターンライトガイド40Bは、遮蔽板38Aの車幅方向外側の部分内に配置されると共に、遮蔽板38Aに沿って延伸されている。ターンライトガイド40Bは、透明にされており、ターンライトガイド40Bは、ターン回路基板40A(LED)が出射した光を、長手方向に案内して、車幅方向外側及び車両後側に放射する。
【0034】
ランプユニット36には、警告装置(第2放射装置)としてのコーションランプ42が設けられている。コーションランプ42には、第2出射部としてのコーション回路基板42Aが設けられており、コーション回路基板42Aは、ハウジング38上の車幅方向内側かつ車両後側の部分に固定されている。コーション回路基板42Aは、LED(図示省略)が設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーション回路基板42A(LED)が車両後側に光を出射する。
【0035】
コーションランプ42には、第2案内部としての略円柱状のコーションライトガイド42Bが設けられており、コーションライトガイド42Bは、基端側部分がコーション回路基板42Aから車両後側に延出されると共に、先端側部分が車幅方向外側に延出されている。コーションライトガイド42Bの先端側部分の車両前側端部には、反射部としての三角柱状の反射柱42C(
図3参照)が複数一体形成されており、複数の反射柱42Cは、それぞれ上下方向に延伸されると共に、車幅方向に並べられている。コーションライトガイド42Bは、透明にされており、コーションライトガイド42Bは、コーション回路基板42A(LED)が出射した光を、長手方向に案内すると共に、反射柱42Cにより反射して、先端側部分から車両後側に放射する。
【0036】
ランプユニット36の上側部分には、筐体を構成する透過部材としての略直方体形箱状の透過レンズ46が設けられており、透過レンズ46は、内部が下側に開放されると共に、外周壁の車幅方向外側部分の車両前側部が車両前側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に傾斜されている。透過レンズ46は、外周壁がハウジング38の外周の外側に嵌合されて、ハウジング38に組付けられており(固定されており)、ハウジング38と透過レンズ46との間には、ハウジング38の遮蔽板38A、ターンランプ40及びコーションランプ42が収容されている。透過レンズ46は、透明にされると共に、内面(裏側面)の一部を除く部分に遮蔽部位としての例えば金属製の遮蔽膜46Aが形成されており、遮蔽膜46Aは、光を透過不能にされている。
【0037】
透過レンズ46の外周壁には、車幅方向外側の車両前側端部を除く部分から車両後側の車幅方向外側端部において、報知部(第1透過部)としてのターンレンズ46Bが形成されている。透過レンズ46のターンレンズ46B形成部分には、遮蔽膜46Aが形成されておらず、ターンランプ40のターンライトガイド40Bから放出された光が、ターンレンズ46Bを透過されて、ターンレンズ46Bから車幅方向外側及び車両後側に照射される。
【0038】
透過レンズ46の外周壁には、車両後側の車幅方向中間部において、警告部(第2透過部)としてのコーションレンズ46C(
図1(A)参照)が形成されており、コーションレンズ46Cは、ターンレンズ46Bの車両後側部分の車幅方向内側に並設されている。コーションレンズ46Cは、フェンダパネル14の上下方向中間部の車幅方向外側近傍に配置されており、コーションレンズ46Cは、乗員が目視不能にされている。透過レンズ46のコーションレンズ46C形成部分には、遮蔽膜46Aが形成されておらず、コーションランプ42のコーションライトガイド42Bから放出された光が、コーションレンズ46Cを透過されて、コーションレンズ46Cから車両後側に照射される。
【0039】
透過レンズ46の外周壁には、ターンレンズ46Bの車両後側部分とコーションレンズ46Cとの間において、分離部46D(
図1(A)参照)が形成されており、分離部46Dは、ターンレンズ46Bの車両後側部分とコーションレンズ46Cとを車幅方向において分離している。透過レンズ46の分離部46D形成部分には、遮蔽膜46Aが形成されており、分離部46Dは、光を透過不能にされている。コーションレンズ46Cは、ハウジング38の遮蔽板38A内から隔離されており、ターンランプ40のターンライトガイド40Bから放出された光がコーションレンズ46Cを透過されてコーションレンズ46Cから照射されることが制限されると共に、コーションライトガイド42Bから放出された光がターンレンズ46Bを透過されてターンレンズ46Bから照射されることが制限されている。
【0040】
設置体34が格納された際には、透過レンズ46がフェンダパネル14から車幅方向外側(フェンダパネル14の外側)に突出されて、透過レンズ46のターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが車外に露出される(
図1(B)参照)。
【0041】
設置体34の下側部分には、撮像ユニットとしてのカメラユニット48が設けられている。
【0042】
カメラユニット48の外周には、外周体としての断面U字形枠状のバイザ50(
図4参照)が設けられており、バイザ50内は、上側及び車幅方向内側に開放されている。バイザ50の下側部分は、リトラクタ32の回動部32Aの回動中心軸線Oを中心として湾曲されて、車幅方向外側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されており、バイザ50の下側部分の車両前側部は、車両前側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に傾斜されている。
【0043】
