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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】キャンプ施設のチェックインシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020088653
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021184128
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 玲子
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-194896(JP,A)
【文献】特開2004-302866(JP,A)
【文献】特開2009-116767(JP,A)
【文献】特開2019-002136(JP,A)
【文献】特開2018-081449(JP,A)
【文献】特開2002-149887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外の敷地内に設けられた複数の小屋と、前記敷地内へ入るための入場口とを有し、前記複数の小屋にそれぞれ施錠設備が設けられた宿泊部屋が設けられているキャンプ施設に適用されるチェックインシステムであって、
前記入場口は、前記キャンプ施設の利用者がチェックインする際に通過する通過部となっており
前記入場口の付近に利用者が存在することを把握する把握手段と、
前記入場口の付近に設けられ、前記入場口を通過する利用者の識別情報を取得するための識別情報取得手段と、
前記把握手段により前記入場口の付近に利用者がいることが把握された場合に、前記識別情報取得手段に利用者の識別情報を取得するための取得処理を実行させる取得処理実行手段と、
前記取得処理の実行によって取得された前記利用者の識別情報に基づいて、前記利用者があらかじめ宿泊予約を行った正規の利用者であるか否かを認証する認証手段と、
前記認証手段により利用者が正規の利用者であると認証された場合に、当該利用者が宿泊する前記宿泊部屋の設備のうち少なくとも前記施錠設備の利用を可能とする利用権限を当該利用者に付与する付与処理を行う利用権限付与手段と、
を備えることを特徴とするキャンプ施設のチェックインシステム。
【請求項2】
前記各宿泊部屋には、前記設備として、前記施錠設備に加え電気設備が設けられており、
前記利用権限付与手段は、前記付与処理に際し、前記施錠設備の利用権限に加え前記電気設備の利用権限を付与することを特徴とする、請求項1に記載のキャンプ施設のチェックインシステム。
【請求項3】
前記キャンプ施設では、利用者が車両に乗ったまま前記入場口より前記敷地内へ入場可能となっており、
前記把握手段は、利用者が乗る車両が前記入場口の付近に存在することを検知する車両検知手段であり、
前記識別情報取得手段は、前記車両に表示された自動車登録番号を利用者の前記識別情報として撮影する撮影手段を有しており、
前記取得処理実行手段は、前記車両検知手段により前記車両が前記入場口の付近に存在することが検知された場合に、当該車両の前記自動車登録番号を撮影する撮影処理を前記取得処理として前記撮影手段に実行させ、
前記認証手段は、前記撮影処理により撮影された前記車両の前記自動車登録番号に基づいて、当該車両に乗る利用者が正規の利用者であるか否かを認証することを特徴とする、請求項1又は2に記載のキャンプ施設のチェックインシステム。
【請求項4】
前記利用権限付与手段は、前記付与処理として、利用者が所持するモバイル端末に前記設備の利用権限を付与するための利用権限データを送信する処理を行い、
前記利用権限データが前記モバイル端末により受信されると、前記モバイル端末の操作に基づき前記設備の使用が可能となることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のキャンプ施設のチェックインシステム。
【請求項5】
前記利用権限付与手段により付与される前記設備の利用権限は、所定の期間内に限り有効となることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のキャンプ施設のチェックインシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンプ施設のチェックインシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の住戸を備えるアパート等の集合住宅において、空き住戸を活用した宿泊サービスが行われている。このような宿泊サービスは民泊と呼ばれており、外国人観光客を中心として、利用ニーズが高まっている。
【0003】
そこで、宿泊者の本人確認や鍵の受け渡しを行う方法として、近年広く普及しているスマートフォン等のモバイル端末を活用する方法が提案されている。例えば、特許文献1の発明では、民泊事業者は、宿泊者がモバイル端末により撮影した本人映像により、宿泊施設に宿泊者が実地に所在することを確認できる。また、宿泊施設の利用に必要な電子鍵を、宿泊者のモバイル端末に配信することができる。これにより、民泊事業者は宿泊者の本人確認や電子鍵の受け渡しを遠隔で行うことができる。この場合、民泊事業者は宿泊者のチェックインを宿泊者に会うことなく行うことができるため、管理負担の軽減を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-101235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、宿泊施設としては、上述した民泊施設の他に、屋外に設けられたキャンプ施設がある。キャンプ施設としては、例えば敷地内に設けられたロッジ等の小屋で宿泊するタイプの施設があり、近年では、小屋内にホテル並みの設備を備えたグランピング施設も人気となっている。ここで、こうした屋外のキャンプ施設では、施設内に車両等で入場する際にチェックインを行う場合があると考えられる。そこで、かかる入場時のチェックインを行うに際し、上述した特許文献1の方法を適用してチェックインを行うことが考えられる。その場合、キャンプ施設の管理者にとっては宿泊者に会うことがなくチェックインを行うことができるため、管理負担の低減を図ることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の発明では、チェックインの際、宿泊者は現地でモバイル端末を起動し、本人確認用の映像を撮影する必要があるため、チェックインの操作に時間を要することが考えられる。このため、入場時のチェックインを行う際に特許文献1の方法を適用すると、入場口でチェックイン待ちの宿泊者が並んで混雑が発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、キャンプ施設へのチェックインの際に、混雑が発生するのを抑制することができるキャンプ施設のチェックインシステムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の宿泊施設の利用管理システムは、施錠設備が設けられた複数の宿泊部屋を備える宿泊施設に適用されるチェックインシステムであって、
前記宿泊施設の利用者がチェックインする際に通過する通過部と、
前記通過部の付近に利用者が存在することを把握する把握手段と、
前記通過部の付近に設けられ、前記通過部を通過する利用者の識別情報を取得するための識別情報取得手段と、
前記把握手段により前記通過部に利用者がいることが把握された場合に、前記識別情報取得手段により前記通過部に利用者がいることが把握された場合に、前記識別情報取得手段に利用者の識別情報を取得するための取得処理を実行させる取得処理実行手段と、
前記取得処理の実行によって取得された前記利用者の識別情報に基づいて、前記利用者があらかじめ宿泊予約を行った正規の利用者であるか否かを認証する認証手段と、
前記認証手段により利用者が正規に利用者であるとの認証がされた場合に、当該利用者が宿泊する前記宿泊部屋の設備のうち少なくとも前記施錠設備の利用を可能とする利用権限を当該利用者に付与する付与処理を行う利用権限付与手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、宿泊施設の利用者がチェックインする際に通過する通過部が設けられており、その通過部付近に利用者がいることが把握されると、その利用者の識別情報を取得するための取得処理が識別情報取得手段によって行われる。そして、取得処理により取得された利用者の識別情報に基づいて、その利用者があらかじめ宿泊予約を行った正規の利用者であるか否かが認証され、その認証により正規の利用者であると認証された場合に、当該利用者に宿泊部屋の施錠設備の利用権限が付与される。これにより、利用者は宿泊部屋を施解錠することが可能となり、宿泊部屋の利用が可能となる。つまり、この場合、利用者に施錠設備の利用権限が付与されることで、利用者の宿泊部屋へのチェックインが行われるようになっている。こうしたチェックインのやり方によれば、利用者はチェックインに際し自らの顔画像を撮影するといった操作を行う必要がなく、通過部を通過するだけでチェックインを行うことができる。そのため、速やかにチェックインを行うことができ、チェックインの際に混雑が発生するのを抑制することができる。
【0010】
第2の発明の宿泊施設の利用管理システムは、第1の発明において、前記各宿泊部屋には、前記設備として、前記施錠設備に加え電気設備が設けられており、
前記利用権限付与手段は、前記付与処理に際し、前記施錠設備の利用権限に加え前記電気設備の利用権限を付与することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、利用者が通過部を通過するチェックインの際に、施錠設備の利用権限に加え、宿泊部屋に設けられた電気設備の利用権限が(正規の)当該利用者に付与される。これにより、利用者は電気設備の利用権限を得るための処理を別途行う必要がなく、利便性の向上を図ることができる。なお、宿泊部屋の電気設備としては、テレビやエアコン、照明等が挙げられる。
【0012】
第3の発明の宿泊施設の利用管理システムは、第1又は第2の発明において、前記宿泊施設は、屋外の敷地内に設けられた複数の小屋を有し、それら各小屋にそれぞれ前記宿泊部屋が設けられたキャンプ施設であり、
前記キャンプ施設には、前記敷地内へ入るための入場口が設けられ、その入場口がチェックインの際に通る前記通過部となっていることを特徴とする。
【0013】
宿泊施設には、屋外の敷地内に複数の小屋を有するキャンプ施設がある。こうしたキャンプ施設では、利用者が入場口より敷地内へ入場する際に利用者のチェックインを行うことが考えられ、その場合、入場口で混雑が発生することが想定される。そこで本発明では、このような点に鑑み、かかるキャンプ施設に対して上記第1の発明を適用している。この場合、キャンプ施設へのチェックインの際に入場口で混雑が発生するのを抑制することができる。
【0014】
第4の発明の宿泊施設の利用管理システムは、第3の発明において、前記キャンプ施設では、利用者が車両に乗ったまま前記入場口より前記敷地内へ入場可能となっており、
前記把握手段は、利用者が乗る車両が前記入場口の付近に存在することを検知する車両検知手段であり、
前記識別情報取得手段は、前記車両に表示された自動車登録番号を利用者の前記識別情報として撮影する撮影手段を有しており、
前記取得処理実行手段は、前記車両検知手段により前記車両が前記入場口の付近に存在することが検知された場合に、当該車両の前記自動車登録番号を撮影する撮影処理を前記取得処理として前記撮影手段に実行させ、
前記認証手段は、前記撮影処理により撮影された前記車両の前記自動車登録番号に基づいて、当該車両に乗る利用者が正規の利用者であるか否かを認証することを特徴とする。
【0015】
キャンプ施設によっては、敷地内に車両での乗り入れが可能となっている施設がある。そこで、本発明では、こうしたキャンプ施設に対して上記第1の発明を適用している。本発明の構成によれば、利用者が乗る車両が入場口付近に近づくと、当該車両に表示された自動車登録番号が撮影され、その撮影された自動車登録番号に基づき、当該車両に乗る利用者の認証が行われる。そして、その認証に基づき、利用者に宿泊部屋の施錠設備の利用権限が付与される。この場合、利用者は車両に乗ったままチェックインを行うことができるため、車両で乗り入れる利用者にとって好都合な構成とすることができる。また、このような構成にあっても、利用者はチェックインの際、車両に乗って入場口を通過するだけでよいため、チェックインを速やかに行うことができる。このため、入場口付近でチェックイン待ちの車両が並んで渋滞が発生するといった事態が生じるのを抑制することができる。
【0016】
第5の発明の宿泊施設の利用管理システムは、第1から第4のいずれかの発明において、前記利用権限付与手段は、前記付与処理として、利用者が所持するモバイル端末に前記設備の利用権限を付与するための利用権限データを送信する処理を行い、