バイザ50は、リトラクタ32の回動部32A及びランプユニット36のハウジング38に組付けられており、バイザ50は、回動部32A及びランプユニット36と一体回動可能にされている。バイザ50内の上側は、ランプユニット36によって閉鎖されており、バイザ50の車幅方向外側、車両前側及び車両後側の外周面は、それぞれランプユニット36の透過レンズ46外周壁の車幅方向外側、車両前側及び車両後側の外周面と面一にされている。
【0044】
バイザ50の車両後側部分には、露出部としての円錐台形筒状の後露出筒50A(
図1(A)参照)が形成されており、後露出筒50Aは、車両後側へ向かうに従い拡径されると共に、内部がバイザ50内を車両後側に開放している。後露出筒50Aの車両後側端の上側には、ランプユニット36における透過レンズ46の分離部46Dが配置されており、後露出筒50Aの車両後側端の上側かつ車幅方向外側には、透過レンズ46のターンレンズ46Bが配置されると共に、後露出筒50Aの車両後側端の上側かつ車幅方向内側には、透過レンズ46のコーションレンズ46Cが配置されている。
【0045】
バイザ50の車両後側部分には、撮像装置としての後カメラ54が固定されており、後カメラ54のレンズ54A(
図1(A)参照)は、車両後側に向けられて、バイザ50の後露出筒50A内を介してバイザ50の車両後側に露出されている。後カメラ54は、制御装置28に電気的に接続されており、後カメラ54は、制御装置28の制御により、レンズ54Aを介してバイザ50の車両後側を撮像する。制御装置28には、表示装置としてのモニタ56が電気的に接続されており、制御装置28の制御により、モニタ56に後カメラ54が撮像した画像が表示される。モニタ56は、車室内に設置されており、モニタ56に表示される画像を乗員が確認可能にされている。
【0046】
後カメラ54の撮像領域の外周は、バイザ50の後露出筒50Aの内周面と重複しており、後カメラ54の撮像範囲は、モニタ56に表示される画像範囲よりも大きくされると共に、車両12の後側かつカメラ装置10設置側における乗員の死角を含んでいる。
【0047】
設置体34が格納された際には、カメラユニット48がフェンダパネル14の車幅方向内側に収納されて、後カメラ54のレンズ54Aが車両12の内側に収納される(
図1(B)参照)。
【0048】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0049】
以上の構成のカメラ装置10では、車両12に乗員が乗車して、乗員にシートベルトが装着されると共に、設置体34が展開されている(
図1(A)参照)。
【0050】
設置体34のカメラユニット48では、制御装置28の制御により、後カメラ54がバイザ50の車両後側を撮像すると共に、モニタ56に後カメラ54が撮像した画像が表示される。このため、乗員がモニタ56に表示される画像を確認することで、乗員の車両後側の視認が補助される。
【0051】
乗員が操作部26を作動操作しない状態で、車両12の後側かつカメラ装置10設置側における乗員の死角に存在する他車両をレーダ44が検出した際には、制御装置28の制御により、設置体34におけるランプユニット36のコーションランプ42が作動されて、透過レンズ46のコーションレンズ46Cから光が車両後側に照射される。このため、車両12(自車両)が当該他車両を検出していることについて当該他車両に警告される。
【0052】
乗員が車両12の進行方向をカメラ装置10設置側に変更する前に、乗員が操作部26を作動操作した際には、制御装置28の制御により、ランプユニット36のターンランプ40が作動されて、透過レンズ46のターンレンズ46Bから光が車幅方向外側及び車両後側に間欠(点滅)照射される。このため、車両12の進行方向がカメラ装置10設置側に変更されることが設置体34の車幅方向外側及び車両後側の他車両及び歩行者に報知される。
【0053】
また、車両12が停車されると共に、シートベルトが乗員から離脱された状態(車両12の速度が0Km/hであることを速度センサ30が検出すると共に、シートベルトの乗員に対する離脱を着脱センサ52が検出する状態)で、乗員がサイドドア16を開放して車両12から降車するために、サイドドア16のドアノブに乗員が接触した際(ドアノブへの乗員の接触を接触センサ20が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーションレンズ46Cから光が車両後側に照射される。このため、サイドドア16が開放されることが設置体34の車両後側の他車両及び歩行者に警告される。
【0054】
さらに、乗員がサイドドア16を開放して車両12から降車した後に、乗員がサイドドア16を閉鎖した際(サイドドア16の閉鎖を開閉センサ22が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42の作動が解除されて、コーションレンズ46Cからの光の照射が停止される。
【0055】
そして、乗員がロック機構18をロック操作した際には、制御装置28の制御により、リトラクタ32が作動されて、設置体34が格納される(
図1(B)参照)。
【0056】
また、乗員がサイドドア16を開放して車両12に乗車するために、乗員がサイドドア16に車外から接近した際(乗員のサイドドア16への車外からの接近を接近センサ24が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーションレンズ46Cから光が車両後側に照射される。このため、サイドドア16が開放されることが設置体34の車両後側の他車両及び歩行者に警告される。
【0057】
さらに、乗員がロック機構18をアンロック操作してサイドドア16を開放した際(サイドドア16の開放を開閉センサ22が検出した際)には、制御装置28の制御により、リトラクタ32が作動されて、設置体34が展開される(
図1(A)参照)。
【0058】