前記利用権限データが前記モバイル端末により受信されると、前記モバイル端末の操作に基づき前記設備の使用が可能となることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、利用者は自身が所持するモバイル端末を操作することで、宿泊部屋に設けられた設備を利用することができる。これにより、利用者が宿泊部屋の設備を利用するにあたって利便性の向上を図ることができる。
【0018】
第6の発明の宿泊施設の利用管理システムは、第1から第5のいずれかの発明において、前記利用権限付与手段により付与される前記設備の利用権限は、所定の期間内に限り有効となることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、利用者が宿泊部屋の設備を利用することができるのは、所定の期間内に限られる。これにより、例えば利用者が予約した利用期間に限り、利用者に設備の使用を許可することで、予約した利用期間外の不正利用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】キャンプ施設全体の構成を示す図
図2】キャンプ施設の出入口付近の構成を示す図
図3】小屋内部の構成を示す図
図4】チェックインシステムの電気的構成を示す図
図5】モバイル端末の表示画面を示す図
図6】モバイル端末の表示画面を示す図
図7】チェックイン処理を示すシーケンスチャート
図8】モバイル端末の表示画面を示す図
図9】モバイル端末の表示画面を示す図
図10】モバイル端末の表示画面を示す図
図11】モバイル端末の表示画面を示す図
図12】入浴施設の外観等を示す図
図13】別例におけるチェックインシステムの構成を示す図
図14】チェックインシステムの電気的構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図1図3に基づいて説明する。図1は、キャンプ施設全体の構成を示す図である。図2は、キャンプ施設の出入口付近の構成を示す図である。図3は、小屋内部の構成を示す図である。
【0022】
図1に示すように、宿泊施設であるキャンプ施設10は、敷地11と、敷地11内に設けられた複数の小屋21とを備える。本実施形態では、キャンプ施設10がいわゆるグランピング施設となっている。各小屋21にはそれぞれ利用者の宿泊が可能な宿泊部屋21a(図3参照)が設けられている。また、各小屋21に隣接して車両91を駐車可能な駐車スペース23が設けられている。また、敷地11内には、各小屋21の他に、入浴施設24が設けられ、その入浴施設24は利用者により共用される共用施設となっている。
【0023】
敷地11の外周部には、通過部としての出入口22が設けられている。キャンプ施設10の利用者はこの出入口22を通じて敷地11内に出入りするようになっている。また、本キャンプ施設10では、利用者が車両91に乗ったまま敷地11内に出入りすることが可能となっている。なお、出入口22が入場口に相当する。
【0024】
本キャンプ施設10では、利用者が車両91に乗って敷地11内に入る際に、換言すると利用者の車両91が敷地11内に入るべく出入口22を通過する際に当該利用者のチェックインが行われるようになっている。以下、このチェックインを行うためのチェックインシステムについて説明する。
【0025】
図2に示すように、キャンプ施設10の出入口22付近には、識別情報取得手段としての自動車登録番号認識システム71が設けられている。自動車登録番号認識システム71は、利用者の車両91がキャンプ施設10の敷地11内に入るにあたり、出入口22を通過する際、その車両91に表示された自動車登録番号を取得するものである。自動車登録番号認識システム71には、撮影手段としてのカメラ72と、把握手段としての車両センサ74と、音声を出力するスピーカ75とが設けられている。
【0026】
カメラ72は、利用者の車両91のナンバープレート91aに表示された自動車登録番号を撮影するものであり、出入口22の付近に撮影範囲SAを有する。車両センサ74は、車両91が出入口22付近に接近したことを検知するものであり、出入口22付近に検知範囲DAを有する。車両センサ74は、車両91が検知範囲DAに進入すると検知を行う。なお、車両センサ74が車両検知手段に相当する。また、図2では便宜上、カメラ72の撮影範囲SAと車両センサ74の検知範囲DAとを一点鎖線で単純化して示しているが、実際にはこれら各範囲SA,DAはある程度の広がりをもった範囲となっている。
【0027】
本実施形態においては、利用者は各自のモバイル端末101を所持する。モバイル端末101には、操作画面等を表示し、かつ利用者が操作を行うためのタッチパネル102と、画像等を撮影する撮影部103とが設けられている。なお、図3では、一点鎖線の枠内にモバイル端末101を裏側から見た図を示している。
【0028】
図3に示すように、小屋21には、屋外(敷地11)から宿泊部屋21aへ出入りするための出入口22が設けられている。出入口22にはドア31が設けられており、ドア31には、ドア31を電気的に施解錠する施錠設備32が設けられている。また、宿泊部屋21aには、複数の電気設備41~43が設けられている。これらの電気設備41~43には、照明41、テレビ42、エアコン43が含まれている。なお、施錠設備32及び各電気設備41~43が設備に相当する。
【0029】
次に、チェックインシステムの電気的構成について、図4に基づいて説明する。図4は、チェックインシステムの電気的構成を示す図である。
【0030】
図4に示すように、本実施形態のチェックインシステムは、自動車登録番号認識システム71と、管理サーバ81と、モバイル端末101と、施錠設備32と、電気設備41~43とから構成される。
【0031】
自動車登録番号認識システム71は、通信部77を有しており、インターネット等のネットワーク60を通じて、管理サーバ81と通信が可能となっている。また、自動車登録番号認識システム71は制御部78を有しており、その制御部78は、カメラ72、車両センサ74、スピーカ75及び通信部77と接続されている。更に、制御部78は、取得処理実行手段としての取得処理実行部79を有しており、車両センサ74の検知に基づいて、カメラ72の制御を行う。
【0032】
管理サーバ81は、本チェックインシステムを統括管理するサーバである。管理サーバ81は、通信部82を有し、自動車登録番号認識システム71やモバイル端末101とネットワーク60を介した通信が可能である。また、管理サーバ81は、チェックイン処理等に必要な各種情報を記憶する記憶部83と、チェックイン処理等の各種処理を行う制御部86とを有している。記憶部83は、利用者と当該利用者の予約情報等とを関連付けて記憶する利用者データベース84を有する。制御部86は、予約処理を行う予約処理部87と、認証手段としての認証部88と、利用権限付与手段としての利用権限付与部89を有する。
【0033】
モバイル端末101には、タッチパネル102と、撮影部103と、ネットワーク60を介した通信を行う通信部104と、Wi-Fi(登録商標)、赤外線、Bluetooth(登録商標)等による近距離無線通信を行う近距離無線通信部105と、各種情報を記憶する記憶部106と、モバイル端末101の制御を行う制御部107とが設けられている。制御部107には、タッチパネル102と、撮影部103と、通信部104と、近距離無線通信部105と、記憶部106とが接続されており、利用者によるタッチパネル102の操作に基づいて制御処理が実行される。
【0034】
更に、記憶部106には、キャンプ施設10を利用するためのアプリケーションソフト(以下、「専用アプリ111」という。)がインストールされている。専用アプリ111には、予約ページ121と、施設利用ページ131aとが設けられている。予約ページ121は、キャンプ施設10の宿泊予約を行う予約処理において使用するものである。また、施設利用ページ131aは、モバイル端末101によりキャンプ施設10に設けられた設備の操作等を行う場合に使用するものである。
【0035】
小屋21に設けられた施錠設備32及び電気設備41~43は、近距離無線通信部32a,41a~43aをそれぞれ有しており、その近距離無線通信部32a,41a~43aを介してモバイル端末101等と近距離無線通信を行うことが可能となっている。利用者のモバイル端末101には後述するチェックイン処理の際に、施錠設備32及び電気設備41~43の利用を可能とする利用権限データが付与されるようになっている。その利用権限データがモバイル端末101に付与されると、利用者はモバイル端末101を用いて施錠設備32及び電気設備41~43を操作(制御)することが可能となっている。
【0036】
続いて、キャンプ施設10の予約処理について図5及び図6に基づき説明する。図5及び図6はモバイル端末101の表示画面を示す図である。本実施例では、利用者がキャンプ施設10を宿泊利用する前にあらかじめ宿泊予約に関する予約処理を行うようになっており、以下ではその予約処理について説明する。
【0037】
利用者が宿泊予約を行う際にはまずモバイル端末101において専用アプリ111を起動する。すると、モバイル端末101は、図5に示すメニュー画面141をタッチパネル102に表示する。メニュー画面141には、予約ページアイコン142と施設利用ページアイコン143とが設けられている。ここで、利用者が予約ページアイコン142をタッチ操作すると、モバイル端末101は、管理サーバ81の予約処理部87にアクセスする。すると、管理サーバ81は、モバイル端末101に予約情報の送信要求を送信する。モバイル端末101は、送信要求を受信すると、図6に示す予約ページ121をタッチパネル102に表示する。
【0038】
予約ページ121には、予約情報入力欄122と送信アイコン123とが設けられている。予約情報入力欄122は、利用者の予約情報を入力するためのものである。予約情報入力欄122には、利用者の予約情報として、利用者の氏名、キャンプ施設10の利用期間、クレジットカード番号及び利用者の車両91の自動車登録番号を入力することが可能となっている。利用者は、これらの予約情報入力欄122に予約情報を入力する。入力後、利用者が送信アイコン123をタッチ操作すると、モバイル端末101は、当該予約情報を管理サーバ81に送信する。そして、管理サーバ81において予約情報が受信されると、管理サーバ81の予約処理部87は受信した利用者の予約情報を利用者データベース84に記憶する。これにより、利用者の予約情報が管理サーバ81に登録される。
【0039】
続いて、キャンプ施設10のチェックイン処理について図7に基づき説明する。図7はチェックイン処理を示すシーケンスチャートである。チェックイン処理は、キャンプ施設10の利用者がチェックインする際に行われる処理となっている。
【0040】
図7に示すように、ステップS11~S18では、自動車登録番号認識システム71の制御部78において処理が実行される。まずステップS11では、車両センサ74が検知範囲DAにおいて車両91を検知したか否かを判定する。つまり、ここでは、出入口22付近に利用者の乗る車両91が接近したか否かを判定する。判定がYESの場合、つまり車両91が出入口22付近に接近した(存在する)ことが把握された場合にはステップS12へ進む。一方、判定がNOの場合は本処理を終了する。
【0041】
ステップS12では、自動車登録番号認識システム71のカメラ72を起動し、ステップS13へ進む。なお、カメラ72は、車両センサ74が検知していない場合には停止状態で待機するようになっている。
【0042】
ステップS13では、カメラ72を通じて取得される画像に基づき、カメラ72の撮影範囲SAに車両91の自動車登録番号が存在するか否かを判定する。つまり、ここでは、車両91の自動車登録番号がカメラ72により撮影可能(読取可能)な位置に存在するか否かを判定する。判定がYESの場合は、ステップS14に進む。NOの場合は、ステップS13の処理を繰り返す。なお、この場合、車両91の自動車登録番号が車両91に乗る利用者の識別情報に相当する。
【0043】
ステップS14では、取得処理実行部79にてカメラ72に自動車登録番号の撮影を実行させ、自動車登録番号を取得する。その後、ステップS15へと進む。なお、ステップS14の処理が取得処理及び撮影処理に相当する。
【0044】
ステップS15では、通信部77に、取得した自動車登録番号を管理サーバ81へと送信させる。その後、ステップS16へと進む。
【0045】
続いて、ステップS20~S26では、管理サーバ81の制御部86において制御処理を実行する。まずステップS20では、車両91の自動車登録番号を自動車登録番号認識システム71から受信すると、認証部88において、受信した自動車登録番号に基づき、車両91に乗る利用者があらかじめ宿泊予約を行った正規の利用者であるか否かを認証する認証処理を行う。この認証処理では、管理サーバ81の利用者データベース84に、受信した自動車登録番号と一致する自動車登録番号を含む予約情報が記憶されているか否かを判定し、その判定結果を基に正規の利用者であるか否かの認証を行う。利用者が正規の利用者である場合(ステップS21の判定がYESの場合)にはステップS22に進み、利用者が正規の利用者でない場合(ステップS21の判定がNOの場合)にはステップS26に進む。また、利用者が正規の利用者である場合には、利用者データベース84に記憶されている当該利用者の予約情報を読み出す。