そして、乗員が車両12に乗車してサイドドア16を閉鎖した際(サイドドア16の閉鎖を開閉センサ22が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42の作動が解除されて、コーションレンズ46Cからの光の照射が停止される。
【0059】
ここで、設置体34のランプユニット36における透過レンズ46では、ターンレンズ46Bがコーションレンズ46Cの車幅方向外側(車外側)に配置されている。このため、ターンレンズ46Bをコーションレンズ46Cに阻害されずに設置体34(透過レンズ46)の車幅方向外側に配置でき、ターンレンズ46Bを設置体34の車幅方向外側に容易に配置できる。
【0060】
しかも、コーションレンズ46Cがターンレンズ46Bの車幅方向内側(フェンダパネル14の上下方向中間部の車幅方向外側近傍)に配置されて、乗員がコーションレンズ46Cを目視不能にされている。このため、コーションレンズ46Cから照射される光の光量を多くでき、コーションレンズ46Cから照射される光により他車両及び歩行者を良好に警告できる。
【0061】
さらに、透過レンズ46では、ターンレンズ46Bの車両後側部分とコーションレンズ46Cとが車幅方向において並設されている。このため、透過レンズ46を上下方向(ターンレンズ46Bの車両後側部分とコーションレンズ46Cとの並設垂直方向)において小型化でき、ランプユニット36ひいては設置体34を上下方向において小型化できる。しかも、ターンレンズ46Bとコーションレンズ46Cとが上下方向において接近されることで、ターンランプ40のターン回路基板40A及びコーションランプ42のコーション回路基板42Aの一体化(共通化)を容易にできる。
【0062】
また、透過レンズ46の分離部46Dがターンレンズ46Bの車両後側部分とコーションレンズ46Cとを車幅方向において分離している。このため、ターンレンズ46Bが照射する光とコーションレンズ46Cが照射する光とを他車両及び歩行者が容易に区別できる。
【0063】
さらに、カメラユニット48では、バイザ50における後露出筒50Aの車両後側端の上側に透過レンズ46の分離部46Dが配置されて、後カメラ54のレンズ54Aの上側の周囲に分離部46Dが配置されている。このため、分離部46Dが設けられずにレンズ54Aの上側の周囲全体にターンレンズ46Bとコーションレンズ46Cとが配置される場合とは異なり、レンズ54Aの上側の周囲においてターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが照射する光の光量を少なくでき、ターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが照射する光が後カメラ54の撮像画像に影響を与えることを抑制できる。
【0064】
また、設置体34が格納された際に、ターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが車外(フェンダパネル14の外側)に露出される(
図1(B)参照)。このため、設置体34が格納された際でも、ターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが車外に光を照射できる。
【0065】
さらに、ランプユニット36では、ターンランプ40のターン回路基板40Aとターンレンズ46Bとが離間されて、ターン回路基板40A(LED)からの光がターンライトガイド40Bによってターンレンズ46Bに案内される。しかも、コーションランプ42のコーション回路基板42Aとコーションレンズ46Cとが離間されて、コーション回路基板42A(LED)からの光がコーションライトガイド42Bによってコーションレンズ46Cに案内される。このため、ターン回路基板40A及びコーション回路基板42Aの配置自由度を大きくでき、ターン回路基板40A及びコーション回路基板42Aの一体化(共通化)を一層容易にできる。
【0066】
なお、本実施形態では、車両12の後側かつカメラ装置10設置側における乗員の死角に存在する他車両をレーダ44が検出した際に、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーションレンズ46Cから光が照射される。しかしながら、車両12の後側かつカメラ装置10設置側における乗員の死角に存在する他車両を後カメラ54が撮像して検出した際(例えば、後カメラ54の撮像範囲のうちモニタ56に表示される画像範囲(乗員により選択された画像範囲)以外の範囲に他車両が存在する際)に、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーションレンズ46Cから光が照射されてもよい。これにより、カメラ装置10とは別にレーダ44(検出装置)を別途設ける必要をなくすことができる。
【0067】
さらに、本実施形態では、設置体34が格納された際に、ターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが車外に露出される。しかしながら、設置体34が格納された際に、ターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cの少なくとも一方が車外に露出されればよい。
【0068】
また、本実施形態では、カメラ装置10が車両12のフェンダパネル14に設置される。しかしながら、カメラ装置10が車両12のフェンダパネル14以外の部分(例えばサイドドア)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10・・・カメラ装置(設置装置)、12・・・車両、34・・・設置体、46B・・・ターンレンズ(報知部)、46C・・・コーションレンズ(警告部)、46D・・・分離部、54・・・後カメラ(撮像装置)、54A・・・レンズ