【0046】
ステップS22では、今現在が、利用者があらかじめ予約したキャンプ施設10の利用期間内であるか否かを判定する。この判定は、利用者の予約情報に含まれるキャンプ施設10の利用期間に関する情報に基づき行う。今現在が(正規の)利用者の利用期間内である場合にはステップS23に進み、通信部82より自動車登録番号認識システム71に当該利用者にキャンプ施設10の利用を許可することを示す利用許可信号を送信する。一方、今現在が(正規の)利用者の利用期間内でない場合にはステップS26に進み、自動車登録番号認識システム71に当該利用者にキャンプ施設10の利用を許可しないことを示す利用不許可信号を送信する。また、利用者が正規の利用者でない場合(ステップS21でNO判定の場合)にも同様に、ステップS26において自動車登録番号認識システム71に利用不許可信号を送信する。ステップS26の後、本処理を終了する。
【0047】
ステップS23の後のステップS24では、利用権限付与部89において、(正規の)利用者に当該利用者が宿泊する小屋21(宿泊部屋21a)を割り当てるとともに、割り当てた宿泊部屋21aの設備32,41~43の利用権限を当該利用者に付与するための利用権限データを生成する。
【0048】
続くステップS25では、同じく利用権限付与部89において、ステップS24で生成した利用権限データを、ネットワーク60を介して、利用者の所有するモバイル端末101に送信する。利用権限データの送信後、本処理を終了する。なお、ステップS25の処理が付与処理に相当する。
【0049】
モバイル端末101側では利用権限データを受信すると、制御部107がステップS31を実行する。ステップS31では、受信した利用権限データをモバイル端末101の記憶部106に記憶する処理を行う。これにより、モバイル端末101に利用権限データが付与され、利用者はモバイル端末101を用いて宿泊部屋21aの設備32,41~43を利用することが可能となる(その詳細は後述)。また、この場合、宿泊部屋21aの施錠設備32の利用が可能となることで、宿泊部屋21aの施解錠を行うことが可能となる。そのため、利用者は宿泊部屋21aの利用が可能となり、これをもってチェックインが完了する。その後、本処理を終了する。
【0050】
続いて、自動車登録番号認識システム71による処理の説明に戻って、ステップS15の後のステップS16では、管理サーバ81から利用不許可信号を受信したか否かを判定する。利用不許可信号を受信しなかった場合には、ステップS17に進んで、利用許可信号を受信したか否かを判定する。ステップS16及びS17の各処理は利用許可信号又は利用不許可信号のいずれかが受信されるまで繰り返し行われる。
【0051】
管理サーバ81から利用不許可信号を受信した場合には、ステップS18に進み、利用者にキャンプ施設10の利用を許可しない旨の報知を行う。この報知はスピーカ75より音声を出力することで行う。この場合、利用者はキャンプ施設10の利用が認められていない者であることを知ることができる。一方、管理サーバ81から利用許可信号を受信した場合には、利用者にキャンプ施設10の利用を許可する旨の報知を行う。この報知もスピーカ75より音声を出力することで行う。この場合、利用者はキャンプ施設10(宿泊部屋21a)の宿泊利用が許可されチェックインが完了したことを知ることができる。ステップS18又はS19の処理の後、本処理を終了する。
【0052】
続いて、利用者のモバイル端末101に利用権限データが付与(記憶)された場合に、モバイル端末101を用いて行うことが可能となる各種処理について説明する。本システムでは、モバイル端末101に利用権限データが付与された場合、利用者が宿泊する宿泊部屋21aの設備32,41~43をモバイル端末101を用いて操作することが可能となっている。以下では、その場合の操作方法について図5及び図8図11に基づき説明する。なお、図8図11はいずれもモバイル端末101の表示画面を示す図である。
【0053】
まず、予約処理の場合と同様、利用者が専用アプリ111を起動すると、モバイル端末101は、図5に示すメニュー画面141を表示する。上述のとおり、メニュー画面141には、予約ページアイコン142と施設利用ページアイコン143とが設けられている。
【0054】
ここで、利用者が施設利用ページアイコン143をタッチ操作すると、モバイル端末101は、記憶部106に利用権限データが記憶されているか否かを判定する。利用権限データが記憶されていない場合には、図8に示す施設利用ページにアクセスできない旨を表示する画面131bをタッチパネル102に表示する。
【0055】
一方、記憶部106に利用権限データが記憶されている場合には、モバイル端末101は、今現在が利用者が予約した利用期間内であるか否かの判定を行う。利用期間内でない場合は、施設利用ページにアクセスできない旨を表示する画面131bをタッチパネル102に表示する。利用期間内である場合には、図9に示す施設利用ページ131aをタッチパネル102に表示する。すなわち、施設利用ページ131aは、利用者がチェックイン処理を済ませてモバイル端末101に利用権限データが付与されており、かつ今現在が予約した利用期間内である場合においてのみアクセスできるようになっている。
【0056】
施設利用ページ131aには、施解錠アイコン132と、設備アイコン135と、施設内決済アイコン138とが設けられている。ここでは施解錠アイコン132及び設備アイコン135について説明し、施設内決済アイコン138については後述する。
【0057】
利用者が、施解錠アイコン132をタッチ操作すると、モバイル端末101は、図10に示す施解錠システム133の画面をタッチパネル102に表示する。施解錠システム133には、施錠アイコン134aと解錠アイコン134bとが設けられている。利用者は、施錠アイコン134aをタッチ操作することで施錠設備32を施錠操作することができ、また、解錠アイコン134bをタッチ操作することで施錠設備32を解錠操作することができる。
【0058】
また、利用者が、設備アイコン135をタッチ操作すると、モバイル端末101は、図11に示す設備システム136の画面をタッチパネル102に表示する。設備システム136には、照明41、テレビ42、エアコン43の各アイコン137が設けられている。利用者が、それらのアイコン137のうちいずれかをタッチ操作すると、モバイル端末101は、操作されたアイコン137に対応する電気設備41~43の操作画面(図示略)をタッチパネル102に表示する。上述の施解錠システム133の場合と同様に、当該操作画面には、電気設備41~43の各種操作を行うためのアイコンが表示され、利用者は、操作画面に表示されたアイコンをタッチ操作することで、電気設備41~43の操作を行うことができるようになっている。
【0059】
なお、利用権限データは、利用者が予約した利用期間(所定の期間内に相当)を過ぎると無効となる。つまり、利用権限データは利用期間においてのみ有効となっている。このため、利用期間が経過すると、利用者は施設利用ページ131aにアクセスできなくなり、その結果、モバイル端末101を用いた設備32,41~43の利用を行うことができなくなる。
【0060】
また、専用アプリ111は、キャッシュレス決済機能を有する。利用者は、キャンプ施設10内における各種料金の支払いの際に、このキャッシュレス決済機能を活用することができる。例えば、利用者は、キャンプ施設10内に設けられた入浴施設24を利用する際に、入浴料を支払う必要があるが、専用アプリ111のキャッシュレス決済機能により、支払いを行うことができる。以下、専用アプリ111による決済処理について、入浴施設24を例として、図12に基づき説明する。
【0061】
図12に示すように、入浴施設24には、キャッシュレス決済用のシート25が掲示されている。シート25には、入浴施設24の決済に関する情報(以下、「決済情報」という。)を二次元コード化したQRコード(登録商標)が印刷されている。
【0062】
利用者は、まず、施錠設備32や電気設備41~43の制御の場合と同様、モバイル端末101で専用アプリ111を起動し、施設利用ページ131aを表示する。続いて、施設内決済アイコン138を選択入力すると、モバイル端末101は、施設内決済システム139の画面をタッチパネル102に表示する。ここで、利用者がモバイル端末101の撮影部103によりシート25に印刷されたQRコードを撮影すると、モバイル端末101は決済情報を取得する。
【0063】
モバイル端末101は、取得した決済情報を管理サーバ81に送信する。管理サーバ81は、受信した決済情報と利用者とを関連付けて利用者データベース84に記憶する。
【0064】
そして、キャンプ施設10の管理者は、利用者データベース84に記憶された予約情報及び決済情報に基づき、利用者に対して入浴施設24の利用料金の請求を行う。利用者は、キャンプ施設10を利用した後に、当該請求に対する支払いを完了すればよい。このようにして、利用者は、キャンプ施設10内においてキャッシュレス決済を行うことができる。
【0065】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0066】
キャンプ施設10の敷地11への出入口22付近に利用者がいることが把握されると、その利用者の識別情報(具体的には自動車登録番号)を取得するための取得処理(具体的にはステップS14の撮影処理)が行われる。そして、その取得された利用者の識別情報に基づいて、その利用者があらかじめ宿泊予約を行った正規の利用者であるか否かが認証され、その認証により正規の利用者であると認証された場合に当該利用者に宿泊部屋21aの施錠設備32の利用権限が付与される。これにより、利用者は宿泊部屋21aを施解錠することが可能となり、宿泊部屋21aの利用が可能となる。つまり、この場合、利用者に施錠設備32の利用権限が付与されることで、利用者の宿泊部屋21aへのチェックインが行われるようになっている。こうしたチェックインのやり方によれば、利用者はチェックインに際し自らの顔画像を撮影するといった操作を行う必要がなく、出入口22を通過するだけでチェックインを行うことができる。そのため、速やかにチェックインを行うことができ、チェックインの際に出入口22付近で混雑が発生するのを抑制することができる。
【0067】
また、上記のチェックインのやり方によれば、キャンプ施設10の管理者にとっては利用者に会うことなくチェックインを行うことができるため、チェックインの担当者を不要とすることができ、その結果、人件費の削減を図れる等の利点を得ることができる。
【0068】
利用者が出入口22を通過するチェックインの際に、施錠設備32の利用権限に加え、宿泊部屋21aに設けられた電気設備41~43の利用権限が当該利用者に対して付与される。これにより、利用者は電気設備41~43の利用権限を得るための処理を別途行う必要がなく、利便性の向上を図ることができる。
【0069】
利用者が乗る車両91が出入口22付近に近づくと、当該車両91に表示された自動車登録番号が撮影され、その撮影された自動車登録番号に基づき、当該車両91に乗る利用者の認証が行われる。そして、その認証に基づき、利用者に宿泊部屋21aの施錠設備32の利用権限が付与される。この場合、利用者は車両91に乗ったままチェックインを行うことができるため、車両91で乗り入れる利用者にとって好都合な構成とすることができる。また、このような構成にあっても、利用者はチェックインの際、車両91に乗って出入口22を通過するだけでよいため、チェックインを速やかに行うことができる。このため、出入口22付近でチェックイン待ちの車両91が並んで渋滞が発生するといった事態が生じるのを抑制することができる。
【0070】
管理サーバ81は、利用者が正規の利用者であると認証した場合、利用者が所有するモバイル端末101に利用権限データを送信する。そして、モバイル端末101が利用権限データを受信すると、利用者は、宿泊する小屋21(宿泊部屋21a)の設備32,41~43を、当該モバイル端末101の操作に基づき利用することが可能となる。この場合、利用者が宿泊部屋21aの設備32,41~43を利用するにあたり利便性の向上を図ることができる。
【0071】
利用者は、入浴施設24の使用料金について、モバイル端末101を用いたキャッシュレス決済が可能となっている。このため、利用者がキャンプ施設10を利用する際の利便性を向上させることができる。なお、キャンプ施設10には、入浴施設24以外に、キャンプ用品をレンタルするレンタル施設等、他の公共施設が設けられることが考えられる。その場合にも、当該公共施設の料金についてモバイル端末101を用いたキャッシュレス決済を適用することが可能である。
【0072】
利用者のモバイル端末101に付与された宿泊部屋21aの設備32,41~43の利用権限データは、利用者が予約した利用期間を経過すると無効化される。つまり、利用者に付与された設備32,41~43の利用権限は利用期間に限り有効とされる。利用期間が過ぎて利用者の利用権限が無効となると、利用者は、施設利用ページ131aにアクセスできなくなり、その結果設備32,41~43の利用が不可となる。これにより、利用期間外の不正な利用を抑制することができる。なお、入浴施設24のキャッシュレス決済の権限についても、利用期間が経過すると無効とされる。
【0073】
本発明は、上記実施形態によらず、例えば次のように実施されてもよい。
【0074】
(1)上記実施形態では、利用者の認証処理(ステップS20)に際し、利用者の車両91に表示された自動車登録番号を利用者の識別情報として用いたが、例えば利用者のETCカード161に記憶されたETCカード情報を利用者の識別情報として用いてもよい。そこで、以下では、その場合の具体例について図13及び図14を用いながら説明する。なお、図13は、別例におけるチェックインシステムの構成を示す図であり、図14はチェックインシステムの電気的構成を示す図である。
【0075】
図13及び図14に示すように、本別例では、利用者の車両91に、ETC車載器165が設けられている。ETC車載器165は、利用者のETCカード161を挿入する挿入口(図示略)を有しており、その挿入口にETCカード161が挿入されると、当該ETCカード161から利用者のETCカード情報を読み取ることが可能となっている。また、ETC車載器165は通信部166を備え、その通信部166を介して読み取ったETCカード情報を無線送信するようになっている。なお、本例では、ETCカード情報が利用者を識別する識別情報となっている。
【0076】
利用者は、キャンプ施設10の予約処理時にETCカード161のETCカード情報(例えばETCカード番号)を管理サーバ81に予約情報として登録する。具体的には、図6に示す専用アプリ111の予約ページ121には、ETCカード番号を入力する予約情報入力欄122が設けられており、利用者は予約処理の際、その予約情報入力欄122にETCカード161のETCカード番号を入力する。
【0077】
キャンプ施設10の出入口22付近には、識別情報取得手段としてのETCゲート171が設けられている。ETCゲート171には、出入口22付近への車両91の接近を検知する車両センサ74と、管理サーバ81とネットワーク60を介した通信を行う通信部77と、ETC車載器165と無線通信を行う無線通信機172とが設けられている。車両センサ74は、検知範囲DAを有し、検知範囲DAにおける車両91の存在を検知する。無線通信機172は、通信範囲CAを有し、当該通信範囲CAにおいてETC車載器165と無線通信を行う。また、無線通信機172の通信範囲CAは車両センサ74の検知範囲DAを含むように設定されている。
【0078】
また、ETCゲート171には制御部175が設けられ、制御部175には、車両センサ74と、通信部77と、無線通信機172が接続されている。更に、制御部175は、取得処理実行手段としての取得処理実行部176を有しており、車両センサ74の検知に基づいて無線通信機172の制御を行うことができる。
【0079】
制御部175は、車両センサ74がその検知範囲DAにおいて車両91の存在を検知すると、無線通信機172を通じてETC車載器165にETCカード情報の送信を要求するリクエスト信号を送信する。この場合、このリクエスト信号の送信が、利用者の識別情報を取得するための取得処理に相当する。制御部175からのリクエスト信号がETC車載器165の通信部166により受信されると、ETC車載器165は、その応答として通信部166よりETCカード161のETCカード情報を送信する。そして、ETCゲート171の制御部175が無線通信機172を通じてETCカード情報を受信すると、制御部175は、その受信したETCカード情報を、通信部77を通じて管理サーバ81に送信する。
【0080】
管理サーバ81は、利用者のETCカード情報を受信(取得)すると、受信したETCカード情報に基づき、車両91に乗る利用者が正規の利用者であるか否かの認証を行う。すなわち、管理サーバ81は、ETCゲート171から受信したETCカード情報と、あらかじめ管理サーバ81に登録された利用者の予約情報とを照合することにより、利用者の認証処理を行う。
【0081】
上記の構成においても、利用者が車両91に乗ったまま利用者認証が行われるため、利用者は車両91に乗ったまま速やかにチェックインを行うことができる。なお、ETCカード情報の送受信は、天候等の周辺環境による影響を受けにくいため、本例の構成によれば利用者の識別情報をより確実に取得できる利点を得ることができる。
【0082】
(2)利用者の認証を行うための識別情報としては、自動車登録番号やETC情報といった利用者の車両に関する情報を必ずしも用いる必要はない。例えば、利用者の顔画像を識別情報として用いることが考えられる。この場合、顔認証用のカメラを出入口22付近に設置し、車両91が出入口22付近に近づいたことが検知された場合に、そのカメラに車両91に乗る利用者の顔の撮影処理(取得処理に相当)を実行させるようにすることが考えられる。そして、その撮影処理により撮影された利用者の顔画像に基づき、利用者の認証処理を行うことが考えられる。この場合、予約処理の際、利用者の顔画像を予約情報として登録しておき、その登録された顔画像と、上記撮影された利用者の顔画像とを照合することで利用者の認証を行うことになる。
【0083】
(3)利用者の識別情報としては、その他に、利用者の氏名や住所、クレジットカード番号の情報を用いることが考えられる。この場合、利用者の所持するモバイル端末101に上記の識別情報をあらかじめ記憶しておき、利用者の車両91が出入口22付近に近づいたことが検知されると、モバイル端末101に識別情報の送信を要求するリクエスト信号を送信するようにする(取得処理に相当)。この場合、モバイル端末101側でリクエスト信号が受信されると、モバイル端末101はそのリクエスト信号の応答として識別情報を送信する。そして、その送信された識別情報に基づき、利用者の認証処理を行うようにする。
【0084】
(4)上記実施形態では、車両91での乗り入れが可能なキャンプ施設10に本発明のチェックインシステムを適用したが、キャンプ施設には車両での乗り入れのできない施設もある。このようなキャンプ施設では、利用者が歩いて出入口22より敷地11内に出入りすることになる。そこで、こうしたキャンプ施設に本発明のチェックインシステムを適用してもよい。この場合、利用者の認証処理を行うための構成として、例えば上述した(3)の構成を用いることが考えられる。
【0085】
具体的には、車両センサ74に代えて、出入口22付近に利用者が近づいた(存在する)ことを検知する人検知センサを設ける。そして、人検知センサにより利用者が出入口22付近に近づいたことが検知(把握)された場合に、利用者のモバイル端末101にリクエスト信号を送信するようにする(取得処理に相当)。そして、そのリクエスト信号の応答としてモバイル端末101から識別情報が送信されたら、その識別情報に基づいて利用者の認証処理を行うようにする。
【0086】
かかる構成によれば、利用者が出入口22を歩いて通過するだけで、利用者の認証処理が行われ、ひいてはその認証に基づく利用者のチェックインが行われる。このため、この場合にも速やかにチェックインを行うことができ、チェックインの際に出入口22付近で混雑が発生するのを抑制することができる。
【0087】
(5)上記実施形態では、キャンプ施設10に対して本発明のチェックインシステムを適用したが、ホテルや旅館等、キャンプ施設以外の宿泊施設に本発明のチェックインシステムを適用してもよい。例えば、ホテルに対して本発明のチェックインシステムを適用する場合、利用者の認証処理を行うための構成として、上述した(4)の構成を用いることが考えられる。
【0088】
具体的には、ホテル内における出入口付近等に、チェックインを行う利用者が通るチェックイン用のゲート(通過部に相当)を設けるとともに、そのゲート付近に利用者が存在することを検知する人検知センサを設ける。そして、その人検知センサにより利用者が検知されたら、利用者のモバイル端末101にリクエスト信号を送信するとともに(取得処理に相当)、そのリクエスト信号の応答としてモバイル端末101から識別情報が送信されたら、その識別情報に基づき利用者の認証処理を行うようにする。かかる構成によれば、利用者がゲートを通過するだけで利用者の認証が行われ、その認証に基づく利用者のチェックインが行われるため、チェックインに際し、ホテル内で混雑が発生するのを抑制することができる。
【0089】
(6)自動車登録番号、ETC情報、顔画像といった各種識別情報は、これらを組み合わせて利用者の認証に用いてもよい。この場合、より確実に利用者の認証を行うことができる。
【0090】
(7)上記実施形態では、利用者に宿泊部屋21aの設備32,41~43の利用権限を付与する付与処理として、利用者のモバイル端末101に利用権限データを送信する処理を行ったが、付与処理としては必ずしもかかる処理を行う必要はない。例えば、次のような構成が考えられる。
【0091】
出入口22付近に、宿泊部屋21aの設備32,41~43の利用(操作)を可能とするリモコン機を提供するリモコン提供装置を設ける。リモコン提供装置には、宿泊部屋21aごとに、設備32,41~43の操作が可能なリモコン機が収容されている。また、リモコン提供装置は、利用者にリモコン機を提供するための提供口を有している。この場合、利用者が正規の利用者であると認証されると、管理サーバ81はリモコン提供装置に利用者の宿泊する宿泊部屋21aに対応するリモコン機を提供口に移送させる提供処理を行わせる。これにより、利用者は、そのリモコン機を提供口より受け取り、そのリモコン機を用いて宿泊部屋21aの設備32,41~43を利用することが可能となる。つまり、この場合、利用者に宿泊部屋21aの設備32,41~43の利用権限が付与される。そのため、この例では、上述したリモコン機の提供処理が付与処理に相当することになる。
【0092】
(8)上記実施形態では、利用者の宿泊部屋21aへのチェックインに際し、宿泊部屋21aの施錠設備32の利用権限に加え、宿泊部屋21aの各電気設備41~43の利用権限を利用者に付与するようにしたが、電気設備41~43の利用権限については必ずしもチェックインの際に付与する必要はない。この場合、電気設備41~43の利用権限については、例えば宿泊部屋21aに入ってから別の方法(例えばコイン式)で付与することになる。
【0093】
(9)上記実施形態では、管理サーバ81の制御部86において、予約処理部87による予約処理、認証部88による認証処理、利用権限付与部89による付与処理を行ったが、これら各部87~89の処理のうち少なくともいずれかの処理を自動車登録番号認識システム71の制御部78により行ってもよい。
【0094】
(10)例えば宿泊部屋21aに施錠設備32及び電気設備41~43を統括して制御する制御装置を設け、その制御装置とモバイル端末101を通信可能としてもよい。この場合、モバイル端末101の操作により制御装置を介して各設備32,41~43を操作することになる。
【0095】
(11)キャンプ施設10は日帰りで利用することも可能であり、例えば小屋21を休憩のために利用してもよい。ただし、日帰りでキャンプ施設10を利用する場合においても、上記実施形態と同様、利用者は事前に利用予約を行い、入場時に認証を受けて小屋21等の利用権限を付与される必要がある。
【0096】
(12)上記実施形態では、キャンプ施設10内に設けられる公共施設として入浴施設24を例示したが、当該入浴施設24は、例えばレストラン等が併設され、入浴以外の用途で利用可能なものであってもよい。また、キャンプ施設10内に設けられる公共施設は入浴施設24に限定されず、例えばキャンプ用品をレンタルするレンタル施設等、他の公共施設が設けられるものであってもよい。なお、上述のとおり、その場合にも当該公共施設の料金についてモバイル端末101を用いたキャッシュレス決済を適用することが可能である。
【0097】
(13)上記実施形態では、小屋21の内部に設けられる電気設備として、照明41、テレビ42、エアコン43を例示しているが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、例えば給湯設備を設けることも可能である。また、小屋21の内部には、電気設備41~43以外にも、例えばキッチンやバスルームといった設備が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
10…宿泊施設としてのキャンプ施設、11…敷地、21…小屋、21a…宿泊部屋、22…通過部及び入場口としての出入口、32…設備としての施錠設備、41…電気設備としての照明、42…電気設備としてのテレビ、43…電気設備としてのエアコン、71…識別情報取得手段としての自動車登録番号認識システム、72…撮影手段としてのカメラ、74…把握手段及び車両検知手段としての車両センサ、79…取得処理実行手段としての取得処理実行部、88…認証手段としての認証部、89…利用権限付与手段としての利用権限付与部、91…車両、101…モバイル端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14